JP2008271995A - アスベストの無害化処理方法及びその装置 - Google Patents

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正澄 金澤
Junichi Momoshiro
淳一 百代
Sadanori Maeda
定範 前田
Junichi Shinohara
淳一 篠原
Tetsuo Takanami
哲郎 高浪
Kazumichi Yanagisawa
和道 柳澤
Takahiro Ozawa
隆弘 小澤
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Abstract

【課題】難分解物質であるフロンの分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を無害化することで、フロン分解のみならずアスベストの無害化処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの無害化処理方法と装置を提供することを目的とする。
【解決手段】過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスを水スクラバー装置7に導入し、該分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液10を貯留槽11に貯留するとともに、貯留槽11中の水溶液10を水スクラバー装置7に循環供給させ、貯留槽11から水溶液10を供給した処理槽19中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質40を浸漬させて無害化処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、フッ化水素酸と塩酸、特には過熱蒸気を利用してフロン又はハロン或いは六フッ化硫黄等を分解処理した分解ガスを水洗浄して得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を浸潤させて無害化するようにしたアスベストの無害化処理方法及びその装置に関するものである。
アスベストは天然に産する鉱物繊維の一種であって、蛇紋石族のクリソタイル(白石綿)と、角閃石族のクロシドライ(青石綿)やアモサイト(茶石綿)等がある。このアスベストは強度を備えた微細な繊維構造を有し、重さに較べて大きな表面積を持つという特徴があり、更に耐熱性,耐薬品性,絶縁性に優れているため、長年に亘って不燃性の建設資材,電気製品,自動車,家庭用品その他の用途に多用されていた。しかしながら、2004年10月に使用が原則禁止となっている。その理由として、人間が少量でも吸い込むと数十年後に中皮種,石綿肺,肺ガンなどの原因になることが指摘されており、現在では健康破壊物質として、その存在が大きな社会的問題となっており、実用性の高い無害化処理手段の提供が求められている。
アスベストの使用形態としては、単独で使用される場合と複合材料として使用される場合があり、紐,テープ,布などの紡績品では単独で使用され、アスベスト−セメント系複合材料は鉄骨の耐火被覆材の一部に使用されている。従来、これらアスベストを中間処理する場合は許可施設による溶融だけが認められていたが、アスベストは耐熱性が強いので溶融によって無害化処理するには1500℃以上に加熱する必要があり、処理コストが高くなる。そのため、大部分は最終処分場で埋め立て処理するか、溶融後に埋め立て処理されているのが現状である。
更に、近時「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第5号)により、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)が改正され、高度な技術を用いて無害化する処理を行う者を個々に国が認定して廃棄物処理業及び施設設置に係る許可を不要とする制度が創設された。併せて、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」及び「同施行規則」の一部が改正され、アスベスト含有一般廃棄物又はアスベスト含有産業廃棄物の処分又は再生の方法として、前記した溶融処理に加えて「無害化処理認定施設による無害化処理」が認められた。この無害化処理の基準として「X線回折分析法」及び「位相差顕微鏡を用いた分散染色分析法」により分析した結果、アスベストが検出されないことが確実であることが採用されている。
特許文献1には、アスベストの溶融処理経費を大巾に節減し、埋め立て処理後の二次公害防止をはかることを目的として、アスベストに対して、SiOよりもCaOの含有量が多い水処理汚泥を塩基度調整剤兼バインダーとして混合し、混合物のSiOとCaOの重量濃度比率を調整し、比率調整済みの混合物を成形処理し、その成形混合物を炭素系可燃物質で形成した高温炉床に供給して加熱溶融するアスベストの溶融処理法が記載されている。
特許文献2には、炉体と炉蓋とを組み合わせてなり、炉内を密閉にしてなる電気溶融炉を設け、上記炉蓋に炉内外方向に沿って貫通して投入シュートを設け、この投入シュートの炉外に臨む端部に、廃アスベスト材を密閉収容したプラスチック製の収容袋を上記投入シュートへ導くための投入部を設け、この投入部から投入された上記収容袋を上記投入シュートへ押込む押込装置を設け、上記投入シュート内に上記押込装置で押込まれた収容袋を保持させながら下方へ導くシュート路を設け、上記投入シュートの炉内に臨む端に、上記シュート路の下端から上記収容袋を炉内に排出させる排出口を設けた廃アスベスト材の溶融処理装置が記載されている。
特許文献3には、低エネルギでアスベストを確実に無害化できるアスベストの無害化処理方法を提供することを目的として、アスベストとフロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物とを混合し、次いで当該混合物を低温加熱処理する処理方法が開示されている。また、アスベストを含んだ物質とフロン分解物とを混合し、次いで当該混合物を低温加熱処理する。アスベスト含有物質が多孔質の場合には、スラリー状のフロン分解物を含浸させた後に低温加熱処理して無害化している。
特許文献4には、アスベストの結晶構造及び繊維性質を破壊することによって無害化するためのアスベスト処理法と、このような処理に用いるのに有効な溶液を提供することを目的として、アスベスト含有材料を、第一の有機酸及び別のフッ化物イオン源を各々少なくとも1重量%の濃度で含む第一の水溶液の中に、前記アスベスト含有材料中のアスベストの少なくとも90%を非アスベスト物質に転換せしめるに十分な時間浸漬する工程を含んで成るアスベスト含有材料中のアスベストを減少させる方法が提案されている。
一方、従来から冷媒とかスプレー剤として使用されているフロンガス及び消火剤として使用されているハロンガス、或いは六フッ化硫黄ガスは環境汚染物質であるため、これら物質を分解処理するための各種の対処手段が提案されている。本願出願人も特許文献5により、常圧の状態で難分解物質の分解を可能として高温高圧に起因する配管とか排出弁の破損がなく、装置を構成する材質を任意に選択することができる分解処理方法とその装置を提案した。即ち、被分解物タンク内に投入されたフロンと水タンク内に投入された水を配管を通して加熱器に送り込み、予め加熱器に配置された内部ヒータと外部ヒータを働かせて加熱器の内部を500℃〜750℃に加熱しておくことによって過熱蒸気が発生する。分解処理するために必要な過熱蒸気の温度は被分解処理物によって異なるため、それぞれ被分解処理物に応じて設定する。例えばフロンガスの場合は500℃〜750℃、ポリエチレンで400℃前後の過熱蒸気とする。
