JP2021025008A - ポリイミドフィルムの製造方法及び金属張積層板の製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルムの製造方法及び金属張積層板の製造方法 Download PDF

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麻織人 藤
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Abstract

【課題】 加熱イミド化におけるCTEの増大と発泡を抑制しながら、高い生産性をもってポリイミドフィルムや金属張積層板を製造する方法を提供する。【解決手段】 (I)フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;(II)ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;(III)ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;(IV)基材上にポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;(V)塗布膜を熱処理し、ポリアミド酸をイミド化することによって、ポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムを得る工程;を含み、工程(IV)の乾燥及び工程(V)の熱処理に要した時間(t)を、ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であるポリイミドフィルムの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、電子材料分野、例えば回路基板を形成するために用いられるポリイミドフィルムの製造方法及び金属張積層板の製造方法に関する。
電子機器の軽量化、小型化、省スペース化に伴い、使用されるフレキシブルプリント配線板に用いられる金属張積層板の需要は年々拡大している。金属張積層板の絶縁樹脂層には、絶縁性、耐熱性、寸法安定性に優れることから、ポリイミドフィルムが広く使用されている。
ポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を閉環反応によりイミド化して得られるものであるが、イミド化の手法としては化学イミド化法と加熱イミド化法が知られている。化学イミド化法は短時間でイミド化を進行させられる手法であるが、コスト面や工程設備汚染、硬化剤の残留などの課題がある。例えば特許文献1では、イミダゾール系触媒による高速イミド化によって、短時間で低熱膨張係数化(低CTE化)されたポリイミド層を形成する手法が提案されている。特許文献1によると、イミダゾール系触媒無しではCTEが上昇することが示されている。
一般に剛直な構造のポリイミドはCTEが下がりやすいが、単独では脆く、ハンドリング性が低い。そこで、共重合やブレンドといった手法で屈曲構造を導入することで、柔軟性の付与が行われている。例えば、非特許文献1では、2種類のポリアミド酸をブレンドすることでCTEを制御できることが報告されている。しかしながら、非特許文献1では、生産性に関する検討は行われていない。
特許文献2では、o−トリジン骨格を有するモノマーを使用して得られる2成分以上のポリマーをブレンドすることによって、結晶性を制御し、脆化、白化を防ぐ発明が提案されている。
特開2008−115378号公報 特許第5152028号公報
加熱イミド化の場合、ポリイミドフィルムや金属張積層板の絶縁樹脂層を低CTE化するためには、熱処理に時間をかける必要があり、生産性の向上とトレード・オフの関係にあった。また、ポリイミドフィルムや金属張積層板の絶縁樹脂層が複数の層からなる場合、乾燥状態や残溶媒量によっては、高温での熱処理による層間での膨れや剥がれ、発泡(以下、これら「膨れや剥がれ、発泡」を総称して、単に「発泡」と記す)が発生することがあり、金属張積層板及びこれを用いる回路基板の歩留まりや信頼性を低下させる要因となっていた。
従って、本発明の目的は、加熱イミド化におけるCTEの増大と発泡を抑制しながら、高い生産性でポリイミドフィルム及び金属張積層板を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリイミド層(i)を構成しているポリイミドに、特定構造のモノマー由来の残基を含有させるとともに、2種類以上の異なるポリアミド酸をブレンドする工程を設けることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムの製造方法である。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ジアミン残基が、前記ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素原子を含むジアミン残基を20モル部以上含有し、
前記酸無水物残基が、前記酸無水物残基の合計100モル部に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるBPDA残基を20モル部以上含有する。
また、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、下記の工程(I)〜(V);
(I)前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
(II)前記ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
(III)前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
(IV)基材上に前記ポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、前記ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
(V)前記塗布膜を熱処理し、前記ポリアミド酸をイミド化することによって、前記ポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムを得る工程;
を含んでいる。
そして、本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記工程(IV)の乾燥及び前記工程(V)の熱処理に要した時間(t)を、前記ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であることを特徴とする。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記フッ素原子を含むジアミン残基が、下記の一般式(A1)で表される芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基であってもよい。
Figure 2021025008
一般式(A1)において、置換基Xは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは独立に1〜4の整数を示す。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ポリアミド酸(b)が、前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有するものであってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)の少なくとも一方のポリアミド酸が非熱可塑性ポリイミドの前駆体であってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)は、同一の酸無水物残基(c1)又は同一のジアミン残基(c2)の少なくとも1種を含有するものであってもよい。
この場合、前記ポリアミド酸(a)が、前記ポリアミド酸(a)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、前記酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有し、かつ、前記ポリアミド酸(b)が、前記ポリアミド酸(b)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、前記酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有するものであってもよい。あるいは、前記ポリアミド酸(a)が、前記ポリアミド酸(a)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、前記ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有し、かつ、前記ポリアミド酸(b)が、前記ポリアミド酸(b)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、前記ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有するものであってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記酸無水物残基(c1)が、BPDA残基及び下記の一般式(A2)〜(A7)で表されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物から誘導される酸無水物残基であってもよい。
