JPWO2011027866A6 - 基板の製造方法およびそれに用いられる組成物 - Google Patents

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Abstract

反りやねじりの発生をより有効に回避でき、低コストで簡便な基板の製造方法およびその製造方法に用いられる組成物を提供する。 (a) 支持体に、複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、塗膜を形成する工程と、(b) 前記塗膜を複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜複素環含有重合体のガラス転移温度より20℃高い温度で加熱し、複素環含有重合体の前駆体を環化する環化工程と、(c)前記環化工程により得られた膜上に素子を形成する工程と、(d) 前記素子が形成された膜を支持体から剥離する工程とを含み、前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾールおよびポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種のガラス転移温度が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする基板の製造方法。

Description

本発明は、基板の製造方法およびそれに用いられる組成物に関する。
一般に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンから得られる全芳香族ポリイミドは、分子の剛直性や、分子が共鳴安定化していること、強い化学結合を有すること等に起因して、優れた耐熱性、機械的特性、電気特性、耐酸化・加水分解性を有しており、電気、電池、自動車および航空宇宙産業などの分野において、フィルム、コーティング剤、成型部品、絶縁材料として幅広く使用されている。
例えば、ピロメリット酸二無水物と4,4’−オキシジアニリンを重縮合させることで得られるポリイミドは、耐熱性及び電気絶縁性に優れ、寸法安定性が高く、フレキシブルプリント基板などに利用される。具体的には、ポリイミドフィルムはピロメリット酸二無水物と4,4’−オキシジアニリンを反応させて得られるポリアミック酸溶液から脱溶媒、熱イミド化工程を経ることで作製される。通常、ポリイミドフィルムは、ステンレスベルト等の比較的剛直な基材上で成膜されることが一般的である。
また、ピロメリット酸二無水物、4、4'−オキシジアニリン及びp−フェニレンジアミンから合成されたポリイミドは熱的寸法安定性に優れることが開示されている(特許文献1および特許文献2)。
さらに、寸法安定性を向上させたポリイミドフィルムとして、4、4'−オキシジフタル酸二無水物とピロメリット酸二無水物を必須成分とするテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンと4、4'−オキシジアニリンとを含む芳香族ジアミンから得られたポリイミドフィルムが知られている(特許文献3)。
特開平1−131241号公報 特開平1−131242号公報 特開2009−518500号公報
しかしながら、上記従来のポリイミド形成組成物を用いて得られたフィルムは、支持体上で成膜を行うと、成膜時の収縮変形に伴い、基板もしくはフィルム自身に反りが生じる問題が指摘されている。
本発明の目的は、反りやねじりの発生をより有効に回避でき、低コストで簡便な基板の製造方法およびその製造方法に用いられる組成物を提供するところにある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、特定の複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を支持体上に塗布して乾燥することにより塗膜を形成する工程と、該支持体上で特定の温度で前記重合体の前駆体を環化する環化工程と、前記環化工程により得られた膜上に素子を形成する工程と、前記素子が形成された膜を支持体から剥離する工程と、を含む基板の製造方法によれば、反りやねじりの発生が低減された基板を得ることができることを見出し、さらに支持体との密着性と剥離性とを両立可能な組成物および製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1] (a) 支持体に、複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、塗膜を形成する工程と、
(b) 前記塗膜を複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜複素環含有重合体のガラス転移温度より20℃高い温度で加熱し、複素環含有重合体の前駆体を環化する環化工程と、
(c) 前記環化工程により得られた膜上に素子を形成する工程と、
(d) 前記素子が形成された膜を支持体から剥離する工程と、
を含み、
前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾールおよびポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする基板の製造方法。
[2]
前記環化工程(b)を、前記複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜前記複素環含有重合体のガラス転移温度で行う、[1]に記載の基板の製造方法。
[3] 前記環化工程(b)を、160℃〜420℃で行う、[1]または[2]に記載の基板の製造方法。
[4] 前記支持体が、シリコンウエハもしくは無アルカリガラスである、[1]〜[3]のいずれかに記載の基板の製造方法。
[5] 前記複素環含有重合体がポリイミドである、[1]〜[4]のいずれかに記載の基板の製造方法。
[6] 前記有機溶媒が、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドの中から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のフレキシブル基板の製造方法。
[7] 前記膜形成用組成物の粘度(E型粘度計、25℃測定)が5,000〜50,000cPである、[1]〜[6]のいずれかに記載の基板の製造方法。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の基板の製造方法に用いられる膜形成用組成物であって、
複素環含有重合体の前駆体および有機溶媒を含有し、
前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする膜形成用組成物。
本発明の基板の製造方法によれば、反りやねじりの発生が少ない基板を容易に製造することができる。
また、本発明の膜形成用組成物は、特定のガラス転移温度(Tg)を有するポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール等の重合体の前駆体と有機溶媒とを含む組成物からなるため、基板を製造する際に反りやねじりの発生をより有効に回避することができる。
本発明によれば支持体との密着性と剥離性を両立可能な基板(膜)を容易に製造することができる。
なお、本発明において、「密着性」とは、例えば、工程(b)や工程(c)において、支持体上に形成される膜および基板と支持体とが剥離しにくい性質をいう。
本発明において、「剥離性」とは、例えば、工程(d)において剥離痕が少なく支持体上から基板を剥離できる性質をいう。
本発明の基板の製造方法は、(a)支持体に、複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、塗膜を形成する工程と、
(b)前記塗膜を複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜複素環含有重合体のガラス転移温度より20℃高い温度で加熱し、複素環含有重合体の前駆体を環化する環化工程と、
(c)前記環化工程により得られた膜上に素子を形成する工程と、
(d)前記素子が形成された膜を支持体から剥離する工程と、
を含み、
前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾールおよびポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする。
[工程(a)]
まず、支持体上に、複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、塗膜を形成する工程について説明する。
