JPH07317916A - 磁性流体軸封装置 - Google Patents

磁性流体軸封装置

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JPH07317916A
JPH07317916A JP6133641A JP13364194A JPH07317916A JP H07317916 A JPH07317916 A JP H07317916A JP 6133641 A JP6133641 A JP 6133641A JP 13364194 A JP13364194 A JP 13364194A JP H07317916 A JPH07317916 A JP H07317916A
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Japan
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magnetic fluid
sealing device
pole piece
main pole
contact
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Application number
JP6133641A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
Hiroshi Matsuura
弘 松浦
Satoru Numakura
知 沼倉
Katsuya Okumura
勝弥 奥村
Isahiro Hasegawa
功宏 長谷川
Yuichiro Yamazaki
裕一郎 山崎
Shigeya Mori
重哉 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性流体膜の破れを確実に防止でき、減圧制
御等の付加的制御が全く不要であり、形状が小型であ
り、しかも安価である磁性流体軸封装置を提供する。 【構成】 プロセス室10の内外にわたって配設される
回転軸1のまわりの軸方向の差圧等を保持する磁性流体
軸封装置において、プロセス室10に面していて回転軸
1に対して隙間を置いて配置された主ポールピース2
と、主ポールピース2と回転軸1との間に磁路を形成す
る磁石3と、その磁路に沿って主ポールピース2と回転
軸1との間に形成される少なくとも1つの磁性流体膜4
と、主ポールピース2と回転軸1との間に隙間なく介在
するOリング部材6とを有する磁性流体軸封装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロセス室内とプロセ
ス室外とにわたって配設される回転軸のまわりの軸方向
の環境変化を維持するための軸封装置に関する。特に、
回転軸の外周表面上に環状の磁性流体膜を形成し、その
磁性流体膜によって環境変化を維持する形式の磁性流体
軸封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業界においては、内部が気密に遮蔽さ
れた空間内を外部の圧力と異なった圧力状態、すなわち
差圧状態に保持し、その差圧状態下において種々の処理
を行うようにした各種の装置が存在する。また、その差
圧状態に加えて内部を防塵状態、あるいは特殊なガス雰
囲気状態に保持した状態で種々の処理を行う場合もあ
る。例えば、半導体ウエハの減圧処理装置、真空乾燥
機、回転対陰極形式のX線発生装置等においては、真空
に減圧された防塵状態下で所定の処理が行われる。上記
のプロセス室とは、そのような任意の処理が行われる空
間であって、外部と異なる環境下に置かれる空間のこと
である。
【0003】このようなプロセス室を用いた装置におい
ては、多くの場合、プロセス室の内外にわたって回転軸
が設けられ、その回転軸の回転を動力源として用いて種
々の処理が行われる。この種の装置において注意しなけ
らばならないことは、プロセス室の内外にわたって回転
軸を配設した場合にも、プロセス室の内部環境、例えば
内部圧力と外部圧力との圧力差を正確に一定に保持する
ことである。
【0004】差圧状態等の環境変化を一定に保持するた
めの装置として、軸封装置があることは古くから広く知
られている。また、そのような軸封装置として、接触シ
ール部材、例えばゴム製のOリングを回転軸のまわりに
接触させてシールを行う接触シール方式及びいわゆる磁
性流体を利用した磁性流体軸封装置があることも既に知
られている。
【0005】接触シール方式によれば、比較的小さな接
