JP2004170406A - 放射線像変換パネルおよびその製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 柱状結晶性に優れ、かつ蛍光体層と支持体との接着性が良好な放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】 支持体、該支持体の表面を95%以上の被覆率で被覆している蓄積性蛍光体母体化合物層、そして該蓄積性蛍光体母体化合物層の上に形成された蓄積性蛍光体柱状結晶の集合体からなる蛍光体層を含む放射線像変換パネル。
【選択図】 図1



Description

本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルおよびその製造方法に関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過した或は被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、該変換パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に共されている。読み取りを終えた放射線像変換パネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。
また、上記放射線画像記録再生方法の別法として、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、被検体を透過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの放射線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルのエネルギー蓄積用蛍光体にて放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を走査して発光光を放出させ、この発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものである。このような放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンも、本発明に包含される。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
感度および画質を高めることを目的として、放射線像変換パネルの蛍光体層を気相堆積法により形成する方法が提案されている。気相堆積法には蒸着法やスパッタ法、化学蒸着(CVD)法などがあり、例えば蒸着法は、蛍光体またはその原料からなる蒸発源を抵抗加熱器や電子線の照射により加熱して蒸発源を蒸発、飛散させ、金属シートなどの基板(支持体)表面にその蒸発物を堆積させることにより、基板上に蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を形成するものである。
気相堆積法により形成された蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。このため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像を得ることができる。
特許文献2には、支持上に、少なくとも二層柱状のブロック構造の輝尽性蛍光体を有することを特徴とする放射線画像変換パネルが記載されている。
特開2001−255610号公報 特開昭61−245099公報
本発明者の研究によると、基板(支持体)上に、母体化合物と付活剤とからなる蓄積性蛍光体を気相堆積法により形成した場合、蓄積性蛍光体の母体化合物と付活剤の組合せによっては(特に、CsBr:Eu)、基板上に堆積する蓄積性蛍光体層の柱状結晶の形状が悪くなり、また蛍光体層と基体との接着性が不充分となって、蛍光体層が基体から剥がれやすいことが判明した。これは、一価金属化合物からなる蛍光体母体中に価数の異なる付活剤、例えば、二価乃至三価金属のEuを含有させることになるために、その価数の違いから柱状結晶が乱れ、そして基体との接着性が悪くなるという物理的な要因によるものと考えられる。
従って、本発明は、蛍光体層と支持体との接着性が良好な放射線像変換パネルおよびその製造方法を提供することにある。
また、本発明は、柱状結晶性に優れ、かつ蛍光体層と支持体との接着性が良好な放射線像変換パネルを提供することにもある。
本発明者は、上記の課題について検討した結果、輝尽性蛍光体層を形成するに先立って、支持体となる基板の表面を母体化合物を用いて95%以上の高い被覆率でほぼ一様に被覆し、次いでこの母体化合物で被覆された基板表面に母体化合物と付活剤とからなる蓄積性蛍光体の柱状結晶を形成することにより、形状の良好な柱状結晶が得られ、また蛍光体層と基板との接着性も良好であることを見い出し、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、支持体、該支持体の表面を95%以上の被覆率で被覆している蓄積性蛍光体母体化合物層、そして該蓄積性蛍光体母体化合物層の上に形成された蓄積性蛍光体柱状結晶の集合体からなる蛍光体層を含む放射線像変換パネルにある。
本発明の放射線像変換パネルの好ましい態様は、下記の通りである。
(1)蓄積性蛍光体層が気相堆積法により形成された層である。
(2)蓄積性蛍光体母体化合物層が気相堆積法により形成された層である。
(3)蓄積性蛍光体母体化合物層が、蓄積性蛍光体母体化合物粒子が支持体表面に沿って結合した状態で形成されている。
(4)蓄積性蛍光体母体化合物層が、50nm乃至100μmの範囲の厚みを持つ。
(5)蓄積性蛍光体が、基本組成式(I):

IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)

