JP2017027941A - 封止用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止後のアウトガス発生量による有機EL素子の劣化を抑制し得る、封止用樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)ポリオレフィン系樹脂及び(B)石油樹脂を含有する封止用樹脂組成物であって、前記(B)石油樹脂中の分子量300以下の樹脂成分が、標準ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析に基づくピーク面積比率で5%以下である、封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は封止用樹脂組成物に関し、特に有機EL素子の封止等に好適に使用できる、封止用樹脂組成物に関する。
有機EL(Electroluminescence)素子は発光材料に有機物質を使用した発光素子であり、低電圧で高輝度の発光を得ることができる近年脚光を浴びている素材である。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、有機材料自体が水分によって変質して、輝度が低下したり、発光しなくなったり、電極と有機EL層との界面が水分の影響で剥離したり、金属が酸化して高抵抗化してしまったりする問題があった。
熱硬化樹脂組成物を全面封止材料として使用する場合、硬化前の材料粘度が低いことから積層作業が容易であることや、熱硬化後の硬化物の耐透湿性が高いことが利点として挙げられる。しかし、その一方で、熱硬化時の加熱温度によって有機EL素子が劣化するという問題がある。また、従来の缶封止構造では脱水を目的として封止空間内に組み込まれるゲッター剤層によって光が遮断されるため、封止面側からの光取出しの効率が悪い欠点があるが、樹脂組成物で全面封止する構造では封止面側からの発光が効率よく取り出せる利点が挙げられる。
このような有機EL素子等の電子部品の熱劣化の問題を回避するのに適した封止材料としては、ポリイソブチレン等のポリオレフィンやポリオレフィン系共重合体と、粘着付与剤を含有する樹脂組成物などが知られている(特許文献1、特許文献2)。粘着付与剤はタッキファイヤーとも呼ばれ、熱可塑性樹脂に配合して粘着性を付与する樹脂類が一般的に用いられる。特に石油樹脂は透明性に優れるため、有機EL素子の封止材料に用いるのに好適である。
国際公開2011−62167号パンフレット 国際公開2013−108731号パンフレット
一方、本発明者らの知見によれば、このようなポリオレフィン系樹脂と石油樹脂を含む封止材料で、有機EL素子等の電子部品を封止した場合に、アウトガスの発生により有機EL素子等の劣化の要因となり得ることが見いだされた。本発明者らは本問題を解決すべく鋭意検討した結果、石油樹脂に含まれる予め低分子成分を除去した石油樹脂を使用することにより、上記問題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の態様を含む。
[1](A)ポリオレフィン系樹脂及び(B)石油樹脂を含有する封止用樹脂組成物であって、前記(B)石油樹脂中の分子量300以下の樹脂成分が、標準ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析に基づくピーク面積比率で5%以下である、封止用樹脂組成物。
[2](B)石油樹脂が、脂環族系石油樹脂である、上記[1]記載の封止用樹脂組成物。
[3](B)石油樹脂が、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂又はジシクロペンタジエン系水素化石油樹脂である、上記[1]又は[2]記載の封止用樹脂組成物。
[4](B)石油樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5〜60質量%である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
[5](A)ポリオレフィン系樹脂が、酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂及び/又はエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
[6](A)ポリオレフィン系樹脂における、酸無水物基及びエポキシ基の官能基濃度が0.05〜10mmol/gである上記[5]記載の封止用樹脂組成物。
[7](A)ポリオレフィン系樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜80質量%である上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
[8]有機EL素子の封止用である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の封止用樹脂組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする封止用樹脂組成物シート。
[10]有機EL素子の封止用である上記[9]記載の封止用樹脂組成物シート。
[11]上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物で有機EL素子が封止された有機ELデバイス。
本発明の封止用樹脂組成物で有機EL素子を封止した場合、封止後のアウトガス発生量による有機EL素子の劣化が抑制され、信頼性の高い有機ELデバイスの提供が可能となることが分かる。
本発明の封止用樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」とも略称する)は、(A)ポリオレフィン系樹脂及び(B)石油樹脂を含有することを特徴とする。
<(A)ポリオレフィン系樹脂>
本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、オレフィンモノマー由来の骨格を有するものであれば特に限定されない(公知のものとしては、例えば、WO2011−62167、WO2013−108731等参照)。ポリオレフィン系樹脂としては、特にポリブテン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂が好ましい。これらポリオレフィン系樹脂はランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体であってもよい。共重合体としては、特定のオレフィンに対して、他のオレフィン、非共役ジエン、スチレン等との任意の共重合体が挙げられる。例えば、好ましい例として、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピレン‐非共役ジエン共重合体、プロピレン‐ブテン共重合体、プロピレン‐ブテン‐非共役ジエン共重合体、スチレン‐イソブチレン共重合体、スチレン‐イソブチレン‐スチレン共重合体等が挙げられる。