また、前記ジアミン残基(c2)が、下記の一般式(A1)及び(A8)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基であってもよい。
Figure 2021025008
式(A6)及び(A7)において、Xは独立に−CH−、−O−、−S−、−SO− 、−NH−、−CO−又は−CONH−から選ばれる2価の基を示す。また、式(A3)中からBPDAと重複するものは除くものとする。
Figure 2021025008
一般式(A1)において、置換基Xは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは独立に1〜4の整数を示す。
Figure 2021025008
式(A8)において、Zは独立に−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CO−、−COO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、Rは独立にハロゲン原子、又は炭素数1〜6のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基若しくはアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基若しくはフェノキシ基を示し、nは独立に0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ポリイミドフィルムにおける前記ポリイミド層(i)の熱膨張係数が5ppm/K以上50ppm/K以下の範囲内であってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記ポリイミドフィルムにおける前記ポリイミド層(i)の厚みが5μm以上80μm以下の範囲内であってもよい。
本発明のポリイミドフィルムの製造方法は、前記工程(V)における熱処理が基材上で行われてもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の片面又は両面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板の製造方法である。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記絶縁樹脂層が、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(i)を有するものであってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記ジアミン残基が、前記ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素原子を含むジアミン残基を20モル部以上含有し、
前記酸無水物残基が、前記酸無水物残基の合計100モル部に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるBPDA残基を20モル部以上含有する。
また、本発明の金属張積層板の製造方法は、下記の工程(I)〜(V);
(I)前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
(II)前記ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
(III)前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
(IV)金属箔上に前記ポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、前記ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
(V)前記塗布膜を熱処理し、前記ポリアミド酸をイミド化することによって、前記ポリイミド層(i)を有する金属張積層板を得る工程;
を含んでいる。
そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記工程(IV)の乾燥及び前記工程(V)の熱処理に要した合計の時間(t)を、前記ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であることを特徴とする。
本発明方法によれば、ポリイミドフィルム及び金属張積層板の主たる層であるポリイミド層(i)を構成しているポリイミドが、原料モノマー由来のフッ素原子を含むジアミン残基を含有するガス透過性の高い層であるため、発泡の発生が抑えられ、さらに、2種類の樹脂をブレンドさせることによって加熱イミド化において低CTE化に必要な熱処理時間を短縮できる。
従って、本発明方法によれば、製造されるポリイミドフィルム、金属張積層板及びこれらを用いる回路基板の生産性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態:ポリイミドフィルムの製造方法]
本発明の一実施の形態に係るポリイミドフィルムの製造方法は、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(以下、「ポリイミド層(i)」と記すことがある)を有するポリイミドフィルムの製造方法である。
本実施の形態の製造方法によって得られるポリイミドフィルムは、単層からなるものでもよく、あるいは、複数のポリイミド層を有していてもよい。ポリイミドフィルムが単層からなる場合、フィルム全体が「ポリイミド層(i)」に該当する。ポリイミドフィルムが複数層からなる場合、主たる層であるポリイミド層(i)と、このポリイミド層(i)の片面又は両面に積層されたポリイミド層(ii)を含んでいてもよい。
なお、本明細書において「主たる層」とは、ポリイミド層が複数積層されている場合に最も大きな厚みを有する層を意味し、好ましくは、ポリイミドフィルムの全厚みに対して50%以上、より好ましくは60%以上の厚みを有することをいう。
本実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法は、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥・硬化(イミド化)することによって実施され、下記の工程(I)〜(V);
(I)フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
(II)前記ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
(III)前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
(IV)基材上に前記ポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、前記ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
(V)前記塗布膜を熱処理し、前記ポリアミド酸をイミド化することによって、ポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムを得る工程;
を含んでいる。
[工程(I)及び工程(II)]
工程(I)では、フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備し、工程(II)では、ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する。ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、少なくとも一方が非熱可塑性ポリイミドの前駆体であることが好ましく、両方が非熱可塑性ポリイミドの前駆体であることがより好ましい。
ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、酸無水物から誘導される酸無水物残基と、ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基と、を含有している。少なくともポリアミド酸(a)は、フッ素原子を含むジアミン残基(以下、「フッ素含有ジアミン残基」と記すことがある)を含んでいる。また、ポリアミド酸(a)は、フッ素原子を含む酸無水物残基(以下、「フッ素含有酸無水物残基」と記すことがある)を含有していてもよい。
ポリアミド酸(b)は、フッ素含有ジアミン残基を含んでいてもよく、フッ素含有酸無水物残基を含んでいてもよい。
ポリアミド酸は、一般に、酸無水物成分とジアミン成分とを反応させて製造されるので、酸無水物とジアミン化合物を説明することにより、ポリイミドの具体例が理解される。以下、ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)を構成するための好ましい酸無水物とジアミン化合物により説明する。
なお、本発明において、「ジアミン成分」や「ジアミン化合物」は、末端の二つのアミノ基における水素原子が置換されていてもよく、例えば−NR(ここで、R,Rは、独立にアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
