JP2004015945A - 電力ケーブル終端接続部 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、電力ケーブルの終端部外周に設けた碍管内に電気絶縁性の樹脂と電気絶縁油を充填してなることを特徴とする電力ケーブル終端接続部である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電力ケーブル終端接続部に関するもであり、特に、電力ケーブルの終端部を絶縁保護する碍管内に充填する絶縁物の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電力ケーブル終端接続部は、電力ケーブルの終端部外周に碍子、高分子複合碍管、エポキシ套管等の碍管を設け、該碍管内にシリコーン油、鉱油、合成油等の電気絶縁油を充填して密閉し、碍管内空間の電気絶縁性能を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電力ケーブル終端接続部を構成する碍管内に充填されるシリコーン油、鉱油、合成油等の電気絶縁油の量は電力ケーブルの電圧階級の大きさにもよるが、1つの終端部で数十乃至数百リットルと大量の油が使用されているために、万一この絶縁油が漏れ出した場合には周囲の環境を汚染することとなり、もしもこの油に引火した場合には火災に至る危険性すらある。
【0004】
そこで、電気絶縁油を全く使用しない完全乾式タイプの電力ケーブル終端接続部が開発されているが、該乾式タイプの電力ケーブル終端接続部はガス絶縁型開閉装置に直結するガス中終端接続部として開発されたものであり、275kV級まで実用化されてきている。この実用化された上記完全乾式タイプのガス中終端接続部は、ゴムストレスコーンをエポキシユニット及びケーブル絶縁層に密着し、それぞれの界面に面圧を加えて良好な電気絶縁特性を維持するタイプのために、ゴムストレスコーンに圧力をかける大型で強力なスプリング、該スプリングの圧力をゴムストレスコーンに伝達する頑丈な押し金具等の金属部品を必要とし、これら部品のコストが高くつくために終端接続部の価格が高騰し、また、終端接続部の組立てにも熟練を要する等の問題点がある。
【0005】
一方、大気中に設置される気中終端接続部では絶縁油に代わる電気絶縁材料の開発が未だ完成せず、完全乾式タイプの終端部の開発が急がれてはいるが開発途上にあるのが現状である。
【0006】
このような現状に鑑み、本発明は電力ケーブルの終端部を絶縁保護する碍管内に充填する電気絶縁油の使用量を可能な限り減少し、環境汚染、火災等の環境破壊や危険度を最小限に抑える電力ケーブル終端接続部を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、電力ケーブルの終端部外周に設けた碍管内に電気絶縁性の樹脂と電気絶縁油を充填してなることを特徴とする電力ケーブル終端接続部である。
【0008】
前記電気絶縁性の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂をペレット状にして充填することが好ましい。
また、前記電気絶縁性の樹脂として、廃棄されたケーブル、電線等を解体して得られた再生絶縁樹脂、即ち、架橋ポリエチレン、非架橋ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の廃材をペレット状にして或いは細かい粒状にして再利用することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電力ケーブル終端接続部を図1に示した一実施形態に基づいて説明する。
1は電力ケーブル、2は電力ケーブル1の終端部外周に設けた碍管で、該碍管は碍子、高分子碍管、エポキシ套管等が使用される。3は碍管2内に充填した電気絶縁混合物である。
【0010】
電気絶縁混合物3は電気絶縁油とペレット状、或いは粒状、粉末状(以下これらの形状を総称してペレット状という)の電気絶縁性の樹脂とで構成されている。電気絶縁油としては、シリコーン油、鉱油、合成油等が使用される。
ペレット状の電気絶縁性の樹脂としては広範囲のものが候補として挙げられるが、その内、ポリエチレンは最近の電力ケーブル用絶縁材料の主流である架橋ポリエチレンのベースポリマーであり、電気絶縁性能が極めて優れており、電気絶縁油に対しても膨潤の問題がなく、劣化もしないので、最も適した材料である。しかも、ポリエチレンは数mm角程度の大きさのペレット状で電気絶縁用の高品質なものが廉価で大量に入手できることからも推奨される。
【0011】
また、ペレット状の電気絶縁性の樹脂として、近年社会的要請として高まっている工業製品のリサイクル品である、使用済の電力ケーブルを解体して生じる架橋ポリエチレンをペレット状に、数cm角程度のブロック状に、或いは粉末に加工して使用することもできる。使用済の電力ケーブルを解体して生じる架橋ポリエチレンは架橋されているがために再利用が困難であり、従来は廃棄されていたものを再利用することが可能となる利点がある。
【0012】
ペレット状の電気絶縁性の樹脂としては上記したポリエチレンに限らず、電気絶縁性能に優れた樹脂であれば適用可能であり、特にポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の電気絶縁性能に優れた樹脂が好適である。
【0013】
