JP2007315866A - 放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】気相堆積法による蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、蛍光体層の密着性が良好な放射線画像変換パネルを提供する。
【解決手段】蛍光体層14が、球状結晶層24と、その上の複数の球状結晶が融着した塊からなるドメイン層26と、その上の柱状結晶層28とを有する。ドメイン層26は、複数の球状結晶が厚さ方向のみならず面方向にも融着してなる塊が凝集している。小さな歪力は球状結晶層24で緩和し、剪断力のような大きい歪力はドメイン層26で緩和する。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空蒸着等の気相堆積法によって形成された輝尽性蛍光体層などの蛍光体層を有し、かつ、この蛍光体層の密着性が良好な放射線画像変換パネル、および、この放射線画像変換パネルの製造方法に関する。
放射線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光の照射を受けると、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽発光を示す蛍光体が知られている。この蛍光体は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途に利用されている。
一例として、この輝尽性蛍光体の膜(輝尽性蛍光体層 以下、蛍光体層とする)を有する放射線画像変換パネル(以下、変換パネルとする(輝尽性蛍光体パネル(シート)とも呼ばれている))を利用する、放射線画像情報記録再生システムが知られており、例えば、富士写真フイルム社製のFCR(Fuji Computed Radiography)等として実用化されている。
このシステムでは、人体などの被写体を介してX線等を照射することにより、変換パネル(蛍光体層)に被写体の放射線画像情報を記録する。記録後に、変換パネルを励起光で2次元的に走査して輝尽発光を生ぜしめ、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて再生した画像を、CRTなどの表示装置や、写真感光材料などの記録材料等に、被写体の放射線画像として出力する。
変換パネルは、通常、輝尽性蛍光体の粉末をバインダ等を含む溶媒に分散してなる塗料を調製して、この塗料をガラスや樹脂製のパネル状の支持体(基板)に塗布し、乾燥することによって、作製される。
これに対し、特許文献1や特許文献2に示されるように、真空蒸着やスパッタリング等の気相堆積法(真空成膜法)によって、基板に蛍光体層を形成してなる変換パネルも知られている。気相堆積法による蛍光体層は、真空中で形成されるので不純物が少なく、また、輝尽性蛍光体以外のバインダなどの成分が殆ど含まれないので、性能のバラツキが少なく、しかも発光効率が非常に良好であるという、優れた特性を有している。
また、気相堆積法による蛍光体層の形成では、変換パネルの特性を向上するために、様々な工夫が行なわれている。
例えば、特許文献1には、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を有する変換パネルにおいて、基板と蛍光体層との間に、輝尽性蛍光体の付活剤を含まない母体層を有することにより、蛍光体層の密着性を向上すると共に、蛍光体層を好適な柱状構造として、鮮鋭性や粒状性等の良好な放射線画像が得られる変換パネルが開示されている。
また、特許文献2には、同じく輝尽性蛍光体からなる蛍光体層を有する変換パネルにおいて、基板表面の95%以上の被覆率で輝尽性蛍光体の付活剤を含まない母体層で被覆し、その上に、輝尽性蛍光体の柱状結晶層を形成することにより、基板と蛍光体層との密着性に優れ、さらに、輝尽性蛍光体の柱状性も良好な変換パネルが開示されている。
さらに、特許文献3には、蛍光体層を、球状結晶層構造からなる下層と、柱状結晶構造からなる上層とから構成することにより、基板と蛍光体層との密着性を向上させると共に、球状結晶構造の下層が有する光反射特性、および同下層を有することによる上層の柱状性の向上により、感度を顕著に向上した変換パネルが開示されている。
特開2003−50298号公報 特開2004−170406号公報 特開2005−69991号公報
上記各特許文献に開示される変換パネルによれば、蛍光体層の密着性が良好で、かつ、鮮鋭性や粒状性、感度等に優れた変換パネルを得ることができる。
