JPWO2010147208A1 - 基準処理シート及びアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することのできる基準処理シート及びアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法を提供すること。【解決手段】処理対象物を分類する処理対象物分類欄と、該分類された処理対象物の処理条件を示す処理対象物処理条件欄とを有し、前記処理対象物処理条件欄に記載される処理条件は、該分類された各々の処理対象物に対応した処理条件であることを特徴とする基準処理シート及び、基準処理シートを用いて、処理対象物を分類する工程と、前記処理対象物処理方法欄が示す処理条件に従って、無害化実験を行う工程と、前記無害化実験を行った結果に基づいて、アスベスト含有材を無害化する際の処理条件の各最適値を決定する工程とを有することを特徴とするアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法。

Description

本発明は、アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することが可能な基準処理シート及びこれを用いたアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法に関する。
アスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維であり、角閃石系石綿と蛇紋石系石綿とがある。角閃石系石綿としてはクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アクチノライト(陽起石綿)、トレモライト(透角閃石綿)、アンソフィライト(直閃石綿)があり、蛇紋石系にはクリソタイル(白石綿)がある。これらアスベストは、耐熱性、耐薬品性、絶縁性等に優れており、建築資材(耐火材、断熱材、防音材)として広く利用されてきた。
しかし、アスベストは優れた特性を有するものの、微小な針状結晶組織のため、人が吸引した場合、その一部が体内に残留して、悪性中皮腫や肺がん等を引き起こす原因になるといわれている。そのため、近年では、建築廃材等のアスベストの処理が大きな問題となっている。
アスベストの処分方法としては、従来、特許文献1や2のような酸処理法が提案されている。
しかし、酸処理によって、アスベスト無害化の法的義務である「含有率0.1%未満」までの無害化は、確実にはできない問題がある。これは、無害化の対象となるアスベストの種類によって取扱う酸の種類、濃度等を変える必要があるため及び廃棄されるアスベスト含有材には用途に応じた形態があり、種々の材料や添加物が含まれ、あるいはアスベスト回収時に添加された薬剤が含まれ、それらの組成が一定せず、またプレス、焼成して成形されたものは処理剤の浸透速度が非成形体に比べより遅くなる等のためであり、コストパフォーマンスの優れた酸処理条件の決定は容易でない。例えば、中間処理場に持ち込まれたアスベスト含有材の酸処理方法を、その対象物毎に、試行錯誤によって時間をかけて実験確認すれば、処理法を決定できると思われるが、処理法の決定に時間をかければ、アスベストの迅速な無害化となり得ず、また見積書の提示が遅れて受注できないという重大な問題がある。
特許第3066976号公報 特開2008−49205号公報
そこで、本発明者は、アスベスト含有材を安価で効率的に確実に無害化するためには、廃棄されるアスベスト含有材の受け入れ前に、全てのアスベスト廃棄物の処理基準を確立しておくことが重要であることに着目して本発明に至ったものであり、すなわち、その課題は、アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することのできる基準処理シートを提供することにある。
また、本発明の他の課題は、アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することのできるアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、アスベストを含有した処理対象物を無害化する処理方法を決定する際に用いる基準処理シートであり、処理対象物を分類する処理対象物分類欄と、該分類された処理対象物の処理条件を示す処理対象物処理条件欄とを有し、前記処理対象物処理条件欄に記載される処理条件は、該分類された各々の処理対象物に対応した処理条件であることを特徴とする基準処理シートである。
請求項2記載の発明は、前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物を分類した型を記載した欄を備え、該処理対象物を分類した型を記載した欄は、前記処理対象物を外観から分類した複数の欄を有し、該複数の欄は、処理対象物が繊維状等の非成形体からなるI型の欄と、処理対象物が成形体からなるII型の欄からなることを特徴とする請求項1記載の基準処理シートである。
請求項3記載の発明は、前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物の石綿種類を記載した欄を備え、該石綿種類を記載した欄は、X線回折装置、位相差顕微鏡又は電子顕微鏡による分析により石綿種類を特定し分類して、前記I型及び前記II型毎に、白石綿のみの欄と、茶、青石綿等を含む欄をそれぞれ備えることを特徴とする請求項2記載の基準処理シートである。
