JPWO2011010658A1 - 水圧転写方法及び水圧転写品 - Google Patents

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Abstract

乾燥状態の印刷パターン22に紫外線硬化樹脂組成物30を塗布し浸透してこの印刷パターン22の付着性を再現した後、この印刷パターン22を物品10の表面に水圧転写して物品10の表面に装飾層22Dを形成し、その後、この装飾層22Dの表面付近のみに透過する紫外線を予備照射して装飾層22Dのインク印刷部分の表面にインクの収縮による微細な表面高さ変化部23を形成し、次いで装飾層22Dの全厚みに透過する紫外線を本照射して表面高さ変化部23を維持したまま装飾層22Dの全厚みを完全硬化する。これによって、トップコートを施すことなく、装飾層の艶消しを制御された状態で行うことができる。

Description

本発明は、種々の物品の表面に艶消し調節しながら適宜の印刷パターンを水圧転写する方法及びこの方法により得られる水圧転写品に関するものである。
一般的に、水圧転写方法は、水溶性フィルムの上に所定の非水溶性の印刷パターンが施されている転写フィルムを転写槽内を流れる水面上に順次供給して浮かばせ、この転写フィルムの水溶性フィルムを水で湿潤し、この転写フィルムに接触させながら物品(被転写体)を転写槽内の水に浸漬し、水圧を利用して転写フィルム上の印刷パターンを物品の表面に転写して装飾層を形成する方法である。
この水圧転写方法に用いられる転写フィルムは、水溶性フィルム上に印刷パターンをグラビア印刷等によって施して形成されるが、印刷パターンの形成後、乾燥状態で保管されるので、水圧転写時に、印刷フィルムのインクを乾燥状態から付着性を有する状態に活性化し、その後、この付着性が再現された状態で転写フィルムの印刷パターンを水圧転写している。
本出願人は、先に、乾燥した印刷パターンを活性化するために、無溶剤型の紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターンに塗布し印刷パターン中に浸透してこの無溶剤型紫外線硬化樹脂組成物中の光重合性モノマーによって印刷パターンのインクに付着性を再現し、このようにして付着性が再現した印刷パターンを物品の表面に水圧転写した後、この紫外線硬化樹脂組成物が浸透した印刷パターンに紫外線を照射して印刷パターンを硬化する方法を提案した(特許文献1乃至3参照)。
この方法は、印刷パターンに浸透した紫外線硬化型樹脂組成物が硬化して印刷パターンの硬化と同時に印刷パターンに機械的、化学的に優れた特性を付与することができるのできわめて有利である。
一方、物品の表面に印刷パターンが水圧転写された後、この印刷パターンによって形成された装飾層を艶消しするために、従来から種々の方法が試みられている。1つの方法は、物品の表面に水圧転写された印刷パターンの上にトップコートを塗布して艶消しする方法である。しかし、この方法は、水圧転写とトップコートの塗布という二重手間が必要となり好ましくない。また、この方法では、全体に亘り艶消し効果が付与されることになるため、所定の箇所の意匠(柄)のみに部分的に艶消しを付与することができない。
他の方法は、活性剤に艶消し剤を配合して印刷パターンの水圧転写と同時に印刷パターンの艶消しを行う方法である。この方法は、水圧転写と同時に艶消しが行われるが、従来の溶剤型活性剤を使用することを前提としているので、紫外線硬化樹脂組成物で印刷パターンを活性化する場合には適用することができないし、艶消し剤の配合によって艶消しを制御するので、制御の具合を調整することが難しい欠点があった。また、この方法では、活性剤が意匠(柄)の裏面に、即ち物品と柄との間に存在することになるため、充分な艶消し効果を得ることができないといった問題点がある。
更に、他の方法が特許文献4に開示されており、この方法は、艶消しとは逆に光沢を付与する方法であり、この方法は、2段の硬化工程を有するが、第1段の硬化工程で活性エネルギー線の照射量として40%以下、特に0.1%〜25%程度の照射を行うことによって表面に凹凸が生じず、かつ支持体フィルムを水洗などで除去することにより水洗い痕ができない程度に全体を硬化させて光沢感を得る方法である(同文献の段落番号0037参照)。
更に、別の艶消し方法が特許文献5に開示されており、この方法は、硬化性樹脂形成層の吸水率を0.5mg/cm以上として、被転写体に転写した直後に、完全硬化に要する活性エネルギー線照射量の1%以上の活性エネルギー線を照射することによって、艶消し剤を配合することなく艶消しを付与している(同文献の段落番号0009乃至0012参照)。
しかし、特許文献4、5に開示されている方法は、全体に亘り艶消し効果が付与される方法であるため、所望する箇所の意匠を部分艶消しするように、艶をコントロールすることができなかった。ましてや、これらの方法は、意匠表面に微細な皺を形成することで艶消しを得ようとする思想とは大きく異なっている。
