JPWO2011043313A1 - 電力ケーブル気中終端接続部及び電力ケーブル気中終端接続部の製造方法 - Google Patents

電力ケーブル気中終端接続部及び電力ケーブル気中終端接続部の製造方法 Download PDF

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Abstract

温度変化環境に対して優れた耐久性・信頼性を有するとともに、製造コストの低減を図ることができる完全乾式の電力ケーブル気中終端接続部及び電力ケーブル終端接続部の製造方法を提供する。電力ケーブルの端部と、この電力ケーブルの導体端部に接続された導体引出棒とが、碍管内に収容され、この碍管内に絶縁充填物が充填されてなる電力ケーブル気中終端接続部において、絶縁充填物を、シリコーンオイルとシリコーンゴムを混合したもの、シリコーンオイルとシリコーンゲルを混合したもの、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルを混合したものの何れかで形成する。

Description

本発明は、碍管内に電力ケーブルの端部を収容し、この碍管内に絶縁充填物を充填してなる電力ケーブル気中終端接続部及びその製造方法に関する。
一般に、CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)等の電力ケーブルと発電所等に配置される電力機器や架空送電線とを接続する際に電力ケーブルの終端部に施す端末処理、すなわち電力ケーブル気中終端接続部(以下、終端接続部)として、碍管内に電力ケーブルの端部を収容し、この碍管内に油を充填した構造(いわゆる油浸式の終端接続部)が知られている。この油浸式の終端接続部では、油漏れが生じた場合に周囲の環境を汚損する虞があることから、油を使用しない完全乾式の終端接続部が望まれている。
完全乾式の終端接続部としては、導体要素の外側にエポキシやシリコーンゴムの外被を施したタイプがある(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の技術によれば、完全乾式の終端接続部が実現されるが、エポキシ及びシリコーンゴムの外被を成形するための大型の金型が新たに必要になり、初期投資費用が嵩む上、導体要素のコスト自体も高くなることから、終端接続部のコストが高くなるという問題がある。
また、その他の完全乾式の終端接続部としては、油の代わりにシリコーンゲルを利用したタイプがある(例えば特許文献2)。特許文献2に記載の終端接続部の場合、油の代わりに硬化前のシリコーンゲルの原料を碍管内に注入し、その後硬化させてゲル化するだけでよく、油浸式と同様の構造(例えば碍管やストレスコーン等)を使用できる。
特許第3769046号公報 実開平6−80338号公報
ところで、終端接続部において、碍管内をシリコーンゲル等からなる絶縁充填物で充填する場合、絶縁充填物と電力ケーブル、碍管、又はゴムストレスコーンなどの各種部品との間に隙間を生じないことが最も重要となる。
油浸式の終端接続部では、絶縁充填物が流体(油)であるために、熱膨張・熱収縮を繰り返しても、絶縁充填物と電力ケーブル等との界面に隙間が生じたり、絶縁充填物自体に割れが生じたりすることはない。
しかしながら、特許文献2のように絶縁充填物としてシリコーンゲルを用いた場合、温度変化環境下で絶縁充填物が熱膨張・熱収縮を繰り返すと、絶縁充填物と電力ケーブル等との界面が部分的に剥離して隙間が生じたり、絶縁充填物自体に割れが生じる恐れがあり、耐久性・信頼性の面で不安がある。
このように、絶縁充填物としてシリコーンゲルを用いた終端接続部にも欠点があるため、環境を汚損する危険性のない完全乾式の必要性は認識されているものの、油浸式の終端接続部が現在も主流となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、温度変化環境に対して優れた耐久性・信頼性を有するとともに、製造コストの低減を図ることができる乾式の電力ケーブル気中終端接続部及び電力ケーブル終端接続部の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電力ケーブルの端部と、この電力ケーブルの導体端部に接続された導体引出棒とが、碍管内に収容され、この碍管内に絶縁充填物が充填されてなる電力ケーブル気中終端接続部であって、
前記絶縁充填物が、シリコーンオイルとシリコーンゴムを混合したもの、シリコーンオイルとシリコーンゲルを混合したもの、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルを混合したものの何れかで形成されていることを特徴とする。
この電力ケーブル気中終端接続部の碍管内に充填された絶縁充填物は、優れた界面密着性を有するとともに、前述の剥離や割れが生じた場合でも自己修復することを期待できるので、この終端接続部は、温度変化環境で使用されて絶縁充填物が熱膨張・熱収縮を繰り返したときでも、絶縁充填物と電力ケーブル等との界面に隙間が生じ難いものになる。したがって、この発明により、耐久性・信頼性に優れた乾式の終端接続部が実現される。また、この発明の終端接続部は、絶縁充填物の構成が異なるだけで、その他の構造は従来の油浸式の終端接続部と同等であるので、安価に製造することができる。一方、油浸式の終端接続部のような漏油の危険性もない。
請求項2に記載の発明は、電力ケーブルの端部と、この電力ケーブルの導体端部に接続された導体引出棒とが、碍管内に収容され、この碍管内に絶縁充填物が充填されてなる電力ケーブル気中終端接続部の製造方法であって、
