JP4515865B2 - 無機質系廃材の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建材・土木分野を始めとする広範囲な分野で使用されてきた無機質系材料の廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内に投入して加熱処理することにより、安定した性能を有するセメントとして再生するための処理方法に関するものである。
特許文献1には、コンクリート廃材を主原料とし、該主原料に対してカルシウムを含む補助成分を添加して、800〜1300℃の温度で焼成処理することを特徴とする水硬性材料の製造方法が開示されている。しかし、コンクリート廃材の組成は様々であるから、成分調整を行うことは容易ではなく、また、得られる水硬性物質の性能は、カルシウム分以外の成分による影響も大きいため、安定した性能を有する水硬性物質を得にくいという問題がある。
特許文献2には、ロータリーキルンを用いたセメントの製造方法であって、前記ロータリーキルン内の焼成帯において石綿廃材、及びセメント原料を処理することを特徴とするセメント製造方法が開示されている。しかし、無機質系材料の廃材をセメント原料とともにロータリーキルン等のセメント製造用キルンに投入して加熱処理を行い、セメントとして再生する場合、得られたセメントが安定した性能を有することが重要であるが、特許文献2には、どのようにしたならば安定した性能を有するセメントを得ることができるかについて何等開示されていない。
特開2003−201156号公報 特開平9−86982号公報
従って、本発明の課題は、建築物や構築物に広く使用されてきた無機質系材料について、その廃材を資源として再利用するために、該廃材を、成分調整を行うことなく、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルンを用いて加熱することにより、安定した性能を有するセメントとして再生するための処理方法を提供することにある。
本発明者は、無機質系材料の廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内に投入して焼成し、セメントとして再生しようとした場合、廃材を粉末化してセメント原料とともにセメント製造用キルンに投入すると、廃材の組成およびそのバラツキが、焼成により形成されるセメント鉱物の種類と比率に大きな影響を与え、従って、得られるセメントの性能が低下したり性能のバラツキが大きくなるのに対して、廃材の寸法を所定の範囲に寸法調整したうえでセメント原料とともにセメント製造用キルンに投入すれば、廃材はセメント製造用キルン内でセメント原料とはほとんど反応せずに、セメント原料はセメント原料として焼結して焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結して焼結体を形成し、両者が混在した焼結体となるので、この焼結体をキルンから取り出して粉末化してセメントとすれば、セメント原料が焼結して得られた焼結体からは通常のセメントを得ることができ、一方、廃材が焼結して得られた焼結体の粉末は水硬性を有する増量材となり、且つ粉末化の工程において両者は混合され均一化するので、セメント製造用キルン内に投入するセメント原料と廃材との比率を一定の範囲内とすれば、廃材の成分調整を行わなくとも、セメントとして十分な性能を有し且つ性能のバラツキの小さいセメントを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、無機質系材料の廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内に投入して、加熱処理することによりセメントに変換してなる無機質系材料の廃材の処理方法において、廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値がセメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整し、寸法調整された廃材の含水率を2〜20%に調整し、廃材とセメント原料との合計量に占める廃材の比率が乾燥状態における質量比率で1〜20%の範囲とし、廃材をセメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入し、1000〜1500℃で20〜60分間加熱処理して焼結体を得、得られた焼結体を粉末化することを特徴とする。
また、本発明は、最小値が1mm以上で最大値がセメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整した無機質系材料の廃材が、寸法が1mm未満である無機質系材料の廃材を、無機質バインダーを用いて固化処理してなるものであることを特徴とする。
また、本発明は、無機質系材料の廃材の寸法の最大値が200mm未満であることを特徴とする。
また、本発明は、無機質系材料の廃材が石綿を含有するものであることを特徴とする。
また、本発明は、寸法調整された廃材の含水率を調整した後、廃材の乾燥状態における質量として5〜30kg/袋の範囲で袋詰めし、袋詰めした廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入し、1000〜1500℃で30〜60分間加熱処理することを特徴とする。
