JPWO2011036920A1 - シール装置 - Google Patents

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JPWO2011036920A1 JP2010546758A JP2010546758A JPWO2011036920A1 JP WO2011036920 A1 JPWO2011036920 A1 JP WO2011036920A1 JP 2010546758 A JP2010546758 A JP 2010546758A JP 2010546758 A JP2010546758 A JP 2010546758A JP WO2011036920 A1 JPWO2011036920 A1 JP WO2011036920A1
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功太郎 大下
功太郎 大下
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    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/40Sealings between relatively-moving surfaces by means of fluid
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Abstract

【課題】構造がシンプルで、良好な摺動寿命を有し、軸方向長さの短い、シール装置を提供する。【解決手段】シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて固定されたスライドブッシュと、シーリング溝に収納され、シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、磁力発生手段により発生された磁力によりシャフトと磁気伝達部材の間に保持される磁性流体とを有することを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、チャンバ内やクリーンルーム等の密閉空間に外部から運動を伝達する回転軸等に適用するのに好適なシール装置に関する。
例えば半導体デバイスの製造工程において半導体ウェーハに施される酸化、拡散あるいはCVD(Chemical vapor Deposition)等の処理は、ウェーハを真空中あるいは特定のガス雰囲気中に維持して行われる。多くの場合、ウェーハは、所定の環境に保持されたチャンバや容器(以下、処理室と総称する。)に収容され、例えば回転等されながら処理室内部の雰囲気に曝されて処理が行われる。従って、このような処理に用いられる処理室には、気密性が高いこととともに、ウェーハを回転させる等、処理室外部から処理室内部に機械的運動を伝達できることが求められる。
処理室をシールした状態で処理室内部に機械的運動を伝達させる従来技術としては、例えば真空グリースを塗布したエラストマシール(Oリング等)を用いるシール装置が知られている。しかし、このような従来技術では、軸とシールの摺動部にグリースを保持させるために、使用する真空グリースの粘度を高くする必要がある。したがって、グリースが劣化した場合でも周囲に存在するグリースと置き換わらず、シールの摺動寿命を短縮させるという問題を有している。
このような問題を解決するための従来技術としては、たとえば、エラストマシールと、磁力によってポールピースと軸の間に保持される磁性流体を用いたシール装置が知られている(特許文献1等参照)。しかし、このような従来技術では、ポールピースの先端に磁性流体を保持しても、磁性流体の大部分がエラストマシールに届かないという問題を有している。したがって、従来技術に係るシール装置で用いられる磁性流体は、潤滑剤として役割を十分に果たすことができないため、従来技術に係るシール装置は、摺動寿命に課題を残すものであった。
また、シール装置に開する他の従来技術としては、円環状突起を有する軸と、永久磁石に接する継鉄とを有しており、継鉄の内周面と円環状突起の間に磁性流体を保持するシール装置(回転軸突起型磁性流体シール回転軸受け)が知られている(特許文献2等参照)。しかし、継鉄の内周面と円環状突起の間に磁性流体を保持するシール装置は、構造が複雑であり、製造のために極めて高精度な加工工程および組み立て工程が必要となり、生産性およびコスト面で課題を有している。
これらの課題を解決すべく、図6に示すようなシール装置が本出願人により提案されている(PCT/JP2009/062198)。この先願発明に係るシール装置は、処理室50の内部に、当該処理室50の外部から所定の機械的運動を伝達する回転軸51のシール装置において、エラストマシールをシール部材53として使用し、潤滑剤として磁性流体54を使用し、シール部の芯振れ抑制やシール性を安定させるため、また外部からの加重を受けるために金属製の玉軸受やころ軸受等からなる軸受55を内蔵させている。なお、シール部の軸受55とは別に、処理室50側にも装置軸受52が設けられている。このように、シール部に軸受55を内蔵させたものでは、シール装置の全長が長くなったり、シール設計が軸受の寸法により制約されるという問題があった。また、軸受を設けたシール装置の場合、軸も含めて納入しなければならないという問題もあった。