更に本願出願人は環境汚染物質であるフロンガスとかポリエチレン,プラスチック,木材,更にはベンゼン核を持つ有機化合物及びその他の産業廃棄物等の難分解物質を常圧の状態で分解可能として高温高圧に起因する配管とか排出弁の破損がなく、溶媒として水を用いた場合でも分解率を高めた難分解物質の分解処理方法及びその装置を提供することを目的として、特許文献6により、被分解処理物と溶媒を混合したものを加熱して蒸気を発生させ、該蒸気を更に所定の温度に加熱して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所定の温度に加熱された常圧の反応装置内を所定の反応時間経過させて通過させることにより、被分解処理物を分解処理する難分解物質の分解処理方法を提案した。
特許第3085959号 特許第3359964号 特開2005−168632号 特許第3066976号 特許第3219706号 特許第3219689号
前記したようにアスベストを溶融処理するには、電気炉等によって1500℃前後の高温に加熱しなければならず、施設費と電力費のコストが高くなってしまうという問題がある。また、作業服とか手袋,フィルタ類等の汚染物を埋め立て処理する場合にもアスベストをプラスチック袋に二重に密封入したり、堅固な容器に密封入してセメントなどによって固化して2メートル以上の深さに埋める必要があり、処理費が高くなるとともに時間の経過に伴って固化したコンクリートが破壊してアスベストが地中から流出したり飛散する二次公害発生の惧れがあって、無害化処理の完璧を期すことができないという課題がある。
更に特許文献3等に記載されたアスベストの無害化処理方法は、フロン分解時に発生する炭酸ガスCO,フッ化水素HF,塩化水素HClを中和するため、水酸化カルシウムCa(OH)を中和剤として使用しており、反応により炭酸カルシウムCaCO,フッ化カルシウムCaF,塩化カルシウムCaClが生成して残渣となり、このうちの塩化カルシウムCaClは水に溶けるため、残渣を洗浄すればCaCOとフッ化カルシウムCaFが残る。この残渣とアスベストとを混合して700℃程度で加熱することでアスベストとは異なる物質に変えることができるというものである。しかしながら、フロンの分解過程で同時にアスベストを分解処理することはできず、フロン分解時に発生するHF,HClを中和するための煩雑な工程が必要になるという課題がある。また、塩化カルシウムは洗浄して取り除く必要があり、フロン分解物とアスベストを混合することも必要となる。
特許文献4はフッ化物イオンを含む弱酸を用いてアスベストの結晶構造及び繊維性質を破壊することにより無害化する方法であるため、安全で穏やかな反応であって人的リスクは少ないものの、反応速度が遅いため処理時間は長くなり、処理量を高めるには大型の処理施設を必要とする課題が残っている。また、被分解処理物に酸を直接塗布して無害化する場合には完了時間を明確にすることができず、無害化の基準に適合しているかの検証が困難であるという問題もある。そのため、社会問題となっている大量のアスベスト或いはアスベスト含有物質を効率よく無害化処理するための有効な手段の提供が望まれているところである。
一方、フロンの分解については過熱蒸気を利用した分解手段が有効性の高い手段として評価されているが、この手段においてもフロン分解時に発生するフッ化水素HFと塩化水素HClを含む酸性分解ガスを中和処理することが必要である。
そこで本発明は上記従来の問題点に鑑みて、社会的問題となっている健康破壊物質であるアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を無害化処理するために、フッ化水素酸と塩酸、特には過熱蒸気を利用してフロン等を分解処理した分解ガスを水洗浄することにより得られるフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を用いることにより、フロン分解のみならずアスベストの無害化処理を高効率,低コストで実現できるアスベストの無害化処理方法と装置を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、5%〜40%濃度のフッ化水素酸を浸潤させ、又は5%〜40%濃度のフッ化水素酸に所定濃度の塩酸を添加した水溶液を浸潤させて無害化処理するアスベストの無害化処理方法を基本として提供する。アスベストをフッ化水素酸に浸漬する等して浸潤させて一定時間経過させることにより、アスベストは分解し無害化することを確認した。また、塩酸を添加することにより、その分解速度が向上する。分解作用は5%濃度から効果を生じるが、フッ化水素の濃度が低いと分解に長時間を要するため、効率的な分解のためには20%以上の濃度とすることが好ましく、又40%程度の濃度があれば充分である。また、塩酸の濃度としては15%〜25%程度が適当である。
また、被無害化処理物としてのセメント系物質を含むアスベスト含有物質に、塩酸を浸潤させてセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した後に、フッ化水素酸を浸潤させ、或いは過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスから得た水溶液を浸潤させ、更には過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスから得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を浸潤させて無害化処理する。塩酸単独では濃度を高めたとしても温度を数百度程度まで上げないとアスベストは分解しないが、アスベスト含有物質の多くはセメント成分が混入しており、フッ化水素酸単独の場合は、セメント成分のカルシウムはHFと反応して、セメント粒子の表面でCaFを生成する。このCaFは殆ど水に溶解せず固体のまま残存しアスベスト含有物質の表面を被覆することとなる。そのため、HFが粒子内部に侵入しにくくなり、反応速度が遅くなり、分解に時間を要することとなる。これに対して、HClはセメント成分のカルシウムと反応して可溶性のCaClを生成するため、セメント粒子が塩酸中に溶け出す。そのため、アスベスト含有物質に先に塩酸を浸潤させることにより、アスベスト含有物質はCaClが抜けた後が穴となって、その後に浸潤させるフッ化水素酸の浸潤が容易となり、アスベスト含有物質内部のアスベスト繊維とHFが接触しやすくなり、高い反応速度が得られる。
具体的には、過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスを水スクラバー装置に導入し、該分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を貯留槽に貯留するとともに、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させ、貯留槽に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させ、或いは貯留槽から水溶液を供給した処理槽中に浸漬させて無害化処理する。また、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽で発生した分解ガスを過熱蒸気を利用したフロン分解工程に供給し、水スクラバー装置からの排気ガスをアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽に供給する。更に、フロンに代えて、ハロンや六フッ化硫黄を使用することができる。そして、無害化処理した被無害化処理物を中和槽に導いて、アルカリで洗浄してから系外に廃棄する。