しかしながら、変換パネルに要求される特性、特に基板と蛍光体層との密着性に対する要求は、近年、より厳しくなっており、上記各変換パネルであっても、十分な基板と蛍光体層との密着性が得られない場合も有る。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、気相堆積法によって形成された蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、基板と蛍光体層との密着性が非常に高い放射線画像変換パネル、および、この放射線画像変換パネルの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の放射線画像変換パネルは、相堆積法によって形成される蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、前記蛍光体層が、球状結晶からなる球状結晶層と、前記球状結晶層の上に形成される、複数の前記球状結晶が融着した状態の塊からなるドメイン層と、前記ドメイン層の上に形成される、柱状結晶からなる柱状結晶層とを有することを特徴とする放射線画像変換パネルを提供する。
このような本発明の放射線画像変換パネルにおいて、前記球状結晶層の厚さが5〜100μm、前記ドメイン層の厚さが5〜50μmであるのが好ましく、また、前記ドメイン層は、主に、基板面方向に切断した最大面積が5μm2以上の前記塊から形成されるのが好ましい。
また、本発明の放射線画像変換パネルの製造方法は、気相堆積法による蛍光体層を有する放射線画像変換パネルを製造するに際し、前記気相堆積法による蛍光体層の形成において、前記蛍光体層を形成する基板の温度が30℃/分〜40℃/分の割合で上昇する方向の温度勾配を有するように前記蛍光体層の形成を行なう工程を含むことを特徴する放射線画像変換パネルの製造方法を提供する。
上記構成を有する本発明によれば、輝尽性蛍光体層は、球状結晶層と柱状結晶層との間に、球状結晶が融着した状態のドメイン層を有し、このドメイン層が好適に応力緩和層をとして作用するので、球状結晶層のみしか有さない従来の放射線画像変換パネルに比して、より高い基板と蛍光体層との密着性を得ることができる。
以下、本発明の放射線画像変換パネル、および、この放射線画像変換パネルの製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
図1に、本発明の放射線画像変換パネルの一例の概念図を示す。
本発明の放射線画像変換パネル10(以下、変換パネル10とする)は、基板12と、蛍光体層14と、蛍光体層14(後述する柱状結晶層26)を全面的に覆って封止する保護層20とを有する。また、図示例においては、好ましい態様として、接着層18によって、蛍光体層14と保護層20とが接着されている。
また、蛍光体層14は、球状結晶層24と、球状結晶層24の上(基板とは逆側)に形成されるドメイン層26と、最上層の柱状結晶層28とから構成される。
なお、本発明の放射線画像変換パネルは、上記構成に限定はされず、蛍光体層14が、最下層の球状結晶層24、その上のドメイン層26、および、その上の柱状結晶層28を有するものであれば、各種の構成が利用可能である。
例えば、蛍光体層14が十分な防湿性を有するのであれば、接着層18および保護層20を有さなくてもよく、また、接着層18によって保護層20と蛍光体層14とを接着せずに、基板12(あるいは後述する枠体32)と保護層20とを接着するのみで、保護層20で蛍光体層14を覆って封止してもよい。
本発明の変換パネル10において、基板12には、特に限定はななく、公知の放射線画像変換パネルで用いられている各種のものが利用可能である。
一例として、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどから形成されるプラスチック板やプラスチックシート(フィルム); 石英ガラス、無アルカリガラス、ソーダガラス、耐熱ガラス(パイレックスTM等)などから形成されるガラス板やガラスシート; アルミニウム、鉄、銅、クロムなどの金属類から形成される金属板や金属シート; このような金属板等の表面に金属酸化物層等の被覆層を形成してなる板やシート; 等が例示される。
また、基板12は、表面に、保護層(基板12の基体を保護する保護層)、輝尽発光光の反射層あるいはさらに反射層の保護層を有してもよい。この際には、蛍光体層14(球状結晶層24)は、これらの層の上に形成される。
前述のように、本発明の変換パネル10において、蛍光体層14は、球状結晶層24、ドメイン層26、および柱状結晶層28を有する。球状結晶層14とは、蛍光体層14を形成する蛍光体の球状結晶が凝集してなる層である(図2(C)参照)。
本発明において、結晶球状結晶層24は、短径/長径の比が0.5よりも大きい結晶粒子で形成されるのが好ましい。また、球状結晶層24は、前記短径/長径の比を有する球状結晶粒子が50%以上存在する領域を含むのが好ましい。さらに、この球状結晶の平均粒径は、1〜10μmであるのが好ましい。
また、後述するが、本発明において、蛍光体層14(球状結晶層24、ドメイン層26、および柱状結晶層28)は、気相堆積法で形成(成膜)する。