(A)ポリオレフィン系樹脂は、接着性、接着湿熱耐性等の優れた物性を付与する観点から、酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂、エポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂が好ましい。酸無水物基としては、例えば、無水コハク酸基、無水マレイン酸基、無水グルタル酸基等が挙げられる。酸無水物基は1種または2種以上を有することができる。酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、酸無水物基を有する不飽和化合物でポリオレフィン系樹脂をラジカル反応条件下にて、グラフト変性することで得られる。また、酸無水物基を有する不飽和化合物をオレフィン等とともにラジカル共重合するようにしてもよい。同様に、エポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽和化合物で、ポリオレフィン系樹脂をラジカル反応条件下にて、グラフト変性することで得られる。また、エポキシ基を有する不飽和化合物を、オレフィン等とともにラジカル共重合するようにしてもよい。(A)成分は1種または2種以上を使用でき、酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂とエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂とを併用するのが好ましい。
(A)ポリオレフィン系樹脂(1種または2種以上)における、酸無水物基及びエポキシ基(酸無水物基のみ存在する場合、またはエポキシ基のみ存在する場合を含む)の官能基濃度は、0.05〜10mmol/gが好ましく、0.1〜5mmol/gがより好ましい。酸無水物基の官能基濃度はJIS K 2501の記載に従い、樹脂1g中に存在する酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数として定義される酸価の値より得られる。また、エポキシ基の官能基濃度はJIS K 7236−1995に基づいて得られるエポキシ当量から求められる。
(A)ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は特に限定はされないが、樹脂組成物のワニスの良好な塗工性と樹脂組成物における他の成分との良好な相溶性をもたらすという観点から、500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、150,000以下が更に好ましい。一方、樹脂組成物のワニスの塗工時のハジキを防止し、形成される樹脂組成物層の耐透湿性を発現させ、機械強度を向上させるという観点から、10,000以上が好ましく、30,000以上がより好ましく、50,000以上が更に好ましい。なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として社島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてトルエン等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
本発明の樹脂組成物中の成分(A)ポリオレフィン系樹脂の含有量は特に制限はないが、良好な塗工性と相溶性をもたらし、良好な湿熱耐性と取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。一方、耐透湿性を向上させ、透明性も向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましい。
(A)ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えばポリイソブチレン樹脂として、オパノールB100(BASF社製:粘度平均分子量1,110,000)、B50SF(BASF社製:粘度平均分子量400,000)、HV−300M(新日本石油社製:無水マレイン酸基含有液状ポリイソブチレン(HV−300:数平均分子量1400の変性品)、官能基数:3.2個/1分子、酸価:43.4mgKOH/g)、スチレン-イソブチレン系共重合樹脂として、SIBSTAR T102(カネカ社製:スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体、数平均分子量100,000、スチレン含量:30%)、T−YP757B(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、数平均分子量100,000)、T−YP766(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体、エポキシ基濃度0.638mmol/g、数平均分子量100,000)、T−YP8920(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g)、T−YP8930(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有スチレン−イソブチレン-スチレン共重合体、エポキシ基濃度0.638mmol/g)等が挙げられる。また、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂として、EPT X−3012P(三井化学社製:エチレン-プロピレン-5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体)、EPT1070(三井化学社製:エチレン-プロピレン-ジシクロペンタジエン共重合体)、タフマーA4085(三井化学社製:エチレン-ブテン共重合体)、T−YP429(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン単位/メチルメタクリレート単位=68%/32%、無水マレイン酸基濃度0.46mmol/g、共重合体の数平均分子量2300)、T−YP430(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン単位/メチルメタクリレート単位=68%/32%、無水マレイン酸基濃度1.18mmol/g、共重合体の数平均分子量4500)、T−YP431(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エポキシ基濃度0.64mmol/g、数平均分子量2400)、T−YP432(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エポキシ基濃度1.63mmol/g、数平均分子量3100)、T−YP276(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有プロピレン‐ブテン共重合体、プロピレン単位/ブテン単位=64質量%/36質量%、エポキシ基濃度0.638mmol/g、数平均分子量57,000)、T−YP279(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有プロピレン‐ブテン共重合体、プロピレン単位/ブテン単位=64質量%/36質量%、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、数平均分子量35,000)、T−YP312(星光PMC社製:無水マレイン酸基含有プロピレン‐ブテン共重合体、プロピレン単位/ブテン単位=71質量%/29質量%、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、数平均分子量60,900)、T−YP313(星光PMC社製:グリシジルメタクリレート基含有プロピレン‐ブテン共重合体、プロピレン単位/ブテン単位=71質量%/29質量%、エポキシ基濃度0.638mmol/g、数平均分子量155,000)等が挙げられる。