特開平7−317916 特開2003−294156
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであって、本発明の第1の目的は、構造がシンプルで、良好な摺動寿命を有しており、処理室に外部から運動を伝達する回転軸等に適用するのに好適なシール装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、軸方向長さの短いシール装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、カートリッジタイプのシール装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために本発明のシール装置は、第1に、所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、
前記シャフトが貫通するハウジングと、
前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出して前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外側面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
を有し、前記シーリング溝は、前記シャフトの中心軸を通る断面の形状が略矩形形状であり、
前記シール部材は、前記シーリング溝の前記略矩形形状の頂点のそれぞれに向かって突出する4つの突起部を有しており、前記突起部のうち前記シャフト側に向かって突出する2つの突起部の間には、前記磁性流体を保持する流体保持溝が形成されていることを特徴としている。
第1の特徴によれば、断面の形状が略矩形形状であるシーリング溝に、矩形形状の頂点のそれぞれに向かって突出する突起部を有するシール部材が収納されている。このため、シール部材における突起部のうち、シャフト側に突出してシャフトに対する摺動面を構成する2つの突起部は、磁性流体が多く固定される磁気伝達部材の先端部と近接した状態で配置される。したがって、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材の摺動面の距離が短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できる。すなわち、本発明に係るシール装置において、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
本発明のシール装置は、第2に、所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、前記シャフトが貫通するハウジングと、
前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出しており、前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外周面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
を有し、前記第1の磁気伝達部材の一対の内方突縁のうち前記磁力発生手段に近接する第1内方突縁における前記シャフトに近接する端部には、前記シャフトおよび前記シール部材に向かって突出する流体保持突部が形成されていることを特徴としている。
第2の特徴によれば、磁性伝達部材の第1内方突縁に、シャフトおよびシール部材に向かって突出する流体保持突部が形成されている。このため、シール部材におけるシャフトに対する摺動面は、磁性流体が最も多く保持される流体保持突部と近接した状態で配置される。したがって、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材との距離も短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できる。すなわち、本題明に係るシール装置において、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
また、本発明のシール装置は、第3に、所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、前記シャフトが貫通するハウジングと、
前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出して前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外周面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
を有し、前記シーリング溝は、アリ溝形状を有していることを特徴としている。
