JP2005315797A - 輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネル - Google Patents

輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネル Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光体パネル上における撮像領域の精度が極めて高い、高品位な輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルを提供する。
【解決手段】基板と、輝尽性蛍光体層と、枠とを少なくとも有する輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルにおいて、枠上に、剥離可能で、且つ、この枠の熱膨張に追従する柔軟性を有するマスク材を貼り付け、このマスク材により、蛍光体層の蒸着位置を決定する輝尽性蛍光体パネルの製造方法、または、基板上に枠を設ける、設けないに係らず、蛍光体層の蒸着位置を決定するマスクとして、基板との熱膨張係数差が、1×10−6/℃以下の材料からなるマスクを用いて蛍光体層の形成を行うことを特徴とする輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルにより、前記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルの技術分野に属し、詳しくは、輝尽性蛍光体層の蒸着位置精度を向上させることにより、基板上の所定領域に高精度に輝尽性蛍光体層を形成することができ、従って、輝尽性蛍光体パネル上における撮像領域の精度が極めて高い、高品位な輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルに関する。
放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光の照射を受けると、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽発光を示す蛍光体が知られている。この蛍光体は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途に利用されている。
一例として、この輝尽性蛍光体の膜(輝尽性蛍光体層、以下、蛍光体層とする)を有する輝尽性蛍光体パネル(以下、蛍光体パネルとする(放射線像変換シートとも呼ばれている))を利用する、放射線画像情報記録再生システムが知られており、例えば、富士写真フイルム社製のFCR(Fuji Computed Radiography)等として実用化されている。
このシステムでは、人体などの被写体を介してX線等を照射することにより、蛍光体パネル(蛍光体層)に被写体の放射線画像情報を記録する。記録後に、蛍光体パネルをレーザ光等の励起光で2次元的に走査して輝尽発光を生ぜしめ、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて再生した画像を、CRTなどの表示装置や、写真感光材料などの記録材料等に、被写体の放射線画像として出力する。
蛍光体パネルは、通常、輝尽性蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗料を調製して、この塗料をガラスや樹脂製のパネル状の支持体に塗布し、乾燥することによって、作成される。
これに対し、真空蒸着やスパッタリング等の真空成膜法(気相成膜法)によって、支持体に蛍光体層を形成してなる蛍光体パネルも知られている(特許文献1、特許文献2参照)。真空成膜法による蛍光体層は、真空中で形成されるので不純物が少なく、また、輝尽性蛍光体以外のバインダなどの成分が殆ど含まれないので、性能のバラツキが少なく、しかも発光効率が非常に良好であるという、優れた特性を有している。
真空蒸着法によって蛍光体層を形成する場合には、通常、蒸着領域を規制するマスクを用いることで、蛍光体層の蒸着領域を決定し、蒸着を実施する。例えば、特許文献3では、蛍光体層(輝尽層)の蒸着において、ステンレス板のマスクを使って蛍光体層の蒸着領域を決定して、蒸着することが開示されている。
特許第2789194号公報 特開平5−249299号公報 特許第2884356号公報
ところが、前記特許文献3に開示されているような、マスクを用いて蛍光体層の蒸着を行う方法では、蛍光体層の蒸着位置精度が不十分で、基板上の所定領域に高精度に蛍光体層を形成することができない。
蛍光体層の蒸着位置精度が低いと、蛍光体パネルにおける適正な撮像領域が所定範囲とならず、例えば、蛍光体パネルの端部に重要な部位が撮影された場合には、この部位の適正な画像を得ることができない。このような画像の低下は、医療用途では、誤診の原因ともなる重要な問題である。
また、蛍光体層の蒸着位置精度が低いと、蛍光体パネルの適正な撮像領域に対して、保障可能な画像サイズが小さくなる為、所定の画像サイズを保障するためには、蛍光体パネルの基板サイズ、ひいては装置全体のサイズを大きくせざるを得なくなるという問題もある。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、蛍光体層の蒸着位置精度を向上させることにより、基板上の所定領域に高精度に蛍光体層を形成することができ、従って、蛍光体パネル上における撮像領域の精度が極めて高い、高品位な輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、この基板上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層と、この輝尽性蛍光体層を前記基板面方向で囲む、前記基板に固定された枠とを、少なくとも有する輝尽性蛍光体パネルの製造方法において、前記基板に前記枠を固定した後、この枠上に、剥離可能で、且つ、この枠の熱膨張に追従する柔軟性を有するマスク材を貼り付け、このマスク材により、前記基板上の前記輝尽性蛍光体層の蒸着位置を決定して、蒸着法によって前記輝尽性蛍光体層を形成することを特徴とする輝尽性蛍光体パネルの製造方法を提供するものである。