また、分解装置として、5%〜40%濃度のフッ化水素酸を保持する処理槽と、該処理槽に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬する手段、及び5%〜40%濃度のフッ化水素酸に所定濃度、好ましくは15%〜25%程度の塩酸を添加した水溶液を保持する処理槽と、該処理槽に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬する手段を基本として提供する。更に、塩酸を保持する塩酸槽と、該塩酸槽に被無害化処理物としてのセメント系物質を含むアスベスト含有物質を浸漬する手段と、該塩酸槽からセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した被無害化処理物を取り出す手段と、フッ化水素酸を保持するフッ化水素酸槽と、該フッ化水素酸槽にセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した被無害化処理物を浸漬する手段とを有する構成を提供する。
また、過熱蒸気を利用したフロンを分解する手段と、フロン分解時に発生する分解ガスから得た水溶液を被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に浸潤させて無害化処理する手段とを有する構成、過熱蒸気を利用したフロンを分解する手段と、フロン分解時に発生する分解ガスから得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に浸潤させて無害化処理する手段を有する構成を提供する。
より具体的には、過熱蒸気を利用してフロンを分解する反応器と、分解時に反応器から発生する分解ガスを導入する水スクラバー装置と、水スクラバー装置に水を供給して分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を得る手段と、該水溶液を貯留する貯留槽と、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させる手段と、貯留槽中又は貯留槽から水溶液を供給した処理槽中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させて無害化処理する手段とを有する構成、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽で発生した分解ガスを過熱蒸気を利用してフロンを分解する反応器に供給する手段を有する構成、水スクラバー装置からの排気ガスをアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽に供給する手段を有する構成と、フロンに代えて、ハロンを使用する構成、フロンに代えて、六フッ化硫黄を使用する構成、無害化処理した被無害化処理物をアルカリで洗浄する中和槽を有する構成を提供する。
本発明にかかるアスベストの無害化処理方法とその装置によれば、難分解物質であるフロンの分解処理と同時に、フロンの分解によって発生する分解ガスを利用して健康破壊物質として社会問題となっているアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を無害化することが可能である。即ち、環境破壊物質であって難分解物質であるフロンガスの分解処理と同時に健康破壊物質であるアスベストを無害化処理することが可能となる。しかも従来のアスベスト無害化処理のように被無害化処理物を1500℃前後の高温に加熱しなくてもよいため、施設費と電力費等のコストを低廉化することができるとともに、埋め立て処理した場合のようなアスベストの地中からの流出,飛散等二次公害発生の惧れがなくなり、無害化処理の完璧を期すことができる。
アスベストの無害化処理時に、アスベストを浸漬するための貯留槽や処理槽は強制的に加圧も加温もされていないので高圧ポンプや加温設備等は不要であり、高圧や高温に起因する配管等の破損は防止される上、被無害化処理物が外部に飛散する問題は解消され、反応は全て貯留槽や処理槽の中で起こるクローズドシステムであるので二次汚染がないという効果が得られる。無害化されたアスベスト分解物は地中に埋め立て処理するか、各種建築用の骨材として砕石に代えて利用することができる。
更に本発明によれば、貯留槽や処理槽は常圧もしくは微負圧下の比較的低温で工程が進行するため、使用される材質は所定の温度に耐えられるものであればよく、材質を任意に選択することができる上、仮に貯留槽や処理槽が破損してもアスベストが系外に飛散する惧れはなく、従って機械的な強度及び引張応力とか熱応力に耐えるための設計は要求されないという利点があり、各種機器の破損に対する対策は容易であるとともに安全性が高いという効果がある。
また、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質とアスベスト類似品との識別は目視では困難であり、X線回折法などによる分析をしないと識別が困難であって、回収時に混合されたりした場合に分別することは不可能に近いが、本発明によればアスベスト類似品が混入しても問題なく無害化処理することが可能である。従って、難分解物質であるフロンの分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を無害化することで、フロン分解のみならずアスベストの無害化処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの無害化処理方法と装置を提供することができる。
以下図面に基づいて本発明にかかるアスベストの無害化処理方法及びその装置の最良の実施形態を説明する。本実施形態では被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、フッ化水素酸と塩酸、特には過熱蒸気を利用してフロンを分解処理した分解ガスを水洗浄して得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を浸潤させ、好ましくは水溶液内に浸漬・滞留させて無害化する処理方法とその装置に特徴を有している。実施形態としてはフロン(CFC−22)を使用した例に基づいて説明するが、フロン類であれば他のフロンでも使用可能であることは勿論、フロンに代えてハロン類又は六フッ化硫黄を使用することが可能であり、更にその他のハロゲンを含む物質を使用することもできる。
図1は本発明の第1実施形態を概略的に示すシステム図である。図中の1は予備加熱器、2はフロン分解反応器であり、予備加熱器1とフロン分解反応器2にはそれぞれ外部ヒータ1a,2aが配備されている。3は被分解物としてのフロン投入ラインであり、外部ヒータ1aを働かせて予め赤熱した状態に加熱してある予備加熱器1に、ポンプ3aによってフロンを投入し、所定の温度に予備加熱してフロン分解反応器2に供給する。4は水投入ラインであり、ポンプ4aによって水を予備加熱器1に投入し、所定の温度に過熱されて過熱蒸気としてフロン分解反応器2に供給する。なお、水に代えて過熱蒸気そのものを供給してもよい。予備加熱器1の設定温度は過熱蒸気を得るために500℃〜750℃前後が適当である。5は空気投入ラインであり、ポンプ5aによって空気を予備加熱器1に投入し、所定の温度に予備加熱してフロン分解反応器2に供給する。