他方、特許文献1乃至3に開示されているように、紫外線硬化樹脂組成物が浸透した印刷パターンに紫外線を照射して印刷パターンを硬化する方法においては、主として立体的な物品に水圧転写が行われる場合、紫外線を照射して印刷パターンを硬化させる際に、物品の表面全体に亘り紫外線が照射される。特に、特許文献2の技術ように、意匠表面に微細な皺(微細凹凸)を形成して光沢差を生じさせる技術においては、これらの微細な皺の形成が紫外線の照射による硬化収縮を利用しているため、立体的な物体に水圧転写する場合には、紫外線の照射量や照射時間を非常に厳格に設定して紫外線を照射しなければ、硬化収縮による皺の形成に不均一が生じ、その結果、全体的に光沢差が整わないため、立体的な物品のあらゆるところに光沢むらが生じ、安定した艶消し意匠を得ることができないことが判明している。この皺の形成の不均一さは、量産ラインに使用される自動コンベアで搬送している間に紫外線の照射を行う場合のように、立体物の搬送方向の前後面で照射量や照射時間が大きく異なる場合等において、特に顕著である。
特許第3806737号公報 特許第3881002号公報 特許第4166816号公報 特開2004−130778号公報 特開2005−212340号公報
本発明が解決しようとする第1の課題は、物品の表面に印刷パターンを水圧転写して形成された装飾層をトップコートの使用を必要としないで水圧転写と同時に容易に艶消しすることができ、且つこの艶消しを所望する箇所又は全面で制御することができる水圧転写方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする第2の課題は、物品の表面に印刷パターンを水圧転写して形成された装飾層の表面に制御された艶消しを有する水圧転写品を提供することにある。
本出願人は、これらの課題を解決するために、艶消し剤を用いない従来の艶消し方法として、本出願人が先に提案したように、紫外線硬化樹脂組成物が浸透した印刷パターンに紫外線を照射して印刷パターンに部分的な微細凹凸を形成して艶消し効果を得る特許文献2に開示の方法に着目して、生産性、品質安定性の観点から更なる研究を進めた。
この研究の過程で、装飾層の硬化を促進するために、紫外線の照射を過度に強くすると、印刷パターンの部分的な微細凹凸が形成され難くなり、所望の艶消し効果が得られなくなる現象が生ずることが観察された。また、ベルトコンベアで一軸方向へ物品を移送して固定位置にある紫外線照射装置で単一条件の紫外線を照射する最も単純な構成の設備で装飾層を硬化させると、板状の物品では、装飾面の所望の部分に均一に艶消し効果を得ることができるが、直方体等のように厚みのある側面にも装飾面を有する物品では、ベルトコンベアに接する面を除く面のうち、搬送の過程で紫外線が最後に当たる後側面側では艶消し効果が得られないことが観察された。逆に、後側面側にも艶消し効果が得られるように紫外線の照射を全体的に強めると、前側面側の艶が消えることが観察された。
これらの観察結果の原因を解析したところ、艶消し効果の発現に寄与する印刷パターンの部分的な微細凹凸を形成する過程において、照射の初期段階における紫外線照射条件と装飾層表面付近の硬化状態が密接に関係していることを知見し、本発明は、この知見に基づいて、完成されたものである。
本発明の第1の課題を解決する手段は、乾燥状態にある印刷パターンに光重合性モノマーを含む紫外線硬化樹脂組成物を塗布し、浸透して印刷パターンの付着性を再現した後、この印刷パターンを物品の表面に水圧転写して物品の表面に装飾層を形成し、その後、装飾層に紫外線を照射して装飾層を硬化すると同時に装飾層のインク印刷部分に収縮変化による微細凹凸を形成するようにした水圧転写方法において、装飾層が硬化する前に装飾層の表面付近のみに透過する紫外線を予備照射(以下、予備照射用の紫外線と称する)して装飾層のインク印刷部分の表面にインクの収縮による微細な表面高さ変化部を形成する工程と、次いで装飾層の全厚みを透過する紫外線を本照射(以下、本照射用の紫外線と称する)して表面の表面高さ変化部を維持したまま装飾層の全厚みを完全硬化する工程とを備えていることを特徴とする水圧転写方法を提供することにある。
この第1の課題解決手段において、予備照射用の紫外線は、まず、この予備照射を受ける装飾層のインク印刷部分の表層部のみに先に収縮変化によって微細凹凸を形成させ固定するが、それより内側の層部は未硬化(表層部よりも硬化度合いが低く、かつ表層部のみに先に収縮変化による微細凹凸の形成を阻害しない程度の半硬化を含む)の状態を維持させることで表面の収縮する作用を損なうことなく微細凹凸を形成し易い下地を形成するように働く。次に、本照射用の紫外線は、予備照射によって形成された微細凹凸の高さを維持しつつ全体を硬化させるように働く。そして、予備照射用の紫外線の所望箇所又は全面への光量を調整してこの予備照射用の紫外線を照射することによって微細凹凸の高さをコントロールすることができ、もって様々な意匠性のある微妙な艶消し効果を付与することができる。