本発明は、さらに、前記輝尽性蛍光体層を覆って、前記枠に固定される防湿保護層を設けることが好ましい。
さらに、本発明は、前記基板上に、溝を形成し、この溝に、前記枠を挿入して前記基板に前記枠を固定することが好ましい。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とを、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着することが好ましい。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とを、溶解金属で接着することが好ましい。
さらに、前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、この基板上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層とを、少なくとも有する輝尽性蛍光体パネルの製造方法において、前記輝尽性蛍光体層の蒸着位置を決定するマスクとして、前記基板との熱膨張係数の差が、1×10−6/℃以下の材料からなるマスクを用いて前記輝尽性蛍光体層の形成を行うことを特徴とする輝尽性蛍光体パネルの製造方法を提供するものである。
本発明は、さらに、前記輝尽性蛍光体層を覆う防湿保護層を設けることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明は、さらに、前記輝尽性蛍光体層の形成に先立ち、前記輝尽性蛍光体層を基板面方向で囲む枠を前記基板に固定する工程を有することが好ましい。
さらに、本発明は、前記基板上に、前記枠をはめ込む溝を形成し、この溝に前記枠を挿入して、前記基板に前記枠を固定することが好ましい。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とを、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着することが好ましい。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とを、溶解金属で接着することが好ましい。
さらに、本発明は、前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることが好ましい。
上記目的を達成するために、本発明は、溝が形成されている基板と、この溝に挿入されて固定される、前記溝よりも内側を完全に囲んで基板表面より突出する枠と、前記枠の内側に形成される輝尽性蛍光体層と、この枠の上面に接着され、前記輝尽性蛍光体層を封止する防湿保護層とを有する輝尽性蛍光体パネルを提供するものである。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とが、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着されていることが好ましい。
さらに、本発明は、前記枠と前記基板とが、溶解金属で接着されていることが好ましい。
さらに、本発明は、前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、蛍光体パネル上における撮像領域の精度が極めて高い、高品位な輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルを、提供することができる。
以下、本発明の輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルついて、添付の図面を用いて、詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法で製造する蛍光体パネルの概略構成断面図を示したものである。
図1に示すように、本発明の製造方法で製造する蛍光体パネル10は、基板12と、この基板12上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層(以下、蛍光体層とする)14と、この蛍光体層14を基板12面方向で囲む、基板12に固定された枠20とを少なくとも有し、好ましくは、蛍光体層14を覆って封止する、蛍光体層14の吸湿を防止するための防湿保護層18を有する。
なお、本発明に係る蛍光体パネル10は、上記構成が満たされていれば、蛍光体層14の成膜以前に形成される膜を有することには、特に限定はない。例えば、基板12の表面に輝尽発光光を反射するための反射膜、あるいはさらに、反射膜上に反射膜を保護するためのバリア膜等を有してもよいし、さらに、これらの膜を形成された基板12の表面に、蛍光体層14を形成しても良い。また、蛍光体層14を封止するために、接着層16を有しても良い。
本発明の製造方法で製造する蛍光体パネル10において、基板12には特に限定はなく、蛍光体パネル10で使用されている各種のものが利用可能である。
一例として、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルム; 石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、耐熱ガラス(パイレックスTM等)などから形成されるガラス板; アルミニウムシート、鉄シート、銅シート、クロムシートなどの金属シートあるいは金属酸化物の被服層を有する金属シート; 等が例示される。
本発明の製造方法で製造する蛍光体パネル10では、蛍光体層14の形成に先立ち、基板12表面に、基板12上における蛍光体層14の形成領域(すなわち、蛍光体パネルの撮像領域)に応じて、所定の厚み、外形、幅の枠20を設ける。
枠20を有し、ここに蛍光体層14の封止を行う防湿保護層18を接着する構成とすることにより、防湿保護層18で蛍光体層14を封止する際に、蛍光体層14の表面と防湿保護層18との接着面を略同一平面上にできるため、蛍光体層14の封止を容易に行う事ができ、且つ、封止時等における蛍光体層14の保護も図ることができる。
枠20の形状には、特に限定はなく、蛍光体パネル10の撮像領域に応じて、適宜、限定すればよいが、図示例においては、一例として、上下面が開放する四角柱状のものである。
