JPWO2010150514A1 - 反射防止物品およびディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、人や物が触れる可能性のある第1の表面が十分な耐擦傷性を有し、かつ可視光領域の全域において反射率を低く抑えることができる反射防止物品、ディスプレイ装置を提供する。本発明は、光透過性を有する反射防止物品(10)であって、視認側に位置する第1の表面(11)および前記表面とは反対側の第2の表面(13)に複数の凸部を有し、凸部間の平均間隔が、400nm以下であり、第1の表面における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)が1.3以上であり、第2の表面における、凸部の高さH2と凸部の底部の幅W2との比(H2/W2)が、H1/W1よりも大きい、反射防止物品(10)に関する。

Description

本発明は、反射防止物品およびディスプレイ装置に関する。
本願は、2009年6月23日に日本に出願された特願2009−148664号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造を表面に有する物品は、反射防止効果、ロータス効果等を発現することが知られている。特に、モスアイ構造と呼ばれる微細凹凸構造は、空気の屈折率から物品の材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
反射防止物品としては、片面または両面に微細凹凸構造を有する物品が提案されている(特許文献1、2)。
しかし、前記微細凹凸構造を構成する凸部は微小なため機械的強度が低く、反射防止物品の表面の微細凹凸構造は耐擦傷性が不十分である。そのため、前記反射防止物品をディスプレイ装置の反射防止機能付き保護フィルタ等に用いた場合、その表面に人や物が触れると、容易に微細凹凸構造は壊れ、反射防止機能が低下する。
微細凹凸構造を構成する凸部の機械的強度を高めるためには、凸部のアスペクト比(凸部の高さと凸部の底部の幅との比)を低くすればよい。
しかし、凸部のアスペクト比を低くすると、可視光領域における最大反射率と最小反射率との差が大きくなる、すなわち反射率に波長依存性が生じ、一部の波長の光の反射を十分に抑えることができない。
特開2002−267815号公報 特開2007−240954号公報
本発明は、人や物が触れる可能性のある表面が十分な耐擦傷性を有し、かつ可視光領域の全域において反射率を低く抑えることができる反射防止物品、およびディスプレイ装置を提供する。
本発明の反射防止物品は、光透過性を有する反射防止物品であって、視認側に位置する第1の表面および前記表面とは反対側の第2の表面に複数の凸部を有し、前記凸部間の平均間隔が、400nm以下であり、前記第1の表面における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)が1.3以上であり、前記第2の表面における、凸部の高さH2と凸部の底部の幅W2との比(H2/W2)が、H1/W1よりも大きいことを特徴とする。
本発明の反射防止物品は、第1の表面における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)が、2.1以下であることが好ましい。
本発明の反射防止物品は、H1/W1 + H2/W2 ≧ 3.1であることが好ましい。
本発明の反射防止物品の視感度反射率は、0.4%以下であることが好ましい。
本発明の反射防止物品の、波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差(ΔR)は、1.0%以下であることが好ましい。
本発明の反射防止物品の、波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差(ΔR)は、0.6%以下であることがより好ましい。
本発明のディスプレイ装置は、ディスプレイ本体と、前記ディスプレイ本体の画面の前方に、前記第1の表面が視認側に、かつ前記第2の表面が前記ディスプレイ本体側になるように配置された、本発明の反射防止物品とを有することを特徴とする。
本発明の反射防止物品は、人や物が触れる可能性のある表面が十分な耐擦傷性を有し、かつ可視光領域の全域において反射率を低く抑えることができる。
本発明のディスプレイ装置は、画面側の最表面が十分な耐擦傷性を有し、かつ画面側の最表面での反射率が可視光領域の全域にわたって十分に低い。
本発明の反射防止物品の一例を示す断面図である。 本発明の反射防止物品に用いる反射防止フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の反射防止物品に用いる反射防止フィルムの製造装置の一例を示す構成図である。 表面に陽極酸化アルミナを有するモールドの製造工程を示す断面図である。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、活性エネルギー線は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
<反射防止物品>
図1は、本発明の反射防止物品の一例を示す断面図である。反射防止物品10は、基材本体12と、基材本体12の表面(第1の表面11側)および裏面(第2の表面13側)に接着剤層14を介して貼着された、表面に複数の凸部(図示略)を有する反射防止フィルム16とを有する。
なお、粘着剤層14を介さず、インサート成形で基材本体12と反射防止フィルム16とを有する本発明の反射防止物品を得てもよい。
(基材本体)
基材本体12は、光透過性を有する基材である。基材本体12の材料としては、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
(接着剤層)
接着剤層14の接着剤としては、公知の透明接着剤、両面接着テープ等が挙げられる。
(反射防止フィルム)
反射防止フィルム16は、図2に示すように、フィルム本体18と、フィルム本体18の表面に形成された、複数の凸部19を有する硬化樹脂膜20とを有する。
フィルム本体18は、光透過性を有するフィルムである。フィルム本体18の材料としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエステル、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
硬化樹脂膜20は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる光透過性の膜であり、表面に複数の凸部19を有する。