また、本発明において、「ポリアミド酸」は、単独重合体でも共重合体でもよく、共重合体である場合は、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。
また、「異なる」とは、ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)を構成するジアミン成分及び/または酸無水物成分が異なっていること、または、ジアミン成分及び/または酸無水物成分の組成比率が異なっていることを意味する。
なお、ポリアミド酸(a)として、フッ素含有ジアミン残基を含む種類が異なる2種類以上のポリアミド酸を準備して用いることができる。また、ポリアミド酸(b)として、種類が異なる2種類以上のポリアミド酸を準備して用いることができる。
<ジアミン残基>
ポリアミド酸(a)はフッ素含有ジアミン残基を含有するものである。また、ポリアミド酸(b)は、フッ素含有ジアミン残基を含有することが好ましい。
フッ素含有ジアミン残基は、嵩高いフッ素原子を含有する基を有するため、ポリイミド層(i)のガス透過性を向上させ、熱処理時に気化した溶媒やイミド化水が、ポリイミド層(i)を透過して外部へ除去されることを促す機能が高い。その結果として、残留溶媒やイミド化水の気化による体積膨張に起因するポリイミド層(i)とポリイミド層(ii)との間の急激な内圧上昇が抑えられ、発泡の発生を効果的に抑制できる。
フッ素含有ジアミン残基としては、例えば4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、3,4−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(2−(トリフルオロメチル)−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(2−(トリフルオロメチル)−4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(3−(トリフルオロメチル)−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−(トリフルオロメチル)−4−アミノフェノキシ)ビフェニル、p−ビス(2−トリフルオロメチル)−4−アミノフェノキシ]ベンゼン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を挙げることができる。フッ素含有ジアミン残基の中でも、下記の一般式(A1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「A1残基」と記すことがある)、下記の一般式(A8)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「A8残基」と記すことがある)等のジアミン残基を含有することが好ましい。
Figure 2021025008
一般式(A1)中、置換基Xは、独立に、フッ素原子で置換されている炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは、独立に、1〜4の整数を示す。
A1残基は、嵩高いフッ素原子を含有する置換基Xを有するため、ポリイミド層(i)のガス透過性を向上させる。そのため、熱処理時に気化した溶媒やイミド化水が、ポリイミド層(i)を透過して外部へ除去されることを促す機能が高い。その結果として、残留溶媒やイミド化水の気化による体積膨張に起因するポリイミド層(i)とポリイミド層(ii)との間の急激な内圧上昇が抑えられ、発泡の発生を効果的に抑制できる。
また、A1残基は、芳香族ジアミン残基であり、2個のベンゼン環が単結合で接続されたビフェニル骨格を有しているので、秩序構造を形成しやすく、分子鎖の面内方向の配向が促進されるため、主たる層であるポリイミド層(i)のCTEの増加を抑制し、寸法安定性を高めることができる。
A1残基の好ましい具体例としては、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、3,4−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を挙げることができる。
Figure 2021025008
[式(A8)において、Zは独立に−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CO−、−COO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、Rは独立にハロゲン原子、又は炭素数1〜6のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基若しくはアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基若しくはフェノキシ基を示し、nは独立に0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。]
以上の観点から、ポリイミド層(i)を形成するための、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)の混合溶液は、全ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素含有ジアミン残基を20モル部以上含有するものであり、50〜100モル部の範囲内で含有することが好ましい。
ここで、ポリアミド酸(a)は、全ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素含有ジアミン残基を20モル部以上含有することが好ましく、50〜100モル部の範囲内で含有することがより好ましい。
また、ポリアミド酸(b)は、フッ素含有ジアミン残基を含まなくてもよいが、全ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素含有ジアミン残基を20モル部以上含有することが好ましく、50〜100モル部の範囲内で含有することがより好ましい。
そして、ポリアミド酸(a)、ポリアミド酸(b)に含まれるフッ素含有ジアミン残基としては、A1残基が最も好ましい。
<酸無水物残基>
ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、ビフェニル骨格を有するテトラカルボン酸二無水物の残基を含むことが好ましい。ビフェニル骨格は、秩序構造を形成しやすく、分子鎖の面内方向の配向が促進されるため、主たる層であるポリイミド層(i)のCTEの増加を抑制し、寸法安定性を高めることができ、その他力学的特性及び電気的特性の向上も見込める。ビフェニル骨格を有するテトラカルボン酸二無水物の残基としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物から誘導される残基が好ましく、特に、BPDAから誘導されるBPDA残基が好ましい。
従って、ポリイミド層(i)を形成するための、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)の混合溶液は、全酸無水物残基の100モル部に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるBPDA残基を20モル部以上含有するものであり、30〜95モル部の範囲内で含有することが好ましい。
ここで、ポリアミド酸(a)は、全酸無水物残基の100モル部に対して、BPDA残基を20モル部以上含有することが好ましく、30〜95モル部の範囲内で含有することがより好ましい。
また、ポリアミド酸(b)は、BPDA残基を含まなくてもよいが、全酸無水物残基の合計100モル部に対して、BPDA残基を20モル部以上含有することが好ましく、30〜95モル部の範囲内で含有することがより好ましい。
また、ポリイミド層(i)のCTEを適切に制御するため、ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、下記の式(A2)〜(A7)で表される酸無水物から誘導される酸無水物残基(以下、式(A2)〜(A7)に対応する残基を、それぞれ、「A2残基」、「A3残基」、「A4残基」、「A5残基」、「A6残基」、「A7残基」と記すことがある)を含有することが好ましい。例えば、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)の混合溶液は、A2残基〜A7残基から選ばれる1種以上の残基を、全酸無水物残基の合計100モル部に対して、30モル部以上含有することが好ましく、45〜80モル部の範囲内で含有することがより好ましい。前記酸無水物残基が30モル部未満では、ポリイミド層(i)のCTEが高くなって寸法安定性が低下する。
Figure 2021025008
[式(A6)及び(A7)において、Xは独立に−CH−、−O−、−S−、−SO− 、−NH−、−CO−又は−CONH−から選ばれる2価の基を示す。また、式(A3)中からBPDAと重複するものは除くものとする。]
さらに、ポリイミド層(i)を形成するためのポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、ブレンド時の相分離による力学的強度の低下や濁化を予防するため、同一の酸無水物残基(c1)又は同一のジアミン残基(c2)の少なくとも1種を共通して含有することが好ましい。