第3の特徴により、アリ溝形状を有するシーリング溝に、シール部材が収納されている。このため、シール部材におけるシャフトに対する摺動面は、磁性流体が多く保持される磁気伝達部材の先端部と近接した状態で配置される。したがって、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材の摺動面の距離も短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できる。すなわち、本発明に係るシール装置において、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
また、本発明のシール装置は、第4に、第1ないし第3のいずれかの特徴において、第1および第2磁極部材と対向するシャフトの外周面の部分にスリーブを嵌合させることを特徴としている。
第4の特徴により、先願発明の場合のようにシャフトを含めて納入する必要がなくなり、シャフトを含まないシール装置だけ納入すれば足り、シール装置の交換の場合もシャフトを交換することなくシール装置のみを交換すればよい。また、シール装置は、既存のシャフトにも使用可能であり、完全なカートリッジタイプのシール装置であるといえる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)断面の形状が略矩形形状であるシーリング溝に、矩形形状の頂点のそれぞれに向かって突出する突起部を有するシール部材が収納されてため、シール部材における突起部のうち、シャフト側に突出してシャフトに対する摺動面を構成する2つの突起部は、磁性流体が多く固定される磁気伝達部材の先端部と近接した状態で配置されることになり、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材の摺動面の距離が短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できるので、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
(2)磁性伝達部材の第1内方突縁に、シャフトおよびシール部材に向かって突出する流体保持突部が形成されているため、シール部材におけるシャフトに対する摺動面は、磁性流体が最も多く保持される流体保持突部と近接した状態で配置されることになり、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材との距離も短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できるので、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
(3)アリ溝形状を有するシーリング溝に、シール部材が収納されているため、シール部材におけるシャフトに対する摺動面は、磁性流体が多く保持される磁気伝達部材の先端部と近接した状態で配置されるので、磁性伝達部材に保持される磁性流体と、シール部材の摺動面の距離も短くなり、磁性流体がシール部材の摺動面まで容易に到達できることになり、磁性流体はシャフトとシール部材の摺動面近傍において潤滑剤として好適に作用し、シール部材の摺動寿命を長くすることができる。
また、スライドブッシュを設けることにより、シール装置から軸受を不要とすることができ、シール装置の軸方向長さを短くできとともに径方向の寸法を軸受寸法に左右されることなく自由に設計することができる。
さらに、スライドブッシュ固定する部材を磁気回路を形成する磁気伝達部材と共有化することで、スペースを有効活用でき、軸方向長さのコンパクト化に寄与することができる。
(4)第1および第2磁極部材と対向するシャフトの外周面の部分にスリーブを嵌合させることにより、先願発明の場合のようにシャフトを含めて納入する必要がなくなり、シャフトを含まないシール装置だけ納入すれば足り、シール装置の交換の場合もシャフトを交換することなくシール装置のみを交換すればよい。また、シール装置は、既存のシャフトにも使用可能であり、完全なカートリッジタイプのシール装置を提供できる。
本発明の実施形態1に係るシール装置を表す正面断面図である。 本発明の実施形態2に係るシール装置を表す正面断面図である。 本発明の実施形態3に係るシール装置を表す正面断面図である。 本発明の実施形態4に係るシール装置を表す正面断面図である。 本発明の一実施形態に係るシール装置に備えられる第1磁極部材およびその変形例を示す拡大断面図である。 本発明の先願発明を説明するための正面断面図である。
本発明に係るシール装置を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加えうるものである。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の実施形態1に係るシール装置1を表す断面図である。
シール装置1は、処理室20に設けられたフランジ21の開口22を塞ぐように配置されており、処理室20内部を処理室外部に対して気密状態に保つことができる。開口22にはシャフト25を支持するための軸受23が設けられている。
