JP4894806B2 - アスベスト含有物の無害化処理方法およびセメントの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント製造工程を利用して、アスベストを含む廃棄物等を無害化処理するためのアスベスト含有物の無害化処理方法およびこの処理方法を利用したセメントの製造方法に関するものである。
アスベスト(石綿)は、天然に生成された鉱物繊維であり、化学的安定性を有するとともに、耐熱性や強度に優れることから、その特性を利用して、これまで耐火被覆材、断熱材、吸音材等として、建築物の壁、天井、床、空調設備等に広く使用されていた。
ところが、近年このアスベストは、化学的な毒性はないものの、その結晶構造が針状であるために、人が吸い込んだ場合に、肺の組織に刺さって排出されずに蓄積し、長期間の潜伏を経て重大な疾病を招来することが指摘されている。
そこで、現在では、多くの建築物等において、飛散のおそれがある壁や天井等に吹き付けられたアスベストや保温材として使用されていたアスベストを除去または撤去する対策が採られており、この結果多量のアスベストが廃棄物として発生している。
ちなみに、この種の飛散のおそれがあるアスベスト廃棄物については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において特別管理産業廃棄物に指定され、その排出から収集・運搬・処分までの処理基準が定められている。
そして、上記収集・運搬に係る処理基準においては、アスベスト等をプラスチック等の容器に収納するとともに、破損などにより飛散させないように慎重に取り扱うことや、運搬車両の荷台に覆いを掛けるなどの飛散防止対策を講じることが義務づけられている。また、上記処分に係る処理基準としては、プラスチック袋や容器等の耐水性の材料で二重に梱包するか、または十分な量のセメント等によって固形化したうえで所定の場所に直接埋め立て処分を行う方法や、溶融設備を用いて十分に溶融処理することにより無害化したうえで、普通の産業廃棄物として処理することが定められている。
このようなアスベストの処分方法のうち、前者の直接埋め立て処分する方法にあっては、大量のセメントが必要になるとともに、今後想定される排出量に対して、早期の埋め立て地の枯渇が懸念されている。また、後者の溶融設備における中間処理による無害化処分の方法にあっては、溶融温度によっては、アスベストを完全に無害化することが難しいという問題点があった。
これに加えて、上記アスベスト廃棄物として、上述の特別管理産業廃棄物に指定されているもの以外に非飛散性のものも存在しており、この非飛散性のものとして、例えば、石綿ストレートなどの外装材や床タイルであって、アスベストを0.1wt%を超えて含有する石綿含有産業廃棄物がある。
この石綿含有産業廃棄物については、その他の廃棄物と区分して、収集、運搬、積替えを行い、一定の場所で分散しないように埋立処分することが認められているものの、現在、約4000万トンと膨大な量がストックされ、さらに、毎年100万トン以上発生していることから、埋立処分されれば埋め立て地の枯渇が懸念されるだけでなく、再飛散による周辺環境への影響や人的被害の懸念が払拭しきれない。
特に、これらの石綿含有産業廃棄物のうちでも外装材などの石綿含有建材は、その大部分がシリカ分からなることから、建設材料への利用が求められているものの、一般に僅かな石綿を含有するために、再資源化が困難であるという問題があった。
そこで、下記特許文献1においては、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合又は混練し、次いで当該混合物を低温加熱処理して成るアスベストの無害化処理方法が提案されている。
そして、上記従来の無害化処理方法によれば、フロン無害化処理によって生成されるフッ化カルシウムを融解剤として利用することにより、600℃以下の加熱温度によってもアスベストを分解することができ、低エネルギーでアスベストを無害化処理することができる、とされている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように、上記アスベストの無害化処理方法にあっては、別途、フロン分解無害化装置を用いて、放電によって空気をプラズマ化して超高温(約10、000℃)のアークを発生させ、そこにフロン〔例えば、フロン12(CCl22)〕と水蒸気(H2O)とを送り込んで分解処理する必要があり、大量のアスベスト廃棄物を処理するには、工程や設備が複雑化するとともに、処理費用の高騰化を招くという問題点があった。
また、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合又は混練する際に、アスベストが飛散するおそれがある。このため、別途上記アスベストの飛散防止対策を採る必要があり、処理工程が全体として大掛かりなものになってしまうという問題点があった。
