JPWO2011013273A1 - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
Description
上記従来の電動機ステータは、絶縁フィルムをスロット内に沿うように配置してティースとコイルとの絶縁を図るスロット絶縁と、コイル巻回後に巻線コイル間に挿入されて隣接する巻線コイル間の絶縁を図る相間絶縁とを有し、コイルや鉄心の絶縁を図っている。しかし、スロット絶縁や相間絶縁がフィルム状の絶縁体である場合には、その取り扱いや位置固定が難しく、例えばモータ運転中にスロット開口部から絶縁フィルムが漏れてくるといった問題がある。特に占積率向上のためにコイルをスロット開口部近辺まで巻回した場合にはこのような問題が顕著となる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、絶縁フィルムを確実に固定でき、スロットからの絶縁フィルム漏れを防止することができるステータを得ることを目的とする。
図1はこの発明の実施の形態1における回転電機のステータの構成を示す斜視図、図2は図1の断面図、図3は分割コアとインシュレータの構成を説明するための分解斜視図、図4は図1の一部拡大図、図5は分割コアにインシュレータを装着した状態の拡大斜視図、図6は図2の一部拡大図である。
分割コア2は、周方向に延在するバックヨーク部20と、バックヨーク部20の中央部から中心方向に突出するティース部21と、ティース部21の先端に位置するティース先端部22からなる。ティース先端部22はティース部21よりも周方向両側に突出した形状である。
インシュレータ3や絶縁フィルム4を介してコイル5が巻回された分割コア2は、バックヨーク部20の周方向端部同士が当接するように環状に配置され、隣接するティース部21間にスロット6を有するステータ1を形成している。
また、インシュレータ3の内周面、すなわちインシュレータ3の先端被覆部32の内周面は、ティース先端部22の内周面より径方向外側に少なくとも絶縁フィルム4の厚み分だけ下がっている。
まず図9に示すように、分割コア2、一対のインシュレータ3、絶縁フィルム4を準備する。絶縁フィルム4は、分割コア2の形状に合わせて折り曲げ加工されており、分割コア2の両側部に配置される部分がティース先端部22の内周側で繋がった形状をしている。このような絶縁フィルム4は一枚の直方体形状のフィルム状絶縁体を折り曲げることにより形成することができる。
ここで、相間絶縁部40の長さは、カットする前の絶縁フィルム4のティース先端部22の内周面側を覆う部分の長さや、カットする位置により決定される(図10、図11参照)。例えば図10等に示す場合より、絶縁フィルム4のティース先端部22内周面を覆う部分を長く設定し、図15に示すように、相間絶縁部40の端部がバックヨーク部20側の絶縁フィルム4と接触する構成としてもよい。このように、突出部33間に挟まれて固定された絶縁フィルム4の相間絶縁部40の端部が、バックヨーク部20側の絶縁フィルム4と接触する構成とすれば、確実にコイル5の相間を絶縁することができる。
また、図示はしないが、さらに相間絶縁部40の端部を伸ばし、例えばその端部をバックヨーク部20の内周面に沿わせて折り曲げることにより、バックヨーク部20側の絶縁フィルム4と相間絶縁部40の端部が重なるように構成してもよい。これにより、コイル5の相間絶縁をより確実にすることができる。
上記実施の形態1では各分割コアが互いに連結されていない構成であったが、本実施の形態2では隣接して配置される分割コアのバックヨーク部同士が薄肉部により連結された連結分割コアを使用している。また、上記実施の形態1では、各分割コア毎に絶縁フィルムが形成されていたが、本実施の形態2では隣接する分割コアに装着される絶縁フィルム同士が繋がるように形成されている。
以下、本実施の形態2について説明する。なお、上記実施の形態1と同様の部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図に示すように、連結分割コア2Aは、上記実施の形態1の分割コア2のバックヨーク部20同士が薄肉部23で連結された形状である。薄肉部23はバックヨーク部20側面の外周側に形成されており、この薄肉部23を屈曲することにより連結分割コア2Aを環状に配置する。なお、図16の例では連結分割コア2Aは3個の分割コア2を薄肉部23により連結しているが、必要に応じて分割コア2の連結数を調整すればよい。当然ながら、ステータ1を形成する分割コア2全てを連結してもよい。
