JPWO2011016408A1 - フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有するフィルムである。かかる構成により、十分な耐透湿性と、素子の耐損傷性(すなわち、素子の損傷を防止する機能)とを併せ持ったフィルムを実現できる。本発明のフィルムは有機EL素子の封止に特に好適であり、本発明のフィルムを使用することで、封止作業における有機EL素子の損傷だけでなく、有機EL素子の熱劣化も十分に抑制され、高信頼性の有機EL素子デバイスを得ることができる。

Description

本発明は特定のフィルム、更には該フィルムを用いた有機EL素子デバイスに関する。
有機EL(Electroluminescence)素子は発光材料に有機物質を使用した発光素子であり、低電圧で高輝度の発光を得ることができる近年脚光を浴びている素材である。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、有機材料自体が水分によって変質して、輝度が低下したり、発光しなくなったり、電極と有機EL層との界面が水分の影響で剥離したり、金属が酸化して高抵抗化してしまったりする問題があった。
これに対して、特許文献1には、ガラス基板上に有機物EL層を形成し、有機物EL層全面を覆うように硬化型樹脂層を積層し、非透水性ガラス基板を貼り合わせたものが提案されている。しかしながら、硬化型樹脂層にはアクリル系の紫外線硬化型樹脂組成物を使用しているため、紫外線による有機EL素子の劣化の問題や、紫外線が届かない所で未硬化部を発生して、信頼性の高い封止構造が得られにくいという点で、満足いくものではなかった。
また、特許文献2では、有機EL素子の全面封止を行う熱硬化型硬化性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、得られた硬化物層の耐透湿性が十分でないという点で、満足いくものではなかった。
特開平5−182759号公報 特開2006−70221号公報
本発明の課題は、信頼性の高い封止構造の形成に有利な、十分な耐透湿性と素子の耐損傷性を併せ持ったフィルムを提供することである。
本発明者等は鋭意研究をした結果、支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有するフィルムにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有することを特徴とする、フィルム。
(2)吸湿樹脂組成物層が、吸湿性金属酸化物を含有することを特徴とする、上記(1)に記載のフィルム。
(3)吸湿樹脂組成物層が、無機充填剤(但し、吸湿性金属酸化物を除く)を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のフィルム。
(4)保護樹脂組成物層が、無機充填剤(但し、吸湿性金属酸化物を除く)を含有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム。
(5)40℃〜130℃の範囲に設定されたラミネート温度において、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層の溶融粘度の差(吸湿樹脂組成物層の溶融粘度−保護樹脂組成物層の溶融粘度)が300ポアズ〜100000ポアズであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムを含有することを特徴とする、有機ELデバイス。
支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有するフィルムにより、十分な耐透湿性と、素子の耐損傷性(すなわち、素子の損傷を防止する機能)とを併せ持ったフィルムを提供することができるようになった。
図1(a)は実施例1の有機ELデバイスの模式断面図、図1(b)〜図1(e)は比較例1〜4の有機ELデバイスの模式断面図である。 試験例4のフィルム断面のSEM写真である。 試験例5のフィルム断面のSEM写真である。 試験例6のフィルム断面のSEM写真である。
1 封止材料(ガラス板)
2 吸湿樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物含有)
3 保護樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物非含有)
4 有機EL素子
5 基板
6 樹脂組成物層(無機充填剤含有、吸湿性金属酸化物非含有)
7 吸湿性金属酸化物
本発明のフィルムは、支持体と吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層とを有するものである。
〔支持体〕
本発明に使用される支持体は、「保護樹脂組成物層又は吸湿樹脂組成物層を支持する物質」を意味するが、その機能を発揮しさえすれば、特に制限はない。
支持体は、剥離系支持体と封止系支持体に分類される。
剥離系支持体とは、各種デバイスの作製時に剥離し得る支持体(すなわち、各種デバイスの作製時に本発明のフィルムから剥離(分離)される支持体)のことを意味する。かかる剥離系支持体としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなるフィルムが挙げられる。コストパフォーマンスの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
剥離系支持体の厚さは、特に限定されないが、本発明のフィルムの取り扱い性の観点から、当該支持体の厚みの上限は150μm以下が好ましく、120μm以下がより好ましく、90μm以下が更に好ましい。一方、厚みの下限は、本発明のフィルムの取り扱い性、防湿性等の観点から10μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましく、70μm以上が更に好ましい。
剥離系支持体は、予め離型処理を施しておくのが好ましく、離型処理に使用する離型剤としては、具体的には、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。離型剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。また、剥離系支持体の表面はマット処理、コロナ処理等が施されていてもよく、また、これらの処理が施された表面上にさらに離型処理が施されていてもよい。
封止系支持体とは、各種デバイス作製時にそのまま各種デバイスの一部として使用し得る(すなわち、各種デバイスの製造に供されて、最終的に作製されるデバイスに組み込まれる)、防湿性を有する支持体のことを意味する。より具体的には、当該支持体は各種デバイスの封止構造において、素子(半導体素子、LED素子、有機EL素子等)がその表面に形成された素子形成基板から離反した最外層に配置される封止材料として使用される。当該支持体としては、例えば、金属箔や、プラスチックフィルムの少なくとも片面に金属箔若しくは無機物蒸着膜がラミネートされた積層フィルム等が挙げられる。ここで金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、無機物蒸着膜としては、酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、SiCN、アモルファスシリコン等の蒸着膜が挙げられる。また、当該支持体には、市販されている防湿性を有するプラスチックフィルムを使用することができ、例えば、テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズ(三菱樹脂社製)や更に防湿効果を高めたX−BARRIER(三菱樹脂社製)等が挙げられる。また、剛性を付与できるという観点でガラス板、金属板等を用いることもできる。なお、封止系支持体を使用した本発明のフィルムを用いて有機ELデバイスを作製する場合、作製される有機ELデバイスの発光面は、素子形成基板の有機EL素子が形成された面とは反対側の面となる。
封止系支持体に、金属箔を使用するか、或いは、プラスチックフィルムの少なくとも片面に無機物蒸着膜若しくは金属箔がラミネートされた積層フィルムを使用する際には、支持体の厚さは特に限定されないが、本発明のフィルムの取り扱い性の観点から、当該支持体の厚みの上限は150μm以下が好ましく、120μm以下がより好ましく、90μm以下が更に好ましい。一方、厚みの下限は、本発明のフィルムの取り扱い性、防湿性等の観点から10μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましく、70μm以上が更に好ましい。
封止系支持体にガラス板や金属板を使用する場合の当該支持体の厚みの上限は、有機ELデバイス自体を薄くかつ軽くするという観点から、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。一方、支持体の厚みの下限は、水分透過を防ぐ観点、有機ELデバイスの剛性等の観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。
プラスチックフィルムの少なくとも片面に金属箔がラミネートされた積層フィルムは、PETフィルムなどのプラスチックフィルムに接着剤をグラビアコータなどの薄膜コーティングが可能な塗工ヘッドを用いてコーティングし、その接着剤のコーティング面にアルミニウムなどの金属箔をラミネートして得ることが出来る。金属箔の厚さは、ラミネート性、耐透湿性等の観点から5μm以上が好ましく、取り扱い性の観点から125μm以下が好ましい。なお、この3層構造の積層フィルムの総厚は10μm〜150μmの範囲内とするのが好ましい。
〔吸湿樹脂組成物層〕
本発明のフィルムに使用される吸湿樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂、硬化剤及び吸湿性金属酸化物を含む熱硬化性の樹脂組成物によって構成され、耐透湿性を有する。これにより、目的のデバイス(有機ELデバイス等)の封止構造において、素子(有機EL素子等)への水分浸入を遮断する。
(熱硬化性樹脂及び硬化剤)