例えば、ポリアミド酸(a)が、ポリアミド酸(a)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有し、かつ、ポリアミド酸(b)が、ポリアミド酸(b)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有することが好ましく、あるいは、ポリアミド酸(a)が、ポリアミド酸(a)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有し、かつ、ポリアミド酸(b)が、ポリアミド酸(b)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有することが好ましい。
より具体的には、ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)は、ポリアミド酸を構成する成分として、BPDA残基、A2残基、A3残基、A4残基、A5残基、A6残基及びA7残基から選ばれる少なくとも1種の酸無水物残基、又は、A1残基及びA8残基から選ばれる少なくとも1種のジアミン残基、のいずれかを共通して含有することが好ましい。
この場合、BPDA残基、A2残基、A3残基、A4残基、A5残基、A6残基及びA7残基から選ばれる少なくとも1種の酸無水物残基が、「酸無水物残基(c1)」であり、A1残基及びA8残基から選ばれる少なくとも1種のジアミン残基が、「ジアミン残基(c2)」である。
ポリイミド層(i)を形成するためのポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)を構成している成分は、上記以外のジアミン残基及び酸無水物残基として、一般にポリイミドの合成に使用されるジアミン成分及び酸無水物成分から誘導されるジアミン残基及び酸無水物残基を含んでいてもよい。そのようなジアミン残基及び酸無水物残基としては、芳香族ジアミン化合物から誘導される残基及び芳香族テトラカルボン酸無水物から誘導される残基が好ましい。
本発明で用いられるポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)の分子量は、それぞれ独立して、DMAc中(ポリマー濃度15重量%)、25℃での粘度にして500cpsから100,000cpsに相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは2000cpsから50000cpsに相当する分子量を有するものであり、さらに好ましくは5000cpsから35000cpsに相当する分子量を有するものである。粘度が500cps未満、もしくは100,000cpsを超えるポリアミド酸の樹脂溶液を用いるとフィルム成型が困難となるため好ましくない。
工程(I)及び工程(II)におけるポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)の形態は任意であり、例えば、いずれか片方又は両方が固体状であってもよいが、後の工程(III)における混合のしやすさを考慮して、少なくとも片方が液体状であることが好ましく、両方が液体状であることがより好ましい。ここで、「固体状」は、大部分の溶媒が除去された乾燥状態であり、例えば、ゲル状、粒状などの形態が含まれる。また、「液体状」には、例えば、ポリアミド酸を任意の溶媒に溶解させた樹脂溶液の形態が含まれる。ポリアミド酸(a)及び/又はポリアミド酸(b)が樹脂溶液の形態である場合、それぞれ、ポリアミド酸(a)又はポリアミド酸(b)以外の成分として、これらを溶解することが可能な溶媒を含有することができる。そのような溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することも可能であり、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。なお、有機溶媒は、ポリアミド酸(a)、ポリアミド酸(b)の合成に使用したものをそのまま用いてもよい。
また、樹脂溶液中の有機溶媒の含有量としては、特に制限されるものではないが、それぞれ、ポリアミド酸(a)又はポリアミド酸(b)の濃度(樹脂成分の濃度)が5〜30重量%程度になるような量に調整して用いることが好ましい。
さらに、ポリアミド酸(a)又はポリアミド酸(b)は、溶媒以外の任意成分として、例えば、難燃剤、充填材等を含有していてもよい。
[工程(III)]
工程(III)では、ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)をブレンドして、ポリアミド酸の混合溶液を得る。ここで、「ブレンド」とは、2種類以上のポリアミド酸を混合することを意味し、好ましくは均一に混合することが良い。「均一に混合する」とは、巨視的に一様な状態であり、可視光での散乱が生じない程度のマクロな相分離のない状態を意味する。
ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)の混合比率は、樹脂成分の重量比[ポリアミド酸(a):ポリアミド酸(b)]として、5:95〜95:5が好ましく、より好ましくは15:85〜85:15、さらに好ましくは30:70〜70:30が適している。樹脂成分の重量比が5:95〜95:5の範囲を外れると、少量成分である分子が主成分分子の配向を乱す効果が大きく、低CTE化の効果は得られない。なお、工程(III)では、種類が異なる3種類以上のポリアミド酸をブレンドすることができる。
工程(III)において、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)を混合する方法や、使用する機器は限定されない。混合方法としては、例えば、(1)固体状のポリアミド酸どうしを混合した後、任意の溶媒に溶解して混合溶液を調製する方法、(2)固体状のポリアミド酸を、他方のポリアミド酸の樹脂溶液に溶解させることによって混合溶液を調製する方法、(3)ポリアミド酸の樹脂溶液どうしを混合して混合溶液を調製する方法などを挙げることができる。これらの中でも、混合溶液の均一化が容易であることから、上記(3)のポリアミド酸の樹脂溶液どうしを混合して混合溶液を調製する方法が好ましい。樹脂溶液どうしを混合する場合は、一方のポリアミド酸の樹脂溶液を攪拌機によって攪拌しているところへ他方のポリアミド酸の樹脂溶液を少量ずつ添加する方法や、同一の容器へポリアミド酸の樹脂溶液をそれぞれ入れ、攪拌を行う方法などが挙げられる。混合する方法によっては気泡が発生、混入する場合があり、必要に応じて脱泡工程を含んでも良い。
[工程(IV)]
工程(IV)では、基材上にポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る。
<基材>
基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、合成ゴム、紙、カーボン、金属箔を用いることが好ましい。金属箔を構成する金属として、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、金、コバルト、チタン、タンタル、亜鉛、鉛、錫、シリコン、ビスマス、インジウム又はこれらの合金などから選択される金属を挙げることができる。導電性の点で特に好ましいものは銅箔である。なお、ポリイミドフィルム(又は金属張積層板)を連続的に生産する場合には、金属箔として、所定の厚さのものがロール状に巻き取られた長尺状の金属箔が用いられる。
ポリアミド酸の混合溶液を基材上に塗布する方法としては、特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
<乾燥処理>
ポリアミド酸の混合溶液を基材上に塗布したのち、溶剤を除去する乾燥工程において、乾燥温度は、例えば50〜200℃の範囲内とすることができる。乾燥条件は、例えば、50〜155℃の温度でイミド化後のポリイミド層(i)の厚み1μm当たり0.02〜0.4分、より好ましくは80〜140℃で0.04〜0.3分、さらに好ましくは90〜130℃で0.06〜0.2分が良い。例えば、イミド化後のポリイミド層(i)の厚みが25μmの場合、70〜160℃の範囲内の温度で30秒〜10分、イミド化後のポリイミド層(i)の厚みが50μmの場合、80〜200℃の範囲内の温度で1〜20分乾燥させることが良い。また、温度は連続的もしくは段階的に変えることができ、例えば、イミド化後のポリイミド層(i)の厚みが25μmの場合は、90℃で30秒間乾燥後、さらに130℃で4分間乾燥させることなどが挙げられる。
[工程(V)]
工程(V)では、工程(IV)で得た塗布膜を熱処理し、ポリアミド酸をイミド化することによって、ポリイミド層を有するポリイミドフィルムを得る。
ポリアミド酸のイミド化を行うには、90〜400℃の範囲内の温度で熱処理をすることが必要であり、好ましくは100〜380℃が良い。イミド化後のポリイミド層(i)の厚み1μm当たりの熱処理時間は0.08〜0.78分が好ましく、より好ましくは0.06〜0.76分、さらに好ましくは0.04〜0.74分が良い。例えば、イミド化後のポリイミド層(i)の厚みが25μmの場合、100〜380℃の範囲内の温度で2〜20分、イミド化後のポリイミド層(i)の厚みが50μmの場合、110〜400℃の範囲内の温度で4〜39分が良い。温度は連続的、もしくは段階的に変えることができる。このような条件で熱処理することによってイミド化を完結させ、ポリイミド層(i)のCTEを5〜50ppm/Kの範囲内に制御することが可能となる。ポリイミド層(i)のCTEは、より好ましくは15〜40ppm/Kが良い。