触シール部材によってかなり大きな差圧を維持できると
いう長所があるが、回転軸との摩擦により塵が発生して
まわりの雰囲気を汚染するという問題がある。これに対
し、磁性流体軸封装置によれば、そのような塵の発生が
ないので、まわりの雰囲気を清潔に維持できるという長
所があるが、大きな差圧を維持するためには、回転軸の
軸方向に沿って多数段の磁性流体膜を形成しなければな
らず、よって全体の形状が大きくなりすぎるという問題
がある。
【0006】上記のような問題を解消するため、例えば
実開昭64−45057号公報、特開平1−25576
6号公報、特開平2−80866号公報等の各公報に、
磁性流体膜と接触シール部材とを同時に用いた軸封装置
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の各公報に開示された従来の軸封装置においては、磁性
流体膜と接触シールとが互いに協働することなく、それ
ぞれ別個に設けられているので、接触シール部材からの
塵の発生は相変わらず大きい。しかも、軸封装置の全体
形状が小さくなったといっても、十分に満足できる程度
まで小さくはなっていない。
【0008】また一般に、磁性流体軸封装置は比較的寿
命が長く、接触シール部材はそれに比べて寿命が短い。
上記従来の各軸封装置では、磁性流体軸封装置と接触シ
ール部材とが互いに一体となっていて、それらを個別に
管理するという考えは示されていない。従って、接触シ
ール部材に関して寿命が尽きた場合には、未だ使用可能
な磁性流体軸封装置ごと軸封装置の全体を新しいものと
交換せざるを得なかった。これは、非常に不経済であ
る。
【0009】本発明は、従来の軸封装置における上記の
問題点を解消するためになされたものであって、磁性流
体膜が有する潤滑性を利用して接触シール部材からの塵
の発生を大きく減少させ、しかも軸封装置の全体形状を
きわめて小型にすることを第1の目的とする。
【0010】また、磁性流体軸封装置と別個に接触シー
ル部材だけを独自に交換できるようにすることにより、
軸封装置の維持コストを低減することを第2の目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明に係る第1の磁性流体軸封装置は、プロ
セス室内とプロセス室外とにわたって配設される回転軸
のまわりの軸方向の環境変化を維持する磁性流体軸封装
置であって、プロセス室に面していて回転軸に対して隙
間を置いて配置された主ポールピースと、主ポールピー
スと回転軸との間に磁路を形成する磁石と、その磁路に
沿って主ポールピースと回転軸との間に形成される磁性
流体膜と、回転軸の外周面に接触する接触シール部材と
を有する磁性流体軸封装置において、主ポールピースと
回転軸との間に接触シール部材をそれらの両方に接触す
るように配設したことを特徴としている。
【0012】また、第2の目的を達成するため、本発明
に係る第2の磁性流体軸封装置は、プロセス室内とプロ
セス室外とにわたって配設される回転軸のまわりの軸方
向の環境変化を維持する磁性流体軸封装置であって、プ
ロセス室に面していて回転軸に対して隙間を置いて配置
された主ポールピースと、主ポールピースと回転軸との
間に磁路を形成する磁石と、その磁路に沿って主ポール
ピースと回転軸との間に形成される磁性流体膜と、回転
軸の外周面に接触する接触シール部材とを有する磁性流
体軸封装置において、接触シール部材を含むシールユニ
ットが主ポールピースに対して着脱自在であって、シー
ルユニットを主ポールピースに対して位置不動に固定す
るシールユニット固定手段を設けたことを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】第1の磁性流体軸封装置においては、プロセス
室の内外の環境変化、例えば圧力差は、接触シール部材
によって実行される封止作用及び磁性流体膜によって実
行される封止作用の両方によって保持される。この場
合、差圧状態等といった環境変化の保持作用の多くの部
分は接触シール部材の封止作用によって担われる。特
に、本発明によれば、接触シール部材が主ポールピース
と回転軸との間に両者に接触するように配設されるの
で、接触シール部材のまわりに存在する磁性流体の働き
により、接触シール部材から発生する塵などがプロセス
室内に侵入することが確実に防止される。また、磁性流
体が潤滑剤として働いて、接触シール部材と回転軸との
間の接触が滑らかな状態に保持されて、塵等の発生が大
きく減少する。さらに、接触シール部材が磁性流体軸封
装置の内部に含まれるような形状になるので、軸封装置
