JP2005148014A - 放射線像変換パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 高画質の放射線画像を与え、かつ防湿性に優れた放射線像変換パネルを提供する。
【解決手段】 支持体、蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層および保護層をこの順に有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の該蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下であり、かつ透湿度が1g/m2/24時間以下(40℃)である放射線像変換パネル。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持体、蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層および保護層をこの順に有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の該蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下であり、かつ透湿度が1g/m2/24時間以下(40℃)である放射線像変換パネル。
【選択図】 図1
Description
本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル、および該パネルから放射線画像情報を読み取る方法に関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に供されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層とからなる。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。
また、上記放射線画像記録再生方法の別法として特許文献1には、従来の蓄積性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能とを分離して、少なくとも蓄積性蛍光体(エネルギー蓄積用蛍光体)を含有する放射線像変換パネルと、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を含有する蛍光スクリーンとの組合せを用いる放射線画像形成方法が提案されている。この方法は、被検体を透過などした放射線をまず、該スクリーンまたはパネルの放射線吸収用蛍光体により紫外乃至可視領域の光に変換した後、その光をパネルのエネルギー蓄積用蛍光体にて放射線画像情報として蓄積記録する。次いで、このパネルに励起光を走査して発光光を放出させ、この発光光を光電的に読み取って画像信号を得るものである。このような放射線像変換パネルも、本発明に包含される。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であって、画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与え、そして耐久性に優れたものであることが望まれている。
放射線像変換パネルの保護層は一般に透明な樹脂材料からなり、励起光や発光光に対して透過性のものであるが、その厚みが薄いと得られた放射線画像上に干渉縞などの画像ムラや画像欠陥が発生しがちである。この問題を解決するために、一定のヘイズ度を有する保護層を設けたり、あるいは保護層表面に反射防止層を設けることが提案されている。特許文献2には、感度および鮮鋭度、並びに環境変動やレーザ光に対する耐久性を高めるために、透明保護層の表面に有機溶媒可溶性の反射防止膜が形成されていて、該反射防止膜の表面層がフッ素樹脂からなり、波長600〜900の範囲にある光の入射角0〜60度での表面反射率と波長300〜500の範囲にある光の入射角0〜60度での表面反射率が10%以下である放射線像変換パネルが開示されている。
また、放射線像変換パネルに用いられる蓄積性蛍光体が吸湿性で劣化しやすい場合には、耐久性、特に防湿性を高めるために、蛍光体層表面に防湿性の保護層を設けることや、保護層表面に防湿層を設けることが提案されている。特許文献3には、防湿性および耐久性を高めるために、透明保護層が、50μm以下の層厚を有し、該透明保護層を支持する透明保護層支持体上に透明無機層と有機層とを交互に少なくとも四層以上積層したものである放射線像変換パネルが開示されている。
本発明は、高画質の放射線画像を与え、かつ防湿性に優れた放射線像変換パネルを提供することにある。
本発明は、支持体、蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層および保護層をこの順に有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の該蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下であり、かつ透湿度が40℃にて、1g/m2/24時間以下であることを特徴とする放射線像変換パネルにある。
本発明によれば、放射線像変換パネルの保護層自体に反射防止機能および防湿機能を保持させることによって、従来のように別途反射防止層や防湿層を付設することなしに、鮮鋭度等の画質の優れた、ムラや欠陥のない高品質の放射線画像を得ることが可能になる。また、パネルの防湿性を高めて耐久性を増大させることができる。特に、蛍光体層がアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体など吸湿性の蛍光体だけで構成される場合に、吸湿による蛍光体の劣化を顕著に防止することができる。さらに、保護層の層厚を特に厚くすることなく(すなわち、画像のボケなどを引き起こすような厚みとすることなく)、両機能を保持させることができる。
本発明の放射線像変換パネルにおいて、保護層は蛍光体層の表面および側面に設けられていることが好ましい。また、保護層は、透明基材上に該透明基材の屈折率よりも低い屈折率を有する単一の層が設けられた構成を有することが好ましい。あるいは、保護層は、透明基材上に高屈折率層と低屈折率層が交互に少なくとも二層積層された構成を有し、そしてそのうちの少なくとも一層は低透湿度の層であることが好ましい。保護層の層厚は5乃至10μmの範囲にあることが好ましい。