本発明の艶消し効果の特徴は、物品の表面に印刷パターンを水圧転写して形成された装飾層の表面状態が制御され、より具体的には、装飾層のインク印刷部分に高光沢模様部と低光沢模様部とが隣接する光沢変化性を付与することであるが、低光沢模様部は、日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して20未満の光沢度を有し、高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差が日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」に準拠して測定して10以上であることが好ましい。
此処で、本発明による微細凹凸形成による艶消し効果発現の推定メカニズムを以下に述べる。印刷パターンを湿潤するために印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物を塗布すると、印刷パターンのインクの顔料の吸油量、インクの濃度に応じて紫外線硬化樹脂組成物の浸透量を変化しつつ紫外線硬化樹脂組成物がインク印刷部分に浸透して印刷パターンと紫外線硬化樹脂組成物が渾然一体化し、このように印刷パターンに一体化した紫外線硬化樹脂組成物に紫外線照射すると、紫外線硬化樹脂組成物の浸透の度合い(浸透量)に応じてインクの硬化収縮による微細凹凸がインク印刷部分の表面に形成されて、表面の艶消し効果が生ずるという従来と同様の作用に加え、本発明の技術要素である装飾層の紫外線透過性、即ち、インク顔料の紫外線透過性が艶消しを発生する微細凹凸の形成に深く関与していることがわかっている。即ち、インク顔料に対する紫外線透過性が小さいほど、インク顔料に対する紫外線透過性が大きい場合に比べて、硬化深度が浅く、内部が未硬化の状態のまま表面部分のみに硬化層が形成される。従って、この表面の硬化層が容易に収縮して微細な凹凸が形成され、その後の内部硬化を経て独特の艶消し効果が生ずる。なお、紫外線透過性が低いと、紫外線透過性が高い場合に比べて、紫外線は、装飾層内の表面に近い部分を透過する間により早く減衰するため、紫外線の透過深さが小さく硬化深度が浅くなり、紫外線透過性が高いと、紫外線が減衰するまでに紫外線が深く進行し、硬化深度が深くなり、内部硬化を達成することができる。
また、インク顔料の吸油量とインク濃度の観点からは、インクへの紫外線硬化樹脂組成物の浸透量が多いほど、インクの硬化時のインクの収縮量が大きく、装飾層に微細な凹凸を発生して光沢感が減じられたように観察される低光沢模様部を呈すると共に、紫外線硬化樹脂組成物が吸収された状態で硬化して凸領域を形成し、一方、インクへの紫外線硬化樹脂組成物の浸透量が少ないと、微細な凹凸の発生が少なく高い光沢感が観察される高光沢模様部を呈すると共に、紫外線硬化樹脂組成物の吸収が少ない状態で硬化して、この凸領域よりも相対的に高さの低い凹領域を形成する。これらの光沢感の差異が印刷パターンに呼応して装飾層上に隣接して必然と生じるのである。此処で「インクの濃度」とは、「インクの成分である樹脂と顔料のうち顔料の含有割合」を意味する。
予備照射条件の範囲において、良好な艶消し効果を得るための紫外線硬化樹脂組成物は、(1)光重合性プレポリマー、(2)光重合性モノマー、(3)光開始剤を必須成分とする。光重合性プレポリマーは、アクリル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー等の何れかを単独又は任意に組み合わせて使用することができる。光重合性モノマーは、光重合性プレポリマーの希釈剤の役割を果たして、樹脂組成物の実用上の作業性を確保すると共に、紫外線が照射された際には、それ自身が重合に関与するものであり、この水圧転写方法においては、乾燥状態にある印刷パターンの付着性を再現する機能成分(インク溶解成分)としても働くことになる。光重合性モノマーは、特性に応じて単官能性モノマーと多官能性モノマーのいずれであってもよい。更に、紫外線硬化樹脂組成物中の非溶剤活性化成分である光重合性モノマーが転写フィルムの印刷パターンの付着性を良好に再現させるので、紫外線硬化樹脂組成物は、特にシンナーやアルコール等の溶剤を含まない無溶剤タイプであるのが好ましいが、印刷パターンのインク溶解性を意図しない副次的な成分としての溶剤成分を含んでもよい。
本発明の第1の課題解決手段において、予備照射用の紫外線は、200nm以上320nm未満の低透過性紫外線であり、この紫外線による予備照射は、ピーク強度(Ip)[mW/cm]と積算光量(E)[mJ/cm]とが下記の式1を満足する条件下で行われる。この条件を外れると所望の艶消し効果が得られない。
(式1)
60E−1.4≦Ip≦5765E−1.85
(ただし、E>0、Ip>0である。)
なお、「低透過性」とは、装飾層の表面付近の硬化反応で紫外線量が減衰して、その内部には硬化に十分な紫外線量が届かないため、専ら内部は未硬化もしくは半硬化の状態で表面近くを選択的に硬化させる性質を意味する。換言すると、装飾層の浅部は硬化するが深部は硬化しない性質である。また、式1は、ピーク強度(Ip)[mW/cm]と積算光量(E)[mJ/cm]の条件と本発明の艶消し効果との関係について、所望の艶消し効果が得られる範囲を実験検証して見出し、数式化したものである。
