JP2005292130A - 放射線像変換パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 高画質の放射線画像を再生することができる放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】 金属シート(支持体)及びその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、その金属シートの蛍光体層側の表面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
【選択図】 なし
【解決手段】 金属シート(支持体)及びその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、その金属シートの蛍光体層側の表面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
【選択図】 なし
Description
本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、変換パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得て、放射線画像を再生することからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に供されている。読み取りを終えた変換パネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる蛍光体層と気相堆積法によって形成される蛍光体層が一般的である。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は数々の優れた利点を有する方法であり、この方法に用いられる放射線像変換パネルについても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な放射線再生画像を与えるものであることが望まれている。
気相堆積法により形成した蛍光体層を有する放射線像変換パネルは感度が高く、またおよび画質の優れた放射線画像を再生することができる。気相堆積法には蒸着法やスパッタ法などがあり、例えば蒸着法では、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱器や電子線の照射により加熱して、蒸発源を蒸発飛散させ、金属シートなどの支持体表面にその蒸発物を堆積させることにより、蛍光体の柱状結晶が密に立設された蛍光体層を形成することができる。
気相堆積法により形成された蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の各柱状結晶の間には空隙が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の放射線画像を再生することができる。
気相堆積法により蛍光体層を形成する場合に用いる支持体として、アルミニウムからなる金属製シートを使用することは知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示のアルミニウム支持体は、表面に白色の酸化物層を備えるか、あるいは表面が黒色発色アルマイト処理されたものである。
特許文献2には、放射線像変換パネルの感度および鮮鋭度を高めるために、輝尽性蛍光体の柱状結晶が配列されてなる蛍光体層の励起光入射側とは反対側に、滑面の光反射層を設けることが開示されている。そして、実施例には、支持体として汚れを洗い取ったクリアーな面を反射面とするアルミニウム板を用いることが記載されている。
特開平4−118599号公報
特許2514321号公報
本発明者の研究により、蒸着法などの気相堆積法により金属シート(基板)の表面に柱状結晶構造の蛍光体層を堆積形成する際に、用いる金属シートの表面が滑らかでなく、小さなものであっても凹凸が存在すると、即ち、粗面であると、その基板表面の凹凸が起点となって蛍光体結晶の異常成長が現われ、この異常成長した結晶のサイズが蓄積画像の読み取り時の画素サイズや画像再生時の画素サイズを越えてしまうと、再生された放射線画像上で、周囲と極端に濃度の異なる点欠陥として視認されるようになり、各種の診断や検査に支障を来すことが分かった。また、気相堆積法により形成される蛍光体層の透明性が高いために、表面が粗面の金属シート表面に気相堆積法により蛍光体層を形成して得た放射線像変換パネルを用いて放射線画像を再生すると、金属シート表面の凹凸が直接、再生される放射線画像上に現れて、構造モトル(画素間の粒子ゆらぎ)を増大させ、再生放射線画像の粒状性の低下を招くことが判明した。
従って、本発明は、高画質の放射線画像を与える放射線像変換パネルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題点について検討を重ねた結果、金属シート(金属製基板)の表面に気相堆積法により蛍光体層を形成して放射線像変換パネルを得る場合に、金属シートの表面粗さ(Ra)を一定値以下とすることによって、再生放射線画像の粒状性に影響を及ぼす構造モトルを低減し、再生放射線画像に現われる点欠陥を減少させることができることを見い出し、本発明に到達したものである。
本発明は、金属シート及びその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該金属シートの蛍光体層側の表面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
なお、本発明の放射線像変換パネルの金属シートの表面粗さの最大高さ(Rz)は、1.5μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、金属シートの表面粗さ(Ra)と表面粗さの最大高さ(Rz)とは、JIS B 0601で規定されている表面粗さと表面粗さの最大高さである。具体的には、表面粗さ(Ra)は、金属シート表面の形状を超深度形状測定顕微鏡(VK-8550、キーエンス社製)を用いて、高さ測定ピッチ(測定分解能)0.01μmで100μm×100μmの領域に渡って測定し、得られた測定データから画像計測・解析ソフト(VK-H1A7)を用いて、JIS B 0601−1994に準じた計算式により求めた表面粗さ(算術平均粗さ)である。また、表面粗さの最大高さ(Rz)も同様な方法により算出することができる。