高屈折率層は高屈折率の無機物質からなり、そして低屈折率層は低屈折率の無機物質からなることが好ましい。特に、高屈折率の無機物質は二酸化チタンまたはインジウム・錫複合酸化物であることが好ましく、低屈折率の無機物質は酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムであることが好ましい。
酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムからなる少なくとも一層の低屈折率層の密度は、1.9乃至4.2g/cm3の範囲にあることが好ましい。そのような低屈折率層は、0.01乃至1Paの範囲内の真空度下でスパッタリングより形成されたものであることが好ましい。あるいは、プラズマ化学蒸着法より形成されたものであることが好ましい。
蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層は、気相堆積法により形成されたものであることが好ましい。蓄積性蛍光体は、下記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体であることが好ましい。基本組成式(I)においてMIはCsであり、XはBrであり、AはEuであり、そしてzは1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値であることが好ましい。
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
以下に、本発明の放射線像変換パネルについて、添付図面を参照しながら詳細に述べる。
本発明の放射線像変換パネルの代表的な構成を図1及び図2に示す。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの構成の例を概略的に示す断面図である。図1において、放射線像変換パネル1は、支持体2、蓄積性蛍光体層3、および保護層4から構成される。蓄積性蛍光体層3は、支持体2の表面にその周縁部を残して設けられ、そして保護層4は、蓄積性蛍光体層3の表面と側面および支持体2の周縁部を覆うように設けられている。
図1は、本発明の放射線像変換パネルの構成の例を概略的に示す断面図である。図1において、放射線像変換パネル1は、支持体2、蓄積性蛍光体層3、および保護層4から構成される。蓄積性蛍光体層3は、支持体2の表面にその周縁部を残して設けられ、そして保護層4は、蓄積性蛍光体層3の表面と側面および支持体2の周縁部を覆うように設けられている。
図2は、図1の保護層4の構成の例を概略的に示す部分断面図である。図2において、保護層4は、透明基材41上に順に低屈折率層42、高屈折率層43、低屈折率層44、および高屈折率層45が積層された構成を有する。このように低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層することにより、反射防止機能を持たせることができる。また、これらの層42〜45のうちの少なくとも一層は透湿度が低い層である。これにより、防湿機能を持たせることができる。
すなわち、本発明において保護層4は、蓄積性蛍光体層3に含まれる蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下であり、そして透湿度が40℃にて、1g/m2/24時間以下(好ましくは、0.5g/m2/24時間以下、さらに好ましくは、0.1g/m2/24時間以下)である。
低屈折率層42、44は、低屈折率の無機物質からなる層であることが好ましく、低屈折率の無機物質の例としては、SiOX(但し、xは1.5〜2.0の範囲内の数値を表す)、Al2O3、MgF2、およびそれらの組合せを挙げることができる。高屈折率層43、45は、高屈折率の無機物質からなる層であることが好ましく、高屈折率の無機物質の例としては、TiO2、ITO(In・Sn複合酸化物)、CeO2、Sb2O5、SnO2、In2O3、Y2O3、La2O3、HfO2、およびZrO2を挙げることができる。
低透湿度の層は例えば、低屈折率のSiOXを用いて1.9乃至2.2g/cm3の範囲内の高密度で形成することにより達成することができる。あるいは、低屈折率のAl2O3を用いて3.8乃至4.2g/cm3の範囲内の高密度で形成することにより達成することができる。あるいはまた、SiOXとAl2O3の混合物を用いて1.9乃至4.2g/cm3の範囲内の高密度で形成することにより達成することができる。
透明基材41は、可視光(励起光および蓄積性蛍光体からの発光光)に対して透過性であればよく、透明基材に用いられる材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンサルファイド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、トリアセテート等の高分子物質を挙げることができる。これらのうちで特に好ましい材料はPETである。ただし、保護層を蛍光体層の表面にのみ設ける場合には、透明基材として、上記材料からなるフレキシブルなプラチックフィルム以外に、プラスチックボードやガラスシートも使用することができる。透明基材の厚みは、一般には1乃至500μmの範囲にあり、好ましくは3乃至100μmの範囲にある。
本発明においては保護層4が蓄積性蛍光体の発光光に対して反射防止性を有するので、実質的に発光光が保護層により反射されて広がることがなく、よって放射線画像情報を放射線像変換パネルからラインスキャン読取方法により読み取る場合などに、発光光の広がりを有効に防いで鮮鋭度の優れた画像を得ることができる。また、放射線画像上に干渉縞等の画像ムラや欠陥が生じることもない。同時に、保護層4は防湿性を有するので、蓄積性蛍光体が吸湿性であっても、特に蛍光体層が気相堆積法等により結合剤を含まないで蓄積性蛍光体のみで構成されていても、吸湿による蛍光体の劣化(発光特性の低下)を防ぐことができ、パネルの耐久性を高めることができる。
特に、図1に示したように保護層4によって蛍光体層3の表面のみならず側面も被覆されている(換言すれば、蛍光体層3が支持体2と保護層4とで密閉されている)場合は、パネルの防湿性を顕著に高めることができる。
なお、本発明の放射線像変換パネルおよび保護層は、図1及び図2に示した構成に限定されるものではなく、パネルには後述するように各種の補助層が設けられていてもよい。また、保護層は蛍光体層の表面にのみ設けられていてもよい。さらに、保護層は、透明基材上に該透明基材の屈折率よりも低い屈折率を有する単一の層が設けられた構成であってもよい。