また、枠20の形成材料にも、特に限定は無いが、基板12との熱膨張差が1×10−6/℃以下の材料、例えば、基板12と同一素材のものが好ましい。これにより、蛍光体パネル10の温度が変化した場合の熱膨張率差による変形を低減でき、画像ムラを防ぐことができる。
枠20を基板12に固定する固定方法にも、特に限定はなく、接着剤を用いる方法等、公知の方法が、各種利用可能であるが、150℃以上の耐熱性を有する耐熱接着剤、もしくは、溶解金属を用いて固定するのが好ましい。これにより、蛍光体層14の蒸着時、または、蒸着後の熱処理時に、枠20が基板12から剥離するのを防ぐことができる。さらに、溶解金属による固定に関しては、上記の利点に加え、基板12と枠20との接着部からの透湿を低減することができる。
なお、耐熱接着剤は、特に限定はなく、一例として、エポキシ接着剤が好適に例示される。また、溶解金属も、同様に、特に限定はなく、一例として、アルミ半田が好適に例示される。
枠20は、例えば、適切な冶具を用いて位置合わせをして、基板12表面に固定しても良いが、好ましくは、図2に示すように、基板12に溝22を形成し、この溝22に、枠20を挿入して、基板12上に枠20を固定するのが特に好ましい。
このような溝22は、機械加工等によって、非常に高い位置精度で加工することができる。従って、このような溝22を形成し、ここに枠20を挿入して、枠20の位置決めを行うことにより、枠20と基板12との位置精度、及び、基板12に対する蛍光体層14の蒸着位置精度が向上し、蛍光体パネルの撮像面を適正に所定範囲とすることが可能となる。さらに、溝22に枠20を挿入する構成にすることにより、枠20の厚みを、溝22に差し込む部分の量だけ、基板12面上に固定する場合より厚くすることができ、機械的強度の向上を図ると共に、製造上扱いやすくなり、また、枠20の寸法精度も確保しやすくなる。
溝22の基板12表面からの深さは、枠20が基板12に適正に固定され、枠20の強度が十分に得られる深さであれば、基板12及び蛍光体層14の厚さに応じて、適宜、決定されれば良いが、好ましくは、0.2mm〜5mmである。
なお、枠20と基板12との位置精度や枠20の取り付け時の加工性等を高くする為に、枠20を溝22に嵌入する構成にすることが、特に好ましい。
本発明の蛍光体パネル10の製造方法においては、図3に示すように、このような枠20を基板12上に設けた後、剥離可能で、且つ、この枠20の熱膨張に追従する柔軟性を有する、マスク材24を貼り付ける。
前述のように、真空蒸着による蛍光体層の形成は、ステンレス等のマスクを用いて蒸着領域を決定する。ところが、このようなマスクを用いた蒸着では、熱膨張によってマスクと、基板や枠との位置関係が相対的にずれてしまうために、基板上における蒸着位置に誤差が生じてしまい、蛍光体パネル上における撮像領域が適正にならず。また、蛍光体パネル上における画像保障サイズが小さくなり、蛍光体パネルが大型化する等の問題がある。
また、後述するが、本発明においては、0.01Pa〜3Pa程度の真空度(以下、中真空とする)で、抵抗加熱等を用いて真空蒸着を行うのが好ましい。ここで、抵抗加熱では、ルツボを発熱させて成膜材料を加熱蒸発するので、蒸発源からの輻射熱が非常に大きい。しかも、この程度の中真空では、成膜材料の蒸気を基板に確実に到達させるために、基板と蒸発源を通常に比して大幅に近接する必要がある。すなわち、中真空での蒸着による蛍光体層の成膜では、基板や枠、さらには、マスクは、通常に比して、より加熱され易い状態にあり、前記熱膨張による蛍光体層の蒸着位置精度の低下、すなわち、蛍光体パネルにおける撮像領域精度の低下の問題は、より大きくなる。
これに対し、本発明においては、基板12上に枠20を有し、この枠20の内側に蛍光体層14を形成する蛍光体パネル10において、枠20上に、枠20の熱膨張に追従する柔軟性を有するマスク材24を貼着し、このマスク材24によって蛍光体層14の蒸着領域を決定する。
このようなマスク材24を用いることにより、枠20や基板12が熱膨張しても、これにマスク材24が追従するので、基板12や枠20に対する蛍光体層14の蒸着位置精度を確保することができ、基板12上における所定領域に、高精度に蛍光体層14を形成することができる。その結果、蛍光体パネル10上における撮像領域の精度が極めて高い、高品位な蛍光体パネルを安定して製造することができ、また、蛍光体パネルにおける画像保障サイズの低下や蛍光体パネルの大型化を防止することができる。
マスク材24は、上記の条件を満たしていれば、特に限定はない。一例として、耐熱性粘着剤つきカプトンテープ(カプトンは、デュポン社の登録商標)が、好適に例示される。
マスク材24を枠20に固定する方法には、特に限定はなく、例えば、マスク材24を枠20に貼り付けた後、枠20の内側におけるマスク材24の余剰部分を、適切な冶具を用いて切り落とす。
前記マスク材24を貼り付けた枠20を有する基板12上に、前記蛍光体層14を形成した後、マスク材24を剥離することにより、枠20の内側の所定領域のみに蛍光体層14を形成することができる。
本発明の輝尽性蛍光体パネル10の製造方法においては、マスク材24を貼り付けた枠20を有する基板12上にマスク材24によって形成領域を規制(マスキング)して、蛍光体層14を形成する。
なお、本発明においては、蛍光体層14の成膜前の工程には、特に限定はなく、例えば、前述のように、基板12の表面に輝尽発光光を反射するための反射膜、あるいはさらに、反射膜上に反射膜を保護するためのバリア膜等を形成しても良いし、これらの膜を形成した基板12上に、蛍光体膜14を形成してもよい。
蛍光体層14を形成する輝尽性蛍光体としては、各種のものが利用可能であるが、一例として、下記の輝尽性蛍光体が好ましく例示される。
米国特許第3,859,527号明細書に記載されている輝尽性蛍光体である、「SrS:Ce,Sm」、「SrS:Eu,Sm」、「ThO2 :Er」、および、「La22 S:Eu,Sm」。
特開昭55−12142号公報に開示される、「ZnS:Cu,Pb」、「BaO・xAl23 :Eu(但し、0.8≦x≦10)」、および、一般式「MIIO・xSiO2:A」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、MIIは、Mg,Ca,Sr,Zn,CdおよびBaからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Ce,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,BiおよびMnからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0.5≦x≦2.5である。)