本実施形態に係るシール装置1が配置される処理室20としては、特に限定されないが、例えばシリコンウェーハの処理を行うウェーハ処理室や、真空状態と大気圧状態とを繰り返すロードロック室等が挙げられる。また、処理室内部は、処理室外部に対して負圧環境に保持されるものであっても良く、また、等圧もしくは加圧環境に保持されるものであってもよい。
シール装置1は、非磁性材料からなるハウジング2と、磁力発生手段としての磁石3と、磁気伝達部材としての第1および第2磁極部材4、5と、シール部材としてのXリング6と、潤滑剤としての磁性流体7と、芯出し部材としてのスライドブッシュ12とを有する。シャフト25は、円筒状のハウジング2を貫通するように配置されている。なお、磁石3と第1磁極部材4とは一体に形成されていてもよい。あるいは、磁石3が第1磁極部材4の一部を兼ねていてもよく、例えば第1磁極部材4における磁性流体7を固定する部分(第1内方突縁8a)を磁力発生手段としてもよい。
シャフト25における処理室外部側の端部は、不図示の駆動部に接続されている。本実施形態に係るシャフト25は、駆動部からの駆動力によって、回転中心Aを中心として回転運動することができる。シャフト25における処理室内部側の端部は、処理室20内部に配置された不図示の披駆動部に接続されている。これにより、本実施形態に係るシャフト25は、処理室20外部に配置された駆動部によって発生される回転運動を、処理室20内部に伝達することができる。なお、シャフト25は、磁性材料を用いて形成されるが、シャフト全体が中実の磁性材製のものには限定されない。例えば、表面に磁性材製のスリーブを装着したオーステナイト鋼または、非鉄材、石英等の非磁性材製シャフトでも良く、スリーブ単体でも良い。また磁性材料を用いて形成されたシャフトの表面に、摺動特性や防錆等のために樹脂コーティングなどを施すことも可能である。コーティングの厚さは、磁性材料からの磁力線を大きく弱めることのない程度の厚さとすることができる。
ハウジング2は、シャフト25が貫通するように設置される筒状部材であり、処理室20のフランジ21にボルト9等の固定手段により固定されている。ハウジング2の内周面2aと、シャフト25の外周面25aとの間には、磁石3、第1磁極部材4、第2磁極部材5およびXリング6等が配置できるように、所定の間隔が設けられている。
ハウジング2の内周面2aと、シャフト25の外周面25aとの間には、シャフト25の回転中心A方向に沿って、第2磁極部材5、磁石3、第1磁極部材4が配置されている。円環状の磁石3は、後述するように磁性流体7を保持するための磁気を発生する磁気発生手段であり、第1磁極部材4と第2磁極部材5に、回転中心A方向の両側を挟まれた状態で配置されている。なお、磁石3の形状は、本実施形態のような円環状に限定されず、例えば、円筒形状の磁石を、シャフト25をとり囲むように、軸方向を揃えて環状に並べて配置した形状であっても良い。
磁石3の処理室外部側の端部には、環状の第2磁極部材5が接続されている。第2磁極部材5は、磁石3に接触するように設けられた磁性材料である。第2磁極部材5の内周端部である内周突縁5aは、シャフト25の外周面25aに対してわずかな隙間を空けて配置される。また、第2磁極部材5の外周端部5bは、ハウジング2の内周面2aに固定されていてもよい。
第2磁極部材5の内周突縁5aの幅方向の一部にわたって、スライドブッシュ12を圧入するための環状凹部5cが設けられている。スライドブッシュ12は、シール装置の芯出しあるいは芯振れ防止のために設けられるもので、PTFEなどの樹脂材料または金属材料から環状に製作され、第2磁極部材5の内周突縁5aの環状凹部5cに圧入等により固定される。スライドブッシュ12の内周面12aはシャフト25の外周面25aとごく僅かな隙間を形成するように製作される。
スライドブッシュ12の幅および厚みについては、シール装置の芯出しあるいは芯振れ防止が図れる程度のものであればよく、その幅は、先願発明において使用している軸受55の幅の数分の一で済むため、シール装置1の軸方向の長さを大幅に短くすることができる。
磁石3の処理室内部側の端部には、環状の第1磁極部材4が接続されている。第1磁極部材4は、第2磁極部材5と同じく、磁石3に接触するように設けられた磁性材料である。第1磁極部材4の外周端部4bは、ハウジング2の内周面2aに固定されている。第1磁極部材4とハウジング2の間には、第1磁極部材4の外周端部4bと、ハウジング2の内周面2aとの間をシールする静的シール部材10が設けられていてもよい。
第1磁極部材4は、ハウジング2の内周面2a側からシャフト25の外周面25a側に向かって突出する第1内方突縁8aおよび第2内方突縁8bを有している。
第1内方突縁8aと第2内方突縁8bは、互いに略対称な形状を有しており、第1内方突縁8aと第2内方突縁8bとの間には、シャフト25側に開口を有するシーリング溝11が形成されている。シャフト25の回転中心Aを通る断面によって観察したシーリング溝11の断面は、略矩形形状を有している。