本発明において保護層が低屈折率層と高屈折率層を有する場合に、低屈折率層と高屈折率層の積層数および各層厚は、各層を構成する無機物質の種類や組合せ、蓄積性蛍光体の種類(発光波長)に応じて決められるが、交互に少なくとも二層、好ましくは四層乃至六層で積層され、そしてその層厚は発光波長の1/4程度の厚み(約20〜200nm)である。
また、本発明において低透湿度の層は上記のSiOX層または(SiOX+Al2O3)層に限定されるものではなく、保護層を構成する複数層のうちの少なくとも一層が低透湿度を示して、保護層全体として透湿度が40℃にて、1g/m2/24時間以下、好ましくは0.5g/m2/24時間以下であればよい。
次に、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法について、蓄積性蛍光体層として気相堆積法(蒸着法)により蓄積性蛍光体の蒸着膜を形成する場合を例にとって詳細に述べる。
蒸着膜形成のための基板は、放射線像変換パネルの支持体を兼ねるものであり、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、好ましい基板は、石英ガラスシート、サファイアガラスシート;アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート;アラミドなどからなる樹脂シートである。特に好ましいのはガラス基板およびアルミニウム基板である。公知の放射線像変換パネルにおいて、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明で用いられる基板についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに、蒸着膜の柱状結晶性を高める目的で、基板の蒸着膜が形成される側の表面(基板の表面に下塗層(接着性付与層)、光反射層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小な凹凸が形成されていてもよい。
蓄積性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。
そのうちでも、基本組成式(I):
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(I)において、zは1×10-4≦z≦0.1の範囲内にあることが好ましい。MIとしては少なくともCsを含んでいることが好ましい。Xとしては少なくともBrを含んでいることが好ましい。AとしてはEu又はBiであることが好ましく、そして特に好ましくはEuである。また、基本組成式(I)には、必要に応じて、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加物として、MIX1モルに対して、0.5モル以下の量で加えてもよい。
また、基本組成式(II):
MIIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
MIIFX:zLn ‥‥(II)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
上記基本組成式(II)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(II)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
なお、基本組成式(II)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を一種もしくは二種以上を基本組成式(II)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl2O3、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としてはハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl2O3、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としてはハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
その他、上記基本組成式(II)には更に必要に応じて、Zn及びCd化合物;TiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y2O3、La2O3、In2O3、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、ThO2等の金属酸化物;Zr及びSc化合物;B化合物;As及びSi化合物;テトラフルオロホウ酸化合物;ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価又は2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
基本組成式(III):
MIIS:A,Sm ‥‥(III)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属硫化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはMg、Ca及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表す。Aは、Eu及び/又はCeを表す。
MIIS:A,Sm ‥‥(III)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属硫化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIはMg、Ca及びSrからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表す。Aは、Eu及び/又はCeを表す。
基本組成式(IV):
MIIIOX:Ce ‥‥(IV)
で代表されるセリウム付活三価金属酸化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。
MIIIOX:Ce ‥‥(IV)