ここで、球状結晶層24を形成する球状結晶は、気相堆積による結晶の成長方向に垂直な方向(すなわち、基板12の面方向)の直径と、結晶の成長方向(すなわち、蛍光体層14の厚さ方向)との直径の比が、前者/後者で0.5よりも大きく、かつ、2よりも小さいのが好ましい。
本発明の変換パネル10において、球状結晶層24の層厚には、特に限定は無いが、5〜100μmが好ましい。
球状結晶層24の厚さを、上記範囲とすることにより、蛍光体層14の密着性、変換パネル10のPSL感度等の点で好ましい。
ここで、球状結晶層24を形成する球状結晶は、基板12の面方向(以下、単に「面方向」とする)には互いに独立した状態(融着していない状態)となっているが、上層部は、蛍光体層14の厚さ方向(以下、単に、「厚さ方向」とする)には、複数が融着した状態となっていてもよい。
本発明の変換パネル10の蛍光体層14は、球状結晶層24の上に、ドメイン層26を有する。
図2(C)の模式的断面図(図1のc−c線断面図)に示すように、球状結晶層24は、基本的に、面方向には互いに独立した球状結晶が凝集した状態の層であるが、ドメイン層26は、図2(B)の模式的断面図(図1のb−b線断面図)に示すように、複数の球状結晶が厚さ方向のみならず面方向にも融着してなる塊(以下、便宜的に、この塊を「ドメイン」と称する)が凝集した状態の層である。従って、このドメイン層26の面方向の断面は、図2(B)に示すように、ドメインが島状に凝集したような状態となる。
なお、ドメイン層26において、ドメインの各球状結晶は、個々が判別できない状態で融着しているのではなく、各球状結晶の核が残った状態で、互いに融着している。
前述の特許文献3に開示されるように、真空蒸着等の気相堆積法で形成された蛍光体層(特に後述する輝尽性蛍光体からなる蛍光体層)は、良好な柱状結晶構造を有する。また、蛍光体層が球状結晶からなる層(球状結晶層)を有し、柱状結晶の層を球状結晶層の上に形成することにより、この球状結晶層が応力緩和層として作用するため、蛍光体層の密着性を向上することができる。
ここで、図1や前記特許文献3(その図1)に模式的に示される、蛍光体層の柱状結晶層は、基本的に、1つの球状結晶に対して1本の柱状結晶が成長するようにして形成される。そのため、変換パネルの用途、基板や蛍光体層の種類によっては、球状結晶層のみでは十分な応力緩和層としての作用を得られない場合がある。
これに対し、本発明の変換パネル10においては、球状結晶層24の上に、球状結晶が融着してなるドメインからなるドメイン層26を有する。このような構成を有することにより、小さな歪力を球状結晶層24で好適に緩和し、剪断力のような大きな歪力をドメイン層26で好適に緩和することができるので、さらに高い応力緩和の作用を発現することができ、より蛍光体層14の密着性を高いものにできる。
前述のように、ドメイン層26は、ドメイン(複数の球状結晶が、厚さ方向のみならず面方向にも融着した塊)が凝集して形成される。
ここで、本発明の変換パネル10においては、ドメイン層は、面方向の面積(前記島の面積)で5μm2以上の面積を有するドメインから形成されるのが好ましい。特に、ドメイン層26を形成するドメインは、前記面積が10〜500μm2であるのが、より好ましい。
また、ドメイン層は、この5μm2以上の面積を有するドメインが30%以上存在する領域を有するのが好ましい。
本発明において、ドメイン層26の層厚には、特に限定はないが、5〜50μmとするのが好ましい。
ドメイン層26の層厚を上記範囲とすることにより、蛍光体層14の密着性等の点で好ましい。
本発明の変換パネル10の蛍光体層14は、ドメイン層26の上には、柱状結晶層28を有する。柱状結晶層28は、図2(A)の模式的断面図(図1のa−a線断面図)に示すように、蛍光体の結晶が独立して柱状に成長した柱状結晶からなる層である。
また、図1に模式的に示すように、各柱状結晶は、基本的に、ドメイン層26を構成するドメインの各球状結晶核に対応して、成長する。
柱状結晶層28を形成する柱状結晶の平均柱径には、特に限定はないが、1〜10μmが好ましい。
また、柱状結晶層28の層厚にも、特に限定は無いが、100〜1500μm、特に、500〜1000μmが好ましい。
柱状結晶層28の厚さを、上記範囲とすることにより、画像鮮鋭度等の点で好ましい。
ここで、本発明の変換パネル10において、蛍光体層14が蛍光体と付活剤とを有する輝尽性蛍光体で有る場合には、蛍光体層14の全てを輝尽性蛍光体で形成してもよいが、好ましくは、下部に実質的に付活剤を含有しない母体領域を形成し、その上に付活剤を含有する輝尽性蛍光体からなる領域を形成するのが好ましい。一例として、輝尽性蛍光体が、付活剤としてEuを含有するCsBr:Euである場合には、母体領域は実質的にCsBrのみから形成され、輝尽性蛍光体からなる領域はCsBr:Euから形成される。なお、付活剤を実質的に含まないとは、付活剤が1.0×10-6ppm以下であることをいい、好ましくは全く含まないことをいう。
