JPWO2011010482A1 - 放射線画像検出器 - Google Patents

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Abstract

生産性が高く、且つ温度変動による画像のズレを抑制することのできる放射線画像検出器を提供する。前記放射線画像検出器は、光電変換素子を備えた光電変換パネルと、蛍光体層を備え且つ前記光電変換パネルと貼り合わされるシンチレータパネルとを有し、前記シンチレータパネルは、一方の面に前記蛍光体層が形成される樹脂フィルムを主成分とする支持体と、前記支持体の他方の面と接合される剛性板とを備え、前記剛性板は前記光電変換パネルとの熱膨張係数の差が4.0ppm以内であることを特徴とする。

Description

本発明は、被写体の放射線画像を形成する際に用いられるシンチレータパネルと光電変換パネル有する放射線画像検出器に関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史の中で高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送ができない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置(以下、放射線画像検出器ともいう)が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、更に新たなデジタルX線画像技術として、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている(例えば非特許文献1及び2参照)。
放射線を可視光に変換するために、放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータパネルが使用されるが、低線量の撮影においてのSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータパネルを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータパネルの発光効率は、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、層厚が決定する。
なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変換効率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。
しかしながらCsIのみでは発光効率が低いために、例えば、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものを、蒸着を用いて基板上にナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)として堆積、又近年ではCsIとヨウ化タリウム(TlI)を任意のモル比で混合したしたものを、蒸着を用いて基板上にタリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)として堆積したものに、後工程としてアニールを行うことで可視変換効率を向上させ、X線蛍光体として使用している。
蒸着によるシンチレータの製造方法としては、従来よりアルミ板やアモルファスカーボン板などを支持体として蛍光体層を形成することが一般的である(例えば特許文献1及び2参照)。しかしながら、アルミやアモルファスカーボンは剛直であり、蛍光体層を形成した後に断裁することが困難であるため生産性の低さが課題となっていた。
一方、シンチレータパネルと光電変換素子を備えた光電変換パネルを貼り合わせた構造を有する放射線画像検出器において、支持体と光電変換パネルとの熱膨張差が大きい場合、温度変動によりシンチレータパネルと光電変換素子の間に相対的な位置ズレが発生し、その結果、画像にズレが発生する場合がある。樹脂フィルムを支持体とすることで、蛍光体層を形成した後でも断裁可能となり、生産性は向上するが、一般的に光電変換パネルを構成する材料(ガラス、シリコン等)に比較して、市販の樹脂フィルムは熱膨張係数がかなり大きく、温度変動により画像のズレが懸念される。
特許第3566926号公報 特開2002−116258号公報
本発明は、上記状況に鑑みて成されたもので、生産性が高く、且つ温度変動による画像のズレを抑制することのできる放射線画像検出器を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成により達成される。
1.光電変換素子を備えた光電変換パネルと、蛍光体層を備え且つ前記光電変換パネルと貼り合わされるシンチレータパネルとを有する放射線画像検出器であって、
前記シンチレータパネルは、一方の面に前記蛍光体層が形成される樹脂フィルムを主成分とする支持体と、前記支持体の他方の面と接合される剛性板とを備え、前記剛性板は前記光電変換パネルとの熱膨張係数の差が4.0ppm以内であることを特徴とする放射線画像検出器。
2.前記支持体と前記剛性板とが、接着剤である接着剤層により接合されていることを特徴とする前記1に記載の放射線画像検出器。
3.前記接着剤層は、ホットメルトシートであることを特徴とする前記2に記載の放射線画像検出器。
4.前記支持体がポリイミドを主成分とすることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
5.前記蛍光体層は、製品サイズよりも大きい前記支持体に製品サイズよりも大きく形成された後、前記支持体と共に製品サイズに断裁され形成されることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
6.前記剛性板が、前記光電変換パネルの支持部材と同じ材料で構成されていることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
7.前記蛍光体層が、ヨウ化セシウムとタリウムを含む添加剤を原材料として気相法により形成されることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