本発明の放射線像変換パネルは、粒状性に優れ、点欠陥が極めて少ない高画質の放射線画像を与えることができる。従って、医療用放射線画像診断などに有利に使用することができる。
本発明の放射線像変換パネルにおいて、金属シートの蛍光体層側表面の表面粗さは、0.005μm以上であることが好ましく、特に0.005μm以上で、0.06μm以下であることが好ましい。
金属シートはアルミニウムシートであることが好ましい。
金属シートの蛍光体層側表面は研磨処理されていることが好ましい。
金属シートの蛍光体層側表面はめっき処理されていることが好ましく、そしてめっき処理はニッケルおよび/またはクロムめっき処理であることが好ましい。
また、金属シートの蛍光体層側表面が透明酸化物層により被覆されていることが好ましい。この透明酸化物層として好ましいのはゾルゲル法で形成した二酸化ケイ素層である。
蛍光体は、蓄積性蛍光体であることが好ましく、特に下記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることが好ましい。基本組成式(I)においてMIはCsであり、XはBrであり、AはEuであり、そしてzは1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値であることが好ましい。
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて、添付図面を参照しながら詳細に述べる。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を概略的に示す断面図である。図1において、放射線像変換パネルは、金属シート(支持体、基板)11、および蓄積性蛍光体層12から構成される。
本発明において支持体11は、金属シートである。金属シートの材料としては、アルミニウム、鉄、スズ、クロム等を挙げることができる。特に好ましいのはアルミニウムである。
支持体(金属シート)11の蛍光体層側表面11aは、表面粗さRaが0.1μm以下である。金属シート11の蛍光体層側表面11aの表面粗さRaは、0.005μm以上であることが好ましい。表面粗さRaを0.005μm未満にするには超精密研磨が必要で、そのような超精密研磨は、コストがかかる割には効果が大きくない。特に好ましいのは、表面粗さRaは0.005μm以上で、0.06μm以下である。
片面が上記範囲の表面粗さRaを有する金属シートは、後述するように、シート表面を研磨処理することにより得ることができる。あるいは、金属シート表面をめっき処理することにより得ることができる。めっき処理は、ニッケルおよび/またはクロムめっき処理であることが好ましい。また、金属シートの表面を透明酸化物層により被覆することも好ましい。
本発明において蓄積性蛍光体層12は、蒸着法等の気相堆積法により形成された柱状結晶構造の蓄積性蛍光体からなる。
なお、本発明の放射線像変換パネルは、図1に示した構成に限定されるものではなく、パネルには後述するように各種の補助層が設けられていてもよい。
次に、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法について、蛍光体が蓄積性蛍光体であり、抵抗加熱方式による蒸着法を用いる場合を例にとって詳細に述べる。
蒸着膜形成のための基板は、放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、上述したようにアルミニウム、鉄、スズ、クロム等からなる金属シートである。金属シートの蒸着膜が形成される側の表面には表面処理を施して、その表面粗さRaを0.1μm以下にすることが好ましい。表面処理としては、機械的、電気的または化学的手法等による研磨処理、およびニッケル、クロム等を用いためっき処理もしくは透明酸化物層により被覆処理を挙げることができる。めっき処理は、金属シート表面を化学的に安定させるので好ましい。なお、表面処理は、これらに限定されるものではなく、公知の各種の方法を利用することができる。
さらに、使用に先立って、金属シートの蒸着膜が形成される側の表面(めっき処理されている場合には、めっき表面)を脱脂洗浄することが好ましい。脱脂洗浄は、金属シート表面を界面活性剤等を含むアルカリ性洗浄液で洗い流すアルカリ洗浄することにより、あるいはArガス等の不活性ガスをプラズマ放電させて生成させたプラズマで金属シート表面をプラズマ洗浄することにより行うことができる。
蓄積性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
そのうちでも、基本組成式(I):
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(I)において、zは1×10-4≦z≦0.1の範囲内にあることが好ましい。MIとしては少なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少なくともBrを含んでいることが好ましい。AとしてはEu又はBiであることが好ましく、そして特に好ましくはEuである。また、基本組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物として、MIX1モルに対して、0.5モル以下の量で加えてもよい。
また、基本組成式(II):
MIIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
MIIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(II)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
なお、基本組成式(II)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を一種もしくは二種以上を基本組成式(II)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIII
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl2O3、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としてはハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
