JP5889348B2 - 低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法 - Google Patents

低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法 Download PDF

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Description

本発明は、低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法に関する。
石綿(asbestos)は、産業的に活用される鉱物繊維の1つであって、商品名としては、アスベストスが一般的であり、鉱石名を用いて、蛇紋石族、角閃石族、に大別される。
石綿の産業的な利用については、19世紀初から記録されており、本格的な採掘は、19世紀末、カナダ、イタリア、ソ連で行われたことと知られている。20世紀初に入って石綿の需要が、自動車ブレーキライニング、クラッチ、及びガスケットなどの用途として利用されながら急増することになる。世界2次世界大戦が石綿の活用度を多様化させて、2次大戦以後、数百万トンの石綿が北米の開発とヨーロッパの再建に利用された。韓国においても、新しい村づくり運動(Saemaeul Undong, The New Village Movement)の一環で、農村の草屋根を全てスレート屋根に交替した。
一方、石綿類鉱物は、一般に繊維状集合(体)、即ち束形態で産出され、周辺の岩体から容易に分離され、より小さい片に劈開面に沿って割れる。これらの繊維状集合(体)をなすものを石綿と呼び、高い引張力を示し、短径対長径の比が20〜1000の長さを有する。目視でセルロース(cellulose)のような有機質繊維と特性があり、糸を作ることができるほど、柔軟である。しかし、あらゆる石綿類鉱物が有害なものではなく、繊維状をなしている場合に限って有害である。石綿塵埃は、呼吸器を介して吸入されて健康上の問題を起こすが、石綿類鉱物の塵埃であれば吸入したとしても、必ずしも疾病が発生するわけではない。長さが5um以上、直径が2um以下であり、且つ、その比(aspect ratio)が5:1以上の石綿塵埃が主に肺組織に付着して、疾病を起こすことと知られている。一般に、職業上、石綿塵埃の吸入量が多く、吸入期間も長い場合に肺癌にかかるが、それも石綿を吸入してから20〜40年後に疾病が現れることと知られている。一方、石綿による疾病としては、石綿肺、肺癌、中皮腫、胸膜肥厚などがある。
前記のように、石綿は環境的に有害であるので、石綿が廃棄物として発生する場合は、これを安全に処理しなければならず、現在、石綿は、適当な場所に殆ど埋立処理しているが、前処理することなく、埋め立てることは禁止されている。埋立においては、前処理工程が必須であるため、工程が複雑となり、コストが増加し、埋立後の環境汚染物質露出などの不都合があるので、科学的且つ安全で、低コストで処理する技術開発が切実である。特に、韓国においては、2011年に、石綿が1%以上のあらゆる物質に対して、取扱及び移動などの全ての行為を不法と規定している。
今まで開発された処理方法のうち、化学的な処理方法においては、表面を強酸で処理して繊維状構造を除去する方法、高温で加熱して溶融させる方法などがあるが、このような方法は、石綿自体が有している有害性の方より、使用される溶液から更に大きい問題を引き起こすことがあるか、高温加熱に多大なエネルギーを必要とし、処理コストが多くなるという問題がある。
また、従来の方法で石綿を除去する場合は、石綿を50乃至90%除去することができるが、石綿が1%以上含まれた場合は、取扱及び移動が法的で禁止されているため、石綿を99%以上除去することができる方法が必要である。
韓国公開特許第10−2012−0110425号公報
そこで、本発明は、石綿を、例えば90%程度に除去する従来の方法を克服するために、製鉄製鋼業で様々に使用される蛇紋石に含まれた石綿、または石綿を含む廃スレートを、シュウ酸及び低温熱処理により、99%以上無害化することができる方法を提供することにある。
また、従来の方法、特に、米国及び日本で開発された方法は、石綿を除去することなく、現在の存在状態を維持するために、現場で石綿が含まれた物質に表面コーティングする方法であって、本願発明の目的及び方法とは全く相違している。つまり、本発明は、石綿が含まれた物質を他の場所に移転することに当り、分離・移動させる直前に、現場で石綿を無害化させる方法である。
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限られることではなく、また、触れていない他の課題は、以下の記載から当業者にとって明確に理解されるだろう。
前記課題を解決するため、本発明は、石綿含有物質とシュウ酸とを1:0.002〜1:1の重量比で混合した後、90〜110℃で低温熱処理することを特徴とする石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法を提供する。