本発明になる無機質系廃材の処理方法によれば、無機質系材料の廃材を、成分調整を行うことなく、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルンを用いて加熱することにより、安定した性能を有するセメントとして再生することができる。
本発明において、無機質系材料とは、マトリックスが無機物質で形成された材料をいい、必要に応じて補強材(繊維類を含む)や充填材等が使用された材料である。例えば、コンクリート類、繊維強化セメント板やけい酸カルシウム板等の成形板、ALC、レンガ、屋根用スレート、瓦等をあげることができる。なお、補強材や充填材として有機材料を使用した場合であっても、マトリックスが無機物質であれば無機質系材料に含まれる。
まず、セメント製造用キルンによるセメントの一般的な製造方法について、代表的なキルンである予熱装置付ロータリーキルンを使用する場合を例に説明する。なお、本発明に使用するキルンはロータリーキルンに限定されるものではない。
原料としては、石灰石を主体とし、他に粘土、珪石、鉄原料等が用いられる。粗砕、混合、微粉砕されたセメント原料は、先ず予熱装置(プレヒーター)に投入されて加熱され、次いでロータリーキルンに投入されて焼成される。予熱装置に投入されたセメント原料は、予熱装置内を下降しながら800〜900℃に加熱される。予熱装置内におけるセメント原料の加熱は、予熱装置内に熱風を送り込むことにより行われる。予熱装置で加熱されたセメント原料はロータリーキルンに送られ、ロータリーキルン内を1分間に2〜3回転し出口方向に移動しながら約1450℃程度の高温で焼成されて焼結体(セメントクリンカー)となりロータリーキルンから取り出される。ロータリーキルン内でのセメント原料の焼成は、ロータリーキルンの窯前(焼結体が取り出される側)方向から窯尻(セメント原料が投入される側)方向に向けて、微粉炭を燃焼させてロータリーキルン内に送り込むことにより行われる。ロータリーキルン内の温度は、窯尻で1000℃程度であり、最高温度が1400〜1500℃であり、窯前が1200℃程度である。ロータリーキルンから取り出された焼結体は、冷却機に送られて空気により冷却される。このようにして得られた焼結体にセメントの凝結時間調整を目的として石膏が必要に応じて加えられ、仕上げ粉砕機(仕上げミル)で粉砕されてセメントが得られる。なお、予熱装置およびロータリーキルンから排出された熱風の排気は、集塵機によりその中に含まれる粉塵が集塵される。
無機系材料の廃材(以下、単に廃材と記す)をセメント原料とともにロータリーキルンに投入し、セメントの焼成条件によって焼成した場合、廃材の組成は様々であるので、両者が反応して焼結体を形成すると、焼結反応が部分部分で異なるものとなり、生成されるセメント鉱物の種類およびその比率にバラツキを生じやすくなるので、焼結体を粉末化してセメントを得た場合、得られたセメントの性能が低下したりバラツキが大きくなるという問題がある。本発明のとおり、廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値がロータリーキルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整しておくことにより、廃材をセメント原料とともにロータリーキルンに投入した場合であっても、廃材とセメント原料との反応は両者の接触面の一部に限定され、セメント原料はセメント原料として焼結してセメント鉱物からなる焼結体を生成し、一方、廃材はその表面にはセメント原料が付着することはあっても、廃材の各粒がそれぞれ個々に焼結して焼結体を形成するので、セメント原料と廃材とが反応して形成される焼結体は微量である。従って、焼成を完了しロータリーキルンから取り出された焼結体は、セメント原料と廃材とが反応して形成された焼結体ではなく、セメント原料が焼結し通常のセメント鉱物を形成した焼結体と、廃材の各粒がそれぞれ個々に焼結して形成された焼結体とが混在した状態となっている。セメント原料によって形成された焼結体を粉砕して得られたセメントは本来のセメントであり、一方、廃材の焼結体を粉砕すれば本来のセメントよりも性能は低いものの水硬性を有する粉体となり、セメントの増量材として取り扱うことができる。従って、ロータリーキルン内に投入するセメント原料と寸法調整された廃材との比率を所定の範囲内とすることにより得られた、両者が混在した状態の焼結体を粉末化すれば、粉末化の工程において両者は均一化されて、安定した性能を有するセメントを得ることができる。なお、焼結体を粉末化する際に、得られるセメントの凝結時間調整を目的として必要に応じて石膏を添加できることはいうまでもない。
廃材の寸法が1mm未満であると、セメント原料と廃材とがロータリーキルン内で反応して焼結体を形成するので、得られたセメントの性能が低下したりバラツキが大きくなるので好ましくない。また、廃材の寸法がロータリーキルンの内径の1/10を上回ると、ロータリーキルン内への廃材の投入が行いにくくなるので好ましくない。更に、廃材を加熱処理して焼結させるためには、廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内とすることが重要である。表面までの最短距離が30mmを上回る個所があると、通常のセメント製造におけるロータリーキルンの稼働条件では、その個所への加熱が不十分となって焼結されない可能性があり、得られるセメントの性能の低下やバラツキの原因となることがある。
廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値がロータリーキルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整するための装置や方法は特に限定されるものではない。廃材の寸法がロータリーキルンの内径の1/10を上回る場合には、例えばハンマークラッシャー、鬼歯クラッシャー等の公知の粉砕装置を使用して廃材を粉砕し、ふるい分けを行って前記条件を満足するように寸法調整すればよい。ロータリーキルンを含め実際に稼動しているセメント製造用キルンは内径が2.5m以上であるので、最大寸法を250mm以下となるように廃材の寸法を調整しておけば、通常のセメント工場で本発明を実施することができる。ふるい分けにより廃材の寸法がロータリーキルンの内径の1/10を上回った廃材については、再度粉砕してふるい分けを行えばよい。廃材を粉砕する際には、粉塵の発生を抑制するために、廃材に散水しながら粉砕を行うことも有効である。また、寸法が1mm未満の廃材については、セメント等の無機質バインダーと水とを加えて混合し、造粒等を行って固化させることにより、寸法が1mm以上セメント製造用キルンの内径の1/10以下となるように寸法調整すればよい。また、廃材を粉砕する場合には、粉砕装置には当然に集塵機を備えておく必要があり、この集塵機で集塵された廃材の粉塵も廃材に該当する。この粉塵も、寸法が1mm未満に該当するものが大半であるので、前記のとおりセメントおよび水とともに混合し造粒等を行って固化させ、寸法が1mm以上セメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整すればよい。なお、粉砕して寸法調整した廃材の表面には、粉砕時等に発生した廃材の微粉が多少付着しているが、この微粉は少量であり、ロータリーキルン内での焼成に与える悪影響は小さいので、付着していても特に問題はない。
廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内とするためには、例えば、ベルトコンベア上に60mmの間隔を設けたスリットを設け、廃材をベルトコンベアで移動させながらこのスリットを通過させればよい。通過できなかった廃材は、前記のセメント製造用キルンの内径の1/10を上回る場合と同様、スリットを通過するまで再粉砕すればよい。なお、廃材が板状のものである場合、板の厚さが60mm以内であれば、廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内という要件は自動的に満足される。
セメント原料は、ロータリーキルンへの投入に先だって、予熱装置に投入されて加熱されるが、通常のセメント製造設備における予熱装置は、粉体状の原料を予熱する構造となっている。従って、寸法調整された廃材は、予熱装置は経由せずにロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内へ投入され、一方、セメント原料は、予熱装置を経由してロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内へ投入される。
廃材とセメント原料との合計量に占める廃材の比率は、乾燥状態における質量比率で20%以下が好適である。セメント原料はロータリーキルンへの投入に先だって予熱装置で予熱されるが、廃材は予熱装置を経由せずロータリーキルン内に投入されるので、廃材の比率が20%を上回ると、ロータリーキルン内の温度が不安定になり、セメント原料および廃材の焼成が不十分になる危険があるからである。また、本願は、廃材の処理を目的とするものであるから、廃材の質量比率が1%を下回ると、技術的には何等問題はないが、廃材を処理する効率が低下するので、本願の趣旨にはそぐわない。
また、廃材の含水率を20%以下に調整しておくと、更に好適である。すなわち、廃材の含水率が20%を上回ると、廃材をロータリーキルン内に投入したときに、廃材に含まれる水分が急激に水蒸気に変わる際の体積膨張により廃材が爆裂しやすくなるからである。廃材が爆裂すると微粉を生じやすくなり、該微粉とセメント原料とが反応した焼結体を形成しやすくなる。また、ロータリーキルン設備へも悪影響を与える危険がある。なお、本願における含水率とは、(水を含んだ状態における対象物の質量−乾燥状態における対象物の質量)/乾燥状態における対象物の質量×100(%)を意味する。
予熱装置で加熱されたセメント原料とともにロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内に投入された廃材は、ロータリーキルン内で回転しながら1000〜1500℃で20〜60分間加熱処理される。この加熱処理の範囲内において、最高温度を1200℃以上とするとともに1200℃以上の温度で加熱される時間を15分以上とするのが好適である。この加熱処理により、セメント原料および廃材は、それぞれ焼成されて焼結体を形成する。前記加熱処理に関する温度および時間の条件は、一般的なセメントの焼成条件であるので、通常のセメントを製造する条件で廃材を処理することができる。1000〜1500℃で加熱処理する時間が20分未満であると、廃材の焼成が不十分となるばかりでなく、セメント原料の焼成も不十分となる場合があるので望ましくない。また、1000〜1500℃での加熱処理を、60分を上回る時間実施してもコスト高となるだけにすぎない。
このようにして得られた焼結体は、通常のセメント製造の場合と同様、ロータリーキルンから取り出され、冷却機において冷却された後粉末化されるとともに均一化され、安定した性能を有するセメントとなる。なお、粉末化する際に、得られるセメントの凝結時間調整を目的として必要に応じて石膏を添加することができることはいうまでもない。