その他、上記基本組成式(II)にはさらに必要に応じて、Zn及びCd化合物;TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y2O3、La2O3、In2O3、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、ThO2等の金属酸化物;Zr及びSc化合物;B化合物;As及びSi化合物;テトラフルオロホウ酸化合物;ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価又は2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
基本組成式(III):
MIIS:A,Sm ‥‥(III)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属硫化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはMg、Ca及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表す。Aは、Eu及び/又はCeを表す。
MIIS:A,Sm ‥‥(III)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属硫化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはMg、Ca及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表す。Aは、Eu及び/又はCeを表す。
基本組成式(IV):
MIIIOX:Ce ‥‥(IV)
で代表されるセリウム付活三価金属酸化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。
MIIIOX:Ce ‥‥(IV)
で代表されるセリウム付活三価金属酸化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。
多元蒸着(共蒸着)により蛍光体蒸着膜を形成する場合には、蒸発源として、上記蓄積性蛍光体の母体成分を含むものと付活剤成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体の母体成分と付活剤成分の融点や蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸発速度を各々制御して蛍光体母体中に付活剤を均一に含有させることができるので好ましい。各蒸発源は、所望とする蓄積性蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体成分および付活剤成分それぞれのみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
蛍光体の母体成分は、母体を構成する化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。また、付活剤成分は、一般には付活剤元素を含む化合物であり、例えば付活剤元素のハロゲン化物や酸化物が用いられる。
付活剤がEuである場合に、付活剤成分のEu化合物におけるEu2+化合物のモル比はできるだけ高いことが好ましい。所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。一般に、市販されているEu化合物には酸素混入のためにEu2+とEu3+が混合して含まれていることが多いが、このような場合には、予めEu化合物をBrガス雰囲気中で溶融処理して含有酸素を除去し、そして得られたEuBr2を用いることが望ましい。
蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体成分や付活剤成分が、例えばEuBr、CsBrのように吸湿性である場合には特に、含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の各蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、各蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
さらに、本発明において、蒸発源、特に蛍光体母体成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ土類金属)の含有量が5ppm(重量)以下であることが望ましい。とりわけ、蛍光体が前記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である場合には望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。
上記複数の蒸発源を蒸着装置内に配置する。また、金属シート(基板)を、表面粗さが0.1μm以下である表面が蒸発源に対向するように、装置内に配置する。次いで、装置内を排気して0.1〜10Pa程度の中真空度とする。好ましくは、0.1〜4Paの真空度にする。更に好ましくは、装置内を排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度の高真空度とした後、Arガス、Neガス、N2ガスなどの不活性ガスを導入して上記中真空度にする。これにより、装置内の水分圧や酸素分圧等を下げることができる。排気装置としては、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディフュージョンポンプ、メカニカルブースタ等を適宜組み合わせて用いることができる。