まず、本工程に用いられる膜形成用組成物は、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾールから選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体となりうる前駆体と有機溶媒とを含むものである。該前駆体および有機溶媒はそれぞれ1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
なお、前記膜形成用組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などの添加剤を配合してもよい。
まず、複素環含有重合体および複素環含有重合体の前駆体について説明する。
前記複素環含有重合体の前駆体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が好ましくは25,000〜500,000であり、より好ましくは50,000〜400,000である。複素環含有重合体の前駆体の重量平均分子量が前記範囲にあると、有機溶媒との相溶性に優れ、塗工性に優れる膜形成用組成物を得ることができる。
前記複素環含有重合体としては、好ましくは、カルボキシル基、酸クロリド基、エステル基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、メルカプト基等の官能基を4つ有する化合物を含む成分(A)と、これらの官能基を2つ有する化合物を含む成分(B)と、を反応させることで得られる複素環含有重合体を挙げることができる。なお、前記(A)成分は、酸無水物基を2つ有する化合物を含む。
<ポリイミド>
前記複素環含有重合体がポリイミドである場合、該ポリイミドの示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)は230〜420℃であり、好ましくは240〜400℃であり、より好ましくは250〜380℃である。
示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃であるポリイミドを形成し得る前駆体としては、例えば、前記成分(A)として、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドなどと、前記(B)成分として、ジアミン、ジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンなどと、を反応させて得られたポリアミック酸を挙げることができる。
ポリイミド前駆体として、具体的には、前記成分(A)として、(A1)(A−1)4,4’−オキシジフタル酸二無水物およびこれらの反応性誘導体より選ばれる少なくとも1種のアシル化合物(以下「化合物(A−1)」ともいう。)、および(A−2)ピロメリット酸二無水物およびこれらの反応性誘導体より選ばれる少なくとも1種のアシル化合物(以下「化合物(A−2)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分と、前記成分(B)として、下記一般式(1)で表わされる芳香族イミノ形成化合物を含む成分(B1)と、を反応させて得られたポリアミック酸を挙げることができる。
[(A1)成分]
前記(A1)成分は、4,4’−オキシジフタル酸二無水物およびこれらの反応性誘導体より選ばれる少なくとも1種のアシル化合物(A−1)、ピロメリット酸二無水物およびこれらの反応性誘導体より選ばれる少なくとも1種のアシル化合物(A−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分である。
このような酸二無水物を用いることにより、密着性と剥離性のバランス、および反りのない平滑性に優れたフレキシブル基板を得ることができる。
特に、(A1)成分が前記化合物(A−1)および(A−2)を含むと、該(A1)成分と前記(B1)成分とを反応させることで、ガラス転移温度が、環化温度(約250℃)に近い重合体(ポリイミド)を容易に得ることができるため、支持体、特にシリコンウエハや無アルカリガラス等の支持体との密着性および剥離性に優れ、反りやねじりの発生の少ない膜および基板を製造することができる。
(A1)成分が前記化合物(A−1)および(A−2)を含む場合、化合物(A−1)と化合物(A−2)の配合量比(化合物(A−1):化合物(A−2)、(モル比))は、好ましくは10:90〜90:10であり、さらに好ましくは20:80〜50:50である(但し両者の合計は、100モルである)。
化合物(A−1)と化合物(A−2)の配合量比が前記範囲にあることで、より容易に支持体との密着性および剥離性に優れ、反りやねじりの発生の少ない膜および基板を製造することができる。
上記4,4’−オキシジフタル酸二無水物の反応性誘導体としては、4,4’−オキシジフタル酸アルキルエステルなどを挙げることができ、具体的には、4,4’−オキシジフタル酸モノメチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸ジメチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸トリメチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸テトラメチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸モノエチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸ジエチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸トリエチルエステル、4,4’−オキシジフタル酸テトラエチルエステル等が挙げられる。
上記ピロメリット酸二無水物の反応性誘導体としては、ピロメリット酸アルキルエステルなどを挙げることができ、具体的には、ピロメリット酸モノメチルエステル、ピロメリット酸ジメチルエステル、ピロメリット酸トリメチルエステル、ピロメリット酸テトラメチルエステル、ピロメリット酸モノエチルエステル、ピロメリット酸ジエチルエステル、ピロメリット酸トリエチルエステル、ピロメリット酸テトラエチルエステル等が挙げられる。
また4,4’−オキシジフタル酸やピロメリット酸の無置換フェニルエステルもしくはパラ置換フェニルエステルなども挙げられる。
その他の反応性誘導体としては、4,4’−オキシジフタル酸テトラクロライド、4,4’−オキシジフタル酸ジクロライドジエステル、ピロメリット酸テトラクロライド、ピロメリット酸ジクロライドジエステル(該エステルとしては上記と同様のアルキルエステル、無置換フェニルエステルもしくはパラ置換フェニルエステル等が挙げられる)などの酸クロライドが挙げられる。
(A1)成分としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物が好ましく用いられる。無水物である4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物を(A1)成分として用いると、無水物ではない化合物を用いる場合に比して、低温でポリアミック酸を合成することができる。
なお、これら(A1)成分は、1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
4,4’−オキシジフタル酸二無水物およびその反応性誘導体から選ばれる少なくとも1種のアシル化化合物(A−1)の使用量は、反りのない平滑性に優れる基板を得る観点からアシル化合物の全量((A1)成分全量)に対して10〜50モル%であることが好ましく、15〜45モル%であることがより好ましい。
また、ピロメリット酸二無水物およびその反応性誘導体から選ばれる少なくとも1種のアシル化化合物(A−2)の使用量は、耐熱性、剥離性の観点からアシル化合物の全量に対して50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましい。
また、アシル化合物としては、上記4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、およびこれらの反応性誘導体以外にその他のアシル化合物をさらに用いることもできる。その他のアシル化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物(但し、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、およびこれらの反応性誘導体を除く)、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環族テトラカルボン酸二無水物、およびこれらの反応性誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
具体例としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環族テトラカルボン酸二無水物、及びこれらの反応性誘導体;