この予備照射は、ピーク強度(Ip)が0.5[mW/cm]以上で6[mW/cm]以下であり、積算光量が5[mJ/cm]以上で120[mJ/cm]以下を満足する条件で行うのが特に好ましく、またこの好ましい予備照射は、比較的低透過性紫外線を照射する高圧水銀ランプを用いて行うのが適切である。このピーク強度の範囲であると、安定した艶消し効果が得られるが、このピーク強度及び積算光量の範囲を外れると、十分な艶消し効果が得られ難くなるので好ましくない。特に装飾層のインク印刷部分が墨インクの場合には、この条件は、良好な艶消し効果を得るのに最適である。
本発明の第1の課題解決手段において、本照射用の紫外線は、320nm以上390nm未満の高透過性紫外線であり、この紫外線による本照射は、ピーク強度(Ip)が200[mW/cm]以上400[mW/cm]以下で積算光量(E)が1000[mJ/cm]以上4000[mJ/cm]以下を満足する条件下で行われるのが好ましく、この好ましい本照射は、高透過性紫外線を照射するAタイプメタルハライドランプを用いて行うのが好ましい。
此処で、「高透過性」とは、装飾層の内部が十分に硬化するに必要な紫外線量が内部まで届く、又は装飾層の裏面まで透過することができて、装飾層全体を硬化させる性質を意味する。
この本照射用の紫外線のピーク強度及び積算光量の範囲であれば、予備照射で形成した装飾層の微細凹凸を保持して装飾層を硬化することができるので、良好な硬化膜物性(密着性、耐摩耗性等)を確保しつつ、本発明の艶消し効果を達成することができる。一方、本照射用の紫外線のピーク強度及び積算光量の上記の下限値未満であると、装飾層が十分に硬化されなかったり、硬化膜としての物性(強度、耐久性等)が確保できなくなったりし、また、本照射用の紫外線のピーク強度及び積算光量の上限値を超えると、転写物品、特に樹脂物品において黄変等の不具合が生じやすくなるので、好ましくない。
本発明の第2の課題を解決する第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段によって形成された装飾層を有する水圧転写品を提供することにある。
本発明によれば、紫外線硬化樹脂組成物を用いて乾燥状態にある印刷パターンに付着性を再現して印刷パターンを物品の表面に水圧転写して装飾層を形成した後、印刷パターンに浸透して混在する紫外線硬化樹脂組成物を利用して印刷パターンのインク印刷部分の表面付近のみに透過する紫外線を予備照射して装飾層のインク印刷部分の表面にインクの収縮による微細な表面高さ変化部を形成し、その後装飾層の全厚みに透過する紫外線を本照射して表面の表面高さ変化部を維持したまま装飾層の全厚みを完全硬化するので、トップコートの塗布等の別個の作業工程を必要とすることがない。また予備照射用紫外線は、そのピーク強度と積算光量とを調節し照射及び透過深さを調節することによって、表層部のみを先に収縮変化による微細凹凸を形成して固定するが、内側の層部は未硬化の状態を維持して表面収縮作用を損なうことなく微細凹凸の形成し易い下地を形成するように働くので、表面高さ変化部の高さは、予備照射用の紫外線のピーク強度と積算光量とによって容易に制御することができる。一方、本照射用の紫外線は、予備照射用の紫外線により形成された微細凹凸の高さを維持しつつ全体を硬化させることができるので、種々の意匠性を付与する微妙な艶消し効果を有する水圧転写品を容易に得ることができる。
更に、直方体等の側面に装飾面を有する物品をベルトコンベアで一軸方向へ移送して固定位置にある紫外線照射装置で単一条件の紫外線照射する最も単純な構成の設備で紫外線硬化樹脂組成物が一体的に含む装飾層を硬化させる場合であっても、予備照射の上記条件下であれば、局部的な硬化進行が起こり難く、本照射の前に物品の全面に対して、ほぼ均一に表面付近のみに微細凹凸を形成させることができるので、上記のような立体的な物品にも特殊な設備を用いることなく単純な構造の設備で均一な艶消し効果が得られ、種々の形状の物品にも安定でかつリーズナブルに付与された艶消し効果を有する水圧転写品を提供することができる。