の全体形状が著しく小型にできる。
【0014】第2の磁性流体軸封装置においては、接触
シール部材の寿命が尽きた場合には、接触シール部材を
含むシールユニットだけを主ポールピース、従って磁性
流体軸封装置から分離して取り外して新しいものと交換
する。このように、寿命の短い接触シール部材のみを交
換できるようにしたので軸封装置の維持コストが低減さ
れる。
【0015】
【実施例】(第1実施例) 図1は、本発明に係る磁性流体軸封装置
の一実施例を示している。この磁性流体軸封装置8は、
プロセス室10を形成する壁7にボルト(図示せず)等
の締結手段によって固着された金属製で円筒状のケーシ
ング11を有している。この磁性流体軸封装置8は、プ
ロセス室10の内部領域Qと外部領域Pとを異なる環境
状態に保持する働きをする。異なる環境状態に保持する
というのは、例えば、外部領域Pが大気圧の状態で内部
領域Qを真空状態に保持したり、外部領域Pが比較的塵
の多い状態下において内部領域Qを塵の少ないクリーン
状態すなわち防塵状態に保持したり、内部領域Qを外部
領域Pと異なるガス雰囲気状態に保持したり、あるい
は、内部領域Qまたは外部領域Pのいずれか一方に液体
を充満し、他方に気体を充満した状態に保持したりする
ことである。
【0016】このような特殊環境下、特にプロセス室1
0内を高真空及び高クリーン状態に保持した状態で、例
えば半導体ウエハの製造処理、X線発生装置における回
転対陰極の回転等が行われる。
【0017】ケーシング11は、プロセス室10の内外
にわたって延びる回転軸1を取り囲んでいる。回転軸1
は、外部領域Pに配設された駆動源、例えば電動モータ
(図示せず)によって駆動されて矢印Aのように軸回転
する。詳しい図示は省略するが、プロセス室10の内部
領域Q内において、回転軸1に適宜の機器が接続され、
回転軸1を介してその機器に回転動力が伝達されて所望
の処理が実行される。
【0018】ケーシング11の内部に、磁性材料によっ
て形成されていて回転軸1を中心とする円環状の主ポー
ルピース2と、その主ポールピース2の右側に位置して
いて同じく回転軸1を中心とする円環状の副ポールピー
ス5とが格納されている。これらのポールピース2及び
5は、ケーシング11に対して位置不動に固定されてい
る。主ポールピース2と副ポールピース5との間には、
回転軸1を中心とする円環状の磁石3が設けられてい
る。主ポールピース2のうち回転軸1に対向する内周面
に、回転軸1を中心とする円環状で断面三角形状の凹溝
9が形成されており、その凹溝9内に、接触シール部材
として働くリング部材6が収納されている。
【0019】リング部材6はゴム製、例えばフッ素ゴ
ム、ニトリルゴム等によって形成されており、回転軸1
を中心とする円環状に形成されている。リング部材6の
内周面は適宜の圧力下で回転軸1の外周表面に接触して
いる。主ポールピース2の内周面と回転軸1の外周表面
の間及び副ポールピース5の内周面と回転軸1との間に
はわずかの隙間が形成されており、その隙間内に磁性流
体が注入されている。磁石3から出る磁力線は矢印Bで
示すように、主ポールピース2、回転軸1、そして副ポ
ールピース5を通って磁石3へ戻る磁気閉回路を形成
し、その磁力線に磁性流体が集束して磁性流体膜4が形
成されている。磁性流体は、例えば、パーフルオロポリ
エーテルから成るベース溶液にマンガン亜鉛フェライト
(MnO・ZnO・Fe23)から成る金属微粒子を混
合して分散させることによって形成される。各ポールピ
ース2及び5と回転軸1との間に形成される隙間の大き
さは、磁石3の磁力強度、目標としている圧力差の大き
さ等に応じて適宜に選定される。
【0020】本実施例に係る磁性流体軸封装置8は以上
のように構成されているので、外部領域Pと内部領域Q
との間の環境変化、例えば圧力差、塵の多少、ガス雰囲
気の変化等が、回転軸1に圧力下で接触するリング部材
6及び各磁性流体膜4によって保持される。この結果、
仮に外部領域Pが大気圧で塵が多い状態の場合であって
も、プロセス室10の内部領域Q内を高真空状態、防塵
されたクリーン状態、または特殊なガス雰囲気状態に保
持することができる。
【0021】この場合、差圧保持等の封止作用の多くの
部分は、回転軸1に機械的に接触するリング部材6によ
って担われる。よって、磁性流体膜4を多数段設ける必
要はない。図示の実施例の場合、プロセス室10に面し
ている最左端の磁性流体膜4aが存在するだけでも所望
の軸封効果を得ることが可能である。また、リング部材
6によって実行される封止作用により、磁性流体膜4a