請求項4記載の発明は、前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物の形状又は粒径を記載した欄を備え、前記II型の欄に対応する前記形状又粒径を記載した欄は、成形体の粒径が異なる複数の欄を、白石綿のみの欄と茶、青石綿等を含む欄のそれぞれに対応して備えることを特徴とする請求項2又は3記載の基準処理シートである。
請求項5記載の発明は、前記処理対象物処理条件欄は、前記処理方法に必要な鉱酸の種類及び必要量を記載した欄を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基準処理シートである。
請求項6記載の発明は、前記処理対象物処理条件欄は、前記処理方法に必要な処理時間を記載した欄を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の基準処理シートである。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の基準処理シートを用いて、アスベストを含有した処理対象物を、前記処理対象物分類欄に従って分類する工程と、前記分類に対応した前記処理対象物処理方法欄が示す処理条件に従って、該処理条件及び該処理条件が示す基準値の前後の値の条件において無害化実験を行う工程と、前記無害化実験を行った結果に基づいて、アスベスト含有材を無害化する際の処理条件の各最適値を決定する工程とを有することを特徴とするアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法である。
本発明によれば、アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することのできる基準処理シートを提供することができる。
また、本発明によれば、アスベスト含有材を無害化する処理方法を、確実に、且つ、迅速に決定することのできるアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法を提供することができる。
本発明に係る基準処理シートの一例を示す図 基準処理シートを用いた無害化処理方法の決定方法の一例を示す図
1:基準処理シート
11:処理対象物を外観から分類した型を記載した欄
12:石綿種類を記載した欄
13:形状又は粒径を記載した欄
14:記号を記載した欄
15:鉱酸の種類と必要量を記載した欄
16:処理時間を記載した欄
2:処理対象物分類欄
3:処理対象物処理条件欄
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、アスベストを含有した処理対象物を無害化する処理方法を決定する際に用いる基準処理シートの一例を示す図である。
基準処理シート1は、処理対象物を分類する処理対象物分類欄2と、該分類された処理対象物の処理条件を示す処理対象物処理条件欄3とを有し、各欄2と3は相互に対応させて連関づけられている。
前記処理対象物処理条件欄3に記載される処理条件は、該分類された各々の処理対象物に対応した処理条件である。
前記処理対象物分類欄2は、処理対象物を外観から分類した型を記載した欄11と、石綿種類を記載した欄12と、形状又は粒径を記載した欄13と、分類を示す記号を記載した欄14とを有し、処理対象物処理条件欄3は、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15と、処理時間を記載した欄16とを有し、各欄11、12、13、14、15及び16は相互に対応させて連関づけられている。
前記処理対象物を外観から分類した型を記載した欄11は、アスベストを含有した処理対象物を外観から複数に分類したものである。ここで、「外観」というのは、施工前のアスベスト材料であり、使用状態における外観ではない点に留意すべきである。
本態様では、処理対象物が施工前のアスベスト材料の段階で繊維状等の非成形体を呈しているものをI型、処理対象物が施工前のアスベスト材料の段階で成形体を呈しているものをII型とし、2種類に分類している。
I型に分類される処理対象物としては、吹き付け石綿、石綿含有吹き付けロックウール、石綿含有耐火被覆板、石綿保温材、けいそう土保温材、パーライト保温材及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、II型に分類される処理対象物としては、石綿含有スレート波板、石綿含有スレートボード、石綿含有けい酸カルシウム板第一種、石綿含有パーライト板、石綿含有スラグセッコウ板、石綿含有けい酸カルシウム板第二種、石綿含有窯業系サイディング、石綿含有住宅屋根用化粧スレート、石綿含有ビニル床タイル及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明において、成形体と非成形体の分類は、前述のように、施工前のアスベスト材料の状態での形態を外観観察して決められる分類であり、実際の使用状態における形態での分類とは異なる。
たとえば、I型に分類される非成形体に分類される「吹き付け石綿」などの場合には、施工前のアスベスト材料の状態では非成形体であるが、使用状態で見れば、セッコウやセメントなどで固めて使用されるので、成形体と見ることもできるが、本発明では、施工前のアスベスト材料の状態での形態を外観観察して分類することにしている。