8.前記シンチレータパネルの全面が、保護層で覆われていることを特徴とする前記1から7の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
9.前記保護層が、樹脂フィルムを主成分とする防湿フィルムからなることを特徴とする前記8に記載の放射線画像検出器。
10.前記保護層が、CVD法によりシンチレータパネル全面に形成されたポリパラキシリレン樹脂膜からなることを特徴とする前記8に記載の放射線画像検出器。
上記により、生産性が高く、且つ温度変動による画像のズレを抑制することのできる放射線画像検出器を提供することができる。
本発明に係るシンチレータパネルの概略を示す断面図である。 シンチレータパネルの拡大断面図である。 蒸着装置の概略構成を示す図である。 2種類の支持体及びホットメルトシートの配置を示す図である。 放射線画像検出器の概略構成を示す一部破断斜視図である。 撮像パネルの拡大断面図である。
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明において、「シンチレータ」とは、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300〜800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に電磁波(光)を発光する蛍光体をいう。
図1は、本発明に係るシンチレータパネル10の概略を示す断面図である。図2は、シンチレータパネル10の拡大断面図である。
シンチレータパネル10は、少なくとも2種類の支持体、即ち支持体12及び剛性板11を有する。支持体12の一面には蛍光体層13が蒸着により設けられ、蛍光体層面とされる。剛性板11は、支持体12の蛍光体層面の裏面(非蛍光体層面)と接合(貼り合わせ)される。剛性板11と支持体12の接合は接着剤である接着剤層18により行われることが好ましい。
保護層14は、蛍光体層13の保護のため、少なくとも蛍光体層13の表面および側面を覆うように設けられる。即ち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主目的としている。
支持体12の蛍光体が蒸着される面に反射層15を設けることが好ましい。反射層15を設けることによって、蛍光体の発光を非常に効率よく取り出すことができるため、輝度を飛躍的に向上させることができる。
また、支持体12と反射層15の密着性を向上させるために、支持体12と反射層15の間に中間層16を設けることが好ましい。
更に、支持体12と蛍光体層13の密着性を向上させるために、下引き層17を設けることが好ましい。図1に示す例では、下引き層17は、蛍光体層13と反射層15の間に設けられる。
(支持体)
支持体12とは、シンチレータパネルの構成要素において、蛍光体層13を保持するために中心的な役割を果たす部材である。
支持体12には、樹脂フィルム(ポリマーシート及び樹脂シートともいう)を用いることが好ましい。なお、本願でいう「樹脂フィルム」とは、特別の断り書きがない限り、シンチレータパネルの製造の前に、予め形成された(既製の)樹脂フィルムを指すこととする。
支持体12の厚さとしては、好ましくは20〜1000μm、更に好ましくは50〜750μmである。支持体12の厚さを50μm以上にすることで蛍光体層13を形成した後のハンドリング性が良好となる。また、支持体12の厚さを750μm以下にすることで、反射層15、下引き層17等を、所謂ロール・ツー・ロール(roll to roll)で加工することが容易となり、生産性向上の観点より、非常に有用である。
本発明の支持体12に用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリアミドイミド、ビスマレイイミド、フッ素樹脂、アクリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等があるが、蛍光体を蒸着する際、熱によって変形が生じないようにするためガラス転移点は100℃以下でないことが好ましい。
耐熱性の観点より、本発明の支持体12に用いる樹脂フィルムとしては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、液晶ポリマー等を主成分として含有するものが好ましく、中でもポリイミドが最も好ましい。
(剛性板)
本発明における剛性板11とは、弾性率が10GPa以上の板を指す。後述の光電変換パネル20の熱膨張係数との差が±0〜4.0ppmであれば、金属、ガラス、カーボン、複合材料など、特に制約はなく使用することができる。熱膨張係数をこの範囲に制御することで、温度変動による蛍光体層の面内方向の寸法変化を光電変換パネル20に近づけることができ、その結果、温度変動による画像のズレを抑制することができる。
本発明において、前述のように支持体12と剛性板11の接合は、接着剤層18を介して行われることが好ましい。
接着剤層18の厚みについては、支持体12と剛性板11の接着力を考慮し、好ましくは1μm以上、更に好ましくは10μm以上である。一方、温度変動による支持体12の面内方向の寸法変化を剛性板11が効果的に抑制するには接着剤層18は薄いほど良く、好ましくは100μm以下、更に好ましくは60μm以下である。
本発明において、支持体12と剛性板11を接合する材料には特に制約はないが、ホットメルトシートを介して行われることが好ましい。
ホットメルトシートとは、シート状に形成したホットメルト接着剤のことをいう。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分とした接着剤で、常温では固形であり、加熱溶融することにより液状化する。ホットメルト接着剤を液状化して接合部材を貼り合わせ、更に冷却しホットメルト接着剤を固化することにより接合が形成される。
本実施の形態においては、支持体12と剛性板11の間にホットメルトシートを挟み、加圧、続いて加熱溶融することにより、支持体12と剛性板11が接合される。
このように、ホットメルト接着剤は常温では接着力を生じないため、支持体12と剛性板11の接合にホットメルトシートを用いることにより、両面粘着テープ等の常温粘着型の接着剤と比較して、位置合わせが非常に容易である。即ち、接着力が生じない状態で位置決めした後、加熱溶融して接着力を生じさせ接合するため、支持体12と剛性板11の位置合わせが正確且つ容易に行うことができる。