母体領域も、応力緩和層として作用するので、このような構成とすることにより、蛍光体層14と基板12との密着性を、より良好にすることができる。
この際において、母体領域の厚さには、特に限定は無いが、1〜350μm、特に、10〜100μmが好ましい。母体領域の厚さをこの範囲とすることにより、蛍光体層14の密着性や画質等の点で好ましい。
本発明の変換パネル10において、蛍光体層14の層厚には、特に限定は無いが、良好な輝尽発光特性が得られる等の点で、100〜1000μm、特に200〜700μmが好ましい。
本発明において、蛍光体層14となる蛍光体には、特に限定はなく、放射線画像変換パネルに用いられている公知の各種の蛍光体が、各種、利用可能である。
特に、本発明の効果が発現し易い等の点で、蛍光体と付活剤(賦活剤:activator)とを含有する輝尽性蛍光体は、好適であり、中でも特に、特開昭61−72087号公報に開示される、一般式「MIX・aMIIX’2 ・bMIII X''3 :cA」で示されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体が好適に利用される。
(上記式において、MI は、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,CuおよびNiからなる群より選択される少なくとも一種の二価の金属であり、MIIIは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,GaおよびInからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、X、X’およびX''は、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu,BiおよびMgからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦a<0.5であり、0≦b<0.5であり、0<c≦0.2である。)
その中でも、優れた輝尽発光特性を有し、かつ、本発明の効果が特に良好に得られる等の点で、MIが、少なくともCsを含み、Xが、少なくともBrを含み、さらに、Aが、EuまたはBiであるアルカリハライド系輝尽性蛍光体は好ましく、その中でも特に、一般式「CsBr:Eu」で示される輝尽性蛍光体が好ましい。
また、これ以外にも、米国特許第3,859,527号明細書、特開昭55−12142号、同55−12144号、同55−12145号、同56−116777号、同58−69281号、同58−206678号、同59−38278号、同59−75200号等の各公報に開示される各種の輝尽性蛍光体も、好適に利用可能である。
なお、本発明は、輝尽性蛍光体の蛍光体層を有する変換パネル10に限定されないのは、前述のとおりであり、例えば、沃化セシウムなどの蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を有する放射線シンチレータパネル等、蛍光体の柱状結晶からなる蛍光体層を有する各種の放射線画像変換パネルに、好適に利用可能である。
本発明の変換パネル10において、蛍光体層14は、真空蒸着、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の各種の気相堆積法(真空成膜法)で形成される。
中でも、生産性等の点で真空蒸着によって蛍光体層14を形成するのが好ましい。
また、蛍光体として輝尽性蛍光体を用いる場合には、蛍光体の成膜材料と付活剤の成膜材料とを独立して加熱/蒸発する、二元(多元)の真空蒸着により、蛍光体層14を形成するのが好ましい。
例えば、輝尽性蛍光体として前記CsBr:Euを用いる場合であれば、蛍光体の成膜材料として臭化セシウム(CsBr)を、付活剤の成膜材料として臭化ユーロピウム(EuBrx(xは、通常、2〜3であるが、2が好ましい))を用いる二元の真空蒸着を行なうのが好ましい。
また、蛍光体層14を真空蒸着で形成する際に、真空蒸着における加熱方法には、特に限定はなく、例えば、電子銃等を用いる電子線加熱、または、抵抗加熱で形成されたものでもよい。さらに、多元の真空蒸着を利用する場合には、全ての材料を同様の同じ加熱手段(例えば、電子線加熱)で加熱蒸発してもよく、あるいは、蛍光体の材料は電子線加熱で、微量である付活剤の材料は抵抗加熱で、それぞれ加熱蒸発して形成されてもよい。
また、蛍光体層114の形成条件(成膜条件)にも、特に限定はなく、用いる気相堆積法の種類、使用する成膜材料、加熱手段等に応じて、適宜、決定すればよい。
