JP2014128135A - 電力ケーブルの接続方法及び接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性のコンパウンドの漏出の防止を図る
【解決手段】アルミニウム製又はアルミニウム合金製の複数の素線21が撚り合わされてなる導体部20と当該導体部の外周を被覆する絶縁部30とを有する電力ケーブル10の接続方法において、各々の導体部を接続用スリーブ40の両端部に個々に挿入すると共に、各導体部と接続用スリーブとの間に導電性のコンパウンド50を介在させる挿入工程と、接続用スリーブを外側から圧縮して各導体部を固定する圧縮工程とを備え、導電性のコンパウンドは、経時的に硬化する硬化性樹脂を含有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、アルミニウム導体を有する電力ケーブルの接続方法及び接続構造に関するものである。
導体を絶縁被覆した電力ケーブルの導体部同士の接続には、導電性の接続用スリーブが使用される。
この接続用スリーブは、導体からなる筒状体であり、その両端部に電力ケーブルの導体部を挿入し外部から圧縮することで電力ケーブル同士の導体接続を可能とする。
ところで、電力ケーブルの導体としては銅導体が広く使用されているが、近年、高圧用電力ケーブルの軽量化や製造コスト低減の為に、アルミ導体の使用が検討されている。
しかしながら、アルミ導体は空気中に曝されると、その表面に酸化被膜が生じやすい。この酸化被膜は絶縁性が非常に高いために、通電時の発熱の原因となる。
このため、絶縁被覆を施さない架空送電線の分野では、アルミ導体の表面を予め研磨して酸化被膜を除去し、新たな酸化被膜の形成を防ぐためにアルミ導体に金属微粒子とオイル成分からなるコンパウンドを塗布することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
実用登録第2558578号公報
しかしながら、電力ケーブルの接続部では、通電時に電気抵抗による温度上昇が生じて導体部に塗布されたコンパウンドが軟化して接続用スリーブの外側に流出して、絶縁被覆が変質する懸念がある。
すなわち、上記コンパウンドに使用される油成分は電力ケーブルの絶縁材料と反応して変質などの有害な影響を与えたり、絶縁性を損なわせる虞がある。また、コンパウンドに含まれる金属微粒子が電力ケーブルの接続部の外部に漏れると、電力ケーブルの絶縁性能の低下や絶縁破壊を引き起こす虞があった。
本発明は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の導体部を有する電力ケーブル同士の接続に使用する導電性のコンパウンドの漏出の防止を図ることをその目的とする。
本発明は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされてなる導体部と当該導体部の外周を被覆する絶縁部とを有する電力ケーブルの接続方法において、接続を行う二本の電力ケーブルの各々の前記導体部を接続用スリーブの両端部に個々に挿入すると共に、前記各導体部と前記接続用スリーブとの間に導電性のコンパウンドを介在させる挿入工程と、前記接続用スリーブを外側から圧縮して前記各導体部を固定する圧縮工程とを備え、前記導電性のコンパウンドは、経時的に硬化する硬化性樹脂とを含有する。
また、本発明は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされてなる導体部と当該導体部の外周を被覆する絶縁部とを有する電力ケーブルの接続構造において、接続を行う二本の電力ケーブルの導体部がそれぞれ両端から挿入された接続用スリーブと、前記各導体部と前記接続用スリーブとの間に介在している硬化性樹脂を含有する導電性のコンパウンドとを備え、前記接続用スリーブは外側からの圧縮により挿入された前記導体部を固定しており、前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は硬化されている。
このような構成を有する電力ケーブルの接続方法又は接続構造によれば、導体部と接続用スリーブとの間に介在する導電性のコンパウンドに含有される硬化性樹脂が硬化することにより、接続用スリーブの外部へのコンパウンドの漏出が防止される。
従って、漏出したコンパウンドによる電力ケーブルの絶縁部の変質や、電力ケーブルの絶縁性能の低下或いは絶縁破壊等の発生をより効果的に防止することが可能となる。
本発明の接続方法において、前記コンパウンドは、前記導体部を前記接続用スリーブの両端部に挿入する前に、予め前記各導体部の外周又は前記接続用スリーブの内側に塗布すると良い。
このようにすると、接続用スリーブと導体部との間にコンパウンドを適切に介在させることができる。
また本発明の接続方法において、前記圧縮工程において前記接続用スリーブに前記各導体部を固定した後に、コンパウンドを加熱する加熱工程を設けるとよい。
コンパウンドは、接続用スリーブを加熱したり、電力ケーブルの導体部に通電することによって加熱できる。