Xリング6は、シーリング溝11の断面が有する矩形形状のそれぞれに向かって突出する第1突起6a、第2突起6b、第3突起6cおよび第4突起6dを有している。
第1突起6aと第2突起6bは、矩形形状の頂点のうち、シーリング溝11の開口側の頂点に向かって突出している。第1突起6aは、シーリング溝11の開口側の頂点のうち、第1内方突縁8a側の頂点に向かって突出しており、第2突起は、第2内方突縁8b側の頂点に向かって突出している。
また、第3突起6cと第4突起6dは、矩形形状の頂点のうち、シーリング溝11の底部11a側の頂点に向かって突出している。さらに、Xリング6の第1〜第4突起は、Xリング6の周方向に沿って連続している。
第3突起6cおよび第4突起6dは、シーリング溝11の底部11aに接触しており、Xリング6とシーリング溝11は、周方向に連続して密着している。また、Xリング6の内径は、シャフト25の径と略一致する径か、あるいはわずかに小さい径となるように設計されている。したがって、シャフト25が回転中心Aを中心として回転する際、Xリング6の第1突起6aおよび第2突起6bは、シャフト25の外周面25aに対して摺動する。これにより、実施形態1に係るXリング6は、第1磁極部材4とシャフト25との間をシールすることができる。
第1突起6aと第2突起6bの間には、第2突起6bまで磁性流体7を周り込ませるための流体保持溝6eが形成されている。すなわち、流体保持溝6eは、流体保持溝6eと、流体保持溝6eと対向するシャフト25の外周面25aとの表面張力によって、磁性流体7を第1突起6aから第2突起6bへ導くことができるように設計されている。また、流体保持溝6eは、流体保持溝6eと、流体保持溝6eと対向するシャフト25の外周面25aとの間に、磁性流体7を保持できる。本実施形態に用いる磁性流体7は、粒径約5〜50nm程度の磁性超微粒子を界面活性剤を使用して溶媒や油(基油)中に分散させたもので、磁力線に沿って移動し磁場にトラップされる特性を有する。本実施形態のシール装置1において、磁性流体7は、シャフト25とXリング6の摺動面で作用する潤滑剤として用いられており、Xリング6の摺動寿命を延長させる。また、磁性流体7は、Xリング6とシャフト25の摺動面における密封性を確保し、また、摺動面付近での発塵を抑制することができる。
シャフト25が回転中心Aを中心として回転する際、磁性流体7は、第1内方突縁8aの先端部付近に最も多く保持される。Xリング6の第1突起6aは、第1内方突縁8aの先端部に近接するように配置されているため、磁性流体7は、シャフト25とXリング6の第1突起6aの摺勤面に容易に到達し、潤滑剤として好適に作用することができる。
また、Xリング6には流体保持溝6eが形成されているため、磁性流体7は、第1突起6aおよび流体保持溝6eを介して、第2突起6bまで容易に到達することができる。すなわち、実施形態1に係るシール装置1では、第1突起6aおよび第2突起6bと、シャフト25の外周面25aとの間に形成される双方の摺動面に、磁性流体7が容易に到達することができる。したがって、磁性流体7は、Xリング6とシャフト25との摺動面における潤滑剤として好適に作用することができる。
なお、第2内方突縁8bの先端部にも、磁性流体7が保持される場合がある。第2内方突縁8bの先端部付近に保持された磁性流体7は、Xリング6の第2突起6bに容易に到達することができる。しかし、第2内方突縁8bは、第1内方突縁8aより磁石3からの距離が長いため、第1内方突縁8aほど多くの磁束が通過しない。したがって、第2内方突縁8bの先端部に保持される磁性流体7の量が少なく、第2内方突縁8bの先端部に保持される磁性流体7だけでは、第2突起6bとシャフト25の外周面25aとの摺動面を十分に潤滑することができない場合がある。
しかし、実施形態1に係るシール装置1では、上述のように、第1内方突縁8aの先端部付近に保持された磁性流体7が、第1突起6aおよび流体保持溝6eを介して、第2突起6bまで容易に到達することができる。したがって、磁性流体7は、Xリング6とシャフト25との摺動面における潤滑剤として好適に作用することができる
〔実施の形態2〕
図2は、本発明の実施形態2に係るシール装置15を表す正面断面図である。
実施の形態2に係るシール装置15は、第1磁極部材16の形状と、シール部材として用いられるOリング17の形状が、実施の形態1に係るシール装置1に備えられた第1磁極部材4およびXリング6の形状と異なる。しかし、その他の部分は実施の形態1に係るシール装置1と同様であり、実施の形態1と同様の部材には、実施の形態1と同じ部材番号を付している。
第1磁極部材16は、ハウジング2の内周面2a側からシャフト25の外周面25a側に向かって突出する第1内方突線18aおよび第2内方突縁18bを有している。第1内方突縁18aは、第2内方突縁18bより処理室20外部側に形成される。したがって、第1内方突線18aは、第2内方突縁18bより磁石3に近接するように配置される。