特開昭55−12144号公報に開示される、一般式「LnOX:xA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、Lnは、La,Y,GdおよびLuからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、ClおよびBrの少なくとも一種であり、Aは、CeおよびTbの少なくとも一種である。また、0≦x≦0.1である。)
特開昭55−12145号公報に開示される、一般式「(Ba1-x ,M2+x )FX:yA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、M2+は、Mg,Ca,Sr,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,YbおよびErからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦x≦0.6であり、0≦y≦0.2である。)
特開昭57−148285号公報に開示される、下記のいずれかの輝尽性蛍光体。
すなわち、一般式「xM3 (PO42 ・NX2 :yA」または「M3(PO42 ・yA」で示される輝尽性蛍光体;
(上記式において、MおよびNは、それぞれ、Mg,Ca,Sr,Ba,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sb,Tl,MnおよびSnからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦x≦6、0≦y≦1である。)
一般式「nReX3 ・mAX’2 :xEu」または「nReX3 ・mAX’2 :xEu,ySm」で示される輝尽性蛍光体;
(上記式において、Reは、La,Gd,YおよびLuからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Ba,SrおよびCaからなる群より選択される少なくとも一種であり、XおよびX’は、それぞれ、F,Cl,およびBrからなる群より選択される少なくとも一種である。また、1×10-4<x<3×10-1であり、1×10-4<y<1×10-1であり、さらに、1×10-3<n/m<7×10-1である。)
および、一般式「MI X・aMIIX’2 ・bMIII X''3:cA」で示されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体。
(上記式において、MI は、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,CuおよびNiからなる群より選択される少なくとも一種の二価の金属であり、MIII は、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,GaおよびInからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、X、X’およびX''は、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu,BiおよびMgからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦a<0.5であり、0≦b<0.5であり、0≦c<0.2である。)
特開昭56−116777号公報に開示される、一般式「(Ba1-X ,MIIX )F2 ・aBaX2 :yEu,zA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、ZrおよびScの少なくとも一種である。また、0.5≦a≦1.25であり、0≦x≦1であり、1×10-6≦y≦2×10-1であり、0<z≦1×10-2である。)
特開昭58−69281号公報に開示される、一般式「MIII OX:xCe」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、MIII は、Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびBiからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Xは、ClおよびBrの少なくとも一種である。また、0≦x≦0.1である。)
特開昭58−206678号公報に開示される、一般式「Ba1-x Ma La FX:yEu2+」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、Mは、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,InおよびTlからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種である。また、1×10-2≦x≦0.5であり、0≦y≦0.1であり、さらに、aはx/2である。)
特開平59−75200号公報に開示される、一般式「MIIFX・aMI X’・bM’IIX''2 ・cMIII3 ・xA:yEu2+」で示される輝尽性蛍光体。(上記式において、MIIは、Ba,SrおよびCaからなる群より選択される少なくとも1種であり、MIは、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、M’IIは、BeおよびMgの少なくとも一方の二価の金属であり、MIIIは、Al,Ga,In、およびTlからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Aは、金属酸化物であり、X、X’およびX''は、それぞれ、F,Cl,Br,およびIからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦a≦2であり、0≦b≦1×10-2であり、0≦c≦1×10-2であり、かつ、a+b+c≧10-6であり、さらに、0<x≦0.5であり、0<y≦0.2である。)