コンパウンドを加熱すると、これに配合した硬化性樹脂の硬化を促進して、コンパウンド全体の流動性を低下させることができる。
また、前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂が好適である。
また、前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂としては、主剤と硬化剤の混合により硬化を開始する性質を有するものを利用できる。
また、前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂としては、周囲の水分に反応して硬化を開始する性質を有するものを利用できる。
また、前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂としては、加熱することにより硬化が進行する性質を有するものを利用できる。
硬化性樹脂として熱硬化性の樹脂を用いた場合は、前記圧縮工程において前記接続用スリーブに前記導体部を固定した後に、加熱処理を行うことが望ましい。
硬化性樹脂として熱硬化性のものを用いた場合は、所望の時期に接続用スリーブを外部から加熱することにより、あるいは電力ケーブルに通電することにより、内部の導電性のコンパウンド全体を容易に硬化させることができ、電力ケーブルの接続作業を迅速に行うと共に作業負担の軽減を図ることが可能となる。
本発明によれば、電力ケーブルの導体部に使用したコンパウンドを硬化させて、接続用スリーブの外部へのコンパウンドの漏出を防止し、電力ケーブルの絶縁材料の変質、絶縁性能の低下や絶縁破壊を効果的に回避することが可能である。
電力ケーブルの正面図である。 電力ケーブルの側面図である。 酸化被膜除去工程を示す図である。 コンパウンド塗布工程を示す図である。 導電性のコンパウンドを塗布した電力ケーブルを接続用スリーブ側から見た図である。 導電性のコンパウンドを塗布した接続用スリーブを電力ケーブル側から見た図である。 挿入工程を示す図である。 圧縮工程を示す図である。 図8におけるW−W線に沿った断面図である。 加熱工程を示す図である。
[電力ケーブル]
以下、本発明の実施形態として、電力ケーブルの接続構造及び接続方法について図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、接続前の電力ケーブル10は、複数の素線21が撚り合わされて構成された導体部20と、当該導体部20の外周を被覆する絶縁部30と備えている。
導体部20の素線21は、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。導体部20は、複数の素線21を螺旋状に撚った状態で束ねることにより形成されている。
絶縁部30は、導体部20の保護層であり、絶縁性の樹脂製である。
[接続用スリーブ]
二本の電力ケーブル10を互いに端部で接続する場合には、図3に示すように、接続用スリーブ40が使用される。
接続用スリーブ40は、良導体、より望ましくは、電力ケーブル10の素線21と同じアルミニウム又はアルミニウム合金製の筒状体である。接続用スリーブ40の内径は、電力ケーブル10の導体部20の外径よりも幾分大きく、その両端部から各電力ケーブル10の導体部20を幾分余裕をもって挿入可能となっている。
[導電性のコンパウンド]
各電力ケーブル10の導体部20と接続用スリーブ40との間には、導電性のコンパウンド50が介在される(図7参照)。
この導電性のコンパウンド50は、導電性を有する金属微粒子(例えば、亜鉛微粒子)と粘性を有する硬化性樹脂とグリス(鉱物油性のグリス、シリコーングリスその他のグリス全般)を含んだ混合物からなる。この導電性のコンパウンド50の金属微粒子が、各素線21の絶縁被膜の剥離を促し、各電力ケーブル10の導体部20と接続用スリーブ40との導電性をより良好にする。
また、導電性のコンパウンド50の硬化性樹脂とグリスが各素線21の酸化被膜の再生を抑止すると共に各素線21の隙間への水分の侵入を阻止して腐食を防止する。
上記導電性のコンパウンド50の硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、即ち、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンオイルとシリコーンゴムの混合物、シリコーンオイルとシリコーンゲルの混合物又はシリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルの混合物の何れかを使用する。なお、これらの混合物には必要に応じて硬化促進剤を配合する。
シリコーンゴムは、液体の状態で原料が市販されており、この原料を重合反応により硬化させる。一液のみで硬化させることができる一液型と主剤と硬化剤とを混合させることで硬化させることができる二液型とがある。さらに、一液型と二液型のそれぞれについて加熱により硬化する付加反応型と常温で気体中の水分と反応して硬化する縮合反応型とが存在する。