シャフト25に近接する側に向かう第1内方突縁18aの先端部には、シャフト25およびOリング17に向かって突出する流体保持突部19が形成されている。流体保持突部19は、シャフト25の外周面25aとの間にわずかな間隔を形成するように配置される。流体保持突部19の先端部19a付近には、磁石3によって発生された磁力によって、磁性流体7が保持される。
第1内方突縁18aと第2内方突縁18bとの間には、シーリング溝14が形成される。シーリング溝14は、シャフト25を取り囲むように形成されており、シャフト25の外周面25a側に開口を有している。
シーリング溝14には、環状のOリング17が収納されている。本実施形態に係るOリング17は、シャフト25の回転中心Aを通る断面で観察した場合、略円形もしくは略楕円形の断面形状を有している。また、Oリング17の一部は、シーリング溝14の開口からはみ出した状態で収納されている。
Oリング17のリング外周端部17bは、シーリング溝14の底部14aに接触しており、Oリング17の外周端部17bとシーリング溝14の底部14aは、周方向に連続して密着している。
また、Oリング17は、シャフト25とわずかに接触しており、過度に接触トルクを大きくしないとともに、シール性を満たすように設計されている。本実施形態に係るシール装置15において、Oリング17は、シーリング溝14の底部14aとシャフト25の外周面25aとによって、回転中心Aの径方向にわずかに押しつぶされた状態で、シーリング溝14に収納されている。なお、Oリング17は、例えばエラストマー等のような適度な弾性を有する材料によって作製されることが好ましい。
シャフト25が回転中心Aを中心として回転する際、Oリング17のリング内周端部17aは、シャフト25の外周面25aに対して摺動する。したがって、本実施形態に係るOリング17は、第1磁極部材16とシャフト25との間をシールすることができる。
流体保持突部19の先端部19a付近には、磁性流体7が保持される。本実施形態に用いる磁性流体7は、粒径約5〜50nm程度の磁性超微粒子を界面活性剤を使用して溶媒や油(基油)中に分散させたもので、磁力線に沿って移動し磁場にトラップされる特性を有する。本実施形態のシール装置15において、磁性流体7は、シャフト25とOリング17の摺動面で作用する潤滑剤として用いられており、Oリング17の摺動寿命を延長させる。また、磁性流体7は、Oリング17とシャフト25の摺動面における密封性を確保し、また、摺動面付近での発塵を抑制することができる。
シャフト25が回転中心Aを中心として回転する際、流体保持突部19の先端部19a付近に保持された磁性流体7は、シャフト25とOリング17の摺動面に到達し、潤滑剤として作用する。特に本実施形態に係るシール装置15では、流体保持突部がOリング17およびシャフト25に向かって突出しているため、磁性流体7を最も多く保持する流体保持突部19の先端部19aが、Oリング17に近接して配置されている。したがって、磁性流体7はOリング17を介して、シャフト25とOリング17の摺動面に容易に到達することができる。
また、図2に示すように、Oリング17が略円形もしくは略楕円形の断面形状を有するため、Oリング17における摺動面であるリング内周端部17aが、流体保持突部19の先端部19aに近接して配置されている。したがって、磁性保持突部19の先端部19aの周辺に保持される磁性流体7は、この点からもシャフト25とOリング17の摺動面に容易に到達することができ、潤滑剤として好適に作用することができる。
なお、流体保持突部19は、2つの内方突縁18a、18bのうち、磁石3に近接する第1内方突縁18aに形成されることが好ましい。磁石3に近接する第1内方突縁18aは、第2内方突縁18bに比べてより多くの磁束が通過する。したがって、第1内方突縁18aに流体保持突部19を形成することによって、より多くの磁性流体7を流体保持突部19に保持させることができる。
〔実施の形態3〕
図3は、本発明の実施形態3に係るシール装置30を表す正面断面図である。
実施の形態3に係るシール装置30は、第1および第2磁極部材4、5と対向するシャフト25の外周面の部分にスリーブ31を嵌合させた点が実施の形態1に係るシール装置1と異なる。しかし、その他の部分は実施の形態1に係るシール装置1とほぼ同様であり、実施の形態と1と同様の部材には、実施の形態1と同じ部材番号を付している。
スリーブ31は、第1および第2磁極部材4、5と対向するシャフト25の外周面の部分に嵌合されるもので、環状をなしており、磁性材料から形成される。
スリーブ31の内周面側には、シャフト外周面25aに向けて開口した環状のOリング溝32が設けられており、このOリング溝32に環状のOリング33が装着され、スリーブ31の内周面とシャフト外周面25aとの間をシールしている。
スリーブ31の断面形状は、図3に示すように、略矩形状をしており、第1磁極部材4と対向する部分31aの径が第2磁極部材5と対向する部分31bの径より大径に形成され、段部31cを形成している。スリーブ31は、段部31cが第2磁極部材5の内周突縁5aに設けられるスライドブッシュ12の外側面12cとごく僅かな隙間を有するように設置される。このように、スライドブッシュ12が第1磁極部材4とスリーブ31とによって挟み込まれた構造となっているため、スリーブ31の軸方向の位置決めが容易となる。一方、スライドブッシュ12は、その内周面12aがスリーブ31の小径部分31bとごく僅かな隙間をもって対向するように形成されている。このため、第2磁極部材5の内周面5aは、実施の形態1の場合よりも段部31の段差分だけ内方に突出した形状となっている。