前記凸部19としては、陽極酸化アルミナの表面の複数の細孔(凹部)を転写して形成されたものが好ましい。
複数の凸部19は、略円錐形状、角錐形状、円錐台形状、釣鐘形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造を形成していることが好ましい。突起間の間隔が可視光の波長以下、すなわち400nm以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
不要な回折光を除去するためには、凸間の平均間隔は200nm以下がより好ましく、150nm以下が特に好ましい。
凸部19間の平均間隔は、硬化樹脂膜20の断面を電子顕微鏡で観察し、隣接する凸部19間の間隔P(凸部19の中心から隣接する凸部19の中心までの距離)を5点測定し、これらの値を平均したものである。
表面における凸部19の高さH1は、130〜210nmが好ましく、140〜200nmがより好ましく、140〜170nmが最も好ましい。凸部19の高さH1が130nm以上であれば、反射率が十分に低くなる。表面における凸部19の高さH1が210nm以下であれば、凸部19の機械的強度が良好となる。
裏面における凸部19の高さH2は、150〜500nmが好ましく、150〜400nmがより好ましく、150〜300nmが最も好ましい。凸部19の高さH2が150nm以上であれば、反射率が十分に低く、波長依存性も低くなる。また、裏面における凸部19の高さH2は、高ければ高いほど反射率の波長依存性はより良好になるため特に限定されないが、500nm以下が製造しやすい。
H1およびH2は、硬化樹脂膜20の断面を電子顕微鏡で観察することによって測定できる。
H1およびH2は、凸部19の周囲に形成される凹部の最底部と同一平面(以下、基準面と記す。)から凸部19の最頂部までの高さとする。
本発明は、凸部19の高さHと凸部19の底部の幅Wとの比(H/W)を、反射防止物品10の表面(第1の表面11)側と裏面(第2の表面13)側とで異ならせることに特徴がある。
ここで、第1の表面11は、人や物が触れる可能性のある表面であることから、第1の表面11における、凸部19の高さH1と凸部19の底部の幅W1との比(H1/W1)は、機械的強度を高めるために、できるだけ小さくする必要がある。具体的には、H1/W1は、2.1以下であり、2.0以下が好ましく、1.7以下がより好ましい。また、H1/W1は、反射防止物品10の反射率およびその波長依存性を向上させる観点から、1.3以上が好ましく、1.4以上がより好ましい。
一方、第2の表面13は、人や物が触れる可能性の低い表面であることから、第2の表面13における、凸部19の高さH2と凸部19の底部の幅W2との比(H2/W2)は、比較的大きくできる。H2/W2はH1/W1よりも大きければよいが、H2/W2は、反射防止物品10の反射率およびその波長依存性を向上させる観点から、1.3≦H1/W1≦1.5の時はH1/W1よりも0.3以上大きいことが好ましく、0.6以上大きいことがより好ましい。また、1.5<H1/W1≦1.9の場合、H2/W2は、H1/W1よりも0.3以上大きいことが好ましい。1.9<H1/W1の場合、H2/W2は、H1/W1よりも0.1以上大きいことが好ましい。また、H2/W2は、高ければ高いほど反射率の波長依存性はより良好になるため特に限定されないが、製造しやすさから、4.0以下が好ましく、2.3以下がより好ましい。
反射防止物品10の反射率およびその波長依存性を向上させる観点から、H1/W1とH2/W2との和(H1/W1+H2/W2)は3.1以上が好ましく、3.5以上が更に好ましい。
W1およびW2は、硬化樹脂膜20の断面を電子顕微鏡で観察することによって測定できる。
W1およびW2は、前記基準面における幅とする。
硬化樹脂膜20の屈折率とフィルム本体18の屈折率との差は、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましい。屈折率差が0.2以下であれば、硬化樹脂膜20とフィルム本体18との界面における反射が抑えられる。
表面にモスアイ構造を有する場合、その表面が疎水性の材料から形成されていればロータス効果により超撥水性が得られ、その表面が親水性の材料から形成されていれば超親水性が得られることが知られている。
硬化樹脂膜20の材料が疎水性の場合のモスアイ構造の表面の水接触角は、90゜以上が好ましく、100゜以上がより好ましく、110゜以上が特に好ましい。水接触角が90゜以上であれば、水汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。また、水が付着しにくいため、着氷防止を期待できる。
硬化樹脂膜20の材料が親水性の場合のモスアイ構造の表面の水接触角は、25゜以下が好ましく、23゜以下がより好ましく、21゜以下が特に好ましい。水接触角が25゜以下であれば、表面に付着した汚れが水で洗い流され、また油汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。前記水接触角は、硬化樹脂膜20の吸水によるモスアイ構造の変形、それに伴う反射率の上昇を抑える点から、3゜以上が好ましい。
反射防止物品10の視感度反射率は、0.4%以下が好ましく、0.35%以下がより好ましく、0.30%以下が最も好ましい。
反射防止物品10の、波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差(ΔR)は、1.0%以下が好ましく、0.6%以下がより好ましい。
<反射防止物品の製造方法>
反射防止物品10は、基材本体12の両面に、凸部19のH/Wが異なる2種類の反射防止フィルム16のそれぞれを、接着剤層14を介して貼着することにより製造される。
反射防止フィルム16は、例えば、図3に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
複数の凸部19に対応した複数の凹部(図示略)を表面に有するロール状モールド22と、ロール状モールド22の表面に沿って移動する帯状のフィルム本体18との間に、タンク24から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する。