ここで、本発明の変換パネル10においては、前述した各種の輝尽性蛍光体、特にアルカリハライド系輝尽性蛍光体、中でも特に前記一般式「CsX:Eu」で示される輝尽性蛍光体、その中でも特にCsBr:Euからなる蛍光体層14を真空蒸着によって形成する場合には、一旦、系内を高い真空度に排気した後、アルゴンガスや窒素ガス等を系内に導入して、0.01〜3Pa程度の真空度(以下、便宜的に中真空とする)とし、この中真空下で抵抗加熱等によって成膜材料を加熱して真空蒸着を行うのが好ましい。
前述のように、本発明の変換パネル10は、柱状結晶層28を有するが、このような中真空下で成膜して得られる柱状結晶層28、特に、前記CsBr:Eu等のアルカリハライド系の蛍光体層は、特に良好な柱状の結晶構造を有し、輝尽発光特性や画像の鮮鋭性等の点で好ましい。
ここで、前述のような、球状結晶層24、ドメイン層26、および柱状結晶層28を有する蛍光体層14を形成するためには、蛍光体層14の形成(成膜)において、蛍光体層14を形成される基板12の温度が、30℃/分〜40℃/分の割合で上昇する方向の温度勾配を有する状態で蛍光体層14を形成する工程を含んで、蛍光体層14の形成を行なうのが好ましい。
なお、この基板12が温度勾配を有する状態で蛍光体層14を形成する工程とは、本来、形成する蛍光体層14の温度が上昇する方向の温度勾配を有するものであるが、気相堆積法による蛍光体層14の形成中は、基板12と蛍光体層14とは温度が等しいので、基板12の温度をもって蛍光体層14の温度とするものである。
本発明者の検討によれば、真空蒸着による蛍光体層の形成、特に本発明に好適な前記アルカリハライド系輝尽性蛍光体からなる蛍光体層の形成、中でも特にCsBr:Euからなる蛍光体層の形成では、成膜条件よって、蒸着当初は球状結晶が成長して球状結晶層が形成され、次いで、柱状結晶構造となる。
そのため、基板12すなわち蛍光体層14の温度が30℃/分〜40℃/分の割合で上昇する温度勾配を有する状態で蛍光体層14を形成する工程を含むようにして、蛍光体層14を形成することにより、蒸着当初の温度が低い状態では球状結晶を形成することができ、温度が上昇することにより、成長過程において球状結晶の外郭が溶融状態となってドメインとなってドメイン層が形成され、次いで、ドメインを形成する球状結晶核から、柱状結晶が成長して、柱状結晶層28を形成できると考えられる。
また、蛍光体層14の形成圧(成膜圧)を選択/設定することにより、蛍光体層14における、球状結晶層24からドメイン層26に変化するタイミング、ドメイン層26から柱状結晶層28に変化するタイミング、すなわち、各層の層厚の比、および、ドメイン層26におけるドメインの大きさを調整することができる。
なお、前記蛍光体層14の形成中に基板12に温度勾配をつける工程において、温度勾配が30℃/分未満では、球状結晶同士の融着が少なく、ドメイン層26を十分に成長させることができない。他方、この工程において、温度勾配が40℃/分を超えると、逆に、球状結晶同士の融着が進みすぎ、その結果、結晶塊が大きくなりすぎて、剥離が起こり易くなり、応力緩和層として十分な役割を果たすことができなくなる。
また、蛍光体層14の形成圧は、基板12の材料、使用する成膜材料、形成する蛍光体層等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、蛍光体層14の形成中に基板12に温度勾配を付ける方法としては、一例として、成膜開始当初は基板12の温度を室温等の低温としておいて、成膜材料の加熱/蒸発による輻射熱で基板12の温度を上昇する方法、真空蒸着装置の基板ホルダ等に基板12の加熱手段および/または冷却手段を設け、形成中の基板12の温度が、上昇する方向の温度勾配となるように、基板12を加熱/冷却する方法、等が例示される。
このようにして、基板12上に母体層および蛍光体層14を形成したら、必要に応じて、アニーリングを行なう。
また、基板12への蛍光体層14の形成に先立ち、プラズマ洗浄等によって基板12の表面を清浄化するのも好ましい。
図示例の変換パネル10は、好ましい態様として、蛍光体層14(柱状結晶層28)の表面を全面的に覆って、蛍光体層14を密閉的に封止する保護層20を有する。
気相堆積法で形成した蛍光体層、特に、前述のアルカリハライド系の輝尽性蛍光体は、吸湿性が高く、吸湿によって容易に劣化してしまう。
そのため、本発明の変換パネル10においては、蛍光体層の吸湿を防止するために、図1に示すように、防湿性(非水分透過性)を有する保護層20で、蛍光体層14を全面的に覆って、密閉して封止するのが好ましい。
保護層20は、十分な防湿性を有するものであれば、各種のものが利用可能であり、特に限定はない。