で代表されるセリウム付活三価金属酸化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体も好ましい。ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。
多元蒸着(共蒸着)により蒸着膜を形成する場合には、蒸発源として、上記蓄積性蛍光体の母体成分を含むものと付活剤成分を含むものからなる少なくとも二個の蒸発源を用意する。多元蒸着は、蛍光体の母体成分と付活剤成分の融点や蒸気圧が大きく異なる場合に、その蒸発速度を各々制御して蛍光体母体中に付活剤を均一に含有させることができるので好ましい。各蒸発源は、所望とする蓄積性蛍光体の組成に応じて、蛍光体の母体成分および付活剤成分それぞれのみから構成されていてもよいし、添加物成分などとの混合物であってもよい。また、蒸発源は二個に限定されるものではなく、例えば別に添加物成分などからなる蒸発源を加えて三個以上としてもよい。
蛍光体の母体成分は、母体を構成する化合物それ自体であってもよいし、あるいは反応して母体化合物となりうる二以上の原料の混合物であってもよい。また、付活剤成分は、一般には付活剤元素を含む化合物であり、例えば付活剤元素のハロゲン化物や酸化物が用いられる。
付活剤がEuである場合に、付活剤成分のEu化合物におけるEu2+化合物のモル比はできるだけ高いことが好ましい。所望とする輝尽発光(あるいは瞬時発光であっても)はEu2+を付活剤とする蛍光体から発せられるからである。一般に、市販されているEu化合物には酸素混入のためにEu2+とEu3+が混合して含まれている場合が多いが、このような場合には、予めEu化合物にBrガス雰囲気中で溶融処理を行なって含有酸素を除去し、そして得られたEuBr2を用いることが望ましい。
蒸発源は、その含水量が0.5重量%以下であることが好ましい。蒸発源となる蛍光体母体成分や付活剤成分が、例えばEuBr、CsBrのように吸湿性である場合には特に、含水量をこのような低い値に抑えることは突沸防止などの点から重要である。蒸発源の脱水は、上記の各蛍光体成分を減圧下で100〜300℃の温度範囲で加熱処理することにより行うことが好ましい。あるいは、各蛍光体成分を窒素ガス雰囲気などの水分を含まない雰囲気中で、該成分の融点以上の温度で数十分乃至数時間加熱溶融してもよい。
さらに、本発明において、蒸発源、特に蛍光体母体成分を含む蒸発源は、アルカリ金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ金属)の含有量が10ppm以下であり、そしてアルカリ土類金属不純物(蛍光体の構成元素以外アルカリ土類金属)の含有量が5ppm(重量)以下であることが望ましい。とりわけ、蛍光体が前記基本組成式(I)を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である場合には望ましい。このような蒸発源は、アルカリ金属やアルカリ土類金属など不純物の含有量の少ない原料を使用することにより調製することができる。
上記複数の蒸発源および基板を蒸着装置内に配置し、装置内を排気して0.1〜10Pa程度の中真空度とする。好ましくは0.1〜4Paの真空度にする。更に好ましくは、装置内を排気して1×10-5〜1×10-2Pa程度の高真空度とした後、Arガス、Neガス、N2ガスなどの不活性ガスを導入して上記中真空度にする。これにより、装置内の水分圧や酸素分圧等を下げることができる。排気装置としては、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディフュージョンポンプ、メカニカルブースタ等を適宜組み合わせて用いることができる。
次に、抵抗加熱方式により蒸着を行う。抵抗加熱方式は、中程度の真空度で蒸着を行うことができ、柱状結晶の良好な蒸着膜を容易に得られる利点がある。各抵抗加熱器に電流を流して蒸発源を加熱する。蒸発源である蓄積性蛍光体の母体成分や付活剤成分等は加熱されて蒸発、飛散し、そして反応を生じて蛍光体を形成するとともに基板表面に堆積する。このとき、基板のサイズ等によっても異なるが、各蒸発源と基板との距離は一般に10乃至1000mmの範囲にあり、各蒸発源間の距離は一般に10乃至1000mmの範囲にある。また、基板を加熱してもよいし、あるいは冷却してもよい。基板温度は、一般には20乃至350℃の範囲にある。各蒸発源の蒸着速度は、加熱器の抵抗電流などを調整することにより制御することができる。蛍光体の堆積する速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1乃至1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1乃至100μm/分の範囲にある。
なお、抵抗加熱器による加熱を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。また、蒸着終了後に蒸着膜を熱処理(アニール処理)してもよい。熱処理は、一般には100℃乃至300℃の温度で0.5乃至3時間かけて行い、好ましくは150℃乃至250℃の温度で0.5乃至2時間かけて行う。熱処理雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、もしくは少量の酸素ガス又は水素ガスを含む不活性ガス雰囲気が用いられる。
上記蛍光体からなる蒸着膜を形成するに先立って、蛍光体母体化合物のみからなる蒸着膜を形成してもよい。この母体化合物の蒸着膜は、一般に柱状結晶構造または球状結晶の凝集体からなり、この上に形成される蛍光体蒸着膜の柱状結晶性をより一層良好にすることができる。なお、蒸着時の基板加熱および/または蒸着後の熱処理によっては、蛍光体蒸着膜中の付活剤など添加物が母体化合物蒸着膜中に拡散するために両者の境界は必ずしも明確ではない。
一元蒸着の場合には、蒸発源として蛍光体自体または蛍光体原料混合物を用いてこれを単一の抵抗加熱器で加熱する。蒸発源は予め、所望の濃度の付活剤を含有するように調製する。もしくは、蛍光体母体成分と付活剤成分との蒸気圧差を考慮して、蒸発源に蛍光体の母体成分を補給しながら蒸着を行うことも可能である。
このようにして、蓄積性蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。蛍光体層は、結合剤を含有せず、蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は50μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