本実施の形態のシール装置30においては、スリーブ31を設けることにより、先願発明の場合のようにシャフト25を含めて納入する必要がなくなり、シャフトを含まないシール装置30だけ納入すれば足り、シール装置の交換の場合もシャフトを交換することなくシール装置30のみを交換すればよい。また、シール装置30は、既存のシャフトにも使用可能であり、完全なカートリッジタイプのシール装置を構成する。
〔実施の形態4〕
図4は、本発明の実施形態4に係るシール装置40を表す正面断面図である。
実施の形態4に係るシール装置40は、第1および第2磁極部材16、5と対向するシャフト25の外周面の部分にスリーブ31を嵌合させた点が実施の形態2に係るシール装置15と異なる。しかし、その他の部分は実施の形態2に係るシール装置15とほぼ同様であり、実施の形態と2と同様の部材には、実施の形態15と同じ部材番号を付している。また、スリーブ31およびOリング33については、実施の形態3と同様であり、説明は省略する。
実施の形態3および4に使用されているスリーブ31をシャフト25に固定する方法としては、たとえば、スリーブ31の軸方向の一端に半円状の二つ割りセットカラー(図示せず)をボルトなどの締め付け手段を用いて締め付けることでスリーブ31をシャフト25に固定することができる。また、他の公知の方法で取り付けてもよいことはもちろんである。
実施の形態2及び実施の形態4に使用されている第1磁極部材16に形成されたシーリング溝14は、図5(a)に示すように、アリ溝形状を有している。第1内方突縁18aは、シーリング溝14の壁の一部を構成しており、第1内方突縁18aの先端部に形成される磁性体保持突部19は、シーリング溝14に向かって傾斜している。また、実施形態2および4におけるシール装置15および40では、アリ溝形状を有するシーリング溝14に、シャフト25の回転中心Aを通る断面によって観察した場合に略円形もしくは略楕円形の断面形状を有するOリング17が収納されている。したがって、磁性流体7が保持される流体保持突部19の先端部19aは、Oリング17に近接しており、磁性流体7は、シャフト25とOリング17の摺動面に容易に到達し、潤滑剤として好適に作用することができる。
第1内方突縁18aおよび第2内方突縁18bによって形成されるシーリング溝14の形状は、図5(a)に示す形状に限定されず、例えば図5(b)および図5(c)に示すような形状を有していてもよい。図5(b)および図5(c)は、図5(a)に示す第1磁極部材16の変形例を示したものである。
図5(b)に示す第1磁極部材16は、第1内方突縁18aが、第2内方突縁18bと略対称な形状を有している。図5(b)に示す変形例においても、第1内方突縁18aの先端部に流体保持突部19が形成されており、流体保持突部19の先端部19aは、Oリング17と近接するように配置される。また、当該流体保持突部19に磁性流体7が保持されるため、磁性流体7は、Oリング17に近接するように配置される。したがって、図5(b)に示す第1磁極部材16を、実施形態2および4に係るシール装置15および40に用いた場合でも、磁性流体7は、シャフト25とOリング17の摺動面に容易に到達し、潤滑剤として好適に作用することができる。
図5(c)に示す第1磁極部材16は、第1内方突縁18aが、第2内方突縁18bと略対称な形状を有しており、シーリング溝14に向かって突出している。図5(c)に示す変形例では、第1内方突縁18aの先端部18a’に磁性流体7が保持される。図5(c)に示す変形例では、シーリング溝14を形成する第1内方突縁18aが、シーリング溝14に向かって突出しており、シーリング溝14がアリ溝形状を有している。このため、第1内方突縁18aの先端部18a’が、Oリング17に近接するように配置される。また、第1内方突縁18aの先端部18a’に磁性流体7が保持されるため、磁性流体7とOリング17も近接して配置される。したがって、図5(c)に示す第1磁極部材16を実施形態2および4に係るシール装置15および40に用いた場合でも、磁性流体7は、シャフト25とOリング17の摺動面に容易に到達し、潤滑剤として好適に作用することができる。
1 シール装置(実施の形態1)
2 ハウジング
3 磁石
4 第1磁極部材(実施の形態1および3)
5 第2磁極部材
6 Xリング
7 磁性流体
8a 第1磁極部材4の第1内方突縁
8b 第1磁極部材4の第2内方突縁
9 ボルト
10 静的シール部材
11 シーリング溝(実施の形態1および3)
12 スライドブッシュ
14 シーリング溝(実施の形態2および4)
15 シール装置(実施の形態2)
16 第1磁極部材(実施の形態2および4)
17 Oリング
18a 第1磁極部材16の第1内方突縁