当該電力ケーブル気中終端接続部を施工するときに、シリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合し、シリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合し、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料とシリコーンゲルの原料を混合して、前記碍管内に充填することを特徴とする。
この発明によれば、優れた界面密着性を有するとともに、電力ケーブル等との界面に剥離が生じた場合には自己修復機能を発揮することを期待できる絶縁充填物が形成されるので、この終端接続部は、温度変化環境で使用されて絶縁充填物が熱膨張・熱収縮を繰り返す場合でも、絶縁充填物と電力ケーブル等との界面に隙間が生じ難いものになる。したがって、この発明により、耐久性・信頼性に優れた乾式の終端接続部が実現される。また、この発明の終端接続部は、絶縁充填物の構成が異なるだけで、その他の構造は従来の油浸式の終端接続部と同等であるので、安価に製造することができる。一方、油浸式の終端接続部のような漏油の危険性はない。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法において、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率が、質量比で9:1から20:1の範囲であることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁充填物の界面密着性等が好適化されるので、さらに高い耐久性・信頼性を有する終端接続部が実現される。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法において、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率が、質量比で2:8から7:3の範囲であることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁充填物の界面密着性等が好適化されるので、さらに高い耐久性・信頼性を有する終端接続部が実現される。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4の何れか一項に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法において、前記シリコーンオイルの粘度が、3000cstから30000cstの範囲であることを特徴とする。
この発明によれば、絶縁充填物の界面密着性等が最適化されるので、さらに高い耐久性・信頼性を有する終端接続部が実現される。また、シリコーンオイルが適度な粘性を有することにより、終端接続部を施工する際の作業性(取扱い性)が向上する。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法において、シリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料とシリコーンオイルを別々の容器に入れて当該電力ケーブル気中終端接続部の施工現場に持ち込み、これらを施工現場で混合した後、前記碍管内に充填することを特徴とする。
この発明によれば、シリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料とシリコーンオイルを、適度に混合した状態で碍管内に注入できるので、所望の絶縁充填物を簡易に形成することができる。
なお、本発明において、シリコーンゴム又はシリコーンゲルには、二液タイプ、一液タイプの何れも用いることができる。本願において「原料」という用語は、シリコーンゴム又はシリコーンゲルが二液タイプのものであれば主剤と硬化剤を意味し、シリコーンゴム又はシリコーンゲルが一液タイプのものであるときは硬化する前の液状のシリコーンゴム又はシリコーンゲルを意味する。
本発明によれば、温度変化環境に対して優れた耐久性・信頼性を有するとともに、製造コストの低減を図ることができる乾式の電力ケーブル気中終端接続部及びその製造方法が提供される。
実施形態に係る終端接続部の概略構成を示す断面図である。 用いたシリコーンオイルの粘度と製造される絶縁充填物の稠度の関係を示すグラフである。 終端接続部の他の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る終端接続部の概略構成を示す断面図である。図1において、電力ケーブル11は、ゴム又はプラスチック絶縁の電力ケーブル(例えばCVケーブル)である。電力ケーブル11は、導体111、導体111の外周部に形成された絶縁層112、絶縁層112の外周に形成された外部半導電層113、外部半導電層113の外周に形成された遮蔽層(図示略)及びシース114等を有し、所定長で段剥ぎすることにより各層が露出されている。また、導体111の先端には、導電性を有する導体引出棒13が接続されている。
電力ケーブル11の外周面には、外部半導電層113から絶縁層112にかけて、常温収縮型のゴムストレスコーン14が装着されている。ゴムストレスコーン14は、電界緩和用の半導電ゴム部141と絶縁ゴム部142で構成され、電力ケーブル11によって拡径されることによる収縮力で電力ケーブル11の外周面に密着している。