フロン分解反応器2内では、被分解物としてのフロンと溶媒としての過熱蒸気が混合され、所定の温度を保ってフロンと溶媒としての過熱蒸気を所定時間反応させることによりフロンが分解される。フロン分解反応器2内の反応温度は650℃〜1100℃の温度範囲が採用可能である。反応温度650℃はフロンガスの処理量が少ないときとか、反応速度を問題にしないケースで用いられ、フロン分解反応器2の腐食等が最小限になるという利点がある。反応温度1100℃はフロンガスの処理量が多くて反応速度を高めるケースで用いられるが、フロン分解反応器2の腐食劣化も早められるので、最適な反応温度を選択することが要求される。なお、空気投入ライン5によって供給される空気はフロン分解反応器2内に発生する水素を無害化するためのものであり、空気に代えて酸素を供給してもよい。このフロン分解反応器2内は加圧されておらず、排出口側を開放した常圧としている。つまり注入口側の配管の圧力は管路による圧損のみの圧力勾配となっている。フロン分解反応器2内は過熱蒸気によって僅かな圧力が自然に発生しており、圧力勾配によって被処理物を移送する。常圧とは従来の水熱反応装置のように強制的に高圧に加圧することなく、排出口を開放した状態であることを示している。
フロン分解反応器2内をフロンと過熱蒸気が通過する際にフロンの分解処理が行われるが、このフロン分解時に分解ガスが生成される。この分解ガスには、フッ化水素HF,塩化水素HCl,炭酸ガスCO,水蒸気HO,窒素ガスN,酸素分子O等が含まれている。これらの分解ガス中のフッ化水素HFと塩化水素HClの酸性ガスはそのまま大気に放出することができない。そこで、これらの分解ガスを配管6によって、水スクラバー装置7に供給して分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させる。この水スクラバー装置7内には充填材として、例えばラヒシリング8が複数段に亘って装備されている。9は水供給ラインであり、ポンプ9aによって水スクラバー装置7の上部から水が供給されて、分解ガスと接触することにより、分解ガス中の水に可溶な成分が吸収され水溶液10として貯留槽11に貯留される。具体的には、フッ化水素HF,塩化水素HClを水に溶解して、分解ガス中から除去され、フッ化水素酸,塩酸の混合された酸性の水溶液10となる。フロンの分解を繰り返して行うことにより、水溶液10の酸濃度は徐々に高くなっていくので、定期的に水溶液10の酸濃度を測定して水供給ライン9から新たな水を定量ずつ注入し、酸濃度を調整する操作も必要である。
12は貯留槽11に貯留された水溶液10の循環ラインであり、必要に応じてバルブ13を開き、ポンプ12aによって水溶液10は水スクラバー装置7に循環して供給され、シャワーリング装置14を水介してラヒシリング8に噴射することにより、水スクラバー装置7内の分解ガスと接触し、分解ガス中のフッ化水素HF,塩化水素HClの可溶成分が吸収され再び貯留槽11に貯留される。これを繰り返すことにより、水溶液10の酸濃度が高くなる。15は循環ライン12によって循環される水溶液10の流量計である。フッ化水素HF,塩化水素HClが除去されて無害化された分解ガスは、水スクラバー装置7の上部からブロワ17に吸引されて配管16から大気に放出される。
18はオーバーフロー貯留槽であり、貯留槽11内の水溶液10をオーバーフローによって貯留する。19は処理槽であり、オーバーフロー貯留槽18に貯留された酸性の水溶液10がバルブ20の開閉操作によって所定量供給される。そして、後述するように、この処理槽19内の水溶液10内にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質が浸漬されて無害化処理が行われる。25は処理槽19内に酸性ガスが充満した場合にこれを予備加熱器1に供給するための配管である。予備加熱器1に供給された酸性ガスは再びフロン分解反応器2に供給されてフロンとともに分解される。21は中和槽であり、水酸化カルシウムCa(OH)の水溶液22が満たされている。23は処理済み残渣ボックスである。
図2は本発明の第2実施形態を概略的に示すシステム図であり、図1に示す第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。この第2実施形態では、バルブ26の開閉操作によって貯留槽11から酸性の水溶液10が処理槽19aに所定量供給される。そして、この処理槽19a内の水溶液10内に、分解ガスライン27を介して水洗浄された後の水スクラバー装置7内の分解ガスが爆気される。よって、水洗浄後の分解ガスにフッ化水素HF,塩化水素HClが残存していたとして、処理槽19a内の水溶液10に溶解することとなる。21aは中和槽であり、処理槽19a内に爆気した分解ガスは配管28を介して水酸化カルシウムCa(OH)の水溶液22が満たされた中和槽21a内に爆気され、仮に僅かに酸性ガスが残存していたとしても中和されて無害化された後にブロワ29に吸引されて配管30から大気に放出される。
図3は本発明の第3実施形態を概略的に示すシステム図であり、図1に示す第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。この第3実施形態では、処理槽19bはその内部に隔壁33が立設されて処理区画34とオーバーフロー区画35の複数区画に区画形成されており、バルブ36の開閉操作によって貯留槽11から酸性の水溶液10が処理槽19b内の処理区画34に所定量供給される。そして、処理区画34からオーバーフローした水溶液はオーバーフロー区画35に流出し、バルブ37の開閉操作によって中和槽21bに供給される。よって、処理槽19bの酸性の水溶液10の濃度が低下したときは、貯留槽11から酸濃度の高い水溶液10を新たに供給し、処理槽19bの処理区画34の水溶液10の酸濃度を調節することができるものである。処理区画34からオーバーフローによってオーバーフロー区画35に流出した酸濃度の低下した水溶液10は、中和槽21b内の水酸化カルシウムCa(OH)の水溶液22によって中和されて無害化される。なお、上記実施形態はフロンの分解工程及び分解ガスを使用したが、フロンに代えて、ハロンや六フッ化硫黄、更には他のハロゲン化物質の分解工程や分解ガスを使用することができる。
上記した第1実施形態〜第3実施形態はいずれもフロン分解時の分解ガスを使用するものであるが、本願発明はフロン分解やハロン分解,六フッ化硫黄分解や他のハロゲン化物質の分解に限定されることなく、5%〜40%濃度のフッ化水素酸を使用することもできる。図4はフロン分解時の分解ガスを使用しない場合の本発明の第4実施形態を示すフロー図であり、図1に示す第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。アスベスト及び/又はアスベスト含有物質40は適宜の浸漬手段41によって、5%〜40%濃度のフッ化水素酸又は5%〜40%濃度のフッ化水素酸に所定濃度、好ましくは15%〜25%程度の塩酸を添加した水溶液10が満たされた処理槽19cに浸漬されることによって無害化される。浸漬手段としては、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質40を適宜のサイズに裁断し、バケット等の収納ケースに収納して浸漬すればよい。無害化されたアスベスト及び/又はアスベスト含有物質40は処理槽19cから取り出し手段42によって取り出され、浸漬手段43によって水酸化カルシウムCa(OH)の水溶液22が満たされた中和槽21c内に浸漬されて、酸性の水溶液10が中和されて無害化される。