ロール状モールド22と、空気圧シリンダ26によってニップ圧が調整されたニップロール28との間で、フィルム本体18および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、フィルム本体18とロール状モールド22との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド22の凹部内に充填する。
ロール状モールド22の下方に設置された活性エネルギー線照射装置30から、フィルム本体18を通して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させることによって、ロール状モールド22の表面の複数の凹部が転写された硬化樹脂膜20を形成する。
剥離ロール32により、表面に硬化樹脂膜20が形成されたフィルム本体18を剥離することによって、反射防止フィルム16を得る。
活性エネルギー線照射装置30としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が好ましく、この場合の光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
(ロール状モールド)
ロール状モールド22は、表面に陽極酸化アルミナを有するモールドである。表面に陽極酸化アルミナを有するモールドは、継ぎ目なく大面積化が可能であり、作製が簡便である。
陽極酸化アルミナは、アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト)であり、表面に複数の細孔(凹部)を有する。
表面に陽極酸化アルミナを有するモールドは、例えば、下記(a)〜(e)工程を経て製造できる。
(a)ロール状のアルミニウムを電解液中、定電圧下で陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜を除去し、陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)ロール状のアルミニウムを電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)細孔の径を拡大させる工程。
(e)前記(c)工程と(d)工程を繰り返し行う工程。
(a)工程:
図4に示すように、アルミニウム34を陽極酸化すると、細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸等が挙げられる。
シュウ酸を電解液として用いる場合:
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、周期が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合:
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、周期が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がよりに好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
(b)工程:
図4に示すように、酸化皮膜38を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点40にすることで細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
(c)工程:
図4に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム34を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔36を有する酸化皮膜38が形成される。
陽極酸化は、(a)工程と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
(d)工程:
図4に示すように、細孔36の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
(e)工程:
図4に示すように、(c)工程の陽極酸化と、(d)工程の細孔径拡大処理を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔36を有する陽極酸化アルミナが形成され、表面に陽極酸化アルミナを有するモールド(ロール状モールド22)が得られる。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて製造された硬化樹脂膜20の反射率低減効果は不十分である。
陽極酸化アルミナの表面は、硬化樹脂膜20との分離が容易になるように、離型剤で処理されていてもよい。処理方法としては、例えば、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法、フッ素含有シランカップリング剤またはフッ素含有シリコーン系シランカップリング剤をコーティングする方法等が挙げられる。
細孔36の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円錐台形状、逆釣鐘形状等が挙げられる。
細孔36間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。細孔36間の平均間隔は、25nm以上が好ましい。
細孔36の深さは、100〜530nmが好ましく、150〜300nmがより好ましい。
図4に示すような細孔36を転写して形成された硬化樹脂膜20の表面は、いわゆるモスアイ構造となる。
なお、凸部19のH/Wが異なる2種類の反射防止フィルム16を製造するためには、表面の細孔(凹部)のアスペクト比(細孔の深さ/細孔の開口部の幅)が異なる2種類のロール状モールド22を用意すればよい。
または、同じアスペクト比のロール状モールドを使用して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度を変えて細孔への充填率を変更する方法もある。
また、ロール状モールド22の代わりに、平板状モールドを用いてもよい。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を含んでいてもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、下記式(1)の化合物が挙げられる。
11 Si(OR12 ・・・(1)。
ただし、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基を表し、x、yは、x+y=4の関係を満たす整数を表す。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、下記式(2)の化合物が挙げられる。