碍管12は、例えば、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)製の中空筒体の外周を、ゴム又はプラスチックからなる襞付きの外套で被覆した複合碍管である。碍管12の上面に上部金具15が取り付けられ、底面に下部金具16が取り付けられて、碍管12の上下開口が閉塞されることにより、電力ケーブル11の端部を収容する小室が形成される。また、下部金具16には、電力ケーブル11を保持する下部銅管17が延設されており、下部銅管17の一端(図1では下端)側には、絶縁充填物10の流出を防止するシール18が施されている。
電力ケーブル11の導体111の先端に接続された導体引出棒13は上部金具15を貫通して外部に突出している。碍管12、上部金具15、及び下部金具16で形成された小室内は、絶縁充填物10で充填されている。すなわち、終端接続部1は、電力ケーブル11の端部と、この電力ケーブル11の導体端部に接続された導体引出棒13とが、碍管12内に収容され、この碍管12内に絶縁充填物10が充填されて構成されている。
本実施形態では、碍管12内に充填する絶縁充填物10を、シリコーンオイルとシリコーンゴムを混合したもの、シリコーンオイルとシリコーンゲルを混合したもの、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルを混合したもので構成している。これらの絶縁充填物10は、後述するように、シリコーンオイルにシリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料を混合して硬化させることにより製造される。
シリコーンゴムは、液体の状態で原料が市販されており、この原料を重合反応により硬化させる。一液型と二液型があり、さらに反応のタイプにより付加反応型と縮合反応型とに大別される。縮合型のシリコーンゴムでは空気中の水分と反応することがあるため、好ましくは付加型のシリコーンゴムを使用する。
市販されているシリコーンゴムとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE6910がある。このシリコーンゴムは、主剤がビニル基含有オルガノポリシロキサンで、硬化剤がハイドロジェンオルガノポリシロキサンである2液タイプのものであり、硬化後のタイプAデュロメータによる硬度が9である。
シリコーンゲルは、シリコーンゴムと同様、液体の状態で原料が市販されており、この原料を重合反応によりゲル状に硬化させる。一液型と二液型があり、さらに反応のタイプにより付加反応型と縮合反応型とに大別される。縮合型のシリコーンゲルでは空気中の水分と反応することがあるため、好ましくは付加型のシリコーンゲルを使用する。
市販されているシリコーンゲルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE1886がある。このシリコーンゲルは、主剤がビニル基含有オルガノポリシロキサンで、硬化剤がハイドロジェンオルガノポリシロキサンである2液タイプのものであり、硬化後の稠度が50である。
ここで、シリコーンゴムとは、シリコーンオイルを混合しないでその原料を硬化させたときに、JIS K 6253で規定されているタイプAデュロメータにより硬度を測定することが可能なシリコーン硬化物であり、シリコーンゲルとは、タイプAデュロメータによる硬度測定が不能なシリコーン硬化物である。なお、前記JIS K 6253は、ISO7619に対応する。
シリコーンオイルは、前記シリコーンゴムやシリコーンゲルのような重合反応性を示さない成分である。シリコーンオイルには、市販のストレートシリコーンオイル又は変性シリコーンオイルの何れを使用してもよいが、ストレートシリコーンオイルを使用するのが望ましい。市販のストレートシリコーンオイルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH200がある。
ここで、ストレートシリコーンオイルとは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーで構成されるシリコーンオイルである。ジメチルシリコーンオイル(ポリシロキサンの側鎖、末端がすべてメチル基であるもの)、メチルフェニルシリコーンオイル(ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるもの)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(ポリシロキサンの側鎖の一部が水素であるもの)の3種類が総称してストレートシリコーンオイルと呼ばれる。
また、変性シリコーンオイルとは、側鎖、末端に有機基を導入したものであり、置換される有機基の結合位置によって大きく4種類の構造(側鎖型、両末端型、片末端型、両鎖両末端型)に分類される。また、導入する有機基の性質によって反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンに分類される。
シリコーンオイルの粘度は、特に制限されないが、好ましくは3000〜30000cst(測定方法:JIS K 7117−2)がよい。この範囲の粘度のシリコーンオイルを用いることにより、シリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料と混合して絶縁充填物10を製造する際の作業性(取り扱い性)が良く、得られるゲル状硬化物(絶縁充填物10)の界面密着性も優れたものになる。なお、前記JIS K 7117−2はISO3219に対応する。
絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合して作製する場合、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を、質量比で9:1〜20:1の範囲とするのが望ましい。混合比率をこのような範囲とすることにより、所望の界面密着性を有する絶縁充填物10が実現されるので、終端接続部1の温度変化環境に対する耐久性・信頼性が向上する。
また、絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合して作製する場合、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率を、質量比で2:8〜7:3の範囲とするのが望ましい。混合比率をこのような範囲とすることにより、所望の界面密着性を有する絶縁充填物10が実現されるので、終端接続部1の温度変化環境に対する耐久性・信頼性が向上する。
絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料とシリコーンゲルの原料とを混合して作製する場合、これらの混合比率は、前述の比率で混ぜたシリコーンオイルとシリコーンゴム原料との混合物に、前述の比率で混ぜたシリコーンオイルとシリコーンゲル原料との混合物を混合したとみなせる比率にすることが望ましい。混合比率をこのような範囲とすることにより、所望の界面密着性を有する絶縁充填物10が実現されるので、終端接続部1の温度変化環境に対する耐久性・信頼性が向上する。
なお、絶縁充填物10には、本発明の作用・効果を妨げない範囲で任意成分を配合することができる。任意成分としては、反応抑制剤、反応促進剤、無機質充填剤、難燃性付与剤、チクソ性付与剤、顔料、染料等が挙げられる。
図1に示す終端接続部1を施工する場合、シリコーンゴム(又はシリコーンゲル)の原料(二液タイプの場合は主剤と硬化剤)、及びシリコーンオイルを、それぞれ別の容器に所定量入れて、施工現場に搬入する。そして、段剥ぎした電力ケーブル11の端部に、下部銅管17及び下部金具16を取り付け、ゴムストレスコーン14を装着するとともに、導体111の端部に導体引出棒13を接続する。この電力ケーブル11の端部に碍管12を被せて、下部金具16上に液密に固定する。また、電力ケーブル11と下部銅管17に跨ってシール18を施す。
なお、絶縁充填物10を作製するときに、ストレスコーン14の表面にシリコーンオイルを予め塗布しておくと、ストレスコーン14の表面に生じるボイドをより少なくできる。
次に、液状のシリコーンゴム(又はシリコーンゲル)の原料とシリコーンオイルとを一つの容器に入れ、所定の比率で配合した後、常温で均一になるまで混合する。この際、シリコーンゴム(又はシリコーンゲル)が主剤及び硬化剤からなる二液タイプの場合は、硬化剤を最後に混ぜる。シリコーンゴム(又はシリコーンゲル)の原料とシリコーンオイルの混合作業は、例えばハンドミキサーで混ぜることによって行われる。
次に、シリコーンゴム(又はシリコーンゲル)の原料とシリコーンオイルからなる混合物を、碍管12と下部金具16とで形成された小室内に所定量だけ流し込み、脱泡した後、上部金具15を取り付けて小室を閉塞する。そして、小室内を常温に保持した状態で電力ケーブル11に通電し、所定時間静置して混合物を硬化させ、絶縁充填物10を形成する。絶縁充填物10は、軟らかいゲル状硬化物(JIS K 2220(測定端子:標準コーン)で規定される稠度が200〜420)となる。なお、JIS K 2220(測定端子:標準コーン)は、ISO2137(測定端子:円錐コーン)に対応する。
[実施例1]
実施例1では、シリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合して混合物とし、これを硬化させたゲル状硬化物について、JIS K 2220で規定される稠度、ヒートサイクル試験による耐久性・信頼性、界面密着性、及びボイド消滅時間を評価した。
シリコーンオイルには、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH200シリーズ(粘度の異なるものが販売されている)を用い、シリコーンゴムの原料には、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE6910(液状タイプ、硬化前の粘度:7500cst)を用いた。
シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率は8:1〜21:1の範囲で、表1に示したように変化させた。シリコーンオイルには、表1に示したように、粘度が1000〜40000cstの範囲のもの用いた。各試料について、ヒートサイクル試験を行い、また、界面密着性、ボイド消滅時間を調べた。評価結果を表1に示す。
Figure 2011043313
ヒートサイクル試験は、終端接続部1を製作して行った。すなわち、電圧66kV、導体サイズ500sq、絶縁厚10mmの電力ケーブル11の端部を、110kV級のポリマー碍管12(内径290mm、高さ1350mm)に収容し、施工現場でシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料とを混合し、この混合物30kgを碍管12に注入し、硬化させてゲル状硬化物、すなわち絶縁充填物10とした終端接続部1を作製し、これを用いてヒートサイクル試験を行った。