石綿種類を記載した欄12は、I型、II型のそれぞれに分類された処理対象材について、含有するアスベストがクリソタイル(白石綿)のみのグループ(a)と、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アクチノライト(陽起石綿)、トレモライト(透角閃石綿)、アンソフィライト(直閃石綿)等のアスベストを含有するグループ(b)に分類されている。グループ(b)には、これらのアスベストにクリソタイルが共存したものも含める。
形状又は粒径を記載した欄13は、石綿種類を記載した欄12に分類されるアスベストの各々について、形状(粒径)が対応して記載されている。
非成形体であるI型は、グループ(a)、グループ(b)共に、原姿の状態で処理できる。原姿の状態は、前述の施工前のアスベスト材料の状態である。ただし、セッコウやセメントなどで固めて使用される場合には、廃棄物として処理対象として搬入される段階では、原姿の状態でない場合があり、その場合には、破砕処理されて原姿が推定できる状態で処理される。従って、ここで原姿という場合は、使用前の原姿本来形状のままである場合や、原姿に戻された状態の形態を含んでいる。これらの原姿の判別は視覚的に容易に可能である。
成形体であるII型は、成形体を破砕又は粉砕した粒径により、例えば4メッシュ以下(直径5mm以下)及び4メッシュ超(直径5mm超)に、各々分類されている。これは、成形体の構造や性質によって、鉱酸の石綿までの含浸(到達)能力に差が有るために、基準となる鉱酸の種類及び必要量が異なってくるためである。
従って、形状又は粒径を記載した欄13は、II型の場合には、グループ(a)、グループ(b)の各々について、上記の粒径の欄が設けられている。
そして、この形状(粒径)を記載した欄に対応、連関させて記号を記載した欄14が各々設けられている。
記号を記載した欄14は、I型、II型の各々の分類に対応、連関させて、Ia、Ib、IIa5、IIa、IIb5、IIbの6つの分類を記号化して記載している。
鉱酸の種類と必要量を記載した欄15は、上記6つの分類のそれぞれについて、アスベストを無害化するのに必要な基準となる鉱酸の種類とその必要量が記載されている。これら鉱酸の種類と必要量は、予め各種のアスベストについて無害化の実験を行い、確認した結果に基づいたものである。
本発明では、基準処理シートに、実験的に確認した鉱酸の種類とその必要量を記載しているが故に、処理方法の決定が迅速に行える。
鉱酸の種類は硫酸、塩酸、フッ酸が挙げられる。これらのうち、1種を使用する場合、2種を使用する場合、3種を使用する場合があり、2種以上使用する場合は、任意に組み合わせることが可能であるが、この鉱酸の種類や組み合わせは、処理対象によって予め実験的に確認されている。
必要量における「部」は、処理対象物中のアスベスト重量に対して反応に必要な純度100%鉱産の重量を表している(以下、同じ)。
処理時間を記載した欄16は、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に記載された鉱酸を使用して酸処理する際の基準となる処理時間が記載されている。この処理時間は、予め各種のアスベストについて無害化の実験を行った結果に基づいて決定されたものである。
なお、この基準処理反応では加熱が通常行なわれ、その加熱処理が前提であるので、基準処理シートには記載されていないが、処理温度を記載することもできる。処理温度は、常圧下で約90℃前後である。II型の場合、加圧処理により鉱酸の浸透力が増すため、加圧処理をする場合には、加圧下で約110℃前後でもよい。
本発明の基準処理シートにおいて、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15及び処理時間を記載した欄16の一例を説明する。以下の記載は本発明者の実験に基づく知見ないし数値である。
Ia型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、鉱酸の種類が、硫酸又は塩酸と記載される。必要量は、3部と記載される。この3部は、前述の通り、重量比で3倍を意味しており、アスベスト含有量1部に対して純度100%鉱酸3部であることを意味している。処理時間を記載した欄16には、5時間と記載されている。
Ib型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、フッ酸をアスベスト含有量1部に対して2部及び硫酸又は塩酸をアスベスト含有量1部に対して10部である旨が記載され、さらに処理時間を記載した欄16には、4時間と記載されている。
IIa5型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、硫酸又は塩酸をアスベスト含有量1部に対して25部である旨が記載され、さらに処理時間を記載した欄16には、5時間と記載されている。
IIa型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、硫酸又は塩酸をアスベスト含有量1部に対して40部である旨が記載され、さらに処理時間を記載した欄16には、6時間と記載されている。
