JP7203799B2 - 油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法 - Google Patents

油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法 Download PDF

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本発明は、OFケーブル(油浸紙絶縁ケーブル:Oil Filled Cable)やPOFケーブル(パイプタイプOFケーブル:Pipe-Type Oil-Filled-Cable)等の油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法に関する。
従来、OFケーブルにおける金属シース、および、接続部(終端接続部、中間接続部等)の鉛工部(ケーブルの金属シースと接続部の銅管を鉛工半田を使用して油密で接続する部分)において、設備老朽化、経年劣化、自然災害等に起因して金属疲労による亀裂等が生じて、漏油が発生することがある。
OFケーブルにおける漏油箇所の補修作業は、品質保証の観点から、鉛工補修技能を有する、熟練した作業者によって行われることが一般的に知られている。このような補修作業は、1つの漏油箇所を補修するだけでも、半日~1日程度の作業時間を要する。また、補修作業に必要な資機材の準備、運搬に負荷がかかることや、補修作業にバーナーを使用することから火気対策も必要となること等の問題もある。
この補修作業を、鉛工補修技能を有していない作業者でも簡易に行えるように、例えば、特許文献1には、OFケーブルの漏油箇所に巻き付けた膨張チューブを膨らませてOFケーブルの外周面に密着させることで、OFケーブルを補修する方法が開示されている。この補修作業では、漏油箇所に接着テープを貼り付け、膨張チューブを覆うように押圧カバーを装着させる。
特開2013-70458号公報
ところで、上記のような補修作業においては、作業者の作業のしやすさの観点からさらなる簡素化が望まれる。しかしながら、特許文献1に記載の補修方法では、接着テープの貼り付け、膨張チューブの巻き付け、押圧カバーの装着、膨張チューブの膨張、のように作業工程が多くなるという問題が生じる。
本発明の目的は、油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修作業を簡素化することが可能な油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法を提供することである。
本発明に係る油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法は、
漏油箇所に主剤と前記主剤を硬化させる硬化剤とを混ぜた混合剤を前記漏油箇所に塗布する塗布工程を有し、
前記塗布工程は、第1塗布工程と第2塗布工程とを有し、
前記第1塗布工程は、前記主剤と第1硬化剤とを混ぜた第1混合剤を前記漏油箇所に塗布する工程であり、
前記第2塗布工程は、前記主剤と、前記第1硬化剤とは異なる第2硬化剤とを混ぜた第2混合剤を、前記第1混合剤を塗布した箇所に上塗りする工程である
本発明によれば、油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修作業を簡素化することができる。
本発明の実施の形態に係る漏油箇所の補修方法が適用される油入り電力ケーブルのケーブル中間接続部の全体構成を示す断面図である。 本実施の形態に係る油入り電力ケーブルのケーブルにおける漏油箇所の補修方法を説明するための図である。 本実施の形態に係る油入り電力ケーブルのケーブルにおける漏油箇所の補修方法を説明するための図である。 本実施の形態に係る油入り電力ケーブルのケーブルにおける漏油箇所の補修方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る補修方法が適用される油入り電力ケーブル10のケーブル中間接続部1の全体構成を示す断面図である。図1に示すケーブル中間接続部1は、ケーブル端末部同士を接続する中間接続部の例である。