18b 第1磁極部材16の第2内方突縁
19 流体保持突部
20 処理室
21 フランジ
22 開口
23 軸受
25 シャフト
30 シール装置(実施の形態3)
31 スリーブ
32 Oリング溝
33 Oリング
40 シール装置(実施の形態4)

Claims (4)

  1. 所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、
    前記シャフトが貫通するハウジングと、
    前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
    前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出して前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
    前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外側面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
    少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
    前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
    を有し、前記シーリング溝は、前記シャフトの中心軸を通る断面の形状が略矩形形状であり、
    前記シール部材は、前記シーリング溝の前記略矩形形状の頂点のそれぞれに向かって突出する4つの突起部を有しており、前記突起部のうち前記シャフト側に向かって突出する2つの突起部の間には、前記磁性流体を保持する流体保持溝が形成されていることを特徴とするシール装置。
  2. 所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、前記シャフトが貫通するハウジングと、
    前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
    前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出しており、前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
    前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外周面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
    少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
    前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
    を有し、前記第1の磁気伝達部材の一対の内方突縁のうち前記磁力発生手段に近接する第1内方突縁における前記シャフトに近接する端部には、前記シャフトおよび前記シール部材に向かって突出する流体保持突部が形成されていることを特徴とするシール装置。
  3. 所定の環境に保持される処理室の内部に、当該処理室の外部から当該処理室の環境を維持しつつ所定の機械的運動を伝達するシャフトのシール装置であって、前記シャフトが貫通するハウジングと、
    前記ハウジングと前記シャフトとの間に配置されて前記シャフトの周囲において磁力を発生する磁力発生手段と、
    前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出して前記シャフトを取り囲むシーリング溝を形成する一対の内方突縁を有し、前記磁力発生手段の一側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第1の磁気伝達部材および前記ハウジングから前記シャフトに向かって突出する内方突縁を有し、前記磁力発生手段の他側に隣接して配置されて当該磁力発生手段で発生される磁力を伝達する第2の磁気伝達部材と、
    前記第2の磁気伝達部材の内方突縁とシャフトとの間に配置されて前記シャフトの外周面に対してごく僅かな隙間を有するようにして前記内方突縁に固定されたスライドブッシュと、
    少なくとも一部が前記シャフトに向かってはみ出した状態で前記シーリング溝に収納され、前記シャフトの外周面に対して摺動するシール部材と、
    前記磁力発生手段により発生された磁力により前記シャフトと前記磁気伝達部材の間に保持される磁性流体と
    を有し、前記シーリング溝は、アリ溝形状を有していることを特徴とするシール装置。
  4. 前記第1および第2磁極部材と対向するシャフトの外周面の部分にスリーブを嵌合させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシール装置。
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