図5は本発明の第5実施形態を示すフロー図であり、第4実施形態と同様にフロン分解時の分解ガスを使用しない場合であり、図1に示す第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。第5実施形態では、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質40を適宜の浸漬手段44によって、先に所定濃度、好ましくは15%〜25%程度の塩酸45aを満たした塩酸槽45に浸漬し所定時間保持してから、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質40を適宜の取り出し手段46で取り出し、適宜の浸漬手段47によって酸性の水溶液として5%〜40%濃度のフッ化水素酸からなる水溶液10を満たした処理槽19dに浸漬し、所定時間保持することにより無害化処理をする。無害化されたアスベスト及び/又はアスベスト含有物質40は処理槽19dから取り出し手段48によって取り出され、浸漬手段49によって水酸化カルシウムCa(OH)の水溶液22が満たされた中和槽21d内に浸漬されて、塩酸及びフッ化水素酸が中和されて無害化される。浸漬手段44,47,49としては、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質40を適宜のサイズに裁断し、バケット等の収納ケースに収納して浸漬すればよい。
アスベスト製品として世上に存在しその無害化が喫緊の課題とされているアスベスト製品の多くはセメントに代表されるカルシウムを含んだ材料を固化剤として用いるか、接着剤として用いることによってアスベストの特性を生かそうとしている。よって、本発明が無害化処理するアスベスト及び/又はアスベスト含有物質は純粋アスベストのほかに、アスベスト製品としてアスベストを含有したアスベスト含有物を含むものである。本発明の第1実施形態〜第5実施形態によるアスベスト及び/又はアスベスト含有物質40(以下、アスベスト40という)の無害化処理は次のとおりである。
アスベスト40を所定形状のバケット24に収納できるサイズに破砕して収納し、処理槽19,19a,19b,19c,19dの水溶液10に浸漬し、アスベスト40に水溶液中のフッ化水素酸を浸潤させて一定時間経過させることにより、アスベストは無害化することができる。無害化作用はフッ化水素酸の濃度が5%程度から効果を生じるが、フッ化水素の濃度が低いと分解に長時間を要するため、効率的な分解のためには20%以上の濃度とすることが好ましく、又40%程度の濃度があれば充分である。
第1実施形態〜第4実施形態における水溶液10中にはフッ化水素酸とともに塩酸も含まれ、又第5実施形態では先に塩酸槽45に浸漬するが、塩酸単独では濃度を高めたとしてもアスベスト40を無害化することはできない。しかしながら、無害化処理すべきアスベスト製品としてのアスベスト40には多くの場合セメント成分が混入しており、フッ化水素酸単独の場合は、セメント成分のカルシウムはHFと反応して、セメント粒子の表面でCaFを生成する。このCaFは殆ど水に溶解せず固体のまま残存しアスベスト含有物質の表面を被覆することとなる。そのため、HFが粒子内部に侵入しにくくなり、反応速度が遅くなり、分解に時間を要することとなる。これに対して、HClはセメント成分のカルシウムと反応して可溶性のCaClを生成するため、セメント粒子が塩酸中に溶け出す。そのため、アスベスト40に先に塩酸を浸潤させることにより、アスベスト含有物質はCaClが抜けた後が穴となり、その後に浸潤させるフッ化水素酸の浸潤が容易となって、アスベスト含有物質内部のアスベスト繊維とHFが接触しやすくなるため、高い反応速度が得られる。なお、塩酸の浸潤はフッ化水素の浸潤の前処理としてでも、或いはフッ化水素酸と同時に浸潤するようにしてもよい。よって、第1実施形態〜第4実施形態のようにフッ化水素酸と塩酸の含まれている水溶液10にアスベスト40を浸漬することにより、或いは第5実施形態のように塩酸45a,フッ化水素酸からなる水溶液10に順次浸漬することにより前記した反応が生じることとなる。
水溶液10中にフッ化水素HFと塩化水素HClの両方が存在すると、塩化マグネシウムMgCl及び塩化ケイ素SiClも生成するが、MgClは容易に水に溶解し、SiClは容易に加水分解する。従って塩類が固体として残存したり酸浸漬時の浸潤が妨げられる問題はなく、むしろ無害化速度は高くなる。
塩酸とセメント成分の酸化カルシウムとの反応は次の(1)〜(3)式のとおりである。
CaO + HO → Ca(OH) …………………………(1)
CaO + 2HCl → CaCl + HO………………(2)
Ca(OH) + 2HCl → CaCl +2HO……(3)
処理槽19,19a,19b,19c,19d内でアスベスト40は無害化処理されているが、更に安全確保のため処理槽19,19a,19b,19c,19dから無害化処理の終了したアスベスト処理物50を収納したバケット24を取り出して、水酸化カルシウムCa(OH)等のアルカリ水溶液22が満たされた中和槽21,21a,21b,21c,21dに浸漬して中和処理して、バケット24を中和槽21,21a,21b,21c,21dから取り出して、バケット24内のアスベスト処理物50を処理済み残渣ボックス23に内に保管し、無害物として適宜廃棄処理する。即ち、一般産業廃棄物として処理することができ、又各種建築用の骨材として使用される砕石に代えて利用することもできる。なお、アスベスト40には多くのアルカリ金属が含まれているため、処理槽19,19a,19b,19c,19d内の水溶液10は無害化と同時に中和されており、無害化処理終了後に残存する少量の酸を中和無害化処理して廃棄することができ、後処理コストが少ない。
水溶液10の浸潤によるアスベスト40の基本的分解は以下(4)〜(6)式の反応式で進行することが考えられる。
[クリソタイル]
MgSi(OH)+6HF=3MgF+2SiO+5HO………(4)
[クロシドライト]
Na(Fe+,Mg)(Fe+)2Si22(OH,F)+18HF
=2NaF+3FeF+3MgF+2FeF+8SiO+8HO+2H
…………(5)
[アモサイト]
(Fe,Mg)7Si22(OH)+28HF
=7FeF+7MgF+8SiO+8HO+7H ……………(6)
次にフロンガス分解の一例を下記により説明すると、被分解処理物がフロンCFC−12の場合には、過熱蒸気との反応により、下記(7)式の加水分解が進行する。
CCl+2HO → CO+2HCl+2HF …………………(7)
同様にフロンCFC−22の加水分解は、下記の(8)〜(10)式により行われる。
CHClF+2HO → CO+HCl+2HF+H ……………(8)
CHClF+HO → HCl+2HF+CO ………………………(9)
4CHClF+6HO → 3CO+8HF+4HCl+CH……(10)
(8)(9)(10)式によれば、Hガス,COガス,CHガスという有害もしくは可燃性ガスが生成する問題がある。そこで水とともに空気もしくは酸素を加えて加水酸化分解を行わせると下記の(11)式が進行する。
CHClF+HO+1/2O → CO+HCl+2HF …………(11)
よって、一酸化炭素COは
2CO+O=2CO
となり、水素ガスH
2H+O=2H
となり、メタンガスCH
CH+3O=CO+2H
となる。従って有害もしくは可燃性ガスは二酸化炭素として無害化されるか水分に変換される。なお、上記したフロンの加水分解時にはフロンの分解を促進するために空気又は酸素を供給することも可能である。
また、ハロンガス(CFBr)を使用した場合の反応式は次の通りとなる。
2MgSi(OH)+CBrF+2Ca(OH)
=3MgSiO+SiO+CaF+CaBrF+CO+6H
…………(12)
または
MgSi(OH)+CBrF+2Ca(OH)
=MgSiO+SiO+MgO+CaF+CaBrF+CO+4H
…………(13)
更に、六フッ化硫黄(SF)を使用した場合の反応式は次の通りとなる。
MgSi(OH)+SF+4Ca(OH)
=MgSiO+SiO+MgO+3CaF+CaSO+6H
……………………………(14)