図1に示すように、油入り電力ケーブル10は、本実施の形態ではOFケーブルであり、中心から順に、油通路(図示略)、ケーブル導体11、ケーブル絶縁層12および金属シース13等を備える。油入り電力ケーブル10の油通路内には絶縁油が充填される。また、2つの油入り電力ケーブル10を接続するケーブル中間接続部1には、導体接続管20および銅管30等が設けられる。
ケーブル導体11は、例えば銅撚線またはアルミ撚線で構成される。ケーブル絶縁層12は、ケーブル導体11の周面に巻き付けられる油浸紙であり、例えばクラフト紙および半合成紙で構成される。金属シース13は、例えば鉛またはアルミニウムで構成される。
油入り電力ケーブル10の端末部には段剥ぎ処理が施され、ケーブル導体11およびケーブル絶縁層12が露出する。ケーブル絶縁層12の外周面には、絶縁油浸紙等で構成される電界緩和部14が形成される。また、油入り電力ケーブル10の端末部の先端(ケーブル導体11の先端)には、導体接続管20が圧縮接続される。
導体接続管20は、2つの油入り電力ケーブル10を電気的かつ機械的に接続する。導体接続管20は、例えば銅または銅合金等で構成される通電に適した導電性材料で形成される。
銅管30は、2つの油入り電力ケーブル10の端末部(ケーブル導体11およびケーブル絶縁層12)等を囲繞するように配置される。銅管30は、その外周に、合成樹脂(例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)またはナイロン)で構成される防食層(図示略)が銅管30と一体的に設けられる。
また、銅管30の端部に跨がるように、ケーブル防食層15が、例えばテープ巻きによって設けられることにより、銅管30が油入り電力ケーブル10に固定される。ケーブル防食層15は、合成樹脂(例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)またはナイロン)で構成される。
また、ケーブル防食層15と金属シース13(および後述する鉛工部50)との間には、ガラステープおよび液状エポキシ等で構成される補強層(図示略)が設けられる。
また、銅管30の端部と金属シース13との間には、金属シース13と同材料のスペーサ40が設けられる。また、銅管30の端部と、金属シース13との境界部分には、鉛工用の半田が盛り付けられることにより、鉛工部50が形成される。
次に、油入り電力ケーブル10(本実施の形態ではOFケーブル)における漏油箇所の補修方法について説明する。油入り電力ケーブル10の金属シース13、銅管30および鉛工部50において、設備老朽化、経年劣化、自然災害等に起因して、金属疲労による亀裂等が生じると、漏油が発生する。
本実施の形態に係る補修方法は、主剤Mと、主剤Mを硬化させる2種類の硬化剤(第1硬化剤C1および第2硬化剤C2)とを混ぜた混合剤(それぞれ第1混合剤、第2混合剤という)を漏油箇所に塗布する補修方法である。主剤および硬化剤の混合剤は、ポリマー樹脂である。
なお、以下の説明では、主剤Mがマルチメタル社製の「マルチメタルоL-スチールセラミック」、第1硬化剤C1が、主剤Mに対応するマルチメタル社製の「硬化剤(赤)」、第2硬化剤C2が、主剤Mおよび第1硬化剤C1に対応するマルチメタル社製の「硬化剤(黄)」であるものとする。第1硬化剤C1である「硬化剤(赤)」は、速乾性の硬化剤であり、第2硬化剤C2である「硬化剤(黄)」は通常硬化性の硬化剤である。主剤M、第1硬化剤C1、第2硬化剤C2は、本実施の形態では、いずれもペースト状である。また、以下の説明における時間等の各数値は、上記の主剤Mおよび硬化剤C1、C2における具体例であり、主剤および硬化剤の種類によって適宜変更され得る。
また、漏油箇所Lは、例えば、銅管30とケーブル防食層15との境界や、ケーブル防食層15の表面、ケーブル防食層15と金属シース13との境界である。