ここで、石綿とは、クリソタイル(chrysotile)をいう。
前記石綿含有物質は、自然産蛇紋石、又は廃スレートであることを特徴とする。
前記自然産蛇紋石は、サイズに全くよらないが、石綿除去工程の効率のため、破砕あるいは粉砕されることを特徴とする。
前記廃スレートは、サイズに全くよらないが、石綿除去工程の効率のため、破砕あるいは粉砕されることを特徴とする。
前記シュウ酸は、水道水、蒸留水、及び脱イオン水からなる群から選ばれる1種以上に希釈させることを特徴とする。
前記破砕は、ジョークラッシャ(Jaw crusher)及びコーンクラッシャ(Cone crusher)で行われ、前記粉砕は、微粉砕機(Pulverizer)で行われることを特徴とする。
本発明によると、石綿含有物質に含まれた石綿の繊維構造を分解して、菱面体状に再結晶化させることで、石綿の有害性を99%以上除去することができ、また、90〜110℃の低温でかつ短時間の処理で済ますことができるので、有害な石綿を現場で大量処理することができる。
また、有機酸と低温熱処理を用いることで、従来の水熱反応後、分離手段として、遠心分離機又はプレスフィルタなどを用いる別の工程が不要であるため、大量処理が可能であって、処理コストが低くなり、また、強酸を使用しないため、強酸取扱による危険性が無く、環境汚染を防止することができる。さらには中和反応を用いるため、アルカリ水で洗浄する追加工程が不要である。
また、製鉄製鋼工程で用いられる蛇紋石、廃スレート、及びその他の石綿製品、例えば、100%の石綿からなる衣服、又は製鉄所敷板などの高濃度石綿の処理にも応用することができる。
図1は、本発明の好適な実施例による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法を示すフロー図である。 図2は、自然産蛇紋石の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する過程を示す蛇紋石の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図4は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する過程を示す蛇紋石の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図5は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法において、廃スレートの処理前と後のX線回折分析結果を示すグラフである。 図6は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法において、廃スレートの処理前と後の廃スレートの走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 図7は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から、石綿を99%以上除去する方法において、100%石綿からなる物質の処理前と後の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による好適な実施例について詳しく説明することにする。
本発明の利点及び特徴、そして、それを達成する方法は、添付の図面と共に詳しく後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。
しかし、本発明は、以下に開示される実施例によって限定されることではなく、互いに異なる様々な形態で具現される。但し、本実施例は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者に本発明を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求の範囲によって定義されるだけである。
また、本発明を説明することに当たり、関連する公知技術などが本発明の主旨を不明確にしていると判断される場合、それに関する詳細な説明は省略することにする。
本発明は、石綿含有物質とシュウ酸を、1:0.002〜1:1の重量比で混合した後、90〜110℃で熱処理することを特徴とする、前記石綿含有物質の石綿を99%以上除去する方法を提供する。
本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法は、石綿が1%以上含まれている全ての物質に対して、取扱及び移動などのあらゆる行為を不法として規定した法を克服するためのものであって、石綿含有物質に含まれた石綿の維持構造を分解し、菱面体状に再結晶化させることで、石綿の有害性を99%以上除去するものである。また、90〜110℃の低温熱処理を短時間行うだけで無害化することができるので、有害な石綿を大量に処理することができる。従って、移動式車両などに処理設備を積載して、現場で簡便に石綿を完全に無害化処理することができる。また、有機酸と低温熱処理を用いることで、従来、水熱反応後、分離手段として、遠心分離機またはプレスフィルタなどを用いる別の工程が不要であるため、大量処理が可能であって、処理コストが低くなる。また、強酸を使用しないため、強酸取扱による危険性を無くして環境汚染を防止することができ、中和反応を用いるため、アルカリ水で洗浄する追加工程が不要である。さらには、製鉄製鋼工程で使われる蛇紋石、廃スレート、及びその他の石綿製品、例えば、100%の石綿からなる衣服、又は製鉄所敷板などの高濃度石綿の処理にも応用することができる。