21O[Si(OR23)(OR24)O]22 ・・・(2)。
ただし、R21〜R24は、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは、3〜20の整数を表す。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。重合開始剤の量が0.1質量部未満では、重合が進行しにくい。重合開始剤の量が10質量部を超えると、硬化膜が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤;微粒子、少量の溶剤を含んでいてもよい。
(疎水性材料)
硬化樹脂膜20のモスアイ構造の表面の水接触角を90°以上にするためには、疎水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、下記式(3)で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が好ましい。
−(CF−X ・・・(3)。
ただし、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数を表し、1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記式(4)の化合物が特に好ましい。
CH=C(R41)C(O)O−(CH−(CF−X ・・・(4)。
ただし、R41は、水素原子またはメチル基を表し、Xは、水素原子またはフッ素原子を表し、mは、1〜6の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは、1〜20の整数を表し、3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、フルオロアルキル基置換シランカップリング剤が好ましく、下記式(5)の化合物が特に好ましい。
(R51 SiY ・・・(5)。
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素置換アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
51は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R51としては、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Yは、水酸基または加水分解性基を表す。
加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、R52C(O)O(ただし、R52は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
52C(O)Oとしては、CHC(O)O、CC(O)O等が挙げられる。
a、b、cは、a+b+c=4であり、かつa≧1、c≧1を満たす整数を表し、a=1、b=0、c=3が好ましい。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C〜C11)オキシ]−1−アルキル(C〜C)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C〜C)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C〜C13)またはその金属塩、パーフルオロアルキル(C〜C12)スルホン酸またはその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有脂肪族一級、二級または三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体が好ましい。
ポリ(オキシアルキレン)基としては、下記式(6)で表される基が好ましい。
−(OR61− ・・・(6)。
ただし、R61は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、pは、2以上の整数を表す。R61としては、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)基は、同一のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよく、2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)からなるものであってもよい。2種以上のオキシアルキレン単位(OR61)の配列は、ブロックであってもよく、ランダムであってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、シリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(親水性材料)
硬化樹脂膜20のモスアイ構造の表面の水接触角を25°以下にするためには、親水性の材料を形成しうる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、下記の重合性化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの10〜50質量%、
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの30〜80質量%、