IIb5型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、フッ酸をアスベスト含有量1部に対して2部及び硫酸又は塩酸をアスベスト含有量1部に対して10部である旨が記載され、さらに処理時間を記載した欄16には、5時間と記載されている。
IIb型の場合には、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15に、フッ酸をアスベスト含有量1部に対して2部及び硫酸又は塩酸をアスベスト含有量1部に対して14部である旨が記載され、さらに処理時間を記載した欄16には、5時間と記載されている。
同重量の硫酸と塩酸では硫酸の方が有効であるが、セメントなどに由来する消石灰や成形時の焼成などに由来する生石灰や消石灰分を含む場合には、硫酸を用いると処理対象物の表面に硫酸カルシウムの被膜が生成し処理効率を妨げるので、カルシウムと不溶性の塩を生成しない塩酸を用いた方が有効である。
鉱酸量はより過剰に用いることで処理時間を短縮することができ、成形材の粒径が4メッシュよりさらに細かくなると鉱酸量はより少なく且つより短時間で処理することができる。
鉱酸の種類と必要量を記載した欄15及び処理時間を記載した欄16の記載方法は格別限定されず、上記の趣旨が明示されていればよい。
なお、この基準処理反応では加熱が通常行なわれ、その加熱処理が前提であるので、基準処理シートには記載されていないが、記載することもできる。処理温度は、常圧下で約90℃前後、又II型の場合加圧処理により鉱酸の浸透力が増すため、この加圧下では約110℃前後でもよく、より短時間で処理できる。
本発明においては、上記の鉱酸の種類と必要量を記載した欄15及び処理時間を記載した欄16の記載は、限定的でないことは前述の通りであり、数値を多少変動させても、本発明の技術思想の範囲であることは明らかであろう。
かかる基準処理シート1によれば、解体業者等から入手した処理対象物のサンプルから、基準処理シート1にIa、Ib、IIa5、IIa、IIb5、IIbの 6種類に分類されるいずれに属するかを判別することで、その無害化処理を行うために必要な鉱酸の種類と必要量及び処理時間の基準値を確実且つ迅速に把握することができる。
以上、本発明の基準処理シートの実施形態について説明したが、本発明の基準処理シートは、図示のような1枚のシートによって構成される態様に限定されない。例えば、図示では、行方向に6つの相互に連関する欄が記載されているが、この各欄毎に、あるいはI型かII型の各々について、1枚のシート毎に分割して記載するようにしてもよい。その場合、各欄毎であれば 6枚のシートによって本発明の基準処理シートが構成され、I型かII型かによって分割する場合は、2枚の基準処理シートによって構成されることになる。入手した処理対象物が限定される場合(たとえば、I型かII型かが決まっている場合など)には、使用する基準処理シートが複数枚に分けられていた方が便利な場合があるからである。また6枚の各シートは基準処理シートの判別を容易にするために各々色分けされていてもよい。
さらに、本発明に係る基準処理シートは、いかなる表示方法によって表示されてもよく、例えば、紙や樹脂性シートの上面に、あるいは上面と裏面上に表示されてもよいし、パソコン等の画面上に表示されてもよい。
処理対象物の分類方法は、上記した分類方法に限定されない。当業者であれば、上記した分類方法に限定されない他の分類方法を考案可能であろう。
また、本発明に係る基準処理シートには、ある分類方法に従った分類のすべてが記載されなくてもよい。
次に、かかる基準処理シート1を用いた無害化処理方法の決定方法について図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、アスベストを含有した処理対象物を入手した後、基準処理シート1の処理対象物分類欄2に基づき分類する。ここでは、まず、アスベストを含有した処理対象物の外観から、非成形体のI型か、成形体であるII型かを判断する(S1)。
ここで、処理対象物がその外観からI型に分類された場合、その処理対象物に対してX線回折装置、位相差顕微鏡又は電子顕微鏡による分析を行い、含有する石綿種類を特定し、又はその含有量を定量する(S2)。その結果、アスベストがクリソタイル(白石綿)のみである場合は、基準処理シート1からグループIaに分類され(S3)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アクチノライト(陽起石綿)、トレモライト(透角閃石綿)、アンソフィライト(直閃石綿)等のアスベストを含有する場合は、グループIbに分類される(S4)。グループIbには、これらのアスベストにクリソタイルが共存したものも含める。
なお、分類上挙げられているアンソフィライト(直閃石綿)の場合は、鉱酸による処理ではフッ酸でも分解できないことは実験的に確認されており、本基準処理シートによる処理法を求めることは困難である(以下、同じ)。
一方、処理対象物の外観からII型に分類された場合、同じく、その処理対象物に対してX線回折装置、位相差顕微鏡又は電子顕微鏡による分析を行い、含有する石綿種類を特定し、又はその含有量を定量する(S5)。その結果、アスベストがクリソタイル(白石綿)のみである場合は、基準処理シート1からグループIIaに分類され(S6)、アモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アクチノライト(陽起石綿)、トレモライト(透角閃石綿)、アンソフィライト(直閃石綿)等のアスベストを含有する場合は、グループIIbに分類される(S7)。グループIIbには、これらのアスベストにクリソタイルが共存したものも含める。