特に、優れた輝尽発光特性を有し、かつ、本発明の効果が良好に得られる等の点で、特開昭57−148285号公報に開示されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体は好ましく例示され、中でも特に、MI が、少なくともCsを含み、Xが、少なくともBrを含み、さらに、Aが、EuまたはBiであるアルカリハライド系輝尽性蛍光体は好ましく、その中でも特に、一般式「CsBr:Eu」で示される輝尽性蛍光体が好ましい。
蛍光体層14は、このような輝尽性蛍光体からなり、形成方法には、特に限定はなく、真空蒸着、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の各種の真空成膜法で得られるものが利用可能である。
中でも、生産性等の点で真空蒸着により形成された蛍光体層14が好ましく、特に、蛍光体成分の材料と、付活剤(賦活剤:activator)成分の材料とを別々に加熱蒸発させる、多元の真空蒸着により形成された蛍光体層14が好ましい。例えば、前記「CsBr:Eu」の蛍光体層14であれば、蛍光体成分の材料として臭化セシウム(CsBr)を、付活剤成分の材料として臭化ユーロピウム(EuBrx(xは、通常、2〜3))を、それぞれ用いて、別々に加熱蒸発させる、多元の真空蒸着により形成されることが好ましい。
真空蒸着における加熱方法にも、特に限定はなく、例えば、電子銃等を用いる電子線加熱、又は、抵抗加熱で形成されたものでもよい。さらに、多元の真空蒸着による形成される場合には、全ての材料を同様の同じ加熱手段(例えば、電子線加熱)で加熱蒸発してもよく、あるいは、蛍光体成分の材料は電子線加熱で、微量である付活剤成分の材料は抵抗加熱で、それぞれ加熱蒸発して形成されてもよい。
蛍光体層14は、特に限定された成膜条件はなく、成膜方法や形成する蛍光体層14の組成等に応じて、適宜、決定された成膜条件によって形成され、得られる蛍光体層14であればよい。一例として、真空蒸着であれば、1×10-5Pa〜1×10-2Paの真空度で、0.05μm/min〜300μm/minの成膜速度で成膜し、得られる蛍光体層14が好ましい。なお、多元の真空蒸着により形成される場合には、母体成分と付活剤成分の量比が目的範囲となるように、両材料の蒸発速度が制御される。
また、本件出願人の検討によれば、前述した各種の蓄積性蛍光体、特にアルカリハライド系蓄積性蛍光体、中でも特にCsBr:Euを真空蒸着で成膜する場合には、一旦、系内を高い真空度に排気した後、アルゴンガスや窒素ガス等を系内に導入して、0.01Pa〜3Pa、特に、0.5Pa〜1.5Pa程度の中真空度とし、この中真空下で抵抗加熱等による真空蒸着を行うことにより、蛍光体層14を形成するのが好ましい。前記CsBr:Eu等のアルカリハライド系の蛍光体層14は、柱状結晶構造を有するが、このような中真空下で成膜して得られる蛍光体層14は、特に良好な柱状の結晶構造を有し、輝尽発光特性画像の鮮鋭性等の点で好ましい。
また、基板12の加熱等によって、成膜中に、形成された蛍光体層14を300℃以下、好ましくは200℃以下で加熱してもよい。
さらに、厚さにも、限定はないが、50μm以上、特に、200μm以上の蛍光体層14が好ましい。
このようにして形成された蛍光体層14は、輝尽発光特性を良好に発現させ、かつ、輝尽発光特性を向上させるために、熱処理(アニーリング)が施される。
蛍光体層14の熱処理条件には、特に限定はないが、一例として、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で、50℃〜600℃、特に、100℃〜300℃で、10分〜10時間、特に、30分〜3時間行うのが好ましい。
蛍光体層14の加熱処理は、焼成炉を用いる方法等の公知の方法で実施すればよく、また、基板12の加熱手段を有する真空蒸着装置であれば、これを利用して加熱処理を実施してもよい。
蒸着による蛍光体層14は、吸湿性が高く、吸湿によって容易に特性が劣化してしまう。そのため、本発明の蛍光体パネル10の製造方法においては、以上の構成に加え、蛍光体層14の吸湿を防止するために、下記に詳述する防湿保護層18で蛍光体層14を覆って、蛍光体層14を封止して、吸湿を防止することが好ましい。
防湿保護層18は、十分な防湿性を有するものであれば、各種のものが利用可能であり、特に限定はない。一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、SiO膜とSiOとPVA(ポリビニルアルコール)とのハイブリット層とSiO膜との3層を形成してなる防湿保護層18が例示される。これ以外にも、ガラス板(フィルム)、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等の樹脂フィルム、樹脂フィルムにSiO、Al、SiCなどの無機物質が堆積したフィルム等も好ましく例示される。なお、前記PETフィルム上に、SiO膜/SiOとPVAとのハイブリット層/SiO膜の3層を形成した防湿保護層18において、例えば、SiO膜は、スパッタリング法を用いて、SiOとPVAとのハイブリット層は、PVAとSiOの比率が1:1となるようにゾルゲル法を用いて、それぞれ形成すればよい。
防湿保護層18で、蛍光体層14を封止する方法は、特に限定はない。一例として、接着層16によって、防湿保護層18を枠20上面に接着する方法が例示される。なお、本発明においては、防湿保護層18と枠20上面のみと接着しても良いが、より耐久性に優れた蛍光体パネル10を得るために、防湿保護層18は枠20上面のみならず蛍光体層14表面とも接着するのが好ましい。
接着層16は、防湿性に優れた接着剤で形成されたものであれば、特に限定はない。一例として、ポリエステル系接着剤が好適に例示される。さらに、蛍光体層14表面も防湿保護層18と接着する際には、放射線の入射及び輝尽発光光の出射を妨げない光学特性を有するものであるのが好ましい。
形成方法、および、形成条件においても、特に限定はない。一例として、塗布形成が例示される。