<(B)石油樹脂>
本発明において使用される(B)石油樹脂(以下、「(B)成分」とも略称する)は、粘着付与剤(タッキファイヤー)として樹脂組成物に粘着性を付与する機能を有する。石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂等が挙げられる。なかでも、樹脂組成物の接着性、耐透湿性、相溶性等の観点から、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂がより好ましい。また透明性を良好にする観点から、脂環族系石油樹脂が特に好ましい。脂環族系石油樹脂は芳香族系石油樹脂を水素添加処理したものを用いることもできる。この場合、脂環族系石油樹脂の水素化率は30〜99%が好ましく、40〜97%がより好ましく、50〜90%が更に好ましい。水素化率が低すぎると、着色により透明性が低下する問題が生じる傾向にあり、水素化率が高すぎると生産コストが上昇する傾向となる。水素化率は水添前と水素添加後の芳香環の水素の1H−NMRのピーク強度の比から求めることができる。脂環族系石油樹脂としては、特にシクロヘキサン環含有水素化石油樹脂、ジシクロペンタジエン系水素化石油樹脂が好ましい。石油樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。石油樹脂の数平均分子量Mnは300〜2000が好ましく、700〜1500がより好ましく、500〜1000が更に好ましい。
本発明において、石油樹脂は分子量300以下の樹脂成分を低減化したものを用いる。具体的には、標準ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析に基づくピーク面積比率で、石油樹脂中の分子量300以下の樹脂成分が5%以下、好ましくは3%以下の石油樹脂を用いる。すなわちここで言う石油樹脂の分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析におけるピーク値を標準ポリスチレンを用いて換算して得られる分子量を意味する。石油樹脂における分子量300以下の樹脂成分を低減化する方法としては、蒸留、抽出等の公知の精製方法を使用することができる(例えば特開昭61−46024等参照)。
石油樹脂中の分子量300以下の樹脂成分の割合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により求める。具体的には、以下のようにして測定した。石油樹脂の試料4mgにTHF4mLを加え、溶解した溶液を0.50μmのメンブランフィルターで濾過し、測定試料とした。GPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)に測定試料50μLを注入し、カラム温度40℃、測定時間30分の条件で測定を行った。測定カラムには東ソー社TSK guard column Super H−H×1本+TSK gel Super HM−M×2本+TSK gel Super H2000×1本をこの順番で直列に配置して使用した。移動相にはテトラヒドロフラン(流量0.6mL/分)、検出器には示差屈折率計(東ソー製HLC−8120GPCに内蔵、タングステンランプ使用)、標準物質には分子量既知単分散標準ポリスチレンを使用した。標準物質を用いて作成した検量線に基づき分子量分布データ(GPCチャート)を得た。面積比率(%)は、以下のようにして求めた。すなわち、上記GPCチャートが印刷された紙の石油樹脂のピークエリア部分において、分子量300の部分を境に該ピークエリア部分をハサミで切り分け、分子量300以下の部分と300を超える部分の2つの紙片とし、各紙片の重量を測定して、2つの合計重量に対する分子量300以下の部分の重量の重量比率を面積比率(%)とした。
(B)成分の軟化点は、樹脂組成物シートの積層工程でシートが軟化し、かつ所望の耐熱性を持つという観点から、50〜200℃が好ましく、90〜180℃がより好ましく、100〜150℃が更に好ましい。なお、軟化点の測定は、JIS K2207に従い環球法により測定される。
樹脂組成物中の(B)成分の含有量は特に制限はないが、良好な耐透湿性を維持するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。一方、十分な接着性を有するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。
精製して使用できる石油樹脂の市販品としては、芳香族系石油樹脂としてENDEX155(イーストマン社製)等が挙げられ、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂としてQuintoneD100(日本ゼオン社製)等が挙げられ、脂環族系石油樹脂として、Escorez5300シリーズ、5600シリーズ(いずれもエクソンモービル社製)、Quintone1325、Quintone1345(いずれも日本ゼオン社製)、アルコンP100,アルコンP125、アルコンP140(いずれも荒川化学社製)などが挙げられる。また低分子成分を低減化した石油樹脂の市販品としては、TFS13−030(荒川化学社製)(シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂)が挙げられる。
<(C)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物のタックの抑制や、他の諸物性の安定性の観点から、更に(C)エポキシ樹脂(以下、「(C)成分」とも略称する)を含有させてもよい。(C)成分としては、特に限定されるものではなく、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコール骨格含有エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、及びアルコール類のジグリシジルエーテル化物、並びにこれらのエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物及び水素添加物等が挙げられる。(C)成分は1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
(C)成分は、これらの中でも、本発明の樹脂組成物の耐熱性向上、優れた耐透湿性を保つという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール骨格含有エポキシ樹脂等が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール骨格含有エポキシ樹脂が特に好ましい。