ところで、従来の無機質系材料の補強材として広く使用されてきた原料に石綿がある。石綿は健康への影響が指摘されている物質であるから、石綿を含有するまたは石綿を含有している可能性のある廃材を処理する場合には、性能の安定したセメントを得るだけではなく、得られたセメント中に石綿が残存しないように処理し、更に、ロータリーキルンから排出される熱風の排気中に石綿粉塵が混入しないように処理するのが好適である。廃材が石綿を含有している場合であっても、廃材をロータリーキルン内で完全に焼成することができれば、含有されている石綿を非石綿化するとともに、安定した性能を有するセメントとして再生することができる。
そこで、本発明では、廃材が石綿を含有しまたはその可能性のあるときは、廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値が200mm未満であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整するのがよい。寸法が200mm以上であると、ロータリーキルン内での加熱処理により廃材中の石綿が完全に非石綿化処理されず、得られたセメント中に石綿として残存することがある。従って、含有されている石綿を完全に非石綿化しなければならない場合には、廃材の寸法の最大値を200mm未満となるように寸法調整するのが好適である。また、廃材に含有されている石綿を完全に非石綿化するには、ロータリーキルン内における1000〜1500℃での焼成を30分以上行うのが好適である。更に、廃材を処理する際に石綿粉塵がロータリーキルン外に排出されないようにするためには、寸法調整した廃材の含水率を2〜20%に調整し、廃材の乾燥状態における質量として5〜30kg/袋の範囲で袋詰めし、袋詰めされた廃材を、セメント製造用原料とともにロータリーキルン内にロータリーキルンの窯尻から投入して焼成するのが好適である。
また、石綿を含有する廃材の含水率が20%を上回ると、ロータリーキルン内に廃材を投入したときに廃材が爆裂しやすいことは前記したとおりである。廃材が爆裂すると微粉化し、セメント原料と反応して焼結体を形成しやすくなるので、安定した性能のセメントを得にくくなるばかりでなく、爆裂した際に石綿粉塵が発生しやすくなり、発生した石綿粉塵が熱風の排気とともにロータリーキルンの外へと運び出される危険性があるので好ましくない。また、石綿を含有する廃材の含水率が2%を下回る場合、ロータリーキルンの窯尻から廃材をロータリーキルン内に投入したときに石綿粉塵が発生し、熱風の排気とともにロータリーキルンの外へと運び出される危険性があるので、廃材の含水率を2%以上とするのが好適である。
ロータリーキルンには集塵装置が備えられており、ロータリーキルンから排出された熱風の排気は集塵される。従って、熱風の排気中に石綿粉塵が混入しても、石綿粉塵がセメント工場の外部に排出されることはないが、集塵した粉塵中の石綿粉塵は飛散しやすい状態にあり、その処理にコストと手間とを要することになることから、熱風の排気中には石綿粉塵が混入しないようにするのが望ましい。
また、廃材が石綿を含有する場合には、寸法調整および含水率調整を行った廃材を、廃材の乾燥状態での質量として1袋あたり5〜30kgの範囲で袋詰めし、予熱装置で加熱されたセメント原料とともにロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内に投入すれば、石綿粉塵の発生を防止するうえで、更に好適である。袋体としては、可燃性のものであって、廃材の袋詰めを行いやすく、廃材を袋詰めした後のハンドリング性に優れたものが好適であり、例えば厚さが0.1〜0.3mmの、ポリエステル等の樹脂、土嚢袋、ラミネート紙付クラフト紙製の袋体等をあげることができる。袋詰めされる廃材の1袋あたりの質量が30kgを上回ると、作業効率が低下することから好ましくない。また、袋詰めされる廃材の1袋あたり廃材の質量が5kgを下回ると、袋詰めに要するコストが高くなるので好ましくない。
予熱装置で加熱されたセメント原料とともにロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内に投入された袋詰めされた廃材は、袋体が燃焼してロータリーキルン内に露出するとともに、廃材中の水分が蒸発する。一方、窯前方向から微粉炭を燃焼させてロータリーキルン内に送り込まれた熱風は、ロータリーキルンの窯尻側から排出され、集塵装置により熱風中の粉塵が集塵されるが、廃材を前記した条件に調整しておくことにより、廃材が石綿を含有する場合であっても、集塵された粉塵中には石綿粉塵が含まれることはない。ロータリーキルンから排出される熱風の中に石綿粉塵が含まれていると、この排気を集塵した粉塵に石綿粉塵が含有されるので、その処理にコストと手間とを要することになる。窯尻からロータリーキルン内に投入された廃材は、ロータリーキルン内を回転しながら窯尻側から窯前側へと移動し、1000〜1500℃で30〜60分間加熱処理され、廃材中の石綿は非石綿化されるとともに、セメント原料および廃材はそれぞれ焼成されて焼結体を形成し両者が混在した焼結体となる。ロータリーキルン内は高温であるので、ロータリーキルン内で石綿粉塵が発生しても極めて短時間で非石綿化されるため、窯尻から廃材を投入した直後の石綿粉塵の発生を抑制することができれば、ロータリーキルンから排出される熱風の排気中に石綿粉塵が含有されることはない。