なお、基板は必ずしも放射線像変換パネルの支持体を兼ねる必要はなく、蛍光体層形成後、蛍光体層を基板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用いるなどして接合して、支持体上に蛍光体層を設ける方法を利用してもよい。
本発明に用いられる気相堆積法は、上記の抵抗加熱方式による蒸着法に限定されるものではなく、電子線照射方式による蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着(CVD)法など公知の各種の方法を利用することができる。
あるいは、蓄積性蛍光体層は、塗布法、焼結法などその他公知の各種の方法により形成してもよい。例えば塗布法による場合には、粒子状の蓄積性蛍光体を結合剤と共に適当な有機溶剤に分散溶解して、塗布液を調製する。塗布液中の結合剤と蛍光体との比率は通常、1:1乃至1:100(重量比)の範囲にあり、好ましくは1:8乃至1:40(重量比)の範囲にある。蓄積性蛍光体粒子を分散支持する結合剤については様々な種類の樹脂材料が知られており、本発明に係る蛍光体層の形成においても、それらの公知の結合剤樹脂を中心とした任意の樹脂材料から適宜選択して用いることができる。また、塗布液調製用の有機溶剤についても公知の有機溶剤の中から適宜選択して用いることができる。なお、塗布液には更に、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されていてもよい。
この塗布液を次に、支持体表面にドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなど通常の塗布手段を用いて、均一に塗布して塗膜を形成する。この塗膜を乾燥して、支持体上への蓄積性蛍光体層の形成を完了する。蓄積性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによっても異なるが、通常は20μm乃至1mmの範囲にあり、好ましくは50乃至500μmの範囲にある。蛍光体層は、必ずしも一層である必要はなく、二層以上で構成されていてもよく、その場合に各層で蛍光体の種類や粒子径、結合剤と蛍光体との混合比を任意に変えることができる。
蓄積性蛍光体層の表面には、放射線像変換パネルの搬送および取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、保護層が設けられる。本発明において保護層は、前述したように上記蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下を示し、そして透湿度が1g/m2/24時間以下(40℃)を示して、反射防止層および防湿層としても機能する。保護層は、励起光の入射や発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から放射線像変換パネルを充分に保護することができるように、化学的に安定でかつ高い物理的強度を持つことが望ましい。
保護層は、例えば、前述した材料からなる透明基材の表面に、スパッタリング法、CVD法、物理蒸着(PVD)法などにより、高屈折率の無機物質からなる層と低屈折率の無機物質からなる層を交互に複数層積層して保護層用シートを形成した後、このシートを蓄積性蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着することにより設けることができる。高屈折率の無機物質としては、TiO2、ITO(In・Sn複合酸化物)、CeO2、Sb2O5、SnO2、In2O3、Y2O3、La2O3、HfO2、およびZrO2を挙げることができ、特に好ましくはTiO2およびITOである。低屈折率の無機物質としては、SiOX(但し、xは1.5〜2.0の範囲内の数値を表す)、Al2O3、MgF2、およびそれらの組合せを挙げることができる。低透湿度の点から特に好ましいのはSiOX、およびSiOXとAl2O3の混合物である。これらの物質からなる層を1.9乃至4.2g/cm3の範囲内の高密度で形成することにより、低透湿度とすることができる。このような高密度の層は、真空度(不活性ガス雰囲気下、ガス圧)を0.01乃至1Paの範囲内にして、上記物質をスパッタリングすることにより形成することができる。または、プラズマCVD法を用いることにより形成することができる。あるいは、単層構成の場合には、透明基材の屈折率よりも低い屈折率の物質(例えば、上記の低屈折率、または場合によっては高屈折率の無機物質)を用いて同様にして形成することができる。このようにして形成された保護層の全層厚は、一般に約1乃至500μmの範囲にあり、画像のボケ防止など光学特性の点から好ましくは5乃至10μmの範囲にある。
上述のようにして本発明の放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。例えば、画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、上記の少なくともいずれかの層を励起光を吸収し発光光は吸収しないような着色剤によって着色してもよい。
[実施例1]
(1)蛍光体層の形成
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBr2)粉末を用意した。各粉末中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBr2中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの粉末は、吸湿性が高いので露点−20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
(1)蛍光体層の形成
蒸発源として、純度4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度3N以上の臭化ユーロピウム(EuBr2)粉末を用意した。各粉末中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li、Na、K、Rb)は各々10ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)など他の元素は2ppm以下であった。また、EuBr2中のEu以外の希土類元素は各々20ppm以下であり、他の元素は10ppm以下であった。これらの粉末は、吸湿性が高いので露点−20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