一例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、SiO2膜と、SiO2およびPVA(ポリビニルアルコール)のハイブリット層と、SiO2膜との3層を形成してなる保護層20が例示される。なお、このSiO2膜/SiO2およびPVAのハイブリット層/SiO2膜の3層を形成した保護層20において、例えば、SiO2膜は、スパッタリング法を用いて、SiO2とPVAとのハイブリット層は、PVAとSiO2の比率が1:1となるようにゾルゲル法を用いて、それぞれ形成すればよい。
これ以外にも、ガラス板(フィルム)、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等の樹脂フィルム、樹脂フィルムにSiO2、Al23、SiCなどの無機物質を堆積したフィルム等も好ましく例示される。
本発明の変換パネル10においては、蛍光体層14を保護層20で全面的に覆って、蛍光体層14の全周を囲んで接着層18によって保護層20を基板12に接着することにより、保護層20で蛍光体層14を全面的に覆って、密閉して封止すればよい。
しかしながら、基板12と保護層20のみならず、図1に示すように、柱状結晶層28の表面にも接着層18を設け、保護層20を柱状結晶層28にも接着するのが、より好ましい。このような構成とすることにより、保護層20の浮き等を防止して、より機械的強度に優れた耐久性の高い変換パネル10を得ることができる。
保護層20を接着する接着層18には、特に限定は無いく、十分な接着力を有するものが、各種、利用可能である。但し、図示例のように、柱状結晶層28の表面にも接着層18を設ける場合には、接着層18は、輝尽発光光および励起光を十分に透過する光学特性を有するものを用いる必要が有る。
また、本発明においては、図3および図4に示すように、基板12の表面に、蛍光体層14を面方向(基板12の面方向)に囲む枠体32(例えば、四角筒状の枠体)を有し、この枠体32(あるいはさらに柱状結晶層28)に保護膜20を接着して、蛍光体層14を全面的に密閉して封止してなる(放射線像)変換パネル30も好ましい。
この変換パネル30を製造する際には、まず、基板12に枠体32を固定する。ここで、図示例においては、好ましい態様として、基板12の表面に溝12aを形成し、この溝12aに枠体32を挿入して、基板12に枠体32を固定する。このような構成を有することにより、枠体32の位置制度を向上できると共に、枠体32の位置決め作業等をより容易にでき、好ましい。
なお、本発明は、これに限定はされず、溝12aを設けずに基板12に枠体32を固定してもよいのは、もちろんである。また、枠体32の固定方法も、接着剤を用いる方法、ハンダを用いる方法、溝12aを有する場合には溝12aに嵌合する方法等、基板12および枠体32の材料や形状に応じた、各種の方法が利用可能である。
次いで、マスキングを行なって、真空蒸着等の気相堆積法によって、枠体32で囲まれた領域内に、前記蛍光体層14(球状結晶層24、ドメイン層26、および柱状結晶層28)を形成する。
蛍光体層14の形成が終了したら、必要に応じてアニーリングを行なった後、枠体32の上に接着層18を形成し、枠体32および柱状結晶層28を保護層20で覆って、熱ラミネーション等によって保護層20を枠体32に接着することにより、枠体24と保護層20とで、蛍光体層14を全面的に覆って、密閉して封止して、変換パネル30とする。ここで接着層18は、枠体32上面のみに設けて、枠体32と柱状結晶層28とのみを接着してもよいが、図示例のように、柱状結晶層28の表面にも設け、柱状結晶層28と保護層20も、接着層18で接着するのが好ましいのは、先の例と同様である。
このような枠体32を設け、この枠体32に保護層20を接着することにより、保護層20による封止時に、柱状結晶層28の表面と保護層20の接着面とを略同一平面状にすることができるので、保護層20による封止を、より容易かつ両結晶層にダメージを与えることなく行なうことが可能になる。
以上、本発明の放射線画像変換パネルおよび放射線画像変換パネルの製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されないのは言うまでもない。
[実施例1]
付活剤の成膜材料として臭化ユーロピウムを、蛍光体の成膜材料として臭化セシウムを、それぞれ用いる二元の真空蒸着によって、図1に示す蛍光体層14(球状結晶層24、ドメイン層26、柱状結晶層28)を有する変換パネル10を作製した。
まず、真空蒸着装置の基板ホルダに、面積450×450mmのアルミニウム製の基板12をセットし、また、所定位置に各成膜材料をセットし、さらに、成膜領域が基板12の中央の430×430mmとなるように基板12の表面をマスキングした。ここで、基板ホルダは、加熱ヒータ(以下、基板加熱ヒータとする)、および加熱ヒータの熱を伝導する熱伝導シートを有するものであり、基板12は、裏面(蛍光体層の非形成面)を全面的に熱伝導シートに密着(押圧)して、固定される。また、真空蒸着装置内の蒸発流が基板12に至るのを妨害しない位置に、輻射熱によって基板12を表面(蒸着が行なわれる面)から加熱する加熱ヒータ(以下、輻射加熱ヒータとする)を設けた。さらに、基板ホルダには、基板12の裏面温度を計測する温度測定手段を設けた。