次に、抵抗加熱方式により蒸着を行う。抵抗加熱方式は、中程度の真空度で蒸着を行うことができ、柱状結晶性の良好な蒸着膜を容易に得られる利点がある。各抵抗加熱器に電流を流して蒸発源を加熱する。蒸発源である蓄積性蛍光体の母体成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積する。このとき、基板のサイズ等によっても異なるが、一般に各蒸発源と基板との距離は10乃至1000mmの範囲にあり、各蒸発源間の距離は10乃至1000mmの範囲にある。また、基板を加熱してもよいし、あるいは冷却してもよい。基板温度は、一般には20乃至350℃の範囲にあり、好ましくは100乃至300℃の範囲にある。各蒸発源の蒸着速度は、加熱器の抵抗電流などを調整することにより制御することができる。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1乃至1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1乃至100μm/分の範囲にある。
なお、抵抗加熱装置による加熱を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。蒸着終了後に蒸着膜を熱処理(アニール処理)してもよい。熱処理は、一般には100℃乃至300℃の温度で0.5乃至3時間かけて行い、好ましくは150℃乃至250℃の温度で0.5乃至2時間かけて行う。熱処理雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、もしくは少量の酸素ガス又は水素ガスを含む不活性ガス雰囲気が用いられる。
上記蛍光体からなる蒸着膜を形成するに先立って、蛍光体母体化合物のみからなる蒸着膜を形成してもよい。この母体化合物の蒸着膜は、一般に柱状結晶構造または球状結晶の凝集体からなり、この上に形成される蛍光体蒸着膜の柱状結晶性をより一層良好にすることができる。なお、蒸着時の基板加熱および/または蒸着後の熱処理によっては、蛍光体蒸着膜中の付活剤など添加物が母体化合物蒸着膜中に拡散するために両者の境界は必ずしも明確ではない。
一元蒸着の場合には、蒸発源として蛍光体自体または蛍光体原料混合物を用いてこれを単一の抵抗加熱装置で加熱する。蒸発源は予め、所望の濃度の付活剤を含有するように調製する。もしくは、蛍光体母体成分と付活剤成分との蒸気圧差を考慮して、蒸発源に蛍光体母体成分を補給しながら蒸着を行うことも可能である。
このようにして、蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は50μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
本発明の放射線像変換パネルの製造に用いられる気相堆積法は、上記の抵抗加熱方式による蒸着法に限定されるものではなく、電子線照射方式による蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着(CVD)法など公知の各種の方法を利用することができる。
蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
[実施例1]
(1)蒸発源
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBr2)溶融物を用意した。EuBr2溶融物は、酸化を防ぐために、EuBr2粉末を白金製坩堝に入れ、これを十分なハロゲン雰囲気としたチューブ炉中にて800℃に加熱して溶融した後、冷却し、炉から取り出して得た。各蒸発源中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBr2中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの蒸発源は、吸湿性が高いので露点20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
(1)蒸発源
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBr2)溶融物を用意した。EuBr2溶融物は、酸化を防ぐために、EuBr2粉末を白金製坩堝に入れ、これを十分なハロゲン雰囲気としたチューブ炉中にて800℃に加熱して溶融した後、冷却し、炉から取り出して得た。各蒸発源中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBr2中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの蒸発源は、吸湿性が高いので露点20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
(2)支持体の調製
支持体として、1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:SL(圧延による表面粗さの特に良好なもの)、住友金属工業(株)製)を用意した。アルミニウム基板の表面を、界面活性剤を含む弱アルカリ性洗浄液を用いて脱脂洗浄し、脱イオン水で水洗し、そして乾燥した。
支持体として、1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:SL(圧延による表面粗さの特に良好なもの)、住友金属工業(株)製)を用意した。アルミニウム基板の表面を、界面活性剤を含む弱アルカリ性洗浄液を用いて脱脂洗浄し、脱イオン水で水洗し、そして乾燥した。
(3)蛍光体層の形成
上記のアルミニウム基板を蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBr2蒸発源を装置内の抵抗加熱用坩堝容器に充填した。基板と各蒸発源との距離は150mmとした。次に、メイン排気バルブを開いて装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースタおよびディフュージョンポンプの組合せを用いた。さらに、水分除去のために水分排気用クライオポンプを使用した。その後、排気をメイン排気バルブからバイパス排気バルブに切り換え、装置内にArガスを導入して0.5Paの真空度とした後、プラズマ発生装置(イオン銃)によりArプラズマを発生させ、基板表面の洗浄を行った。その後、排気をメイン排気バルブに切り換えて1×10-3Paの真空度まで排気し、そして再度排気をバイパス排気バルブに切り換え、Arガスを導入して1Paの真空度(Arガス圧)とした。基板と各蒸発源の間に設けられたシャッタを閉じた状態で、蒸発源それぞれを抵抗加熱器で加熱溶融した後、まずCsBr蒸発源側のシャッタだけを開き、基板の表面にCsBr蛍光体母体を堆積させて被覆層を形成した。その3分後に、EuBr2蒸発源側のシャッタも開き、被覆層上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。堆積は8μm/分の速度で行った。また、各加熱器の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.003/1となるように制御した。蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から基板を取り出した。基板の被覆層上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(層厚:500μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