[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である。
(6)蓄積性蛍光体蛍光体が、ユーロピウム付活臭化セシウムであって、蓄積性蛍光体母体化合物が臭化セシウムである。
本発明の放射線像変換パネルは、支持体表面に、該支持体の表面を95%以上の被覆率で被覆する蓄積性蛍光体母体化合物層を気相堆積法により形成する工程、そして該蓄積性蛍光体母体化合物層の上に蓄積性蛍光体柱状結晶の集合体から構成されている蓄積性蛍光体層を気相堆積法により形成する工程からなる方法により有利に製造することができる。
上記の放射線像変換パネルの製造方法の好ましい態様は下記の通りである。
(1)蓄積性蛍光体母体化合物層の気相堆積法による形成工程と蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を連続的に行なう。
(2)蓄積性蛍光体層が、蛍光体母体化合物と付活剤とを含む蓄積性蛍光体からなる層であって、蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を、蓄積性蛍光体母体化合物を含む蒸発源と付活剤を含む蒸発源とを同時に蒸発させて支持体上に堆積させる方法によって行なう。
(3)蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を、不活性ガスの存在下で、0.3〜3Paの圧力にて行なう。
本発明の放射線像変換パネルは、輝尽性蛍光体層と支持体との接着性が良好であり、また蓄積性蛍光体層の柱状結晶性が良好であるため、高画質の放射線再生画像を与える。
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて、添付図面を参照しながら詳細に述べる。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を概略的に示す部分断面図である。図1において、放射線像変換パネルは、支持体(基板)1と蓄積性蛍光体層(以下、単に蛍光体層ということもある)2とから構成され、支持体1の蛍光体層側表面には、蓄積性蛍光体の母体化合物からなる被覆層1aが設けられている。被覆層1aによる支持体1の被覆率は95%以上であり、被覆層1aの厚みは、支持体表面を95%以上で被覆するためには、少なくとも50nm必要であり、上限は特にないが、発光の効率等の制限を考慮すると、100μm以下がであることが好ましい。蓄積性蛍光体層2は、気相堆積法により形成された蛍光体の柱状結晶からなり、その層厚は好ましくは200乃至700μmの範囲にある。
本発明において、支持体表面の被覆率(%)は、実施例にて後述するように、放射線像変換パネルの蛍光体層と母体化合物被覆層と一緒に支持体から剥がし取って、母体化合物被覆層を含む蛍光体層の支持体側の表面積を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、母体化合物被覆層を含む蛍光体層の支持体側の表面積(底面積)に対する被覆層の底面積の割合を算出することにより得られる値である。なお、基板に凹凸が形成されていて、そのため母体化合物被覆層の底面に凹凸が形成されている場合には、支持体表面の被覆率の計算には、その母体化合物被覆層の底面を平面に垂直に投影した面積を母体化合物被覆層底面の面積とする。
なお、本発明の放射線像変換パネルは、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば後述するように保護層や各種の補助層が付設されていてもよい。
次に、本発明の放射線像変換パネルの製造方法について、気相堆積法として蒸着法を用いる場合を例にとって詳細に述べる。
蒸着膜形成のための基板は、放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、特に好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。基板は、その表面が平坦であってもよく、あるは規則的もしくは不規則的な凹凸があってもよい。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
蓄積性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
そのうちでも、基本組成式(I):
IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(I)において、zは5×10-4≦z≦0.1の範囲内にあることが好ましい。MIとしては少なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少なくともBrを含んでいることが好ましい。AとしてはEu又はBiであることが好ましく、そして特に好ましいのはEuである。輝尽性蛍光体としてはCsBr:Eu(ユーロピウム付活臭化セシウム)が特に好ましい。
また、基本組成式(II):
IIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(II)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
本発明においてはまず、基板の蒸着膜が形成される側の表面を上記蓄積性蛍光体の母体化合物で被覆する。基板表面の被覆は一般には、蒸着法、スパッタ法、化学蒸着(CVD)法等の気相堆積法により行なう。例えば蒸着法による場合には、後述する蛍光体層の形成と同様の装置および条件を用いて、基板表面を蛍光体母体化合物で被覆することができる。その際に、蒸発源は、蛍光体母体化合物自体であってもよいし、あるいは蒸着時に反応して母体化合物となりうる原料混合物であってもよい。なお、気相堆積法により基板表面を蛍光体母体化合物で被覆した後、続けてその上に蛍光体の蒸着膜を形成してもよい。
このようにして、基板表面には、蛍光体母体化合物からなる被覆層が形成される。この被覆層は、多数の粒子が基板表面上で、互いに結合し、重なり合った粒子状もしくは円盤状で第一層が構成される。この粒子の平均直径は、一般に0.1乃至5μmの範囲にある。第一層目の膜厚は、30nmから3μmの範囲にある。蛍光体層と基板との密着を確保するためには、被覆層による基板表面の被覆率は一般に95%以上とする。一般に、この第一層〜数層分程度が堆積して、被覆層となれば、95%以上の被覆率を達成することができる。従って、被覆層の厚みは50nm以上必要であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。
次に、多元蒸着(共蒸着)により蓄積性蛍光体の蒸着膜を形成する場合には、まず蒸発源として、上記蓄積性蛍光体の母体化合物成分を含むものと付活剤成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体の母体化合物成分と付活剤成分の融点や蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸発速度を各々制御して蛍光体母体化合物中に付活剤を均一に含有させることができるので好ましい。各蒸発源は、所望とする蓄積性蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体化合物成分および付活剤成分それぞれのみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
蛍光体の母体化合物成分は、母体化合物を構成する化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。また、付活剤成分は、一般には付活剤元素を含む化合物であり、例えば付活剤元素のハロゲン化物や酸化物が用いられる。
付活剤がEuである場合に、付活剤成分のEu化合物におけるEu2+化合物のモル比が70%以上であることが好ましい。一般に、Eu化合物にはEu2+とEu3+が混合して含まれているが、所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。Eu化合物はEuBrxであることが好ましく、その場合に、xは2.0≦x≦2.3の範囲内の数値であることが好ましい。xは、2.0であることが望ましいが、2.0に近づけようとすると酸素が混入しやすくなる。よって、実際にはxは2.2付近でBrの比率が比較的高い状態が安定している。
蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体化合物成分や付活剤成分が、例えばEuBr、CsBrのように吸湿性である場合には特に、含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の各蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、各蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
また、蒸発源の相対密度は80%以上であることが好ましい。より好ましくは90%以上の値である。ここで、相対密度とは、蛍光体またはその原料固有の密度に対する蒸発源の実際の密度の割合を意味する。蒸発源が相対密度の低い粉体状態であると、蒸着の際に粉体が飛散するなどの不都合が生じたり、蒸発源の表面から均一に蒸発しないで蒸着膜の膜厚が不均一となったりする。上記相対密度とするには一般に、粉体を20MPa以上の圧力で加圧成形したり、あるいは融点以上の温度で加熱溶融して、タブレット(錠剤)の形状にする。ただし、蒸発源は必ずしもタブレットの形状である必要はない。
本発明において、蒸発源、特に蛍光体母体化合物成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ土類金属)の含有量が5ppm(重量)以下であることが望ましい。とりわけ、蛍光体が前記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である場合には望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。