具体的には、まず、作業者は、油入り電力ケーブル10またはケーブル中間接続部1の漏油箇所Lにおける周辺部分の錆、汚れ、塗料、補強層等を取り除くことにより、当該漏油箇所Lを清掃し、漏油量を確認する。なお、漏油箇所Lがケーブル防食層15と金属シース13との境界である場合、漏油箇所Lを清掃する前に金属シース13におけるPVC防食層等を剥ぎ取って、漏油箇所を確認する工程を行う。
そして、作業者は、図2Aに示すように、当該漏油箇所Lに主剤Mを塗布する。図2A等には、漏油箇所Lとして、油入り電力ケーブル10の所定の箇所に形成されたピンホール形状のものが例示されている。この場合、作業者は、例えば、漏油箇所Lの縁に沿って主剤Mを馴染ませるようにして主剤Mを塗布する。
主剤Mの量は、例えば、漏油箇所Lの大きさに応じて適宜設定される。また、主剤Mの量は、第1硬化剤C1と混ぜ合わせた際の塗り厚と、第1硬化剤C1との調合比率との関係性に応じた量に適宜設定されても良い。
また、作業者は、漏油箇所Lにおける周辺部分の表面を、ヤスリやワイヤブラシ等の粗面処理部材によって粗面化しても良い。こうすることで、主剤および硬化剤が粗面部分に入り込みやすくなり、補修効果を高めることができる。
次に、図2Bに示すように、作業者は、油入り電力ケーブル10の漏油箇所Lに塗布された主剤Mと混ざるように第1硬化剤C1を塗布する。より詳細には、作業者は、主剤Mが塗布された漏油箇所Lに第1硬化剤C1を塗布して、第1硬化剤C1と主剤Mとを混ぜる。つまり、作業者は、主剤Mと第1硬化剤C1とを混ぜた第1混合剤(M,C1)を漏油箇所Lに塗布する(第1塗布工程)。第1混合剤(M,C1)の量は、漏油箇所Lの大きさに応じて厚さが3mm以上となるように適宜設定される。第1硬化剤C1は、主剤Mが塗布された後に、漏油箇所Lに塗布する硬化剤であり、比較的速乾性のある硬化剤である。なお、第1塗布工程においては、第1混合剤は、漏油箇所Lに塗布する前に主剤Mと第1硬化剤C1とを混合した状態にしてから漏油箇所Lに塗布しても良い。
第1硬化剤C1の量は、既に漏油箇所Lに塗布されている主剤Mの量に応じて適宜設定される。例えば、製品仕様において、主剤Mと第1硬化剤C1との体積比が2:1に設定されている場合、既に塗布されている主剤Mの量(体積)に合わせて、第1硬化剤C1の量(体積)が設定される。また、塗り厚が例えば、5mmに設定されている場合、既に塗布されている主剤Mの量に応じて、塗り厚が5mmになるように、第1硬化剤C1の量が設定される。なお、主剤Mと第1硬化剤C1との体積比が2:1の場合、質量比は5:1となる。
また、第1硬化剤C1の塗布時間は、所定のポットライフ時間以内である。所定のポットライフ時間は、主剤Mと第1硬化剤C1とが混合した後、主剤Mおよび第1硬化剤C1が硬化せずに塗布可能な時間であり、例えば、3分(温度30℃時)から3.5分(温度25℃時)である。
第1硬化剤C1(第1混合剤)を塗布し終えた後、作業者は、主剤Mおよび第1硬化剤C1を少なくとも部分的に硬化させる。第1硬化剤C1の硬化時間は、例えば、部分的な硬化で15分(温度30℃)~18分(温度25℃)、完全な硬化で35分(温度30℃)~40分(温度25℃)である。ここで、部分的な硬化とは、機械加工が可能な程度の硬化をいい、完全な硬化とは、機械的強度が得られる完全に硬化した状態をいう。
第1硬化剤C1が少なくとも部分的に硬化した後、図2Cに示すように、作業者は、主剤Mと第2硬化剤C2とを混ぜた第2混合剤(M,C2)を、主剤Mおよび第1硬化剤C1(第1混合剤(M,C1))を塗布した箇所(補修箇所)に上塗りする(第2塗布工程)。
第2硬化剤C2は、第1硬化剤C1とは異なる硬化剤であり、第1硬化剤C1より硬化時間が長いものである。第2硬化剤C2の塗布時間は、所定のポットライフ時間以内である。所定のポットライフ時間は、主剤Mと第2硬化剤C2とが混合した後、主剤Mおよび第2硬化剤C2が硬化せずに塗布可能な時間であり、例えば、20分(温度30℃時)から25分(温度25℃時)である。第2硬化剤C2の硬化時間は、例えば、部分的な硬化で1時間(温度30℃)~2時間(温度25℃)、完全な硬化で18時間(温度30℃)~20時間(温度25℃)である。