特開2005−168632号公報
そこで、本発明者等は、上記アスベスト廃棄物の無害化処理方法について鋭意研究を重ねた結果、アスベスト中の二酸化珪素(SiO2)や酸化マグネシウム(MgO)が、ロータリキルンの窯尻部分から抜き出した塩素化合物を含有する仮焼セメント原料と固相反応し、かつ仮焼セメント原料中の塩素化合物が溶融することによって上記固相反応を促進させるとの知見を得るに至った。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたもので、アスベスト廃棄物等のアスベスト含有物を、ロータリーキルンの窯尻部分から抜き出した仮焼セメント原料を利用して効率的に無害化処理することができるアスベスト含有物の無害化処理方法及びこれを利用したセメントの製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、セメント原料をプレヒータにて予熱して仮焼させた後に、窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側に供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の無害化処理方法であって、上記ロータリーキルンの窯尻部分または上記ロータリーキルンの窯尻側に仮焼セメント原料を供給する上記プレヒータの後段部分から抜き出した塩素化合物を含有する仮焼セメント原料を、アスベスト含有物に主成分として含まれるクリソタイルに対して当該仮焼セメント原料に含まれる酸化カルシウムのモル比が4倍以上となるように上記アスベスト含有物に加えて、混合手段によって混合した後に造粒して塩素濃度が0.36wt%以上の造粒物とした後に、当該造粒物を、再び、上記ロータリーキルンの上記窯尻部分に戻すことを特徴としている。
ここで、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記仮焼セメント原料の塩素濃度が0.3wt%以上であることを特徴としている。すなわち、通常、仮焼セメント原料には塩素化合物が含有されており、仮焼セメント原料の塩素濃度は3000〜20,000ppmである。そこで、仮焼セメント原料の塩素濃度が0.3wt%以上であることとすることによって、塩素化合物などとの混合物であっても、また、後述の塩素バイパスダストやフッ化物汚泥を加えた場合の混合物であっても、この混合物の塩素濃度が少なくとも0.3wt%以上であることとした。
また、仮焼セメント原料は、アスベスト含有物が主成分としてクリソタイルを含有している場合には、下記反応によって無害化されるため、クリソタイルに対して仮焼セメント原料に含まれる酸化カルシウムのモル比が4倍以上になるように加えられる。
Mg3Si25(OH)4+4CaO→2Ca2SiO4+3MgO+2H2
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物とに、さらに上記セメント製造工程から排出される塩素バイパスダストを加えて上記混合手段によって混合することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物とに、さらにフッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥を加えて上記混合手段によって混合することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記アスベスト含有物を粉砕手段によって粉砕した後に、上記仮焼セメント原料を加えて、上記混合手段によって撹拌、混練し、次いで、造粒手段によって上記造粒することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記造粒の際に、上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物との混合物に、バインダーとして塩化ビニル樹脂を含有する廃プラスチックを加えることを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法において、上記造粒物を、加熱した後に上記ロータリーキルンの窯尻部分に戻すことを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法を用いたセメントの製造方法であって、上記アスベスト含有物に、上記ロータリーキルンの窯尻部分または上記プレヒータの後段部分から抜き出した塩素化合物を含有するセメント原料を加えて混合し、次いで、造粒した造粒物を、再び、上記ロータリーキルンの上記窯尻部分に戻して、この造粒物中に含まれている仮焼セメント原料を、その他のセメント原料とともに焼成してセメントとし、かつ上記アスベスト含有物を上記セメントの一部とすることを特徴としている。