本発明の水圧転写方法の1つの形態を工程順に示し、同図(A)は、転写フィルムの断面図、同図(B)は、転写フィルムに紫外線硬化樹脂組成物を塗布し浸透した状態の断面図、同図(C)は、同図(A)の転写フィルムを水面に浮かばせ水圧転写すべき物品を水中に押し込む直前の状態の断面図、同図(D)は、水圧転写後紫外線を予備照射する状態の断面図、同図(E)は、紫外線を本照射する状態の断面図、同図(F)、物品の表面から水溶性フィルムを水洗する状態の断面図、同図(G)は、物品の表面を乾燥する状態の断面図である。 装飾層のインク印刷部分の断面を拡大して示し、同図(A)は、紫外線照射前の断面図、同図(B)は紫外線の予備照射時の断面図、同図(C)は、紫外線の本照射時の断面図である。 紫外線の予備照射時のピーク強度と積算光量との関係に基づく照射条件の範囲を示す線図である。 本発明の方法によって得られた水圧転写品の断面図である。 本発明の実施例及び比較例における予備照射条件と艶消し効果の評価結果を示したグラフである。 本発明の方法によって得られた直方体の水圧転写品を平面に展開した状態での各面の印刷状態を示す図である。 紫外線の予備照射方法の一例として光源と被照射物品との位置関係を示す図である。 本発明の方法とは異なり、予備照射することなく本照射のみで装飾層を硬化させた場合の装飾層の一部の断面図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、本発明が適用される水圧転写方法は、図1(A)に示すように、印刷パターン22が施された水溶性フィルム(キャリアフィルム)24から成る転写フィルム20を印刷パターン22が上面となるようにして図示しない転写槽内の水40上に供給して浮かばせ、図1(C)に示すように、水圧転写すべき物品10を転写フィルム20を介して水40の中に押し込んでこの押し込みによって発生する水圧を利用して印刷パターン22を物品10の表面に転写して装飾層22D(図2、図4参照)を形成する方法であり、この方法自体は、公知の技術である。
水溶性フィルム24は、水を吸収して湿潤し軟化する、例えばポリビニルアルコールを主成分とする水溶性材料から成っている。この水溶性フィルム24は、水圧転写時に、転写槽内の水40に触れて膨潤し、水圧転写を容易にする。印刷パターン22は、水溶性フィルム24の上にグラビア印刷、インクジェット印刷等の適宜の印刷手段によって印刷される。
本発明の方法は、図1(A)に示す乾燥状態にある印刷パターン22に図1(B)に示すように光重合性モノマーを含む紫外線硬化樹脂組成物30を塗布し、浸透して印刷パターン22の付着性を再現し、その後、この印刷パターン22を図1(C)に示すように、物品10の表面に水圧転写して物品の表面に装飾層22Dを形成した後、図1(D)、図1(E)に示すように、装飾層22Dに紫外線を以下に述べる所定の照射条件で2段階(予備段階と本段階)に分けて照射し、次いで、図1(F)に示すように、転写フィルム20の水溶性フィルム24(図1(D)(E)(F)では水溶性フィルム24は省略して図示されていない)を水シャワー60で洗浄し、更に図1(G)で示すように、熱風70で乾燥して図4に示す艶消しされた装飾層22Dを有する水圧転写品10Cを完成する。なお、図1(B)では、印刷パターン22のインク印刷部分(図1(A)の盛り上がった部分、即ち図2(A)(B)で符号22DIで示された部分)には紫外線硬化樹脂組成物30が図示されていないが、これは、紫外線硬化樹脂組成物30が印刷パターン22のインク印刷部分に浸透して浸み込んでいるためであり、図2(A)(B)では、この紫外線硬化樹脂組成物30が浸み込んだ状態をドット状に示している。
2段階の紫外線照射のうち、予備段階の照射(以下、予備照射と称する)は、図1(D)に示すように 装飾層22Dが硬化する前に装飾層22Dの表面付近のみに透過する低透過性紫外線52を照射することであり、この予備照射によって装飾層22Dのインク印刷部分22DIの表面に図2(B)に示すように、インクの収縮による微細な表面高さ変化部23を含む表面硬化層30Cが形成される。この表面高さ変化部23は、紫外線の予備照射の照射条件によってその高さが制御されるが、その詳細は、後述する。表面硬化層30Cのうち、表面高さ変化部23以外の部分は、隣り合うインク印刷部分22DIの間に充填された紫外線硬化樹脂組成物30の表面硬化層部分である。なお、図2(B)では、1つのインク印刷部分22DIのみが示されているが、実際は、例えば印刷パターンが「木目模様」であるとすると、インク印刷部分22DI相互でインク顔料の吸油量や濃度の如きインクの特性(性状)に応じて紫外線の吸収量が異なるので、インクの収縮による微細な表面高さ変化部23の高さが変化することはもちろんである。図2(B)の表面高さ変化部23は、インク顔料の特性に応じて定まる所定の高さを有する1つの表面高さ変化部23のみを単純に示していることに留意すべきである。
また、本段階の照射(以下、本照射と称する)は、図1(E)に示すように、装飾層22Dの全厚みを透過する高透過性紫外線54を照射することであり、図2(C)に示すように、この本照射によって装飾層22Dの表面高さ変化部23を維持したまま装飾層23の全厚みが完全硬化される。もし、図8に示すように、本発明とは異なって予備照射の工程を省略して、高透過性紫外線54のみを照射した場合(即ち、本照射のみを行った場合)には、インクの収縮による微細な表面高さ変化部23が形成されないか、図示していないが、視覚的に認識することができない程度、即ち所望の艶消し効果を発生することがない程度の高さ変化しか得られないで、装飾層22Dの全厚みが完全硬化するため、所望の艶消し効果が得られない。