なお、両成膜材料共に、加熱は、タンタル製のルツボと出力6kWのDC電源とを用いる抵抗加熱装置で行った。なお、ルツボの設置位置の上部には、ルツボから蒸発した成膜材料を遮蔽するシャッタが設置されている。また、蛍光体の成膜材料を収容したルツボには、温度測定手段を設けた。
基板を基板ホルダにセットした後、真空チャンバを閉塞し、排気を開始した。排気は、ディフュージョンポンプおよびクライオコイルを用いた。なお、シャッタは閉塞状態となっている。
真空度が8×10-4Paとなった時点で、真空チャンバ内にアルゴンガスを導入して真空度を2.6Paとし、次いで、DC電源を駆動してルツボに通電して、成膜材料を溶解した。なお、臭化セシウムの溶解は670℃で行った。また、臭化ユーロピウムは、臭化ユーロピウムが溶解する温度まで電力を上げて、完全に溶解した後、臭化ユーロピウムが蒸発しない温度まで投与電力を落した。なお、臭化ユーロピウムの溶解のための投与電力は、予め行なった臭化ユーロピウムの溶融実験に応じて制御した。
成膜材料の溶解を開始して60分が経過した時点で、臭化セシウムを充填したルツボに対応するシャッタを開放して、蛍光体層14(臭化セシウム(母体領域))の蒸着を開始した(すなわち、臭化セシウムの蒸発温度は670℃)。シャッタの開放と同時に、基板加熱ヒータおよび輻射加熱ヒータによって、基板12の加熱を開始した。なお、ルツボに印加する電力は、臭化セシウムの基板12への蒸着速度が10μm/分となるように調整した。また、蒸着開始時における基板12の温度は30℃であった。前述のように、基板12の温度は、形成中の蛍光体層の温度と等しいので、蒸着開始時点の蛍光体層の温度は30℃と見なすことができる。
層厚が50μmとなった時点で、一旦、シャッタを閉塞して蒸着を中断した。同時に、基板加熱ヒータおよび輻射加熱ヒータによる加熱も停止した。なお、シャッタ閉塞時の基板12の温度は200℃であった。すなわち、この50μmの蛍光体層14の形成工程においては、34℃/分の温度勾配で基板12の温度すなわち蛍光体層14の温度が上昇している。
次いで、アルゴンガスの導入量を調整して真空チャンバ内の圧力(Arガス圧)を0.8Paとし、また、予め調べた、蛍光体層におけるEu/Csのモル濃度比が0.001:1となる電力まで、臭化ユーロピウム(そのルツボ)への投与電力を上昇した。
基板12の温度が160℃となった時点で、臭化セシウムおよび臭化ユーロピウムを充填したルツボに対応するシャッタを開放し、かつ、基板加熱ヒータを駆動して、蛍光体層14の形成を再開(輝尽性蛍光体の蒸着を開始)した。
蛍光体層14の層厚が700μmとなった時点で、DC電源を停止してルツボへの通電を停止し、蛍光体層14の形成を終了した。蛍光体層14の形成終了時の基板12の温度は240℃であった。
次いで、真空チャンバ内が大気圧なるまで乾燥した空気を導入し、大気開放状態で状態で放置して蛍光体層の冷却を行い、冷却を終了した後、基板12(変換パネル10)を基板ホルダから取り外し、真空チャンバから取り出した。
得られた変換パネル10の蛍光体層14は、球状結晶層24の層厚が10μm、球状結晶の平均結晶径が3μm、ドメイン層26の層厚が30μm、ドメインの平均径(面方向に切断した際のドメインの平均サイズ)が10μm、柱状結晶層28の層厚が660μm、柱状結晶の平均柱径が7μmのものであった。
図5(A)に、この変換パネル10の蛍光体層14のSEM写真の画像データを可視像として出力した画像を示す。
[比較例1]
一旦、シャッタを閉塞する迄の蒸着の際(すなわち、層厚50μmの臭化セシウムの成膜を行なう際)における基板12の加熱を、基板加熱ヒータのみとした以外は、前記実施例1と全く同様にして変換パネルを作製した。
この変換パネルの作製において、蛍光体層の形成(臭化セシウムの成膜)を開始した時点の基板12の温度は実施例1と同様の30℃で、蛍光体層を50μm形成して蒸着を中断した時点の基板12の温度は150℃であった。すなわち、この50μmの蛍光体層14の形成工程においては、24℃/分の温度勾配で基板12の温度すなわち蛍光体層14の温度が上昇している。
なお、蛍光体層14の形成再開(輝尽性蛍光体の成膜開始)は、基板12を基板ホルダの加熱ヒータで加熱して160℃とした後に行なった。この加熱ヒータによる加熱は、蛍光体層14の形成を再開した時点で停止した。また、蛍光体層14の形成を終了した時点の基板12の温度は、実施例1と同様の240℃であった。
得られた変換パネルの蛍光体層は、ドメイン層26が形成されておらず、球状結晶層24の層厚が30μm、球状結晶の平均結晶径が3μm、柱状結晶層28の層厚が670μm、柱状結晶の平均柱径が6μmのものであった。