なお、本願発明において、窯尻部分とは、ロータリーキルンの窯尻側において当該ロータリーキルンを回転自在に支持する窯尻のケーシングおよびロータリーキルンの上流側に設けられてセメント原料を予熱するプレヒータから上記ケーシングに至る移送管、ならびに上記ロータリーキルンの前段に仮焼炉を有している場合には、この仮焼炉を含む部分を総称するものである。また、プレヒータの後段部分とは、プレヒータを構成している複数のサイクロンのうち内部が800℃以上の高温雰囲気である後段のサイクロンを意味するものである。従って、上記ロータリーキルンの窯尻部分または上記ロータリーキルンの窯尻側に上記仮焼セメント原料を供給する上記プレヒータの後段部分から抜き出した塩素化合物を含有する仮焼セメント原料とは、上述のロータリーキルンの窯尻部分またはプレヒータを構成する後段の800℃以上の高温雰囲気のサイクロンから抜き出した塩化化合物を含有する仮焼セメント原料を意味するものである。
請求項1〜7のいずれかに記載の発明によれば、プレヒータからロータリーキルンの窯尻部分における約800℃以上の高温下にあるセメント原料は、焼成の前段階にあって、いわゆる仮焼された状態にある。そして、この仮焼セメント原料は、セメント原料である石灰石の熱分解により生じた酸化カルシウム(CaO)を多く含んでおり、一部、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化カリウム(KCl)および塩化ナトリウム(NaCl)などの塩素化合物を含有している。
このため、この仮焼セメント原料をアスベスト廃棄物等のアスベスト含有物に加えて混合手段によって混合する際に、混合物が窯尻部分などから抜き出した仮焼セメント原料によって約800℃程度の反応温度以上に加熱されると、上記酸化カルシウム分とアスベスト中の二酸化珪素(SiO2)や酸化マグネシウム(MgO)との固相反応が生じる。それとともに、塩素化合物が融点温度まで加熱されることによって溶融塩となって、アスベスト含有物や酸化カルシウムなどの粒子間に均一に分散される。従って、上記固相反応は、本来反応速度が遅いが、上記溶融塩を介して進行することによって反応速度を速めることができる。これにより、上記固相反応によって、CaMgSiO4(Monticellite)、Ca2SiO4(dicalcium silicate)、MgOなどが生成されて、効率的にアスベストを無害化することができる。
そして、このアスベストが無害化されたアスベスト含有物と仮焼セメント原料とを含む混合物を、造粒して、この造粒物を再びロータリーキルンの窯尻部分に戻すことにより、投入時にロータリキルンからプレヒータ内を上方へと送られる高温ガスに乗って上昇してアスベストが外部に放出されてしまうことを阻止できる。
また、最終的に造粒物中の仮焼セメント原料は、ロータリーキルン内において約1450℃の高温下において焼成されてセメントとなるとともに、無害化されたアスベスト含有物も、当該セメントの一部として利用される。その結果、請求項8に記載の発明のように、効率的にセメントを製造することができるとともに、上記セメント製造工程を用いて、容易かつ確実にアスベスト含有物を無害化処理することができる。
その際、請求項2に記載の発明のように、仮焼セメント原料の塩素濃度が0.3wt%以上である場合には、上記溶融塩の固相反応の促進剤としての作用によって、より確実にアスベスト含有物を無害化することができ、また、請求項3に記載の発明のように、塩素バイパスダストを混合することによって塩素濃度を上げることができるため、上記溶融塩による作用を高めることができる。これは、塩素バイパスダストには塩化カルシウム、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムなどの塩素化合物が一部の酸化カルシウムとともに含まれて、この塩素化合物による塩素バイパスダストの塩素濃度が仮焼セメント原料よりも著しく高いためである。
さらに、上記特許文献1に記載されているように、上記アスベスト含有物に溶解剤としてフッ化カルシウム(CaF2)を加えることにより、Ca4Si272(Cuspidine)などが生成されるため、より確実にアスベストを分解することができる。
このフッ化カルシウムを含む廃水として、半導体製造工場等から排出されるフッ化汚泥がある。詳述すると、半導体製造工場等において、ウエハのエッチング工程から大量に排出されるフッ化水素酸と硝酸を主体とした混酸の廃水は、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩が添加されて、排水処理の対象となる上記フッ素を凝集沈殿させたフッ化物汚泥とされた後に、処理される。このため、このフッ化物汚泥には、上記フッ化カルシウムが多く含まれている。