また、ホットメルトシートは一般的な常温粘着型の接着シートに比較して剪断応力に対して変形しにくく、温度変動に対する支持体の面内方向の寸法変化を抑制する効果が高い。
上記ホットメルトシートは、既知のものを用いることができる。また、ホットメルトシートの種類としては、その主成分により、例えばポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、EVA系等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
ホットメルトシートを貼り合わせる際の圧力としては、特に制約は無いが、0.001MPa〜10MPaが好ましく、0.01MPa〜1MPaであれば、より好ましい。加圧量を少なくとも0.001MPa以上にすることで空気溜まりなく、均一に接着させることができる。一方、加圧量を少なくとも10MPa以下にすることで、蛍光体へのダメージを抑えることができ、画質を損ねる懸念が小さい。
熱処理温度については、ホットメルトシートの種類にもよるが、好ましくは70℃〜200℃、更に好ましくは90℃〜160℃である。
(反射層)
前述のように、支持体12の蛍光体が蒸着される面に反射層15を設けることが好ましい。反射層15を設けることによって、蛍光体の発光を非常に効率よく取り出すことができるため、輝度を飛躍的に向上させることができる。
反射層15の表面反射率は好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。反射層15を構成する材料としては、アルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ステンレス等の金属材料を含有していることが好ましい。中でも反射率、耐食性の観点からアルミニウムもしくは銀を主成分としていることが特に好ましい。また、このような金属薄膜を2層以上形成するようにしても良い。金属薄膜を2層以上とする場合は、下層をNiもしくはCr、あるいはその両方を含む層とすることが支持体12との接着性を向上させる点から好ましい。また、金属薄膜上にSiO、TiO等の金属酸化物からなる層をこの順に設けて更に反射率を向上させても良い。
これらの金属を支持体12上に被覆する方法としては、蒸着、スパッタ、あるいは、金属箔の貼り合わせ等、特に制約はないが、密着性の観点からスパッタが最も好ましい。
なお、反射層15の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
(中間層)
前述のように、支持体12と反射層15の密着性を向上させるために、中間層16を設けることが好ましい。
中間層16を構成する材料としては、易接着性のポリマー、例えば、ゼラチン、誘導体ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼイン等の蛋白質;カルボキシメチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖誘導体;合成親水性コロイド例えばポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びその誘導体、その他多くの合成樹脂類が挙げられる。また、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、オレフィン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンも使用することができる。その他カーボネート系、ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリピロールのごとき有機半導体も使用することができる。また、これらのバインダーは2種以上を混合して使用することもできる。
その他、中間層16として、反射層15とは異なる異種金属層を設けても良い。異種金属層としては、例えば、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデン及びタングステンの中から選ばれる少なくとも1種類の金属を用いることが好ましく、中でもニッケル、クロムを単独、もしくは複合して使用することが更に好ましい。
(下引き層)
前述のように、支持体12と蛍光体層13の密着性を向上させるために、下引き層17を設けることが好ましい。図1に示す例では、下引き層17は、蛍光体層13と反射層15の間に設けられる。下引き層17には、上記(中間層)に記述した材料を用いることが出来る。下引層17の厚みは0.2〜20.0μmが好ましく、0.5〜10.0μmがより好ましく、更に1.0〜5.0μmが特に好ましい。
(蛍光体層)
蛍光体層13を形成する材料としては、種々の公知の蛍光体材料を使用することができるが、X線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であることから、ヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。
但し、CsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号公報の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているようなCsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質を含有するCsIが好ましい。
なお、本発明においては、特に、タリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとを原材料とすることが好ましい。これは、タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は、400nmから750nmまでの広い発光波長を持つことによる。
本発明に係るタリウム化合物を含有する添加剤のタリウム化合物としては、種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。本発明において、好ましいタリウム化合物は、ヨウ化タリウム(TlI)、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)等である。