このようにして、共蒸着により金属シート(支持体)と蓄積性蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1参照)。
上記のアルミニウム基板を蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBr2蒸発源を装置内の抵抗加熱用坩堝容器に充填した。基板と各蒸発源との距離は150mmとした。次に、メイン排気バルブを開いて装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースタおよびディフュージョンポンプの組合せを用いた。さらに、水分除去のために水分排気用クライオポンプを使用した。その後、排気をメイン排気バルブからバイパス排気バルブに切り換え、装置内にArガスを導入して0.5Paの真空度とした後、プラズマ発生装置(イオン銃)によりArプラズマを発生させ、基板表面の洗浄を行った。その後、排気をメイン排気バルブに切り換えて1×10-3Paの真空度まで排気し、そして再度排気をバイパス排気バルブに切り換え、Arガスを導入して1Paの真空度(Arガス圧)とした。基板と各蒸発源の間に設けられたシャッタを閉じた状態で、蒸発源それぞれを抵抗加熱器で加熱溶融した後、まずCsBr蒸発源側のシャッタだけを開き、基板の表面にCsBr蛍光体母体を堆積させて被覆層を形成した。その3分後に、EuBr2蒸発源側のシャッタも開き、被覆層上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。堆積は8μm/分の速度で行った。また、各加熱器の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.003/1となるように制御した。蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から基板を取り出した。基板の被覆層上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(層厚:500μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
このようにして、共蒸着により金属シート(支持体)と蓄積性蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1参照)。
[実施例2]
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面に電解研磨処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面に電解研磨処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例3]
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面にニッケルめっき処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面にニッケルめっき処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例4]
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面にクロムめっき処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面にクロムめっき処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例5]
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面に電解研磨処理を行った後、厚さが4μmの透明二酸化ケイ素被膜形成(Siアルコキシド溶液(株式会社日興製のGS−600−1、固形分濃度:36%をディップ法により研磨処理面に塗布し、25℃、40%RHにて30分間自然乾燥させた後、200℃で1時間加熱処理して形成したもの)を行なったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、アルミニウムシートの片面に電解研磨処理を行った後、厚さが4μmの透明二酸化ケイ素被膜形成(Siアルコキシド溶液(株式会社日興製のGS−600−1、固形分濃度:36%をディップ法により研磨処理面に塗布し、25℃、40%RHにて30分間自然乾燥させた後、200℃で1時間加熱処理して形成したもの)を行なったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例6]
支持体のアルミニウムシートとして、片面をラッピング研磨した10mm厚のアルミニウムシート(YH−75、日鐵商事製、JIS呼称7075)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
支持体のアルミニウムシートとして、片面をラッピング研磨した10mm厚のアルミニウムシート(YH−75、日鐵商事製、JIS呼称7075)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例7]
支持体のアルミニウムシートとして、片面をラッピング研磨し、その後に、実施例5に記載の方法により厚さが4μmの透明二酸化ケイ素被膜を形成した10mm厚のアルミニウムシート(YH−75)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
