JP2005091222A - 放射線像変換パネルおよびその製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005091222A
JP2005091222A JP2003326568A JP2003326568A JP2005091222A JP 2005091222 A JP2005091222 A JP 2005091222A JP 2003326568 A JP2003326568 A JP 2003326568A JP 2003326568 A JP2003326568 A JP 2003326568A JP 2005091222 A JP2005091222 A JP 2005091222A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
radiation image
image conversion
conversion panel
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003326568A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Isoda
勇治 礒田
Hiroshi Matsumoto
宏志 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003326568A priority Critical patent/JP2005091222A/ja
Priority to US10/943,929 priority patent/US7442943B2/en
Publication of JP2005091222A publication Critical patent/JP2005091222A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
    • C09K11/7732Halogenides
    • C09K11/7733Halogenides with alkali or alkaline earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)

Abstract

【課題】 蛍光体層と支持体との接着性が良好で、かつ感度の向上した放射線像変換パネルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体およびその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層が蛍光体母体化合物と付活剤とからなる蛍光体から構成され、そして該支持体と該蛍光体層との間に、該蛍光体母体化合物からなり、相対密度が該蛍光体層の相対密度よりも低い値を示す下地層が設けられている放射線像変換パネル。
【選択図】 図1



Description

本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルおよびその製造方法に関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に供されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。
また、上記放射線画像記録再生方法の別法として特許文献1には、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されている。この方法は、被検体を透過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの放射線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルのエネルギー蓄積用蛍光体にて放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を走査して発光光を放出させ、この発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものである。このような放射線像変換パネルも、本発明に包含される。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
感度および画質を高めることを目的として、放射線像変換パネルの蛍光体層を気相堆積法により形成する方法が提案されている。気相堆積法には蒸着法やスパッタ法、化学蒸着(CVD)法などがあり、例えば蒸着法は、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱器や電子線の照射により加熱して蒸発源を蒸発、飛散させ、金属シートなどの基板表面にその蒸発物を堆積させることにより、蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を形成するものである。
気相堆積法により形成された蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を得ることができる。
特許文献2には、蛍光体層の柱状結晶性を高めるために、気相堆積法により、蛍光体の母体からなる柱状結晶構造を形成し、次いで該柱状結晶構造の上に該蛍光体からなる柱状結晶構造を積層する(母体柱状結晶上に蛍光体の柱状結晶を一対一で対応させて成長させる)ことによって蛍光体層を形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法が記載されている。得られた蛍光体層において、母体柱状結晶と蛍光体の柱状結晶は融着していて、母体柱状結晶構造部分はパネルに掛かる応力を緩和する機能を持たない。
特開2001−255610号公報 特開2003−050298号公報
蛍光体が付活剤などの添加物を含む場合に、蛍光体の母体化合物と付活剤など添加物との組合せによっては(例えば、CsBr:Eu)、支持体を兼ねる基板上に蛍光体またはその原料を直接に気相堆積させて蛍光体層を形成したときに、蛍光体層と支持体との接着性が悪く、蛍光体層が支持体から剥がれやすいことが問題となっている。特に、抵抗加熱方式による蒸着などのように中程度の真空度(0.05〜10Pa)で蛍光体を気相堆積させたときに、蛍光体層と支持体との接着性が充分ではないことが判明した。
従って、本発明は、蛍光体層と支持体との接着性が良好な放射線像変換パネルおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明は、蛍光体層と支持体との接着性が良好で、かつ感度の向上した放射線像変換パネルおよびその製造方法を提供することにもある。
本発明者は、上記の問題について検討した結果、支持体と蛍光体層との間に、蛍光体母体化合物を主成分とする一定の空隙を有する下地層を設けて、この下地層を応力緩和層として機能させることによって、支持体と蛍光体層との接着性を改善できることを見い出し、本発明に至ったものである。
本発明は、支持体およびその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層が蛍光体母体化合物と付活剤とからなる蛍光体から構成され、そして該支持体と該蛍光体層との間に、該蛍光体母体化合物からなり、相対密度が該蛍光体層の相対密度よりも低い値を示す下地層が設けられていることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
本発明において、相対密度(%)とは、蛍光体固有の密度に対する各層の密度の相対値を意味する。なお、下地層は、蛍光体母体化合物のみから構成されていてもよいが、蛍光体層における賦活剤の含有率(重量%)よりも少量であれば、下地層重量に対して0.1重量%未満の賦活剤あるいは他の不純物、添加物が含まれていてもよい。
また、本発明は、支持体の表面に、蛍光体母体化合物と付活剤とからなる蛍光体の母体化合物を気相堆積法により堆積させて、下地層を形成する工程、および該下地層の表面に該蛍光体を気相堆積法により堆積させることにより、下地層よりも相対密度が高い蛍光体層を形成する工程を含む、上記の放射線像変換パネルの製造方法にもある。
本発明の下地層を有する放射線像変換パネルは、下地層が応力緩和層として機能するので、蛍光体層と支持体との接着性が顕著に改善されている。また、下地層の存在によって蛍光体層の柱状結晶性が良好になり、発光量が増加して、変換パネルの感度も向上する。
本発明の放射線像変換パネルの好ましい態様は以下の通りである。
(1)下地層の相対密度が80乃至98%、特に好ましくは85乃至95%の範囲にある。
(2)下地層の層厚が下記式を満足する。