以下、本発明にかかるアスベストの無害化処理方法及びその装置を実施して、アスベスト含有物質としてアモサイト30%を含有していた吹付アスベストの除去物60gと、アスベストとして60gのクリソタイル100%を、それぞれフッ化水素酸やフッ化水素酸に所定濃度の塩酸を添加した各種の酸性の水溶液100g(但し、実施例5は1000gの水溶液)に浸漬して無害化処理した具体的な実施例1〜6及び比較例1〜5の概要及びX線回折の結果を表1に示して説明する。位相差顕微鏡の撮影条件は、アモサイトに関する実施例1,実施例4〜6及び比較例1〜5は、倍率100倍、浸液の種類はnD(屈折率)=1.700のものを使用した。クリソタイルに関する実施例2,3は倍率100倍、浸液の種類はnD(屈折率)=1.550のものを使用した。この浸液を用いることでアモサイトは青色の分散色を、クリソタイルは赤紫から青色を示し、繊維が残っていたとしても青色の分散色を示していないものはアモサイトではなく、赤紫〜青色の分散色を示していないものはクリソタイルではい。
Figure 2008271995
被無害化処理物としてアモサイト30%を含有していた吹付アスベストの除去物からなるアスベスト含有物質を、20%濃度のフッ化水素酸と18%濃度の塩酸を混合した酸濃度38%水溶液に30分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図6に示すX線回折の分析データに示すとおり、アモサイトのピークは検出されておらず、又図7の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもアモサイトは検出されていない。アモサイトの分散色は青色であり、位相差顕微鏡の写真において繊維が残っていたとしても青色の分散色を示していないものはアモサイトではない。よって、「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律」(平成18年法律第5号)によって採用された無害化処理の基準である「X線回折分析法」及び「位相差顕微鏡を用いた分散染色分析法」により分析した結果、アスベストが検出されないことが確実であることを充足している。
実施例1では、水溶液中の塩酸が吹付アスベストの除去物に含まれているセメント成分のカルシウムと反応して可溶性のCaClを生成するため、セメント粒子が塩酸と反応して水溶液中に溶け出し、吹付アスベストの除去物はCaClが抜けた後が穴となるため、フッ化水素酸の浸潤が容易となり、アスベスト含有物質内部のアスベスト繊維とHFが接触しやすくなるため、20%濃度のフッ化水素酸を使用して、30分といった短時間で無害化できている。
被無害化処理物としてクリソタイル100%のアスベストを、20%濃度のフッ化水素酸からなる酸濃度20%の水溶液に30分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図8に示すX線回折の分析データに示すとおり、クリソタイルのピークは検出されておらず、又図9の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもクリソタイルは検出されていない。クリソタイルの分散色は赤紫から青色であり、位相差顕微鏡の写真において繊維が残っていたとしても赤紫から青色でないものはクリソタイルではない。
セメント成分が含まれている実施例1の吹付アスベストの除去物とは異なり、実施例2はクリソタイル100%であって、セメント成分が含まれていないため、水溶液に塩酸が含まれていなくとも、実施例1と同様の20%濃度のフッ化水素酸を用いて30分という短時間で無害化処理できている。
被無害化処理物としてクリソタイル100%のアスベストを、20%濃度のフッ化水素酸と18%濃度の塩酸を混合した酸濃度38%の水溶液に30分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図10に示すX線回折の分析データに示すとおり、クリソタイルのピークは検出されておらず、又図11の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもクリソタイルは検出されていない。
実施例3に示すように、クリソタイル100%であるが、水溶液中に塩酸が存在していても実施例2と全く同様に無害化処理することができる。
被無害化処理物としてアモサイト30%を含有していた吹付アスベストの除去物からなるアスベスト含有物質を、10%濃度のフッ化水素酸と10%濃度の塩酸を混合した酸濃度20%の水溶液に180分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図12に示すX線回折の分析データに示すとおり、未処理のアスベスト含有物質にはアモサイトのピーク(◇でマークしたピーク)が検出されるのに対し、実施例4ではアモサイトのピークは検出されておらず、又図13の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもアモサイトは検出されていない。
被無害化処理物としてアモサイト30%を含有していた吹付アスベストの除去物からなるアスベスト含有物質60gを、5%濃度のフッ化水素酸と25%濃度の塩酸を混合した酸濃度30%の水溶液1000gに180分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図14に示すX線回折の分析データに示すとおり、アモサイトのピークは検出されておらず、又図15の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもアモサイトは検出されていない。よって、5%濃度以上のフッ化水素酸であれば、水溶液の量や浸漬時間を適宜選択することにより、無害化処理をすることが可能である。
アスベスト含有物質の場合、実施例5に示すように、5%濃度のフッ化水素酸であっても、180分浸漬することによって無害化できている。
[比較例1〜3]
浸漬時間を90分とした以外は実施例4と同様の処理をした比較例1のX線回折の結果を図18に、位相差顕微鏡の写真を図19に示す。浸漬する水溶液を10%濃度のフッ化水素酸のみとして、90分浸漬して処理をした比較例2のX線回折の結果を図20に、位相差顕微鏡の写真を図21に示す。浸漬時間を180分とした以外は、比較例2と同様の処理をした比較例3のX線回折の結果を図22に、位相差顕微鏡の写真を図23に示す。
比較例1,2に示すように、フッ化水素酸の濃度が10%の場合、浸漬時間が90分であれば、図18,図20に示すようにアモサイトのピークが検出され、図19,図21に示すように青色に発光するアモサイトの繊維が検出されるように、無害化されていない。なお、図19,図21はモノクロであるが中央部に存在する繊維状物は青色に発光している。しかしながら、実施例4,5に示すように、フッ化水素酸の濃度が10%,5%であっても、塩酸の存在と相俟って浸漬時間を180分と延ばすことにより、無害化処理を行うことができている。よって、フッ化水素酸の濃度としては5%程度以上あれば、時間を掛けることにより、無害化処理が可能である。
また、比較例3は、実施例4と同様に10%濃度のフッ化水素酸に180分浸漬したものである。図22に示すように未処理のアスベスト含有物質に検出されるアモサイトのピーク(◇でマークしたピーク)よりは減少しているが、処理後の比較例3においても依然としてアモサイトのピーク(◇でマークしたピーク)が検出されている。また、図23に示すように僅かに青色に発光するアモサイトの繊維が検出されており無害化されていないことが判る。なお、図23はモノクロであるが中央部に存在する繊維状物は僅かに両端が青色に発光している。このことより、実施例4と比較例3の相違点である10%濃度の塩酸の存在によって実施例4では、吹付アスベストの除去物に含まれるセメント粒子が塩酸中に溶け出し、吹付アスベストの除去物はCaClが抜けた後が穴となり、その後に浸潤させるフッ化水素酸の浸潤が容易となり、アスベスト含有物質内部のアスベスト繊維とHFが接触しやすくなることが判る。また、比較例1から10%濃度の塩酸が存在していたとしても90分の浸漬時間では未だ無害化できていないことが判る。