図5(B)に、この変換パネルの蛍光体層のSEM写真の画像データを可視像として出力した画像を示す。
[比較例2]
基板加熱ヒータで基板12を加熱して、基板12の温度を180℃として蛍光体層の形成(臭化セシウムの成膜)を開始した以外は、前記実施例1と全く同様にして変換パネルを作製した。なお、基板12の加熱は、蛍光体層の形成を開始した時点で停止した。
この変換パネルの作製において、蛍光体層を50μm形成して蒸着を中断した時点の基板12の温度は190℃であった。すなわち、この50μmの蛍光体層14の形成工程においては、2℃/分の温度勾配で基板12の温度すなわち蛍光体層14の温度が上昇している。
蛍光体層14の形成再開(輝尽性蛍光体の成膜開始)は、基板12の温度が160℃となった時点とした。また、蛍光体層14の形成を終了した時点の基板12の温度は、実施例1と同様の240℃であった。
得られた変換パネルの蛍光体層は、球状結晶層24およびドメイン層26が形成されておらず、すなわち柱状結晶層28の層厚が700μmで、柱状結晶の平均柱径が6μmのものであった。
図5(C)に、この変換パネルの蛍光体層のSEM写真の画像データを可視像として出力した画像を示す。
このようにして得られた実施例1、比較例1および2の変換パネルについて、以下の方法で蛍光体層の密着性(膜密着)を評価した。
[膜密着]
形成した蛍光体層に剥離が認められるものを×;
蛍光体層に剥離は認められないが、蛍光体層に3cm四方の「井」の字を書いた時に剥離が発生するものを△;
蛍光体層に3cm四方の「井」の字を書いても剥離は認められないが、この「井」の字にセロハンテープを貼着して、垂直方向に引っ張った際に剥離したものを○;
以上の全てで蛍光体層が剥離しないものを◎;
と評価した。
結果を下記表に示す。また、下記表には、各蛍光体層の構成も併記する。
Figure 2007315866

なお、全ての変換シートで、蛍光体層の層厚は700μm、蛍光体層の形成における臭化セシウムの蒸着時における真空度は2.6Paである。また、全ての変換シートで、蛍光体層の形成における、輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)の蒸着時における真空度は0.8Pa、基板12(すなわち蛍光体層)の温度変化は160℃→240℃である。
上記表に示されるように、蛍光体層14が球状結晶層24に加えドメイン層26を有する本発明の変換パネル10(実施例1)は、蛍光体層14が柱状結晶層のみからなる比較例2は勿論、球状結晶層を有する比較例1よりも良好な蛍光体層の密着性を有し、すなわち、非常に基板12と蛍光体層14との密着性に優れた変換パネルであることが分かる。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
本発明の放射線画像変換パネルの一例の模式図である。 (A),(B)および(C)は、図1に示す放射線画像変換パネルを説明するための模式的な断面図である。 本発明の放射線画像変換パネルの別の例の模式図である。 図3に示す放射線画像変換パネルを概念的に示す斜視図である。 (A),(B)および(C)は、本発明の実施例で得た変換パネルの蛍光体層のSEM写真の画像データを可視像として出力した画像である。
符号の説明
10,30 (放射線画像)変換パネル
12 基板
14 蛍光体層
18 接着層
20 保護層
24 球状結晶層
26 ドメイン層
28 柱状結晶層
32 枠体

Claims (4)

  1. 気相堆積法によって形成される蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、
    前記蛍光体層が、球状結晶からなる球状結晶層と、前記球状結晶層の上に形成される、複数の前記球状結晶が融着した状態の塊からなるドメイン層と、前記ドメイン層の上に形成される、柱状結晶からなる柱状結晶層とを有することを特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 前記球状結晶層の厚さが5〜100μm、前記ドメイン層の厚さが5〜50μmである請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
  3. 前記ドメイン層は、主に、基板面方向に切断した最大面積が5μm2以上の前記塊から形成される請求項1または2に記載の放射線画像変換パネル。
  4. 気相堆積法による蛍光体層を有する放射線画像変換パネルを製造するに際し、
    前記気相堆積法による蛍光体層の形成において、前記蛍光体層を形成する基板の温度が30℃/分〜40℃/分の割合で上昇する方向の温度勾配を有するように前記蛍光体層の形成を行なう工程を含むことを特徴する放射線画像変換パネルの製造方法。
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