0.01 <(下地層の層厚/蛍光体層の層厚)< 0.5

(3)下地層が気相堆積法により形成された層である。
(4)蛍光体が蓄積性蛍光体であり、特に好ましくは、下記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。
(5)基本組成式(I)においてMIはCsであり、XはBrであり、AはEuであり、そしてzは1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値である。

IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
本発明の製造方法において、下地層および蛍光体層を連続的に形成することが好ましい。さらに、下地層および蛍光体層をそれぞれ、蒸着法により0.05乃至10Paの範囲の真空度で形成することが好ましい。
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて、添付図面を参照しながら詳細に述べる。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を概略的に示す断面図である。図1において、放射線像変換パネルは順に、支持体(基板)1、下地層2、および蛍光体層3から構成されている。蛍光体層3は、気相堆積法により形成された蛍光体からなる層であり、蛍光体は蛍光体母体化合物と付活剤とからなる。
本発明の特徴的な要件である下地層2は、蛍光体層3を構成する蛍光体の母体化合物(少量の賦活剤成分もしくは不純物、添加剤を含んでいてもよい)からなり、好ましくは相対密度が80乃至98%の範囲にある。さらに好ましくは、相対密度が85乃至95%の範囲にある。ここで、相対密度(%)とは、蛍光体固有の密度(g/cm3)に対する各層の実際の密度の相対値を意味する。
下地層2の層厚は、蛍光体層3の層厚に対して下記式を満足することが望ましい。例えば、蛍光体層3の層厚が一般的な層厚、500μmであるとき、下地層2の層厚は5μmより大きく、250μmより小さいことが望ましい。

