JPWO2010143265A1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

車両制御システム10は、電磁クラッチを備えるウォータポンプ23と、オイルリリーフ装置25およびOCV26と、水温センサ31と、ECU11とを備える。ECU11は、水温センサ31の検出結果に基づいてウォータポンプ23の電磁クラッチを分断させて冷却水の循環を停止させて、OCV26に指令してオイルリリーフ装置25によって潤滑油圧を低油圧側へと調整する。ECU11は、ウォータポンプ23の電磁クラッチの係合が所定時間継続した時の水温センサ31の検出結果に基づいて、オイルリリーフ装置25による潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を停止するか否かを判断する。

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
近年、内燃機関の暖機性の向上を目的として、水冷式の内燃機関の暖機運転時にウォータポンプの駆動を停止して冷却水の循環を一時的に停止させる制御が実行されている。例えば、内燃機関の冷間時に冷却水を圧送する電動ポンプを間欠的に作動させることで、内燃機関内部の冷却水流路において冷却水を間欠的に流通させる技術が提案されている。この技術によると、シリンダ周辺等での局所的な温度上昇を抑制しつつ、内燃機関の放熱量を少なくすることができることから、内燃機関の暖機を促進することができる(特許文献1参照)。
また、従来、内燃機関の温度や運転状態に応じて潤滑油ポンプによって圧送される潤滑油圧を高低に切り替える制御が広く実行されている。例えば、内燃機関が過熱するおそれのない軽負荷,低回転領域では潤滑油圧を低油圧側に制御し、高負荷,高回転領域では内燃機関の過熱を精度よく予測して潤滑油圧を通常油圧側に制御する技術が提案されている。この技術によると、低油圧制御によって潤滑油ポンプの負荷を軽減しつつ、冷却ファンの作動が予測されると通常油圧制御に切り替えて冷却水温の上昇率を低下させることで、冷却ファンの作動時間を最小限に短縮することができる。よって、内燃機関の負荷が軽減されることから、高い燃費向上効果を得ることができる(特許文献2参照)。
このような制御を実行する内燃機関では、電磁弁を用いて潤滑油流路の開閉等を行うことによって潤滑油流路内の油圧を制御している。このようなシステムは、2ステージ油圧システムと称されることがある。2ステージ油圧システムは、低油圧状態で潤滑油をリリーフすることにより潤滑油の粘度が高いときの潤滑油ポンプの負荷を軽減したり、冷間時におけるピストンオイルジェットからの潤滑油噴射を停止させたりすることができる。これにより、内燃機関の負荷低下や暖機性向上による燃費向上の効果を得ることができる。
特開2006−214280号公報 特開平06−221127号公報
これら冷却水循環停止制御および2ステージ油圧システムを適切に組み合わせて制御することによって、内燃機関の大幅な暖機性向上効果が期待できる。しかしながら、冷却水循環停止制御が実行される運転領域と、2ステージ油圧システムによる低油圧制御が実行される運転領域とは、その大部分が重複する。そのため、両制御を組み合わせて実行する場合、どちらか一方の制御を実行することで内燃機関の温度が変化すると、その影響によってもう一方の制御が適切に実行できなくなるおそれがある。例えば、冷却水温に基づいて両制御を実行する場合、冷却水の循環を停止させると冷却水温が早急に昇温するために、2ステージ油圧システムによる低油圧制御の実行領域が縮小されてしまう。
このように、従来の技術では両システムを適切に協調制御することが困難であるために、内燃機関の暖機性を大幅に向上させることができない、といった問題点がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、冷媒循環停止手段と低油圧調整手段とを備える内燃機関の暖機性を大幅に向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本明細書開示の内燃機関の制御装置は、内燃機関の冷媒流路内の冷媒の循環を停止させる冷媒循環停止手段と、前記内燃機関の潤滑油流路内の潤滑油圧を通常油圧よりも低油圧側へ調整する低油圧調整手段と、前記内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記冷媒循環停止手段と前記低油圧調整手段との実行を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が、前記冷媒循環停止手段の実行の停止が所定時間継続した時の前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断することを特徴とする。
このような構成とすることにより、内燃機関の温度を高い精度で検出することができることから、検出した内燃機関の温度に基づいて潤滑油圧の調整を適切に実行することができる。
冷媒循環停止手段によって冷媒の循環が停止されると、冷媒の温度が短時間で大きく上昇するために、内燃機関の摺動部や潤滑油の温度を精度よく検出することができずに、本来の温度よりも高い温度が検出される場合がある。よって、冷媒循環停止手段の実行中に検出された内燃機関の温度に基づいて低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断すると、低油圧調整手段が実行可能な運転領域にあるにも関わらず、その実行を停止してしまう場合がある。そこで、冷媒の循環が所定時間継続した時の内燃機関の温度に基づいて低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断することで、高い精度で検出された内燃機関の温度に基づいて適切に低油圧調整手段を実行することができる。よって、低油圧調整手段の実行領域を損ねることなく内燃機関の暖機性をより向上させることができる。
このような内燃機関の制御装置における前記制御手段は、前記内燃機関の出力が所定の領域内にある場合にのみ前記冷媒循環停止手段の実行および前記低油圧調整手段の実行を許可し、更に、前記制御手段は、前記冷媒循環停止手段と前記低油圧調整手段とを重複して実行させる間、前記冷媒循環停止手段の実行および前記低油圧調整手段の実行を許可する出力の領域を縮小することを特徴とすることができる。
このような構成とすることで、内燃機関の各部の温度が過度に上昇することを抑制することができることから、内燃機関の暖機性を向上させつつ摺動部の焼き付き発生を抑制することができる。