支持体として、順にアルカリ洗浄、純水洗浄、およびIPA(イソプロピルアルコール)洗浄を施した石英ガラス基板を用意し、蒸着装置内の基板ホルダーに設置した。上記CsBr蒸発源およびEuBr2蒸発源を装置内の坩堝容器に充填した後、装置内を排気して1×10-3Paの真空度とした。このとき、真空排気装置としてロータリーポンプ、メカニカルブースターおよびターボ分子ポンプの組合せを用いた。その後、装置内にArガス(純度5N)を導入して、Arガス圧を0.8Paにした。基板の蒸着とは反対側に位置したシーズヒータで、基板を100℃に加熱した。蒸発源それぞれを抵抗加熱器で加熱して、基板の表面にCsBr:Eu輝尽性蛍光体を5μm/分の速度で堆積させた。その際、加熱器の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体におけるEu/Csモル濃度比が0.01/1となるように制御した。CsBrの蒸着開始とEuBr2の蒸着開始は、坩堝のシャッタの開閉によって制御した。終了後、装置内を大気圧に戻し、装置から基板を取り出した。基板上には、蛍光体の柱状結晶がほぼ垂直方向に密に林立した構造の蓄積性蛍光体層(層厚:200μm、面積10cm×10cm)が形成されていた。
(2)保護層の形成
透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(透明基材、厚み:6μm)の表面に、スパッタリングによりSiOX(x≒1.5〜2.0)層を100nmの厚みで形成した。スパッタリングは、Arガス雰囲気中でガス圧0.03Paで行った。この層上に、蒸着によりTiO2層を25nmの厚みで形成した。次いで、スパッタリングによりSiOX層を150nmの厚みで形成した。さらに、蒸着によりTiO2層を80nmの厚みで形成して、保護層用シートを作製した。この保護層用シートを接着剤を用いて、PETフィルムが上記蓄積性蛍光体層に接するような位置関係にて、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着した。
このようにして、支持体、蓄積性蛍光体層および保護層からなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1及び図2参照)。
透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(透明基材、厚み:6μm)の表面に、スパッタリングによりSiOX(x≒1.5〜2.0)層を100nmの厚みで形成した。スパッタリングは、Arガス雰囲気中でガス圧0.03Paで行った。この層上に、蒸着によりTiO2層を25nmの厚みで形成した。次いで、スパッタリングによりSiOX層を150nmの厚みで形成した。さらに、蒸着によりTiO2層を80nmの厚みで形成して、保護層用シートを作製した。この保護層用シートを接着剤を用いて、PETフィルムが上記蓄積性蛍光体層に接するような位置関係にて、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着した。
このようにして、支持体、蓄積性蛍光体層および保護層からなる本発明の放射線像変換パネルを製造した(図1及び図2参照)。
[実施例2]
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートを減圧封止(シートの端部に予め減圧用孔を設け、シートを蛍光体層に接着したのち減圧用孔より減圧し、次いで減圧孔に栓をして封止する)により、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートを減圧封止(シートの端部に予め減圧用孔を設け、シートを蛍光体層に接着したのち減圧用孔より減圧し、次いで減圧孔に栓をして封止する)により、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[実施例3]
実施例1の(2)保護層の形成において、以下のようにして保護層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
透明PETフィルム表面に、スパッタリングにより順にITO層(厚み:25nm)、SiO2層(厚み:25nm)、およびITO層(厚み:85nm)を形成した。次いで、プラズマCVDによりシリカ(SiO2)層を95nmの厚みで形成して、保護層用シートを作製した。この保護層用シートを接着剤を用いて、PETフィルムが上記蓄積性蛍光体層に接するような位置関係にて、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着した。
実施例1の(2)保護層の形成において、以下のようにして保護層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
透明PETフィルム表面に、スパッタリングにより順にITO層(厚み:25nm)、SiO2層(厚み:25nm)、およびITO層(厚み:85nm)を形成した。次いで、プラズマCVDによりシリカ(SiO2)層を95nmの厚みで形成して、保護層用シートを作製した。この保護層用シートを接着剤を用いて、PETフィルムが上記蓄積性蛍光体層に接するような位置関係にて、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着した。
[実施例4]
実施例3の(2)保護層の形成において、保護層用シートを減圧封止(シートの端部に予め減圧用孔を設け、シートを蛍光体層に接着したのち減圧用孔より減圧し、次いで減圧孔に栓をして封止する)により、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
実施例3の(2)保護層の形成において、保護層用シートを減圧封止(シートの端部に予め減圧用孔を設け、シートを蛍光体層に接着したのち減圧用孔より減圧し、次いで減圧孔に栓をして封止する)により、蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の放射線像変換パネルを製造した。
[比較例1]