また、ポリイミドフィルムが単層であってポリイミド層(i)からなる場合、基材のCTEとポリイミド層(i)のCTEの比は、例えば、0.4〜3が良く、より好ましくは0.7〜2.5が良い。この範囲外では反りが発生する原因となる。
本実施の形態では、発泡の発生を抑制しながら生産性を向上させる観点から、工程(IV)の乾燥処理及び工程(V)の熱処理に要した合計の時間(t)を、イミド化後のポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であり、0.2分/μm以上0.6分/μm以下の範囲内であることが好ましい。値(t/h)が、0.1分/μm未満では、発泡が発生したり、イミド化が不十分となり、値(t/h)が、0.8分/μm以上では、ポリアミド酸のブレンドによる熱処理時間の短縮効果が発現しにくい。
本実施の形態の製造方法では、工程(V)の後で、必要に応じて、基材とポリイミドフィルムを分離する工程を含むことができる。
<ポリイミド層(i)の厚み>
ポリイミド層(i)の厚みは、特に制限はなく、例えば5〜80μmの範囲内が好ましく、10〜38μmの範囲内がより好ましい。さらに15〜25μmの範囲内が好ましい。熱処理時に気化した溶媒やイミド化水の透過性あるいはレーザー加工性やウェットエッチング性を考慮すると、ポリイミド層(i)の厚みは、薄い方が好ましい。しかし、ポリイミド層(i)は、絶縁樹脂層の絶縁性と強度を維持する機能を担う主たる層であることから、例えば25〜50μmの範囲内の比較的厚膜にする需要も大きい。このように、ポリイミド層(i)を25μm以上の厚膜に設計する場合でも、上記構成を採用することによって、ガス透過性を高めることが可能であり、発泡の発生が抑えられる。
[ポリイミド層(ii)]
本実施の形態の製造方法によって得られるポリイミドフィルムは、ポリイミド層(i)以外の任意のポリイミド層を含むことができる。任意のポリイミド層を「ポリイミド層(ii)」としたとき、ポリイミド層(ii)は、高弾性かつ高耐熱性の樹脂層であることが好ましく、例えば350℃における貯蔵弾性率が0.8×10Pa以上、好ましくは1×10〜1×1010Paの範囲内であり、かつ、Tgが260℃以上、好ましくは300〜500℃の範囲内のポリイミドから構成される。
ポリイミド層(ii)を高弾性とすることによって、熱処理時に溶媒やイミド化水が気化し、体積膨張することに起因するポリイミド層(i)とポリイミド層(ii)との間の内圧の上昇に耐え得る十分な強度を維持できるため、発泡を抑制できる。350℃における貯蔵弾性率が0.8×10Pa未満では、ポリイミド層(ii)の強度が低くなるため、熱処理時の内圧の上昇によってポリイミド層(ii)に破断が生じ易くなる。
また、ポリイミド層(ii)のTgを高くすることによって、熱処理時に破断しにくくなり、発泡を抑制できる。Tgが260℃未満では、ポリイミド層(ii)の耐熱性が低下するため、発泡の抑制が困難になる。一方、Tgが、500℃を超えると、ポリイミド層(ii)と金属層間の良好な接着性が得られない場合がある。
以上のように、ポリイミド層(ii)では、350℃における貯蔵弾性率とTgの両方を同時に制御し、高弾性かつ高耐熱性とすることにより、発泡の発生を効果的に抑制できる。
ポリイミド層(ii)の熱膨張係数(CTE)は、特に制限はないが、例えば0〜100ppm/Kの範囲内であることが好ましく、5〜80ppm/Kの範囲内がより好ましい。
ポリイミド層(ii)を構成しているポリイミドは、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、を含有している。以下、好ましいポリイミドを酸無水物とジアミンにより説明する。
<ジアミン残基>
ポリイミド層(ii)を構成しているポリイミドは、貯蔵弾性率とTgを上記範囲内とするために、例えば、上記A1残基及びA8残基、並びに、下記の一般式(A9)〜(A12)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、それぞれ「A9残基」、「A10残基」、「A11残基」、「A12残基」と記すことがある)等を含有することが好ましい。より具体的には、ポリイミド層(ii)を構成しているポリイミドは、A1残基、A8残基、A9残基、A10残基、A11残基及びA12残基から選ばれる1種以上のジアミン残基を、全ジアミン残基の100モル部に対して、20〜100モル部の範囲内で含有することが好ましい。なお、A1残基及びA8残基については、上記のとおりである。
Figure 2021025008
一般式(A9)〜(A12)中、置換基Rは独立に炭素数1〜4の1価の炭化水素基若しくはアルコキシ基を示し、連結基Qは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−COO−、−CH−、−NH−又は−CONH−を示し、連結基Qは−O−、−S−、−CO−、−SO−、−COO−、−CH−、−NH−、−CONH−又は単結合を示し、連結基Qは−C(CH−を示し、連結基Qは−C(CH−、−SO−、−C(CF−を示し、nは独立に0〜4の整数を示す。
一般式(A9)で表されるジアミン化合物から誘導されるA9残基の好ましい具体例としては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(ABP)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、ビス(4‐アミノフェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン(DTBAB)、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(A10)で表されるジアミン化合物から誘導されるA10残基の好ましい具体例としては、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(A11)で表されるジアミン化合物から誘導されるA11残基の好ましい具体例としては、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスアニリンM)やα,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(ビスアニリンP)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(A12)で表されるジアミン化合物から誘導されるA12残基の好ましい具体例としては、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)やビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(BAPS)、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(BAPS−M)、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
A8残基は、秩序構造を形成しやすく、ポリイミド層(ii)の弾性率を高める作用を有する。ポリイミド層(ii)を高弾性とすることによって、熱処理時にポリイミド層(i)とポリイミド層(ii)との間の内圧の上昇に耐え得る十分な強度を付与できるため、発泡を抑制できる。
<酸無水物残基>
ポリイミド層(ii)を構成するポリイミドは、限定する意味ではないが、貯蔵弾性率とTgを上記範囲内に制御して発泡を抑制するために、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導されるPMDA残基を含有することが好ましい。特に、ポリイミド中で、酸無水物残基であるPMDA残基と、ジアミン残基である上記のA8残基及び/又はA9残基との組み合わせによる構造単位を形成していることによって、ポリイミド層(ii)の貯蔵弾性率とTgを向上させることができる。
以上の観点から、ポリイミド層(ii)を構成するポリイミドは、全酸無水物残基の合計100モル部に対して、PMDA残基を50モル部以上含有することが好ましく、50〜100モル部の範囲内で含有することがより好ましい。PMDA残基が50モル部未満では、ポリイミド層(ii)の貯蔵弾性率とTgを上記範囲内に制御できず、秩序構造の形成も不十分となることから、発泡の抑制が困難になる。
また、ポリイミド層(ii)を構成しているポリイミドは、PMDA残基以外の酸無水物残基として、ビフェニル骨格を有する酸無水物残基を含有することが好ましい。その中でも、秩序構造を形成しやすく、ポリイミド層(ii)の耐熱性に寄与するものとして、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等から誘導される酸無水物残基が好ましく挙げられる。
ポリイミド層(ii)を構成しているポリイミドは、上記以外のジアミン残基及び酸無水物残基として、一般にポリイミドの合成に使用されるジアミン成分及び酸無水物成分から誘導されるジアミン残基及び酸無水物残基を含んでいてもよい。そのようなジアミン残基及び酸無水物残基としては、芳香族ジアミン化合物から誘導される残基及び芳香族テトラカルボン酸無水物から誘導される残基が好ましい。
<ポリイミド層(ii)の厚み>