支持体のアルミニウムシートとして、片面をラッピング研磨し、その後に、実施例5に記載の方法により厚さが4μmの透明二酸化ケイ素被膜を形成した10mm厚のアルミニウムシート(YH−75)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[比較例1]
実施例1の(2)支持体の調製において、支持体として、別の種類の1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:MF、住友金属工業(株)製)を用意したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、支持体として、別の種類の1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:MF、住友金属工業(株)製)を用意したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[比較例2]
実施例1の(2)支持体の調製において、支持体として、別の種類の1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:LF、住友金属工業(株)製)を用意したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)支持体の調製において、支持体として、別の種類の1mm厚のアルミニウムシート(圧延成型品、圧延記号:LF、住友金属工業(株)製)を用意したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[放射線像変換パネルの性能評価]
各各放射線像変換パネルについて、次のようにして支持体の表面粗さRaと表面粗さの最大高さRzを決定し、そして放射線画像の画質の評価を行った。
各各放射線像変換パネルについて、次のようにして支持体の表面粗さRaと表面粗さの最大高さRzを決定し、そして放射線画像の画質の評価を行った。
(1)支持体表面の表面粗さRaと表面粗さの最大高さRz
アルミニウム基板の表面(表面処理した面)の形状を、超深度形状測定顕微鏡(VK-8550、キーエンス社製)を用いて、高さ測定ピッチ(測定分解能)0.01μmで100μm×100μmの領域に渡って測定し、得られた測定データから画像計測・解析ソフト(VK-H1A7)を用いて、JIS B 0601−2001に準じた計算式により表面粗さ(算術平均粗さ)Raと表面粗さの最大高さRzとを求めた。
アルミニウム基板の表面(表面処理した面)の形状を、超深度形状測定顕微鏡(VK-8550、キーエンス社製)を用いて、高さ測定ピッチ(測定分解能)0.01μmで100μm×100μmの領域に渡って測定し、得られた測定データから画像計測・解析ソフト(VK-H1A7)を用いて、JIS B 0601−2001に準じた計算式により表面粗さ(算術平均粗さ)Raと表面粗さの最大高さRzとを求めた。
(2)再生放射線画像の粒状性
放射線像変換パネルの表面に、タングステン管球、管電圧80kVpのX線を線量10mR(2.58×10-6C/kg)を照射した後、波長660nmの半導体レーザ光を変換パネル面上の励起エネルギーが5J/m2となるように照射して、変換パネル表面から放射された輝尽発光光を受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光した。受光した光を電気信号に変換し、これから画像再生装置によって画像を得た。得られた画像の粒状性(変換パネルの構造モトルを反映、点欠陥部分は除く)について、目視により以下の4段階にて評価した。
AA: 非常に良好である A: 良好である
B: 多少劣るが、実用可能である C: 不良で、実用上支障がある
放射線像変換パネルの表面に、タングステン管球、管電圧80kVpのX線を線量10mR(2.58×10-6C/kg)を照射した後、波長660nmの半導体レーザ光を変換パネル面上の励起エネルギーが5J/m2となるように照射して、変換パネル表面から放射された輝尽発光光を受光器(分光感度S−5の光電子増倍管)で受光した。受光した光を電気信号に変換し、これから画像再生装置によって画像を得た。得られた画像の粒状性(変換パネルの構造モトルを反映、点欠陥部分は除く)について、目視により以下の4段階にて評価した。
AA: 非常に良好である A: 良好である
B: 多少劣るが、実用可能である C: 不良で、実用上支障がある
(3)放射線画像の点欠陥
上記の画像について、点欠陥(濃度が周囲に対して明確に薄い、または濃い点状の部分)の数を、目視により100mm×100mmの範囲で測定した。
上記の画像について、点欠陥(濃度が周囲に対して明確に薄い、または濃い点状の部分)の数を、目視により100mm×100mmの範囲で測定した。
(4)画質の総合判定
上記の粒状性と点欠陥の数に基づいて、再生放射線画像の画質について以下の4段階にて総合判定を行った。
AA: 非常に良好である A: 良好である
B: 多少劣るが、実用可能である C: 不良で、実用上支障がある
得られた結果をまとめて表1に示す。
上記の粒状性と点欠陥の数に基づいて、再生放射線画像の画質について以下の4段階にて総合判定を行った。
AA: 非常に良好である A: 良好である
B: 多少劣るが、実用可能である C: 不良で、実用上支障がある
得られた結果をまとめて表1に示す。
表1
────────────────────────────────────
支持体/表面処理 Ra/Rz 粒状性 点欠陥数 総合判定
────────────────────────────────────
実施例1 SL(なし) 0.074/1.20μm A 8 A
実施例2 SL(電解研磨) 0.048/0.46μm AA 2 AA
実施例3 SL(Niめっき) 0.054/0.45μm AA 3 AA
実施例4 SL(Crめっき) 0.052/0.43μm AA 3 AA
実施例5 SL(電解研磨+SiO2被膜)
0.040/0.25μm AA 1 AA
実施例6 YH−75(ラッピング研磨)
0.044/0.52μm AA 3 AA
実施例7 YH−75(ラッピング研磨+SiO2被膜)
0.038/0.21μm AA 1 AA
────────────────────────────────────
比較例1 MF(なし) 0.196/5.05μm C 20 C
比較例2 LF(なし) 0.130/1.84μm B 12 B