熱硬化性樹脂及び硬化剤は、特に制限はなく、具体的には、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂とそれらの硬化剤が挙げられる。なかでも、低温硬化性及び硬化物の接着性等の観点から、エポキシ樹脂とその硬化剤が好ましい。
エポキシ樹脂としては、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、樹脂組成物の高い耐熱性及び低い透湿性を保つ等の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が好ましい。
また、エポキシ樹脂は、液状であっても、固形状であっても、液状と固形状の両方を用いてもよい。ここで、「液状」及び「固形状」とは、25℃でのエポキシ樹脂の状態である。塗工性、加工性、接着性等の観点から、使用するエポキシ樹脂全体の10重量%以上が液状であるのが好ましい。
また、エポキシ樹脂は反応性の観点から、エポキシ当量が100〜1000の範囲のものが好ましく、より好ましくは120〜1000の範囲のものである。ここでエポキシ当量とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K−7236に規定された方法に従って測定されるものである。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば特に限定されないが、樹脂組成物の硬化処理時における素子(特に有機EL素子)の熱劣化を抑制する観点から、樹脂組成物の硬化処理は好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下で行なうのが好ましく、硬化剤はかかる温度領域にてエポキシ樹脂の硬化作用を有するものが好ましい。
具体的には、一級アミン、二級アミン、三級アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド等が挙げられるが、中でも、速硬化性の観点から、アミンアダクト系化合物(アミキュアPN−23、アミキュアMY−24、アミキュアPN−D、アミキュアMY−D、アミキュアPN−H、アミキュアMY−H、アミキュアPN−31、アミキュアPN−40、アミキュアPN−40J等(いずれも味の素ファインテクノ社製))、有機酸ジヒドラジド(アミキュアVDH−J、アミキュアUDH、アミキュアLDH等(いずれも味の素ファインテクノ社製))等が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、140℃以下、好ましくは120℃以下の温度にてエポキシ樹脂を硬化し得るイオン液体、すなわち、140℃以下、好ましくは120℃以下の温度領域で融解しうる塩であって、エポキシ樹脂の硬化作用を有する塩が特に好適に使用される。イオン液体は、吸湿樹脂組成物層の硬化物の耐透湿性向上に有利に作用する。なお、イオン液体はエポキシ樹脂に当該イオン液体を均一に溶解している状態で使用されるのが望ましい。
かかるイオン液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピラゾニウムイオン、グアニジニウムイオン、ピリジニウムイオン等のアンモニウム系カチオン;テトラアルキルホスホニウムカチオン(具体的には、テトラブチルホスホニウムイオン、トリブチルヘキシルホスホニウムイオン等)等のホスホニウム系カチオン;トリエチルスルホニウムイオン等のスルホニウム系カチオン等が挙げられる。
また、かかるイオン液体を構成するアニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物系アニオン;メタンスルホン酸イオン等のアルキル硫酸系アニオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等の含フッ素化合物系アニオン;フェノールイオン、2−メトキシフェノールイオン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオン等のフェノール系アニオン;アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等の酸性アミノ酸イオン;グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等の中性アミノ酸イオン;N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオン等の下記一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン;ギ酸イオン、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸系アニオンが挙げられる。
Figure 2011016408
(式中、R−CO−は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の脂肪酸より誘導されるアシル基、或いは、置換または無置換ベンゾイル基であり、−NH−CHX−CO はアスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸イオン、或いはグリシン、アラニン、フェニルアラニン等の中性アミノ酸イオンである。)
上述の中でも、カチオンは、アンモニウム系カチオン、ホスホニウム系カチオンが好ましく、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオンがより好ましい。イミダゾリウムイオンは、より詳細には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムイオン等である。
また、アニオンは、フェノール系アニオン、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオン又はカルボン酸系アニオンが好ましく、N−アシルアミノ酸イオン又はカルボン酸系アニオンがより好ましい。
フェノール系アニオンの具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールイオンが挙げられる。また、カルボン酸系アニオンの具体例としては、酢酸イオン、デカン酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α−リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン等が挙げられ、中でも、酢酸イオン、2−ピロリドン−5−カルボン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N−メチル馬尿酸イオンが好ましく、酢酸イオン、N−メチル馬尿酸イオン、ギ酸イオンが殊更好ましい。また、一般式(1)で示されるN−アシルアミノ酸イオンの具体例としては、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン、N−アセチルグリシンイオン等が挙げられ、中でも、N−ベンゾイルアラニンイオン、N−アセチルフェニルアラニンイオン、N−アセチルグリシンイオンが好ましく、N−アセチルグリシンイオンが殊更好ましい。
具体的なイオン液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、テトラブチルホスホニウム−2−ピロリドン−5−カルボキシレート、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルホスホニウムα−リポエート、ギ酸テトラブチルホスホニウム塩、テトラブチルホスホニウムラクテート、酒石酸ビス(テトラブチルホスホニウム)塩、馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、N−メチル馬尿酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゾイル−DL−アラニンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルフェニルアラニンテトラブチルホスホニウム塩、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールテトラブチルホスホニウム塩、L−アスパラギン酸モノテトラブチルホスホニウム塩、グリシンテトラブチルホスホニウム塩、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−メチル馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、酒石酸ビス(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム)塩、N−アセチルグリシン1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が好ましく、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩、N−メチル馬尿酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩が殊更好ましい。
上記イオン液体の合成法としては、アルキルイミダゾリウム、アルキルピリジニウム、アルキルアンモニウム及びアルキルスルホニウムイオン等のカチオン部位と、ハロゲンを含むアニオン部位から構成される前駆体に、NaBF、NaPF、CFSONaやLiN(SOCF等を反応させるアニオン交換法、アミン系物質と酸エステルとを反応させてアルキル基を導入しつつ、有機酸残基が対アニオンになるような酸エステル法、及びアミン類を有機酸で中和して塩を得る中和法等があるがこれらに限定されない。アニオンとカチオンと溶媒による中和法では、アニオンとカチオンとを当量使用し、得られた反応液中の溶媒を留去して、そのまま用いることも可能であるし、更に有機溶媒(メタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトン等)を差し液濃縮しても構わない。