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、及びこれらの反応性誘導体を挙げることができる。
これらのうち、優れた透明性、有機溶媒への良好な溶解性の観点からは、脂肪族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環族テトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。また、低線膨張係数(寸法安定性)、低吸水性の観点からは、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。
[(B1)成分]
(B1)成分は、下記式(1)で表される芳香族イミノ形成化合物である。
Figure 2011027866
(式(1)中、Xはそれぞれ独立して−NH2または−N=C=O、−NHSi(R25)(R26)(R27)であり、Yはそれぞれ独立して直接結合(単結合)、−CH2−、−O−、−S−、−C(CH32−から選ばれる1つの基であり、Zは直接結合、−CH2−、−O−、−S−、−C(CH32−、>C=O、−SO2−から選ばれる1つの基であり、R1〜R16は、各々独立して、水素、炭素数1〜12の炭化水素基、ハロゲンから選ばれる基であり、R25〜R27は、各々独立して、炭素数1〜15のアルキル基である。)
炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素(アルキル)基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の芳香族炭化水素(アリール)基等が挙げられる。
前記炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の炭化水素基がより好ましい。
前記直鎖または分岐鎖の炭化水素基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびn−ヘプチル基等が挙げられる。
前記炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3または4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基の好適な具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
前記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
25〜R27で表わされる炭素数1〜15のアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖または分岐鎖のアルキル基が挙げられ、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基がさらに好ましい。
前記直鎖または分岐鎖のアルキル基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびn−ヘプチル基等が挙げられる。
このような特定の式で表される、芳香族イミノ形成化合物を用いることにより、反りの少ない膜(フィルム)を得ることができる。ここで、「イミノ形成化合物」とは、(A)成分と反応してイミノ(基)を形成するための化合物をいう。
上記芳香族イミノ形成化合物としては、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等が挙げられる。これらのうち、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが好ましく用いられる。
なお、成分(B1)としては、上記式(1)において、X、Y、及びZで表される結合基がそれぞれベンゼン環のパラ位で結合してなる芳香族イミノ形成化合物、すなわち、下記式(2)で表される芳香族イミノ形成化合物が好適である。このような化合物を用いることにより、より耐熱性に優れ、反りの少ない膜(フィルム)を得ることができる。上述の芳香族イミノ形成化合物のうち、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンがより好ましく用いられる。
Figure 2011027866
(式(2)中、R1〜R16、X、Y、及びZは、上記式(1)中と同様である。)
なお、これらイミノ形成化合物(B1)は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ポリイミド前駆体は、−CO−NH−、及び、−CO−OHを含む構造を有する化合物、または、その誘導体(具体的には、例えば、−CO−NH−、及び、−CO−OR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造を有するもの)等であり、加熱等によって、−CO−NH−のHと、−CO−OHのOHとが脱水して、環状の化学構造(−CO−N−CO−(以下、イミド環構造ともいう。))を有するポリイミドとなる(以下、−CO−NH−、及び、−CO−OHを含む構造または−CO−NH−、及び、−CO−OR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造等をアミック酸構造ともいう。)。
<ポリベンゾオキサゾール>
前記複素環含有重合体がポリベンゾオキサゾールである場合、該ポリベンゾオキサゾールの示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)は230〜420℃であり、好ましくは240〜400℃であり、より好ましくは250〜380℃である。
示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃であるポリベンゾオキサゾールを形成し得る前駆体は、例えば、前記成分(A)としてビスアミノヒドロキシ化合物(A2)と、前記成分(B)として、ジカルボン酸、ジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸エステルなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分(B2)と、を反応させて得ることができる。一般にはビスアミノヒドロキシ化合物とジカルボン酸とを反応さることでポリベンゾオキサゾール前駆体の1つであるポリヒドロキシアミドを得ることができ、これを加熱等により脱水環化することでポリベンゾオキサゾールを得ることができる。
[(A2)成分]
ビスアミノヒドロキシ化合物(A2)としては、具体的には、2,2’-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,4−ジアミノレゾルシノール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−パーフルオロシクロヘキシル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、1−ペンタフルオロエチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレンン、1−パーフルオロシクロヘキシル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシジフルオロナフタレン、1,4,5,8−テトラ(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ベンゼンジオール、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ジフルオロメタン等の芳香族ビスアミノヒドロキシ化合物が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上で用いることができる。
[(B2)成分]
前記(B2)成分としては、o−フタル酸、テレフタル酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルスルフォン、2,2′−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、5,5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、1,10−ビス(4−カルボキシフェノキシ)デカン、エチレングリコールビス(4−カルボキシフェニル)エーテル、およびこれらの化合物のクロロ化物、エステル化物などが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上で用いることができる。