冷媒循環停止手段または低油圧調整手段を実行すると、内燃機関の各部の温度が上昇するために、内燃機関が所定の出力以上のときに実行すると摺動部に焼き付が生じる場合がある。そこで、内燃機関の出力が所定の領域内にある場合にのみ冷媒循環停止手段または低油圧調整手段の実行を許可することで、内燃機関の摺動部が焼き付くことを抑制することができる。特に、冷媒循環停止手段と低油圧調整手段とが重複して実行されると、内燃機関の冷却能力が大幅に低下するために各部の温度が急激に上昇する。そこで、内燃機関の出力がより小さい所定の領域内にある場合にのみ両制御の重複実行を許可することで、摺動部の焼き付き発生を抑制することができる。よって、内燃機関の暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
このような内燃機関の制御装置における前記制御手段は、前記低油圧調整手段の実行が停止できない場合は前記冷媒循環停止手段の実行を禁止することを特徴とすることができる。
このような構成とすることで、低油圧調整手段にシステムエラーや故障等があった場合でも、内燃機関の各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。よって、内燃機関の暖機性を向上させつつ摺動部の焼き付き発生を抑制することができる。
システムエラーや故障等により低油圧調整の実行を停止できない場合、内燃機関の冷却能力不足により各部の温度が過度に上昇して摺動部に焼き付きが生じる。そのため、低油圧調整手段の実行を停止できない場合は、冷媒循環停止手段の実行も禁止することで内燃機関の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、内燃機関の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
このような内燃機関の制御装置における前記制御手段は、前記冷媒循環停止手段の実行が停止できない場合は前記低油圧調整手段の実行を禁止することを特徴とすることができる。
このような構成とすることで、冷媒循環停止手段にシステムエラーや故障等があった場合でも、内燃機関の各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。よって、内燃機関の暖機性を向上させつつ摺動部の焼き付き発生を抑制することができる。
システムエラーや故障等により冷媒の循環停止の実行を停止できない場合、内燃機関の冷却能力不足により各部の温度が過度に上昇して摺動部に焼き付きが生じる。そのため、冷媒循環停止手段の実行を停止できない場合は、低油圧調整手段の実行も禁止することで内燃機関の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、内燃機関の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
このような内燃機関の制御装置における前記制御手段は、前記温度検出手段の検出結果が第1しきい値以上の場合に、前記低油圧調整手段の実行を停止することを特徴とすることができる。
このような構成とすることで、内燃機関が所定の温度よりも高い場合には、冷媒循環停止手段の実行の停止によらずに潤滑油圧を低油圧側から通常油圧に調整することができる。よって、潤滑油の温度が過度に上昇することを抑制することができることから、摺動部における油膜切れを抑制することができる。
冷媒の循環が所定時間継続した後に低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断することで、高い精度で検出された内燃機関の温度に基づいて低油圧調整手段を高効率で実行することができる。しかしながら、気温や内燃機関の出力によっては冷媒の温度上昇よりも潤滑油の温度上昇が早くなる場合がある。その場合、低油圧調整手段の実行の停止を冷媒の循環が所定時間継続した後に判断すると、潤滑油の温度が過度に上昇して摺動部が油膜切れを生ずるおそれがある。そのため、内燃機関が所定の温度よりも高い場合には、冷媒が循環しているか否かに関わらずに潤滑油圧を低油圧側から通常油圧に調整することで、潤滑油の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、内燃機関の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
また、前記温度検出手段は、前記内燃機関の回転数と、負荷と、冷媒温度と、潤滑油温度との少なくとも一つに基づいて、前記内燃機関の温度を検出することを特徴とすることができる。
このような構成とすることで、内燃機関の回転数と、負荷と、冷媒温度と、潤滑油温度との少なくとも一つに基づいて、内燃機関の温度を精度よく検出することができる。よって、高い精度で検出された内燃機関の温度に基づいて暖機性向上制御を高効率に実行することができる。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の冷間時に冷媒の循環を停止させる制御と潤滑油圧を低油圧側に調整する制御とを組み合わせて高効率で制御することができる。よって、冷媒循環停止手段と低油圧調整手段とを備える内燃機関の暖機性を大幅に向上させることができる。
図1は、本発明の内燃機関の制御装置を組み込んだ車両制御システムの概略構成を示した構成図であり、OCVを低油圧側とした状態でリリーフ弁が閉じた状態を示している。 図2は、OCVを低油圧側とした状態でリリーフ弁が開いた状態を示している。 図3は、OCVを通常油圧側とした状態でリリーフ弁が閉じた状態を示している。 図4は、OCVを通常油圧側とした状態でリリーフ弁が開いた状態を示している。 図5は、オイルリリーフ装置の構成を示している。 図6は、OCV26の構成を示している。 図7は、潤滑油圧の切り替え基準の一例を示している。 図8は、暖機性向上制御の実行を許可する出力範囲の一例を示している。 図9は、冷却水循環停止制御の一例を示している。 図10は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、算出予測水温の領域の一例を示している。 図13は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図15は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図16は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、ECUの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1〜4は、本発明の内燃機関の制御装置を組み込んだ車両制御システム10の概略構成を示した構成図である。車両制御システム10は、動力源であるエンジン100を備えている。また、車両制御システム10は、車両制御システム10の運転動作を総括的に制御するECU(Electronic Control Unit)11を備えている。そして、車両制御システム10は、ラジエータ12とエンジン100との間を循環する冷媒が流通する第1流路21および第2流路22と、冷媒を圧送して循環させるウォータポンプ23とを備えている。更に、車両制御システム10は、潤滑油を圧送して循環させるオイルポンプ24、潤滑油の供給圧力を調整するオイルリリーフ装置25およびオイルコントロールバルブ(以下、OCVと略記する)26とを備えている。