硬化剤は、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対し、0.1〜50重量%の範囲で使用されるのが好ましく、0.5〜25重量%の範囲がより好ましく、1〜15重量%の範囲が更に好ましく、1.5〜10重量%の範囲が更に一層好ましい。この範囲よりも少ないと十分な硬化性が得られない恐れがあり、50重量%より多いと、樹脂組成物の保存安定性が損なわれるだけでなく、硬化物の耐透湿性、耐熱性が低下することがある。なお、イオン液体を使用する場合、樹脂組成物の硬化物の耐透湿性等の点からは、エポキシ樹脂の不揮発分100重量%に対し、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましく、1〜6重量%が更に好ましく、1.5〜5重量%が更に一層好ましい。
本発明における吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物においては、硬化温度、硬化時間等の調整のため、さらに硬化促進剤を含んでいても良い。硬化促進剤としてはテトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等の4級スルホニウム塩、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5)、DBU−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU-フェノールノボラック樹脂塩等のジアザビシクロ化合物、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等のジメチルウレア化合物等が挙げられる。
硬化促進剤を使用する場合の含有量は、エポキシ樹脂の総量に対し、0.01〜7重量%の範囲である。
(吸湿性金属酸化物)
本発明でいう「吸湿性金属酸化物」とは、水分を吸収する能力をもち、吸湿した水分と化学反応して水酸化物になる金属酸化物のことであり、本発明の目的を達成できれば特に制限はないが、具体的には、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム及び酸化バリウムから選ばれる1種か、或いは、これらから選ばれる2種以上の金属酸化物の混合物若しくは固溶物である。2種以上の金属酸化物の混合物若しくは固溶物の例としては、具体的には、焼成ドロマイト(酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含む混合物)、焼成ハイドロタルサイト(酸化カルシウムと酸化アルミニウムの固溶物)等が挙げられる。このような吸湿性金属酸化物は、種々の技術分野において吸湿材として公知であり、市販品を使用することができる。具体的には、焼成ドロマイト(吉澤石灰社製「KT」等)、酸化カルシウム(三共製粉社製「モイストップ#10」等)、酸化マグネシウム(協和化学工業社製「キョーワマグMF−150」、「キョーワマグMF−30」、タテホ化学工業社製「ピュアマグFNMG」等)、軽焼酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製の「#500」、「#1000」、「#5000」等)等が挙げられる。
吸湿性金属酸化物の平均粒径は特に限定はされないが、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。このような微小サイズのものを使用することで、吸湿樹脂組成物の硬化層に高度の耐透湿性を付与するだけでなく、接着力を高めることができる。なお、吸湿性金属酸化物の平均粒径が小さすぎると、粒子同士が凝集して、シート加工がし難くなる傾向となる等の点から、吸湿性金属酸化物の平均粒径は0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上が好ましい。
吸湿性金属酸化物の市販品の平均粒径が10μm以下であれば、それをそのまま使用できるが、市販品の平均粒径が10μmを超える場合、粉砕、分級等を行って平均粒径10μm以下の粒状物に調製してから使用するのが好ましい。
ここでいう「平均粒径」とは、測定対象(粒状物)の粒度分布を体積基準で作成したときの、該粒度分布のメディアン径である。体積基準の粒度分布は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法によって測定さすることができ、レーザー回折式粒度分布測定装置としては、具体的には、堀場製作所社製LA−500を使用することができる。測定サンプルは、吸湿性金属酸化物を超音波により水中に分散させたもの使用すること好ましい。
吸湿性金属酸化物は、表面処理剤で表面処理したものを用いることができる。このような表面処理吸湿性金属酸化物を使用することで、吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物の保存安定性をより高めることができ、硬化前の段階で、樹脂中の水分と吸湿性金属酸化物が反応してしまうことを防止できる。
表面処理に使用する表面処理剤としては、具体的には、高級脂肪酸、アルキルシラン類、シランカップリング剤等を使用することができ、中でも、高級脂肪酸又はアルキルシラン類が好適である。
高級脂肪酸は、具体的には、ステアリン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの炭素数18以上の高級脂肪酸が好ましく、中でも、ステアリン酸がより好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アルキルシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、具体的には、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び11−メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
表面処理は、具体的には、未処理の吸湿性金属酸化物を混合機で常温にて攪拌分散させながら、表面処理剤を添加噴霧して5〜60分間攪拌することによって行なうことができる。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、具体的には、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー及びコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。又、ボールミルなどで吸湿材を粉砕する際に、前記の高級脂肪酸、アルキルシラン類又はシランカップリング剤を混合し、表面処理する方法も可能である。表面処理剤の処理量は吸湿性金属酸化物の種類又は表面処理剤の種類等によっても異なるが、吸湿性金属酸化物に対して1〜10重量%が好ましい。
樹脂組成物中の吸湿性金属酸化物の含有量の上限は、吸湿性金属酸化物の含有量が多くなりすぎると、樹脂組成物の粘度が上昇し、硬化物の強度が低下して脆くなるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下が更に好ましく、25重量%以下が更に一層好ましく、20重量%以下が殊更好ましい。一方、吸湿性金属酸化物の含有量の下限は、吸湿性金属酸化物を含有させることによる効果を十分に得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上が更に好ましい。
(無機充填材)
吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物には、更に無機充填材(但し、吸湿性金属酸化物は除く)を含有させることができる。当該無機充填材を含有することで、樹脂組成物の硬化物の耐透湿性が向上し、また、フィルム作製時の組成物のはじきが防止されて、支持体や封止材料との接着力を向上させることができる。無機充填材としては、具体的には、シリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイトなどが挙げられる。無機充填材は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でもラミネート時に無機充填材が他層へ移行しにくいという観点から、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト等の粒子形態が平板状の充填材が好ましく、さらにかかる粒子形態が平板状の充填材を使用することで、吸湿樹脂組成物層を硬化して得られる硬化層の耐透湿性をより一層高めることができる。
無機充填材の平均粒径の上限は、分散性向上や機械強度の低下防止の観点やラミネート時に無機充填材が他層へ移行しにくいという観点から、1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、0.6μm以下が更に好ましい。また、無機充填材の平均粒径の下限は、凝集による分散性の低下防止や樹脂組成物の粘度上昇による取り扱い性の低下防止の観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましい。なお、ここでいう平均粒径とは、前述の吸湿性金属酸化物における平均粒径と同義である。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限は、無機充填材の含有量が多くなりすぎると、樹脂組成物の粘度が上昇し、硬化物の強度が低下して脆くなるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、35重量%以下が更に好ましく、30重量%以下が更に一層好ましい。一方、無機充填材の含有量の下限は、無機充填材の効果を十分に得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上が更に好ましい。
(ゴム粒子)
吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物には、更にゴム粒子を含有させることができ、ゴム粒子を含有させることにより、樹脂組成物の硬化物の機械強度の向上や応力緩和等を図ることができる。当該ゴム粒子は、樹脂組成物のワニスを調製する際の有機溶媒にも溶解せず、エポキシ樹脂等の樹脂組成物中の成分とも相溶せず、樹脂組成物のワニス中では分散状態で存在するものが好ましい。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製することができ、具体的には、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリルニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子等が挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、粒子がコア層とシェル層を有するゴム粒子であり、具体的には、外層のシェル層がガラス状ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマー、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス層は具体的には、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は具体的には、ブチルアクリレート重合物(アクリル酸ブチルゴム)などで構成される。これらゴム粒子の一次粒子の平均粒径の上限は、応力緩和の効果を維持することや樹脂組成物により有機EL素子を封止する際の素子へのダメージを防止するという観点から、2μm以下が好ましい。一方、ゴム粒子の一次粒子の平均粒径の下限は、樹脂へ混合する際の粘度上昇によって、取り扱い性が悪化することを防止する観点から、0.05μm以上が好ましい。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(以上、ガンツ化成社製)、メタブレンKW−4426(三菱レイヨン社製)、F351(日本ゼオン社製)等が挙げられる。アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(JSR社製)などが挙げられる。スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(JSR社製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A、W450A(以上、三菱レイヨン社製)を挙げることができる。
ゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することが出来る。具体的には、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、FPRA−1000(大塚電子社製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を重量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定される。
ゴム粒子の含有量の上限は、吸湿樹脂組成物層の耐熱性や耐透湿性の低下防止の観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。一方、ゴム粒子の含有量の下限は、ゴム粒子を配合することの効果を十分に得るという観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して0.1重量%以上が好ましい。
なお、エポキシ樹脂にゴム粒子を一次粒子の状態で分散させたゴム粒子分散エポキシ樹脂が市販されており、エポキシ樹脂としてゴム粒子分散エポキシ樹脂を使用することで、樹脂組成物にゴム粒子を含有させてもよい。このようなゴム粒子分散エポキシ樹脂としては、具体的には、日本触媒社製の「BPA328」(ゴム粒子:アクリル系コアシェル型樹脂、ゴム粒子の平均粒径:0.3μm、ゴム粒子含有量:17重量%、エポキシ樹脂:エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)、カネカ社製の「MX120」(ゴム粒子:SBR系樹脂、ゴム粒子の平均粒径:0.1μm、ゴム粒子含有量:25重量%、エポキシ樹脂:エポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
(熱可塑性樹脂)
吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物には、更に熱可塑性樹脂を含有させることができる。熱可塑性樹脂を含有させることで、樹脂脂組成物の硬化物に可撓性を付与することがき、また、樹脂組成物をコーティングする際の良好な加工性を付与することができる。当該熱可塑性樹脂としては、具体的には、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂はいずれか1種を使用しても2種以上を混合して用いてもよい。熱可塑性樹脂は可撓性の付与、コーティング時のはじき防止の点から、重量平均分子量が10,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましい。しかし、重量平均分子量が大きすぎると、エポキシ樹脂との相溶性が低下する等の傾向があることから、重量平均分子量は1,000,000以下であるのが好ましく、800,000以下がより好ましい。
なお、ここでいう「熱可塑性樹脂の重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、具体的には、測定装置として島津製作所社製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
熱可塑性樹脂は上述した例示物の中でもフェノキシ樹脂が特に好ましい。フェノキシ樹脂は「エポキシ樹脂」との相溶性が良く、また、樹脂組成物の硬化物の接着性、耐湿性への影響が少ないという点からも好ましい。
フェノキシ樹脂としては、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、トリメチルシクロヘキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有するものが挙げられる。フェノキシ樹脂は2種以上を混合して用いてもよい。
フェノキシ樹脂の市販品としては、具体的には、ジャパンエポキシレジン社製1256、4250(ビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製YX8100(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製YX6954(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)、ユニオンカーバイド社製PKHH(重量平均分子量(Mw)42600、数平均分子量(Mn)11200)等が好適であり、東都化成社製FX280、FX293、ジャパンエポキシレジン社製YL7553BH30、YL6794、YL7213、YL7290、YL7482等も挙げることができる。
熱可塑性樹脂の含有量の上限は、硬化物の耐透湿性低下の防止という観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して、50重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましい。一方、熱可塑性樹脂の含有量の下限は、熱可塑性樹脂を含有させることによる十分な効果を得るという観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上が更に好ましく、10重量%以上が更に一層好ましい。
(カップリング剤)
本発明に使用される吸湿樹脂組成物層には、更にカップリング剤を含有させる事により、その硬化物の被着体(支持体、保護樹脂組成物層、封止材料等)との密着性や硬化物の耐透湿性を向上させることができる。当該カップリング剤としては、具体的には、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シランカップリング剤等を挙げることができる。中でも、シランカップリング剤が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、具体的には、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び11−メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらの中でも、エポキシ系シランカップリング剤が特に好適である。
カップリング剤の含有量の上限は、カップリング剤添加による密着性改善効果を得るという観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。一方、カップリング剤の含有量の下限も、カップリング剤添加による密着性改善効果を得るという観点から、吸湿樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して0.5重量%以上が好ましい。
本発明に使用される吸湿樹脂組成物層には、本発明の効果が発揮される範囲で、上述した成分以外の各種添加剤を任意で含有させても良い。このような添加剤としては、具体的には、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤等を挙げることができる。
本発明に使用される吸湿樹脂組成物層の厚みは特に限定されないが、樹脂組成物層上に支持体を積層した構造では、水分の浸入は樹脂組成物層側面からのみとなるため、吸湿樹脂組成物層の厚みを小さくし、外気との接触面積を小さくすることで、水分を遮断するという観点から、厚みの上限は200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。一方、十分な吸湿効果を得るための吸湿材濃度を確保するという観点から、厚みの下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。
〔保護樹脂組成物層〕
本発明のフィルムに使用される保護樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂、硬化剤を含む熱硬化性の樹脂組成物によって構成され、目的のデバイス(有機ELデバイス等)の封止構造において、素子(有機EL素子等)を直接被覆することで、吸湿樹脂組成物層中の吸湿性金属酸化物が素子に接触して素子が損傷するのを防止する役割を有する。
(熱硬化性樹脂及び硬化剤)