具体的には、シリコーンオイルとシリコーンゴムの混合物を硬化させた後、<常温16時間>と<導体温度90℃×8時間>とを1サイクルとして、10サイクルのヒートサイクル試験を行った。そして、ヒートサイクル試験後に上部金具15を取り外し、碍管12の上部開口から内部を覗いて絶縁充填物10の様子を観察し、絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間に剥離や隙間が生じていないか等の観点から評価した。
絶縁充填物10の表面を棒で押しても絶縁充填物10が電力ケーブル11の外面又は碍管12の内面から剥離しない場合を“○”、絶縁充填物10の表面を棒で押したときに絶縁充填物10が電力ケーブル11の外面又は碍管12の内面から容易に剥離した場合を“△”、絶縁充填物10と電力ケーブル11の外面又は碍管12の内面との間に隙間が観察された場合を“×”として評価した。つまり、“○”評価は、ヒートサイクル試験において絶縁充填物10が電力ケーブル11及び碍管12から剥離せずに密着状態が保持されていたことを示し、“△”評価は、ヒートサイクル試験において絶縁充填物10が電力ケーブル11又は碍管12から剥離して密着状態が損なわれ、剥離跡が観察された(隙間は生じていない)ことを示す。“×”評価は、ヒートサイクル試験において絶縁充填物10が電力ケーブル11又は碍管12から剥離して密着状態が損なわれただけでなく、隙間が観察されたことを示すが、実施例1、2及び比較例を含めて“×”評価となったものはなかった。
界面密着性試験は、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合物を、2枚のシートの間に入れて硬化させて作製したゲル状硬化物の試験片を用いて行った。具体的には、20mm×100mm×1mmの2枚のシートに、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合物を挟んで硬化させた後、シートの上から荷重0.5kgをかけた状態で平行にシートをずらした際にどれだけの力(密着力)が生じるか、またゲル状硬化物又は油分がシートの表面に残っているかで評価した。なお、架橋ポリエチレン(XLPE)製のシートを用いた場合と、エチレンプロピレンゴム(EP)製のシートを用いた場合のそれぞれについて界面密着性を評価した。
2枚のシートに夫々ゲル状硬化物が残った場合を“○”、一方のシートにゲル状硬化物、他方に油分が残った場合を“△”、片方のシートにのみゲル状硬化物が残った(他方には油分も残らなかった)場合を“×”で示す。
ボイド消滅時間は、容積20mlのスクリュウ管にシリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合物を15ml入れて硬化させたゲル状硬化物の試料を用いて行った。この試料に、上面からφ0.5mmの針金を20mm刺して穴を開け、形成された穴がどれくらいの時間で消滅するか確認した。
ボイド消滅時間により、絶縁充填物10が電力ケーブル11又は碍管12から剥離したときに、シリコーンオイルが染み出て剥離部分の隙間を埋める傾向を推測できる。すなわち、ボイドの消滅時間が短ければ、絶縁充填物10が電力ケーブル11又は碍管12から剥離して隙間が生じたりしても、隙間が短時間で埋まる(修復される)と考えられる。
表1に示すように、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を12:1とした実施例1−2、20:1とした実施例1−3(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度がそれぞれ325,375であり、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験において良好な結果が得られた。また、ボイド消滅時間が45min以下なので、仮に絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間に隙間が生じたとしても、オイルが染み出して短時間で隙間は修復されると考えられる。
シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を9:1とした実施例1−1(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度が282であり、界面密着性が実施例1−2,1−3よりも低下しているが、ヒートサイクル試験において良好な結果が得られた。なお、ボイド消滅時間は3hであり、仮に絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間に隙間が生じたとしても、オイルが染み出して隙間は修復されると考えられる。
シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を8:1とした実施例1−5(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度が220であり、界面密着性が実施例1−2,1−3より低下しており、ヒートサイクル試験においても剥離跡が観察された。なお、ボイド消滅時間は12hであり、仮に絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間に隙間が生じたとしても、オイルが染み出して隙間は修復されると考えられる。
これより、シリコーンオイルの混合比率が小さく、硬化後の絶縁充填物10の稠度が小さくなる(硬くなる)と、界面密着性が低下し、これに伴い温度変化環境に対する耐久性・信頼性(ヒートサイクル試験結果)が低下すると思われる。また、稠度が小さくなるに伴いボイド消滅時間も長くなるといえる。