第2硬化剤C2の量は、補修箇所の大きさや、塗り厚(例えば5mm)に応じて適宜設定される。例えば、製品仕様において、主剤Mと第2硬化剤C2との体積比が8:1に設定されている場合、既に塗布されている主剤Mの量(体積)に合わせて、第2硬化剤C2の量(体積)が設定される。また、塗り厚が例えば、5mmに設定されている場合、既に塗布されている主剤Mの量に応じて、塗り厚が5mmになるように、第2硬化剤C2の量が設定される。なお、主剤Mと第2硬化剤C2との体積比が8:1の場合、質量比は20:1となる。図2Cには、主剤Mおよび第2硬化剤C2の層の厚みが、主剤Mおよび第1硬化剤C1の層の厚みと同じにしたものが例示されている。
また、主剤Mおよび硬化剤(C1またはC2)の塗布は、例えばヘラ等、漏油箇所に応じた使用工具により行われる。また、場合によっては作業者の指(PE手袋着用)で、主剤Mおよび硬化剤(C1またはC2)の塗布を行っても良い。
また、第2混合剤(M,C2)を補修箇所Lに塗布し終えた後、作業者は、内側の第1混合剤(M,C1)および外側の第2混合剤(M,C2)を乾燥させて硬化させる。この際、作業者は、加熱部材(例えば、工業用のドライヤー等)を用いて、これらの混合剤(特に外側の第2混合剤(M,C2))を加熱することで、補修箇所Lを乾燥させるようにしても良い。加熱後の漏油箇所L部分の温度は、例えば、30℃~40℃の範囲である。
こうすることにより、第1混合剤(M,C1)および第2混合剤(M,C2)の硬化を早めることができる。
なお、加熱部材(例えば、工業用のドライヤー等)による加熱は、主剤Mおよび第1硬化剤C1(第1混合剤(M,C1))を塗布し終えた後、第2混合剤(M,C2)を塗布する前にも行っても良い。第1混合剤(M,C1)を加熱部材により加熱することにより、第2混合剤(M,C2)塗布前に第1混合剤(M,C1)の硬化を促進させることができる。
また、作業者は、触感等により、主剤および硬化剤が十分に硬化していることが確認できた場合、補修作業をする前に油入り電力ケーブル10から取り外された補強層(防食層を含む)を主剤および硬化剤で補修した箇所に新規に施す。
より詳細には、補修箇所の混合剤(ここでは第1混合剤(M,C1)および第2混合剤(M,C2))で盛り上がった箇所に例えばエポキシパテを塗布して当該補修箇所を目立たなくし、エポキシパテの表面に接着セメントを塗布したうえで絶縁テープ(例えばセルボン(登録商標)テープ等のブチルゴム系の自己融着性絶縁テープ)を螺旋状に1/2ラップ巻きで1往復巻く。ここで、「1/2ラップ巻き」とはテープの幅方向の半分の部分を重ね合わせた状態で巻回すことをいい、「1往復」とはテープを巻く範囲の一方の端から螺旋状に1/2ラップ巻きで巻回し、他方の端に達した後は1/2ラップ巻きで元の位置(一方の端)まで巻回すことをいう。そして、その上から防水テープを螺旋状に1/2ラップ巻きで1往復巻き、さらにその上から保護テープ(例えばPVCテープ)を螺旋状に1/2ラップ巻きで1往復巻く。これにより、油入り電力ケーブル10の補修作業が完了する。なお、漏油箇所がケーブル防食層15の表面やケーブル防食層15と金属シース13との境界である場合は、エポキシパテを塗布する前に、アラルダイトを塗布しても良い。
また、補修作業中においては、作業者は、油入り電力ケーブル10内の油圧を下げるが、油圧が下がると、漏油箇所Lから空気が入る可能性があるため、漏油箇所Lにおける油圧は大気圧以上に設定される。こうすることで、漏油箇所Lから油入り電力ケーブル10内に空気が入り込むことを抑制することができる。
また、補修作業の各工程において、油入り電力ケーブル10における漏油箇所L部分を加熱する工程が含まれていても良い。漏油箇所L部分を加熱する工程を、補修作業前、補修作業の硬化剤を塗布する前に行うことで、主剤と硬化剤とが混合しやすくできるとともに、硬化しやすくすることができる。