を間に挟んだ左右領域の圧力差が常にその磁性流体膜の
耐差圧以下の値に維持される。その結果、磁性流体膜4
aが空気圧によって破れることがなくなり、よって、プ
ロセス室10の内部領域Qが汚染されるのを確実に防止
できる。
【0022】リング部材6は回転軸1に圧力下で接触し
ているので、回転軸1に負荷が加わってその回転が阻害
されるおそれが考えられる。しかしながら、リング部材
6のまわりにはオイルを含んだ磁性流体が存在している
ので、それが潤滑剤として作用して、その負荷は実用上
問題にならない値に低減される。また、リング部材6と
回転軸1との接触により、リング部材6から塵、ゴミ等
が発生してそれがプロセス室10内に侵入するおそれも
考えられる。しかしながら、リング部材6とプロセス室
10との間には磁性流体膜4aが存在しているので、発
生したゴミがプロセス室10内に侵入することが確実に
防止されてプロセス室10の内部領域Qはきわめて塵の
少ないクリーンな状態に保持される。
【0023】Oリング6は、主ポールピース2の外側で
はなくて、主ポールピース2と回転軸1との間に配置さ
れているので、軸封装置全体の形状が非常に小型であ
る。特に、本実施例ではOリング6が主ポールピース2
に設けたV溝9の中に収納されるので、特に小型にでき
る。
【0024】なお、主ポールピース2及び副ポールピー
ス5に設けた小径の貫通穴12は、凹溝9内のエアを抜
き取るためのエア通流穴として作用する。
【0025】以下、種々の異なる実施例について説明す
る。これから説明する実施例において、図1に示した符
号と同一の符号を用いて示す部材は同じ部材を示してお
り、その部材についての説明は省略する。
【0026】(第2実施例)図2に示す第2実施例で
は、リング部材6を収納するために主ポールピース2の
内周面に設ける凹溝19の形状を断面方形状に形成して
ある。これにより、リング部材6を、より広い面積で押
圧することが出来る。
【0027】(第3実施例)図3に示す第3実施例で
は、主ポールピース2それ自体の内部にリング部材収納
用の凹溝を形成するのではなくて、主ポールピース2と
副ポールピース5との間にリング部材6を収納するため
の凹溝29を形成している。磁性流体軸封装置の全体形
状を小型にしたい場合に好都合である。
【0028】(第4実施例)図4に示す第4実施例で
は、接触シール部材に改変が加えられている。すなわ
ち、接触シール部材16は、断面V字形状で可撓性を備
えた可撓性部材17と、その可撓性部材17の内部に配
置されたバネ材18とによって構成されている。可撓性
部材17及びバネ材18は両方とも回転軸1を中心とす
る環状形状に形成されている。可撓性部材17の内周片
17aは、バネ材18によって回転軸1の方向へ付勢さ
れてその回転軸1の外周面に押し付けられている。この
実施例は、比較的大きな圧力によって回転軸1を封止す
る場合、あるいは回転軸1に対する接触シール部材の接
触圧力を調節したい場合に好都合である。可撓性部材
は、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂等によって形成でき
る。また、バネ材は、鋼材等によって形成できる。
【0029】(第5実施例)図5に示す第5実施例で
は、主ポールピース2と副ポールピース5との間に形成
される凹溝29の内部に、内側リング部材27及び外側
リング部材28の両リング部材によって構成された接触
シール部材26が用いられている。内側リング部材27
はフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(商
標名テフロン)によって環状形状に形成されている。外
側リング部材28はゴム等によって形成されている。フ
ッ素樹脂によって形成された内側リング部材27は、そ
の内周面が平滑で滑り易くなっており、従って、回転軸
1に負荷をかけることなくそれを円滑に回転させること
が出来る。また、主ポールピース2と内側リング部材2
7との間にゴム製の外側リング部材28を設けてあるの
で、内側リング部材27と回転軸1との間に適度の接触
圧が与えられる。
【0030】(第6実施例)図6に示す第6実施例で
は、図1に示した断面円形状または楕円形状のリング部
材6に代えて、断面V字形状のリング部材36を接触シ
ール部材として用いている。このリング部材36は、2
つの開放側端部36a及び36bにおいて回転軸1の外
周面上の2カ所に接触している。この実施例によれば、
リング部材36と回転軸1との間の接触圧力を比較的小
さい値に抑えた状態で確実に内部領域Qと外部領域Pと