電力ケーブル終端接続部を組み立てるには、ケーブル1の端末にストレスコーン4等を設ける端末処理を施し、その外周に碍管2を設置し、碍管2内に電気絶縁混合物を充填する。充填の仕方はペレット状の電気絶縁性の樹脂と絶縁油とを予め混合したものを注入し、或いはペレット状樹脂を入れた後に絶縁油を注入する等、充填の仕方は任意である。
【0014】
高い電圧のかかる電力ケーブル終端部を構成するのに固体の絶縁性樹脂のみを充填したのでは必然的に樹脂間に空隙ができ、この空隙の電気絶縁性が極端に低いためにこの空隙から絶縁破壊が生じるため、絶縁特性を維持することができず、絶縁油を全く使用しないで終端部を構成することは不可能である。
【0015】
このため、固体の絶縁性樹脂と絶縁油とを混合し電気絶縁性能を最適なものとするが、その混合割合は樹脂の材質、形状等により空隙のでき具合や空隙への電界のかかわり方が相違するために一概に決めることはできないが、必要最小限絶縁油が樹脂絶縁体の空隙を完全に埋める量必要であり、容積比で樹脂対油が1対1から3対1の範囲で調整することが好ましい。
【0016】
なお、絶縁油に代えて絶縁性の高いガス、例えば六フッ化硫黄ガス等を使用したガス充填方式も考えられるが、このガスはオゾン層破壊等の問題から使用量削減が社会的要請となっており、また、碍管内に空気が浸入しないように碍管内をやや高圧に維持することから万一終端接続部で絶縁破壊が生じた場合にはガス圧で碍子が飛散する等の危険も考えられ、好ましい方法ではない。
【0017】
実施例
図1に示すように、電力ケーブル1の外周に碍管2を設けた終端接続部を組み立て、碍管2内に絶縁混合物3を充填した。絶縁混合物3として、容積比で架橋ポリエチレンペレット(廃棄ケーブルからの再生品)2に対してシリコーン油1の割合で配合した。両者の配合に先立ちシリコーン油、樹脂ペレットともに水分量、ガス含有量を管理値内に納まるよう前処理して混合した。碍管2内に充填された絶縁混合物はペレットの比重が0.93、シリコーン油の比重が0.96であるため樹脂ペレットが油に浮いている状態となるが、ペレット間の隙間(空間)には油が入り込み、空隙を完全に埋めた状態となる。
【0018】
比較例
比較例として、、碍管内に充填する絶縁体をシリコーン油のみとし、その他は実施例と同一の終端接続部を組立てた。
【0019】
実施例と比較例とを対比してみると、実施例ではシリコーン油を40kg使用したのに対し、比較例ではその3倍の120kg使用した。しかし、終端接続部の絶縁性能は両者間で殆ど差が見られず、良好な絶縁特性を有していた。
【0020】
本発明は上述したように電気絶縁油と電気絶縁性のペレット状樹脂との混合物で碍管内空間を充填し終端接続部の絶縁を確保維持したものである。従って、使用する電気絶縁油の量は従来の電気絶縁油のみの場合に比べて1/2乃至1/4の量ですみ、環境に優しい終端接続部を提供でき、終端接続部の組立て作業にもそれ程の熟練を要さずに組み立てることができる。
【0021】
また、乾式タイプのように大型のスプリングや押し金具を必要とせず、絶縁油に混入する電気絶縁性の樹脂は廃棄電線の再生品を使用すれば工業製品のリサイクルになり、かつ安価に購入できるので、終端接続部を廉価に提供することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明、電力ケーブルの終端部外周に設けた碍管内に電気絶縁性の樹脂と電気絶縁油を充填してなることを特徴とする電力ケーブル終端接続部であり、従来の終端接続部に比較して電気絶縁油の使用量を削減でき、環境に優しい終端接続部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明終端接続部の一実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電力ケーブル
2 碍管
3 電気絶縁混合物
4 ストレスコーン
Claims (1)
- 電力ケーブルの終端部外周に設けた碍管内に電気絶縁性の樹脂と電気絶縁油を充填してなることを特徴とする電力ケーブル終端接続部。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002168435A JP2004015945A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 電力ケーブル終端接続部 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002168435A JP2004015945A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | 電力ケーブル終端接続部 |
Publications (1)
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JP2004015945A true JP2004015945A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30435352
Family Applications (1)
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-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168435A patent/JP2004015945A/ja active Pending
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