以上の本実施の形態に係る油入り電力ケーブルのケーブルにおける漏油箇所の補修方法によれば、主剤と主剤を硬化させる硬化剤とを混ぜた混合剤を漏油箇所に塗布する塗布工程によって、油入り電力ケーブル(本実施の形態ではOFケーブル)の補修を行うことができるので、油入り電力ケーブル(本実施の形態ではOFケーブル)の補修作業を簡素化することができる。
従来、OFケーブルの補修作業は、品質保証の観点から、鉛工補修技能を有する、熟練した作業者(以下、熟練作業者)によって行われてきた。この熟練作業者による鉛工補修の補修作業は、準備、作業時間等において時間がかかることが知られている。
具体的には、OFケーブルにおける油を止めて、鉛工部を剥がした後、再度鉛工部を形成するという作業が発生するので、1つの漏油箇所を補修するだけでも、半日~1日程度の作業時間を要する。また、補修作業に必要な資機材の準備、運搬に負荷がかかること、補修作業する日以外の時間がかかることや、補修作業にバーナーを使用することに伴う火気対策に別途人員を必要とすること等の問題もある。そのため、熟練作業者等の人員調整を考慮すると、補修作業にかかる準備、作業時間等において時間がかかる。
ところで、OFケーブルの設置箇所の数の観点から、OFケーブルの補修作業の発生頻度が減少傾向にある。鉛工補修技能を有さない作業者(以下、非熟練作業者)が、補修作業を繰り返し行う、また、熟練作業者より技術継承が行われることにより技能を習得していくため、熟練作業者となるまでに時間を要する。
その一方で、補修作業の発生頻度の減少により、非熟練作業者が技能を習得する機会が減少し、非熟練作業者が補修作業にかかる技能を取得できないとともに、既に技能を習得した熟練作業者が、補修作業を優先して行うことになる傾向が増加している。その結果、新規に鉛工補修技能を有する熟練作業者が増えず、また、既に技能を習得した熟練作業者の高齢化等に伴い、熟練作業者の数も減少傾向にある。
これらのことから、非熟練作業者であってもOFケーブルの補修作業を簡易に行えることが求められている。
この要望に基づいて検討された結果、本実施の形態に係る補修方法では、OFケーブルの補修作業を簡素化することができるので、非熟練作業者であっても簡易にOFケーブルの補修を行うことができる。その結果、人員調整をしやすくなるので、準備にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、主剤および硬化剤を調達するだけで最低限の補修作業を行うことができるので、準備にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、主剤および硬化剤の混合剤を塗布することで簡易に補修作業を行うことができる。具体的には、第1塗布工程で、第1硬化剤C1を含む第1混合剤(M,C1)の部分的な硬化(温度25℃で硬化時間30分以内)と、第2塗布工程で第2硬化剤C2を含む第2混合剤(M,C2)の部分的な硬化(温度25℃で硬化時間2時間以内)とを考慮しても、約3時間程度あれば、補修作業が完了する。
つまり、本実施の形態の油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法によれば、最低でも半日以上かかる従来の鉛工補修による補修作業よりも、半分以下の作業時間とすることができるので、補修作業にかかる時間を大幅に短縮することができる。
また、従来の鉛工補修による補修作業では、バーナーを使用することから、ガスボンベ等を配置する場所を確保する必要も生じるが、本実施の形態に係る補修作業では、別途場所を確保する必要もないので、作業の準備にかかる手間を大幅に軽減することができる。
また、補修作業で用いる主剤の量および硬化剤の量を、その場の状況(漏油の度合い等)に応じて調整しやすくすることができる。
また、第2塗布工程において、速乾性の第1硬化剤C1を含む第1混合剤(M,C1)を塗布した後に、通常硬化性の第2硬化剤C2を含む第2混合剤(M,C2)を上塗りするので、補修箇所を第2硬化剤C2によって補強することができる。その結果、漏油箇所における補修の程度を強固なものとすることができる。