図1は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法を示すフロー図である。図1を参考して、本発明について詳しく説明する。
本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法は、石綿含有物質をシュウ酸と混合するステップ(S10)を含む。
ここで、前記石綿含有物質は。自然産蛇紋石であることもあり、蛇紋石には、石綿、具体的に白石綿を含んでおり、蛇紋石に含まれた石綿の量は、1乃至100重量%である。
塊状の自然産蛇紋石は、サイズによらないが、石綿除去工程の効率化のために、0.1乃至30mmのサイズに破砕もしくは粉砕される。前記自然産蛇紋石の破砕は、ジョークラッシャ及びコーンクラッシャで行われ、粉砕は、微粉砕機(Pulverizer)を用いて行われる。前記自然産蛇紋石は0.1mm未満に破砕及び粉砕することができるが、0.1mm未満に粉砕するためには、粉砕することができる装備を用意しにくく、破砕及び粉砕工程に時間が多大にかかり、また、施工費も高くなるので、0.1mm以上であることが好適である。前記自然産蛇紋石のサイズが30mmを超える場合は、以後の石綿除去工程に際して、蛇紋石を更に粉砕しなければならないため、30mm以下であることが好適である。
また、前記石綿含有物質は、廃スレートでもあり、廃スレートの表面には石綿が存在するが、石綿含有量が均一に分布することではなく、通常、廃スレートに含まれた石綿の量は、10乃至25重量%である。
本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法は、100%の石綿からなる衣服、靴、または製鉄所敷板などの製品も無害化することができる。
前記石綿含有物質が廃スレートの場合、屋根材のような大体積の廃スレートを破砕及び粉砕しなくても、廃スレートに含まれた石綿を無害化処理することができるが、1×1mm乃至1×1mの小面積で破砕及び粉砕して、移送効率や無害化処理の効率を向上することができる。前記廃スレートの破砕及び粉砕は、前記蛇紋石の破砕及び粉砕の工程と同様に行われ、前記破砕及び粉砕した廃スレートのサイズが1×1mm未満の場合は、廃スレートの粒子サイズが小さいため、石綿が粉塵などの形態で外部に露出することができ、表面処理のため、過量のシュウ酸が使用されることがあり、1×1mを超える場合は、廃スレートの移動が容易でなく、有機酸との反応のため、反応槽の大きさが増加する場合もある。
前記シュウ酸は、反応性が高く、融点が低くて、後の低温熱処理に際してキレート反応を容易に誘導することができる。
また、前記石綿含有物質は、有機酸と1:0.002〜1.0の重量比で混合されることが望ましい。前記石綿含有物質は、比表面積を計算して、シュウ酸との混合比を下記の数式1で表すことができる。
(数1)
平均粒度=[6/(比表面積×比重)×1000]
ここで、比表面積は、m/g、粒度は、nm、比重は、g/cmである。
それで、比表面積は、[6/(平均粒度×比重)×1000]となり、前記式1により、例えば、
325メッシュ(40マイクロン)、200メッシュ(75マイクロン)、2mm、3mm、5mmなどの破砕及び粉砕された蛇紋石の比表面積はそれぞれ、0.06mm/g、0.032mm/g、0.0012m/g、0.0008m/g、0.00048m/gである。
しかし、板状の廃スレートの場合、小型板は、60cm×30cm×1cm程度であり、大型板は、200cm×90cm×1cm度であり、屋根材の場合、200cm×100cm×1.5cm程度として様々であるが、通常、180cm×90cm×1cm程度である。下記の表1は、前記板状の廃スレートの比表面積を計算したものである。
Figure 0005889348
前記表1に示されているように、板状の廃スレートのサイズ変化によって、比表面積の差は大きくないことが分かる。
例えば、平均粒度が、325メッシュ(40マイクロン)を基準に1であると仮定した場合、化学量論的な量分のシュウ酸を投入すると、蛇紋石とシュウ酸は、1:1.4の重量比で混合されて反応することになり、蛇紋石1000g当たり、シュウ酸が1400g必要であるが、5mmの蛇紋石の場合、シュウ酸を約10g投入して無害化させることができる。前記投入量は、5mm蛇紋石の表面全体を石綿として仮定したことであり、実際は、より少ない量をもって無害化させることができる。前記石綿含有物質に対するシュウ酸の重量比が0.002未満の場合は、石綿が完全に無害化されない虞があり、1.0を超える場合は、工程効率に比して過量のシュウ酸が使用されて、経済的な側面において非効率的である。