図1は、OCV26を低油圧側とした状態でリリーフ弁252が閉じた状態を示しており、図2は、OCV26を低油圧側とした状態でリリーフ弁252が開いた状態を示している。そして、図3は、OCV26を通常油圧側とした状態でリリーフ弁252が閉じた状態を示しており、図4は、OCV26を通常油圧側とした状態でリリーフ弁252が開いた状態を示している。このように、車両制御システム10は、潤滑油のリリーフ圧を2ステージに切り替えることで、エンジン100に圧送供給される潤滑油の圧力を調整することができる。
エンジン100は、車両に搭載される多気筒エンジンであって、各気筒は燃焼室を構成するピストンを備えている。各燃焼室のピストンはそれぞれコネクティングロッドを介して出力軸部材であるクランクシャフトに連結されている。
吸気ポートから燃焼室内へ流入した混合ガスは、ピストンの上昇運動により燃焼室内で圧縮される。ECU11は、クランク角センサからのピストンの位置、および吸気カム角センサからのカム軸回転位相の情報に基づき、点火タイミングを決定しイグナイタに信号を送る。イグナイタはECU11の信号に従って、指示された点火タイミングでバッテリからの電力を点火プラグに通電する。点火プラグはバッテリからの電力により点火し、圧縮混合ガスを着火させて、燃焼室内を膨張させピストンを下降させる。この下降運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフトの軸回転に変更されることにより、エンジン100は動力を得る。
エンジン100の燃焼室の周辺にはウォータジャケットが設けられており、ウォータジャケット内部は燃焼室等を冷却するための冷媒(冷却水)が循環している。本実施例の冷却水としては、エチレングリコール水溶液からなる一般的なLLC(Long Life Coolant)を用いるが、その他の冷媒を使用してもよい。
そして、ウォータジャケットには冷却水の温度を測定するための水温センサ31が設けられており、ウォータジャケット内部の冷却水温の検出結果をECU11へ送信する。ECU11は、水温センサ31が検出した冷却水温をもとにエンジン100の温度を認識する。この場合、水温センサ31は、エンジン100内部の比較的高温な冷却水の温度を検出できるような任意の位置に設けることができ、例えば冷却水の出口付近(第2流路22との接続部付近)に設けることができる。
なお、水温センサ31は、本発明の温度検出手段に相当する。
ラジエータ12は、上部タンク、ラジエータコア、下部タンクで構成されている放熱器であって、車両の外部から取り込まれる走行風やラジエータファンが作る空気の流れによって冷却されることで、内部を循環する冷却水を冷却する。エンジン100を冷却することで高温になった冷却水は、第2流路22を流通してラジエータ12の上部タンクに導かれ、ラジエータコアを通過する。ラジエータコアは、高温の冷却水がラジエータコアを通過する際に熱を奪って空気中に放熱するものであって、放熱効率を向上させるために多数のフィンが設けられている。ラジエータコアで冷却された冷却水は、下部タンクから第1流路21を流通して再びエンジン100に戻される。
車両制御システム10は、内部を冷却水が流通する第1流路21および第2流路22を備えている。第1流路21は、ラジエータ12の下部タンクとエンジン100とを連通させる構成であり、ラジエータ12で冷却された冷却水をエンジン100へと循環させる。第1流路21には、三方弁が設けられており、エンジン100のウォータジャケット上方と連通した冷却水のバイパス流路が接続される。また、三方弁には、冷却水の温度に応じて弁開度を変化させることで冷却水の流量を調節するサーモスタットが設けられている。第2流路22は、エンジン100とラジエータ12の上部タンクとを連通させる構成であり、エンジン100で加熱された冷却水をラジエータ12へと循環させる。
ウォータポンプ23は、第1流路21に設けられており、その駆動力によって冷却水をラジエータ12とエンジン100との間で循環させる。ウォータポンプ23は、エンジン100のクランクシャフト軸の回転力をベルト等によって伝達されることで駆動する機械式を採用するが、電気モータ等によって駆動する電動式を採用してもよいし、両方式を組み合わせて用いてもよい。ウォータポンプ23は、クランクシャフト軸の回転力の伝達部に電磁クラッチを有し、ECU11の指令に従って電磁クラッチの係合率を調節することで、クランクシャフト軸からの回転力の伝達率を制御する。これにより、ウォータポンプ23の駆動および停止を制御することで、冷却水の循環および停止を制御する。この場合、電磁クラッチに代えてその他の可変伝達機構を用いることで、ウォータポンプ23の駆動および停止を制御してもよい。
なお、ウォータポンプ23は、本発明の冷媒循環停止手段に相当する。
車両制御システム10は、エンジン100の各部へと供給される潤滑油を貯留するオイルパン13を備えている。オイルパン13に貯留された潤滑油は、オイルポンプ24の駆動力によって潤滑油流路14を流通し、メインギャラリーを経由してエンジン100の各部へ圧送供給される。潤滑油流路14は、オイルポンプ24の下流側で第1バイパス流路15へ分岐するとともに、第2バイパス流路16へ分岐している。第1バイパス流路15には、オイルリリーフ装置25が組み込まれている。オイルリリーフ装置25には、オイルポンプ24により圧送された潤滑油をオイルポンプ24の上流側にリリーフする第1リリーフ流路141が接続されている。
そして、メインギャラリーには潤滑油の温度を測定するための潤滑油温センサ32が設けられており、潤滑油温の検出結果をECU11へ送信する。ECU11は、潤滑油温センサ32が検出した潤滑油温をもとにエンジン100の温度を認識する。この場合、潤滑油温センサ32は、メインギャラリーに限られず、エンジン100内部の比較的高温な潤滑油の温度を検出できる任意の位置に設けることができる。
なお、潤滑油温センサ32は、本発明の温度検出手段に相当する。
図5は、オイルリリーフ装置25の構成を示している。オイルリリーフ装置25は、ケース251内にリリーフ弁252、リテーナ253、リリーフ弁252とリテーナ253との間に挟持されたスプリング(弾性体)254が配置されている。ケース251は、断面直径が小径である小径部2511と断面直径が大径である大径部2512とを備えている。小径部2511から大径部2512へ移行する段部が、リテーナ253のリリーフ弁252側への移動距離を規制するストッパ17を構成している。