(C)成分として使用できる市販品としては、ジャパンエポキシレジン社製「828EL」(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、DIC社製「HP4032」、「HP4032D」(いずれもナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、DIC社製「HP4700」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、DIC社製「HP7200シリーズ」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、東都化成社製「ESN−475V」「ESN−185V」(いずれもナフトール型エポキシ樹脂)、ダイセル化学工業社製「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、日本化薬社製「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3100」、「NC3000」、「NC3000FH−75M」(いずれもビフェニル型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製「YX4000」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン社製「YX8800」(アントラセン骨格含有型エポキシ樹脂)、DIC社製「EPICLON EXA4850−1000」(ポリプロピレングリコール骨格含有エポキシ樹脂)、などが挙げられる。
(C)成分は、液状であっても、固体状であってもよく、液状物と固体状物の両方を用いてもよい。ここで、「液状」及び「固体状」とは、室温(25℃)でのエポキシ樹脂の状態である。樹脂組成物のタックを抑制せしめる効果が保たれる限り、液状エポキシ樹脂と固形状エポキシ樹脂とはいかなる比率で使用してもよい。また、(C)成分は、良好な耐透湿性を維持し、タックを抑えるという点から、エポキシ当量が100〜1500g/eqの範囲が好ましく、150〜1000g/eqの範囲がより好ましく、200〜800g/eqの範囲が更に好ましい。なお、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K 7236に規定された方法に従って測定される。
(C)成分は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。樹脂組成物中の(C)成分の含有量は特に制限はないが、良好な耐透湿性を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、8質量%以下が更に一層好ましく、6質量%以下が殊更好ましい。一方、良好な取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.1質量以上%が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましく、2質量%以上が更に一層好ましい。
<(D)硬化剤>
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物の硬化性能を向上させる観点から、更に(D)硬化剤(以下、「(D)成分」とも略称する)を含有させてもよい。(D)成分としては、特に限定はされないが、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスホニウム系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
アミン系硬化剤としては、特に制限はないが、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩;DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5)、DBU−フェノール塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU−フェノールノボラック樹脂塩等のジアザビシクロ化合物;ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール等の3級アミンおよびそれらの塩、芳香族ジメチルウレア、脂肪族ジメチルウレア、芳香族ジメチルウレア等のジメチルウレア化合物;等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
グアニジン系硬化剤としては、特に制限はないが、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1\-n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
イミダゾール系硬化剤としては、特に制限はないが、1H−イミダゾール、2−メチル−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)−イミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−イミダゾール、2−ドデシル−イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチル−イミダゾール等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
ホスホニウム系硬化剤としては、特に制限はないが、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
フェノール系硬化剤の種類は、特に制限はないが、MEH−7700、MEH−7810、MEH−7851(明和化成社製)、NHN、CBN、GPH(日本化薬社製)、SN170、SN180、SN190、SN475、SN485、SN495、SN375、SN395(東都化成社製)、TD2090(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤の具体例としては、LA3018(DIC社製)等が挙げられる。トリアジン骨格含有フェノールノボラック硬化剤の具体例としては、LA7052、LA7054、LA1356(DIC社製)等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物中の(D)成分の含有量は特に制限はないが、耐透湿性の低下を防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。一方、タックを抑制させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
<(E)吸湿性フィラー>
本発明の樹脂組成物は、耐透湿性をより向上させるために、さらに(E)吸湿性フィラー(以下、「(E)成分」とも略称する)を含有させることができる。ここで、「吸湿性フィラー」とは、水分を吸収する能力を有する無機充填材であり、例えば、吸湿した水分と化学反応して水酸化物になる吸湿性の金属酸化物などが挙げられる。具体的には、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム等から選ばれる1種か、又は、2種以上の混合物若しくは固溶物である。2種以上の混合物若しくは固溶物の例としては、具体的には、焼成ドロマイト(酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含む混合物)、焼成ハイドロタルサイト(酸化カルシウムと酸化アルミニウムの固溶物)等が挙げられる。中でも、吸湿性が高い点、コスト、原料の安定性の点から、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、焼成ハイドロタルサイトが好ましく、より好ましくは焼成ハイドロタルサイトである。焼成ハイドロタルサイトは、天然ハイドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)および合成ハイドロタルサイト(ハイドロタルサイト様化合物)を焼成して化学構造中のOH量を減少乃至消失させたものである。また、樹脂組成物の硬化体の透明性を向上させる観点から、BET比表面積65m2/g以上の焼成ハイドロタルサイトが特に好ましい。BET比表面積65m2/g以上の焼成ハイドロタルサイトは、BET比表面積が80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、BET比表面積が200m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましい。