前記石綿含有物質に含まれた石綿とシュウ酸とを反応させる場合、シュウ酸は、ドライ状態、又は水道水、蒸溜水、及び脱イオン水からなる群から選ばれる1種以上で希釈して使用されることができる。ドライ状態でシュウ酸を用いると、石綿含有物質と均一に混合され難いが、水道水、蒸溜水、又は脱イオン水で溶解して使用すると、石綿含有物質に均一に混合及び塗布されることができ、石綿含有物質と選択的に反応することができるので、水道水、蒸溜水、及び脱イオン水からなる群から選ばれる1種以上で希釈して使用することが好適である。
次に、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法は、前記石綿含有物質とシュウ酸とを混合した後、90〜110℃で熱処理するステップ(S20)を含む。
前記熱処理は、90〜110℃で、30分間行われる。前記熱処理温度は、50℃でも可能であるが、3−4日間、待機しなければならないという問題があるため、現場の適用には問題が生じ、110℃を超える場合は、加熱のために、過量のエネルギーが必要であり、工程コストが増加するという問題がある。
前記石綿含有物質をシュウ酸と混合することになると、下記の化学式1のような反応が起こり、低温熱処理温度で石綿含有物質での石綿は、マグネシウムオキサレートが形成されるキレート反応が起こり、マグネシウムオキサレートが形成されながら、二酸化ケイ素と水を発生させる中和反応が起こる。ここで形成されたマグネシウムオキサレートは、その形状が六面体構造を有する四角柱状であって、繊維状の石綿とは構造が異なる。
(化1)
Mg3Si2O5(OH)4+3C2H2O4=3MgC2O4+2SiO2+10H2O
実施例1:蛇紋石から石綿除去1
蛇紋石原鉱が約3〜5mmのサイズとなるように、破砕及び湿式粉砕した。
図2は、蛇紋石原鉱を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図2(b)は、図2(а)の高配率拡大写真である。
蒸溜水100ccでシュウ酸(C2H2O4・2H2O)6.5gを溶解した溶液20ccと蛇紋石20gを、アルミナ反応容器に入れた後、100℃の電気炉で約30分間低温熱処理して、蛇紋石を無害化させた。
実施例2:蛇紋石から石綿除去2

シュウ酸6.5gを溶解した溶液を用いたことを除き、前記実施例1と同様な方法で蛇紋石を無害化させた。
実施例3:蛇紋石から石綿除去3
シュウ酸1gを溶解させた溶液を使用したことを除き、前記実施例1と同様な方法で、蛇紋石を無害化させた。
実施例4:廃スレートから石綿除去1
廃スレート板を4〜5mm程度のサイズに破砕及び湿式粉碎し、顕微鏡で破砕及び粉砕した廃スレート表面に含まれている石綿の量を測定した。石綿の量は、13%程度であった。前記破砕及び粉砕した廃スレートの比表面積を測定しており、破砕及び粉砕した廃スレート20gとシュウ酸20gが溶解した溶液を混合した後、アルミナ反応容器に入れて、100℃で30分間熱処理して、廃スレートを無害化した。
実施例5:廃スレートから石綿除去2
廃スレート20gとシュウ酸2gが溶解した溶液とを混合したことを除き、前記実施例4と同様な方法で廃スレートを無害化させた。
実施例6:廃スレートから石綿除去3
廃スレート5gとシュウ酸2gが溶解した溶液とを混合したことを除き、前記実施例4と同様な方法で、廃スレートを無害化させた。
実施例7:廃スレートから石綿除去4
廃スレート4500gとシュウ酸45gが溶解した溶液とを混合したことを除き、前記実施例4と同様な方法で、廃スレートを無害化させた。
実施例8:廃スレートから石綿除去5
廃スレート4500gとシュウ酸9gが溶解した溶液とを混合したことを除き、前記実施例4と同様な方法で、廃スレートを無害化させた。
比較例1
廃スレート4500gとシュウ酸5850gが溶解した溶液とを混合した後、アルミナ反応容器に入れて、100℃で30分間熱処理して、廃スレートを処理した。
比較例2
廃スレート20gとシュウ酸26gとを混合し、85℃で熱処理したことを除き、前記比較例1と同様な方法で、廃スレートを処理した。
実験例1:蛇紋石の処理前と後における石綿含量分析
石綿除去前の蛇紋石原鉱に含まれた石綿含量と、本発明による除去方法で処理された前記実施例1乃至4の石綿含量とを調べるために、走査電子顕微鏡(SEM)で分析し、その結果を図3及び図4に示した。
石綿除去前の蛇紋石原鉱に含まれた石綿は、約3%であった。実施例1の場合は、石綿除去後の蛇紋石に石綿が認められなかったので、99%以上の石綿が除去されたことが分かり、殆どの石綿は、菱面体のマグネシウムオキサレートに変化したことを確認した。実施例2の場合も、石綿除去後、蛇紋石に石綿が認められなかったので、99%以上の石綿が除去されたことが分かり、石綿はいずれも、菱面体のマグネシウムオキサレートに変化したことを確認した。実施例3場合は、石綿除去後、0.05%の石綿が認められたので、99%以上の石綿が除去されたことが分かる。
図3及び図4は、本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法で処理された、蛇紋石の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