予備照射用の紫外線52は、200nm以上320nm未満の低透過性紫外線であり、この紫外線による予備照射は、ピーク強度(Ip)[mW/cm]と積算光量(E)[mJ/cm]とが下記の式1を満足する条件下で行われる。
(式1)
60E−1.4≦Ip≦5765E−1.85
(ただし、E>0、Ip>0である。)
低透過性紫外線52の予備照射は、上記の照射条件のうち、ピーク強度が0.5以上で6以下であり、積算光量が5以上で120以下を満足する条件で行うのが特に好ましい。
式1の照射条件を満足する紫外線予備照射領域は、図3の境界条件曲線(I)と(II)との間の領域である。紫外線予備照射の条件をこのような領域に設定した理由は、種々の試みの結果、この領域を外れると、装飾層22Dの良好な艶消しを得ることができなかったことである。その詳細は、後に具体的な幾つかの実施例を参照して述べるが、図3中、上方の斜線部分は、好ましい艶消しの結果が得られた際の紫外線の照射条件を示す。なお、前項で述べた予備照射の特に好ましい領域は、図3中の下方の格子状の斜線が施された領域である。この予備照射は、比較的低透過性紫外線を照射する高圧水銀ランプを用いて行われるのが適切である。
予備照射の方法は、上記の条件を満たすように照射することができれば、特に限定されないが、光源(高圧水銀ランプ)の照射強度を調整してもよいし、図7に示すように、予備照射用の光源52Sの光軸Xが被照射物品10から意図的に外れるように光源52Sを配置して、光源52の外周部の弱い光52wが被照射物品10に当たるようにしてもよい。
本照射用の紫外線54は、320nm以上390nm未満の高透過性紫外線であり、この紫外線による本照射は、ピーク強度(Ip)が200[mW/cm]以上400[mW/cm]以下で積算光量(E)が1000[mJ/cm]以上4000[mJ/cm]以下を満足する条件下で行われる。この条件を満足する紫外線を装飾層22Dに照射すると、紫外線54は、装飾層22Dの全厚み(通常10〜20μm)に透過し、装飾層22Dを完全硬化することができる。この本照射は、高透過性紫外線を照射するAタイプメタルハライドランプを用いて行われるのが適切である。
図3の紫外線予備照射領域から解るように、紫外線のピーク強度Ipが高ければ高いほど、積算光量Eを小さすることが必要であるが、図3の下方の格子状斜線で示す特に好ましい領域から解るように、ピーク強度Ipを低くして積算光量を大きくするのが望ましい。また、表面高さ変化部23は、この紫外線照射条件を調整して適宜の高さ変化とすることができるが、一般的には、ピーク強度を高くすればするほど、また積算光量を大きくすればするほど高さ変化を大きくすることができる。なお、既に述べたように、インク顔料の特性に応じても高さ変化部23の高さが異なるが、上記の説明は、同じ特性のインク顔料を有するインクを用いた場合に、装飾層の表面高さ変化部の高さが予備照射用紫外線の照射条件によって制御することができることを述べたものであり、これは、同じ特性のインク顔料を有しても予備照射用紫外線の照射条件に応じて異なる位置で異なる高さを得ることができることを意味する。
表1は、実施例1−29の予備照射条件と本照射条件と艶消し効果の評価指標を示し、また表2は、比較例1−18の予備照射条件と本照射条件と艶消し効果の評価指標を示す。尚、これらの実施例、比較例において積算光量及びピーク強度の測定に実際に使用した機種は「GSユアサ」(メーカー)から提供されている「工業用UVチェッカーUVR−N1」(機種名)であった。
Figure 2011010658
Figure 2011010658
これらの実施例と比較例で得られた物品の装飾層の艶消し効果(状態)を目視で評価した際の評価指標を次の通りとした。
◎:装飾層に良好な艶消し効果が現われた状態
○:装飾層に艶消し効果が現われた状態
△:○より劣るが製品として実用上問題ない程度の艶消し効果が現われた状態
×:装飾層の艶消しが効果が得られないか、その効果が小さい状態(意匠性付加価値がない状態)
また、本照射後の装飾層の塗膜の硬化状態を観察し、硬化不良等の不具合の有無を目視確認し、実用上問題となる硬化状態のものをNGと評価した。
(実施例1)
本発明の実施例1では、転写フィルムのインクの付着性を再現するために大橋化学工業株式会社製の商品名「ユービックSクリアーHE」と称する無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を使用し、木目模様を有する転写フィルムのインクの付着性をこの紫外線硬化樹脂組成物で再現し、10cm×20cm×3mmのABS樹脂製の平板と立体物(100mm×100mm×厚さ50mmの略直方体状の成形品)のそれぞれに、図1(A)乃至図1(G)に示す工程順で転写フィルム上の木目模様を水圧転写した。