単官能モノマーの0〜20質量%の合計100質量%からなる重合性化合物。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物、ウレタンアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL220、EBECRYL1290、EBECRYL1290K、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、KRM8200)、ポリエーテルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL81)、変性エポキシアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL3416)、ポリエステルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL450、EBECRYL657、EBECRYL800、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL845、EBECRYL846、EBECRYL1870)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合は、10〜50質量%が好ましく、耐水性、耐薬品性の点から、20〜50質量%がより好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合が10質量%以上であれば、弾性率が高くなって耐擦傷性が向上する。4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合が50質量%以下であれば、表面に小さな亀裂が入りにくく、外観不良となりにくい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートとしては、アロニックスM−240、アロニックスM260(東亞合成社製)、NKエステルAT−20E、NKエステルATM−35E(新中村化学社製)等の長鎖ポリエチレングリコールを有する多官能アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合は、30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合が30質量%以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合が80質量%以下であれば、弾性率が高くなって耐擦傷性が向上する。
単官能モノマーとしては、親水性単官能モノマーが好ましい。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、基材への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
単官能モノマーの割合は、0〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。単官能モノマーを用いることにより、基材と硬化樹脂との密着性が向上する。単官能モノマーの割合が20質量%以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートまたは2官能以上の親水性(メタ)アクリレートが不足することなく、防汚性または耐擦傷性が十分に発現する。
単官能モノマーは、1種または2種以上を(共)重合した低重合度の重合体として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に0〜35質量部配合してもよい。低重合度の重合体としては、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート類と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートとの40/60共重合オリゴマー(MRCユニテック社製、MGポリマー)等が挙げられる。
以上説明した反射防止物品10にあっては、視認側に位置する第1の表面11および前記表面とは反対側の第2の表面13に複数の凸部19を有し、凸部19間の平均間隔が400nm以下であり、反射防止物品の第2の表面13における、凸部の高さH2と凸部の底部の幅W2との比(H2/W2)が、第1の表面11における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)よりも大きいため、人や物が触れる可能性のある第1の表面が十分な耐擦傷性を有し、かつ可視光領域の全域において反射率を低く抑えることができる。
なお、本発明の反射防止物品は、図示例の反射防止物品10に限定はされない。例えば、複数の凸部19は、反射防止物品10においては、反射防止フィルム16の硬化樹脂膜20の表面に形成されているが、硬化樹脂膜20を設けることなくフィルム本体18の表面に直接形成されていてもよく、反射防止フィルム16を貼着することなく基材本体12の表面に直接形成されていてもよい。ただし、ロール状モールド22を用いて効率よく複数の凸部19を形成できる点、および凸部19が破損した際に反射防止フィルム16を貼りなおすことができる点から、反射防止フィルム16の硬化樹脂膜20の表面に複数の凸部19が形成されていることが好ましい。
<用途>
本発明の反射防止物品の用途としては、ディスプレイ装置の反射防止機能付き保護板や保護フィルタ、太陽電池の表面保護板、計器類のカバー、照明の前面板、額縁の前面板、美術品のケース、ショーケース、眼鏡等、一方の面に人や物が触れる可能性があり、他方の面に人や物が触れる可能性が少なくなるような場所に設置される用途が挙げられる。
例えば、ディスプレイ装置の場合、本発明の反射防止物品は、ディスプレイ本体の画面の前方に、第1の表面が視認側に、かつ第2の表面がディスプレイ本体側になるように配置される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(凸部形状)
硬化樹脂膜の破断面にプラチナを5分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて断面を観察し、凸部の平均間隔、凸部の高さ、凸部の底部の幅、凸部の先端部の曲率半径を測定した。各測定は、それぞれ5点について行い、平均値を求めた。
(反射率特性)
分光光度計(日立製作所社製、U−4000)を用い、入射角5°、波長380〜780nmの範囲で反射防止物品の相対反射率を測定し、JIS R3106に準拠して視感度反射率を算出した。
波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差をΔRとした。
(耐擦傷性)
眼鏡拭き(東レ社製、商品名:トレシー(登録商標))を用いて第1の表面側の硬化樹脂膜の表面の摩耗試験を行った。条件は、荷重2000g/20mmφ、1000回回転とした。試験後のサンプルを目視して、表3の基準で評価した。
(総合評価)
第1の表面に人や物が触れる可能性があり、第2の表面に人や物が触れる可能性が少なくなるような場所に設置される反射防止物品においては、耐擦傷性が重要な特性として扱われるべきである。すなわち、反射率特性がどんなに優れていても、耐擦傷性が不十分であれば、人や物が軽く触れるだけで、優れた反射率特性をまったく発揮できなくなるからである。よって、本実施例においては、視感度反射率、ΔRおよび耐擦傷性の評価結果に、表1〜3に示す評価を行うことによって、反射防止物品の総合評価を行った。総合評価は、各評価結果について以下に示す点数で合計点を計算し、合計点が8点以上をA、7点をB、6点をC、5点以下をDとした。