ケース251の小径部2511の先端側は、メイン室18を形成している。メイン室18には、第1バイパス流路15を通じてオイルポンプ24の下流側の潤滑油が導入されるとともに、第1リリーフ流路141が接続される第1リリーフ口255が設けられている。メイン室18内にはリリーフ弁252が内装されている。リリーフ弁252は受圧面2521でメイン室18内の油圧を受ける。ケース251には、リリーフ弁252とリテーナ253との間に入り込んだ潤滑油をオイルポンプ24の上流側へ排出するための第2リリーフ流路142が接続されている。
ケース251の大径部2512の先端側が、OCV26を介してオイルポンプ24の下流側の潤滑油が導入されるサブ室19を形成している。このサブ室19内にリテーナ253が内装されている。サブ室19内の油圧を受けるリテーナ253の受圧面2531の面積は、リリーフ弁252の受圧面2521の面積よりも大きい。このため、OCV26が通常油圧状態へ切り替わり、リテーナ253の受圧面2531にリリーフ弁252の受圧面2521にかかる油圧と同等の油圧が作用すると、リテーナ253には、リリーフ弁252よりも大きな力が作用する。このような状態で、リテーナ253はスプリング254を圧縮する。これにより、リリーフ弁252のリリーフ圧は上昇することになる。なお、リテーナ253は、ストッパ17に当接すると、それ以上にスプリング254を圧縮することはない。
このように、オイルリリーフ装置25は、リテーナ253の位置を切り替えることで、スプリング254の付勢力を調節することができる。この付勢力の変更に伴ってリリーフ弁252の開弁圧を変更することができる。このようなリテーナ253の位置の切り替えは、ECU11の指令に従って動作するOCV26によって実行することができる。OCV26を用いた場合、オイルポンプ24近傍にリリーフ弁252を配置することができる。これによりオイルポンプ24の仕事量を低減することができる。また、電気的な制御が可能となるので、油圧を機械的に制御する場合と比較すると制御性が高い。
なお、リテーナ253の位置の切り替えは、OCV26に限定されるものではなく、他の構成を採用することもできる。例えば、サーモワックスを用いてロッドを押し出し、このロッドによってリテーナ253を移動させる構成とすることができる。この場合、サーモワックスとヒータを組み合わせて、ヒータの通電制御によりロッドを出没させることがでる。また、例えば、リテーナ253をリリーフ弁252側へ押し付けるカム機構とすることができる。この場合、カムの位置を制御することにより、潤滑油のリリーフ圧を切り替えることができる。
なお、オイルリリーフ装置25は、本発明の低油圧調整手段に相当する。
OCV26は、第2バイパス流路16を通じてオイルポンプ24から圧送供給される潤滑油を、オイルリリーフ装置25のサブ室19、またはオイルパン13へと導入する三方弁である。
図6は、OCV26の構成を示している。OCV26は第1室2611、連通部2612、第2室2613を備えたケース261内に、ニードル262を備えて構成されている。ニードル262は、先端側にボール弁2621が形成され、ニードル262の基端側は、コイル部263への通電により摺動する駆動部2622となっている。ニードル262は、ボール弁2621が第1室2611内、駆動部2622が第2室2613内に位置するように配置されている。第1室2611内にはボール弁2621と当接する第1スプリング(弾性体)264が装着され、第2室2613内には、駆動部2622と当接する第2スプリング(弾性体)265が装着されている。第1室2611と連通部2612との境界部は、ボール弁2621が着座する第1シール部266を構成し、連通部2612と第2室2613との境界部は、駆動部2622が着座する第2シール部267を構成している。連通部2612には第1開口268が形成され、第2室2613にはオイルパン13へオイルを導入する第2開口269が形成されている。
コイル部263はECU11と電気的に接続されている。第1室2611には、第2バイパス流路16が接続され、オイルポンプ24から圧送供給される潤滑油が流入する。図6(a)は、コイル部263に通電されていない状態(通常時)を示している。この状態では、第2スプリング265に付勢されたニードル262が上方へ押し上げられ、駆動部2622が第2シール部267に着座する。このとき、第1シール部266は開放されているから、連通部2612まで潤滑油は流入し、第1開口268から流出する。一方、図6(b)は、コイル部263に通電された状態を示している。この状態では、駆動部2622が第2スプリング265の付勢力に抗して下方に引き込まれる。このとき、ボール弁2621は、第1シール部266へ着座する。これにより、第2バイパス流路16から圧送供給される潤滑油は、第1開口268からも、第2開口269からも排出されなくなる。
このようなOCV26の第1開口268には、連通パイプ20の一端が接続されている。この連通パイプ20の他端はサブ室19に接続されている。すなわち、OCV26とサブ室19とは連通パイプ20によって接続されている。この連通パイプ20は、OCV26の下流側に位置することとなり、OCV26とサブ室19とを接続する潤滑油の流路を形成している。OCV26に圧送供給される潤滑油は、メインギャラリーの油圧と同等である。このため、図3や図4で示すように、オイルポンプ24から圧送供給される潤滑油をサブ室19へ導入する状態では、OCV26内、連通パイプ20内、サブ室19内はメインギャラリーの油圧と同様の油圧状態となる。一方、図1や図2で示すように、オイルポンプ24から圧送供給された潤滑油をオイルパン13へ導入する状態では、OCV26内、連通パイプ20内、サブ室19内は低油圧状態に維持される。このように、連通パイプ20内は、OCV26が動作することによって油圧状態が低油圧と通常油圧との間で切り替わる。
なお、OCV26は、本発明の低油圧調整手段に相当する。
ECU11は、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)と、データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)と、を備えるコンピュータである。ECU11は、クランク角センサ、吸気カム角センサ、エアフロメータ、スロットルポジションセンサ、排気温センサ、水温センサ31、潤滑油温センサ32等の検出結果を読み込み、スロットルバルブの動作、吸気弁および排気弁の開閉タイミング、インジェクタの動作、点火プラグの点火時期など、エンジン100の運転動作を統合的に制御する。
また、ECU11は、エンジン100の冷間時に冷却水の循環を停止させつつ、潤滑油の圧力を低油圧側へと調整することで、エンジン100の暖機性を向上させる暖機性向上制御を実行する。以下に、エンジン100の暖機性向上制御について説明する。