そこで、請求項4に記載の発明によれば、このフッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥を、上記ロータリキルンの窯尻部分などから抜き出した仮焼セメント原料とアスベスト含有物とに加えて混合すれば、アスベストの無害化を確実に促進させることができる。
この際に、上記アスベスト含有物が塊状をなしている場合には、請求項5に記載の発明のように、予め当該アスベスト含有物を粉砕手段によって粉砕した後に、上記仮焼セメント原料を、さらに必要に応じて塩素バイパスダストやフッ化物汚泥を加えて粉砕、撹拌、混練することが好ましい。これによって仮焼セメント原料とアスベスト含有物とを均一混練させることができ、次いで、造粒手段によって造粒することによって、均一の大きさの造粒物を成形でき、その結果、造粒物のハンドリングの利便性を向上させることができ、安定的にセメント製造工程を用いてセメントを製造できるとともに、アスベストを無害化処理することができる。
また、造粒の際に、請求項6の記載の発明のように、塩化ビニル樹脂を含有する廃プラスチックを加えることによって、造粒物中の塩素濃度を高くして、溶融塩による上記固相反応の促進剤としての作用を効果的に得ることができるとともに、セメント製造工程に戻した際に、燃焼用燃料としても利用できる。
さらに、請求項7に記載の発明によれば、造粒物を上記固相反応や分解反応の反応温度まで加熱することによって、造粒物中のアスベストを、より確実に無害化することができ、この無害化した造粒物をセメント製造工程に戻すことによって、仮焼セメント原料がロータリーキルン内において約1450℃の高温下において焼成されてセメントとなるとともに、無害化されたアスベスト含有物も、当該セメントの一部として利用できる。
以下、本発明に係るセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の処理方法について説明する。
図1は、上記処理方法に用いられる処理システムを示すもので、先ず上記セメント製造設備について説明すると、図1中符号1がセメント原料を焼成するためのセメントキルンである。
このセメントキルン1は、軸芯回りに回転自在に設けられたロータリーキルンであり、その図中左方の端部に、窯尻ハウジング2aおよびその立ち上がり部2bからなる窯尻部分2が設けられている。この窯尻部分2の上流側に、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられるとともに、図中右方の窯前4に、内部を加熱するための主バーナ5が設けられている。なお、図中符号6は、焼成後のセメントクリンカを冷却するためのクリンカクーラである。
ここで、プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンによって構成されており、供給管7を介して最上段のサイクロンにセメント原料が供給されるとともに、最下段のサイクロンの底部には、内部のセメント原料をセメントキルン1の窯尻部分2へと送る移送管3aが接続されている。
他方、窯尻部分2の立ち上がり部2bには、セメントキルン1から排出された燃焼排ガスを最下段のサイクロンへと供給する排ガス管3bが接続されており、最上段のサイクロンの上部から排出された排ガスが、図示されない排気ファンによって排気ライン8を介して排気されて行くようになっている。
そして、上記構成からなるセメント製造設備には、アスベスト含有物の処理設備が併設されているとともに、塩素バイパスと呼ばれる排ガス処理システムが備えられている。
この排ガス処理システムは、セメントキルン1から排出されてプレヒータ3へと送られるダストを含む排ガスの一部を抽気ガスとして抽気して、当該抽気ガスに含まれていた塩素化合物を除去するためのものであり、図中符号20が立ち上がり部2bに接続されて上記抽気ガスを抽気する抽気ダクトである。
そして、この処理システムにおいては、この抽気ダクト20に沿って、順次この抽気ダクト20から抽気された抽気ガスを冷却する冷却器21と、この冷却器21から排気された排気ガスから所定粒度以上のダストを分離するサイクロン型分級機22と、このサイクロン型分級機22において所定粒度以上のダストが分離された抽気ガスから微粉ダストである塩素バイパスダストDを捕集・除去するバグフィルタ23と、このバグフィルタ23の下流側に設けられて抽気ガスを吸引する誘引ファン24とが設けられている。
ここで、冷却器21は、冷却ファンからの冷気や冷却ポンプの冷却水を冷媒として抽気ガスを熱交換させることにより、抽気ガスの温度を塩素化合物の融点(600℃〜700℃)以下に冷却するものであり、サイクロン型分級機22の底部には、分離された所定粒度以上のダストを再び窯尻部分2へと戻す戻り配管25が接続されている。