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートの代わりに透明PETフィルム(厚み:6μm)を接着剤を用いて蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートの代わりに透明PETフィルム(厚み:6μm)を接着剤を用いて蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[比較例2]
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートの代わりにヘイズ層(ヘイズ度:45%、厚み:5μm、材料:有機フィラー含有フッ素系共重合体樹脂)が付設された透明PETフィルム(厚み:6μm)を、接着剤を用いて蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
実施例1の(2)保護層の形成において、保護層用シートの代わりにヘイズ層(ヘイズ度:45%、厚み:5μm、材料:有機フィラー含有フッ素系共重合体樹脂)が付設された透明PETフィルム(厚み:6μm)を、接着剤を用いて蓄積性蛍光体層の表面および側面に接着したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
[保護層の性能評価]
各実施例で作製した保護層用シートについて、以下のようにして光反射率および透湿度の測定を行った。また、比較のために、透明PETフィルム(厚み:12μm)についても同様の測定を行った。
(1)光反射率: 波長440nm(CsBr:0.01Eu蛍光体の輝尽発光波長)の光に対する保護層用シートの光反射率の最大値を、分光光度計を用いて測定した。
(2)透湿度: 保護層用シートでCaCl2を封止した。これを40℃、90%RHの環境下で2週間放置した後、CaCl2の吸湿量を測定して保護層用シートの透湿度を算出した。
得られた結果をまとめて表1に示す。
(2)透湿度: 保護層用シートでCaCl2を封止した。これを40℃、90%RHの環境下で2週間放置した後、CaCl2の吸湿量を測定して保護層用シートの透湿度を算出した。
得られた結果をまとめて表1に示す。
表 1
───────────────────────────
実施例 光反射率(%) 透湿度(g/m2/24hrs)
───────────────────────────
実施例1、2 1 0.05
実施例3、4 1 0.1
───────────────────────────
透明PETフィルム 6 30
───────────────────────────
───────────────────────────
実施例 光反射率(%) 透湿度(g/m2/24hrs)
───────────────────────────
実施例1、2 1 0.05
実施例3、4 1 0.1
───────────────────────────
透明PETフィルム 6 30
───────────────────────────
表1に示した結果から、本発明に係る保護層(保護層用シート、実施例1〜4)はいずれも、光反射率が3%以下で透湿度が0.1g/m2/24時間以下であり、良好な反射防止性および防湿性を有することが分かる。一方、従来より公知の保護層(透明PETフィルム)は、光反射率が高く、透湿度も大きくて、反射防止性も防湿性も不充分であることが明らかである。
[放射線像変換パネルの性能評価]
得られた各放射線像変換パネルについて、以下のようにして鮮鋭度、画像品質および防湿性の評価を行った。
(1)鮮鋭度
放射線像変換パネルにCTFチャートを介してX線を照射した後、パネルをライン状の発光ダイオードレーザ(波長:650nm)で励起して、パネルから放出される輝尽発光光をCCDラインセンサで受光して電気信号に変換し、フィルム上に画像として再生した。得られた画像の変調伝達関数(MTF)により空間周波数2サイクル/mmの鮮鋭度を、比較例1を0として以下の基準にて評価した。
+2:非常に優れている、 +1:優れている、 −1:劣る、
−2:非常に劣る
放射線像変換パネルにCTFチャートを介してX線を照射した後、パネルをライン状の発光ダイオードレーザ(波長:650nm)で励起して、パネルから放出される輝尽発光光をCCDラインセンサで受光して電気信号に変換し、フィルム上に画像として再生した。得られた画像の変調伝達関数(MTF)により空間周波数2サイクル/mmの鮮鋭度を、比較例1を0として以下の基準にて評価した。
+2:非常に優れている、 +1:優れている、 −1:劣る、
−2:非常に劣る
(2)画像品質
放射線像変換パネルにX線を照射した後、上記と同様にしてフィルム上に画像として再生した。得られた画像を目視により観察し、画像の品質を以下の基準にて評価した。
A:ムラ・欠陥が無い、
B:ムラ・欠陥は若干あるが、画像診断上特に問題とはならない、
C:ムラ・欠陥があり、画像診断上問題となる
放射線像変換パネルにX線を照射した後、上記と同様にしてフィルム上に画像として再生した。得られた画像を目視により観察し、画像の品質を以下の基準にて評価した。
A:ムラ・欠陥が無い、
B:ムラ・欠陥は若干あるが、画像診断上特に問題とはならない、
C:ムラ・欠陥があり、画像診断上問題となる
(3)防湿性(耐久性)
上記と同様にして、放射線像変換パネルからの輝尽発光量を測定した。次に、このパネルを30℃、80%RHの環境下に1ヶ月間放置した後、同様にして輝尽発光量を測定した。上記環境下での放置前後の発光量の変化を求め、以下の基準にて評価した。
A:5%未満の発光量低下、 B:5%以上10%未満の発光量低下、
C:10%以上の発光量低下
得られた結果をまとめて表2に示す。
上記と同様にして、放射線像変換パネルからの輝尽発光量を測定した。次に、このパネルを30℃、80%RHの環境下に1ヶ月間放置した後、同様にして輝尽発光量を測定した。上記環境下での放置前後の発光量の変化を求め、以下の基準にて評価した。
A:5%未満の発光量低下、 B:5%以上10%未満の発光量低下、
C:10%以上の発光量低下
得られた結果をまとめて表2に示す。
表 2
──────────────────────────
実施例 鮮鋭度 画像品質 防湿性
──────────────────────────
実施例1 +2 A A
実施例2 +2 A A
実施例3 +2 A B
実施例4 +2 A B
──────────────────────────
比較例1 0 C C
比較例2 +1 B C
──────────────────────────
──────────────────────────
実施例 鮮鋭度 画像品質 防湿性
──────────────────────────