また、当該添加剤を蛍光体層13内(柱状結晶内)において均一に存在させる観点から、本発明に係るタリウム化合物の融点は、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。なお、本発明での融点とは、常温常圧下における融点である。
本発明の蛍光体層13において、当該添加剤の含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、発光輝度及びヨウ化セシウムの性質・機能を保持する等の観点から、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0.001〜50mol%、更に0.1〜10.0mol%であることが好ましい。なお、蛍光体層13の厚さは、100〜800μmであることが好ましく、120〜700μmであることが、輝度と鮮鋭性の特性をバランスよく得られる点からより好ましい。
蛍光体層13の形成には、低温で密着性の良い膜が得られる、多種の支持体や皮膜を選択できる、合金、化合物や複雑化合物の皮膜生成が可能等の面から気相法を用いることが好ましい。
(保護層)
保護層14は、蛍光体層13の保護を主眼とするものである。即ち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主目的とする。
この保護層14は、種々の材料を用いて形成することができる。本発明においては、例えば、CVD法によりポリパラキシリレン樹脂膜を形成することが好ましい。即ち、蛍光体及び基板の表面全体にポリパラキシリレン樹脂膜を形成し、保護層14とすることができる。
保護層としてポリパラキシリレン樹脂膜を形成する場合、少なくとも蛍光体層の表面に、好ましくは1〜30μm、より好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜10μmの厚さに被覆することで保護層を形成することが望ましい。ポリパラキシリレン樹脂膜を1μm以上、30μm以内とすることで、画質、防湿性能を両立させることが出来る。
また、別の態様の保護層として、蛍光体層13上に別種の樹脂フィルムを保護フィルムとして設けることもできる。なお、ここで、「樹脂フィルム」とは、前述のように、特別の断書きがない限り、シンチレータパネル10を製造の前に、予め形成された(既製の)樹脂フィルムを指すこととする。
上記樹脂フィルムの厚さは、蛍光体層13の保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12〜100μmが好ましく、更には20〜60μmが好ましい。また、ヘイズ率が、鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3〜40%が好ましく、更には3〜10%が好ましい。ヘイズ率は、日本電色工業株式会社製NDH 5000Wにより測定した値を示す。必要とするヘイズ率は、市販されている樹脂フィルムから適宜選択し、容易に入手することが可能である。
保護フィルムとしての樹脂フィルム等の光透過率は、光電変換効率、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため実質的に99〜70%が好ましい。
保護フィルムの透湿度は、蛍光体層13の保護性、潮解性等を考慮し50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましいが、0.01g/m・day(40℃・90%RH)以下の透湿度のフィルムは工業的に入手が困難であるため実質的に、0.01g/m・day(40℃・90%RH)以上、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には0.1g/m・day(40℃・90%RH)以上、10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましい。
シンチレータパネル10の製造において、蛍光体層13が形成された支持体12は、製品サイズよりも大きい支持体12に製品サイズよりも大きい蛍光体層13を形成した後、支持体12と共に製品サイズに断裁されることが好ましい。蛍光体層13を形成した支持体12から、複数枚の蛍光体層13(支持体12)を切り出すことで、生産性の向上を図ることができる。
上記複数枚の蛍光体層13(支持体12)の断裁方法としては、例えば、打ち抜き刃、押し切りカッター、カッターナイフ、ハサミ、レーザ光等を用いた方法が挙げられる。
<シンチレータパネルの製作方法>
本発明に係るシンチレータパネル10の製作例について説明する。
〈蒸着装置〉
図3は、蒸着装置61の概略構成を示す図である。蒸着装置61は、PVD法等の気相法により支持体12等の基材上に薄膜を形成する際に用いられる。
図3に示すように、蒸着装置61は箱状の真空容器62を有しており、真空容器62の内部には真空蒸着用のボート(るつぼ)63が配されている。ボート63は蒸着源の被充填部材であり、当該ボート63には電極が接続されている。当該電極を通じてボート63に電流が流れると、ボート63がジュール熱で発熱するようになっている。放射線用シンチレータパネル10の製造時においては、ヨウ化セシウムと賦活剤化合物とを含む混合物がボート63に充填され、そのボート63に電流が流れることで、上記混合物を加熱・蒸発させることができるようになっている。
なお、被充填部材として、ヒーターを巻回したアルミナ製のるつぼを適用してもよいし、高融点金属製のヒーターを適用してもよい。
真空容器62の内部であってボート63の直上には、支持体12を保持する基板ホルダ64が配されている。基板ホルダ64にはヒーター(図示略)が配されており、当該ヒーターを作動させることで基板ホルダ64に装着した支持体12を加熱することができるようになっている。支持体12を加熱した場合には、支持体12の表面の吸着物を離脱・除去したり、支持体12とその表面に形成される蛍光体層13との間に不純物層が形成されるのを防止したりすることができるようになっている。また、支持体12とその表面に形成される蛍光体層13との密着性を強化したり、支持体12の表面に形成される蛍光体層13の膜質の調整を行ったりすることができるようになっている。