以下、実施例、比較例および参考例により、本発明をさらに説明する。
(実施例1)
無機質系材料の廃材として、JIS A 5430の附属書2の繊維強化セメント平板(厚さ6mm)を製造した後加工する工程において、加工装置のトラブルにより発生した不良品を使用した。なお、この材料の原料として、石綿は使用されていない。また、キルンとしては、セメントの焼成能力が80トン/時のロータリーキルン(キルンの内径=2.5m)を使用した。
該廃材を、ベルトコンベヤーを介して鬼歯クラッシャーに送って粉砕し、目開きが250mmのふるい分け機で分級し、ふるい上の残分を再度鬼歯クラッシャーに送って粉砕することを繰り返すことにより、最大寸法が250mm未満となるように粉砕した。更に、粉砕された廃材を目開きが1mmのふるい分け機を用いてふるい分けし、ふるい上に残った廃材を集めることにより、廃材の最小寸法が1mm以上であり、最大寸法がセメント製造用キルンの内径の1/10以下の範囲に寸法調整した。粉砕に際しては、粉塵の発生を抑制するために、廃材に散水を行った。
このようにして調整された廃材を、セメント製造工場において、セメント原料とともにロータリーキルンに投入して焼成を行った。セメント原料として石灰石、粘土、および銅カラミを使用し、乾燥状態としての質量比で廃材を10%、セメント原料を90%とした。また、廃材の含水率は15%であった。廃材を、予熱装置で加熱を受けたセメント原料とともに、稼働している長さ60mのロータリーキルンの窯尻から133kg/分の投入量にて連続してロータリーキルン内に投入した。ロータリーキルンの稼働条件は、温度が、窯尻で約1000℃、最高温度1450℃、窯前で1300℃であり、窯尻から投入され窯前から焼結体として取り出されるまでの経過時間は40分であり、1200℃以上の加熱時間は30分であった。ロータリーキルンで加熱処理されて得られた焼結体はロータリーキルンから取り出され、冷却機において冷却された後、通常のセメントの粉砕過程により粉末化された。なお、粉砕に先だって、焼結体に対し、セメント原料に対する質量比率(外割)で3%の石膏を添加した。
得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。
得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値は40.8N/mmであり、標準偏差は1.80N/mmであり、変動係数(標準偏差/平均値)は0.044であった。これらの値を、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較してみると、平均値および変動係数とも差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
(実施例2)
実施例1において、粉砕された廃材を目開きが1mmのふるい分け機を用いてふるい分けしたときのふるいを通過した廃材について、乾燥状態における廃材とセメントとの質量比率が4:1となるようにセメントを添加し、両者の合計質量に対して水を外割で30%添加し、粒径が約20mmとなるように造粒して固化処理した。固化した廃材と実施例1において1mm以上250mm未満の範囲に寸法調整した廃材との質量比率を2:8とした。これ以外の条件は、実施例1と同一として、ロータリーキルンで加熱処理し、得られた焼結体はロータリーキルンから取り出され、冷却機において冷却された後、通常のセメントの粉砕過程により粉末化された。なお、粉砕に先だって、焼結体に対し、セメント原料に対する質量比率(外割)で3%の石膏を添加した。
得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。
得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値40.5N/mmであり、標準偏差=1.78N/mmであり、変動係数=0.044であった。これらの値を、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較してみると、平均値および変動係数とも差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
(実施例3)
ロータリーキルンに投入する廃材とセメント原料との比率を、乾燥状態としての質量比で廃材を15%、セメント原料を85%としたこと以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=36.3N/mmであり、標準偏差=1.67N/mmであり、変動係数=0.046であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値はやや低いもののJIS R 5210に規定された規格値を十分満足するものであり、変動係数には差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
(実施例4)
ロータリーキルンでの加熱処理条件として、窯尻から投入し窯前から焼結体として取り出すまでの経過時間を25分とし、1200℃以上の加熱時間を15分とした以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=38.8N/mmであり、標準偏差=1.67N/mmであり、変動係数=0.043であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値はやや低いもののJIS R 5210に規定された規格値を十分満足するものであり、変動係数には差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