0.01 <(下地層の層厚/蛍光体層の層厚)< 0.5
下地層2も、蛍光体層3と同様に気相堆積法により形成することが好ましい。蒸着法等の気相堆積法により形成した場合に、下地層は一般に直径数μmの球状結晶の凝集体からなるか、あるいは柱状結晶構造を有している。
このように支持体1と蛍光体層3との間に、蛍光体層よりも相対密度が低い下地層2を設けることによって、下地層がパネルに掛かる応力、特に熱応力を緩和するように機能し、また下地層は付活剤等を含まないので支持体との接着性が良く、その結果、蛍光体層が支持体から剥離するのを有効に防ぐことができる。さらに、下地層が存在することによって、特には球状結晶の凝集体構造または柱状結晶構造の下地層の存在によって、その上に形成される蛍光体層の柱状結晶性が良好になり、輝尽発光量の増加など発光特性も改善される。
本発明の放射線像変換パネルは、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば後述するように保護層や各種の補助層が付設されていてもよい。
次に、本発明の放射線像変換パネルの製造方法について、蛍光体が蓄積性蛍光体であり、気相堆積法として抵抗加熱方式による蒸着法を用いる場合を例にとって詳細に述べる。抵抗加熱方式は、中程度の真空度で蒸着を行うことができ、柱状結晶の良好な蒸着膜を容易に得られる利点がある。
蒸着膜形成のための基板は、放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであって、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。特に好ましいのはアルミニウム基板である。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに、蒸着膜の柱状結晶性を高める目的で、基板の蒸着膜が形成される側の表面(基板の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
蓄積性蛍光体は、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体であることが好ましい。
そのうちでも、基本組成式(I):
IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。但し、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
基本組成式(I)において、zは1×10-4≦z≦0.1の範囲内にあることが好ましい。MIとしては少なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少なくともBrを含んでいることが好ましい。AとしてはEu又はBiであることが好ましく、そして特に好ましくはEuである。また、基本組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物として、MIX1モルに対して、0.5モル以下の量で加えてもよい。
また、基本組成式(II):
IIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
基本組成式(II)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
なお、基本組成式(II)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を一種もしくは二種以上を基本組成式(II)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl23、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としてはハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
その他、上記基本組成式(II)には更に必要に応じて、Zn及びCd化合物;TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、In23、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25、ThO2等の金属酸化物;Zr及びSc化合物;B化合物;As及びSi化合物;テトラフルオロホウ酸化合物;ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価又は2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
ただし、本発明において蛍光体は蓄積性蛍光体に限定されるものではなく、X線などの放射線を吸収して紫外乃至可視領域に(瞬時)発光を示す蛍光体であってもよい。そのような蛍光体の例としては、LnTaO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素である)、CsX系(Xはハロゲンである)、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga512:Cr,Ce、HfO2等を挙げることができる。
本発明においてはまず、基板の表面に上記蓄積性蛍光体の母体化合物からなる下地層を形成する。一般に、下地層の形成は蒸着法、スパッタ法、化学蒸着(CVD)法等の気相堆積法により行う。好ましくは、蛍光体層の形成と同様の方法により下地層および蛍光体層を連続的に形成する。例えば蒸着法による場合には、後述する蛍光体層の形成と同様の装置および条件を用いて、基板表面に蛍光体母体化合物を蒸着させることができる。その際に、蒸発源は、蛍光体母体化合物それ自体であってもよいし、あるいは蒸着時に反応して母体化合物となりうる原料混合物であってもよい。
このようにして基板表面には、蛍光体母体化合物からなる球状結晶の凝集体または柱状結晶構造の下地層が形成される。
次に、下地層の上に蓄積性蛍光体の蒸着膜を形成する。多元蒸着(共蒸着)により形成する場合には、蒸発源として、上記蓄積性蛍光体の母体成分を含むものと付活剤成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体の母体成分と付活剤成分の融点や蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸発速度を各々制御して蛍光体母体中に付活剤を均一に含有させることができるので好ましい。各蒸発源は、所望の蓄積性蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体成分および付活剤成分それぞれのみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
蛍光体の母体成分は、母体を構成する化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。また、付活剤成分は、一般には付活剤元素を含む化合物であり、例えば付活剤元素のハロゲン化物や酸化物が用いられる。
付活剤がEuである場合に、付活剤成分のEu化合物におけるEu2+化合物のモル比が70%以上であることが好ましい。一般に、Eu化合物にはEu2+とEu3+が混合して含まれているが、所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。Eu化合物はEuXm(Xはハロゲン)であることが好ましく、その場合には、mは2.0≦m≦2.3の範囲内の数値であることが好ましい。mは、2.0であることが望ましいが、2.0に近づけようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際にはmは2.2付近でXの比率が比較的高い状態が安定している。
蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体成分や付活剤成分が、例えばEuBr、CsBrのように吸湿性である場合には特に、含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の各蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、各蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
本発明において、蒸発源、特に蛍光体母体成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ土類金属)の含有量が5ppm(重量)以下であることが望ましい。とりわけ、蛍光体が前記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である場合には望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。
上記複数の蒸発源および下地層を有する基板(または基板)を蒸着装置内に配置し、装置内を排気して、0.05〜10Pa程度の中真空度とする。好ましくは0.05〜3Paの真空度にする。更に好ましくは、装置内を排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度の高真空度とした後、Arガス、Neガス、N2ガスなどの不活性ガスを導入して上記中真空度にする。これにより、装置内の水分圧や酸素分圧等を下げることができる。排気装置としては、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディフュージョンポンプ、メカニカルブースタ等を適宜組み合わせて用いることができる。
次に、各抵抗加熱器に電流を流すことにより蒸発源を加熱する。蒸発源である蓄積性蛍光体の母体成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに下地層表面に堆積する。このとき、基板のサイズ等によっても異なるが、各蒸発源と基板との距離は一般に10乃至1000mmの範囲にあり、好ましくは10乃至200mmの範囲にある。また、各蒸発源間の距離は一般に10乃至1000mmの範囲にある。各蒸発源の蒸着速度は、加熱器の抵抗電流などを調整することにより制御することができる。蛍光体の堆積する速度(蒸着速度)は一般に、蒸着重量速度で1乃至15mg/cm2・分の範囲にある。
上記の蛍光体蒸着膜の形成に先立って、蛍光体母体化合物のみの蒸着膜を形成して下地層とすることが望ましい。例えば、基板と各蒸発源との間に開閉可能なシャッタを設置しておき、蛍光体の母体成分を含む蒸発源側のシャッタだけを開いて母体化合物を堆積させて所望の厚みとした後、全てのシャッタを開いて蛍光体を堆積させる。
なお、抵抗加熱器による加熱を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。蒸着の際に必要に応じて基板を加熱してもよいし、あるいは冷却してもよい。基板温度は一般に20乃至350℃の範囲にある。また、蒸着終了後に蒸着膜を熱処理(アニール処理)してもよい。
一元蒸着の場合には、蒸発源として蛍光体自体または蛍光体原料混合物を用いてこれを単一の抵抗加熱器で加熱する。蒸発源は予め、所望の濃度の付活剤を含有するように調製する。もしくは、蛍光体母体成分と付活剤成分との蒸気圧差を考慮して、蒸発源に蛍光体の母体成分を補給しながら蒸着を行うことも可能である。
このようにして、蓄積性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。本発明においては、基板と蛍光体層との間に蛍光体母体化合物の下地層が介在するので、蛍光体層中に付活剤を比較的高濃度で含有させても蛍光体層は基板との接着性が良好であり、そして柱状結晶が崩れにくい。
蛍光体層は、結合剤を含有せず、蓄積性蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には僅かな空隙が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は100μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
本発明に用いられる気相堆積法は、上記の蒸着法に限定されるものではなく、スパッタ法、CVD法など公知の各種の方法を利用することができる。
蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜1000μmの範囲にある。
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
[実施例1]
(1)蒸発源
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBrm、m≒2.2)粉末を用意した。各粉末中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBrm中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの粉末は、吸湿性が高いので露点−20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
(2)下地層の形成
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA(イソプロピルアルコール)洗浄を施したアルミニウム基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBrm蒸発源を装置内の坩堝容器に充填した後、装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースターおよびターボ分子ポンプの組合せを用いた。その後、装置内にArガスを導入して1Paの真空度にした。基板の蒸着とは反対側に位置したシーズヒータで、基板を100℃に加熱した。基板と各蒸発源の間に設けられたシャッタを閉じた状態で、蒸発源それぞれを抵抗加熱器で加熱した後、まず、CsBr蒸発源側のシャッタだけを開いて、基板の表面にCsBr母体化合物を堆積させて下地層(層厚:5μm)を形成した。堆積は5.0mg/cm2・分の重量速度で行った。得られた下地層の相対密度は87%であった。
(3)蛍光体層の形成
下地層の形成に続いて、EuBrm蒸発源側のシャッタも開いて、下地層の表面にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。堆積は5.0mg/cm2・分の重量速度で行った。また、各加熱器の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が3×10-4/1となるように制御した。蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置からアルミニウム基板を取り出した。基板の下地層上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蛍光体層(層厚:250μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。得られた蛍光体層の相対密度は90%であった。
このようにして、共蒸着により支持体、下地層および蛍光体層からなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1参照)。
[実施例2〜6]
実施例1の(2)下地層の形成において、下地層の層厚をそれぞれ表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の各種の放射線像変換パネルを製造した。
[比較例1]
実施例1において、下地層を形成しなかったこと、および蛍光体の堆積重量速度を1.0mg/cm2・分に変更したこと以外は実施例1と同様にして、支持体と蛍光体層とからなる従来の放射線像変換パネルを製造した。
[比較例2、3]
実施例1の(2)下地層の形成において、基板温度、Arガス導入後の真空度および/またはCsBrの堆積重量速度をそれぞれ表1に示すように変更して、相対密度の異なる下地層(層厚:10μm)を形成したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための各種の放射線像変換パネルを製造した。

