JP4894700B2 - アスベスト含有物の無害化処理方法およびセメントの製造方法 - Google Patents

アスベスト含有物の無害化処理方法およびセメントの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アスベスト廃棄物等のアスベスト含有物を、半導体製造工程から排出されたフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水を用いて効率的に無害化するための処理方法およびこれを用いたセメントの製造方法に関するものである。
アスベスト(石綿)は、天然に生成された鉱物繊維であり、化学的安定性を有するとともに、耐熱性や強度に優れることから、その特性を利用して、これまで耐火被覆材、断熱材、吸音材等として、建築物の壁、天井、床、空調設備等に広く使用されていた。
ところが、近年このアスベストは、化学的な毒性はないものの、その結晶構造が針状であるために、人が吸い込んだ場合に、肺の組織に刺さって排出されずに蓄積し、長期間の潜伏を経て重大な疾病を招来することが指摘されている。
そこで、現在では、多くの建築物等において、飛散のおそれがある壁や天井等に吹き付けられたアスベストや保温材として使用されていたアスベストを除去または撤去する対策が採られており、この結果多量のアスベストが廃棄物として発生している。
ちなみに、この種の飛散のおそれがあるアスベスト廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において特別管理産業廃棄物に指定され、その排出から収集・運搬・処分までの処理基準が定められている。
そして、上記収集・運搬に係る処理基準においては、アスベスト等をプラスチック等の容器に収納するとともに、破損などにより飛散させないように慎重に取り扱うことや、運搬車両の荷台に覆いを掛けるなどの飛散防止対策を講じることが義務づけられている。また、上記処分に係る処理基準としては、プラスチック袋や容器等の耐水性の材料で二重に梱包するか、または十分な量のセメント等によって固形化したうえで所定の場所に直接埋め立て処分を行う方法や、溶融設備を用いて十分に溶融処理することにより無害化したうえで、普通の産業廃棄物として処理することが定められている。
このようなアスベストの処分方法のうち、前者の直接埋め立て処分する方法にあっては、大量のセメントが必要になるとともに、今後想定される排出量に対して、早期の埋め立て地の枯渇が懸念されている。また、後者の溶融設備における中間処理による無害化処分の方法にあっては、アスベストの融点が1500℃前後と極めて高いために、溶融温度によっては、アスベストを完全に無害化することが難しいという問題点があった。
そこで、下記特許文献1においては、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合又は混練し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成るアスベストの無害化処理方法が提案されている。
そして、上記従来の無害化処理方法によれば、フロン無害化処理によって生成されるフッ化カルシウムを融解剤として利用することにより、600℃以下の加熱温度によってもアスベストを分解することができ、低エネルギーでアスベストを無害化処理することができる、とされている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように、上記アスベストの無害化処理方法にあっては、別途、フロン分解無害化装置を用いて、放電によって空気をプラズマ化して超高温(約10、000℃)のアークを発生させ、そこにフロン〔例えば、フロン12(CCl22)〕と水蒸気(H2O)とを送り込んで分解処理する必要があり、大量のアスベスト廃棄物を処理するには、工程や設備が複雑化するとともに、処理費用の高騰化を招くという問題点があった。
また、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合又は混練する際に、アスベストが飛散するおそれがある。このため、別途上記アスベストの飛散防止対策を採る必要があり、処理工程が全体として大掛かりなものになってしまうという問題点があった。
一方、半導体材料や半導体デバイスの製造工程においては、シリコンウエハのエッチングに洗浄液として使用されたフッ酸、珪フッ酸、硝酸、リン酸等のフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水が大量に排出されており、その無害化処理が要請されている。
特開2005−168632号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、半導体製造工程から排出された廃水を利用することにより、アスベストの飛散を確実に防止して、アスベスト含有物を容易に無害化処理することができ、さらには上記廃水についても同時に処理することが可能になるアスベスト含有物の無害化処理方法およびこれを用いたセメントの製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、アスベスト含有物に、工場生産工程から排出されるフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水を加え、当該アスベスト含有物を上記廃水中に浸漬した状態で一定時間静置することにより上記アスベスト含有物中のアスベストの表面に亀裂を生じさせて針状構造を脆性化させるとともに上記廃水と混合された混合物スラリーとし、次いで得られた上記混合物スラリーを中和処理するとともに当該混合液中の上記アスベスト含有物を粉砕することによりアスベストが無害化処理された汚泥とすることを特徴とするものである。