の間を封止できる。
【0031】(第7実施例)図7に示す第7実施例で
は、図6に示した実施例と同様にして、断面V字形状の
リング部材36を接触シール部材として用いている。但
し、この実施例では、断面V字形状における閉塞側頂部
36cを回転軸1の外周面に接触させてある。この場
合、主ポールピース2と回転軸1との間には磁性流体膜
4が形成されなければならないので、リング部材36と
して用いることができる材料は、磁力を透過できる性質
を有する材料となる。
【0032】(第8実施例)図8に示す第8実施例で
は、主ポールピース2及び副ポールピース5の両方に断
面V字形状のリング部材36が装着されている。
【0033】(第9実施例)図9に示す第9実施例で
は、主ポールピース2のうちの回転軸1に対向する内周
面に断面方形状の凹溝39が形成され、その凹溝の中に
図10に示すような環状形状のゴム製リング部材46が
はめ込まれている。また、主ポールピース2と回転軸1
との間に形成される磁性流体膜4はリング部材46の外
周面に隙間なく密着しており、両者間には空間が形成さ
れていない。磁性流体膜4とリング部材46との間に空
間が形成されないということは、磁性流体膜4、特にプ
ロセス室10に面している最左端の磁性流体膜4aに関
して、外部領域Pから内部領域Qへ向かう空気圧が除去
されるということであり、その結果、その磁性流体膜4
aを常に安定した状態に置くことができる。
【0034】(第10実施例)図11に示す第10実施
例では、主ポールピース2のうちの回転軸1に対向する
内周面が平坦面となっており、その平坦内周面と回転軸
1との間に断面円形状または楕円形状のゴム製リング部
材6が設けられている。そして、回転軸1の外周面上に
リング部材6を受け入れるための断面円弧状の環状溝1
3が形成されている。リング部材6は環状溝13内には
まり込んだ状態で、主ポールピース2及び回転軸1の両
方に接触している。
【0035】(第11実施例)図12に示す第11実施
例は、図11に示した実施例において、回転軸1の外周
面に環状溝13を設けることに代えて、主ポールピース
2の内周面にリング部材6を受け入れるための断面円弧
状の凹溝14を設けてある。
【0036】(第12実施例)図13に示す第12実施
例は、主ポールピース2及び回転軸1の両方に接触シー
ル部材を設けたものである。ポールピース側接触シール
部材は主ポールピース2の内周面の全域に貼付されたゴ
ム製で環状の板材15によって形成されている。一方、
回転軸側接触シール部材は、ゴム製で断面円形状または
楕円形状のリング部材6によって形成されている。接触
シール部材同士を互いに接触させることにより、軸封効
果がより一層向上する。
【0037】(第13実施例)図14に示す第13実施
例は、図13の実施例とは逆に、ポールピース側接触シ
ール部材として断面円形状または楕円形状のリング部材
6を用い、一方回転軸側接触シール部材として環状の板
材15を用いた場合の実施例を示している。なお、板材
15は回転軸1の外周表面に埋め込まれている。
【0038】(第14実施例)図15に示す第14実施
例では、回転軸1の外周表面上に、軸方向の幅が比較的
広いゴム製で板状のリング部材20を固着し、そのリン
グ部材20の外周表面に主ポールピース2の内周面を接
触させてある。磁性流体膜4は、主ポールピース2の内
周端とリング部材20の外周表面との間に形成される。
【0039】(第15実施例)図16に示す第15実施
例では、図15の磁性流体軸封装置において、幅の広い
板状のリング部材20に代えて幅の狭い板状のリング部
材21を接触シール部材として用いている。この実施例
では、磁性流体膜4がリング部材21を覆い込む状態で
主ポールピース2の内周端と回転軸1の外周表面との間
に形成される。
【0040】(第16実施例)図17に示す第16実施
例は、図15に示した磁性流体軸封装置において、幅広
の板状のリング部材20を回転軸1の外周表面に埋め込
んだものである。
【0041】(第17実施例)図18に示す第17実施
例は、図16に示した磁性流体軸封装置において、幅の
狭い板状のリング部材21を回転軸1の外周表面に埋め
込んだものである。
【0042】(第18実施例)図19に示す第18実施
例では、主ポールピース2及び回転軸1の両方に、幅の
等しいゴム製で板状のリング部材22及び23が固着さ
れている。両リング部材22及び23を互いに接触させ
ることにより効果の高い軸封作用を達成している。
【0043】(第19実施例)図20に示す第19実施
例は、図19に示した実施例において、回転軸側リング