一方、プレヒータ3の最下段のサイクロンの底部からセメントキルン1へとセメント原料を送る移送管3a(窯尻部分)の中間部には、プレヒータ3において仮焼されてセメントキルン1に送られる800℃以上のセメント原料の一部を取り出す抜き出管13の一端部が接続されている。そして、この抜き出管13には、開閉弁13aが介装されるとともに、この抜き出管13の下端部には、仮焼原料タンク14が接続されており、この仮焼原料タンク14の排出側は、混練機(混合手段)16に接続されている。
この混練機16の導入側には、アスベスト廃棄物が投入されるホッパ11を上流側に配したボールミル12の排出側が配管32を介して接続されており、このボールミル12の導入側には、ホッパ11からアスベスト廃棄物を投入する開閉弁31aを介装した配管31と、給水管30とが接続されている。これにより、ボールミル12は、アスベスト廃棄物に水を加えて粉砕、混合して、アスベスト廃棄物をスラリー状にして混練機16に供給するようになっている。
さらに、上記混練機16の導入側には、バグフィルタ23によって回収した塩素バイパスダストDを供給する供給配管33やフッ化物汚泥の供給配管34がそれぞれ接続されており、さらに、上記混練機16には、内部に換気用空気を導入させる外気導入管35が接続されている。
これにより、混練機16は、ボールミル12から投入されるアスベスト廃棄物と、仮焼原料タンク14から供給される仮焼セメント原料とに、必要に応じて塩素バイパスダストDやフッ化物汚泥を加えて、これらを撹拌、混練するようになっている。
さらに、この混練機16の排出側は、配管37を介して、アスベスト廃棄物や仮焼セメント原料などの混合物をペレット状に造粒させるブリケット成形機(造粒手段)17に接続されている。
このブリケット成形機17の導入側には、上述のアスベスト廃棄物や仮焼セメント原料の混合物が供給される配管37に加えて、さらに塩化ビニルを含有する廃プラスチックが供給される廃プラ供給管36が接続されている。また、ブリケット成形機17には、内部に換気用空気を導入させる外気導入管35が接続されている。
これにより、ブリケット成形機17は、混練機16にて混合された仮焼セメント原料やアスベスト廃棄物などの混合物を造粒するようになっており、このブリケット成形機17の排出側には、この造粒物を、再び、セメントキルン1の窯尻部分2に戻す戻り管38が接続されている。この戻り管38には、加熱装置18が介装されている。
また、この加熱装置18には、その熱源として窯尻部分2の立ち上がり部2bから送気管Aを介して抜き出した約900℃の高温燃焼ガスが導入されており、この加熱装置18の排出側には、ペレットとの熱交換により温度が低下した燃焼ガス及び混練機16やブリケット成形機17を通過した空気を排出する排気管39が接続されている。この排気管39は、HEPAフィルター19が介装されるとともに、このHEPAフィルター19の下流端部が大気中に開放されており、このHEPAフィルター19によって回収された粉塵は、戻り配管26を通じてボールミル12に戻されるようになっている。
また、HEPAフィルタ19を用いない場合には、排気管39の下流端部をセメントキルン1の窯前4であって、かつ主バーナ5の上部近傍に導入してもよい。
次に、以上の構成からなる処理システムを用いた本発明に係るアスベスト含有物の無害化処理方法について説明する。
先ず、供給管7からプレヒータ3の1段目のサイクロンに供給されたセメント原料は、順次下方のサイクロンへと落下するにしたがって、下方から上昇するセメントキルン1からの高温の排ガスによって予熱され、最終的に最下段のサイクロンから移送管3aを介してセメントキルン1に導入される。この際に、窯尻部分2は、約900℃の温度雰囲気になっており、当該窯尻部分2に導入されたセメント原料は、800℃以上の温度を有して仮焼された状態になっている。
そして、この窯尻部分2からセメントキルン1内に送られた上記セメント原料は、セメントキルン1内おいて、窯前4側へと徐々に送られる過程において、主バーナ5からの燃焼排ガスによって約1450℃まで加熱され、焼成されてクリンカとなる。次いで、窯前4に到達したクリンカは、クリンカクーラ6内に落下して図中右方に送られる。この際に、クリンカクーラ6内に供給された空気によって所定温度まで冷却されて最終的に当該クリンカクーラ6から取り出される。
これと併行して、セメントキルン1の窯尻部分2側から、あるいは窯前4側から、下水汚泥やプラスチックフィルムなどの廃棄物が内部に投入され、セメント原料の一部あるいは加熱用燃料の一部として利用される。