この際に、請求項2に記載の発明は、上記混合物スラリーをカルシウム塩によって中和処理することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の汚泥を、セメント原料を窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程セメント製造設備における上記ロータリーキルンの窯尻部分に投入して加熱処理することを特徴とするものである。
これに対して、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の汚泥を乾燥処理した後に、セメント原料を窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程セメント製造設備における上記ロータリーキルンの窯前側から当該ロータリーキルン内に投入して加熱処理することを特徴とするものである。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の汚泥を、熱分解炉に投入して800℃以上の温度によって加熱処理することを特徴とするものである。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のアスベスト含有物の無害化処理方法を用いたセメントの製造方法であって、上記汚泥をセメント原料とともにロータリーキルンに投入して、上記セメント原料を焼成してセメントとし、かつ上記汚泥を加熱処理して上記セメントの一部とすることを特徴とするものである
請求項1〜6のいずれかに記載の発明においては、先ずアスベスト廃棄物等のアスベスト含有物に、半導体製造工程等の工場生産工程から排出されるフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水を加える。ここで、アスベスト廃棄物等に含まれるアスベストは、蛇紋石族石綿であるクリソタイル(Mg3Si25(OH)4)や、角閃石族石綿であるクロシドライト(Na(Fe,Mg)3Fe2Si822(OH,F)2)、アモサイト((Fe,Mg)7Si822(OH)2)等を主成分とする針状の結晶構造のものであり、酸に浸漬された場合に、上記針状構造の表面に亀裂が生じて脆性化する性質を有する。
したがって、アスベスト含有物に上記混酸の廃水を加えることによって、上記アスベスト含有物中のアスベストの表面に亀裂を生じさせて針状構造を脆性化させることができる。
このようにして得られた混合物スラリーは酸性であるために、次いでこれを中和処理するとともに、さらに混合物スラリー中の上記アスベスト含有物を粉砕する。これにより、亀裂を生じているアスベストの針状構造を破壊して、無害化することができる。
ちなみに、通常、半導体製造工程から排出された上記廃水中には、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化ナトリウム(NaF)、珪フッ化水素酸(H2SiF6)等の化合物としてフッ素(F2)が200〜1,500mg/L含まれるとともに、硝酸が200〜1000mg/L含まれている。その他、上記廃水中には、リン酸が10〜200mg/L含まれており、上記廃水はpH2〜3の値を示す酸性である。そして、これらの成分の中でも、特に、フッ素が排水規制の対象となるために、通常は、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩を添加して、上記フッ素を溶解度の低いフッ化カルシウム(CaF2)等として凝集沈殿させたスラリー状のフッ化物汚泥とし、当該フッ化物汚泥から上記沈殿物を分離除去するなどして処理されている。
そこで、請求項2に記載のように、上記混合物スラリーを中和処理する際に、中和剤としてカルシウム塩を用いれば、汚泥からのフッ化カルシウム等の分離除去が容易になる。
また、上記汚泥を直接処理する場合には、請求項3または4に記載の発明のように、上記汚泥をセメント製造設備におけるロータリーキルン内に投入して処理することができる。
すなわち、上記汚泥はスラリー状であるために、当該汚泥をそのまま処理する場合には、請求項3に記載の発明のように、セメント製造工程におけるロータリーキルンの窯尻部分に直接投入する。すると、窯尻部分は、約900℃の高温雰囲気であるために、先ず上記汚泥中の水分を、上記窯尻部分において瞬時に気化させて排出することができる。他方、上記汚泥中の無害化されたアスベスト含有物を含む固形分は、ロータリーセメン内を窯前側へと送られて行く過程において、焼成温度である約1450℃以上に加熱されつつセメント原料と混合される。この結果、固形分を最終的にセメントの一部として利用することができ、請求項6に記載の発明のように効率的にセメントを製造することができる。
また、予め上記汚泥を乾燥処理すれば、請求項4に記載の発明のように、上記ロータリーキルンの窯前側から内部に投入して加熱処理することもできる。この場合においても、同様に上記アスベスト含有物を、セメント原料の一部として利用することができる。
なお、請求項2に記載の発明のように、上記混合液の中和処理にカルシウム塩を用いた場合には、上記汚泥中に生成するフッ化カルシウムが、もともとセメント製造設備において、セメント原料の焼成時における溶融温度の低温化用として、所定量添加されるものであるために、本来添加すべき上記フッ化カルシウム量の低減化を図ることも可能になる。
さらに、上記汚泥の処理としては、請求項5に記載の発明のように、別途熱分解炉に投入して800℃以上の温度によって加熱処理することもできる。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係るセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の無害化処理方法の第1の実施形態について説明する。