転写フィルムは、ポリビニルアルコールを主成分とする水溶性フィルム上に黒又は焦げ茶の筋状の晩材部分とその間の茶色の早材部分とが明解に表現されるように濃いインクで木目模様を印刷して形成し、本出願人(株式会社タイカ)が水圧転写技術のライセンス先に「ZEBRA LINE」と称する商品名で販売しているものを用い、また上記の無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物は、転写フィルムを転写槽内に導入する直前にミヤバー塗布方法によって転写フィルムの印刷パターン上に塗布した。このようにして塗布された無溶剤タイプの紫外線硬化樹脂組成物を有する転写フィルムを転写槽の水面上に浮かばせ、この紫外線硬化樹脂組成物によって印刷パターンの付着性を再現させた後に、図1(C)に示すように、転写フィルムを介して物品を水中に押し込み、物品上に印刷パターンを水圧転写した後、この物品を水中から取り出した後、物品をベルトコンベアに載せて紫外線硬化炉内を搬送・移動させながら、高圧水銀ランプ(ジーエス・ユアサパワーサプライ社製 高圧水銀灯HAK125NL−F)を用いてピーク強度:0.75[mW/cm]、積算光量:125[mJ/cm]で紫外線を予備照射した後、Aタイプメタルハライドランプ(ジーエス・ユアサパワーサプライ社製、MAN800NL)を用いて、ピーク強度:300[mW/cm]、積算光量:2300[mJ/cm]で紫外線を装飾層に本照射してこれを完全硬化させ、最後に、物品の水洗、乾燥を行って水圧転写品(製品)10’を得た。なお、当然のことであるが、予備照射用及び本照射用のランプはそれぞれ固定状態として、物品の側面と上面に紫外線を照射した。
(実施例2〜25)
表1の通り、予備照射条件(ピーク強度、積算光量)を変えた以外は実施例1と同様の方法で水圧転写を行って水圧転写品(製品)10’を得た。
(実施例26〜29)
実施例11の本照射条件(ピーク強度、積算光量)を表1の通り変えた以外は実施例11と同様の方法で水圧転写を行って水圧転写品(製品)10’を得た。
(比較例1〜16)
表2の通り、予備照射条件(ピーク強度、積算光量)を変えた以外は実施例1と同様にして水圧転写品(製品)10’を得た。
(比較例17〜18)
実施例11において、本照射条件(ピーク強度、積算光量)を表2の通りに変えた以外は実施例11と同様にして水圧転写品(製品)10’を得た。
(実施例及び比較例の評価)
上記の実施例及び比較例の評価結果が表1及び表2に示されており、これらの評価の結果から解るように、本発明の実施例の艶消し効果は、最も好ましいか、良好か、少なくとも実用上支障がない程度であるが、比較例の艶消し効果は、意匠性付加価値がなく、実用的でなかった。
また、上記実施例及び比較例の予備照射条件を図3に対応して図式化したものが図5に示されている。図5において、「□」は、実施例1〜16の照射条件、「○」は、実施例17〜24の照射条件、「×」は、比較例1〜16の照射条件のドット位置を示す。この図5から解るように、本発明の予備照射条件内に本発明の目的とする艶消し効果が得られる各実施例の条件領域が存在し、図5中に示す式で表される境界条件曲線(I)と境界条件曲線(II)に挟まれた領域である「60E−1.4≦Ip≦5765E−1.85」の範囲内で好ましい艶消し効果が得られ、特に、ピーク強度(Ip)が0.5[mW/cm]以上で6[mW/cm]以下であり、積算光量(E)が5[mJ/cm]以上で120[mJ/cm]以下を満足する条件において、良好な艶消し効果が得られる。一方、この領域を外れると艶消し効果が低く、物品が立体物である場合には、従来技術で述べたように、物品の側面に所望の艶消し効果が得られないという不具合が発生していた。
また、表1及び表2には記載されていないが、本照射条件が本発明の実施例のように、本発明の照射条件の範囲内であれば、塗膜の硬化不良等の不具合がなく、本発明の本照射条件の範囲から外れると、比較例17及び18のように、硬化不良の不具合があったり、高光沢となって艶消し効果が得られなかったりという好ましくない結果であった。
実施例1と比較例1による立体物の装飾層の印刷具合(艶消し効果)が図6に示されている。いずれの場合も、コンベヤで搬送される立体物は、天面(図6の展開面の中央部分)から照射工程に入り、立体物の後面(図6の展開面の下側)が最後に照射工程に入るように紫外線を照射したところ、立体物の後面(展開面の下側)が最後に照射するため、実施例1と比較例1との装飾層を比較すると、目視でも分かる程度まで、比較例1の装飾層の光沢感が実施例1のそれよりも高くなって、比較例1の装飾層の艶消し効果が低下することが解る。これは、比較例1では、良好な予備照射条件の範囲から外れるため、表層部での収縮変化による微細凹凸が形成されることなく硬化される(表層部での収縮変化による微細凹凸を形成し固定することができない)ことによる。
これに対して、実施例1の製品は、木目の濃い部分に均一な艶消し効果が付与されて全体的に安定した艶消し効果を得ることができたことが解る。このような艶消し効果は、程度の差はあっても、実施例1〜25の製品では、目視で判別できない程度に均一であるのに対して、比較例1〜16の製品では、全体的に目視で確認することができる程度に不均一であった。本発明では、低透過性紫外線の予備照射によって表層部のみを先に収縮変化させて微細凹凸を形成し固定させるが、このようにすると、予備照射の程度に応じて、所望する箇所又は全面の意匠の艶消しを制御することができる。