基板ホルダ64には当該基板ホルダ64を回転させる回転機構65が配されている。回転機構65は、基板ホルダ64に接続された回転軸65aとその駆動源となるモータ(図示略)から構成されたもので、当該モータを駆動させると、回転軸65aが回転して基板ホルダ64をボート63に対向させた状態で回転させることができるようになっている。
蒸着装置61では、上記構成の他に、真空容器62に真空ポンプ66が配されている。真空ポンプ66は、真空容器62の内部の排気と真空容器62の内部へのガスの導入とを行うもので、当該真空ポンプ66を作動させることにより、真空容器62の内部を一定圧力のガス雰囲気下に維持することができるようになっている。
〈シンチレータパネル〉
シンチレータパネル10の製作においては、上記で説明した蒸着装置61を好適に用いることができる。蒸着装置61を用いてのシンチレータパネル10の製作について説明する。
《反射層の形成》
支持体12上に、アルミニウムもしくは銀等を主成分とする金属層をスパッタ法により形成し、反射層15を形成する。
前述のように、反射層15の形成に先立ち、支持体12上に中間層16を形成することが好ましい。中間層16は、前述の材料を支持体12上に塗布及び乾燥して形成される。
《下引き層の形成》
下引き層17は、有機溶剤に高分子結合材を分散・溶解した組成物を反射層15上に塗布、乾燥して形成される。高分子結合材としては、接着性、導電性金属反射層の耐腐食性の観点でポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の疎水性樹脂が好ましい。
《蛍光体層の形成》
上記のように反射層15、中間層16及び下引き層17を設けた支持体12を基板ホルダ64に取り付けるとともに、ボート63にヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む粉末状の混合物を充填する(準備工程)。この場合、ボート63と支持体12との間隔を100〜1500mmに設定し、その設定値の範囲内のままで後述の蒸着工程の処理を行うことが好ましい。
準備工程の処理を終えたら、真空ポンプ66を作動させて真空容器62の内部を排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする(真空雰囲気形成工程)。
ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後、アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.001〜5Pa、より好ましくは0.01〜2Paの真空雰囲気下に維持する。次に、基板ホルダ64のヒーターと回転機構65のモータとを駆動させ、基板ホルダ64に取り付け済みの支持体12をボート63に対向させた状態で加熱しながら回転させる。蛍光体層13が形成される支持体12の温度は、蒸着開始時は室温25〜50℃に設定することが好ましく、蒸着中は100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に設定することが好ましい。
この状態において、電極からボート63に電流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物を700〜800℃程度で所定時間加熱してその混合物を蒸発させる。その結果、支持体12の表面に、図1に示すように下引き層17が形成されている場合には下引き層17の表面に、無数の柱状結晶体13aが順次成長して所望の厚さの蛍光体層13が形成される。
《支持体の断裁》
製品サイズよりも大きい支持体12に蛍光体層13を形成した場合には、製品サイズに断裁される。前述のように、蛍光体層13を形成した支持体12から、複数枚の蛍光体層13(支持体12)を切り出すことで、生産性の向上を図ることができる。
上記複数枚の支持体12の断裁方法としては、例えば、打ち抜き刃、押し切りカッター、カッターナイフ、ハサミ、レーザ光等を用いた方法が挙げられる。
《支持体の接合》
蛍光体層13が形成され製品サイズとされた支持体12は、その蛍光体層13面の裏面(非蛍光体層面)が剛性板11と接合(貼り合わせ)される。
図4は、支持体12、剛性板11及びホットメルトシート18の配置を示す図である。なお、反射層15、中間層16及び下引き層17は省略している。図4に示すように支持体12と剛性板の接合は、支持体12と剛性板11の間にホットメルトシート18を挟み、剛性板11側より加圧及び加熱溶融することにより行われる。
この加熱溶融は、オーブン、ヒーター、温風を吐出するホットエアガン等、既知の方法を用いることができる。また、前述のような加熱温度、加圧量を用いて行われる。
《保護層の形成》
この蛍光体層13を形成するCsIは、吸湿性が高く、露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解する。そこで、これを防止するために、CVD法によりポリパラキシリレンをシンチレータパネル全面に5〜30μm厚さに被覆することで保護層14を形成する。CsIの柱状結晶には隙間があり、ポリパラキシリレンがこの狭い隙間に入り込むので、保護層がCsIに密着する。
これにより、本発明に係る放射線用シンチレータパネル10を製造することができる。
<放射線画像検出器>
次に、本発明に係る放射線画像検出器100について、図を参照しながら説明する。図5は、放射線画像検出器100の概略構成を示す一部破断斜視図である。図6は、撮像パネル51の拡大断面図である。
図5に示すように、放射線画像検出器100には、撮像パネル51、放射線画像検出器100の動作を制御する制御部52、書き換え可能な専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いて撮像パネル51から出力された画像信号を記憶する記憶手段であるメモリ部53、撮像パネル51を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する電力供給手段である電源部54等が、筐体55の内部に設けられている。筐体55には必要に応じて放射線画像検出器100から外部に通信を行うための通信用のコネクタ56、放射線画像検出器100の動作を切り換えるための操作部57、放射線画像の撮影準備の完了やメモリ部53に所定量の画像信号が書き込まれたことを示す表示部58、等が設けられている。