────────────────────────────────────
────────────────────────────────────
支持体/表面処理 Ra/Rz 粒状性 点欠陥数 総合判定
────────────────────────────────────
実施例1 SL(なし) 0.074/1.20μm A 8 A
実施例2 SL(電解研磨) 0.048/0.46μm AA 2 AA
実施例3 SL(Niめっき) 0.054/0.45μm AA 3 AA
実施例4 SL(Crめっき) 0.052/0.43μm AA 3 AA
実施例5 SL(電解研磨+SiO2被膜)
0.040/0.25μm AA 1 AA
実施例6 YH−75(ラッピング研磨)
0.044/0.52μm AA 3 AA
実施例7 YH−75(ラッピング研磨+SiO2被膜)
0.038/0.21μm AA 1 AA
────────────────────────────────────
比較例1 MF(なし) 0.196/5.05μm C 20 C
比較例2 LF(なし) 0.130/1.84μm B 12 B
────────────────────────────────────
表1に示した結果から明らかなように、支持体として表面粗さが0.1μm以下のアルミニウムシートを用いた本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜7)はいずれも、構造モトルを反映した粒状性に優れ、点欠陥の少ない高画質の放射線画像を与えた。特に、表面粗さが0.06μm以下であった場合(実施例2〜7)には、放射線画像の粒状性が極めて良好で、点欠陥数も著しく少なかった。それに対して、表面粗さが0.1μmを越えたアルミニウムシートを有する比較のための放射線像変換パネル(比較例1、2)は、粒状性が低下し、点欠陥も多かった。
11 支持体(金属シート)
11a 支持体の蛍光体層側表面
12 蓄積性蛍光体層
11a 支持体の蛍光体層側表面
12 蓄積性蛍光体層
Claims (12)
- 金属シート及びその上に気相堆積法により形成された蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該金属シートの蛍光体層側の表面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面の表面粗さが0.005μm以上、0.06μm以下である請求項1に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面の表面粗さの最大高さRzが1.5μm以下である請求項1もしくは2に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面の表面粗さの最大高さRzが1.0μm以下である請求項1もしくは2に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートがアルミニウムシートである請求項1乃至4のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面が研磨処理されている請求項1乃至5のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面がめっき処理されている請求項1乃至5のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- めっき処理がニッケルおよび/またはクロムめっき処理である請求項7に記載の放射線像変換パネル。
- 金属シートの蛍光体層側表面が透明酸化物層により被覆されている請求項1乃至6のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 蛍光体が蓄積性蛍光体である請求項1乃至9のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 蓄積性蛍光体が、基本組成式(I):
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である請求項10に記載の放射線像変換パネル。 - 基本組成式(I)においてMIがCsであり、XがBrであり、AがEuであり、そしてzが1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値である請求項11に記載の放射線像変換パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005071955A JP2005292130A (ja) | 2004-03-12 | 2005-03-14 | 放射線像変換パネル |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071536 | 2004-03-12 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005071955A Withdrawn JP2005292130A (ja) | 2004-03-12 | 2005-03-14 | 放射線像変換パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008309771A (ja) * | 2007-06-15 | 2008-12-25 | Hamamatsu Photonics Kk | 放射線像変換パネル及び放射線イメージセンサ |
JP2010060414A (ja) * | 2008-09-03 | 2010-03-18 | Konica Minolta Medical & Graphic Inc | シンチレータプレート |
JP2014167404A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Konica Minolta Inc | 蒸着用基板およびシンチレータパネル |
-
2005
- 2005-03-14 JP JP2005071955A patent/JP2005292130A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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