なお、ポリベンゾオキサゾール前駆体は、−CO−NH−、及び、−OHを含む構造を有する化合物、または、その誘導体(具体的には、例えば、−CO−NH−、及び、−OR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造を有するもの)等であり、加熱等によって、脱水して、環状の化学構造(−O−C=N−(以下、オキサゾール環構造ともいう。))を有するポリベンゾオキサゾールとなる(以下、−CO−NH−、及び、−OHを含む構造または−CO−NH−、及び、−OR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造等をヒドロキシアミド構造ともいう。)。
<ポリベンゾチアゾール>
前記複素環含有重合体がポリベンゾチアゾールである場合、該ポリベンゾチアゾールの示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)は230〜420℃であり、好ましくは240〜400℃であり、より好ましくは250〜380℃である。
示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃であるポリベンゾチアゾールを形成し得る前駆体は、例えば、前記成分(A)としてビスメルカプトアミノ化合物(A3)と、前記成分(B)として、ジカルボン酸、ジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸活性エステルなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分(B3)と、を反応させて得ることができる。一般にはビスメルカプトアミノ化合物とジカルボン酸とを反応さることでポリベンゾチアゾール前駆体の1つであるポリメルカプトアミドを得ることができ、これを加熱等により脱水環化することでポリベンゾチアゾールを得ることができる。
[(A3)成分]
ビスメルカプトアミノ化合物(A3)としては、具体的には、2,2’-ビス(3-アミノ-4-メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(3-アミノ-4-メルカプト5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3−メルカプトフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプトジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプトジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプトビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプトジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプトジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプト2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト2,2’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプト5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプト6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメルカプト6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプト5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメルカプト6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジメルカプト5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジメルカプト5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジメルカプト6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジメルカプト6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4,6−ジメルカプトジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−3,6−ジメルカプトジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジメルカプトジフルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−3,6−ジメルカプトジフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジメルカプトベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジメルカプトフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトフルオロベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトベンゼン、1−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトベンゼン、1−パーフルオロシクロヘキシル−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトベンゼン、2,7−ジアミノ−3,6−ジメルカプトテトラフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジメルカプトテトラフルオロナフタレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメルカプトテトラフルオロナフタレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジメルカプトテトラフルオロナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジメルカプトナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジメルカプトナフタレン、1−ペンタフルオロエチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジメルカプトナフタレンン、1−パーフルオロシクロヘキシル−3,6−ジアミノ−2,7−ジメルカプトナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジメルカプトジフルオロナフタレン、1,4,5,8−テトラ(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジメルカプトナフタレン、1,4−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)テトラフルオロベンゼン、2,4−ジアミノ−1,5−ベンゼンジオール、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ケトン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)エーテル、ビス(3−メルカプト4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−メルカプト4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ジフルオロメタン等の芳香族ビスアミノメルカプト化合物が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上で用いることができる。
[(B3)成分]
前記(B3)成分としては、前記(B2)で挙げた化合物と同様の化合物を挙げることができる。なお、これら(B3)成分は、1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
なお、ポリベンゾチアゾール前駆体は、−CO−NH−、及び、−SHを含む構造を有する化合物、または、その誘導体(具体的には、例えば、−CO−NH−、及び、−SR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造を有するもの)等であり、加熱等によって、脱水して、環状の化学構造(−S−C=N−(以下、チアゾール環構造ともいう。))を有するポリベンゾチアゾールとなる(以下、−CO−NH−、及び、−SHを含む構造または−CO−NH−、及び、−SR(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造等をメルカプトアミド構造ともいう。)。