蒸発源、および蛍光体母体化合物で被覆された基板を蒸着装置内に設置し、装置内を排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度の真空度とする。このとき、装置内の雰囲気中の水分圧を、ディフュージョンポンプ(もしくはターボ分子ポンプ)とコールドトラップ(クライオコイル、クライオポンプ等)との組合せなどを用いることにより、7.0×10-3Pa以下にすることが好ましい。次いで、この低い水分圧を維持しながら、Arガス、Neガス、N2ガスなどの不活性ガスを導入して0.3〜3.0Pa程度の真空度にする。この場合の真空度は0.5〜1.5Paが特に好ましい。
次に、電子線蒸着の場合には、二つの電子銃から電子線をそれぞれ発生させて各蒸発源に照射する。このとき、電子線の加速電圧を1.5kV以上で、5.0kV以下に設定することが望ましい。電子線の照射により、蒸発源である蓄積性蛍光体の母体化合物成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板の被覆層表面に堆積する。抵抗加熱による蒸着の場合には、抵抗加熱器に電流を流すことにより蒸発源を加熱する。蒸発源である蓄積性蛍光体の母体化合物成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散する。そして、両者は反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板の被覆層表面に堆積する。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1〜1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1〜100μm/分の範囲にある。
なお、電子線の照射および/または抵抗加熱器による加熱を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。蒸着の際に必要に応じて基板を加熱してもよいし、あるいは冷却してもよい。また、蒸着終了後に蒸着膜を熱処理(アニール処理)してもよい。不活性ガスを導入して蒸着する場合には、抵抗加熱器の使用が好ましい。通常、気相堆積(蒸着)中の基板温度は、0℃〜300℃の範囲とする。好ましくは、50℃〜150℃の範囲である。
一元蒸着(疑似一元蒸着)の場合には、蒸発流に垂直な方向(基板に平行な方向)に蛍光体母体化合物成分と付活剤成分とを分離して含む一個の蒸発源を用意することが好ましい。そして、蒸着に際しては、一つの電子線を用いて、蒸発源の母体化合物成分領域および付活剤成分領域各々に電子線を照射する時間(滞在時間)を制御することにより、所望の付活剤濃度を有し、かつ組成の均一な蓄積性蛍光体からなる蒸着膜を形成することができる。あるいは、蒸発源として蛍光体自体または蛍光体原料混合物を用いて、これに電子線を照射するか、または抵抗加熱器で加熱する一元蒸着であってもよい。その場合には、予め、所望の濃度の付活剤を含有するように蛍光体を調製する。もしくは、蛍光体母体化合物成分と付活剤成分との蒸気圧差を考慮して、蒸発源に蛍光体の母体化合物成分を補給しながら蒸着を行うことも可能である。
このようにして、蓄積性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。本発明においては、基板表面が予め蛍光体母体化合物で被覆されているので、蒸着膜中に付活剤を比較的高濃度で含有させても柱状結晶が崩れにくく、基板との接着性も良好となる。さらに、同じ条件で繰り返し蒸着膜を形成した場合に、蒸着膜の柱状結晶性や発光量(発光量は主に、蒸着膜中における付活剤の分散度に依存する)に関して、高い再現性を示す。
蛍光体層は、結合剤を含有せず、蓄積性蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙(クラック)が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は50μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
本発明に用いられる気相堆積法は、上記の蒸着法に限定されるものではなく、スパッタ法、CVD法など公知の各種の方法を利用することができる。
蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層を設けることが望ましい。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定で防湿性が高く、かつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護層の層厚は一般に、高分子物質からなる場合には約0.1〜20μmの範囲にあり、ガラス等の無機化合物からなる場合には100〜1000μmの範囲にある。
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
[実施例1]二元蒸着
(1)蒸発源
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBrx、x≒2.2)粉末を用意した。各粉末中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBrx中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの粉末は、吸湿性が高いので露点−20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
(2)支持体表面の被覆及び蛍光体層の形成
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA(イソプロピルアルコール)洗浄を施した合成石英基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBrx蒸発源を装置内の坩堝容器に充填した後、装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースターおよびターボ分子ポンプの組合せを用いた。その後、装置内にArガスを導入して0.6Paの真空度にした。石英基板の蒸着とは反対側に位置したシーズヒータで、基板を100℃に加熱した。基板と各蒸発源の間に設けられたシャッタを閉じた状態で、蒸発源それぞれを抵抗加熱器で加熱した後、まず、CsBr蒸発源側のシャッタだけを開いて、基板の表面にCsBr蛍光体母体を堆積させて被覆層を形成した。次いで、その1秒後にEuBrx蒸発源側のシャッタも開いて、被覆層上にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させた。堆積は5μm/分の速度で行った。また、各々の加熱器の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.003/1となるように制御した。
蒸着終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から石英基板を取り出した。被覆された石英基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蛍光体層(層厚:500μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
このようにして、共蒸着により支持体と蛍光体層とからなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1参照)。
[実施例2]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて3秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例3]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて10秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例4]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて30秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例5]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて300秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。形成された母体化合物層は、粒径が約2μmの粒子で敷きつめられていた。
[実施例6]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて600秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。形成された母体化合物層は、粒径が約2μmの粒子で敷きつめられていた。
[比較例1]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側とEuBrx蒸発源側の両方のシャッタを同時に開いて、基板表面にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させたこと以外は実施例1と同様にして、従来の放射線像変換パネルを製造した。
[比較例2]二元蒸着
実施例1において、EuBrx蒸発源側のシャッタを開いて1秒後に、CsBr蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[比較例3]二元蒸着
実施例1において、CsBr蒸発源側のシャッタを開いて0.5秒後に、EuBrx蒸発源側のシャッタも開いたこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[比較例4]一元蒸着
実施例1において、蒸発源としてCsBrとEuBrx(x≒2.2)の粉末混合物(モル比1:0.003)を用い、蒸発源を抵抗加熱器で加熱したのちシャッタを開いて基板表面にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を堆積させたこと以外は実施例1と同様にして、従来の放射線像変換パネルを製造した。