(実施例5)
無機質系材料の廃材として、断熱材として使用された厚さが50mmのけい酸カルシウム板(原料のモル比:CaO/SiO=1、繊維原料はガラス繊維およびパルプ、かさ密度=800kg/m)を使用したこと以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=34.8N/mmであり、標準偏差=1.46N/mmであり、変動係数=0.042であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値は若干低下したものの、JIS R 5210に規定された規格値を十分満足するものであり、変動係数には差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
(実施例6)
廃材として、約25年前に倉庫の外壁として施工され、倉庫の建て替えに伴って廃材となった波形石綿スレート(厚さ6.3mm)の廃材(当時のJIS A 5403の大波板に該当)を使用した。廃材を、粉砕装置として鬼歯クラッシャーを備えた石綿含有廃材粉砕処理場において、ベルトコンベヤーを介して鬼歯クラッシャーに送って粉砕し、目開きが200mmのふるい分け機で分級し、ふるい上の残分を再度鬼歯クラッシャーに送って粉砕することを繰り返すことにより、最大寸法が200mm未満となるように粉砕した。更に、粉砕された廃材を目開きが1mmのふるい分け機を用いてふるい分けし、ふるい上に残った廃材を集めることにより、廃材の最小寸法が1mm以上であり、最大寸法が200mm未満の範囲に寸法調整した。粉砕に際しては、粉塵の発生を抑制するために、廃材に散水を行った。寸法調整した廃材の含水率を10%に調整して、厚さが0.2mmで材質がポリエステルからなる袋体に送り、廃材の乾燥質量として20kgとなるように袋詰めした。ロータリーキルンに投入する廃材とセメント原料との比率を、乾燥状態としての質量比で廃材を10%、セメント原料を90%とし、廃材を袋詰めされたままの状態で、予熱装置で加熱を受けたセメント原料とともに、ロータリーキルンの窯尻からロータリーキルン内に投入された。ロータリーキルンおよびその稼働条件、並びに焼結体の粉砕条件は、実施例1と同一である。
得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成し、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。
得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値41.1N/mmであり、標準偏差=1.73N/mmであり、変動係数=0.042であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値および変動係数とも差異は認められず、安定した性能のセメントを得ることができた。
また、得られた粉体およびロータリーキルンの集塵機で集塵された熱風の排気中の粉塵について、X線回折試験および偏光顕微鏡観察を実施した結果、石綿の回折ピークおよび石綿に該当する繊維状物質は認められなかった。
(比較例1)
廃材の寸法として1mm未満のものを使用したこと以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料と廃材とが反応した焼結体となっていた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=10.2N/mmであり、標準偏差=0.93N/mmであり、変動係数=0.091であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値が明らかに低く、JIS R 5210に規定された規格値を満足しなかった。また、変動係数が明らかに大きく性能のバラツキが大きかった。
(比較例2)
ロータリーキルンに投入する廃材とセメント原料との比率を、乾燥状態としての質量比で廃材を25%、セメント原料を75%としたこと以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成していたが、ともに焼結は不十分であり、特に、廃材については、焼結せずに残存している個所が認められた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=20.8N/mmであり、標準偏差=1.62N/mmであり、変動係数=0.078であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値が明らかに低く、JIS R 5210に規定された規格値を満足しなかった。また、変動係数が明らかに大きく性能のバラツキが大きかった。
(比較例3)
窯尻から投入され窯前から焼結体として取り出されるまでの経過時間を15分とし、1200℃以上の加熱時間を10分とした以外は、実施例1と同一とした。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成しつつあり、廃材は廃材として焼結体を形成しつつあったが、ともに焼結は不十分であり、特に、廃材については、焼結せずに残存している個所が認められた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=13.5N/mmであり、標準偏差=1.51N/mmであり、変動係数=0.112であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値が非常に低く、JIS R 5210に規定された規格値を満足しなかった。また、変動係数が明らかに大きく性能のバラツキが大きかった。