ECU11は、エンジン100の温度および出力に基づいて、2ステージ油圧システムによって潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可するか否かを判定する。
ECU11は、水温センサ31が検出する冷却水温、潤滑油温センサ32が検出する潤滑油温、クランク角センサが検出するエンジン回転数、燃料噴射量や吸入空気量から求めるエンジン負荷の少なくとも一つに基づいてエンジン100の温度を検出する。図7は、潤滑油圧の切り替え基準の一例を示している。潤滑油圧の切り替え基準は、冷却水温Thwによってマップとして規定されている。潤滑油圧の切り替え基準は、ヒステリシスを考慮して冷却水温が低下してくる際に低油圧から通常油圧に切り替えるときの基準となるT1[℃]、冷却水温が上昇していく際に通常油圧から低油圧に切り替えるときの基準となるT2[℃]、冷却水温が低下してくる際に通常油圧から低油圧に切り替えるときの基準となるT3[℃]、冷却水温が上昇していくときに低油圧から通常油圧に切り替えるときの基準となるT4[℃]の4つの基準が規定されている。これらのT1〜T4の基準は、ECU11内のROMに予めマップとして記憶させておく。ECU11は、エンジン100の温度の検出結果がT1(例えば、0[℃])からT4(例えば、87[℃])の間にある場合に、潤滑油圧を低油圧側へ調整するための温度条件が成立していると判断する。
ECU11は、クランク角センサが検出するエンジン回転数、および燃料噴射量や吸入空気量から求めるエンジン負荷からエンジン100の出力を求める。図8は、暖機性向上制御の実行を許可する出力範囲の一例を示している。ECU11は、エンジン100の出力が所定の回転数N1(例えば、回転数2600[rpm])および燃料噴射量Q1(例えば、燃料噴射量40[mm/st])の範囲内にある場合にのみ、潤滑油圧を低油圧側へ調整するための出力条件が成立していると判断する。潤滑油圧を低油圧側へ調整すると、エンジン100の各部の温度が上昇するために、エンジン100が所定の出力以上のときに実行すると摺動部に焼き付が生じる場合がある。そのため、エンジン100が所定の低出力領域にある場合にのみ潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可することで、エンジン100の摺動部が焼き付くことを抑制することができる。よって、エンジン100の暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ECU11は、潤滑油圧を低油圧側へ調整するための温度条件および出力条件が成立している場合に、潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可する。そして、ECU11は、OCV26に指令して、潤滑油圧を低油圧側へ調整する。この制御を実行することで、エンジン100の冷却能力を低下させたりオイルポンプ24の負荷を低減させたりすることができることから、エンジン100の冷間運転時の負荷低下や暖機性向上による燃費向上の効果を得ることができる。ECU11は、潤滑油圧を低油圧側へ調整するための温度条件または出力条件が成立しなくなった場合に、潤滑油圧の低油圧側への調整制御の実行を停止し、OCV26に指令して潤滑油圧を通常油圧へと調整する。
ECU11は、エンジン100の温度および出力に基づいて、冷却水の循環を停止させることを許可するか否かを判定する。
ECU11は、前述したように冷却水温、潤滑油温、エンジン回転数、エンジン負荷の少なくとも一つに基づいてエンジン100の温度を検出する。図9は、冷却水循環停止制御の一例を示している。冷却水の循環停止を許可する基準は、冷却水温Thwによってマップとして規定されている。冷却水の循環停止を許可する基準は、ヒステリシスを考慮して冷却水温が低下してくる際に循環停止から循環開始に切り替えるときの基準となるT5(℃)、冷却水温が上昇していく際に循環開始から循環停止に切り替えるときの基準となるT6(℃)、冷却水温が低下してくる際に循環開始から循環停止に切り替えるときの基準となるT7(℃)、冷却水温が上昇していくときに循環停止から循環開始に切り替えるときの基準となるT8(℃)の4つの基準が規定されている。これらのT5〜T8の基準は、ECU11内のROMに予めマップとして記憶させておく。ECU11は、エンジン100の温度の検出結果がT5(例えば、0[℃])からT8(例えば、80[℃])の間にある場合に、冷却水の循環を停止させるための温度条件が成立していると判断する。
ECU11は、前述したようにクランク角センサが検出するエンジン回転数、および燃料噴射量や吸入空気量から求めるエンジン負荷からエンジン100の出力を求める。ECU11は、エンジン100の出力が所定の回転数N1(例えば、回転数2600[rpm])および燃料噴射量Q1(例えば、燃料噴射量40[mm/st])の範囲内にある場合にのみ、冷却水の循環を停止させるための出力条件が成立していると判断する(図8参照)。冷却水の循環を停止させると、エンジン100の各部の温度が上昇するために、エンジン100が所定の出力以上のときに実行すると摺動部に焼き付が生じる場合がある。そのため、エンジン100が所定の低出力領域にある場合にのみ冷却水の循環を停止させることを許可することで、エンジン100の摺動部が焼き付くことを抑制することができる。よって、エンジン100の暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ECU11は、冷却水の循環を停止させるための温度条件および出力条件が成立している場合に、冷却水の循環を停止させることを許可する。そして、ECU11は、ウォータポンプ23の電磁クラッチを分断させるように指令することで、冷却水の循環を停止させる。この制御を実行することで、エンジン100の冷間運転時の放熱量を低減させることができることから、エンジン100の暖機性を向上させることができる。ECU11は、冷却水の循環を停止させるための温度条件または出力条件が成立しなくなった場合に、冷却水の循環停止制御の実行を停止し、ウォータポンプ23の電磁クラッチを係合させるように指令して冷却水を循環させる。
そして、ECU11は、冷却水の循環の停止と、潤滑油圧の低油圧側への調整とが重複して実行される場合に、両制御の実行を許可するための出力条件を縮小する制御を実行する(図8参照)。特に、冷却水の循環の停止と、潤滑油圧の低油圧側への調整とが重複して実行されると、エンジン100の冷却能力が大幅に低下するために各部の温度が急激に上昇する。そこで、エンジン100がより小さい所定の出力領域にある場合にのみ両制御の重複実行を許可することで、摺動部の焼き付き発生を抑制することができる。よって、エンジン100の暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ECU11は、冷却水の循環の停止と潤滑油圧の低油圧側への調整との重複実行を許可する基準となるエンジン回転数をN1からN2へ、燃料噴射量をQ1からQ2へと縮小する。ここで、N2は、両制御を重複実行した場合でも焼き付きが発生するおそれが少ないN1よりも充分に小さい任意のエンジン回転数を適用する。また、Q2は、両制御を重複実行した場合でも焼き付きが発生するおそれが少ないQ1よりも充分に小さい任意の燃料噴射量を適用する。この場合、ECU11は、エンジン100の運転環境によってはエンジン回転数、または燃料噴射量(負荷)のいずれか一方の許可範囲のみを縮小してもよい。