[放射線像変換パネルの性能評価]
得られた各放射線像変換パネルについて、接着強度と感度の評価を行った。(1)接着強度
権田俊一監修、「薄膜の作成・評価とその応用技術ハンドブック」、フジテクノシステム、1984年、p.211に記載のスコッチテープ法を参考にして、放射線像変換パネルの蛍光体層表面に粘着テープ(ニチバン製セロハンテープ)を貼り付けた後、粘着テープを剥がして蛍光体層(および下地層)の支持体からの剥離の程度を観察して接着強度を評価した。この試験を5回行って剥離部分の割合の平均値を求めた。得られた各パネルの平均値から、剥離が最大であった比較例1の接着強度を1.0点、剥離が最小であった実施例3の接着強度を5.0点として評価した。
(2)感度
放射線像変換パネルを室内光を遮蔽可能なカセッテに収納し、これに管電圧80kVp、管電流16mAのX線を照射した。次いで、パネルをカセッテから取り出した後、パネルをHe−Neレーザ光(波長:633nm)で励起し、パネルから放出された輝尽発光光をフォトマルチプライヤで検出し、その発光量(比較例1を基準とした相対値)により感度を評価した。
得られた結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005091222
表1の結果から明らかなように、蛍光体母体化合物(CsBr)の下地層を設けた本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜6)はいずれも、下地層を設けなかった従来の放射線像変換パネル(比較例1)に比べて、蛍光体層と支持体との接着強度が非常に高かった。また、蛍光体層の感度も顕著に向上した。一方、下地層の相対密度が不充分であった比較のための放射線像変換パネル(比較例2、3)は両方とも、蛍光体層と支持体との接着強度が低かった。
本発明の放射線像変換パネルの構成の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 支持体
2 下地層
3 蛍光体層