a=3点
b=2点
c=1点
d=0点
Figure 2010150514
Figure 2010150514
Figure 2010150514
〔モールドaの製造〕
(a)工程:
電解液として0.3Mシュウ酸を用い、陰極および陽極としてそれぞれ厚さ2mmの99.99%アルミニウム板を用い、電圧40V、温度16℃の条件で0.5時間陽極酸化を行った。
(b)工程:
酸化皮膜が形成された陽極を、70℃の6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混酸に浸漬して、酸化皮膜を除去した。
(c)工程:
陽極を純水で洗浄した後、電解液として0.3Mシュウ酸を用い、電圧40V、温度16℃の条件で20秒陽極酸化を行った。
(d)工程:
陽極を32℃の5質量%リン酸に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
(e)工程:
前記(c)工程および(d)工程を合計で5回繰り返し、細孔間の平均間隔100nm、細孔の深さ161nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたモールドaを得た。
なお、(c)工程の時間および/または(d)工程の温度を調整することにより、細孔の深さを調節することができる。例えば、(c)工程を30秒、(d)工程を31.5℃とすることで、細孔間の平均間隔が100nmであり、細孔の深さが190nmであるモールドを得ることが可能である。また、(c)工程を35秒、(d)工程を31.5℃とすることで、細孔の深さが240nmであるモールドを得ることができる。このように、後述の実施例においては、(c)工程および/または(d)工程の条件を種々に変更し、細孔の深さが異なる種々のモールド(モールドb〜d)を得た。
モールドaを、オプツールDSX(ダイキン工業社製)の0.1質量%希釈溶液で処理することにより、酸化皮膜表面のフッ素化処理を行った。
〔モールドb〜dの製造〕
(c)工程の時間および/または(d)工程の温度を調整した以外は、モールドaの製造と同様にして、細孔間の平均間隔が100nmであり、細孔の深さがそれぞれ異なるモールドb〜dを得た。
〔活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの調製〕
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の45質量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)の45質量部、
ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−1602)の10質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184)の3質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)819)の0.2質量部
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
〔反射防止フィルムαの製造〕
モールドaの表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを塗布し、この上にアクリルフィルム(三菱レイヨン社製、アクリプレン(登録商標)HBS010)を被せた。
紫外線照射機(高圧水銀ランプ)を用いて、積算光量400mJ/cmでアクリルフィルム越しに紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aの硬化を行った後、モールドaから分離し、表面に凸部が形成された反射防止フィルムαを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは140nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は30nmであった。
〔反射防止フィルムβの製造〕
モールドbを用いた以外は、反射防止フィルムαの製造と同様にして、反射防止フィルムβを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは180nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は30nmであった。
〔反射防止フィルムγの製造〕
モールドcを用いた以外は、反射防止フィルムαの製造と同様にして、反射防止フィルムγを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは220nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は30nmであった。
〔反射防止フィルムδの製造〕
モールドdを用いた以外は、反射防止フィルムαの製造と同様にして、反射防止フィルムδを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは120nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は25nmであった。
〔反射防止フィルムεの製造〕
モールドeを用いた以外は、反射防止フィルムαの製造と同様にして、反射防止フィルムεを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは160nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は30nmであった。
〔反射防止フィルムζの製造〕
モールドfを用いた以外は、反射防止フィルムαの製造と同様にして、反射防止フィルムζを得た。
凸部の平均間隔は100nmであり、凸部の高さは200nmであり、凸部の底部の幅は100nmであり、凸部の先端部の曲率半径は30nmであった。