ここで、放射線画像検出器100に電源部54を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部53を設け、コネクタ56を介して放射線画像検出器100を着脱自在にすれば、放射線画像検出器100を持ち運びできる可搬構造とすることができる。
図6に示すように、撮像パネル51は、シンチレータパネル10と、シンチレータパネル10からの電磁波を吸収して画像信号を出力する光電変換パネル20と、を備えている。シンチレータパネル10と光電変換パネル20とは、密着状態で保持される。
シンチレータパネル10は、放射線照射面側に配置されており、入射した放射線の強度に応じた電磁波を発光するように構成されている。
光電変換パネル20は、シンチレータパネル10の放射線照射面と反対側の面に設けられており、シンチレータパネル10側から順に、隔膜20a、光電変換素子20b、画像信号出力層20c及び支持部材である基板20dを備えている。
隔膜20aは、シンチレータパネル10と他の層を分離するためのものである。
光電変換素子20bは、透明電極21と、透明電極21を透過して入光した電磁波により励起されて電荷を発生する電荷発生層22と、透明電極21に対しての対極になる対電極23とから構成されており、隔膜20a側から順に透明電極21、電荷発生層22、対電極23が配置される。
透明電極21とは、光電変換される電磁波を透過させる電極であり、例えばインジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料を用いて形成される。
電荷発生層22は、透明電極21の一面側に薄膜状に形成されており、光電変換可能な化合物として光によって電荷分離する有機化合物を含有するものであり、電荷を発生し得る電子供与体及び電子受容体としての導電性化合物をそれぞれ含有している。電荷発生層22では、電磁波が入射されると、電子供与体は励起されて電子を放出し、放出された電子は電子受容体に移動して、電荷発生層22内に電荷、すなわち、正孔と電子のキャリアが発生するようになっている。
ここで、電子供与体としての導電性化合物としては、p型導電性高分子化合物が挙げられ、p型導電性高分子化合物としては、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフルオレン、ポリ(p−フェニレン)またはポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい。
また、電子受容体としての導電性化合物としては、n型導電性高分子化合物が挙げられ、n型導電性高分子化合物としては、ポリピリジンの基本骨格を持つものが好ましく、特にポリ(p−ピリジルビニレン)の基本骨格を持つものが好ましい。
電荷発生層22の層厚は、光吸収量を確保するといった観点から、10nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きくなりすぎないといった観点から、1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
対電極23は、電荷発生層22の電磁波が入光される側の面と反対側に配置されている。対電極23は、例えば、金、銀、アルミニウム、クロムなどの一般の金属電極や、透明電極21の中から選択して用いることが可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするのが好ましい。
また、電荷発生層22を挟む各電極(透明電極21及び対電極23)との間には、電荷発生層22とこれら電極が反応しないように緩衝地帯として作用させるためのバッファー層を設けてもよい。バッファー層は、例えば、フッ化リチウム及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホナート)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル[1,10]フェナントロリンなどを用いて形成される。
画像信号出力層20cは、光電変換素子20bで得られた電荷の蓄積及び蓄積された電荷に基づく信号の出力を行うものであり、光電変換素子20bで生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサ24と、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタ25とを用いて構成されている。
トランジスタ25は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでもよく、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。更に、Science,283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、本発明に用いられるトランジスタ25としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。更に、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板上にも形成できる。
トランジスタ25には、光電変換素子20bで発生した電荷を蓄積するとともに、コンデンサ24の一方の電極となる収集電極(図示せず)が電気的に接続されている。コンデンサ24には光電変換素子20bで生成された電荷が蓄積されるとともに、この蓄積された電荷はトランジスタ25を駆動することで読み出される。すなわちトランジスタ25を駆動させることで放射線画像の画素毎の信号を出力させることができる。
基板20dは、撮像パネル51の支持体として機能するものであり、剛性板11と同様の材料で構成することが可能である。これにより、剛性板11と光電変換パネル20の熱膨張係数をほぼ同じとすることができ、温度変動による蛍光体層13の寸法変化を光電変換パネル20の寸法変化とほぼ同じとすることができる。その結果、画像ズレの抑制を効果的に行うことができる。