ポリイミド層(ii)の厚みは、特に制限はなく、例えば0.5〜15μmの範囲内が好ましく、1〜10μmの範囲内がより好ましい。一般に、金属層に接するポリイミド層に熱可塑性ポリイミドを採用する場合、金属層との接着性を維持するとともに、熱処理時の残留溶媒やイミド化水の気化による内圧上昇に対して十分な強度を持たせる、という観点から、金属層に接するポリイミド層の厚みは、上記の下限の0.5μmより大きな2μm以上とすることが好ましい。しかし、本実施の形態では、ポリイミド層(ii)に上記高弾性率、高Tgの構成を採用するとともに、ガス透過性の高いポリイミド層(i)と組み合わせて積層することによって、ポリイミド層(ii)が金属層と接する場合でも、その厚みの下限を2μmよりも薄い0.5μmまで薄層化することが可能になる。
[ポリイミドの合成]
ポリイミド層(i)及びポリイミド層(ii)を構成するポリイミドは、酸無水物成分と、ジアミン成分を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリイミド層(i)を形成する場合は、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)を樹脂溶液の状態でブレンドして用いることが好ましい。ポリアミド酸の樹脂溶液の粘度は、500cps〜100,000cpsの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。
ポリアミド酸をイミド化させてポリイミドを合成する方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。ここで、ポリイミド層(i)を形成する場合は、上記のとおり、乾燥処理及び熱処理に要した合計の時間(t)を、ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)を制御する。
<任意成分>
ポリイミド層(ii)及びポリイミド層(i)を構成するポリイミドは、発明の効果を損なわない範囲で、例えば、難燃化剤、充填材などの任意成分を含有することができる。
また、ポリイミド層(ii)が基材としての金属箔と接する場合、金属箔のポリイミド層(ii)と直接接する面の表面粗さ(Rz)は、0.05〜3.5μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、ポリイミド層(ii)との接着力を損なうことがなく、かつ、熱処理時にポリイミド層(i)とポリイミド層(ii)との界面の内圧が上昇しても、ポリイミド層(ii)の破断が生じにくく、発泡が抑制されるためである。金属箔のRzが3.5μmを超えると、上記内圧の上昇によって、ポリイミド層(ii)の局所的な破断が生じやすくなり、発泡の原因となる。ここで、Rzは、JIS B 0601(1994)に規定される十点平均粗さを示す。
[第2の実施の形態:金属張積層板の製造方法]
本発明の一実施の形態に係る金属張積層板の製造方法は、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の片面又は両面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板の製造方法である。絶縁樹脂層は、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(i)を有する。ポリイミド層(i)は、ジアミン残基が、全ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素含有ジアミン残基を20モル部以上含有し、酸無水物残基が、全酸無水物残基の合計100モル部に対して、BPDA残基を20モル部以上含有する。
絶縁樹脂層は、単層からなるものでもよく、あるいは、複数のポリイミド層を有していてもよい。絶縁樹脂層が単層からなる場合、絶縁樹脂層全体が「ポリイミド層(i)」に該当する。絶縁樹脂層が複数層からなる場合、主たる層であるポリイミド層(i)と、このポリイミド層(i)の片面又は両面に積層され、かつ、金属層と接するポリイミド層(ii)と、を含んでいてもよい。ポリイミド層(ii)は、ポリイミド層(i)の両側に隣接して設けられていることが好ましい。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、下記の工程(I)〜(V);
(I)フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
(II)ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
(III)ポリアミド酸(a)及びポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
(IV)金属箔上にポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
(V)塗布膜を熱処理し、ポリアミド酸をイミド化することによって、ポリイミド層(i)を有する金属張積層板を得る工程;
を含んでいる。
また、本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、工程(IV)の乾燥及び工程(V)の熱処理に要した合計の時間(t)を、ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内である。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、第1の実施の形態であるポリイミドフィルムの製造方法の「工程(IV)」において、基材の代わりに金属箔を用いることによって実施できるため、重複した説明は省略する。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法の好ましい態様は、例えば以下のとおりである。
まず、金属層となる金属箔の上に、ポリイミド層(ii)を構成するポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有する塗布液をキャストし、乾燥して第1の塗布膜を形成する。
その後、第1の塗布膜の上に、主たる層であるポリイミド層(i)を構成するポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有する塗布液(つまり、ポリアミド酸(a)とポリアミド酸(b)の混合溶液)をキャストし、乾燥して第2の塗布膜を形成する。本工程は、第1の実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法における工程(I)から工程(IV)に準じて実施できる。
ここで、塗布液のキャストを順次繰り返すことによって、さらに塗布膜を積層形成してもよい。例えば、ポリイミド層を3層構成とする場合は、第2の塗布膜の上に、さらにポリイミド層(ii)を構成するポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を含有する塗布液をキャストし、乾燥して第3の塗布膜を形成してもよい。
塗布膜は、溶媒を含む場合には適当な範囲まで乾燥される。この際の乾燥条件は、ポリアミド酸のイミド化が進行しない程度の温度で行うことが好ましく、具体的には、第1の実施の形態の工程(IV)で述べたとおりである。本実施の形態では、ポリイミド層(i)及びポリイミド層(ii)が上記の構成を有することによって、溶媒の残留量が極端に大きくならない限り、次工程のイミド化のための熱処理の過程で、残留している溶媒が気化しても発泡の発生が抑制される。
その後、金属層と塗布膜を含む積層体を熱処理してイミド化する。熱処理の条件は、第1の実施の形態の工程(V)で述べたとおりである。ポリイミド層(i)を形成する場合は、上記のとおり、工程(IV)の乾燥処理及び工程(V)の熱処理に要した合計の時間(t)を、ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)を制御する。
以上のようにして、例えば、金属層/ポリイミド層(ii)/ポリイミド層(i)の積層構造を有する片面金属張積層板や、金属層/ポリイミド層(ii)/ポリイミド層(i)/ポリイミド層(ii)等の積層構造を有する金属張積層板を形成することができる。後者の場合、さらに、ポリイミド層(ii)の上に金属箔を熱圧着等の方法でラミネートすることによって、金属層/ポリイミド層(ii)/ポリイミド層(i)/ポリイミド層(ii)/金属層の積層構造を有する両面金属張積層板を形成することができる。
本実施の形態では、ポリイミド層(i)のCTEを5〜50ppm/Kの範囲内に制御することが可能であり、CTEは、より好ましくは15〜40ppm/Kが良い。また、金属層のCTEとポリイミド層(i)のCTEの比は、例えば、0.4〜3が良く、より好ましくは0.7〜2.5が良い。この範囲外では反りが発生する原因となる。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法における他の構成及び効果は、第1の実施の形態のポリイミドフィルムの製造方法と同様である。
以上のように、本発明のポリイミドフィルムの製造方法及び金属張積層板の製造方法によれば、ポリイミドフィルム及び金属張積層板の主たる層であるポリイミド層(i)を構成しているポリイミドが、原料モノマー由来のフッ素原子を含むジアミン残基を含有するガス透過性の高い層であるため、発泡の発生が抑えられ、さらに2種類の樹脂をブレンドさせることで、加熱イミド化において低CTE化に必要な熱処理時間が短縮できる。
従って、本発明方法によれば、製造されるポリイミドフィルム、金属張積層板及びこれらを用いる回路基板の生産性を向上させることができる。