なお、このような連結した形状の絶縁フィルム4Aは、隣接する分割コアが薄肉部23により連結された場合に限って使用されるものではない。例えば上記実施の形態1の各分割コア2が連結されていない場合にも使用することができる。例えば連結した形状の絶縁フィルム4Aに各分割コア2を順次装着して使用すればよい。
そして、上記実施の形態1と同様の組立工程により、図17に示すようなステータ1Aを形成する。隣接する分割コア2の絶縁フィルム同士はバックヨーク部20側内周側で繋がっている。
また、図19に示すように、さらに相間絶縁部40Aの端部を伸ばし、例えばその端部を突部41と重なるように構成してもよい。これにより、コイル5の相間絶縁をより確実にすることができる。
さらに、隣接する分割コア2に装着される絶縁フィルム4Aを連結して一体構成したため、部品点数を抑えることができるとともに、絶縁フィルム4Aの装着を一括で行うことができ、組立工程を効率化することができる。
なお、連結分割コア2Aに装着される絶縁フィルムは必ずしも連結した形状の絶縁フィルム4Aを使用する必要はなく、上記実施の形態1に記載の連結していない形状の絶縁フィルム4を使用してもよい。
図20は実施の形態2の別例の分割コアの構成を説明するための斜視図である。図に示すように関節部24は、隣接して配置される分割コア2のバックヨーク部20同士が交互に重なりピン等で固定されることにより形成されている。関節部24により連結された連
結分割コア2Bを回動させることで各分割コア2を容易に環状に配置することができる。
Claims (8)
- 周方向に延在するバックヨーク部と、上記バックヨーク部の中央部から中心方向に突出したティース部と、上記ティース部の先端に位置するティース先端部とからなる複数の分割コアを環状に配置して構成される回転電機のステータであって、
上記分割コアの軸方向両端面に配置される一対のインシュレータと、上記ティース部両側面に装着され上記ティース部に巻回されるコイルと上記分割コアとを絶縁する絶縁フィルムとを備え、
上記インシュレータは、上記ティース先端部より周方向に突出する突出部と、上記突出部の上記ティース先端部軸方向端面側に設けられ上記絶縁フィルムが差し込まれるスリットと、上記突出部周方向端面側に形成されるリブとを備え、
上記スリットに差し込まれた上記絶縁フィルムは上記リブを挟んで上記バックヨーク部側に折り返され、隣接する上記リブ間に挟まれて固定される回転電機のステータ。 - 上記インシュレータのリブの内周面は、上記インシュレータの内周面より径方向外側に少なくとも上記絶縁フィルムの厚み分下がっている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記インシュレータの内周面は、上記ティース先端部の内周面より径方向外側に少なくとも上記絶縁フィルムの厚み分下がっている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記インシュレータのリブの内周面は、上記インシュレータの内周面より径方向外側に少なくとも上記絶縁フィルムの厚み分下がっており、且つ上記インシュレータの内周面は、上記ティース先端部の内周面より径方向外側に少なくとも上記絶縁フィルムの厚み分下がっている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記インシュレータの突出部間に挟まれて固定された上記絶縁フィルムの端部が、上記バックヨーク部側の絶縁フィルムと接触している請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記絶縁フィルムは、隣り合って配置される分割コアの絶縁フィルムと上記バックヨーク部の内周側で繋がっている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記分割コアのバックヨーク部は、隣り合って配置される分割コアのバックヨーク部と薄肉部により連結されている請求項1に記載の回転電機のステータ。
- 上記分割コアのバックヨーク部は、隣り合って配置される分割コアのバックヨーク部と回動可能な関節部により連結されている請求項1に記載の回転電機のステータ。
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