次に、放射線画像検出器100の作用について説明する。
まず、放射線画像検出器100に入射した放射線は、撮像パネル51の放射線用シンチレータパネル10側から基板20d側に向けて進行する。
すると、シンチレータパネル10中の蛍光体層13が入射した放射線のエネルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波を発光する。発光された電磁波のうち、光電変換パネル20に入光される電磁波は、光電変換パネル20の隔膜20a、透明電極21を貫通し、電荷発生層22に到達する。そして、電荷発生層22において電磁波は吸収され、その強度に応じて正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
その後、発生した電荷は、電源部54によるバイアス電圧の印加により生じる内部電界により正孔と電子はそれぞれ異なる電極(透明電極膜及び導電層)へ運ばれ、光電流が流れる。
その後、対電極23側に運ばれた正孔は画像信号出力層20cのコンデンサ24に蓄積される。蓄積された正孔はコンデンサ24に接続されているトランジスタ25を駆動させると、画像信号を出力するとともに、出力された画像信号はメモリ部53に記憶される。
上記のように、剛性板11の熱膨張係数を、光電変換パネル20との熱膨張係数の差が±0〜4.0ppmであるように制御することにより、温度変動による蛍光体層の寸法変化を光電変換パネル20に近づけることができ、その結果、画像ズレを抑制することができる。
本発明に係る放射線画像検出器100によれば、上記のシンチレータパネル10を備えているので、光電変換効率を高めることができ、放射線画像における低線量撮影時のSN比を向上させるとともに、画像ムラや線状ノイズの発生を防止することができる。
《シンチレータパネルと光電変換パネルの接着》
シンチレータパネルと光電変換パネルの貼り合わせについては特に制約は無く、接着剤を用いず圧力により密着させても、接着剤を用いてもよい。
シンチレータパネルと光電変換パネルを接着剤で貼り合わせる方法としては、例えば、前述のホットメルトシートの他、例えば、ゴム系、シリコーン系、アクリル系、エポキシ系などの常温硬化型の接着剤が使用できる。
ゴム系の接着剤の樹脂としては、スチレン−イソプレン−スチレン等のブロックコポリマー系や、ポリブタジエン、ポリブチレン等の合成ゴム系接着剤、及び天然ゴム等を使用できる。市販されているゴム系接着剤の例としては一液型RTVゴムKE420(信越化学工業社製)などが好適に使用される。
シリコーン接着剤としては、過酸化物架橋タイプや付加縮合タイプを単体または混合で使用してもよい。さらにアクリル系やゴム系粘着剤と混合して使用することもできるし、アクリル系接着剤のポリマー主鎖や側鎖にシリコーン成分をペンダントした接着剤を使用してもよい。
接着剤としてアクリル系樹脂を用いる場合は、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル側鎖を有するアクリル酸エステルを含有するラジカル重合性モノマーを反応させた樹脂を用いることが好ましい。また、単量体成分として、側鎖に水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の極性基を有する、アクリル酸エステルやその他のビニル系単量体を添加するのが好ましい。
またシンチレータパネルと光電変換パネルの接着には粘着性を有する光学グリース等も使用できる。透明性が高く粘着性があれば公知のいかなるものも使用できる。市販されている光学グリースの例としてはシリコンオイルKF96H(100万CS:信越化学工業社製)などが好適に使用される。
本発明に係る剛性板11と光電変換パネル20との熱膨張係数の差が4.0ppm以内となる構成のシンチレータパネル1〜5と、比較例として熱膨張係数の差が4.0ppmを超える構成及び剛性板11を用いない構成のシンチレータパネル6〜8を作成して評価した。
(1)シンチレータパネル番号1〜4、6、7の作製
表1に示す番号1〜4、6、7のシンチレータパネル10を作成した。
(支持体の作製)
宇部興産製ユーピレックスS(厚さ125μm)上に700Åになるようにロールtoロールにて銀をスパッタし(反射層15)、続いてグラビアコーターを用いてメチルエチルケトンに溶解したポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200)を塗布、乾燥することにより下引き層17(乾燥膜厚)3.0μmを設けた。その後、500mm×500mmのサイズに断裁することにより支持体12を作製した。
(シンチレータ層の形成)
支持体12表面に蛍光体(CsI:0.003Tl)を、図3に示した蒸着装置61を使用して蒸着させ、蛍光体層(シンチレータ層)13を形成した。即ち、この蛍光体原料を蒸着材料として抵抗加熱ルツボ(ボート63)に充填し、また回転する基板ホルダ64の金属製の枠に支持体12を設置し、支持体12と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
続いて蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.5Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら支持体12の温度を200℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボ(ボート63)を加熱して蛍光体を蒸着し、蛍光体層13の層厚が350μmとなったところで蒸着を終了させた。取り出し後、カッターを用いて430mm×430mmに断裁し、蛍光体層13が形成された支持体12、即ち蛍光体プレートを得た。
(剛性板11の貼り合わせ)
上記支持体12の裏面(非蛍光体層面)に、430mm×430mmサイズの表1に示す剛性板11(いずれも0.5mm厚)を、表1に示す接着シート(いずれも50μm厚)にて貼り合せた。
(保護層の作製:樹脂フィルム)
支持体12の蛍光体層13側を保護するため、下記構成の防湿フィルムを使用した。
アルミナ蒸着PET12///アルミナ蒸着PET12///CPP20
PET:ポリエチレンテレフタレート