前記接着層16を設けた後、防湿保護層18を蛍光体層14に被せ、防湿保護層18と枠20あるいはさらに蛍光体層14とを封止接着する。この封止接着方法には特に限定はないが、例えば、熱ラミネーションが例示される。
また、接着層16で防湿保護層18と枠20上面とを接着するときの接着強度を向上し、良好な接着強度が得られるように、防湿保護層18による蛍光体層14の封止に先立ち、封止部(防湿保護層18と枠20との接着箇所)および蛍光体層14の加熱を、例えば基板12の加熱等によって行っても良い。
ここで、前述のように、本発明の製造方法では、枠20を、基板12に形成された溝22に挿入して、基板12上に固定するのが好ましく、これにより、図4に示すような、本発明の蛍光体パネルを得ることができる。
本発明の蛍光体パネル30は、基板12に溝22を有する以外は、図1に示す蛍光体パネル10と同様であるので、同一部材には、同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。また、製造方法も、基本的に本発明の製造方法で製造される蛍光体パネル10と同様でよいか、蛍光体層14の形成時におけるマスキング方法は、前記方法に限定されず、後述する基板12との熱膨張係数の差が、1×10−6/℃以下の材料からなるマスクを用いるものであってもよく、あるいは、通常のマスキング方法を用いて、蛍光体層14を形成してもよい。
前述のように、本発明の蛍光体パネルの製造方法においては、蛍光体層14の封止後の工程にも、特に、限定はない。
次に、図5に、本発明の製造方法の別の態様の一例を示す。なお、この製造方法で製造される蛍光体パネル10は、図1に示す蛍光体パネル10と同様の構造を有するので、同一部材には、同一の番号を付し、製造方法も基本的に同様であるため、異なる工程の説明を主に行う。
先の蛍光体パネル10の製造方法は、位置精度の高い蛍光体層14を形成するために、枠20に貼着するマスク材24を用いたが、本態様では、蒸着領域以外を覆うマスク26を用いる。
ここで、本態様においては、マスク26は、基板12との熱膨張係数差が、1×10−6/℃以下の材料からなるものを用いる。このようなマスク26を用いることにより、蒸着時の加熱によってマスク26が膨張しても、基板12の膨張率とマスク26の膨張率とが近いため、基板12の熱膨張にマスク26が追従する。その結果、基板12に対する蛍光体層14の蒸着位置精度を確保することができ、基板12上における所定領域に、高精度に蛍光体層14を形成することができる。
マスク26は、上述の条件を満たす材料からなるものであれば、特に限定はない。一例として、基板12と同一素材のマスク26が好適に例示される。
図5に示す例においても、先の例と同様、まず、基板12上に枠20を固定する。枠20及び枠20の固定方法に関しては、先の例と同様でよい。
なお、ここでも、先の例と同様に、枠20を基板12上に固定する方法として、枠20を、基板12に形成された溝22に挿入して、基板12上に固定する方法を用いた本発明の製造方法で製造することにより、図4に示すような、本発明の蛍光体パネルを得ることができる。
次いで、基板12上おける蛍光体層14の形成領域に応じて、冶具等を用いてマスク26を固定した後、先の例と同様にして蛍光体層14を形成する。蛍光体層14の形成後、マスク26を除去することにより枠20の内側の所定領域のみに蛍光体層14を形成することができる。
さらに、先の例と同様に、防湿保護層18で蛍光体層14を封止する。
なお、図示例では、好ましい形態として枠20を有しているが、本態様においては、枠20は、必須ではない。枠20を有さない場合には、蛍光体層14を封止する防湿保護層18を基板12上、あるいはさらに、蛍光体層14表面とに接着すればよい。
以上、本発明の輝尽性蛍光体パネルの製造方法及び輝尽性蛍光体パネルについて説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、さらに、添付の図を用いて、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは言うまでもない。
[実施例1]
厚さ10mm、面積450mm×450mmサイズのアルミ合金(滑川軽銅製:MIC−6、熱膨張係数:24×10−6/K)製の基板12の表面に、厚さ0.7mm、外形410mm×410mm、幅5mmで基板12と同一素材のアルミ製の枠20を、中央を一致して、エポキシ接着剤(セメダイン製:EP001)を用いて接着した。
次いで、図5に示すように、基板12と同一素材のマスク26を、蛍光体層14の形成領域に応じて位置合わせして固定した。なお、マスク26の固定は、冶具を用いて行った。
付活剤の形成材料として臭化ユーロピウムを、蛍光体の形成材料として臭化セシウムをそれぞれ用いる二元の真空蒸着によって、基板12の表面にCsBr:Euからなる蛍光体層14を形成した。
両膜形成材料共に、加熱は、タンタル製のルツボと出力6kWのDC電源とを用いる抵抗加熱装置で行った。
真空蒸着装置(真空チャンバ)の基板ホルダにアルミ製の基板(以下、基板とする。)12をセットし、また、各所定位置に各膜形成材料をセットした後、真空チャンバを閉鎖し、排気を開始した。排気は、ディフュージョンポンプおよびクライオコイルを用いた。
真空度が8×10−4Paとなった時点で、真空チャンバ内にアルゴンガスを導入して真空度を0.5Paとし、次いで、DC電源を駆動して成膜材料を充填したルツボに通電し、基板12の表面に抵抗加熱による蛍光体層14の成膜を行った。
なお、蛍光体層14におけるEu/Csのモル濃度比が0.003:1、かつ、成膜速度が8μm/mmとなるように、両ルツボのDC電源の出力を調整した。
また、膜形成中は、ハロゲンランプを用いて基板12表面を直接加熱した。
蛍光体層14の膜厚が約710μmとなった時点で、膜形成を終了し、真空チャンバから基板12を取り出した。なお、膜厚は、予め行った実験により制御した。
次いで、膜形成を終了した基板12に、窒素雰囲気下で、温度140℃で4時間の熱処理を行った。
他方、6μm厚みのPETフィルム上に、スパッタリング法を用いて、SiO膜をl00nm形成し、その上に、PVAとSiOとの比率が1:1となるように、ゾル・ゲル法を用いてPVAとSiOとのハイブリット層を600nm形成し、ハイブリット層上に、スパッタリング法を用いてSiO膜を100nm形成し、防湿保護層18とした。次に、前記防湿保護層18(SiO層表面)の全面に、ポリエステル系樹脂(東洋防:バイロン300)を塗布し、厚み1.2μmの接着層16を形成した。