更に、ECU11は、潤滑油圧の低油圧側への調整の実行が停止できない場合は冷却水の循環の停止を実行することを禁止する制御を実行する。同様に、ECU11は、冷却水の循環停止の実行が停止できない場合は潤滑油圧の低油圧側への調整を実行することを禁止する制御を実行する。システムエラーや故障等により冷却水の循環停止または低油圧側への調整の実行を停止できない場合、エンジン100の冷却能力不足により各部の温度が過度に上昇して摺動部に焼き付きが生じる。そのため、冷却水の循環停止または低油圧側への調整の実行を停止できない場合は、もう一方の実行を禁止することでエンジン100の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、エンジン100の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
また、ECU11は、冷却水の循環が所定時間継続した時のエンジン100の温度に基づいて、低油圧側への調整の実行を停止するか否かを判断する制御を実行する。冷却水の循環が停止されると、冷却水の温度が短時間で大きく上昇するために、エンジン100の摺動部や潤滑油の温度を精度よく検出することができずに、本来の温度よりも高い温度が検出される場合がある。よって、冷却水の循環停止中に検出されたエンジン100の温度に基づいて潤滑油圧の低油圧側への調整を停止するか否かを判断すると、低油圧側への調整が実行可能な運転領域にあるにも関わらず、その実行を停止してしまう場合がある。そこで、冷却水の循環が所定時間継続した時のエンジン100の温度に基づいて潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を停止するか否かを判断することで、高い精度で検出されたエンジン100の温度に基づいて適切に潤滑油圧制御を実行することができる。よって、低油圧側への調整の実行領域を損ねることなくエンジン100の暖機性をより向上させることができる。
ここで、所定時間とは、冷却水温に基づいてエンジン100の温度を精度よく検出できるための任意の循環時間を適用することができるが、例えば20[sec]とすることができる。
この場合、ECU11は、エンジン100の温度の検出結果が第1しきい値以上の場合には、冷却水が循環しているか否かに関わらずに潤滑油の低油圧側への調整の実行を停止する制御を実行する。
気温やエンジン100の出力によっては冷却水の温度上昇よりも潤滑油の温度上昇が早くなる場合がある。その場合、低油圧調整手段の実行の停止を冷却水の循環が所定時間継続した後に判断すると、潤滑油の温度が過度に上昇して摺動部が油膜切れを生ずるおそれがある。そのため、エンジン100が所定の温度よりも高い場合には、冷却水が循環しているか否かに関わらずに潤滑油圧を低油圧側から通常油圧に調整することで、潤滑油の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、内燃機関の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ここで、第1しきい値とは、潤滑油の温度が過度に上昇することで焼き付きが生じる可能性があると判断することができる任意のエンジン温度を適用することがで、例えば80[℃]とすることができる。
なお、ECU11は、本発明の制御手段に相当する。
つづいて、ECU11の制御の流れに沿って、車両制御システム10の動作を説明する。図10は、ECU11の処理の一例を示すフローチャートである。本実施例の車両制御システム10は、冷媒循環停止手段と、低油圧調整手段と、温度検出手段と、制御手段とを備えて、制御手段が冷媒循環停止手段の実行の停止が所定時間継続した時の温度検出手段の検出結果に基づいて低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断する。それにより、冷媒循環停止手段と低油圧調整手段とを備える内燃機関の暖機性を大幅に向上させることができる。
ECU11の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始し、イグニッションスイッチがONの間、所定時間毎に実行される。まず、ECU11はステップS1で、エンジン100の温度を検出するセンサ(水温センサ31、潤滑油温センサ32等)が正常であるか否かを判定する。ここで、センサが正常であるか否かを判定するフローは後述するために、その詳細な説明は省略する。センサが正常でない、即ち異常があると判定する場合(ステップS1/NO)、ECU11は、冷却水の循環停止および潤滑油圧の低油圧調整の実行を禁止し、制御の処理を終了する。センサが正常である、即ち異常が無いと判定する場合(ステップS1/YES)は、ECU11は次のステップS2へ進む。
ステップS2で、ECU11は、オイルリリーフ装置25およびOCV26(2ステージ油圧システム)の初期動作確認を実行し、2ステージ油圧システムが正常に稼動するか否かを判定する。2ステージ油圧システムが正常に稼動しない、即ち異常があると判定する場合(ステップS2/NO)、ECU11は、冷却水の循環停止および潤滑油圧の低油圧調整の実行を禁止し、制御の処理を終了する。
例えば、オイルリリーフ装置25が低油圧側に固着している等により、2ステージ油圧システムが正常に稼動しない場合は、エンジン100の冷却能力が低下する。そのため、冷却水の循環を停止すると各部の温度が過度に上昇して摺動部が焼き付いてしまう。そこで、2ステージ油圧システムに異常があると判定した場合は、潤滑油圧を低油圧側へ調整することを禁止すると共に、冷却水の循環を停止させることも禁止することで、エンジン100の冷却能力を確保し、摺動部に焼き付きが生じることを抑制する。
2ステージ油圧システムが正常に稼動する、即ち異常が無いと判定する場合(ステップS2/YES)は、ECU11は次のステップS3へ進む。
ステップS3で、ECU11は、冷却水が正常に循環しているか否かを判定する。ここで、冷却水が正常に循環しているか否かを判定するフローは後述するために、その詳細な説明は省略する。冷却水が正常に循環していない、即ち異常があると判定する場合(ステップS3/NO)、ECU11は、冷却水の循環停止および潤滑油圧の低油圧調整の実行を禁止し、制御の処理を終了する。