CPP:キャスティングポリスチレン
各樹脂名の後ろに記載の数字は樹脂層の層厚(μm)を示す。
上記「///」はドライラミネーション接着層で、接着層の厚みは3.0μmである。使用したドライラミネーション用の接着剤は2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
また、支持体12の裏面側の保護フィルムは、CPP40μm/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート25μmの構成のドライラミネーションフィルムとした。またこの場合の接着層の厚みは1.5μmで、2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
支持体12を上記作製した防湿性保護フィルムを用いて減圧下で周辺部を、インパルスシーラーを用いて融着、封止して、シンチレータパネルを作製した。
なお、融着部から支持体12周辺部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは10mm幅のものを使用した。
(2)シンチレータパネル番号5の作製
表1に示す番号5のシンチレータパネル10を作成した。支持体12の保護層14を下記保護層に変更した以外は、(1)と同様にして作製した。
(保護層の作製:ポリパラキシリレン樹脂膜)
上記蛍光体層13が形成された支持体12及び貼り合わされた剛性板11からなる基板をCVD装置の蒸着室に入れ、ポリパラキシリレンの原料が昇華した蒸気中に露出させておくことにより、蛍光体層13と基板の全面表面が10μmの厚さのポリパラキシリレン樹脂膜で被服されたシンチレータパネル10を得た。
(3)シンチレータパネル番号8の作製
表1に示す番号8のシンチレータパネル10を作成した。剛性板11を用いない以外は、(1)と同様にして作製した。
〈評価〉
得られたシンチレータパネル10を、FPD(Varian社製:PaxScan4343R)にセットした。その後、以下に示す方法により温度変動による画像ズレについて評価した。
なお、PaxScanの光電変換素子はガラス基板上に形成されたTFT回路により駆動されるフォトダイオードである。
《温度変動によるディフェクト発生頻度》
FPDの電源を入れ、光電変換パネル20の温度が飽和したことを確認した後、RQA5(IEC61267規定のX線の線質)の条件で撮影し、ゲイン補正を実施し後、画像を取得した(画像1)。この時の光電変換パネルの温度は40℃であった。
続いてFPDの電源を切り、充分冷却した後に、再び電源を入れ、直ちに撮影を行った。この時の光電変換パネルの温度は20℃であった。続いて、最初に撮影した40℃のゲイン補正画像を用いて20℃で撮影した画像を取得した(画像2)。
各画素について、画像1のカウント値−画像2のカウント値+平均カウント値を算出し、この数値が平均カウント値に対して±20%の範囲を超えた画素をディフェクト(画像欠陥)と定義した。ここで、カウント値とはデジタル出力値のことで、平均カウント値とは全ての画素の平均値のことを指す。
全ての画素について、その画素がディフェクトと判断できるかを定義に基づき調べた。その結果、ディフェクトの発生頻度(ディフェクトの画素数/全画素数)が、100ppm以下であれば、実用上問題ないレベルと判定した。
〈結果〉
表1に評価結果を示す。
表1に示すように、本発明の効果が確認された。
10 シンチレータパネル
11 剛性板
12 支持体
13 蛍光体層
14 保護層
15 反射層
16 中間層
17 下引き層
18 接着剤層
20 光電変換パネル
51 撮像パネル
52 制御部
53 メモリ部
54 電源部
55 筐体
56 コネクタ
57 操作部
58 表示部
61 蒸着装置
62 真空容器
63 ボート
64 基板ホルダ
65 回転機構
66 真空ポンプ
100 放射線画像検出器

Claims (10)

  1. 光電変換素子を備えた光電変換パネルと、蛍光体層を備え且つ前記光電変換パネルと貼り合わされるシンチレータパネルとを有する放射線画像検出器であって、
    前記シンチレータパネルは、一方の面に前記蛍光体層が形成される樹脂フィルムを主成分とする支持体と、前記支持体の他方の面と接合される剛性板とを備え、前記剛性板は前記光電変換パネルとの熱膨張係数の差が4.0ppm以内であることを特徴とする放射線画像検出器。
  2. 前記支持体と前記剛性板とが、接着剤である接着剤層により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像検出器。
  3. 前記接着剤層は、ホットメルトシートであることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像検出器。
  4. 前記支持体がポリイミドを主成分とすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
  5. 前記蛍光体層は、製品サイズよりも大きい前記支持体に製品サイズよりも大きく形成された後、前記支持体と共に製品サイズに断裁され形成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
  6. 前記剛性板が、前記光電変換パネルの支持部材と同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
  7. 前記蛍光体層が、ヨウ化セシウムとタリウムを含む添加剤を原材料として気相法により形成されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
  8. 前記シンチレータパネルの全面が、保護層で覆われていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の放射線画像検出器。
  9. 前記保護層が、樹脂フィルムを主成分とする防湿フィルムからなることを特徴とする請求項8に記載の放射線画像検出器。
  10. 前記保護層が、CVD法によりシンチレータパネル全面に形成されたポリパラキシリレン樹脂膜からなることを特徴とする請求項8に記載の放射線画像検出器。
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