吸湿性フィラーは、種々の技術分野において吸湿材として公知であり、市販品を使用することができる。具体的には、酸化カルシウム(三共製粉社製「モイストップ#10」等)、酸化マグネシウム(協和化学工業社製「キョーワマグMF−150」、「キョーワマグMF−30」、タテホ化学工業社製「ピュアマグFNMG」等)、軽焼酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製の「TATEHOMAG#500」、「TATEHOMAG#1000」、「TATEHOMAG#5000」等)、焼成ドロマイト(吉澤石灰社製「KT」等)、焼成ハイドロタルサイト(協和化学工業社製「DHT−4A」、DHT−4A−2、DHT−4C等)等が挙げられる。
吸湿性フィラーは、表面処理剤で表面処理したものを用いることができる。表面処理に使用する表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、アルキルシラン類、シランカップリング剤等を使用することができ、なかでも、高級脂肪酸、アルキルシラン類が好適である。表面処理剤は、1種または2種以上を使用できる。
高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの炭素数18以上の高級脂肪酸が挙げられ、中でも、ステアリン酸が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。アルキルシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び11−メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
吸湿性フィラーの表面処理は、例えば、未処理の吸湿性フィラーを混合機で常温にて攪拌分散させながら、表面処理剤を添加噴霧して5〜60分間攪拌することによって行なうことができる。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー及びコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。又、ボールミルなどで吸湿材を粉砕する際に、前記の高級脂肪酸、アルキルシラン類又はシランカップリング剤を混合し、表面処理する方法も可能である。表面処理剤の処理量は吸湿性フィラーの種類又は表面処理剤の種類等によっても異なるが、吸湿性フィラーに対して1〜10重量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、その含有量は特に限定されるものではないが、硬化物の強度が低下して脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%に対し、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。また、吸湿性フィラーを配合することの効果を十分得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
<(F)可塑剤>
本発明の樹脂組成物は、更に(F)可塑剤(以下、「(F)成分」とも略称する)を含有させることにより、樹脂組成物の柔軟性や成形性を向上させることができる。(F)成分としては、特に限定はされないが、室温で液状の材料が好適に用いられる。可塑剤の具体例としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ワセリン等の鉱物油、ヒマシ油、綿実油、菜種油、大豆油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油等の植物油、液状ポリブテン、水添液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン等の液状ポリαオレフィン類等が挙げられる。本発明に使用する可塑剤としては、液状ポリαオレフィン類が好ましく、特に液状ポリブタジエンが好ましい。また液状ポリαオレフィンとしては接着性の観点から分子量が低いものが好ましく、重量平均分子量で500〜5000、更には1000〜3000の範囲のものが好ましい。これら可塑剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、ここで「液状」とは、室温(25℃)での可塑剤の状態である。本発明の樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、有機EL素子への悪影響を及ぼさないという観点から、50質量%以下の範囲内で使用される。
<その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない程度に、上述した成分以外の各種添加剤を任意で含有させても良い。このような添加剤としては、例えば、シリカ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等の無機充填材;ゴム粒子、シリコーンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素樹脂パウダー等の有機充填剤;オルベン、ベントン等の増粘剤;シリコン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤;トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤;等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、混練ローラーや回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、半導体、太陽電池、高輝度LED、LCD、EL素子等の電子部品の封止に使用される。特に有機EL素子の封止に好適に使用され、具体的には、有機EL素子の発光部の上部及び/又は周囲(側部)に適用して有機EL素子の発光部を外部から保護するために用いることができる。
本発明の樹脂組成物を有機EL素子に適用する場合、樹脂組成物により形成される封止層の透明性は、分光光度計により測定することができる。透明性は有機EL素子の発光効率を向上させるという点で高いほど良い。具体的には、30μmの厚さの封止層において、450nmにおける平行線透過率が80%以上が好ましく、82%以上がより好ましく、84%以上が更に好ましく、86%以上が更に一層好ましく、88%以上が殊更好ましく、90%以上が特に好ましい。
<封止用シート>