また、表1には記載されていないが、光沢度合い(日本工業規格Z8741−1997「方法3−60度鏡面光沢」準拠の測定法に従い、東京電色株式会社製の光沢度計「Gloss Meter Model GP−60を用いて測定した値)は、実施例1〜29の製品では、総じて、低光沢模様部(黒又は焦げ茶の筋状の晩材部分)の光沢度が20未満であり、高光沢模様部(茶色の早材部分)と低光沢模様部との光沢度の差が10以上であり、この光沢度の値及び光沢度の差の値は、意匠的に好ましい光沢度合いである。従って、これらの実施例では、好ましい光沢度合いを実現しつつ、予備照射条件と本照射条件を所定の範囲内で調整することにより、所望する箇所又は全面の意匠の艶消しを制御することができる。
一方、表2の比較例1〜18の製品は、総じて、低光沢模様部の光沢度及び高光沢模様部と低光沢模様部との光沢度の差が、上記の好ましい範囲を外れており、これは、予備及び本照射の条件が本発明の条件を外れて良好な艶消し効果が得られないことと相俟って意匠上好ましい外観を得ることができなかった。
本発明によれば、乾燥状態の印刷パターンに紫外線硬化樹脂組成物を塗布、浸透した転写フィルムの印刷パターンを物品の表面に水圧転写して装飾層を形成した後、紫外線の予備照射で装飾層の表面にのみ紫外線を透過して表面高さ変化部(凹凸)を形成し、その後、紫外線の本照射で装飾層の全厚みに紫外線を透過して装飾層を完全硬化するので、トップコートの塗布という別個の作業を必要とすることなく、水圧転写と同時に装飾層の艶消しを行うことができ、且つ予備照射用の紫外線の照射条件を調整することによって表面高さ変化部の高さを容易に制御することができ、産業上の利用性を向上することができる。

Claims (8)

  1. 乾燥状態にある印刷パターンに光重合性モノマーを含む紫外線硬化樹脂組成物を塗布し、浸透して前記印刷パターンの付着性を再現した後、前記印刷パターンを物品の表面に水圧転写して前記物品の表面に装飾層を形成した後、前記装飾層に紫外線を照射して前記装飾層を硬化すると共に前記装飾層のインク印刷部分に収縮変化による微細凹凸を形成するようにした水圧転写方法において、前記装飾層が硬化する前に前記装飾層の表面付近のみに透過する紫外線を予備照射して前記装飾層のインク印刷部分の表面にインクの収縮による微細な表面高さ変化部を形成する工程と、その後前記装飾層の全厚みに透過する紫外線を本照射して前記表面高さ変化部を維持したまま前記装飾層の全厚みを完全硬化する工程とを備えていることを特徴とする水圧転写方法。
  2. 請求項1に記載の水圧転写方法であって、前記予備照射用の紫外線は、200nm以上320nm未満の低透過性紫外線であり、前記紫外線の予備照射は、ピーク強度(Ip)[mW/cm]と積算光量(E)[mJ/cm]とが下記の式1を満足する条件下で行われることを特徴とする水圧転写方法。
    (式1)
    60E−1.4≦Ip≦5765E−1.85
    (ただし、E>0、Ip>0である。)
  3. 請求項1又は2に記載の水圧転写方法であって、前記紫外線硬化樹脂組成物は、光重合性プレポリマーを含み、かつ前記光重合性プレポリマーは、アクリル系オリゴマー、ポリエステル系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマーの1つ又は複数から選ばれることを特徴とする水圧転写方法。
  4. 請求項1又は2に記載の水圧転写方法であって、前記予備照射は、ピーク強度(Ip)が0.5[mW/cm]以上で6[mW/cm]以下であり、積算光量(E)が5[mJ/cm]以上で120[mJ/cm]以下を満足する条件で行われることを特徴とする水圧転写方法。
  5. 請求項4に記載の水圧転写方法であって、前記予備照射は、高圧水銀ランプを用いて行われることを特徴とする水圧転写方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の水圧転写方法であって、前記本照射用の紫外線は、320nm以上390nm未満の高透過性紫外線であり、前記紫外線の本照射は、ピーク強度(Ip)が200[mW/cm]以上400[mW/cm]以下で積算光量(E)が1000[mJ/cm]以上4000[mJ/cm]以下を満足する条件下で行われることを特徴とする水圧転写方法。
  7. 請求項6に記載の水圧転写方法であって、前記紫外線の本照射は、Aタイプメタルハライドランプを用いて行われることを特徴とする水圧転写方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の方法によって形成された装飾層を有することを特徴とする水圧転写品。
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