シリコーンゲルは、シリコーンゴムと同様、液体の状態で原料が市販されており、この原料を重合反応によりゲル状に硬化させる。シリコーンゲルも一液型と二液型とがあり、これらの中で付加反応型と縮合反応型とが存在する。
ここで、シリコーンゴムとは、シリコーンオイルを混合しないでその原料を硬化させたときにJIS K 6253あるいはISO7619で規定されているタイプAデュロメータによる硬度を測定可能なシリコーン硬化物であり、シリコーンゲルとは、タイプAデュロメータによる硬度測定が不能なシリコーン硬化物である。
シリコーンオイルは、シリコーンゴムやシリコーンゲルのような重合反応性を示さない成分である。本願において、「シリコーンオイル」という文言は、シリコーンオイル、シリコーングリス又はこれらの混合物を含む意味で用いている。オイルとグリスは、これらを構成する分子の分子量が異なることにより生じる状態の違いである。流動性の高いシリコーンオイルをコンパウンドに配合するときは、コンパウンドを構成する他の成分でその流動性を抑制することが望ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン(ポリシロキサンの側鎖、末端がすべてメチル基であるもの)、フェニル基含有シリコーン(ポリシロキサンの側鎖、末端の一部がフェニル基であるもののことで、末端の一方がフェニル基、他方がメチル基のものをメチルフェニルシリコーン、末端の両方がフェニル基のものをジフェニルシリコーンという)からなるものの混合物を使用する。
以下に説明する電力ケーブルの接続方法では、硬化性樹脂として、シリコーンオイル(例えば、信越化学株式会社製のジメチルシリコーンオイルKF96-10000cs)と二液型で付加反応型のシリコーンゴム(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のYE5822A及びYE5822B)と硬化促進剤(例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のXC86-250)を混合したものを使用する。
[電力ケーブルの接続方法:酸化被膜除去工程]
二本の電力ケーブル10,10を接続する際には、まず、図3に示すように、各電力ケーブル10の接続端部の絶縁部30を除去し、導体部20の端部を露出する。
導体部20を構成する各素線21はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成されているため、その表面に絶縁性の高い酸化被膜が生じやすい。このため、接続を行う場合には、予め、導体部20の素線21の撚りを戻し、素線21の表面から酸化被膜を除去する。
なお、素線21の酸化被膜の除去は、研磨、酸化被膜除去剤の使用などいずれで行ってもよい。また、全ての素線21について酸化被膜除去を行うことが望ましいが、外周に近い素線21のみについて行ってもよい。
そして、酸化被膜除去後は、各素線21を撚って導体部20をもとの状態に戻す。
[電力ケーブルの接続方法:コンパウンド塗布工程]
次に、図4及び図5に示すように、各電力ケーブル10の導体部20に対して導電性のコンパウンド50の塗布を行う。
なお、導体部20を構成する複数の素線21の間にも導電性のコンパウンド50が行き渡るように、前述した酸化被膜除去工程において、素線21の撚りを戻した状態のときに導電性のコンパウンド50の塗布を行ってもよい。
また、図4及び図6に示すように、導電性のコンパウンド50は、接続用スリーブ40の内側にも塗布される。
導体部20及び接続用スリーブ40に塗布するときの導電性のコンパウンド50は、二液型のシリコーンゴムを構成する主剤と硬化剤、シリコーンオイル及び硬化促進剤を混合し、金属微粒子を添加した状態のものである。
導電性のコンパウンド50に含まれるシリコーンゴムは二液型の付加反応型であり、常温でも周囲の熱により硬化が徐々に進行する。また、シリコーンゴムとシリコーンオイルの混合比率や硬化促進剤の添加量に応じて硬化速度が変わる。従って、電力ケーブル10の接続作業に要する時間を考慮して、予め、シリコーンゴムとシリコーンオイルの混合比率や硬化促進剤の添加量を適宜定めておくことが望ましい。
[電力ケーブルの接続方法:挿入工程]
次に、図7に示すように、各電力ケーブル10の導体部20を接続用スリーブ40の両端部に個別に挿入する。
この時、各電力ケーブル10の導体部20の外周と接続用スリーブ40の内側とに塗布された導電性のコンパウンド50は、各導体部20と接続用スリーブ40との間に介在した状態となる。
そして、導電性のコンパウンド50の金属微粒子が、絶縁被膜の剥離を促し、各電力ケーブル10の導体部20と接続用スリーブ40との導電性を確保する。また、導電性のコンパウンド50の硬化性樹脂の成分が各素線21の酸化被膜の再生を抑止すると共に各素線21の隙間への水分の侵入を阻止して腐食を防止する。
[電力ケーブルの接続方法:圧縮工程]
次に、図8に示すように、接続用スリーブ40の両端部に各電力ケーブル10の導体部20が挿入された状態で、接続用スリーブ40の外周を圧縮し、挿入された導体部20の各々を締結保持する。