温度変化環境に対する耐久性・信頼性の観点から、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率は、9:1以上とするのが望ましい。なお、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を8:1とした場合であっても、絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との界面には油膜が形成され、隙間は生じないため電気的には問題はなく、実用可能である。
オイル粘度を30000cstとした実施例1−4、40000cstとした実施例1−7(シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率は20:1)では、硬化後の稠度がそれぞれ380、398であり、実施例1−3と同等以上であった。また、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験において、良好な結果が得られた。ボイド消滅時間は何れも30minであり、実施例1−3と同等であった。
しかしながら、実施例1−7では、オイル粘度が大きすぎるため、シリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合するときに、容器を傾けてもオイルが流れにくい上、シリコーンゴムの原料と混合する際の攪拌作業に労力を要し、終端接続部1の施工に時間かった。
オイル粘度を1000cstとした実施例1−6(シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率は20:1)では、硬化後の稠度が260で実施例1−3(オイル粘度:3000cst)より小さく(硬く)なった。また、界面密着性は良好であるが、ヒートサイクル試験において剥離跡が観察された。なお、絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との界面には油膜が形成され、隙間は生じないため電気的には問題はない。ボイド消滅時間は6hであり、実施例1−3に比較して長時間となった。
図2は、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を20:1とした場合のオイル粘度と硬化後の稠度の関係について示す図である。不思議なことに、シリコーンオイルの粘度と、得られる絶縁充填物の硬さ(稠度)の関係は、図2に示すように逆の関係になる。すなわち、シリコーンオイルの粘度が高いほど得られる絶縁充填物は軟らかく(稠度大)、シリコーンオイルの粘度が低いと絶縁充填物が硬くなる(稠度小)。
図2に示すように、混合するシリコーンオイルの粘度が3000以上のときに絶縁充填物10の稠度は高い値で安定する。一方、オイル粘度が3000cstより小さくなると、稠度は急激に小さく(硬く)なるため、絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間が剥離しやすくなる(ヒートサイクル試験が△)。また、これらの間に生じた隙間を埋める効果が低下する(ボイド消滅時間が長い)。
一方、絶縁充填物10の稠度が大きすぎる(軟らかすぎる)と、碍管12から絶縁充填物10が流出し易くなるので、シール18を高度化する必要が生じる。
これより、温度変化環境に対する耐久性・信頼性及び施工時の作業性の観点から、シリコーンオイルの粘度は3000cst以上30000cst以下であることが望ましい。
シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率を21:1とした実施例1−8(オイル粘度は30000cst)では、硬化後の稠度が400以上で実施例1−3より明らかに大きくなった。また、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験において、良好な結果が得られた。しかしながら、施工時に混合物を硬化させるに際して長時間を要した(他の実施例1−1〜1−7では25℃で5日以内に混合物が硬化したのに対して、実施例1−8では8日を要した)。
シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合物の硬化時間が長い場合、シール18を高度にしないと、この混合物が碍管12から流出する虞がある。これより、シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の配合比率は、21:1よりも小さくするのが望ましい。
実施例1−1〜1−8についての評価結果から、絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合して作製する場合、混合比率が9:1〜20:1となる範囲を目安とするのが望ましい。また、混合するシリコーンオイルの粘度は3000〜30000cstであることが望ましい。
[実施例2]
実施例2では、シリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合して硬化させたゲル状硬化物について、実施例1と同様に、JIS K 2220で規定される稠度、ヒートサイクル試験による耐久性・信頼性、界面密着性、及びボイド消滅時間を評価した。