図1は、上記無害化処理方法に用いられる処理システムを示すもので、先ず上記セメント製造設備について説明すると、図1中符号1がセメント原料を焼成するためのセメントキルンである。
このセメントキルン1は、軸芯回りに回転自在に設けられたロータリーキルンであり、図中左方の窯尻部分2に、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられるとともに、図中右方の窯前4に、内部を加熱するための主バーナ5が設けられている。なお、図中符号6は、焼成後のセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラである。
ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、供給管7を介して最上段のサイクロンにセメント原料が供給されるとともに、最下段のサイクロンの底部には、内部のセメント原料をセメントキルン1の窯尻部分2へと送る移送管3aが接続されている。
他方、窯尻部分2には、セメントキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管3bが設けられているおり、最上段のサイクロンの上部から排出された排ガスが、図示されない排気ファンによって排気ライン8を介して排気されて行くようになっている。
そして、上記構成からなるセメント製造設備に、アスベスト含有物の無害化処理設備が併設されている。
図1中符号10は、アスベスト廃棄物等のアスベスト含有物が投入されるホッパ兼静置タンクである。また、符号16は、半導体製造工程から排出されるフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水の貯留タンクである。そして、この貯留タンク16の底部に接続された抜き出管16aが、開閉弁16bを介してホッパ兼静置タンク10の上部に接続されている。
また、このホッパ兼静置タンク10の下部排出口は、大径の開閉手段11を介して湿式ミル12の供給側に接続されている。さらに、この湿式ミル12には、炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)または酸化カルシウム(CaO)等のカルシウム塩を中和剤として湿式ミル12内に供給する供給管13が、開閉弁13aを介して接続されている。
なお、混合ミル12内の混合物における流動性が不足する場合には、図示されない溶媒供給管から、湿式ミル12内に、別途廃液、水、流動剤等が流動性を増加させる溶媒として供給されるようになっている。
他方、この湿式ミル12の排出側には、移送ポンプ14が介装された移送配管15の一端部が接続されており、この移送配管15の他端部は、セメントキルン1の窯尻部分2に導入されている。
次に、以上の構成からなる処理システムを用いた本発明の第1の実施形態について説明する。
先ず、供給管7からプレヒータ3の1段目のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するセメントキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、最終的に最下段のサイクロンから移送管3aを介してセメントキルン1の窯尻部分2に導入される。
そして、このセメントキルン1内において、窯尻部分2側から窯前4側へと徐々に送られる過程において、主バーナ5からの燃焼排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成されてクリンカとなる。次いで、窯前4に到達したクリンカは、クリンカクーラ6内に落下して図中右方に送られる。この際に、クリンカクーラ6内に供給された空気によって所定温度まで冷却されて最終的に当該クリンカクーラ6から取り出される。
一方、アスベスト含有物の処理設備においては、アスベスト廃棄物をホッパ兼静置タンク10内に投入するとともに、開閉弁16bを開いて貯留タンク16内の廃水を抜き出管16aからホッパ兼静置タンク10内に供給する。そして、ホッパ兼静置タンク10内のアスベスト廃棄物を上記廃水中の浸漬した状態で一定時間静置しておく。
すると、混酸の廃水によって、上記アスベスト廃棄物中のアスベストの表面に亀裂が生じて針状構造が脆性化するとともに、上記廃水と混合された混合物スラリーとなる。このようにして得られた混合物スラリーは酸性であるために、次に、開閉手段11を開いて湿式ミル12に送り、かつ供給管13の開閉弁13aを開いて中和剤としてのカルシウム塩を湿式ミル12に供給する。
そしてさらに、湿式ミル12を作動させることにより、上記中和剤による中和処理を促進させるとともに、同時に上記混合物スラリー中に含まれるアスベスト廃棄物を粉砕する。この際に、要すれば、別途流動性を与えるための廃液、汚泥、水または流動剤を供給する。
これにより、ホッパ兼静置タンク10内において亀裂を生じているアスベストの針状構造を破壊して、無害化することができる。またこの結果、湿式ミル12内には、アスベストが無害化された上記アスベスト廃棄物と、中和された廃水との混合物であるスラリー状の汚泥が生成される。
そこで次に、この湿式ミル12から排出されたスラリー状の汚泥を、ポンプ14により移送配管15を通じて約900℃の温度雰囲気下にあるセメントキルン1の窯尻部分2から内部に送る。
これにより、アスベストが無害化されたアスベスト廃棄物を含む混合物スラリー中の水分は、窯尻部分2における約900℃の高温によって瞬時に気化して燃焼排ガスとともにプレヒータ3から排気ライン8へと送られて行く。