[放射線像変換パネルの性能評価]
得られた各放射線像変換パネルの接着性、柱状性および再現性について、下記のようにして評価を行った。また、放射線像変換パネルの基板(支持体)から母体被覆層を含む蛍光体層を剥がし取り、該母体被覆層の剥離面をイオンスパッタにより金で被覆(厚み:30オングストローム)した後、走査型電子顕微鏡(JSM−5400型、日本電子(株)製)を用いて観察し、全面積に対する被覆層部分の割合を測定することにより、被覆率(%)を求めた。
(1)接着性(剥離度)
権田俊一監修、「薄膜の作成・評価とその応用技術ハンドブック」、フジテクノシステム、1984年、p.211に記載のスコッチテープ法を参考にして、蛍光体層の表面に粘着テープ(ニチバン製セロハンテープ)を貼り付けた後、粘着テープを剥がして蛍光体層の支持体からの剥離の程度を観察し、全面積に対する剥離部分の割合(%)にて評価した。
(2)柱状性
放射線像変換パネルの蛍光体層を支持体ごと厚み方向に切断し、チャージアップ防止のためにイオンスパッタにより金で被覆した後、走査型電子顕微鏡を用いて蛍光体層の表面および切断面を観察し、柱状結晶の形状を以下の基準にて評価した。
AA:極めて良好、 A:良好、 B:やや不良、
C:不良であって実用上問題がある
(3)再現性(感度)
各実施例および比較例について同様の操作を繰り返して多数の放射線像変換パネルを製造した。得られた各パネルを室内光を遮蔽可能なカセッテに収納し、これに10mRのX線を照射した。次いで、パネルをカセッテから取り出した後、パネルをLDレーザ光(波長:650nm)で励起し、パネルから放出された輝尽発光光をフォトマルチプライヤで検出し、その発光量を求めた。実施例毎に発光量のばらつきを求め、再現性を以下の基準にて評価した。
AA:極めて良好、 A:良好、 B:やや不良、
C:不良であって実用上問題がある
得られた結果をまとめて表1に示す。
[表1]
表1
────────────────────────────────────
支持体上の母体化合物層 剥離度 柱状性 再現性
厚み(nm) 被覆率(%) (%)
────────────────────────────────────
実施例1 80 96 3 AA A
実施例2 250 98 2 AA AA
実施例3 800 99 2 AA AA
実施例4 2400 100 1 AA AA
実施例5 24000 100 1 AA AA
実施例6 48000 100 1 AA AA
────────────────────────────────────
比較例1 0 0 25 AA B
比較例2 〜0 〜0 40 C C
比較例3 35 84 10 A A
比較例4 0 0 23 A B
────────────────────────────────────
表1の結果から明らかなように、支持体表面を蛍光体母体化合物(CsBr)で被覆した本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜6)はいずれも、剥離度が非常に低く、蛍光体層と支持体との接着性が極めて良好(剥離度が低い)であった。また、蛍光体層の柱状性および感度の再現性も良好であった。
それに対して、支持体表面を被覆しなかった従来の放射線像変換パネル(比較例1、4)は両方とも、剥離度が高くて支持体との接着性が悪く、そして柱状性および再現性も不充分であった。また、被覆率が84%であった比較のための放射線像変換パネル(比較例3)も、支持体との接着性が充分とは言えなかった。EuBrxを1秒先行させた比較のための放射線像変換パネル(比較例2)は、支持体との接着性が却って悪化し、このことから付活剤Euの存在が接着性に悪影響を与えることが分かる。
本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を示す概略部分断面図である。