熱硬化性樹脂及び硬化剤は、前述の吸湿樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂及び硬化剤と同様のものが使用される。保護樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂及び硬化剤と、吸湿樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂及び硬化剤は互いに相違するものでもよいが、両層間の密着性、硬化収縮や硬化速度の違いに起因する硬化後の両層間の界面応力を抑える、等の観点から保護樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂及び硬化剤と、吸湿樹脂組成物層に使用する熱硬化性樹脂及び硬化剤とは同一であるのが好ましい。
(吸湿性金属酸化物)
本発明に使用される保護樹脂組成物層には、有機EL素子の損傷防止機能を損なわない範囲内で、更に吸湿性金属酸化物を含有させてもよい。吸湿性金属酸化物を含有させることにより、耐透湿性を向上させることができる。
保護樹脂組成物層に吸湿性金属酸化物を含有させる場合には、吸湿性金属酸化物の含有量の上限は、有機EL素子の損傷防止の観点から、保護樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して5重量%以下が好ましい。一方、吸湿性金属酸化物の含有量の下限は、耐透湿性向上の効果を得るという観点から、保護樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して0.5重量%以上が好ましい。
なお、吸湿性金属酸化物を保護樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して5重量%以下の範囲内で含有させた場合であっても、吸湿性金属酸化物の粒径が大きいと、有機EL素子が損傷する可能性があるため、吸湿性金属酸化物の平均粒径は1μm未満が好ましい。また、平均粒径が1μm未満であっても、粒度分布がブロードであると、粗大粒子を含み、有機EL素子が損傷する可能性があるため、平均粒径が1μm未満で、かつ、粒径が3μm以上の粒子を含有しないものがより好ましい。
なお、保護樹脂組成物層に含有させる吸湿性金属酸化物は前述の吸湿樹脂組成物層に含有させる吸湿性金属酸化物と同様の金属酸化物を使用することができ、また、表面処理等も同様の態様で施すことができる。また、吸湿性金属酸化物の市販品はその平均粒径が1μm未満であれば、そのまま使用できるが、市販品の平均粒径が1μm以上である場合、粉砕、分級等を行って、平均粒径1μm未満の粒状物に調製してから使用する。ここでいう「平均粒径」も、前述の吸湿樹脂組成物層に含有させる吸湿性金属酸化物の平均粒径と同義である。
(無機充填材)
本発明に使用される保護樹脂組成物層には、更に無機充填材(但し、吸湿性金属酸化物は除く)を含有させる事により、層中及びEL素子側との界面の透湿速度を遅延させることができ、基板との接着力を向上させることができる。当該無機充填材には、前述の吸湿樹脂組成物層に使用する無機充填材と同様のものを使用することができる。ラミネート時に無機充填材が露出しにくいという観点から、タルク、クレー、マイカ、ベーマイト等の粒子形態が平板状の充填材が好ましい。なお、無機充填材を使用する場合、無機充填材の含有量の上限は、樹脂組成物の粘度が上昇し、硬化物の強度が低下して脆くなるという観点から、樹脂組成物層中の不揮発分100重量%に対して15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。一方、無機充填材の含有量の下限は、樹脂組成物層とEL素子側との界面の透湿速度を遅延させる効果を得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましい。なお、無機充填材を吸湿性金属酸化物とともに使用する場合は、無機充填材と吸湿性金属酸化物の合計量が樹脂組成物中の不揮発分100重量%に対して15重量%以下となる範囲内で使用される。
(ゴム粒子、熱可塑性樹脂、カップリング剤等)
本発明に使用される保護樹脂組成物層には、更にゴム粒子を含有させることにより、その硬化物の機械強度の向上や応力緩和等を行うことができる。また、本発明に使用される吸湿樹脂組成物層には、更に熱可塑性樹脂を含有させることにより、その硬化物へ可撓性を付与し、樹脂組成物をコーティングする際の良好な加工性を付与することができる。また、本発明に使用される吸湿樹脂組成物層には、更にカップリング剤を含有させることにより、その硬化物の被着体との密着性や硬化物の耐透湿性を向上させることができる。当該ゴム粒子、熱可塑性樹脂及びカップリング剤等は、前述の吸湿樹脂組成物層に使用するゴム粒子、熱可塑性樹脂及びカップリング剤等と同様のものを使用することができ、カップリング剤はシランカップリング剤が好ましく、熱可塑性樹脂はフェノキシ樹脂が好ましい。これらの熱硬化性樹脂組成物中の含有量は、基本的に吸湿樹脂組成物層を構成する熱硬化性樹脂組成物におけるそれが踏襲される。
本発明に使用される保護樹脂組成物層には、本発明の効果が発揮される範囲で、上述した成分以外の各種添加剤を任意で含有させても良い。具体的には、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤等が挙げられる。
本発明に使用される保護樹脂組成物層の厚みは特に限定されないが、透湿量の増大を防止するという観点から、厚みの上限は40μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。一方、有機EL素子の損傷防止効果が十分に発現する厚みにするという観点から、厚みの下限は1μm以上が好ましい。
〔保護フィルム〕
本発明のフィルムは実際に封止構造の形成に使用する前までは、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止するために保護フィルムで保護されているのが好ましく、保護フィルムとしては、前述の剥離系支持体で例示したプラスチックフィルムを用いることができる。保護フィルムは予め離型処理を施しておくのが好ましく、離型剤としては、具体的には、フッ素系離型剤、シリコーン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。離型剤は異なる種類のものを混合して用いてもよい。また、保護フィルムの厚さも特に制限されないが、1〜100μmが好ましく、10〜75μmがより好ましく、15〜50μmが更に好ましい。
〔フィルム製造方法〕
本発明のフィルムは、特に限定されるものではなく、半導体、太陽電池、高輝度LED、LCDシール、有機EL等の各種デバイスに用いることができ、特に有機EL素子封止用に好適に用いることができ、有機ELデバイスに好適に使用することができる。また、本発明のフィルムを流通させる場合には、保護フィルムを付けて流通させることができる。すなわち、本発明のフィルムの構成は、以下の6つの態様を含む。
(1)剥離系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層+保護フィルム
(2)封止系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層+保護フィルム
(3)剥離系支持体+保護樹脂組成物層+吸湿樹脂組成物層+保護フィルム
(4)剥離系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層
(5)封止系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層
(6)剥離系支持体+保護樹脂組成物層+吸湿樹脂組成物層
なお、上記は各層の積層順を示している。
本発明のフィルムの(1)、(2)の構成は、具体的には、吸湿樹脂組成物層を構成する樹脂組成物を溶解した第1のワニスと、保護樹脂組成物層を構成する樹脂組成物を溶解した第2のワニスをそれぞれ調製し、剥離系支持体上あるいは封止系支持体上に、第1のワニスを塗布し有機溶剤を乾燥させて吸湿樹脂組成物層を形成し、その上に第2のワニスを塗布し有機溶剤を乾燥させて保護樹脂組成物層を形成し、更に保護フィルムを用いることで得ることができる。また、本発明のフィルムの(3)の構成は、保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層を逆に形成することによって得ることができる。本発明のフィルムの(4)、(5)、(6)の構成は、(1)、(2)、(3)の構成のフィルム作製において保護フィルムを用いていない場合の構成を示している。
本発明のフィルムが(1)、(3)の構成の場合、剥離系支持体と保護フィルムの関係は、保護フィルムが先に剥がれるようになっていなければならないが、保護フィルムを剥離系支持体より薄くしたり、保護フィルムに離型処理やエンボス加工を施しておくのが好ましい。また、剥離系支持体はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく、保護フィルムは2軸延伸ポリプロピレンが好ましい。
ワニスに使用する有機溶剤としては、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」とも略称する)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
乾燥条件は特に制限はないが、50〜100℃で3〜15分が好適である。
なお、前述の支持体上に吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層をこの順序で、あるいは、逆の順序で順次形成して本発明のフィルムを作製する方法では、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層の境界において両層の樹脂組成物が混合された混合層が形成され、保護樹脂組成物層による有機EL素子の損傷防止効果が損なわれてしまう恐れがある。従って、第1の支持体上に第1のワニスを使用して吸湿樹脂組成物層を形成した第1の樹脂組成物シートを作製し、これとは別に、第2の支持体上に第2のワニスを使用して保護樹脂組成物層を形成した第2の樹脂組成物シートを作製し、第1の樹脂組成物シートの吸湿樹脂組成物層と第2の樹脂組成物シートの保護樹脂組成物層をラミネートして、本発明のフィルムを得る方法が好ましい。なお、この場合、第1の支持体および第2の支持体のうちのいずれか一方が本発明のフィルムの支持体となり、いずれか他方が本発明のフィルムの保護フィルムとなる。