例えば、ウォータポンプ23のクラッチ異常や冷却水量の不足等により、冷却水が正常に循環していない場合は、エンジン100の冷却能力が低下する。そのため、潤滑油圧を低油圧側へ調整すると各部の温度が過度に上昇して摺動部が焼き付いてしまう。そこで、冷却水の循環に異常があると判定した場合は、冷却水の循環を停止させることを禁止すると共に、潤滑油圧を低油圧側へ調整することも禁止することで、エンジン100の冷却能力を確保し、摺動部に焼き付きが生じることを抑制する。
冷却水が正常に循環している、即ち異常が無いと判定する場合(ステップS3/YES)は、ECU11は次のステップS4へ進む。
ステップS4で、ECU11は、エンジン100の温度および出力に基づいて、2ステージ油圧システムによって潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可するか否かを判定する。ここで、潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可するか否かの判定方法については前述したために、その詳細な説明は省略する。潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可しないと判定する場合(ステップS4/NO)、ECU11はステップS6へ進む。潤滑油圧を低油圧側へ調整することを許可すると判定する場合(ステップS4/YES)は、ECU11は次のステップS5へ進む。
ステップS5で、ECU11は、OCV26に指令することで、潤滑油圧を低油圧側へ調整する。ECU11は、ステップS5の処理を終えると、次のステップS6へ進む。
ステップS6で、ECU11は、エンジン100の温度および出力に基づいて、冷却水の循環を停止させることを許可するか否かを判定する。ここで、冷却水の循環を停止させることを許可するか否かの判定方法については前述したために、その詳細な説明は省略する。冷却水の循環を停止させることを許可しないと判定する場合(ステップS6/NO)、ECU11はステップS8へ進む。冷却水の循環を停止させることを許可すると判定する場合(ステップS6/YES)は、ECU11は次のステップS7へ進む。
ステップS7で、ECU11は、ウォータポンプ23の電磁クラッチを分断させるように指令することで、冷却水の循環を停止させる。ECU11は、ステップS7の処理を終えると制御の処理を終了する。
次に、ステップS1にて実行するセンサの故障の有無を判定するフローを説明する。図11はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、エンジンの始動要求がされると、すなわちイグニッションスイッチがONにされると開始し、イグニッションスイッチがONの間、所定時間毎に実行される。まず、ECU11はステップS8で、エンジン100の始動時の冷却水温、吸気温、および外気温を確認する。この制御を実行することで、後述する冷却水温の予測精度を向上させることができる。この場合、冷却水温だけでなく潤滑油温等の他の温度を確認してもよい。ECU11は、ステップS8の処理を終えると、次のステップS9へ進む。
ステップS9で、ECU11は、エンジン100の回転数および負荷の積算から仕事量を算出し、算出した仕事量からエンジン100の冷却水の予測温度を算出する。この場合、ECU11は、燃料噴射量から求められる燃料消費量に基づいて冷却水の予測温度を算出することもできる。また、ECU11は、冷却水の予測温度のみならず潤滑油の予測温度等の他の予測温度を算出することもできる。ECU11は、ステップS9の処理を終えると、次のステップS10へ進む。
ステップS10で、ECU11は、水温センサ31の検出結果がステップS9で算出した冷却水の予測温度の領域内にあるか否かを判断する(図12参照)。この場合、水温センサ31の検出結果のみならず、潤滑油温センサ32等の他のセンサの検出結果が予測温度の領域内にあるか否かを判断することもできる。水温センサ31の検出結果が冷却水の予測温度の領域内にある場合(ステップS10/YES)、ECU11はステップS12へ進む。水温センサ31の検出結果が冷却水の予測温度の領域内にない場合(ステップS10/NO)は、ECU11は次のステップS11へ進む。
ステップS11で、ECU11は、水温センサ31が正常でない、即ち異常であると判定して、カウンタをリセットする。ECU11は、ステップS11の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS10の判断がYESの場合、ECU11はステップS12へ進む。ステップS12で、ECU11は、カウントアップを開始する。ECU11は、ステップS12の処理を終えると、次のステップS13へ進む。
ステップS13で、ECU11は、ステップS10で判断したYES判定が一定時間継続したか否かを判断する。この制御を実行することで、冷却水の一時的な温度上昇によって暖機性向上制御が停止されてしまうことを抑制することができる。ここで、一定時間とは、冷却水温を精度よく検出するための任意の検出時間を適用することができる。YES判定が一定時間継続していない場合(ステップS13/NO)、ECU11は制御の処理を終了する。YES判定が一定時間継続した場合(ステップS13/YES)は、ECU11は次のステップS14へ進む。
ステップS14で、ECU11は、水温センサ31が正常であると判定する。ECU11は、ステップS14の処理を終えると、制御の処理を終了する。
次に、ステップS3にて実行する冷却水の循環判定フローを説明する。図13はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、ステップS2の判断がYESであると開始する。まず、ECU11はステップS15で、冷却水が循環しているか否かを判断する。ここで、冷却水が循環しているか否かの判断は、水流センサの検出結果に基づいて実行することができるが、冷却水温等のその他検出手段の検出結果に基づいて判断してもよい。冷却水が循環している場合(ステップS15/YES)、ECU11はステップS17へ進む。冷却水が循環していない場合(ステップS15/NO)は、ECU11は次のステップS16へ進む。
ステップS16で、ECU11は、冷却水が正常に循環していない、即ち異常があると判定して、カウンタをリセットする。ECU11は、ステップS16の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS15の判断がYESの場合、ECU11はステップS17へ進む。ステップS17で、ECU11は、カウントアップを開始する。ECU11は、ステップS17の処理を終えると、次のステップS18へ進む。