このため、各種の廃棄物、特に、プラスチックフィルムなどの合成樹脂からなる廃棄物によって、燃焼時に揮発性を有する塩素成分が発生し、セメントキルン1内から排出される排ガスに同伴して、窯尻部分2の立ち上がり部2bから排ガス管3bを通じてプレヒータ3へと送られていく。そして、プレヒータの上段側移送されるに連れて雰囲気温度が低下して融点以下になると、凝集してセメント原料に付着し、再びセメントキルン1内へと送られるとともに、雰囲気温度の上昇に伴って再度蒸発することになり、セメント焼成設備の系内に取り込まれた塩素成分は、セメントキルン1およびプレヒータ3内で蒸発および凝集を繰り替えして循環し、かつこれに新たに投入される廃棄物から発生する塩素成分が加わることにより、その濃度が上昇して、プレヒータなどにコーチングが生じ、または製造されたセメントクリンカーの品質低下を招きうる。さらに、加熱用燃料の一部として投入される石炭やコークスによって同様にセメント焼成設備内の硫黄成分の濃度も上昇する。
そこで、アスベスト含有物の処理設備においては、セメントキルン1から排出されてプレヒータ3へとダストを含む排ガスの一部を、連続的あるいは間欠的に誘引ファン24を作動させることにより、立ち上がり部2bに接続された抽気ダクト20を通じて、排ガス処理システムに抽気する。
これにより、この抽気ダクト20によって送られた排ガスを、冷却器21によって、塩素化合物の融点(600℃〜700℃)まで冷却した後に、サイクロン型分級機22に送る。そして、5μm〜30μmの範囲内の所定粒度以上のダストを戻り配管25を通じて窯尻部分2へと戻すとともに、この所定粒度以上のダストが分離された排ガスを、バグフィルタ23へと送って、微粉ダストDを捕集除去する。
他方、上記セメント製造設備に搬入されたアスベスト廃棄物をホッパ11内に投入し、開閉弁31aを開くことにより、ボールミル12内に供給する。また、このボールミル12内には、給水管30から水が供給されて、アスベスト廃棄物に水が加えられる。このため、このアスベスト廃棄物は、粉砕されつつ水が加えられてスラリー状になり、配管37を介して、混練機16に供給される。
そして、この混練機16には、開閉弁13aを開くことにより、塩素濃度や硫黄濃度の高くなった800℃以上の仮焼セメント原料が、抜き出管13を通じて仮焼原料タンク14に収容されて放置冷却された後に、導入される。
これにより、この仮焼セメント原料は、混練機16においてスラリー状のアスベスト廃棄物とともに撹拌、混練される。このため、仮焼セメント原料中の酸化カルシウムがアスベスト廃棄物中の水分によって下記反応を生じて消石灰を生成して、混合物の粘度が高くなる。
CaO+H2O→Ca(OH)2
その際、仮焼セメント原料の塩素濃度が低い場合には、供給配管33から塩素バイパスダストDを、好ましくは特願2007−170602において開示した融点が最も低くなるKCl/NaCl(モル比)=0.5〜0.9の範囲内のダストDを供給するとともに、必要に応じて供給配管34からフッ化物汚泥やその他の塩類を供給する。
ここで、上記フッ化物汚泥について詳述すると、当該フッ化物汚泥のうち、処理すべき排水として大量に発生するものは、半導体製造工場等においてウエハのエッチング工程から排出されるフッ化水素酸と硝酸を主体とした混酸の廃水である。そして、この廃水は、特にフッ素が排水規制の対象となるために、一般に炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩を添加して、上記フッ素を凝集沈殿させる処理方法が採用されている。
すなわち、上記廃水中のフッ素は、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化ナトリウム(NaF)、珪フッ化水素酸(H2SiF6)等の化合物となっており、これに上記カルシウム塩として、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を添加することにより、溶解度の低いフッ化カルシウムCaF2 を生成させるものである。
そして、本実施形態においては、上記フッ化カルシウムCaF2を含むフッ化物汚泥を、そのまま混練機16内に導入するのである。
次いで、このアスベスト廃棄物や仮焼セメント原料などの混合物は、配管37を通じてブリケット成形機17に供給されることにより造粒される。その際、廃プラ供給管36から、バインダーとして塩化ビニル樹脂を含有する廃プラスチックを加えてもよい。
そして、この造粒物は、戻り管38を通じて、再び、セメントキルン1の窯尻部分2に戻される。
すると、セメントキルン1内に戻された造粒物は、分解温度や固相反応温度まで加熱されることにより、アスベスト中の二酸化珪素(SiO2)や酸化マグネシウム(MgO)が、酸化カルシウムと固相反応することにより無害化される。それとともに、フッ化カルシウムにより分解されて無害化される。この際に、仮焼セメント原料や塩素バイパスダストDなどによって取り込まれた塩素成分や硫黄成分は、カルシウム塩やアルカリ塩となって溶融して上記固相反応の促進剤として作用する。同様に、造粒の際に、塩化ビニル樹脂によって取り込まれた塩素成分などがカルシウム塩などになって溶融して固相反応の促進剤として作用する。