これにより、それぞれの電力ケーブル10,10は、接続用スリーブ40を介して導体部20同士が接続された状態となる。
この時、接続用スリーブ40内の導電性のコンパウンド50は、図9に示すように、接続用スリーブ40と導体部20の間、導体部20の素線21同士の隙間に侵入し、コンパウンド50に配合された金属微粒子によりこれらの電気的接続が確保される。
また、図8では接続用スリーブ40の中央部の圧縮状態のみを示しているが、全体を圧縮してもよい。また、接続用スリーブ40の両端部を最初に圧縮して、導電性のコンパウンド50の封止状態を形成した上で、中央部から徐々に両端部に向かって圧縮し、未硬化の導電性のコンパウンド50の漏れを防ぎつつ各導体部20の素線21内に徐々に浸透させるようにしても良い。
[電力ケーブルの接続方法:加熱工程]
導電性のコンパウンド50は、前述したように、付加反応型のシリコーンゴムを含んでおり、図10に示すように、接続用スリーブ40の外側から加熱を行うことにより、導電性のコンパウンド50の硬化を促進することができる。接続用スリーブ40の加熱方法は、例えば、熱放射を行う熱源を接続用スリーブ40の外側に配置する、或いは、熱源を接続用スリーブ40に仮設する等の方法を採ることが出来る。また、電力ケーブルの導体部20に通電することによっても、コンパウンド50を加熱することができる。
[電力ケーブルの接続構造の作用効果]
上記二本の電力ケーブル10の接続において、各導体部20と接続用スリーブ40との間に介在する導電性のコンパウンド50の硬化性樹脂が硬化すると、コンパウンド50の流動が抑制されるので、電力ケーブル10の通電時に温度上昇が生じた場合であっても、接続用スリーブ40と導体部20との間からの導電性のコンパウンド50の漏出が防止できる。
この結果、漏出した導電性のコンパウンド50による電力ケーブル10の絶縁部30の変質を防ぎ、絶縁性の低下等の発生を抑制することが可能となる。
さらに、導電性のコンパウンド50に含まれる金属微粒子の漏出も防ぐことが出来るので、当該金属微粒子による電力ケーブル10の接続部の絶縁性能の低下や絶縁破壊を抑止することも可能である。
また、従来の導電性のコンパウンドのように成分が漏出しやすい物を使用していた時には、各電力ケーブル10の導体部20と接続用スリーブ40との間から漏出を生じないように接続作業を行う必要があり、当該接続作業が非常に熟練を要するものとなっていた。しかしながら、導電性のコンパウンド50に硬化性樹脂を加えて硬化させる為、上記熟練を要する接続作業を不要とし、作業の容易化、迅速化を図ることが可能となった。
また、導電性のコンパウンド50に含まれる硬化性樹脂は経時的に硬化する性質を有するので、取り扱いが容易な硬度の低い状態で接続作業を進め、接続作業の完了時には硬化して漏出を防ぐことが可能である。
また、導電性のコンパウンド50に含まれる硬化性樹脂としてシリコーンオイルとシリコーンゴムの混合物を使用しているので、シリコーンの特性である耐熱性、耐候性に優れる電力ケーブル10の接続構造を形成することが可能である。
また、導電性のコンパウンド50に含まれるシリコーンゴムは、主剤と硬化剤との混合により硬化する二液型であるため、その混合比より作業時間に応じて硬化の進行を調節することができ、作業性の向上を図ることが可能である。
また、導電性のコンパウンド50に含まれるシリコーンゴムは、加熱することにより硬化が促進される性質の付加反応型であるため、接続用スリーブ40の加熱により硬化を促進することができ、電力ケーブル10の接続の作業時間の短縮化を図ることが可能である。また、コンパウンド50を全体により均一に硬化することが可能である。
[その他]
なお、導電性のコンパウンド50に含まれる硬化性樹脂は、シリコーンオイルとシリコーンゴムの混合物に限られるものではない。即ち、シリコーンゴム単体、シリコーンゲル単体、シリコーンオイルとシリコーンゲルの混合物、シリコーンオイルとシリコーンゴムとシリコーンゲルとの混合物も使用可能である。
さらに、上記混合物に使用されるシリコーンゴム又はシリコーンゲルは、二液型であって周囲の水分に反応して硬化が進行する縮合反応型を使用してもよい。
また、一液型であって付加反応型又は縮合反応型のシリコーンゴム又はシリコーンゲルを使用してもよい。
縮合反応型のシリコーンゴム又はシリコーンゲルを含む導電性のコンパウンド50を使用した場合には、加熱工程を不要とすることが出来る。なお、縮合反応型のシリコーンゴム又はシリコーンゲルが周囲の水分と反応して硬化が進行するので、接続用スリーブ40に各電力ケーブル10の導体部20を挿入し、導電性のコンパウンド50の硬化がある程度進行してから圧縮工程を行っても良い。
また、導電性のコンパウンド50の含まれるシリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイルとフェニル基含有シリコーンオイルとの混合物を使用しているが、ジメチルシリコーンオイル又はフェニル基含有シリコーンオイルの何れかを単独で使用してもよいし、他のシリコーンオイルを使用してもよい。