シリコーンオイルには、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH200シリーズを用い、シリコーンゲルには、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE1886(硬化前の粘度:1122cst)を用いた。また、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率は1:9〜8:2の範囲で変化させた。評価結果の一例を表2に示す。
Figure 2011043313
表2に示すように、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率を2:8とした実施例2−1、7:3とした実施例2−2(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度がそれぞれ280,395であり、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験において良好な結果が得られた。また、ボイド消滅時間が45min以下なので、仮に絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との間に隙間が生じたとしても、オイルが染み出して短時間で隙間は修復されると考えられる。
シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率を1:9とした実施例2−3(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度が250で実施例2−1,2−2より低く(硬く)なった。また、界面密着性は良好であるが、ヒートサイクル試験において剥離跡が観察された。なお、絶縁充填物10と電力ケーブル11又は碍管12との界面には油膜が形成され、隙間は生じないため電気的には問題はない。ボイド消滅時間は1hであり、実施例2−1、2−2に比較して若干長くなった。
これより、絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合して作製する場合においても、シリコーンオイルの混合比率が小さく、硬化後の絶縁充填物10の稠度が小さくなる(硬くなる)と、界面密着性が低下し、これに伴い温度変化環境に対する耐久性・信頼性(ヒートサイクル試験結果)が低下するといえる。また、稠度が小さくなるに伴いボイド消滅時間も長くなるといえる。
温度変化環境に対する耐久性・信頼性の観点から、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率は、2:8以上とするのが望ましい。
シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率を8:2とした実施例2−4(オイル粘度は3000cst)では、硬化後の稠度が400以上で実施例2−1,2−2より明らかに大きく(軟らかく)なった。また、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験において、良好な結果が得られた。ボイド消滅時間は30minであり、実施例2−2と同等であった。しかしながら、施工時に混合物を硬化させるに際して長時間を要した。
シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合物の硬化時間が長い場合、シール18を高度にしないと、この混合物が碍管12から流出する虞がある。したがって、シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の配合比率は、8:2よりも小さくするのが望ましい。
実施例2−1〜2−4についての評価結果から、絶縁充填物10をシリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合して作製する場合、混合比率が2:8〜7:3となる範囲を目安とするのが望ましい。また、シリコーンオイルの粘度は、実施例1と同様に、3000〜30000cstであることが望ましい。
また、実施例1、2のヒートサイクル試験の結果や混合物の硬化に要する期間を考慮すると、硬化後の稠度が280〜398であることが好ましい。
[比較例]
比較例では、市販のシリコーンゲル(東レ・ダウコーニング株式会社製のJCR6110)単体を硬化させたゲル状硬化物について、実施例1と同様に、JIS K 2220で規定される稠度、ヒートサイクル試験による耐久性・信頼性、界面密着性、及びボイド消滅時間を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2011043313
表3に示すように、シリコーンゲル単体で絶縁充填物10を作製した比較例では、硬化後の稠度が225であり、ヒートサイクル試験及び界面密着性試験による特性が実施例1,2に比較して明らかに低下した。また、比較例では、48時間経過してもボイドが消滅しなかった。硬化後の稠度が同じ程度の実施例1−5と比較しても界面密着性が劣っていることから、絶縁充填物10をシリコーンゴム又はシリコーンゲルにシリコーンオイルを混合したもので形成することの有効性が確認された。
実施例1,2及び比較例の結果から、予めシリコーンゲルとして製造された市販のものをそのまま単体で用いて絶縁充填物10を作製するよりも、本発明のように、シリコーンオイルにシリコーンゴム又はシリコーンゲルを混合したもので絶縁充填物10を形成したほうが、電力ケーブル11、碍管12、又はストレスコーン14等の各種部品と絶縁充填物10との界面密着性が向上することがわかる。