被無害化処理物としてアモサイト30%を含有していた吹付アスベストの除去物からなるアスベスト含有物質を、20%濃度のフッ化水素酸からなる酸濃度20%の水溶液に90分間浸漬し、その後取り出した被無害化処理物をX線回折と位相差顕微鏡によって無害化の有無を判定した。図16に示すX線回折の分析データに示すとおり、アモサイトのピークは検出されておらず、又図17の位相差顕微鏡を用いた分散染色写真データにおいてもアモサイトは検出されていない。図17において中央部に繊維状物が検出されているが、青色に発光していない。
[比較例4,5]
浸漬時間を30分,60分とした以外は実施例6と同様の処理をした比較例4,5は、図24,図26に示すようにアモサイトのピークが検出され、図25,図27に示すように僅かではあるが青色に発光するアモサイトの繊維が検出されるように、無害化処理されていない。なお、図25,図27はモノクロであるが中央部に存在する繊維状物は僅かに青色に発光している。よって、フッ化水素酸の濃度が20%であっても、塩酸が存在しない場合は30分や60分では無害化されておらず、一方、同じフッ化水素酸の濃度が比較例4,5と同じ20%であっても、実施例1のように塩酸を水溶液中に含んでいれば吹付アスベストの除去物については無害化処理の時間を大幅に短縮できていることが判る。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、難分解物質であるフロンの分解処理と同時に、フロンの分解によって発生する分解ガスを利用して健康破壊物質として社会問題となっているアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を無害化することが可能である。即ち、環境破壊物質であって難分解物質であるフロンガスの分解処理と同時に健康破壊物質であるアスベストを無害化処理することが可能となる。しかも従来のアスベスト無害化処理のように被無害化処理物を1500℃前後の高温に加熱しなくてもよいため、施設費と電力費等のコストを低廉化することができるとともに、埋め立て処理した場合のようなアスベストの地中からの流出,飛散等二次公害発生の惧れがなくなり、無害化処理の完璧を期すことができる。
また、アスベスト及び/又はアスベスト含有物質とアスベスト類似品との識別は目視では困難であり、X線回折法などによる分析をしないと識別が困難であって、回収時に混合されたりした場合に分別することは不可能に近いが、本発明によればアスベスト類似品が混入しても問題なく無害化処理することが可能である。従って、難分解物質であるフロンの分解処理と同時にアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を分解することで、フロン分解のみならずアスベストの無害化処理を高効率,低コストで実現可能なアスベストの無害化処理方法と装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態を概略的に示すシステム図。 本発明の第2実施形態を概略的に示すシステム図。 本発明の第3実施形態を概略的に示すシステム図。 本発明の第4実施形態を示すフロー図。 本発明の第5実施形態を示すフロー図。 実施例1にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例1にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 実施例2にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例2にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 実施例3にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例3にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 実施例4にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例4にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 実施例5にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例5にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 実施例6にかかるX線回折の分析グラフ。 実施例6にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 比較例1にかかるX線回折の分析グラフ。 比較例1にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 比較例2にかかるX線回折の分析グラフ。 比較例2にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 比較例3にかかるX線回折の分析グラフ。 比較例3にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 比較例4にかかるX線回折の分析グラフ。 比較例4にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。 比較例5にかかるX線回折の分析グラフ。 比較例5にかかる位相差顕微鏡を用いた分散染色写真。
符号の説明
1…予備加熱器
2…フロン分解反応器
1a,2a…外部ヒータ
3…フロン投入ライン
4…水投入ライン
5…空気投入ライン
3a,4a,5a,9a,12a…ポンプ
6,16,25,28,30…配管
7…水スクラバー装置
8…ラヒシリング
9…水供給ライン
10…水溶液
11…貯留槽
12…循環ライン
13,20,26,36,37…バルブ
14…シャワーリング装置
15…流量計
17…ブロワ
18…オーバーフロー貯留槽
19,19a,19b,19c,19d…処理槽
21,21a,21b,21c,21d…中和槽
22…水酸化カルシウム水溶液
23…処理済み残渣ボックス
24…バケット
27…分解ガスライン
33…隔壁
34…処理区画
35…オーバーフロー区画
40…アスベスト
50…アスベスト処理物

Claims (24)