また、導電性のコンパウンド50を構成する硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂を使用してもよい。このエポキシ樹脂も硬化することにより、コンパウンド50の流動性を低下させて、接続用スリーブ40からのコンパウンド流失を防止し、電力ケーブル10の絶縁部30の変質や、金属微粒子の漏出による電力ケーブル10の絶縁性能の低下や絶縁破壊を抑止することが可能である。
また、エポキシ樹脂を使用することにより、導電性のコンパウンド50の強靱性、耐熱性、電気絶縁性、耐食性を向上させることが可能となる。
なお、エポキシ樹脂は、主剤と硬化剤の混合により硬化を開始する性質のもの、加熱することにより硬化が進行する性質を有するもの又はこれら両方の性質を有するものを使用しても良い。
また、導電性のコンパウンド50を構成する硬化性樹脂としては、加熱することでより顕著に硬化が進行する熱硬化樹脂を使用しても良い。
[電力ケーブルの接続方法の他の例]
図3〜図10に示す電力ケーブルの接続方法における各工程は、以下のように変更可能である。
例えば、導電性のコンパウンド50に含まれるシリコーンゴムは常温下でも硬化するので、周囲の温度が高い場合や作業時間が十分にある場合には、上記加熱工程を省略することも可能である。
また、前述したように、導電性のコンパウンド50は、金属微粒子が素線21表面の酸化被膜を剥離させる効果を有しているので、酸化被膜除去工程を省略することも可能である。
10 電力ケーブル
20 導体部
21 素線
30 絶縁部
40 接続用スリーブ
50 導電性のコンパウンド

Claims (8)

  1. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされてなる導体部と当該導体部の外周を被覆する絶縁部とを有する電力ケーブルの接続方法において、
    接続を行う二本の電力ケーブルの各々の前記導体部を接続用スリーブの両端部に個々に挿入すると共に、前記各導体部と前記接続用スリーブとの間に導電性のコンパウンドを介在させる挿入工程と、
    前記接続用スリーブを外側から圧縮して前記各導体部を固定する圧縮工程とを備え、
    前記導電性のコンパウンドは、経時的に硬化する硬化性樹脂を含有することを特徴とする電力ケーブルの接続方法。
  2. 前記導体部を前記接続用スリーブの両端部に挿入する前に、予め前記各導体部の外周又は前記接続用スリーブの内側に、硬化性樹脂を含んだ前記導電性のコンパウンドを塗布することを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  3. 前記圧縮工程において前記接続用スリーブに前記各導体部を固定した後に、前記導電性のコンパウンドを加熱する加熱工程を備えることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  4. 前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂の何れかであることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  5. 前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は、主剤と硬化剤の混合により硬化を開始する性質を有することを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  6. 前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は、周囲の水分に反応して硬化が進行する性質を有することを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  7. 前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は、加熱することにより硬化が進行する性質を有することを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続方法。
  8. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の複数の素線が撚り合わされてなる導体部と当該導体部の外周を被覆する絶縁部とを有する電力ケーブルの接続構造において、
    接続を行う二本の電力ケーブルの導体部がそれぞれ両端から挿入された接続用スリーブと、
    前記導体部と前記接続用スリーブとの間に介在している硬化性樹脂を含有する導電性のコンパウンドとを備え、
    前記接続用スリーブ外側からの圧縮により挿入された前記導体部を固定しており、
    前記導電性のコンパウンドの硬化性樹脂は硬化されていることを特徴とする電力ケーブルの接続構造。
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