Claims (11)

  1. 支持体、該支持体の表面を95%以上の被覆率で被覆している蓄積性蛍光体母体化合物層、そして該蓄積性蛍光体母体化合物層の上に形成された蓄積性蛍光体柱状結晶の集合体からなる蛍光体層を含む放射線像変換パネル。
  2. 蓄積性蛍光体層が気相堆積法により形成された層である請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 蓄積性蛍光体母体化合物層が気相堆積法により形成された層である請求項1もしくは2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 蓄積性蛍光体母体化合物層が、蓄積性蛍光体母体化合物粒子が支持体表面に沿って結合した状態で形成されている請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  5. 蓄積性蛍光体母体化合物層が、50nm乃至100μmの範囲の厚みを持つ請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  6. 蓄積性蛍光体が、基本組成式(I):

    IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)

    [ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
    を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である請求項5に記載の放射線像変換パネル。
  7. 蓄積性蛍光体蛍光体が、ユーロピウム付活臭化セシウムであって、蓄積性蛍光体母体化合物が臭化セシウムである請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  8. 支持体表面に、該支持体の表面を95%以上の被覆率で被覆する蓄積性蛍光体母体化合物層を気相堆積法により形成する工程、そして該蓄積性蛍光体母体化合物層の上に蓄積性蛍光体柱状結晶の集合体から構成されている蓄積性蛍光体層を気相堆積法により形成する工程からなる請求項1に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  9. 蓄積性蛍光体母体化合物層の気相堆積法による形成工程と蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を連続的に行なう請求項8に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  10. 蓄積性蛍光体層が、蛍光体母体化合物と付活剤とを含む蓄積性蛍光体からなる層であって、蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を、蓄積性蛍光体母体化合物を含む蒸発源と付活剤を含む蒸発源とを同時に蒸発させて支持体上に堆積させる方法によって行なう請求項8乃至9のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  11. 蓄積性蛍光体層の気相堆積法による形成工程を、不活性ガスの存在下で、0.3〜3Paの圧力にて行なう請求項8乃至10のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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