他方、上記混合物スラリー中の固形分については、セメント原料と混合されつつセメントキルン1内を窯尻部分2側から窯前4側へと送られて行く過程において、セメント原料の焼成温度である約1450℃以上に加熱され、最終的にセメントの一部として利用される。これにより、セメントが製造される。この結果、半導体製造工程から排出された上記廃水を利用することにより、アスベストの飛散を生じることなく、アスベスト含有物を容易に無害化処理することができ、さらには上記廃水についても同時に処理することができる。
また、湿式ミル12における中和処理にカルシウム塩を用いているために、上記汚泥中に生成するフッ化カルシウムを、セメント原料の焼成時における溶融温度の低温化用として用いることができ、よって本来添加すべき上記フッ化カルシウム量の低減化を図ることもできる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に用いられる無害化処理システムを示すもので、図1に示したものと同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この処理システムにおいては、湿式ミル12の後段に加熱手段17aによって内部が加熱される乾燥槽17が設けられており、湿式ミル12の排出口に接続された移送配管15の他端部が、この乾燥槽17に接続されている。そして、乾燥槽17から取り出された乾燥汚泥が、供給ライン18を介してセメントキルン1の窯前4であって、かつ主バーナ5の上方位置に投入されるようになっている。
上記構成からなる処理システムを用いた第2の実施形態においては、湿式ミル12から排出されたスラリー状の上記汚泥は、移送配管15から一旦乾燥槽17に送られる。そして、この乾燥槽17において、加熱手段17aによる加熱によって乾燥処理されて乾燥汚泥とされたうえで、さらに供給ライン18からセメントキルン1の窯前4側に送られ、内部に投入される。
これにより、乾燥汚泥は、セメントキルン1内における主バーナ5からの火炎近傍において、約2000℃の高温により燃焼される。そして、燃焼された乾燥汚泥は、他のセメント原料と混合されて、同様に最終的にセメント原料の一部として利用される。
したがって、上記第2の実施形態に示す処理方法によっても、上述した第1の実施形態と同様に作用効果を得ることができる。
なお、上記第1および第2の実施形態においては、いずれも湿式ミル12から排出されたスラリー状の汚泥を、そのまま、あるいは乾燥させた後にセメントキルン1内に投入して処理する場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、湿式ミル12から排出された上記スラリー状の汚泥を、別途熱分解炉等に投入して800℃以上の温度によって加熱処理することもできる。
本発明の第1の実施形態に用いられる無害化処理システムを示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に用いられる無害化処理システムを示す概略構成図である。
符号の説明
1 セメントキルン(ロータリーキルン)
2 窯尻部分
4 窯前
10 アスベスト廃棄物等の投入用ホッパ兼静置タンク
12 湿式ミル
13 中和剤の供給管
16 廃水の貯留タンク
16a 廃水の抜き出管
17 乾燥槽
17a 加熱手段

Claims (6)

  1. アスベスト含有物に、工場生産工程から排出されるフッ化水素酸および硝酸を主体とした混酸の廃水を加え、当該アスベスト含有物を上記廃水中に浸漬した状態で一定時間静置することにより上記アスベスト含有物中のアスベストの表面に亀裂を生じさせて針状構造を脆性化させるとともに上記廃水と混合された混合物スラリーとし、次いで得られた上記混合物スラリーを中和処理するとともに当該混合液中の上記アスベスト含有物を粉砕することによりアスベストが無害化処理された汚泥とすることを特徴とするアスベスト含有物の無害化処理方法。
  2. 上記混合物スラリーを、カルシウム塩によって中和処理することを特徴とする請求項1に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  3. 上記汚泥を、セメント原料を窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程セメント製造設備における上記ロータリーキルンの窯尻部分に投入して加熱処理することを特徴とする請求項1または2に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  4. 上記汚泥を乾燥処理した後に、セメント原料を窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側から供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程セメント製造設備における上記ロータリーキルンの窯前側から当該ロータリーキルン内に投入して加熱処理することを特徴とする請求項1または2に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  5. 上記汚泥を、熱分解炉に投入して800℃以上の温度によって加熱処理することを特徴とする請求項1または2に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載のアスベスト含有物の無害化処理方法を用いたセメントの製造方法であって、上記汚泥をセメント原料とともにロータリーキルンに投入して、上記セメント原料を焼成してセメントとし、かつ上記汚泥を加熱処理して上記セメントの一部とすることを特徴とするセメントの製造方法。
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