最後に、蛍光体層14を形成した基板12を100℃に予熱し、420mm×420mmサイズに裁断した防湿保護層18を、接着層16側が蛍光体層14と対向するように、蛍光体層14に被せ、熱ラミネーションにより、防湿保護層18と、枠20の上面及び蛍光体層14の表面を封止接着して、図1に示す蛍光体パネル10を得た。
[比較例1]
マスク26として、ステンレス(SUS430、熱膨張係数:11×10−6/K)製のものを使用した以外は、実施例1と全く同様にして蛍光体パネル10を得た。
[実施例2]
実施例1と同様にして、基板12上に、枠20を接着固定した。
次いで、枠20の上面に、マスク材24として耐熱粘着剤付きのカプトンテープ(3M製:スコッチカプトンテープ5413)を貼り付け、枠20の内側の余剰部分を切り落とし、図3に示すようにマスキングをした。
次いで、マスク26を用いず、マスク材24でマスキングをした以外は、実施例1と同様にして、基板12上に蛍光体層14を形成した。
蛍光体層14を形成した後、カプトンテープを剥離した。これ以降は、実施例1と全く同様にして、熱処理、および、防湿保護層18による蛍光体層14の封止を行い、蛍光体パネル10を得た。
[実施例3]
実施例1と同様の基板12に、外形410.1mm×410.1mm、幅5.2mm、深さ1.3mmの図2に示すような溝22を形成した。
次いで、基板12と同一素材の、厚さ2mm、外形410mm×410mm、幅5mmの枠20を、前記溝22に挿入し、実施例1と同様の接着剤を用いてアルミ枠20を固定した。
これ以降は、実施例2と全く同様にして、マスク材24によるマスキング、蛍光体層14の形成、マスク材24の剥離、熱処理、および、防湿保護層18による蛍光体層14の封止を行い、本発明の蛍光体パネルを得た。なお、この蛍光体パネルは、本発明の蛍光体パネル30である。
[実施例4]
枠20の基板12への接着を耐熱エポキシ接着剤(オーデック製:アレムコボンド526N:耐熱温度300℃)で行い、また、熱処理を200℃で2時間とした以外は、実施例3と全く同様にして、本発明の蛍光体パネルを得た。なお、この蛍光体パネルは、本発明の蛍光体パネル30である。
[実施例5]
枠20の基板12上への接着をアルミ半田(日本アルミット製:アルミットAM−022)で行い、熱処理を200℃で2時間とした以外は、実施例3と全く同様にして、本発明の蛍光体パネルを得た。なお、この蛍光体パネルは、本発明の蛍光体パネル30である。
得られた各種の蛍光体パネルについて、下記のようにして、枠と基板との位置精度、枠寸法精度、蛍光体層の蒸着位置精度、封止部透湿度を調べた。これらの結果と枠20の厚み、枠の接着手段、マスク方式、及び蛍光体層の熱処理時間をまとめたものを表1に示す。
Figure 2005315797
[枠/基板の位置精度]
基板12の直交する2辺を基準(基準辺A、基準辺B)として、基準辺から枠20内側までの距離を被接触3次元測定器(ミツトヨ製)を用いて測定した。図6に示すように、基準辺Aから、基準辺Aに近い枠20の内側までの距離をa−1とし、基準辺Aから基準辺Aから遠い枠20の内側までの距離をa−2とした。同様に、基準辺Bについても、近い側までの距離をb−1、遠い側までの距離をb−2とした。
各実施例、及び、比較例当たり、サンプルを5枚を作成し、上記測定を実施し、測定した全80データの設計中心値からの最大ズレ量を、位置精度とした。
結果を表1に示す。
[枠寸法精度]
枠20の直交する2辺を基準(基準辺C、基準辺D)として、基準辺から枠20内側までの距離を被接触3次元測定器(ミツトヨ製)を用いて測定した。図7に示すように、基準辺Cから基準辺Cに近い枠20の内側までの距離をc−1とし、基準辺Cから基準辺Cに遠い枠20の内側までの距離をc−2とした。同様に、基準辺Dについても、近い側までの距離をd−1、遠い側までの距離をd−2とした。
各実施例、及び、比較例当たり、サンプルを5枚作成し、上記測定を実施し、測定した全80データの設計中心地からの最大のズレ量を、枠寸法精度とした。
結果を表1に併記する。
[蒸着位置精度]
基板12の2辺を基準(基準辺E、基準辺F)として、基準辺から蒸着領域外辺までの距離を被接触3次元測定器(ミツトヨ製)を用いて測定した。図8に示すように、基準辺Eから基準辺Eに近い蒸着領域外辺までの距離をe−1とし、基準辺Eから基準辺Eから遠い蒸着領域外辺までの距離をe−2とした。同様に、基準辺Fについても、近い側までの距離をf−1、遠い側までの距離をf−2とした。
各実施例、及び、比較例当たり、サンプル5枚を作成し、上記測定を実施し、測定した全データ80データの設計中心値からの最大ズレ量を、蒸着位置精度とした。
結果を表1に併記する。
[封止部透湿度]
初めに、防湿フィルムの透湿度を40℃、湿度90%の条件下で、イリノイインスツルメンツ製:水蒸気透過率測定装置Model7000により測定した。このときの透湿度=α(g/m・day)とした。
各々の実施例と同一形状のアルミ基板を厚さのみ3mmとして作成した。透湿量を重量変化で測定するため、厚み10mmの基板では基板重量が重く、吸湿による重量増加が測定可能となるまでに時間がかかるため、薄い基板とした。薄い基板では蛍光体層表面の平面精度が低くなり画像評価には適さないが、透湿量は何ら変わることは無い。
このアルミ基板上に、各々の実施例と同様に防湿層の接着までを実施し、サンプルを完成させた。このサンプルの重量をメトラー製:PG2002−2で測定し、この時の重量値を初期重量=β(g)とした。
その後、サンプルを40℃、湿度90%の高温槽に投入し、100日間経時させた。経時後の重量を測定し、この時の重量値を経時後重量=γ(g)とした。
サンプルの重量増加と、防湿フィルムの透湿度から、封止部からの透湿量を計算により求めた。封止部からの透湿量=T(g/day)とした。防湿保護層の面積をS(m)と表わすと、封止部からの透湿量は、以下の式で表わされる。
T=(γ−β)/100−(α×S)
結果を表1に併記する。