かかる方法で本発明のフィルムを得る場合、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層のラミネート温度において、保護樹脂組成物層の溶融粘度が吸湿樹脂組成物層の溶融粘度よりも低いことが好ましい。すなわち、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層のラミネート温度において、保護樹脂組成物層を構成する樹脂組成物の溶融粘度が吸湿樹脂組成物層の溶融粘度よりも低いことにより、吸湿樹脂組成物層に含まれる充填材がラミネート時に保護樹脂組成物層に移動したり、さらには保護樹脂組成物層を通過してEL素子に損傷を及ぼすことが避けられるからである。
ここでいう「溶融粘度」は、ユービーエム社製の型式Rheosol−G3000を用い、樹脂量は1g、直径18mmのパラレルプレートを使用し、測定開始温度60℃、昇温速度5℃/分、測定温度60℃〜200℃、振動数1Hz/degにて測定した値である。
ラミネート温度は特に制限はなく、求められる性能に応じて、適宜設定することができるが、吸湿樹脂組成物層及び保護樹脂組成物層の硬化温度よりも低いことが求められるので、ラミネート温度の上限は130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましく、100℃以下が更に一層好ましい。一方、ラミネート温度の下限は、常温での取り扱い性が良いという観点から、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましく、55℃以上が更に一層好ましく、60℃以上が殊更好ましい。また、設定されたラミネート温度において、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層を混合し合わないようにさせるという観点、吸湿性金属酸化物が保護樹脂組成物層へ移行してしまうことを防止するという観点から、吸湿樹脂組成物層の溶融粘度と保護樹脂組成物層の溶融粘度の差(吸湿樹脂組成物層の溶融粘度−保護樹脂組成物層の溶融粘度)の下限は、300ポアズ以上が好ましく、1000ポアズ以上がより好ましく、5000ポアズ以上が更に好ましく、10000ポアズ以上が更に一層好ましく、15000ポアズ以上が殊更好ましく、30000ポアズ以上が最も好ましい。一方、設定されたラミネート温度において、吸湿樹脂組成物層及び保護樹脂組成物層を効率的に一度で固めるという観点、吸湿樹脂組成物層及び保護樹脂組成物層の貼り合わせを効率的に行うという観点から、吸湿樹脂組成物層の溶融粘度と保護樹脂組成物層の溶融粘度の差(吸湿樹脂組成物層の溶融粘度−保護樹脂組成物層の溶融粘度)の上限は、1000000ポアズ以下が好ましく、500000ポアズ以下がより好ましく、100000ポアズ以下が更に好ましい。
なお、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の溶融粘度の調整方法としては、乾燥条件によって硬化度を変化させる方法、液状樹脂の配合比率を変化させる方法、無機充填材の粒子径、含有比率等を変化させる方法等が挙げられ、これらは2つ以上を組み合わせて実施してもよい。従って、これらの方法により、保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層の粘度調整を行い、保護樹脂組成物層の所定温度での溶融粘度が吸湿樹脂組成物層の所定温度での溶融粘度よりも低くなるようにする。
本発明のフィルムは、各種半導体素子(個別半導体、光半導体、ロジックIC、アナログIC、メモリ等)の封止構造の形成に適用できるが、中でも、有機EL素子の封止に特に好適に使用することができる。
〔有機ELデバイス製造方法〕
本発明のフィルムを用いて有機EL素子を封止し、有機ELデバイスを製造する方法を以下に説明する。デバイスの封止構造において、保護樹脂組成物層は素子形成基板の素子を被覆するように配置され、吸湿樹脂組成物層は保護樹脂組成物層の素子形成基板側の面とは反対側の面に配置される。本発明のフィルムの構成は、前述の通り、以下の6つの態様を含む。
(1)剥離系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層+保護フィルム
(2)封止系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層+保護フィルム、
(3)剥離系支持体+保護樹脂組成物層+吸湿樹脂組成物層+保護フィルム、
(4)剥離系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層
(5)封止系支持体+吸湿樹脂組成物層+保護樹脂組成物層
(6)剥離系支持体+保護樹脂組成物層+吸湿樹脂組成物層
(a)本発明のフィルムが(1)の構成の場合、まず保護フィルムを除去し、保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートする。その後、剥離系支持体を剥離し、露出した吸湿樹脂組成物層上に封止材料をラミネートし、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
(b)本発明のフィルムが(2)の構成の場合、まず保護フィルムを除去し、保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートし、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
(c)本発明のフィルムが(3)の構成の場合、まず保護フィルムを除去し、吸湿樹脂組成物層を封止材料にラミネートする。その後、剥離系支持体を剥離し、露出した保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートし、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
(d)本発明のフィルムが(4)の構成の場合、保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートする。その後、剥離系支持体を剥離し、露出した吸湿樹脂組成物層上に封止材料をラミネートし、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
(e)本発明のフィルムが(5)の構成の場合、保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートし、そのまま保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
(f)本発明のフィルムが(6)の構成の場合、吸湿樹脂組成物層を封止材料にラミネートし、その後、剥離系支持体を剥離し、露出した保護樹脂組成物層を有機EL素子が形成された透明基板上にラミネートして、保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層の熱硬化作業を行って、有機ELデバイスを製造することができる。
有機EL素子に対して、必要以上の熱履歴をかけないという観点から、(b)、(c)、(e)又は(f)の方法で有機ELデバイスを作製するのが好ましい。
なお、(a)、(c)、(d)及び(f)の方法において使用される封止材料は、本発明のフィルムとは別に用意される、封止構造を形成するための材料であり、当該封止材料としては、防湿性を有するプラスチックフィルム、銅箔、アルムニウム箔などの金属箔、ガラス板、金属板等が挙げられる。当該封止材料の厚みの上限は、有機ELデバイス自体を薄くかつ軽くするという観点から、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、更に好ましくは100μm以下である。また、封止材料の厚みの下限は、水分透過を防ぐ観点、有機ELデバイスの剛性の観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。封止材料は2枚またはそれ以上を貼り合わせて使用してもよく、その場合は貼り合わせ後の総厚が5μm以上、5mm以下の範囲内であるのが好ましい。
上記(a)〜(f)の方法において実施するラミネートの方法はバッチ式でも、ロールでの連続式でもよい。ラミネート条件は、減圧下で行うことができ、真空ラミネーター等を用いて行うことが好ましい。10−3(10hPa)MPa以下の減圧下、温度50〜130℃、圧力0.5〜10kgf/cmの条件でラミネートするのが好ましい。真空ラミネーターとしては、具体的には、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン社製のバキュームアップリケーター等が挙げられる。
保護樹脂組成物層及び吸湿樹脂組成物層を熱硬化する方法は特に制限はなく、公知のものを使用できる。具体的には、熱風循環式オーブン、赤外線ヒーター、ヒートガン、高周波誘導加熱装置、ヒートツールの圧着による加熱などが挙げられる。本発明のフィルムは極めて良好な低温硬化性を有しており、硬化温度の上限は140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、110℃以下が更に好ましい。一方、硬化物の接着性を確保するという観点から、硬化温度の下限は50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、硬化時間の上限は120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましい。一方、硬化物の硬化を確実に行うという観点から、硬化時間の下限は20分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。これによって、有機EL素子の熱劣化を極めて小さくすることができる。
なお、本発明の有機ELデバイスにおいて、透明基板上に有機EL素子が形成されている場合、透明基板側をディスプレイの表示面や照明器具の発光面にすれば、封止系支持体や封止材料には必ずしも透明材料を使用する必要はなく、金属板、金属箔、不透明のプラスチックフィルムまたは板等を使用してもよい。