<回路基板>
本実施の形態の製造方法によって得られる金属張積層板は、主にFPC等の回路基板の材料として有用である。すなわち、金属張積層板の金属層を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、FPC等の回路基板を製造できる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[粘度測定]
樹脂の粘度はE型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから1分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から250℃まで昇温させ、さらにその温度で10分保持した後、5℃/minの速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数1Hzで測定を行い、弾性率変化(tanδ)が最大となる温度をガラス転移温度とした。
[第1層の貯蔵弾性率の測定]
第1層の貯蔵弾性率は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、粘弾性測定装置(DMA:TAインスツルメント社製、商品名;RSA3)を用いて、30℃から400℃までの昇温速度を5℃/分、周波数1Hzの条件で測定した。なお、「第1層」とは銅箔に接しているポリイミド層(ii)をいう。
[発泡の評価]
ポリイミド層(i)及びポリイミド層(ii)の層間で剥離が確認されるか、又はポリイミド層に亀裂が発生している場合を「発泡あり」とし、剥離や亀裂がない場合を「発泡なし」とした。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノフェニルエーテル
TPE−R:1,3−ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
p−PDA:p−フェニレンジアミン
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
(合成例1)
300mlのセパラブルフラスコに、17.913gのTFMB(55.94mmol)、170gのDMAcを投入し、室温、窒素気流下で撹拌した。完全に溶解した後、12.233gのPMDA(56.08mmol)を添加し、室温で18時間撹拌してポリアミド酸溶液Aを得た。得られたポリアミド酸溶液Aの粘度は6779cpsであった。
(合成例2)
300mlのセパラブルフラスコに、15.697gのTFMB(49.02mmol)、170gのDMAcを投入し、室温、窒素気流下で撹拌した。完全に溶解した後、14.476gのBPDA(49.20mmol)を添加し、室温で18時間撹拌してポリアミド酸溶液Bを得た。得られたポリアミド酸溶液Bの粘度は8207cpsであった。
(合成例3)
300mlのセパラブルフラスコに、16.732gのTFMB(52.25mmol)、170gのDMAcを投入し、室温、窒素気流下で撹拌した。完全に溶解した後、5.691gのPMDA(26.09mmol)と7.684gのBPDA(26.12mmol)を添加し、室温で18時間撹拌してポリアミド酸溶液Cを得た。得られたポリアミド酸溶液Cの粘度は11367cpsであった。
(合成例4)
100mLの軟膏ビンにポリアミド酸溶液A50g、ポリアミド酸溶液B50gを投入し、撹拌した。その後、減圧下で1時間脱泡しポリアミド酸溶液Dを得た。得られたポリアミド酸溶液Dの粘度は7255cpsであった。
(合成例5)
300mlのセパラブルフラスコに、9.8058gのp−PDA(90.68mmol)及び2.0175gのODA(10.08mmol)、238gのDMAcを投入し、室温、窒素気流下で攪拌した。完全に溶解した後、30.1768gのBPDA(102.57mmol)を添加し、室温で4時間攪拌してポリアミド酸溶液Eを得た。得られたポリアミド酸溶液Eの粘度は15400cpsであった。
(合成例6)
300mlのセパラブルフラスコに、1.2965gのp−PDA(11.99mmol)及び19.8602gのTPE−R(67.94mmol)、238gのDMAcを投入し、室温、窒素気流下で攪拌した。完全に溶解した後、8.8737gのPMDA(40.68mmol)及び11.9696gのBPDA(40.68mmol)を添加し、室温で4時間攪拌してポリアミド酸溶液Fを得た。得られたポリアミド酸溶液Fの粘度は9700cpsであった。第1層としたときの貯蔵弾性率は0.9×10Paであった。
[実施例1]
厚み12μmの電解銅箔上に、ポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが22μmとなるように均一に塗布した後、125℃で2分間乾燥させた。その後155℃から360℃まで段階的に昇温させて6.7分の熱処理を行ってイミド化し、金属張積層板1を調製した。調製した金属張積層板1の銅箔をエッチング除去し、ポリイミドフィルム1(厚み;22μm、CTE;33ppm/K)を調製した。
[実施例2]
実施例1における熱処理時間を6.7分から3.9分に変えたこと以外、実施例1と同様にして、金属張積層板2及びポリイミドフィルム2(厚み;22μm、CTE;37ppm/K)を調製した。
[比較例1]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Aを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム3(厚み;22μm、CTE;11ppm/K)を調製した。
[比較例2]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Bを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム4(厚み;22μm、CTE;61ppm/K)を調製した。
[比較例3]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Cを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ポリイミドフィルム5(厚み;22μm、CTE;55ppm/K)を調製した。
[比較例4]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Aを用いたこと以外、実施例2と同様にして、ポリイミドフィルム6(厚み;22μm、CTE;18ppm/K)を調製した。
[比較例5]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Bを用いたこと以外、実施例2と同様にして、ポリイミドフィルム7(厚み;22μm、CTE;61ppm/K)を調製した。
[比較例6]
ポリアミド酸溶液Dの代わりにポリアミド酸溶液Cを用いたこと以外、実施例2と同様にして、ポリイミドフィルム8(厚み;22μm、CTE;58ppm/K)を調製した。
[比較例7]
実施例1における乾燥時間を4分間にし、イミド化を100℃から360℃まで2℃/minの昇温速度で、130分間行ったこと以外、実施例1と同様にしてポリイミドフィルム9(厚み;22μm、CTE;18ppm/K)を調製した。
[比較例8]
比較例1における乾燥時間を4分間にし、イミド化を100℃から360℃まで2℃/minの昇温速度で、130分間行ったこと以外、比較例1と同様にしてポリイミドフィルム10(厚み;22μm、CTE;7ppm/K)を調製した。
[比較例9]
比較例2における乾燥時間を4分間にし、イミド化を100℃から360℃まで2℃/minの昇温速度で、130分間行ったこと以外、比較例2と同様にしてポリイミドフィルム11(厚み;22μm、CTE;42ppm/K)を調製した。
[比較例10]
比較例3における乾燥時間を4分間にし、イミド化を100℃から360℃まで2℃/minの昇温速度で、130分間行ったこと以外、比較例3と同様にしてポリイミドフィルム12(厚み;22μm、CTE;15ppm/K)を調製した。
上記実施例1〜2、比較例1〜10の概要を表1に示した。
Figure 2021025008
表1の結果から実施例1のCTEは同組成且つ同処理条件である比較例3と比べて、低CTE化している。実施例2のCTEも同様に、比較例6と比べて、低CTE化している。比較例7と比較例10のCTEを比べると差は小さく、生産性の低い条件ではブレンドの効果は見られなかった。
[実施例3]
厚さ12μmの銅箔上に、合成例6で調製したポリアミド酸溶液Fを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、140℃未満で30分間乾燥した。この上から、合成例4で調製したポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが22μmとなるように塗布し、140℃未満で1.5分間乾燥した。更に、これら2層のポリアミド酸層の上に、合成例6で調製したポリアミド酸溶液Fを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、140℃未満で30分間乾燥した後、イミド化を150〜360℃の温度範囲で数段階に分けて、段階的に6.7分間、昇温加熱して、絶縁樹脂層の片面に銅箔を有する金属張積層板を得た。絶縁樹脂層を構成するポリイミド層は、銅箔に接している側から順に、ポリイミド層(ii)である第1層、ポリイミド層(i)である第2層、ポリイミド層(ii)である第3層とした。得られた金属張積層板について、第1層の350℃における貯蔵弾性率及びTgを測定するとともに、発泡の有無を評価した。評価結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例3におけるイミド化時間を6.7分から3.9分に変えたこと以外、実施例3と同様にして金属張積層板を得た。