次いで、グループIIa、IIbについて成形体の粒径から、基準処理シート1の処理対象物分類欄2に基づいて、更に4メッシュ以下のグループIIa5に分類されるか(S8)、4メッシュを超えるグループIIaに分類されるか(S9)、更に4メッシュ以下のグループIIb5に分類されるか(S10)、4メッシュを超えるグループIIbに分類されるか(S11)を判断する。
以上により、基準処理シート1を用いて、各グループに分類されたアスベストを無害化するのに必要な基準となる処理条件を、処理対象物処理条件欄3の記載から把握することができる。ここでは、鉱酸の種類とその必要量及び処理時間の基準値を、鉱酸の種類と必要量を記載した欄15及び処理時間を記載した欄16に基づいて把握することができる。
次に、実際の無害化処理に当たっては、処理対象物にはアスベスト以外にも様々な材料や添加物が含まれ、あるいは回収時に用いられた薬剤等が含まれているため、上記の方法によって把握された基準値に対し、当該基準値とその前後の値の条件について無害化の実験を実施する。
例えば、基準処理シート1によってグループIaに分類された場合、その鉱酸の種類(A酸)とその必要量(○○部)及び処理時間(××h)の基準値に対し、この他に、鉱酸の量を所定量増減した場合と処理時間を所定時間増減した場合とについて同様に実験を行う。
これによってアスベストを含有した処理対象物を無害化する際の処理条件の各最適値を決定する(なお、一つのパラメータのみについて最適値の決定を行う場合は、前記「各最適値」は、一つの最適値を意味する)。このようにして、アスベストを含有した処理対象物にとって確実な無害化処理方法を迅速に決定することができる。
実際の無害化処理設備の形態によっては、複数の処理ロットがある場合に、始めのロットでは、温度や圧力を含め、基準値等より大過剰を最適値として選択でき、この場合は、該基準値等前後の実験を省略でき、しかる後その処理後の未反応の酸を用いて後のロットを処理することで、全工程で均せば基準値に相当し、薬品量的に又は処理時間的に大過剰とはならず、経済性、効率性においてより優れている場合もある。

Claims (7)

  1. アスベストを含有した処理対象物を無害化する処理方法を決定する際に用いる基準処理シートであり、
    処理対象物を分類する処理対象物分類欄と、該分類された処理対象物の処理条件を示す処理対象物処理条件欄とを有し、
    前記処理対象物処理条件欄に記載される処理条件は、該分類された各々の処理対象物に対応した処理条件であることを特徴とする基準処理シート。
  2. 前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物を分類した型を記載した欄を備え、該処理対象物を分類した型を記載した欄は、前記処理対象物を外観から分類した複数の欄を有し、該複数の欄は、処理対象物が繊維状等の非成形体からなるI型の欄と、処理対象物が成形体からなるII型の欄からなることを特徴とする請求項1記載の基準処理シート。
  3. 前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物の石綿種類を記載した欄を備え、該石綿種類を記載した欄は、X線回折装置、位相差顕微鏡又は電子顕微鏡による分析により石綿種類を特定し分類して、前記I型及び前記II型毎に、白石綿のみの欄と、茶、青石綿等を含む欄をそれぞれ備えることを特徴とする請求項2記載の基準処理シート。
  4. 前記処理対象物分類欄は、前記処理対象物の形状又は粒径を記載した欄を備え、前記II型の欄に対応する前記形状又は粒径を記載した欄は、成形体の粒径が異なる複数の欄を、白石綿のみの欄と茶、青石綿等を含む欄のそれぞれに対応して備えることを特徴とする請求項2又は3記載の基準処理シート。
  5. 前記処理対象物処理条件欄は、前記処理方法に必要な鉱酸の種類及び必要量を記載した欄を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の基準処理シート。
  6. 前記処理対象物処理条件欄は、前記処理方法に必要な処理時間を記載した欄を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の基準処理シート。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の基準処理シートを用いて、アスベストを含有した処理対象物を、前記処理対象物分類欄に従って分類する工程と、
    前記分類に対応した前記処理対象物処理条件欄が示す処理条件に従って、該処理条件が示す基準値とその前後の値の条件において無害化実験を行う工程と、
    前記無害化実験を行った結果に基づいて、アスベスト含有材を無害化する際の処理条件の各最適値を決定する工程とを有することを特徴とするアスベスト含有材を無害化する処理方法の決定方法。
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