〔実施例1〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムαを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムβを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例2〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムαを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムγを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例3〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムεを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムβを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例4〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムεを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムζを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例5〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムβを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムζを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例6〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムβを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムγを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔実施例7〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムζを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムγを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例1〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムαを2mm厚のアクリル板の両面に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例2〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムεを2mm厚のアクリル板の両面に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例3〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムβを2mm厚のアクリル板の両面に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例4〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムγを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムγを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例5〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムδを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、反射防止フィルムγを裏面(第2の表面)に貼り付けて反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
〔比較例6〕
光学用両面接着テープ(日東電工社製、CS0622T)を用いて、反射防止フィルムβを2mm厚のアクリル板の表面(第1の表面)に、裏面(第2の表面)には何も貼り付けずに反射防止物品を得た。前記反射防止物品について反射率特性および耐擦傷性を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2010150514
本発明の反射防止物品は、ディスプレイ装置の反射防止機能付き保護フィルタ、太陽電池の表面保護板、計器類のカバー、照明の前面板、額縁の前面板、美術品のケース、ショーケース、眼鏡等として有用である。
10 反射防止物品
11 第1の表面
13 第2の表面
19 凸部

Claims (7)

  1. 光透過性を有する反射防止物品であって、
    視認側に位置する第1の表面および前記表面とは反対側の第2の表面に複数の凸部を有し、
    前記凸部間の平均間隔が、400nm以下であり、
    前記第1の表面における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)が1.3以上であり、
    前記第2の表面における、凸部の高さH2と凸部の底部の幅W2との比(H2/W2)が、H1/W1よりも大きい、反射防止物品。
  2. 前記第1の表面における、凸部の高さH1と凸部の底部の幅W1との比(H1/W1)が、2.1以下である、請求項1に記載の反射防止物品。
  3. H1/W1 + H2/W2 ≧ 3.1である請求項1または2に記載の反射防止物品。
  4. 視感度反射率が、0.4%以下である、請求項1に記載の反射防止物品。
  5. 波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差(ΔR)が、1.0%以下である、請求項1または2に記載の反射防止物品。
  6. 波長380〜780nmの範囲における最大反射率と最小反射率との差(ΔR)が、0.6%以下である、請求項1または2に記載の反射防止物品。
  7. ディスプレイ本体と、
    前記ディスプレイ本体の画面の前方に、前記第1の表面が視認側に、かつ前記第2の表面が前記ディスプレイ本体側になるように配置された、請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止物品と
    を有する、ディスプレイ装置。
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