  1. 被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、5%〜40%濃度のフッ化水素酸を浸潤させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  2. 被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、5%〜40%濃度のフッ化水素酸に所定濃度の塩酸を添加した水溶液を浸潤させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  3. 被無害化処理物としてのセメント系物質を含むアスベスト含有物質に、塩酸を浸潤させてセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した後に、フッ化水素酸を浸潤させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  4. 被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスから得た水溶液を浸潤させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  5. 被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に、過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスから得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を浸潤させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  6. 過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスを水スクラバー装置に導入し、該分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を貯留槽に貯留するとともに、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させ、貯留槽中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  7. 過熱蒸気を利用したフロン分解時に発生する分解ガスを水スクラバー装置に導入し、該分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を貯留槽に貯留するとともに、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させ、貯留槽から水溶液を供給した処理槽中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させて無害化処理することを特徴とするアスベストの無害化処理方法。
  8. アスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽で発生した分解ガスを過熱蒸気を利用したフロン分解工程に供給する請求項6又は7記載のアスベストの無害化処理方法。
  9. 水スクラバー装置からの排気ガスをアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽に供給する請求項6,7又は8記載のアスベストの無害化処理方法。
  10. フロンに代えて、ハロンを使用した請求項4,5,6,7,8又は9記載のアスベストの無害化処理方法。
  11. フロンに代えて、六フッ化硫黄を使用した請求項4,5,6,7,8又は9記載のアスベストの無害化処理方法。
  12. 無害化処理した被無害化処理物を中和槽に導いて、アルカリで洗浄してから系外に廃棄する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載のアスベストの無害化処理方法。
  13. 5%〜40%濃度のフッ化水素酸を保持する処理槽と、該処理槽に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬する手段を有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  14. 5%〜40%濃度のフッ化水素酸に所定濃度の塩酸を添加した水溶液を保持する処理槽と、該処理槽に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬する手段を有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  15. 塩酸を保持する塩酸槽と、該塩酸槽に被無害化処理物としてのセメント系物質を含むアスベスト含有物質を浸漬する手段と、該塩酸槽からセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した被無害化処理物を取り出す手段と、フッ化水素酸を保持するフッ化水素酸槽と、該フッ化水素酸槽にセメント系物質中のカルシウム化合物を液化させて除去した被無害化処理物を浸漬する手段とを有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  16. 過熱蒸気を利用したフロンを分解する手段と、フロン分解時に発生する分解ガスから得た水溶液を被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に浸潤させて無害化処理する手段とを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  17. 過熱蒸気を利用したフロンを分解する手段と、フロン分解時に発生する分解ガスから得たフッ化水素と塩化水素を含む水溶液を被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質に浸潤させて無害化処理する手段を有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  18. 過熱蒸気を利用してフロンを分解する反応器と、分解時に反応器から発生する分解ガスを導入する水スクラバー装置と、水スクラバー装置に水を供給して分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を得る手段と、該水溶液を貯留する貯留槽と、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させる手段と、貯留槽中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させて無害化処理する手段とを有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  19. 過熱蒸気を利用してフロンを分解する反応器と、分解時に反応器から発生する分解ガスを導入する水スクラバー装置と、水スクラバー装置に水を供給して分解ガスに水を接触させて分解ガスに含まれるフッ化水素と塩化水素を吸収させた水溶液を得る手段と、該水溶液を貯留する貯留槽と、貯留槽中の水溶液を水スクラバー装置に循環供給させる手段と、貯留槽から水溶液を供給した処理槽中に被無害化処理物としてのアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させて無害化処理する手段とを有することを特徴とするアスベストの無害化処理装置。
  20. アスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽で発生した分解ガスを過熱蒸気を利用してフロンを分解する反応器に供給する手段を有する請求項18又は19記載のアスベストの無害化処理装置。
  21. 水スクラバー装置からの排気ガスをアスベスト及び/又はアスベスト含有物質を浸漬させた貯留槽又は処理槽に供給する手段を有する請求項18,19又は20記載のアスベストの無害化処理装置。
  22. フロンに代えて、ハロンを使用した請求項16,17,18,19,20又は21記載のアスベストの無害化処理装置。
  23. フロンに代えて、六フッ化硫黄を使用した請求項16,17,18,19,20又は21記載のアスベストの無害化処理装置。
  24. 無害化処理した被無害化処理物をアルカリで洗浄する中和槽を有する請求項13,14,15,16,17,18,19,20,21,22又は23記載のアスベストの無害化処理装置。
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