本発明の封止用シートは、支持体上に本発明の樹脂組成物による樹脂組成物層が形成されたものである。樹脂組成物層は、当業者に公知の方法ですればよく、例えば、有機溶剤に本発明の樹脂組成物を溶解したワニスを調製し、支持体上に、ワニスを塗布、乾燥することで形成される。なお、樹脂組成物層はさらに加熱して硬化物としてもよい。有機溶剤の乾燥は熱風吹きつけ等によって行うことができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」とも略称する)、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等;ソルベントナフサ等の芳香族系混合溶剤を挙げることができる。芳香族系混合溶剤として「スワゾール」(丸善石油社製、商品名)、「イプゾール」(出光興産社製、商品名)が挙げられる。有機溶剤は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
乾燥条件は特に制限はないが、50〜100℃で1〜60分が好ましい。50℃以上とすることで、樹脂組成物層中に残存する溶剤量を低下させ易くなる。
本発明の封止用シートを用いて、素子(例えば、有機EL素子)の封止を行う場合、封止工程前に樹脂組成物層を予め熱硬化しても良いし、封止工程後に樹脂組成物層を熱硬化してもよい。素子(例えば、有機EL素子)の熱劣化を低減させるという観点から、封止工程前に予め熱硬化することが好ましい。
封止工程前に樹脂組成物層を熱硬化する場合は、硬化条件は特に制限はないが、硬化温度は、50〜200℃が好ましく、100〜180℃がより好ましく、120〜160℃が更に好ましい。硬化時間は、15〜120分が好ましく、30〜100分がより好ましい。
封止工程後に樹脂組成物層を熱硬化する場合は、素子(例えば、有機EL素子)の熱劣化を防止する観点から、硬化温度は、50〜150℃が好ましく、60〜100℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。
封止用シートにおける樹脂組成物層の厚みは、3μm〜200μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、5μm〜50μmが更に好ましい。
なお、後述のように、目的とする最終的な封止構造が、樹脂組成物層に封止基材が積層された構造の場合、水分が浸入し得る部分は樹脂組成物層の側部のみになるため、樹脂組成物層の層厚を薄くすることで、側部の外気と接触する面積が小さくなる。従って、樹脂組成物層の層厚を薄くすることが、水分を遮断する上で望ましい。しかし、樹脂組成物層の層厚が小さすぎると、封止基材を貼り合わせる際に素子にダメージを与える虞があり、また、封止基材を貼り合わせる際の作業性が低下する傾向にある。また、樹脂組成物層の厚みを上記の好適範囲とすることは、封止対象(例えば、有機EL素子等の素子が形成された基板)に樹脂組成物層を転写した後の樹脂組成物層の厚みの均一性を保つ上でも有効である。
封止用シートに使用する支持体としては、防湿性を有する支持体が好ましい。防湿性を有する支持体としては、防湿性を有するプラスチックフィルムや、銅箔、アルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。防湿性を有するプラスチックフィルムとしては、酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、SiCN、アモルファスシリコン等の無機物を表面に蒸着させたプラスチックフィルム等が挙げられる。ここで、表面に無機物が蒸着されるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックフィルムが好適であり、PETフィルムが特に好ましい。市販されている防湿性を有するプラスチックフィルムの例としては、テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズ(三菱樹脂社製)や、該テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズよりも更に防湿効果を高めたX−BARRIER(三菱樹脂社製)等が挙げられる。また、防湿性を有する支持体として、2層以上の複層構造を有するもの、例えば、上記のプラスチックフィルムと上記の金属箔とを接着剤を介して張り合わせたものも使用できる。このものは安価であり、ハンドリング性の観点からも有利である。なお、樹脂組成物シートの支持体には、防湿性を有しない支持体(例えば、上記の表面に無機物が蒸着されていないプラスチックフィルムの単体)も使用できる。
支持体の厚さは特に限定されないが、封止用シートの取り扱い性等の観点から、10〜150μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。
また、本発明の封止用シートは実際に封止構造の形成に使用する前までは、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止するために樹脂組成物層表面が保護フィルムで保護されているのが好ましく、保護フィルムとしては、上記の支持体で例示したプラスチックフィルムを用いることができる。保護フィルムは予めマット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。離型剤としては、具体的には、フッ素系離型剤、シリコン系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤等が挙げられる。離型剤は異なる種類のものを混合して用いてもよい。保護フィルムの厚さも特に制限されないが、1〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
本発明の封止用シートは、封止対象にラミネートして使用される。ここでいう、「ラミネート」は支持体を備えたままの封止用シートで封止対象が被覆された状態の他、封止対象が封止用シートから転写された樹脂組成物層で被覆された状態を含む。支持体が防湿性を有しない支持体(例えば、上記の表面に無機物が蒸着されていないプラスチックフィルムの単体)である封止用シートを使用する場合、封止対象に封止用シートをラミネートした後、支持体を剥離し(すなわち、樹脂組成物層を転写し)、その後、樹脂組成物層上に、別途、封止基材を積層するのが好ましい。特に、封止対象が有機EL素子が形成された基板(以下、「有機EL素子形成基板」ともいう)である場合、かかる封止基材を積層する態様が好ましい。なお、本発明でいう「封止基材」は、封止用シートに用いた防湿性を有する支持体を、それに樹脂組成物層を形成せずに、それ単体で使用するものである。また、封止用シートの支持体として使用するには不向きな、ガラス板、金属板、鋼板等の可とう性を有しないが、防湿性の高い板も「封止基材」に含まれる。
<有機ELデバイス>
本発明の有機ELデバイスは、本発明の樹脂組成物にて有機EL素子が封止されてなる。たとえば、有機EL素子を有する基板に本発明の封止用シートをラミネートすることで、本発明の有機ELデバイスが得られる。封止用シートが保護フィルムで保護されている場合はこれを剥離した後、樹脂組成物層が該基板に直接接するように、封止用シートを該基板上にラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。
封止用シートの支持体が防湿性を有する支持体である場合は、封止用シートを有機EL素子を有する基板上にラミネートした後、支持体を剥離せず、そのまま有機EL素子の封止工程が完了する。封止工程後に熱硬化が必要な場合は、熱硬化を行う。