なお、上記実施の形態では、硬化剤を塗布する工程において、2種類の硬化剤を分けて塗布していたが、本発明はこれに限定されず、1種類の硬化剤のみを用いても良いし、3種類以上の硬化剤を用いるようにしても良い。
また、上記実施の形態では、主剤がポリマー樹脂を含んでいたが、本発明はこれに限定されず、同様の効果が得られるものである限り、ポリマー樹脂以外の材料を含んでいても良い。
また、上記実施の形態では、油入り電力ケーブル10がOFケーブルの場合について説明したが、油入り電力ケーブル10としては、POFケーブル(パイプタイプOFケーブル)でもよい。
また、上記実施の形態では、漏油箇所を補修する部分として中間接続部を例示したが、本発明はこれに限定されず、油入り電力ケーブルの終端接続部等、中間接続部以外の部分で発生した漏油箇所の補修にも適用可能である。
また、上記実施の形態では、エポキシパテの塗布以降のテープ巻き作業を螺旋状に1/2ラップ巻きで巻回していたが、テープ幅の半分でなくても隙間が生じないようにテープの一部をラップさせた状態で巻回せば(ラップ巻きすれば)よい。また、上記実施の形態では、ラップ巻きを1往復した場合について例示したが、1往復でなくてもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 ケーブル中間接続部
10 油入り電力ケーブル
11 ケーブル導体
12 ケーブル絶縁層
13 金属シース
14 電界緩和部
15 ケーブル防食層
20 導体接続管
30 銅管
40 スペーサ
50 鉛工部
L 漏油箇所
M 主剤
C1 第1硬化剤
C2 第2硬化剤

Claims (5)

  1. 漏油箇所に主剤と前記主剤を硬化させる硬化剤とを混ぜた混合剤を前記漏油箇所に塗布する塗布工程を有し、
    前記塗布工程は、第1塗布工程と第2塗布工程とを有し、
    前記第1塗布工程は、前記主剤と第1硬化剤とを混ぜた第1混合剤を前記漏油箇所に塗布する工程であり、
    前記第2塗布工程は、前記主剤と、前記第1硬化剤とは異なる第2硬化剤とを混ぜた第2混合剤を、前記第1混合剤を塗布した箇所に上塗りする工程である、
    入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法。
  2. 漏油箇所に主剤と前記主剤を硬化させる硬化剤とを混ぜた混合剤を前記漏油箇所に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後で、かつ、前記混合剤の硬化を確認後、前記混合剤上にエポキシパテを塗布する工程と、
    前記エポキシパテの表面に接着セメントを塗布したうえで絶縁テープを螺旋状にラップ巻きする工程と、
    前記絶縁テープ上に防水テープを螺旋状にラップ巻きする工程と、
    前記防水テープ上に保護テープを螺旋状にラップ巻きする工程と、を有する、
    油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法。
  3. 前記混合剤は、ポリマー樹脂を含む、
    請求項1または請求項2に記載の油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法。
  4. 前記塗布工程の後、加熱することで前記混合剤を乾燥させて硬化させる工程を有する、
    請求項1または請求項2に記載の油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法。
  5. 前記塗布工程の前、前記漏油箇所における周辺部分の表面を粗面化する工程を有する、
    請求項1または請求項2に記載の油入り電力ケーブルおよび接続部における漏油箇所の補修方法。
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