<ポリベンゾイミダゾール>
重合体がポリベンゾイミダゾールである場合、該ポリベンゾイミダゾールの示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)は230〜420℃であり、好ましくは240〜400℃であり、より好ましくは250〜380℃である。
示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃であるポリベンゾイミダゾールとなりうる前駆体は、例えば、前記成分(A)として、テトラアミン(A4)と、前記成分(B)として、ジカルボン酸、ジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸エステルなどからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む成分(B4)とを反応させて得ることができる。一般には芳香族テトラアミン化合物とジカルボン酸とを反応させることでポリベンゾイミダゾール前駆体の1つであるポリアミノアミドを得ることができ、これを加熱等により脱水環化することでポリベンゾイミダゾールを得ることができる。
[(A4)成分]
テトラアミン(A4)としては、具体的には、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、1,2,5,6−テトラアミノナフタレン、2,3,6,7−テトラアミノナフタレン、3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニルメタン、3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニルエタン、3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニ−ル、3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニルチオエーテル及び3,3′,4,4′−テトラアミノジフエニルスルフオン等の芳香族テトラアミンを挙げることができる。なお、これら(A4)成分は、1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
[(B4)成分]
前記(B4)としては、前記(B2)で挙げた化合物と同様の化合物を挙げることができる。なお、これら(B4)成分は、1種単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
なお、ポリベンゾイミダゾール前駆体は、−CO−NH−、及び、−NH2を含む構造を有する化合物、または、その誘導体(具体的には、例えば、−CO−NH−、及び、−NR2(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造を有するもの)等であり、加熱等によって、脱水して、環状の化学構造(−NH−C=N−(以下、イミダゾール環構造ともいう。))を有するポリベンゾイミダゾールとなる(以下、−CO−NH−、及び、−NH2を含む構造または−CO−NH−、及び、−NR2(ただし、Rはアルキル基等である。)を含む構造等をアミノアミド構造ともいう。)。
[膜形成用組成物]
前記複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物は、それぞれ(A)成分((A1)〜(A4)成分)と(B)成分((B1)〜(B4)成分)とを有機溶媒中で反応させることにより得ることができる。(A)成分と(B)成分とを反応させる際の具体的な方法としては、少なくとも1種の(B)成分を有機溶媒に溶解した後、得られた溶液に、少なくとも1種の(A)成分を添加し、0〜100℃の温度で、1〜60時間撹拌する方法等が挙げられる。
上記有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチル尿素等の非プロトン系極性溶媒;クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒;等が挙げられる。中でも、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。また、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドから選ばれる少なくとも一種の有機溶媒を、用いる有機溶媒全量(100重量%)に対して50重量%以上、好ましくは70〜100重量%含むことが好ましい。
これらの溶媒は一種単独で、あるいは2種以上混合して使用することができる。
なお、反応液中の(A)成分と(B)成分との合計量は、反応液全量の5〜30質量%であることが好ましい。
(A)成分と(B)成分とは、(A)成分と(B)成分とのモル比((A)成分/(B)成分)が0.8〜1.2となるように反応させることが好ましく、0.95〜1.0となるように反応させることがより好ましい。(A)成分と(B)成分とのモル比が、0.8当量未満、若しくは1.2当量を超えると、分子量が低くなり膜(フィルム)を形成することが困難なことがある。
また、得られた複素環含有前駆体と有機溶媒とを含む組成物は、そのまま前記膜形成用組成物として使用することもできるが、前記膜形成用組成物は、得られた複素環含有前駆体を固体分として単離した後、有機溶媒に再溶解することで得ることもできる。なお、再溶解する有機溶媒としては、上記有機溶媒と同様の化合物が挙げられる。複素環含有重合体の前駆体等を単離する方法としては、複素環含有重合体の前駆体および有機溶媒等を含む溶液を、メタノールやイソプロパノール等の、複素環含有重合体の前駆体に対する貧溶媒に投じて重合体前駆体等を沈殿させ、濾過・洗浄・乾燥等により各重合体前駆体を固体分として分離する方法等が挙げられる。
前記膜形成用組成物の粘度(E型粘度計、25℃測定)は、5,000〜50,000cPであることが好ましく、7,500〜30,000cPであることがより好ましい。前記膜形成用組成物の粘度が前記範囲にあると、塗工性に優れる組成物を得ることができる。
なお、工程(a)において塗膜を形成した後、工程(b)の前に用いる前駆体を部分的にイミド化等の部分環化することも可能である。
工程(b)の前に部分環化を行うことで、より耐熱性に優れる基板を得ることができる。
この方法としては、脱水剤を用いる方法(化学イミド化などの化学的部分環化)等が挙げられ、より低温での加熱によって部分環化を行うことができることなどから、化学イミド化などの化学的部分環化が好ましい。
化学イミド化などの化学的部分環化に用いることができる脱水剤としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、もしくはこれらの化合物に対応する酸クロライド類、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等が挙げられる。なお、化学的部分環化の際には、部分的に環化する程度の温度、具体的には60〜120℃の温度で加熱することが好ましい。
また、部分イミド化などの部分環化の際には、必要に応じて、ピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール等の塩基触媒を用いることができる。上記脱水剤又は塩基触媒は、(A)成分1モルに対し、それぞれ0.1〜8モルの範囲で用いることが好ましい。
なお、部分イミド化などの部分環化を行う場合には、前記複素環含有重合体の前駆体中のアミック酸構造、ヒドロキシアミド構造、メルカプトアミド構造、およびアミノアミド構造等の前駆体構造100モル%の少なくとも一部、好ましくは5〜70モル%、より好ましくは10〜60モル%、特に好ましくは20〜50モル%を部分イミド化などの部分環化するように行われる。
また、膜形成用組成物を塗布する対象である支持体しては、シリコンウエハ、無アルカリガラスなどが挙げられる。無アルカリガラスとは、カリウムやナトリウムなどのアルカリ成分を含まないガラスのことである。
このような支持体は、加熱条件下で高寸法安定性を有するため、工程(a)や工程(b)において、熱が印加されても、寸法変化が少ない。このため、該支持体上に設けられる膜(フィルム)も寸法変化が少なくなり、素子を所望の位置に容易に形成することができる。
また、このような支持体を用いることで、該支持体を取り除いた後の基板の反りやねじりを防ぐことができる。このため、このような支持体上で膜を形成し、さらに素子を形成することが好ましい。