一般的に、有機EL素子の封止用材料は、封止作業の前に乾燥させて、吸水した水分を除去することが必要であり、その作業が煩雑であるが、防湿性を有する支持体を使用した本発明の封止用シートは耐透湿性が高いため、保存時やデバイス製造作業時における吸水率も低い。また、封止作業時の有機EL素子に与えるダメージも著しく軽減される。
防湿性を有しない支持体を使用した封止用シートを使用する場合、有機EL素子を有する基板に封止用シートをラミネート後、支持体を剥離し、露出した樹脂組成物層に封止基材を圧着することで、有機EL素子の封止工程が完了する。封止基材は、防湿効果が上がるという観点から、2枚またはそれ以上を貼り合わせて使用してもよい。また、封止基材の厚みは有機ELデバイス自体を薄くかつ軽くするという観点から5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましくい。また、水分透過を防ぐ観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、20μm以上が更に好ましい。封止基材の圧着時の圧力は0.3〜10kgf/cm2程度が好適であり、加熱下に圧着する場合、25℃〜130℃が好適である。
有機EL素子を有する基板が透明基板上に有機EL素子が形成されたものである場合、透明基板側をディスプレイの表示面や照明器具の発光面にすれば、封止用シートの支持体には必ずしも透明材料を使用する必要はなく、金属板、金属箔、不透明のプラスチックフィルムまたは板等を使用してもよい。逆に有機EL素子を有する基板が有機EL素子が不透明または透明性の低い材料からなる基板上に形成されたものである場合、封止基材側をディスプレイの表示面や照明器具の発光面にする必要から、封止基材には、透明プラスチックフィルム、ガラス板、透明プラスチック板等が使用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
実施例及び比較例に用いた使用材料について説明する。
(A)ポリオレフィン系樹脂
・T−YP429(星光PMC社製):無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(エチレン単位/メチルメタクリレート単位=68%/32%、無水マレイン酸基濃度0.46mmol/g、共重合体の数平均分子量2300)
・T−YP430(星光PMC社製):無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(エチレン単位/メチルメタクリレート単位=68%/32%、無水マレイン酸基濃度1.18mmol/g、共重合体の数平均分子量4500)
・T−YP431(星光PMC社製):グリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(エポキシ基濃度0.64mmol/g、数平均分子量2400)
・T−YP432(星光PMC社製):グリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(エポキシ基濃度1.63mmol/g、数平均分子量3100)
・T−YP8920(星光PMC社製):無水マレイン酸基含有スチレン-イソブチレン−スチレン共重合体(無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g)
・T−YP8930(星光PMC社製):グリシジルメタクリレート基含有スチレン−イソブチレン-スチレン共重合体(エポキシ基濃度0.638mmol/g)
・T−YP312(星光PMC社製):無水マレイン酸基含有プロピレン−ブテン共重合体(プロピレン単位/ブテン単位=71質量%/29質量%、無水マレイン酸基濃度0.464mmol/g、共重合体の数平均分子量60,900)
・T−YP313(星光PMC社製):グリシジルメタクリレート基含有プロピレン−ブテン共重合体(プロピレン単位/ブテン単位=71質量%/29質量%、エポキシ基濃度0.638mmol/g、数平均分子量155,000)
・オパノールB100(BASF社製):ポリイソブチレン樹脂
(B)石油樹脂
・TFS13−030(荒川化学社製):シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂、軟化点125℃(分子量300以下 の樹脂成分2.53%)
・アルコンP125(荒川化学社製):シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂、軟化点125℃(分子量300以下の樹脂成分6.72%)
(C)硬化剤
・アニオン重合型硬化剤(2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、以下TAPと略記)
(D)溶剤
・スワゾール#1000(丸善石油社製):芳香族系混合溶剤
[測定方法・評価方法]
各種測定方法・評価方法について説明する。
<ガス発生量の評価>
樹脂組成物5mgをガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所製GCMS-QP2010)にセットした。130℃15分の加熱処理を行い、発生した気体成分を装置内のキャピラリーカラムで分離し、保持時間4分以上28分以内に検知されたガスのピーク面積を求めた。面積から重量への換算には130℃で全て気化するトルエン0.0865mgを130℃15分で処理した際に検知されたピーク面積(7258746)をもとに算出した。算出したガス量(mg)を測定に用いたサンプル量5mgで割り、ガス発生量(ppm)を求めた。
<有機ELデバイスへの適性評価>
樹脂組成物層厚20μmの封止用シート(長さ:25mm、幅:15mm)と有機EL素子(発光面積約4mmφ)を有する基板(横:25mm、縦:25mm)とをロールラミネーター(フジプラ社製「LPD2325」、ロールの材質:ゴム)を、ロール温度:90℃、ロール速度:360mm/分、ロール圧:0.2MPa、窒素雰囲気下の条件で使用することによって積層した。
封止用シートを積層した有機EL素子の電極にソースメジャーユニット(Agilent社製「B2912A」)を用いて電圧を印加した。電圧は−2Vから8Vまで0.2Vずつ印加し、その時の電流を計測した。電流値を発光面積で除したものを電流密度(mA/cm2)とし、電流密度―電圧特性を求めた。本評価で用いた有機EL素子は、正常であれば素子の電極に電圧を印可した際、約2.0V以上で電流が急峻に立ち上がる電気特性(電流密度−電圧特性)を示す。しかし封止用シート積層が素子に悪影響を及ぼす場合、素子内部にリークパスが発生し、2.0V未満でも高電流が流れ、素子特性が著しく低下する。そこで封止用シートのアウトガス成分が素子に及ぼす影響を判断するため、封止用シート積層時の有機EL素子の電気特性を以下の基準で評価した。低電圧領域の電流密度が低いほど、悪影響を及ぼすアウトガス成分は少なく、その封止用シートの特性が優れている。2.0V未満の電流密度が1.0×10-3mA/cm2未満の場合は○、2.0V未満の電流密度が1.0×10-2mA/cm2以上の場合は×とした。
<実施例1>