表1の結果より、蛍光体層14の蒸着の際に、基板12(アルミの熱膨張係数:24×10−6/K)との熱膨張係数差が1×10−6以下の材料(アルミ)からなるマスク26を用いた実施例1、及び、基板12上に設けられた枠20の熱膨張に追従する柔軟性を有するマスク材22を用いた実施例2〜4は、ステンレス(熱膨張係数:11×10−6/K)マスクを用いた比較例1と比較して、蒸着位置精度が非常に向上している。
さらに、枠20と基板12との位置合わせを、溝22はめ込みで行った実施例3〜5は、冶具を用いて実施した比較例1と比較して、枠20と基板12との位置精度も枠20の寸法精度も向上している。
また、枠20の接着に、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤を用いた実施例4では、蛍光体層14の熱処理時間を短くできる。さらに、溶解金属を用いた実施例5では、蛍光体層14の熱処理時間を短くできることに加え、蛍光体パネル完成品の枠部透湿が0.0002以下となり、極めて防湿性に優れたものを得られることが明らかになった。
本発明の製造方法で製造する蛍光体パネルの概略構成断面図である。 本発明の製造方法の一例を説明するための概略断面図である。 本発明の製造方法の一例を説明するための概略断面図である。 本発明の蛍光体パネルの概略断面図である。 本発明の製造方法の一例を説明するための概略断面図である。 枠と基板との位置精度を測定するための図である。 枠の寸法精度を測定するための図である。 蛍光体層の蒸着位置精度を測定するための図である。
符号の説明
10 30 蛍光体パネル
12 基板
14 輝尽性蛍光体層
16 接着層
18 防湿保護層
20 枠
22 溝
24 マスク材
26 マスク

Claims (17)

  1. 基板と、この基板上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層と、この輝尽性蛍光体層を前記基板面方向で囲む、前記基板に固定された枠とを、少なくとも有する輝尽性蛍光体パネルの製造方法において、
    前記基板に前記枠を固定した後、この枠上に、剥離可能で、且つ、この枠の熱膨張に追従する柔軟性を有するマスク材を貼り付け、このマスク材により、前記基板上の前記輝尽性蛍光体層の蒸着位置を決定して、蒸着法によって前記輝尽性蛍光体層を形成することを特徴とする輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  2. さらに、前記輝尽性蛍光体層を覆って、前記枠に固定される防湿保護層を設けることを特徴とする請求項1に記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  3. 前記基板上に、溝を形成し、この溝に、前記枠を挿入して前記基板に前記枠を固定することを特徴とする請求項1または2に記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  4. 前記枠と前記基板とを、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  5. 前記枠と前記基板とを、溶解金属で接着することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  6. 前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  7. 基板と、この基板上に蒸着法により形成された輝尽性蛍光体層とを、少なくとも有する輝尽性蛍光体パネルの製造方法において、
    前記輝尽性蛍光体層の蒸着位置を決定するマスクとして、前記基板との熱膨張係数の差が、1×10−6/℃以下の材料からなるマスクを用いて前記輝尽性蛍光体層の形成を行うことを特徴とする輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  8. さらに、前記輝尽性蛍光体層を覆う防湿保護層を設けることを特徴とする請求項7に記載の蛍光体パネルの製造方法。
  9. さらに、前記輝尽性蛍光体層の形成に先立ち、前記輝尽性蛍光体層を前記基板面方向で囲む枠を前記基板に固定する工程を有することを特徴とする請求項7または8に記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  10. 前記基板上に、前記枠をはめ込む溝を形成し、この溝に前記枠を挿入して、前記基板に前記枠を固定することを特徴とする請求項9に記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  11. 前記枠と前記基板とを、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着することを特徴とする請求項9または10に記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  12. 前記枠と前記基板とを、溶解金属で接着することを特徴とする請求項9または10記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  13. 前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の輝尽性蛍光体パネルの製造方法。
  14. 溝が形成されている基板と、この溝に挿入されて固定される、前記溝よりも内側を完全に囲んで基板表面より突出する枠と、前記枠の内側に形成される輝尽性蛍光体層と、この枠の上面に接着され、前記輝尽性蛍光体層を封止する防湿保護層とを有する輝尽性蛍光体パネル。
  15. 前記枠と前記基板とが、150℃以上の耐熱性を有する耐熱性接着剤で接着されていることを特徴とする請求項14に記載の輝尽性蛍光体パネル。
  16. 前記枠と前記基板とが、溶解金属で接着されていることを特徴とする請求項14に記載の輝尽性蛍光体パネル。
  17. 前記基板と前記枠との熱膨張係数の差が1×10−6/℃以下であることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の輝尽性蛍光体パネル。
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