部材23を幅の広い板状のリング部材24に代えたもの
である。
【0044】(第20実施例)図21に示す第20実施
例に係る磁性流体軸封装置においては、主ポールピース
2及び副ポールピース5とは別体なシールユニット30
がケーシング11の内部に格納されてキャップ31によ
って蓋締めされて固定されている。シールユニット30
は、金属または樹脂製の円盤ブロック32と、その円盤
ブロックの内部に格納されたゴム製で断面円形状のリン
グ部材6によって構成されている。回転軸1は副ポール
ピース5にはめ込まれたベアリング33によって軸回転
自在に支持されている。
【0045】一般に、接触シール部材であるリング部材
6は、回転軸1に直接接触する関係上、主ポールピース
2、磁石3及び磁性流体膜4によって構成される磁性流
体軸封ユニットに比較してその寿命が短い。リング部材
6が寿命に達してその使用が不可能になった場合は、キ
ャップ31をケーシング11から取り外し、シールユニ
ット30を主ポールピース2から分離して取り出し、そ
れを新しいものと交換する。主ポールピース2等から成
る磁性流体軸封ユニットは半永久的に使用可能であるか
ら、上記のようにリング部材6のみを交換可能な構造に
しておくことにより、保守のための経費を節減できる。
【0046】
【発明の効果】本発明の磁性流体軸封装置によれば、接
触シール部材が主ポールピースと回転軸との間に両者に
接触するように配設されるので、接触シール部材のまわ
りに存在する磁性流体の働きにより、接触シール部材か
ら発生する塵などがプロセス室内に侵入することが確実
に防止される。また、磁性流体が潤滑剤として働いて、
接触シール部材と回転軸との間の接触が滑らかな状態に
保持されて、塵等の発生が大きく減少する。さらに、接
触シール部材が磁性流体軸封装置の内部に含まれるよう
な形状になるので、軸封装置の全体形状が著しく小型に
なる。
【0047】請求項10記載の磁性流体軸封装置によれ
ば、接触シール部材の寿命が尽きた場合には、接触シー
ル部材を含むシールユニットだけを主ポールピース、従
って磁性流体軸封装置から分離して取り外して新しいも
のと交換する。このように、寿命の短い接触シール部材
のみを交換できるようにしたので軸封装置の維持コスト
が低減される。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁性流体軸封装置の第1実施例を
示す側面断面図である。
【図2】本発明に係る磁性流体軸封装置の第2実施例を
示す側面断面図である。
【図3】本発明に係る磁性流体軸封装置の第3実施例を
示す側面断面図である。
【図4】本発明に係る磁性流体軸封装置の第4実施例を
示す側面断面図である。
【図5】本発明に係る磁性流体軸封装置の第5実施例を
示す側面断面図である。
【図6】本発明に係る磁性流体軸封装置の第6実施例を
示す側面断面図である。
【図7】本発明に係る磁性流体軸封装置の第7実施例を
示す側面断面図である。
【図8】本発明に係る磁性流体軸封装置の第8実施例を
示す側面断面図である。
【図9】本発明に係る磁性流体軸封装置の第9実施例を
示す側面断面図である。
【図10】図9の実施例に用いられる接触シール部材を
示す側面断面図である。
【図11】本発明に係る磁性流体軸封装置の第10実施
例を示す側面断面図である。
【図12】本発明に係る磁性流体軸封装置の第11実施
例を示す側面断面図である。
【図13】本発明に係る磁性流体軸封装置の第12実施
例を示す側面断面図である。
【図14】本発明に係る磁性流体軸封装置の第13実施
例を示す側面断面図である。
【図15】本発明に係る磁性流体軸封装置の第14実施
例を示す側面断面図である。
【図16】本発明に係る磁性流体軸封装置の第15実施
例を示す側面断面図である。
【図17】本発明に係る磁性流体軸封装置の第16実施
例を示す側面断面図である。
【図18】本発明に係る磁性流体軸封装置の第17実施
例を示す側面断面図である。
【図19】本発明に係る磁性流体軸封装置の第18実施
例を示す側面断面図である。
【図20】本発明に係る磁性流体軸封装置の第19実施
例を示す側面断面図である。
【図21】本発明に係る磁性流体軸封装置の第20実施