膜形成用組成物を支持体上に塗布する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法、ドクターブレードを用いる方法等を使用することができる。
また、上記塗布物を乾燥する工程は、具体的には上記塗布物を加熱することにより行うことができる。塗膜を加熱することにより、該塗膜中の有機溶媒を蒸発させて除去することができる。上記加熱の条件は、有機溶媒が蒸発すればよく特に限定されないが、例えば60〜250℃で1〜5時間である。なお、加熱は二段階で行ってもよい。例えば、100℃で30分加熱した後、150℃で1時間加熱するなどである。また、必要に応じて、窒素雰囲気下、もしくは減圧下にて乾燥を行ってもよい。
塗膜の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜250μmであり、好ましくは2〜150μmであり、より好ましくは5〜125μmである。
[工程(b)]
次いで、工程(a)で得られた塗膜を前記複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜前記複素環含有重合体のガラス転移温度のより20℃高い温度、好ましくはガラス転移温度より60℃低い温度〜前記複素環含有重合体のガラス転移温度、好ましくは160〜420℃で加熱し、前記複素環含有重合体を環化する。なお、工程(b)における加熱は、前記工程(a)における乾燥(有機溶媒を蒸発させる)を加熱により行う際の温度よりも高い温度であることが望ましい。
さらに、環化工程(b)を前記複素環含有重合体のガラス転移温度(Tg)付近(±10℃)で行うことが、得られる膜や基板は、支持体との密着性および剥離性の点で好ましい。
本発明において、前記複素環含有重合体の前駆体として、2種以上の前駆体を用いる場合には、工程(b)における加熱温度は、それらの前駆体から得られる重合体のガラス転移温度の中で最も低い温度を基準として決める。
なお、前記複素環含有重合体の前駆体がポリイミド前駆体の場合にはポリイミド系膜、前記複素環含有重合体の前駆体がポリベンゾオキサゾール前駆体の場合には、ポリベンゾオキサゾール系膜、前記複素環含有重合体の前駆体がポリベンゾチアゾール前駆体の場合にはポリベンゾチアゾール系膜、前記複素環含有重合体の前駆体がポリベンゾイミダゾール前駆体の場合にはポリベンゾイミダゾール系膜を得る。
また、前記複素環含有重合体の前駆体がポリアミック酸の場合には、具体的には、得られた塗膜を、例えば160℃〜420℃で熱処理することにより脱水環化(イミド化)する(熱イミド化)。熱イミド化の温度としては、剥離性の観点から160〜350℃であることが好ましく、200〜350℃であることが好ましく、230〜270℃であることが好ましく、240〜250℃であることがより好ましい。さらに、熱イミド化の温度としては、剥離性の観点から、用いる前駆体のガラス転移温度以下であることが特に好ましい。
なお、イミド化は、アミック酸構造およびイミド環構造の合計100モル%中、イミド環構造の割合(以下、閉環率ともいう。)が好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上となるように行われる。イミド環構造の割合が75モル%未満であると、得られるポリイミド系膜や基板の吸水率が高くなることや、耐久性が低下することがある。
また、ポリイミドのイミド基濃度は、イミド化率が100モル%であると仮定した場合に、2.5〜3.7mmol/gであることが好ましく、3.0〜3.7mmol/gであることがより好ましく、3.0〜3.5mmol/gであることがさらに好ましい。
また、複素環含有重合体の前駆体がポリベンゾオキサゾール前駆体の場合には、具体的には、得られた塗膜を、例えば160℃〜420℃で熱処理することにより脱水環化する。環化の温度としては、剥離性の観点から160℃〜350℃であることが好ましく、200℃〜340℃であることが好ましく、230℃〜330℃であることがより好ましい。さらに、環化の温度としては、剥離性の観点から、用いるポリベンゾオキサゾール前駆体のガラス転移温度以下であることが特に好ましい。
ポリベンゾオキサゾール前駆体の環化は、ヒドロキシアミド構造およびオキサゾール環構造の合計100モル%中、オキサゾール環構造の割合(以下、閉環率ともいう。)が好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上となるように行われる。オキサゾール環構造の割合が75モル%未満であると、得られるポリベンゾオキサゾール系膜や基板の吸水率が高くなることや、耐久性が低下することがある。
また、重合体の前駆体がポリベンゾチアゾール前駆体の場合には、具体的には、得られた塗膜を、例えば160℃〜420℃で熱処理することにより脱水環化する。環化の温度としては、剥離性の観点から160℃〜350℃であることが好ましく、200℃〜340℃であることが好ましく、230℃〜330℃であることがより好ましい。さらに、環化の温度としては、剥離性の観点から、ポリベンゾチアゾール前駆体のガラス転移温度以下であることが特に好ましい。
ポリベンゾチアゾール前駆体の環化は、メルカプトアミド構造およびチアゾール環構造の合計100モル%中、チアゾール環構造の割合(以下、閉環率ともいう。)が100モル%中、チアゾール環構造の割合が、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上となるように行われる。チアゾール環構造の割合が75モル%未満であると、得られるポリベンゾチアゾール系膜や基板の吸水率が高くなることや、耐久性が低下することがある。
また、重合体の前駆体がポリベンゾイミダゾール前駆体の場合には、具体的には、得られた塗膜を、例えば160℃〜420℃で熱処理することにより脱水環化する。環化の温度としては、剥離性の観点から160℃〜350℃であることが好ましく、200℃〜340℃であることが好ましく、230℃〜330℃であることがより好ましい。さらに、環化の温度としては、剥離性の観点から、ポリベンゾイミダゾール前駆体のガラス転移温度以下であることが特に好ましい。
ポリベンゾイミダゾール前駆体の環化は、アミノアミド構造およびイミダゾール環構造の合計100モル%中、イミダゾール環構造の割合(以下、閉環率ともいう。)が、イミダゾール環構造の割合が、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上となるように行われる。イミダゾール環構造の割合が75モル%未満であると、得られるポリベンゾイミダゾール系膜や基板の吸水率が高くなることや、耐久性が低下することがある。
また、本発明においては、ポリイミド系膜等の膜(フィルム)の厚みが好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜150μm、特に好ましくは10〜125μmである。
[工程(c)]
続いて、前記工程(b)により得られた膜(フィルム)上に、素子を形成することで基板を製造する。形成する素子としては、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、薄膜トランジスタ(TFT)素子等の発光素子、金属配線、半導体集積回路等のモジュール挙げられる。
前記工程(b)により得られた膜(フィルム)上に有機EL素子、TFT素子等の発光素子等を形成した場合には、フレキシブルディスプレイ基板などとして用いることができ、また、金属配線、半導体集積回路等のモジュールを形成した場合には、フレキシブル配線用基板などとして用いることができる。
TFT素子を形成する方法としては、具体的には、前記膜上にスパッタ法等で金属や金属酸化物などの膜を形成した後にエッチングするなどして、ゲート電極を設ける。スパッタ法等で金属や金属酸化物などの膜を形成する際の温度は、用いる前駆体や形成する素子に応じて適宜選択すればよいが、210℃〜400℃であることが好ましく、220〜370℃であうことがより好ましく、230〜350℃であることが好ましい。次に、ゲート電極を設けた膜上にプラズマCVD法等で窒化珪素膜等のゲート絶縁膜を形成する。さらに、ゲート絶縁膜上にプラズマCVD法などにより有機半導体などからなる活性層を形成する。プラズマCVD法等でゲート絶縁膜や有機半導体などの膜を形成する際の温度は、用いる前駆体や形成する素子に応じて適宜選択すればよいが、210℃〜400℃であることが好ましく、220〜370℃であうことがより好ましく、230〜350℃であることが好ましい。次に活性層の上にスパッタ法などで金属や金属酸化物などの膜を形成した後にエッチングするなどして、ソース電極およびドレイン電極を設ける。最後に必要に応じてプラズマCVD法等で窒化珪素膜等を形成し、保護膜とすることにより、薄膜トランジスタ素子を製造することができる。