無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(T‐YP429、20%トルエン溶液)37部に、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液)35部を混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にグリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(T−YP431、20%トルエン溶液)27部と、アニオン重合型硬化促進剤(TAP)0.5部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスをシリコン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ30μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱硬化させることにより、樹脂組成物層厚20μmの封止用シートを得た。
<実施例2>
無水マレイン酸基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(T−YP430、20%トルエン溶液)37部に、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液)35部を混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にグリシジルメタクリレート基含有エチレン−メチルメタクリレート共重合体(T−YP432、20%トルエン溶液)27部と、アニオン重合型硬化促進剤(TAP)0.5部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスをシリコン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ30μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱硬化させることにより、樹脂組成物層厚20μmの封止用シートを得た。
<実施例3>
無水マレイン酸基含有スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(T−YP8920、40%スワゾール溶液)45部に、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液)50部を混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にグリシジルメタクリレート基含有スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(T−YP8930、40%スワゾール溶液)55部と、アニオン重合型硬化剤(TAP)1部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物層厚20μmの封止用シートを得た。
<実施例4>
無水マレイン酸基含有プロピレン‐ブテン共重合体(T−YP312、40%スワゾール溶液)28部に、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液)50部を混合し、高速回転ミキサーで混合して均一混合溶液を得た。この混合溶液にグリシジルメタクリレート基含有プロピレン‐ブテン共重合体(T−YP313、40%スワゾール溶液)21部と、アニオン重合型硬化促進剤(TAP)0.5部とを高速回転ミキサーで均一に混合し、ワニスを得た。得られたワニスをシリコン系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ30μm)の離型処理面上に、ダイコーターにて均一に塗布し、130℃で60分間加熱硬化させることにより、樹脂組成物層厚20μmの封止用シートを得た。
<実施例5>
ポリイソブチレン樹脂(オパノールB100、10%スワゾール溶液)100部に、シクロヘキサン環含水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液)50部を混合し、高速回転ミキサーで混合して、ワニスを得た。得られたワニスを用いて、実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物層厚20μmの封止用シートを得た。
<比較例1〜5>
シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(TFS13−030、60%トルエン溶液、分子量300以下 の樹脂成分2.53%)の代わりにシクロヘキサン環含有水素化石油樹脂(アルコンP125、60%トルエン溶液、分子量300以下の樹脂成分6.72%)を使用した以外は、実施例1〜5と同様にして封止用シートを得た。
結果を表1に示す。
Figure 2017027941
実施例の結果から、本発明の封止用樹脂組成物で有機EL素子を封止した場合、ガス発生量が抑制され、ガス発生に基づく有機EL素子の劣化が抑制され、信頼性の高い有機ELデバイスの提供が可能となることが分かる。
本発明の樹脂組成物は、素子を封止した場合に、封止体のガス発生量が抑制され、それによる素子の劣化を抑制できるため、半導体、太陽電池、高輝度LED、LCD、EL素子等の素子の封止に好適に使用され、特に有機EL素子の封止に好適に使用される。

Claims (11)

  1. (A)ポリオレフィン系樹脂及び(B)石油樹脂を含有する封止用樹脂組成物であって、前記(B)石油樹脂中の分子量300以下の樹脂成分が、標準ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析に基づくピーク面積比率で5%以下である、封止用樹脂組成物。
  2. (B)石油樹脂が、脂環族系石油樹脂である、請求項1記載の封止用樹脂組成物。
  3. (B)石油樹脂が、シクロヘキサン環含有水素化石油樹脂又はジシクロペンタジエン系水素化石油樹脂である、請求項1又は2記載の封止用樹脂組成物。
  4. (B)石油樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、5〜60質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  5. (A)ポリオレフィン系樹脂が、酸無水物基を有するポリオレフィン系樹脂及び/又はエポキシ基を有するポリオレフィン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  6. (A)ポリオレフィン系樹脂における、酸無水物基及びエポキシ基の官能基濃度が0.05〜10mmol/gである請求項5記載の封止用樹脂組成物。
  7. (A)ポリオレフィン系樹脂の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜80質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  8. 有機EL素子の封止用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物を含むことを特徴とする封止用樹脂組成物シート。
  10. 有機EL素子の封止用である請求項9記載の封止用樹脂組成物シート。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物で有機EL素子が封止された有機ELデバイス。
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