[比較例11]
実施例3におけるポリアミド酸溶液Dをポリアミド酸溶液Eに変えたこと以外、実施例3と同様にして金属張積層板を得た。
上記実施例3〜4、比較例11の概要と発泡の評価結果を表1に示した。
Figure 2021025008
表2の結果から、実施例3、4では、第2層がフッ素原子を含むジアミン残基を含有するガス透過性の高い層であるため、発泡の発生が抑えられたのに対し、比較例11では、第2層がフッ素原子を含むジアミン残基を含有しないため、ガス透過性が低下し、発泡が生じたものと考えられる。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (10)

  1. ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記ジアミン残基が、前記ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素原子を含むジアミン残基を20モル部以上含有し、
    前記酸無水物残基が、前記酸無水物残基の合計100モル部に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるBPDA残基を20モル部以上含有するものであり、
    下記の工程(I)〜(V);
    (I)前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
    (II)前記ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
    (III)前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
    (IV)基材上に前記ポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、前記ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
    (V)前記塗布膜を熱処理し、前記ポリアミド酸をイミド化することによって、前記ポリイミド層(i)を有するポリイミドフィルムを得る工程;
    を含み、
    前記工程(IV)の乾燥及び前記工程(V)の熱処理に要した時間(t)を、前記ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
  2. 前記フッ素原子を含むジアミン残基が、下記の一般式(A1)で表される芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
    Figure 2021025008
    [一般式(A1)において、置換基Xは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは独立に1〜4の整数を示す。]
  3. 前記ポリアミド酸(b)が、前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)の少なくとも一方のポリアミド酸が非熱可塑性ポリイミドの前駆体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)は、同一の酸無水物残基(c1)又は同一のジアミン残基(c2)の少なくとも1種を含有するものであり、
    前記ポリアミド酸(a)が、前記ポリアミド酸(a)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、前記酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有し、かつ、前記ポリアミド酸(b)が、前記ポリアミド酸(b)の全酸無水物残基の合計100モル部に対して、前記酸無水物残基(c1)を30モル部以上含有するか、
    又は、
    前記ポリアミド酸(a)が、前記ポリアミド酸(a)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、前記ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有し、かつ、前記ポリアミド酸(b)が、前記ポリアミド酸(b)の全ジアミン残基の合計100モル部に対して、前記ジアミン残基(c2)を30モル部以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 前記酸無水物残基(c1)が、BPDA残基及び下記の一般式(A2)〜(A7)で表されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物から誘導される酸無水物残基であり、
    前記ジアミン残基(c2)が、下記の一般式(A1)及び(A8)で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基であることを特徴とする請求項5に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
    Figure 2021025008
    [式(A6)及び(A7)において、Xは独立に−CH−、−O−、−S−、−SO− 、−NH−、−CO−又は−CONH−から選ばれる2価の基を示す。また、式(A3)中からBPDAと重複するものは除くものとする。]
    Figure 2021025008
    [一般式(A1)において、置換基Xは独立にフッ素原子で置換されている炭素数1〜3のアルキル基を示し、m及びnは独立に1〜4の整数を示す。]
    Figure 2021025008
    [式(A8)において、Zは独立に−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CO−、−COO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、Rは独立にハロゲン原子、又は炭素数1〜6のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基若しくはアルコキシ基、又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基若しくはアルコキシ基で置換されてもよいフェニル基若しくはフェノキシ基を示し、nは独立に0〜4の整数、nは0〜2の整数を示す。]
  7. 前記ポリイミドフィルムにおける前記ポリイミド層(i)の熱膨張係数が5ppm/K以上50ppm/K以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  8. 前記ポリイミドフィルムにおける前記ポリイミド層(i)の厚みが5μm以上80μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  9. 前記工程(V)における熱処理が基材上で行われることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  10. 絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の片面又は両面に積層された金属層と、を備えた金属張積層板の製造方法であって、
    前記絶縁樹脂層は、ジアミン成分から誘導されるジアミン残基と、酸無水物成分から誘導される酸無水物残基と、を含有するポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドを含むポリイミド層(i)を有するものであり、
    前記ジアミン残基が、前記ジアミン残基の合計100モル部に対して、フッ素原子を含むジアミン残基を20モル部以上含有し、
    前記酸無水物残基が、前記酸無水物残基の合計100モル部に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるBPDA残基を20モル部以上含有するものであり、
    下記の工程(I)〜(V);
    (I)前記フッ素原子を含むジアミン残基を含有するポリアミド酸(a)を準備する工程;
    (II)前記ポリアミド酸(a)と異なるポリアミド酸(b)を準備する工程;
    (III)前記ポリアミド酸(a)及び前記ポリアミド酸(b)を混合して、ポリアミド酸の混合溶液を得る工程;
    (IV)金属箔上に前記ポリアミド酸の混合溶液を塗布し、乾燥することによって、前記ポリアミド酸の樹脂層を有する塗布膜を得る工程;
    (V)前記塗布膜を熱処理し、前記ポリアミド酸をイミド化することによって、前記ポリイミド層(i)を有する金属張積層板を得る工程;
    を含み、
    前記工程(IV)の乾燥及び前記工程(V)の熱処理に要した合計の時間(t)を、前記ポリイミド層(i)の厚み(h)で除した値(t/h)が、0.1分/μm以上0.8分/μm未満の範囲内であることを特徴とする金属張積層板の製造方法。
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