以上では、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ素子を説明したが、本発明の薄膜トランジスタ素子はこの構造に限定されず、トップゲート型であってもよい。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極は、導電性材料で形成されれば特に制限されないが、金属や金属酸化物などを挙げることができる。
金属の例としては、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金が挙げられ、金属酸化物の例としては、ITO、IZO、ZnOおよびIn23が挙げられる。このほかにも、膜との接着性を考慮して、前記導電性材料として、導電性ポリマーを用いてもよい。
これらの中でも金属酸化物を用いると、透明電極を形成することができるため、好ましい。
また、有機EL素子を形成する方法としては、例えば、前記膜上に、膜面側から順に、絶縁層、第1の電極、有機半導体層、第2の電極および保護層を形成する方法が挙げられる。
さらに、金属配線を形成する方法としては、例えば、ラミネート法、メタライジング法等により膜上に銅層を設け、該銅層を公知の方法で処理することで金属配線を設けることができる。ラミネート法の場合には、たとえば、前記フィルム上に銅箔等の金属箔を、ロールプレス機等を用いて熱プレスすることで、銅層を設けることができる。メタライジング法の場合には、例えば、蒸着法またはスパッタリング法によって、前記膜と結合するNi系の金属からなるシード層を形成する。そして、湿式めっき法により所定の膜厚の銅層を設けることができる。なお、メタライジング法を用いる場合には、金属との親和性を発現させるために予め前記膜の表面改質を行っておくことも可能である。
前記膜(フィルム)は、耐熱性に優れ、支持体との密着性に優れるため、膜(フィルム)上に素子を形成する際の印加可能温度範囲が広く、性能に優れる基板を得ることができる。
[工程(d)]
次に、前記工程(c)で得られた基板を前記支持体から剥離する。前記工程(c)で得られた基板は剥離性に優れるため、容易に基板を支持体から全面剥離することができる。
剥離の方法としては、基板の端部に予めマスキングテープを貼り付け、上記工程(a)から(c)を実施した後、マスキングテープをはがすことを起点として基板を剥離する方法や、支持体の端部に切り込みを入れて起点を作り剥離する方法、水やアルコールなどの溶剤に浸漬して剥離する方法、等が挙げられる。剥離する際の温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは10〜70℃であり、より好ましくは20〜50℃である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(1)ガラス転移温度(Tg)
下記実施例または比較例で得られたフィルムを用いて各複素環含有重合体のガラス転移温度を、Rigaku社製8230型DSC測定装置を用いて、昇温速度を20℃/minとして測定した。
(2)粘度
下記実施例または比較例で得られたポリアミック酸溶液(組成物)を東機産業株式会社製RE−100型粘度測定装置を用いて、25℃で測定した。
(3)厚膜塗工性
スピンコーターでの塗工時に塗工不良のないものを[○]、面荒れや全面塗工できないものを[×]とした。
(4)剥離性
環化工程(250℃乾燥終了後)に、支持体から全面剥離可能なものを[◎]、全面剥離可能で一部剥離痕が残るものを[○]、一部剥離付加又は全面剥離不可を[×]とした。
(5)自己支持性
環化工程(250℃乾燥終了後)に、フィルムに割れ等がなく自己支持性のあるものを[○]それ以外を[×]とした。
(6)フィルム反り
支持体から剥離したフィルムを40×40mmに切り出し、反りが1.0mm未満のものを[◎]、反りが1.0mm以上2.0mm未満のものを[○]、反りが2.0mm以上のものを[×]とした。
(7)イミド基濃度(イミド化率が100モル%であると仮定した場合の理論値)
イミド化率が100モル%であると仮定すると、得られたポリマー中の繰り返し単位の分子量は、((A)成分の分子量)+((B)成分の分子量)−2×(水の分子量)で求められる。この繰り返し単位1つあたり、2つのイミド基を含むため、下記実施例または比較例で得られた重合体のイミド基濃度(イミド化率が100モル%であると仮定した場合の理論値)は、下記式により求めた。
[イミド基濃度](単位:mmol/g)=2/{((A)成分の分子量)+((B)成分の分子量)−2×(水の分子量)}×1000
(8)重量平均分子量
下記実施例または比較例で得られたポリアミック酸またはポリベンゾオキサゾール前駆体の重量平均分子量は、TOSOH製HLC−8020型GPC装置を使用して測定した。溶媒には、臭化リチウム及び燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用い、測定温度40℃にて、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
[実施例1]
温度計、攪拌機、窒素導入管、冷却管を取り付けた300mLの4つ口フラスコに(B)成分として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下「BAPP」ともいう。)9.48g(23.1mmol)を添加した。次いで、フラスコ内を窒素置換した後、N,N−ジメチルアセトアミド(以下「DMAc」ともいう。)58mlを加え均一になるまで攪拌した。得られた溶液に(A)成分としてピロメリット酸二無水物(以下「PMDA」ともいう。)3.74g(17.2mmol)と4,4'−オキシジフタル酸二無水物(以下「ODPA」ともいう。)1.77g(5.7mmol)を室温(約25℃)で加え、そのままの温度で24時間攪拌を続けて、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。
得られた組成物の粘度を測定した。また、得られた組成物の一部を用いて、該組成物からポリアミック酸を単離した。単離したポリアミック酸の重量平均分子量を評価した。なお、重量平均分子量は、イミド化前のポリアミック酸について測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られたポリアミック酸溶液を、スピンコーターを用いて無アルカリガラス支持体上に任意の回転数および時間(300rpmで5秒、ついで1000rpmで10秒)で塗布し、70℃で30分、ついで120℃で30分乾燥することで塗膜を得た。その後、環化(イミド化)工程として得られた塗膜をさらに250℃で2時間乾燥して、その後、無アルカリガラス支持体から剥離し、膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)をIR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET社製)スペクトルを測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.29g(22.5mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA2.93g(13.4mmol)、およびODPA2.78g(9.0mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例3]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.33g(22.7mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA2.91g(13.4mmol)およびODPA2.76g(8.9mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例4]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりに4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下「BAPB」ともいう。)