実施例1 +2 A A
実施例2 +2 A A
実施例3 +2 A B
実施例4 +2 A B
──────────────────────────
比較例1 0 C C
比較例2 +1 B C
──────────────────────────
表2に示した結果から、一定の光反射率と透湿度を有する保護層が設けられた本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜4)はいずれも、従来の保護層が設けられた放射線像変換パネル(比較例1)に比べて、鮮鋭度の優れた、ムラや欠陥の無い高品質の画像を与え、そして防湿性も良好であることが明らかである。一方、ヘイズ層を有する保護層が設けられた比較のための放射線像変換パネル(比較例2)は、鮮鋭度や画像品質は多少向上したものの、防湿性は不充分であった。
1 放射線像変換パネル
2 支持体
3 蓄積性蛍光体層
4 保護層
41 透明基材
42、44 低屈折率層
43、45 高屈折率層
2 支持体
3 蓄積性蛍光体層
4 保護層
41 透明基材
42、44 低屈折率層
43、45 高屈折率層
Claims (14)
- 支持体、蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層および保護層をこの順に有する放射線像変換パネルにおいて、該保護層の該蓄積性蛍光体の発光波長における光反射率が3%以下であり、かつ透湿度が40℃において1g/m2/24時間以下であることを特徴とする放射線像変換パネル。
- 保護層が、蛍光体層の表面および側面に設けられている請求項1に記載の放射線像変換パネル。
- 保護層が、透明基材上に該透明基材の屈折率よりも低い屈折率を有する単一の層が設けられた構成を有する請求項1または2に記載の放射線像変換パネル。
- 保護層が、透明基材上に高屈折率層と低屈折率層が交互に少なくとも二層積層された構成を有し、そしてそのうちの少なくとも一層が低透湿度の層である請求項1または2に記載の放射線像変換パネル。
- 高屈折率層が高屈折率の無機物質からなり、そして低屈折率層が低屈折率の無機物質からなる請求項4に記載の放射線像変換パネル。
- 高屈折率の無機物質が二酸化チタンまたはインジウム・錫複合酸化物である請求項5に記載の放射線像変換パネル。
- 低屈折率の無機物質が、酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムである請求項5に記載の放射線像変換パネル。
- 酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムからなる少なくとも一層の低屈折率層の密度が、1.9乃至4.2g/cm3の範囲にある請求項7に記載の放射線像変換パネル。
- 酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムからなる少なくとも一層の低屈折率層が、0.01乃至1Paの範囲内の真空度下でのスパッタリングより形成されたものである請求項8に記載の放射線像変換パネル。
- 酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムからなる少なくとも一層の低屈折率層が、プラズマ化学蒸着法より形成されたものである請求項8に記載の放射線像変換パネル。
- 保護層の層厚が5乃至10μmの範囲にある請求項1乃至10のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 蓄積性蛍光体を含有する蛍光体層が気相堆積法により形成されたものである請求項1乃至11のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
- 蓄積性蛍光体が、基本組成式(I):
MIX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)
[ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し;MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し;MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し;X、X’及びX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表し;AはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Cu、Ag、Tl及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表し;そしてa、b及びzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す]
を有するアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体である請求項12に記載の放射線像変換パネル。 - 基本組成式(I)
において、MIがCsであり、XがBrであり、AがEuであり、そしてzが1×10-4≦z≦0.1の範囲内の数値である請求項13に記載の放射線像変換パネル。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007034661A1 (ja) * | 2005-09-20 | 2007-03-29 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | 放射線像変換パネル及びその製造方法 |
JP2016109638A (ja) * | 2014-12-10 | 2016-06-20 | キヤノン株式会社 | 放射線検出装置、及び放射線検出シート |
-
2003
- 2003-11-19 JP JP2003389637A patent/JP2005148014A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007034661A1 (ja) * | 2005-09-20 | 2007-03-29 | Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. | 放射線像変換パネル及びその製造方法 |
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