以下、実施例と比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔使用材料〕
実験に用いた使用材料について説明する。
(A)エポキシ樹脂
・固形エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200H」:ジシクロペンタジエン型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量(278g/eq))
・ゴム微粒子分散液状エポキシ樹脂(日本触媒社製「BPA328」:一次粒子径が0.3umの2層構造のアクリル樹脂粒子がエポキシ当量185のビスフェノールA型エポキシ樹脂に17重量%含有してなる組成物。エポキシ当量(230g/eq))
・液状エポキシ樹脂(日本化薬社製「GOT」:オルソトルイジンジグリシジルアミン、エポキシ当量(135g/eq))
(B)フェノキシ樹脂
・ジャパンエポキシレジン社製「YL7213−35M」(重量平均分子量35000)の固形分35重量%のMEK溶液
(C)硬化剤
・エポキシ樹脂用潜在性硬化促進剤(サンアプロ社製「U−CAT3502T」)
・イオン液体硬化剤(「TBP/N−Ac−gly」、N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩)
(D)吸湿性金属酸化物
・焼成ドロマイト:吉澤石灰社製「軽焼ドロマイト」を湿式粉砕したもののMEKスラリー(固形分として40重量%、平均粒径:0.87μm)
(E)無機充填材
・タルク:日本タルク社製「D−600」を湿式粉砕したもののMEKスラリー(固形分として30重量%、平均粒径:0.72μm)
(F)表面処理剤
・ステアリン酸
(G)カップリング剤
・シランカップリング剤:信越化学社製「KBM−403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
〔測定方法〕
次に、測定方法について説明する。
[支持体と樹脂組成物層間の接着力]
アルミニウム箔(幅50mm、長さ50mm、厚み50μm)を2枚用意し、1枚目のアルミニウム箔の片面に、基材上にある樹脂組成物層(幅40mm、長さ50mm)を重ね合わせて、真空ラミネーターにより、温度80℃、圧力1kgf/cm(9.8×10Pa)の条件でラミネートした。そして、基材を剥離し、露出した樹脂組成物層上に2枚目のアルミニウム箔を重ねて同じ条件にてラミネートを行い、アルミニウム箔、樹脂組成物層、アルミニウム箔の3層構造の試験片を作成した。この試験片を110℃、30分の条件で加熱硬化後、幅10mm、長さ50mmの矩形の試験片にカットし、JIS K―6854のT型剥離試験方法に準拠して、試験片の長手方向の接着力(剥離力)を測定した。
〔評価方法〕
次に、評価方法について説明する。
[耐透湿性の評価]
有機ELデバイスを60℃/90%RH恒温環境に1000時間曝し、フィルムの耐透湿性を評価した。フィルムの耐透湿性は有機EL素子発光部に生じる発光面積の収縮(シュリンク)及びDS(ダークスポット)の状態から判定し、初期(0時間)と1000時間後の輝度の相対変化率を評価した。すなわち、シュリンクやDSが多く発生すると発光面積が減少して発光部の輝度が増大し、欠陥のない初期状態の輝度に対する相対変化率が大きくなる。また、輝度は定電流駆動(15mA)にて2点測定し、平均値を算出した。評価として、相対変化率が1.1未満である場合は○とし、1.1以上である場合は×とした。
[素子の耐損傷性の評価]
有機EL素子の損傷の度合いを駆動電圧3Vにおける暗電流値にて評価した。評価として、暗電流値が0.2μA未満の場合は○とし、0.2μA以上の場合は×とした。
次に示す手順にて下記の表1に示す配合組成の硬化性樹脂組成物ワニスA〜Eを調製した。なお、表1に示す各材料の配合量の数値は重量部である。
(製造例1)
固形エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200H」)をフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YL7213−35M」の固形分35重量%のMEK溶液)に溶解させた混合溶解物を作成し、その混合溶解物に、ゴム微粒子分散液状エポキシ樹脂(日本触媒社製「BPA328」)と、液状エポキシ樹脂(日本化薬社製「GOT」)と、エポキシ樹脂用潜在性硬化促進剤(サンアプロ社製「U−CAT3502T」)と、シランカップリング剤(信越化学社製「KBM−403」)と、イオン液体硬化剤(N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩)と、MEKを添加して高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニスAを得た。
(製造例2)
固形エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200H」)をフェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「YL7213−35M」の固形分35重量%のMEK溶液)に溶解させた混合物Aを作成した。一方、焼成ドロマイト(吉澤石灰社製を湿式粉砕したもの)のMEKスラリー(固形分として40重量%)にステアリン酸を添加分散し混合物Bを作成した。混合物A、混合物B、タルク(日本タルク社製「D−600」を湿式粉砕したもので、固形分30重量%のMEKスラリー)、ゴム微粒子分散液状エポキシ樹脂(日本触媒社製「BPA328」)と、エポキシ樹脂用潜在性硬化促進剤(サンアプロ社製「U−CAT3502T」)、液状エポキシ樹脂(日本化薬社製「GOT」)、シランカップリング剤(信越化学社製「KBM−403」)を配合し、アジホモミキサーロボミックス型混合攪拌機(プライミクス社製)にて混合した。これにイオン液体硬化剤(N−アセチルグリシンテトラブチルホスホニウム塩)を添加して高速回転ミキサーで均一に分散して、ワニスBを得た。
(製造例3)
タルク(日本タルク社製「D−600」を湿式粉砕したもので、固形分30重量%のMEKスラリー)を加えたこと以外は、製造例1でのワニスAと同様の方法により、下記表1の配合表に従い、ワニスCを調製した。
(製造例4)
製造例2でのワニスBと同様の方法により、下記表1の配合表に従い、ワニスDを調製した。
(製造例5)
製造例2でのワニスBと同様の方法により、下記表1の配合表に従い、ワニスEを調製した。
(試験例1〜3)
ワニスB、D、Eにより作製したそれぞれの樹脂組成物層について、支持体との接着力を測定した。結果を表2に示す。
表2の結果から、本発明のフィルムの樹脂組成物層中にタルクを配合することで、樹脂組成物層の支持体への接着力が大きく向上することが分かった。
(試験例4〜6)
ワニスAをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが10μmになるようダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、保護樹脂組成物層A1を得た。保護樹脂組成物層A1の100℃での溶融粘度は6170ポアズであった。
ワニスAをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが10μmになるようダイコーターにて均一に塗布し、60〜80℃で6分間乾燥させることにより、保護樹脂組成物層A2を得た。保護樹脂組成物層A2の100℃での溶融粘度は1030ポアズであった。
ワニスBをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが30μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、吸湿樹脂組成物層B1を得た。吸湿樹脂組成物層B1の100℃での溶融粘度は23700ポアズであった。
ワニスBをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが30μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜80℃で6分間乾燥させることにより、吸湿樹脂組成物層B2を得た。吸湿樹脂組成物層B2の100℃での溶融粘度は4460ポアズであった。
表3に示した組合せで、PETフィルム付き保護樹脂組成物層とPETフィルム付き吸湿樹脂組成物層とを、保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層を向かい合わせて真空ラミネーターにより、温度100℃、圧力1Kg/cm(9.8×10Pa)の条件でラミネートして、支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有するフィルム(試験例4〜6)を作製した。その後、作製したそれぞれのフィルムの断面における保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層の境界付近をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した(倍率2000倍)。図2は試験例4のフィルム断面のSEM写真、図3は試験例5のフィルム断面のSEM写真、図4は試験例6のフィルム断面のSEM写真である。
フィルム中の吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層の溶融粘度の差(吸湿樹脂組成物層の溶融粘度−保護樹脂組成物層の溶融粘度)は、試験例4のフィルムが17530ポアズ、試験例5のフィルムが3430ポアズ、試験例6のフィルムが−1710ポアズである。試験例4のフィルム(図2)では、吸湿樹脂組成物層(上層)と保護樹脂組成物層(下層)の界面が略水平になっており、吸湿樹脂組成物層(上層)から保護樹脂組成物層(下層)への吸湿性金属酸化物の移行は認められなかった。試験例5のフィルム(図3)も、吸湿樹脂組成物層(上層)から保護樹脂組成物層(下層)への吸湿性金属酸化物の移行は認められなかった。一方、試験例6のフィルム(図4)では、吸湿樹脂組成物層(上層)から保護樹脂組成物層(下層)への吸湿性金属酸化物(薄色の斑点)7の移行が認められた。