8.81g(23.9mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA2.56g(11.7mmol)、およびODPA3.64g(11.7mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例5]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.40g(22.9mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA2.73g(13.2mmol)およびODPA1.07g(8.8mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例6]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPB8.94g(24.3mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA3.11g(14.3mmol)およびODPA2.95g(9.5mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例7]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.16g(22.3mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA2.41g(11.0mmol)およびODPA3.43g(11.0mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例8]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.658g(23.5mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA4.27g(19.6mmol)およびODPA1.07g(3.5mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、アミック酸構造が消失し、イミド化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例9]
温度計、攪拌機、窒素導入管、を取り付けた300mLの4つ口フラスコに4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル6.41g(29.1mmol)を添加した。次いで、フラスコ内を窒素置換した後、DMAc58mlを加え均一になるまで攪拌した。得られた溶液にジフェニルエーテル4,4'−ジカルボニルクロライド8.58g(29.7mmol)とトリエチルアミン5.86gを室温(約25℃)で加え、そのままの温度で24時間攪拌を続けて、ポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を得た。得られた溶液をろ過し、析出したトリエチルアミン塩酸塩を除去した後、蒸留水1000mlに注ぎ再沈殿を行った。得られた沈殿物を80℃で12時間真空乾燥することで淡黄色固体のポリベンゾオキサゾール前駆体を得た。
得られた淡黄色固体をDMAcに溶解させ、20%溶液(組成物)を得た。該組成物を用いて膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に無アルカリガラス支持体上に塗膜を形成した。環化工程として、得られた塗膜を300℃で2時間加熱したとした以外は実施例1と同様の操作で、膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得た。得られた膜(フィルム)のIRスペクトルを実施例1と同様に測定した結果、ヒドロキシアミド構造が消失し、環化されていることを確認した。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[比較例1]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP9.83g(23.9mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA5.17g(23.7mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って、膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得た。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[比較例2]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりにBAPP8.58g(20.9mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにODPA6.42g(20.7mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[比較例3]
(B)成分としてBAPP9.48gの代わりに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下「ODA」ともいう。)7.29g(36.4mmol)を用い、(A)成分としてPMDA3.74gおよびODPA1.77gの代わりにPMDA7.71g(35.3mmol)を用いた以外は実施例1と同様に行い、ポリアミック酸溶液(組成物)を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液を膜厚0.1mmの膜(フィルム)を得るような任意の回転数および時間で塗布した以外は、実施例1と同様に行って膜(フィルム)を得た。得られた組成物、重合体、膜(フィルム)の物性を表1に示す。
[実施例10]
上記実施例1において調製したポリアミック酸溶液(組成物)を、スピンコーターにて無アルカリガラス支持体上に得られる塗膜の厚みが25μmになるように流延塗布し、70℃で30分、ついで120℃で30分乾燥して塗膜を得た。その後、環化(イミド化)工程として得られた塗膜をさらに250℃で2時間乾燥した。ついで、得られた塗膜と同じ幅の圧延銅箔(膜厚18μm)の粗化面が得られた塗膜に接するように重ね合わせ、ロールプレス機を用いて、5MPaの圧力で250℃20分間加熱圧着することで、素子として銅箔を設けた。その後銅箔が設けられたポリイミド系膜を無アルカリガラス支持体から剥離することで、フレキシブル基板を得た。なお、フレキシブル基板は、支持体から全面剥離可能であり、反りも観察されなかった。
Figure 2011027866

Claims (8)

  1. (a) 支持体に、複素環含有重合体の前駆体と有機溶媒とを含む膜形成用組成物を塗布及び乾燥し、塗膜を形成する工程と、
    (b) 前記塗膜を複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜複素環含有重合体のガラス転移温度より20℃高い温度で加熱し、前記複素環含有重合体の前駆体を環化する環化工程と、
    (c) 前記環化工程により得られた膜上に素子を形成する工程と、
    (d) 前記素子が形成された膜を支持体から剥離する工程と、
    を含み、
    前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾールおよびポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする基板の製造方法。
  2. 前記環化工程(b)を、前記複素環含有重合体のガラス転移温度より60℃低い温度〜前記複素環含有重合体のガラス転移温度で行う、請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記環化工程(b)を、160℃〜420℃で行う、請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  4. 前記支持体が、シリコンウエハもしくは無アルカリガラスである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  5. 前記複素環含有重合体がポリイミドである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  6. 前記有機溶媒が、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドの中から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  7. 前記膜形成用組成物の粘度(E型粘度計、25℃測定)が5,000〜50,000cPである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板の製造方法に用いられる膜形成用組成物であって、
    複素環含有重合体の前駆体および有機溶媒を含有し、
    前記複素環含有重合体が、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種の示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜420℃の範囲にある重合体であることを特徴とする膜形成用組成物。
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