例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 主ポールピース 3 磁石 4 磁性流体膜 5 副ポールピース 6 リング部材(接触シール部材) 7 プロセス室の壁 8 磁性流体軸封装置 9 凹部 10 プロセス室 11 ケーシング 12 貫通穴 13 環状溝 14 凹溝 15 環状板材 16,26 接触シール部材 17 可撓性部材 18 バネ材 19,29,39 リング状凹溝 20,21,22,23,24 板状リング部材 27 内側リング 28 外側リング 30 シールユニット 31 キャップ 32 円盤ブロック 36 V字形状リング部材 46 リング部材 P 外部領域 Q 内部領域
フロントページの続き (72)発明者 沼倉 知 東京都昭島市松原町3−9−12 理学電機 株式会社拝島工場内 (72)発明者 奥村 勝弥 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 長谷川 功宏 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 山崎 裕一郎 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝堀川町工場内 (72)発明者 森 重哉 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝堀川町工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス室内とプロセス室外とにわたっ
    て配設される回転軸のまわりの軸方向の環境変化を維持
    する磁性流体軸封装置であって、 プロセス室に面していて回転軸に対して隙間を置いて配
    置された主ポールピースと、主ポールピースと回転軸と
    の間に磁路を形成する磁石と、その磁路に沿って主ポー
    ルピースと回転軸との間に形成される磁性流体膜と、回
    転軸の外周面に接触する接触シール部材とを有する磁性
    流体軸封装置において、 接触シール部材は、主ポールピースと回転軸との間に配
    設されていて、それらの両方に接触することを特徴とす
    る磁性流体軸封装置。
  2. 【請求項2】 主ポールピースのうち回転軸に対向する
    内周面に凹部が設けられており、その凹部内に接触シー
    ル部材が収納されることを特徴とする請求項1記載の磁
    性流体軸封装置。
  3. 【請求項3】 接触シール部材が、フッ素樹脂によって
    形成されたリング部材を有することを特徴とする請求項
    1記載の磁性流体軸封装置。
  4. 【請求項4】 接触シール部材が、可撓性部材と、その
    可撓性部材を回転軸表面に押し付けるバネとによって構
    成されることを特徴とする請求項1記載の磁性流体軸封
    装置。
  5. 【請求項5】 接触シール部材が、断面V字形状のリン
    グ部材であって、そのV字形状断面のうちの2カ所の開
    放側端部が回転軸に接触することを特徴とする請求項1
    記載の磁性流体軸封装置。
  6. 【請求項6】 接触シール部材が、断面V字形状のリン
    グ部材であって、そのV字形状断面のうちの1カ所の閉
    塞側頂部が回転軸に接触することを特徴とする請求項1
    記載の磁性流体軸封装置。
  7. 【請求項7】 磁性流体膜と接触シール部材とが、両者
    間に空間が形成されないように互いに密着することを特
    徴とする請求項1記載の磁性流体軸封装置。
  8. 【請求項8】 接触シール部材が、回転軸の外周部分に
    埋め込まれることを特徴とする請求項1記載の磁性流体
    軸封装置。
  9. 【請求項9】 主ポールピース及び回転軸の両方に接触
    シール部材を設け、それらの接触シール部材を互いに接
    触させることを特徴とする請求項1記載の磁性流体軸封
    装置。
  10. 【請求項10】 プロセス室内とプロセス室外とにわた
    って配設される回転軸のまわりの軸方向の環境変化を維
    持する磁性流体軸封装置であって、プロセス室に面して
    いて回転軸に対して隙間を置いて配置された主ポールピ
    ースと、主ポールピースと回転軸との間に磁路を形成す
    る磁石と、その磁路に沿って主ポールピースと回転軸と
    の間に形成される磁性流体膜と、回転軸の外周面に接触
    する接触シール部材とを有する磁性流体軸封装置におい
    て、 接触シール部材を含むシールユニットが主ポールピース
    に対して着脱自在であって、シールユニットを主ポール
    ピースに対して位置不動に固定するシールユニット固定
    手段を設けたことを特徴とする磁性流体軸封装置。
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