図3及び図4に示しているように、本発明による除去方法で蛇紋石に菱面体のマグネシウムオキサレートが形成したことが分かる。
実験例2:廃スレートの処理前と後の石綿含量分析
本発明による除去方法で処理された実施例4乃至8の石綿含量を調べるために、X線回折分析(XRD)及び走査電子顕微鏡(SEM)で分析し、その結果を、図5、図6、及び図7に示している。
石綿除去前の廃スレートに含まれた石綿は、約13重量%であった、実施例4の場合は、石綿除去後の廃スレートの表面において、約0.01%の石綿が認められたので、石綿が99.9%除去されたことが分かり、殆どの石綿は、菱面体のマグネシウムオキサレートに変化したことが分かる。実施例5の場合は、処理後の廃スレートの表面において、0.1%以下の石綿が認められたので、石綿が99%以上除去されたことが分かる。実施例6の場合は、処理後の廃スレートの表面において、0.09%以下の石綿が認められたので、石綿が99%以上除去されたことが分かる。実施例7の場合も、処理後の廃スレートの表面において、0.1%以下の石綿が認められたので、石綿が99%以上除去されたことが分かる。実施例8の場合は、0.1%以下の石綿が認められたので、石綿が99%以上除去されたことが分かる。
図5は、本発明による除去方法で処理された廃スレートと、処理前の廃スレートのX線回折分析結果を示すグラフである。図5に示しているように、石綿除去前の廃スレートには、石灰石(calcite)と、石綿の主成分であるクリソタイルが現われたが(図5а参照)、本発明による除去方法で処理された廃スレートには、マグネシウムオキサレートがX線回折分析で現われた(図5b参照)。
図6は、本発明による除去方法で処理された廃スレートと、処理前の廃スレートを示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図6に示しているように、廃スレートの表面には、繊維状の石綿が存在することが分かるが(図6а参照)、本発明による除去方法で処理された廃スレートには、繊維状の石綿が認められていない(図6b参照)。
また、図7は、本発明による除去方法で処理された100%の石綿物質と、処理前の石綿物質を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図7に示しているように、殆どの石綿は、繊維状として存在することが分かり(図7а参照)、本発明による除去方法で処理された石綿物質は、繊維状の石綿が認められていない(図7b参照)。
下記の表2は、前記実施例1乃至8における蛇紋石、廃スレート、及びシュウ酸の量、低温熱処理温度、時間、及び石綿除去率を示したものである。
Figure 0005889348
本発明による低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を99%以上除去する方法に関する具体的な実施例について説明してきたが、本発明の範囲から逸脱しない限度内では、様々な実施変形が可能であることは勿論である。
また、本発明の範囲は、説明した実施例に限定してはいけなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって決められるべきである。
すなわち、前述した実施例は、全ての面で例示に過ぎず、限定的なものではない。また、本発明の範囲は、詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、その特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その等価概念から導出される全ての変更又は変形した形態が、本発明の範囲に含まれるものであると解析されなければならない。

Claims (3)

  1. 0.1〜30mmのサイズに破砕又は粉砕された自然産蛇紋石、又は、1×1mm〜1×1mのサイズに破砕又は粉砕された廃スレートとシュウ酸とを1:0.002〜1:1の重量比で混合した後、90〜110℃で熱処理して、前記石綿含有物質における繊維状の石綿から六面体構造のマグネシウムオキサレートを形成させて石綿の99%以上が除去されることを特徴とする低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を除去する方法。
  2. 前記シュウ酸は、水道水、蒸留水、及び、脱イオン水からなる群から選ばれる1種以上に希釈させることを特徴とする請求項1に記載の低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を除去する方法。
  3. 前記破砕は、ジョークラッシャ(Jaw crusher)及びコーンクラッシャ(Cone crusher)で行われ、前記粉砕は、微粉砕機(Pulverizer)で行われることを特徴とする請求項1に記載の低温熱処理を用いた石綿含有物質から石綿を除去する方法。
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