Claims (12)

  1. 支持体およびその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該蛍光体層が蛍光体母体化合物と付活剤とからなる蛍光体から構成され、そして該支持体と該蛍光体層との間に、該蛍光体母体化合物からなり、相対密度が該蛍光体層の相対密度よりも低い値を示す下地層が設けられていることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 下地層の相対密度が80乃至98%の範囲にある請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 下地層の相対密度が85乃至95%の範囲にある請求項2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 下地層の層厚が、下記式を満足する請求項1及び2のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。

    0.01 <(下地層の層厚/蛍光体層の層厚)< 0.5
  5. 下地層が気相堆積法により形成された層である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  6. 蛍光体が蓄積性蛍光体である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  7. 蓄積性蛍光体が、基本組成式(I):

    IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)

    [ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
    を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である請求項6に記載の放射線像変換パネル。
  8. 基本組成式(I)においてMIがCsであり、XがBrであり、AがEuであり、そしてzが1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値である請求項7に記載の放射線像変換パネル。
  9. 支持体の表面に、蛍光体母体化合物と付活剤とからなる蛍光体の母体化合物を気相堆積法により堆積させて、下地層を形成する工程、および該下地層の表面に該蛍光体を気相堆積法により堆積させることにより、下地層よりも相対密度が高い蛍光体層を形成する工程を含む、請求項1乃至8のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  10. 相対密度が80乃至98%の範囲となるように下地層を形成する請求項9に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  11. 下地層および蛍光体層を連続的に形成する請求項10に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  12. 下地層および蛍光体層をそれぞれ、蒸着法により0.05乃至10Paの範囲の真空度で形成する請求項9乃至11のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
JP2003326568A 2003-09-18 2003-09-18 放射線像変換パネルおよびその製造方法 Pending JP2005091222A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003326568A JP2005091222A (ja) 2003-09-18 2003-09-18 放射線像変換パネルおよびその製造方法
US10/943,929 US7442943B2 (en) 2003-09-18 2004-09-20 Radiation image storage panel

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003326568A JP2005091222A (ja) 2003-09-18 2003-09-18 放射線像変換パネルおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005091222A true JP2005091222A (ja) 2005-04-07

Family

ID=34418994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003326568A Pending JP2005091222A (ja) 2003-09-18 2003-09-18 放射線像変換パネルおよびその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7442943B2 (ja)
JP (1) JP2005091222A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008231185A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc シンチレータ組成物及びその製造方法並びに放射線検出器
US7638785B2 (en) 2007-01-25 2009-12-29 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Reading system for radiation image conversion panel and radiation image conversion panel
US7718986B2 (en) 2007-01-25 2010-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiation image conversion panel, production method of the same, and X-ray image capturing system
WO2010061727A1 (ja) 2008-11-28 2010-06-03 コニカミノルタエムジー株式会社 シンチレータパネル
JP2012137438A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Fujifilm Corp 放射線画像検出装置及びその製造方法
JP2012141297A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 放射線撮像装置
JP2014055977A (ja) * 2007-04-05 2014-03-27 Konica Minolta Inc シンチレータパネル
JP2015021886A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 放射線画像検出器
US9176239B2 (en) 2010-12-27 2015-11-03 Fujifilm Corporation Radiological image conversion panel, method of manufacturing the same, and radiological image detection apparatus