次に、以下の手順で有機ELデバイスを作製した。
〔有機ELデバイスの作成〕
(ITO基板および封止用ガラス板の洗浄)
ITO(インジウム・錫酸化物)基板および封止用ガラス板の洗浄は、それぞれ、クラス10000のクリーンルーム内と、クラス100のクリーンブース内にて行った。洗浄溶剤は半導体洗浄用洗剤および超純水(18MΩ以上、全有機炭素(TOC):10ppb未満)を用い、超音波洗浄機とUV洗浄機を用いた。
(蒸着プロセス)
真空度が1〜2×10−4Pa、蒸着速度が1.0〜2.0Å/sにて、30mm角(縦30mm×横30mm)、0.7mm厚のガラス基盤上に、Glass/SiO[53nm]/ITO[55nm]/PEDOT・PSS[40nm]/α−NPD[50nm]/Alq[50nm]/LiF[0.8nm]/Al[15nm]の構成にて各層を蒸着し有機EL素子を作製した。発光部面積は10×10mmである。
なお、「PEDOT・PSS」は、(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))・(ポリスチレンスルホン酸)の略称、「α−NPD」は(ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン)の略称、「Alq」はトリス(8−キノリノラト)アルミニウムの略称である。
(有機EL素子の封止)
まず、本発明のフィルムを封止材料であるガラス板(21mm×28mm、0.7mm厚)にラミネートした。ラミネートはクラス100のクリーンブース内で、80℃、減圧(1×10−3MPa以下)吸引20秒、プレス20秒の条件で真空プレスすることにより行った。
次に、支持体を剥離し、かかるガラス板に露出された樹脂組成物層を、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下のグローブボックス内で、80℃、0.04MPa荷重下、減圧(1×10−3MPa以下)吸引20秒、プレス20秒の条件で、有機EL素子形成基板に向けて真空プレスした。
その後、グローブボックス内で、110℃のホットプレート上で30分間加熱して本発明のフィルムを熱硬化させた。
なお、上記樹脂組成物層は保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層を積層したものであり、封止材料であるガラス板へのラミネートは吸湿樹脂組成物層をガラス板に圧着し、有機EL素子形成基板へのラミネートは保護樹脂組成物層を有機EL素子形成基板に圧着させた。
(実施例1)
ワニスAをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが10μmになるようダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、保護樹脂組成物層を得た。
同様に、ワニスBをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが30μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、吸湿樹脂組成物層を得た。
PETフィルム付き保護樹脂組成物層とPETフィルム付き吸湿樹脂組成物層を、保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層を向かい合わせて真空ラミネーターにより、温度80℃、圧力1Kg/cm(9.8×10Pa)の条件でラミネートして、本発明のフィルムを作製した。なお、保護樹脂組成物層の80℃での溶融粘度は27500ポアズ、吸湿樹脂組成物層の80℃での溶融粘度は63400ポアズであった。次に、当該フィルムの吸湿樹脂組成物層側のPETフィルムを剥離し、吸湿樹脂組成物層を封止材料であるガラス板にラミネート後、保護樹脂組成物層側のPETフィルムを剥離し、保護樹脂組成物層を有機EL素子を有するガラス板にラミネートして、有機ELデバイスを作製した。
図1(a)は作製された有機ELデバイスの横断面を模式的に示した図であり、有機EL素子4が形成された基板5の有機EL素子4の形成面に保護樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物非含有)3、吸湿樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物含有)2及び封止材料(ガラス板)1がこの順に積層されている。
(比較例1)
ワニスBを、アルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を得た。このPETフィルム付き樹脂組成物層を封止材料であるガラス板にラミネートした後、PETフィルムを剥離し、樹脂組成物層を有機EL素子を有するガラス板にラミネートして、有機ELデバイスを作製した。
図1(b)は作製された有機ELデバイスの横断面を模式的に示した図であり、有機EL素子4が形成された基板5の有機EL素子4の形成面に樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物含有)2及び封止材料(ガラス板)1がこの順に積層されている。
(比較例2)
ワニスAを、アルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を得た。このPETフィルム付き樹脂組成物層を封止材料であるガラス板にラミネートした後、PETフィルムを剥離し、樹脂組成物層を有機EL素子を有するガラス板にラミネートして、有機ELデバイスを作製した。
図1(c)は作製された有機ELデバイスの横断面を模式的に示した図であり、有機EL素子4が形成された基板5の有機EL素子4の形成面に樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物非含有)3及び封止材料(ガラス板)1がこの順に積層されている。
(比較例3)
ワニスBの代わりにワニスCを用いること以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。このフィルムのワニスC由来の樹脂組成物層側のPETフィルムを剥離し、該樹脂組成物層を封止材料であるガラス板にラミネート後、ワニスA由来の樹脂組成物層側のPETフィルムを剥離し、該樹脂組成物層を有機EL素子を有するガラス板にラミネートして、有機ELデバイスを作製した。
図1(d)は作製された有機ELデバイスの横断面を模式的に示した図であり、有機EL素子4が形成された基板5の有機EL素子4の形成面に樹脂組成物層(無機充填剤、吸湿性金属酸化物非含有)3、樹脂組成物層(無機充填剤含有、吸湿性金属酸化物非含有)6及び封止材料(ガラス板)1がこの順に積層されている。
(比較例4)
ワニスCを、アルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmになるようにダイコーターにて均一に塗布し、60〜95℃で12分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を得た。このPETフィルム付き樹脂組成物層を封止材料であるガラス板にラミネートした後、PETフィルムを剥離し、樹脂組成物層を有機EL素子を有するガラス板にラミネートして、有機ELデバイスを作製した。
図1(e)は作製された有機ELデバイスの横断面を模式的に示した図であり、有機EL素子4が形成された基板5の有機EL素子4の形成面に樹脂組成物層(無機充填剤含有、吸湿性金属酸化物非含有)6及び封止材料(ガラス板)1がこの順に積層されている。
実施例1、比較例1〜4の有機ELデバイスについて、性能評価結果を表4に示す。
Figure 2011016408
Figure 2011016408
Figure 2011016408
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実施例1から、本発明のフィルムを使用することで、有機EL素子の損傷を軽減しつつ、有機EL素子の水分からの隔絶が高いレベルで達成される有機EL素子の封止構造を簡単に形成できることが分かる。また、実施例1では、吸湿樹脂組成物層及び保護樹脂組成物層が低温で硬化して有機EL素子が封止されるので、封止作業における有機EL素子の損傷だけでなく、有機EL素子の熱劣化も十分に抑制され、高信頼性の有機EL素子デバイスを得ることができた。
一方、比較例1は、吸湿性金属酸化物を多く含有しており、有機EL素子を損傷させてしまった。また、比較例2、3、4は、吸湿性金属酸化物を含有していないため、有機EL素子が水分によってダメージを受けてしまった。なお、比較例4は、タルクを含有しているが平板状の充填剤のために移行しにくく、素子の耐損傷性は保持された。
支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有するフィルムにより、耐透湿性と素子の耐損傷性を併せ持ったフィルムを実現でき、かかるフィルムによって、高信頼性の有機ELデバイスを提供できるようになった。
本出願は日本で出願された特願2009−182827を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含される。

Claims (6)

  1. 支持体と保護樹脂組成物層と吸湿樹脂組成物層とを有することを特徴とする、フィルム。
  2. 吸湿樹脂組成物層が、吸湿性金属酸化物を含有することを特徴とする、請求項1記載のフィルム。
  3. 吸湿樹脂組成物層が、無機充填剤(但し、吸湿性金属酸化物を除く)を含有することを特徴とする、請求項1または2記載のフィルム。
  4. 保護樹脂組成物層が、無機充填剤(但し、吸湿性金属酸化物を除く)を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 40℃〜130℃の範囲に設定されたラミネート温度において、吸湿樹脂組成物層と保護樹脂組成物層の溶融粘度の差(吸湿樹脂組成物層の溶融粘度−保護樹脂組成物層の溶融粘度)が300ポアズ〜1000000ポアズであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルムを有することを特徴とする、有機ELデバイス。
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