また、実施例1,2で作製した絶縁充填物10は、電力ケーブル11等との界面に隙間を生じにくく、仮に界面に剥離が生じても短時間で自己修復する(隙間を埋める)機能を有しているといえる。
本発明者等は、次のような理由でこのような現象が生じるのではないかと推測している。すなわち、市販のシリコーンゲルは全体が均一な組成になっており、これを硬化させて得られる絶縁充填物10は、全体に均一な架橋状態になる。これに対して、本発明では、シリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料にシリコーンオイルを混合させるので、細かく見ると、組成が部分的に異なる不均一な(ムラがある)状態で混合物が碍管12に充填される。これを硬化して得られる絶縁充填物10は、架橋状態が不均一で(粗密がある)、シリコーンオイルの分子に対する拘束が緩い状態となる。この結果、絶縁充填物10と電力ケーブル11等との界面に隙間を生じにくくなり、仮に界面で剥離が生じても短時間で自己修復されると考えられる。
上述したように、実施形態の終端接続部1においては、絶縁充填物10が、シリコーンオイルとシリコーンゴムを混合したもの、又はシリコーンオイルとシリコーンゲルを混合したもので形成されている。
これにより、碍管12内に充填された絶縁充填物10が、優れた界面密着性を有するとともに、剥離部等に対するの自己修復機能を備えることとなるので、終端接続部1が温度変化環境で使用されて絶縁充填物が熱膨張・熱収縮を繰り返しても、絶縁充填物10と電力ケーブル11等との界面に隙間が生じ難くなる。したがって、耐久性・信頼性に優れた乾式の終端接続部1が実現される。また、終端接続部1は、絶縁充填物10の構成が異なるだけで、その他の構造は従来の油浸式の終端接続部と同等であるので、安価に製造することができる。一方、油浸式の終端接続部のような漏油の危険性もない。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、碍管内に充填する絶縁充填物としては、シリコーンゴムの原料とシリコーンオイルの混合物(例えば実施例1−1)に、シリコーンゲルの原料とシリコーンオイルの混合物(例えば実施例2−1)を混ぜたものを使用することもできる。
また例えば、実施形態とは異なる構造の終端接続部に本発明を適用することもできる。図3は、本発明を適用した終端接続部の他の一例を示す図である。図3に示す終端接続部2では、ゴム製のストレスコーン24が、エポキシ座29と圧縮装置30とにより、電力ケーブル21の絶縁層212と外部半導電層213とに圧着して取り付けられている。
すなわち、終端接続部2も実施形態の終端接続部1と同様に、電力ケーブル21の端部と、この電力ケーブル21の導体211端部に接続された導体引出棒23とが、碍管22内に収容され、この碍管22内にシリコーンゲルの原料及び/又はシリコーンゴムの原料とシリコーンオイルとからなる絶縁充填物20が充填されて構成されている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力ケーブル終端接続部
10 絶縁充填物
11 電力ケーブル
111 導体
112 絶縁層
113 外部半導電層
12 碍管
13 導体引出棒
14 ゴムストレスコーン
141 半導電ゴム部
142 絶縁ゴム部
15 上部金具
16 下部金具
17 下部銅管
18 シール

Claims (6)

  1. 電力ケーブルの端部と、この電力ケーブルの導体端部に接続された導体引出棒とが、碍管内に収容され、この碍管内に絶縁充填物が充填されてなる電力ケーブル気中終端接続部であって、
    前記絶縁充填物が、シリコーンオイルとシリコーンゴムを混合したもの、シリコーンオイルとシリコーンゲルを混合したもの、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルを混合したものの何れかで形成されていることを特徴とする電力ケーブル気中終端接続部。
  2. 電力ケーブルの端部と、この電力ケーブルの導体端部に接続された導体引出棒とが、碍管内に収容され、この碍管内に絶縁充填物が充填されてなる電力ケーブル気中終端接続部の製造方法であって、
    当該電力ケーブル気中終端接続部を施工するときに、シリコーンオイルとシリコーンゴムの原料を混合し、シリコーンオイルとシリコーンゲルの原料を混合し、又はシリコーンオイルとシリコーンゴムの原料とシリコーンゲルの原料の何れかを混合して、前記碍管内に充填することを特徴とする電力ケーブル気中終端接続部の製造方法。
  3. シリコーンオイルとシリコーンゴム原料の混合比率が、質量比で9:1から20:1の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法。
  4. シリコーンオイルとシリコーンゲル原料の混合比率が、質量比で2:8から7:3の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法。
  5. 前記シリコーンオイルの粘度が、3000cstから30000cstの範囲であることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法。
  6. シリコーンゴムの原料又はシリコーンゲルの原料とシリコーンオイルを別々の容器に入れて当該電力ケーブル気中終端接続部の施工現場に持ち込み、これらを施工現場で混合した後、前記碍管内に充填することを特徴とする請求項2に記載の電力ケーブル気中終端接続部の製造方法。
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