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060049370A1 (en) * 2004-09-09 2006-03-09 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Method for producing radiation image conversion panel
JP4470715B2 (ja) * 2004-12-06 2010-06-02 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線画像変換パネル及びその製造方法
JP2006250909A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネル
DE602007000696D1 (de) * 2006-02-09 2009-04-30 Agfa Healthcare Nv Strahlungsbildspeicherschirm und Herstellungsverfahren dafür
JP5657614B2 (ja) * 2011-08-26 2015-01-21 富士フイルム株式会社 放射線検出器および放射線画像撮影装置
JP2015099400A (ja) * 2015-02-23 2015-05-28 富士フイルム株式会社 イメージングプレートユニット及びその応用
US11156727B2 (en) * 2015-10-02 2021-10-26 Varian Medical Systems, Inc. High DQE imaging device

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4879202A (en) * 1986-07-11 1989-11-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Radiation image storage panel and process for the preparation of the same
US20010007352A1 (en) * 1999-12-27 2001-07-12 Erich Hell Binderless storage phosphor screen with needle shaped crystals
US6713776B2 (en) 1999-12-28 2004-03-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method for storing and reproducing radiation image and radiation image storage device
JP2003050298A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネルおよびその製造方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7638785B2 (en) 2007-01-25 2009-12-29 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Reading system for radiation image conversion panel and radiation image conversion panel
US7718986B2 (en) 2007-01-25 2010-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiation image conversion panel, production method of the same, and X-ray image capturing system
JP2008231185A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Konica Minolta Medical & Graphic Inc シンチレータ組成物及びその製造方法並びに放射線検出器
JP2014055977A (ja) * 2007-04-05 2014-03-27 Konica Minolta Inc シンチレータパネル
EP2369596A1 (en) * 2008-11-28 2011-09-28 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Scintillator panel
EP2369596A4 (en) * 2008-11-28 2013-06-26 Konica Minolta Med & Graphic SZINTILLATORPANNEL
WO2010061727A1 (ja) 2008-11-28 2010-06-03 コニカミノルタエムジー株式会社 シンチレータパネル
US8748849B2 (en) 2008-11-28 2014-06-10 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Scintillator panel
JP2012141297A (ja) * 2010-12-17 2012-07-26 Fujifilm Corp 放射線撮像装置
US8841621B2 (en) 2010-12-17 2014-09-23 Fujifilm Corporation Radiographic imaging apparatus
JP2012137438A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Fujifilm Corp 放射線画像検出装置及びその製造方法
US8754375B2 (en) 2010-12-27 2014-06-17 Fujifilm Corporation Radiological image detection apparatus and method of manufacturing the same
US9176239B2 (en) 2010-12-27 2015-11-03 Fujifilm Corporation Radiological image conversion panel, method of manufacturing the same, and radiological image detection apparatus
US10126435B2 (en) 2010-12-27 2018-11-13 Fujifilm Corporation Radiological image conversion panel, method of manufacturing the same, and radiological image detection apparatus
US10641910B2 (en) 2010-12-27 2020-05-05 Fujifilm Corporation Radiological image conversion panel, method of manufacturing the same, and radiological image detection apparatus
JP2015021886A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 コニカミノルタ株式会社 放射線画像検出器

Also Published As

Publication number Publication date
US7442943B2 (en) 2008-10-28
US20050077479A1 (en) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3987469B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2006250909A (ja) 放射線像変換パネル
JP2005091222A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2007070646A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法および製造装置
JP2003107160A (ja) 放射線像変換パネル
JP4054765B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP2005181220A (ja) 放射線像変換パネル
JP2006098241A (ja) 放射線像変換パネル
JP4024731B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2007040836A (ja) 放射線像変換パネル
JP2005292130A (ja) 放射線像変換パネル
JP2004170406A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP3920100B2 (ja) 放射線像変換パネル
JP3987463B2 (ja) 放射線像変換パネル
US20050031799A1 (en) Process for preparing radiation image storage panel
JP2004037363A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004212245A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004340892A (ja) 放射線像変換パネルおよびその製造方法
JP2003028996A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2003156597A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2005069990A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004245640A (ja) 放射線像変換パネル
JP2005148014A (ja) 放射線像変換パネル
JP2004347440A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法
JP2004191062A (ja) 放射線像変換パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060420

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202