(比較例4)
廃材の含水率を25%としたこと以外は、実施例1と同一とした。廃材をセメント原料とともに投入した際に、廃材に爆裂が発生した。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成していたが、両者が反応した焼結体も多量に認められた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=21.3N/mmであり、標準偏差=1.87N/mmであり、変動係数=0.088であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値が非常に低く、JIS R 5210に規定された規格値を満足しなかった。また、変動係数が明らかに大きく性能のバラツキが大きかった。
(比較例5)
無機質系材料の廃材として、断熱材として使用された厚さが70mmのけい酸カルシウム板(原料のモル比:CaO/SiO=1、繊維原料はガラス繊維およびパルプ、かさ密度=800kg/m)を使用したこと以外は、実施例5と同一とした。従って、ロータリーキルンに投入した廃材には、表面までの最短距離が35mmであるものが多量に含まれていた。得られた焼結体を冷却して観察したところ、セメント原料はセメント原料として焼結体を形成し、廃材は廃材として焼結体を形成したが、廃材の焼結体の中心部に焼結されずに残存した部分が認められた。また、廃材の表面にはセメントと廃材とが反応した焼結部が少量形成されていた。得られた粉体について20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=20.2N/mmであり、標準偏差=1.64N/mmであり、変動係数=0.081であった。これらの値は、参考例(後述)の廃材を添加しない通常のセメントの場合と比較して、平均値が明らかに低く、JIS R 5210に規定された規格値を満足しなかった。また、変動係数が明らかに大きく性能のバラツキが大きかった。
(参考例)
廃材を使用せず、セメント原料のみを使用して、使用するロータリーキルンおよびその稼働条件、並びに焼結体の粉砕条件を実施例1と同一として、セメントを製造した。得られたセメントについて20サンプルを採取し、各サンプルについてJIS R 5201に基づいて、圧縮強さ試験(7日)を実施した結果、平均値=42.1N/mmであり、標準偏差=1.77N/mmであり、変動係数=0.042であった。
本発明になる処理方法によれば、無機質系材料の廃材を、成分調整を行うことなく、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルンを用いて加熱することにより、安定した性能を有するセメントとして再生することができる。

Claims (5)

  1. 無機質系材料の廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内に投入して、加熱処理することによりセメントに変換してなる無機質系材料の廃材の処理方法において、廃材の寸法を、最小値が1mm以上で最大値がセメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整し、寸法調整された廃材の含水率を2〜20%に調整し、廃材とセメント原料との合計量に占める廃材の比率が乾燥状態における質量比率で1〜20%の範囲とし、廃材をセメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入し、1000〜1500℃で20〜60分間加熱処理して焼結体を得、得られた焼結体を粉末化することを特徴とする無機質系材料の廃材の処理方法。
  2. 最小値が1mm以上で最大値がセメント製造用キルンの内径の1/10以下であり且つ廃材内部のどの個所であっても表面までの最短距離が30mm以下の範囲内となるように寸法調整した無機質系材料の廃材が、寸法が1mm未満である無機質系材料の廃材を、無機質バインダーを用いて固化処理してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の無機質系材料の廃材の処理方法。
  3. 無機質系材料の廃材の寸法の最大値が200mm未満である請求項1又は2に記載の無機質系材料の廃材の処理方法。
  4. 無機質系材料の廃材が石綿を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の無機質系材料の廃材の処理方法。
  5. 寸法調整された廃材の含水率を調整した後、廃材の乾燥状態における質量として5〜30kg/袋の範囲で袋詰めし、袋詰めした廃材を、セメント製造用原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入し、1000〜1500℃で30〜60分間加熱処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機質系材料の廃材の処理方法。
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