これにより、上記造粒物中の仮焼セメント原料は、その他の仮焼セメント原料と混合されつつセメントキルン1内において焼成されてセメントになるとともに、アスベスト含有物などの造粒物に含まれるセメント原料以外の成分も、燃焼用燃料や上記セメントの一部として利用される。
なお、上記造粒物を、セメントキルン1の窯尻部分2に戻す前に、戻り管38に介装された加熱装置18にて送気管Aから供給されるセメント製造工程の高温燃焼ガスを利用して一定時間(例えば1時間〜2時間)800℃以上に加熱することにより、アスベストを無害化してもよい。これにより、キルン1内での高温雰囲気による無害化が、より確実なものとなる。
この際に、加熱装置18に供給されたセメントキルン1の高温燃焼ガスなどは、HEPAフィルター19を通じて大気中に放出され、あるいはセメントキルン1の窯前4の主バーナ5の上部近傍に導入される。
このように、上記セメント製造設備を用いて、容易かつ確実にアスベスト廃棄物を無害化処理することができるとともに、セメントを製造することができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に何ら限定されるものでなく、例えば、加熱装置18やHEPAフィルタ19などが設けられていなくてもよく、また、ブリケット成形機17に代えて、RDF製造用に用いられているリング式押出成型機、スクリュー式押出成形機や石臼式押出成形機などを他の造粒手段を用いてもよい。また、混練機16以外の混合手段を用いてもよく、ボールミル12に代えて他の粉砕手段を用いてもよい。さらに、アスベスト廃棄物や仮焼セメント原料に、フッ化物汚泥などを加えなくてもよい。
次いで、実施例について説明する。
[実験例1]
アスベスト廃棄物として、クリソタイルを20wt%含有するケイ酸カルシウム板からなる建材を用意し、次いで、この建材に同重量の水を加えて、ボールミルにて湿式粉砕することにより、スラリーを得た。
このスラリーに、酸化カルシウム61wt%及び塩素0.36wt%を含有する上記建材の9倍の質量の仮焼セメント原料を加えて混練した後に、ブリケット成形機を用いて直径25mm程度の球状の造粒物を得た。この造粒物を、空気雰囲気中の電気炉内で800℃で2時間加熱した後に、X線解析法および位相差顕微鏡による分散染色法により、クリソタイルが無害化されたことを確認した。
なお、クリソタイル(Mg3Si25(OH)4)は、下記反応によってMgOにまで分解される。従って、下記反応で化学量論的にクリソタイル1モルと反応する酸化カルシウムは、4モルであるが、本実験例1では建材の質量:仮焼原料の質量=1:9であることから、クリソタイルのモル数:酸化カルシウムのモル数=1×0.2/276(クリソタイルの分子量):9×0.61/56(酸化カルシウムのモル数)=0.000725:0.09804であって、酸化カルシウム/クリソタイルのモル比が0.09804/0.000725=135.23である。従って、酸化カルシウムは、135.23/4=33.8の計算から、必要な量の約34倍加えられている。
Mg3Si25(OH)4+4CaO→2Ca2SiO4+3MgO+2H2
このように多量の酸化カルシウムを加えたのは、造粒させる際に、上記建材と同重量の水分量を加えることによって適した粘度に調整されるためであり、また、アスベストに対する仮焼原料の接触の確実性を高めて上記反応を進行させるために、クリソタイルに対するモル比で4倍以上となることが望ましく、一般にアスベストの処理量に対してセメントの生産量が膨大であることから、容易に用意できるためである。
また、仮焼セメント原料は、酸化カルシウム(CaO)を含み、水と反応して消石灰(Ca(OH)2)を生成するため、バインダーを加えなくても建材を含む混合物に対して10〜15wt%の水を加えることにより、ブリケット成形機などの高圧造粒機を用いてブリケット状の造粒物が形成可能であるが、必要に応じて強度を補うために内割りで10wt%のセメントや3〜4wt%ベントナイトを加えてもよい。
[実験例2]
まず、仮焼原料A、Bおよび塩素バイパスダストを用意して、これらの塩素および酸化カルシウムの割合をそれぞれ調べて、表1に示した。
Figure 0004894806
次いで、これらの原料と、アスベスト廃棄物としてのクリソタイル1.5gとを、表2に示す割合でそれぞれ配合し、次いで、少量の水を加えて混練することにより、ペレット1〜4を成形した。
Figure 0004894806
なお、クリソタイルをMgOに分解するのに必要な酸化カルシウムのモル数はクリソタイルの4倍となるが、クリソタイルを充分に反応させて分解させるべく、表2の最右欄に示したCaO/クリソタイルのモル比がその1.5倍の6程度になるように配合した。
次いで、No.1〜4のペレットを、空気雰囲気下にて800℃で2時間加熱した後に、X線回析法および位相差顕微鏡による分散染色法により、クリソタイルの観察をして無害化判定を行った結果を表3に示す。
Figure 0004894806
クリソタイル中の結晶水の脱水によって生じるフォルステライト(Mg2SiO4)は、繊維状であり、人体に対して有害である可能性を残している。表3から判るように、No.1のペレットには、そのフォルステライトのピークが検出されており、また、分散染色法によってクリソタイルの繊維が7本検出された。
従って、塩素濃度が0.36wt%以上であれば、より確実にアスベストを無害化することができる。
本実施形態に用いられる処理システムを示す概略構成図である。
符号の説明
1 セメントキルン(ロータリーキルン)
2 窯尻部分
3 プレヒータ
3a 移送管(窯尻部分)
4 窯前
11 アスベスト廃棄物等の投入用ホッパ
12 ボールミル(粉砕手段)
13 仮焼セメント原料の抜き出管
16 混練機(混合手段)
17 ブリケット成形機(造粒手段)

Claims (8)

  1. セメント原料をプレヒータにて予熱して仮焼させた後に、窯前側に設けられた加熱手段によって内部が高温雰囲気に保持されたロータリーキルンの窯尻側に供給して、上記窯前側に送りつつ焼成するセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の無害化処理方法であって、
    上記ロータリーキルンの窯尻部分または上記ロータリーキルンの窯尻側に仮焼セメント原料を供給する上記プレヒータの後段部分から抜き出した塩素化合物を含有する仮焼セメント原料を、アスベスト含有物に主成分として含まれるクリソタイルに対して当該仮焼セメント原料に含まれる酸化カルシウムのモル比が4倍以上となるように上記アスベスト含有物に加えて、混合手段によって混合した後に造粒して塩素濃度が0.36wt%以上の造粒物とした後に、当該造粒物を、再び、上記ロータリーキルンの上記窯尻部分に戻すことを特徴とするセメント製造工程を用いたアスベスト含有物の無害化処理方法。
  2. 上記仮焼セメント原料は、塩素濃度が0.3wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  3. 上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物とに、さらに上記セメント製造工程から排出される塩素バイパスダストを加えて上記混合手段によって混合することを特徴とする請求項1または2に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  4. 上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物とに、さらにフッ化カルシウムを含むフッ化物汚泥を加えて上記混合手段によって混合することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  5. 上記アスベスト含有物を粉砕手段によって粉砕した後に、上記仮焼セメント原料を加えて、上記混合手段によって撹拌、混練し、次いで、造粒手段によって上記造粒することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  6. 上記造粒の際に、上記仮焼セメント原料と上記アスベスト含有物との混合物に、バインダーとして塩化ビニル樹脂を含有する廃プラスチックを加えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  7. 上記造粒物を、加熱した後に上記ロータリーキルンの窯尻部分に戻すことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに1項に記載のアスベスト含有物の無害化処理方法を用いたセメントの製造方法であって、
    上記アスベスト含有物に、上記ロータリーキルンの窯尻部分または上記プレヒータの後段部分から抜き出した塩素化合物を含有するセメント原料を加えて混合し、次いで、造粒した造粒物を、再び、上記ロータリーキルンの上記窯尻部分に戻して、この造粒物中に含まれている仮焼セメント原料を、その他のセメント原料とともに焼成してセメントとし、かつ上記アスベスト含有物を上記セメントの一部とすることを特徴とするセメントの製造方法。
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