ステップS18で、ECU11は、ステップS15で判断したYES判定が一定時間継続したか否かを判断する。この制御を実行することで、冷却水の一時的な循環不良によって暖機性向上制御が停止されてしまうことを抑制することができる。ここで、一定時間とは、冷却水の循環を精度よく検出するための任意の検出時間を適用することができる。YES判定が一定時間継続していない場合(ステップS18/NO)、ECU11は制御の処理を終了する。YES判定が一定時間継続した場合(ステップS18/YES)は、ECU11は次のステップS19へ進む。
ステップS19で、ECU11は、冷却水が正常に循環している、即ち異常が無いと判定する。ECU11は、ステップS19の処理を終えると、制御の処理を終了する。
次に、エンジン100の温度情報に基づいて暖機性向上制御の停止を判断するフローを説明する。図14はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、冷却水の循環停止または潤滑油圧の低油圧調整、即ち暖機性向上制御が実行されると開始し、暖機性向上制御が実行されている間、所定時間毎に実行される。まず、ECU11はステップS20で、水温センサ31の検出結果に基づいて、エンジン100の冷却水温が第1しきい値以上であるか否かを判断する。ここで、第1しきい値については前述したために、その詳細な説明は省略する。冷却水温が第1しきい値以上でない場合(ステップS20/NO)、ECU11はステップS24へ進む。冷却水温が第1しきい値以上である場合(ステップS20/YES)は、ECU11は次のステップS21へ進む。
ステップS21で、ECU11は、カウントアップを開始する。ECU11は、ステップS21の処理を終えると、次のステップS22へ進む。
ステップS22で、ECU11は、ステップS20で判断したYES判定が一定時間継続したか否かを判断する。この制御を実行することで、冷却水の一時的な温度上昇によって暖機性向上制御が停止されてしまうことを抑制することができる。ここで、一定時間とは、冷却水温を精度よく検出するための任意の検出時間を適用することができる。YES判定が一定時間継続していない場合(ステップS22/NO)、ECU11は制御の処理を終了する。YES判定が一定時間継続した場合(ステップS22/YES)は、ECU11は次のステップS23へ進む。
ステップS23で、ECU11は、摺動部の焼き付きが発生する可能性があると判断し、OCV26に指令することで、潤滑油圧を低油圧側から通常油圧へと調整する。ECU11は、ステップS23の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS20の判断がNOの場合、ECU11はステップS24へ進む。ステップS24で、ECU11は、水温センサ31の検出結果に基づいて、冷却水温がT5〜T8の間にあるか否かを判断する。ここで、T5およびT8については前述したために、その詳細な説明は省略する。冷却水温がT5〜T8の間にある場合(ステップS24/YES)、ECU11は制御の処理を終了する。冷却水温がT5〜T8の間にない場合(ステップS24/NO)は、ECU11は次のステップS25へ進む。
ステップS25で、ECU11は、冷却水の循環停止を実行するための温度条件が成立していないと判断し、ウォータポンプ23の電磁クラッチを係合させるように指令することで、冷却水の循環を開始させる。ECU11は、ステップS25の処理を終えると、次のステップS26へ進む。
ステップS26で、ECU11は、カウントアップを開始する。ECU11は、ステップS26の処理を終えると、次のステップS27へ進む。
ステップS27で、ECU11は、ステップS25で開始した冷却水の循環が所定時間継続したか否かを判断する。このように、冷却水の循環制御を実行することで、冷却水温からエンジン100の温度を精度よく検出することができることから、検出したエンジン100の温度に基づいて潤滑油圧の調整を適切に実行することができる。ここで、所定時間については前述したために、その詳細な説明は省略する。冷却水の循環が所定時間継続していない場合(ステップS27/NO)、ECU11は制御の処理を終了する。冷却水の循環が所定時間継続した場合(ステップS27/YES)は、ECU11は次のステップS28へ進む。
ステップS28で、ECU11は、水温センサ31の検出結果に基づいて、冷却水温がT1〜T4の間にあるか否かを判断する。ここで、T1およびT4については前述したために、その詳細な説明は省略する。冷却水温がT1〜T4の間にある場合(ステップS28/YES)、ECU11は制御の処理を終了する。冷却水温がT1〜T4の間にない場合(ステップS28/NO)は、ECU11は次のステップS29へ進む。
ステップS29で、ECU11は、潤滑油圧の低油圧側への調整を実行するための温度条件が成立していないと判断し、OCV26に指令することで、潤滑油圧を低油圧側から通常油圧へと調整する。ECU11は、ステップS29の処理を終えると、制御の処理を終了する。
次に、エンジン100の出力情報に基づいて暖機性向上制御の停止を判断するフローを説明する。図15はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、冷却水の循環停止または潤滑油圧の低油圧調整、即ち暖機性向上制御が実行されると開始し、暖機性向上制御が実行されている間、所定時間毎に実行される。まず、ECU11はステップS30で、冷却水の循環の停止と潤滑油圧の低油圧側への調整とが重複して実行されているか否かを判断する。冷却水の循環の停止と潤滑油圧の低油圧側への調整とが重複して実行されている場合(ステップS30/YES)、ECU11はステップS33へ進む。冷却水の循環の停止と潤滑油圧の低油圧側への調整とが重複して実行されていない場合(ステップS30/NO)は、ECU11は次のステップS31へ進む。
ステップS31で、ECU11は、エンジン100が所定の出力領域内にあるか否かを判断する(図8参照)。ここで、所定の出力領域については前述したために、その詳細な説明は省略する。エンジン100が所定の出力領域内にある場合(ステップS31/YES)、ECU11は、暖機性向上制御を実行するための出力条件が成立していると判断し、制御の処理を終了する。エンジン100が所定の出力領域内にない場合(ステップS31/NO)は、ECU11は次のステップS32へ進む。
ステップS32で、ECU11は、暖機性向上制御を実行するための出力条件が成立していないと判断し、冷却水の循環停止または潤滑油圧の低油圧調整の実行を停止させる。これにより、エンジン100の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができることから、摺動部の焼き付きが発生することを抑制することができる。ECU11は、ステップS32の処理を終えると、制御の処理を終了する。
ステップS30の判断がYESの場合、ECU11はステップS33へ進む。ステップS33で、ECU11は、冷却水の循環の停止と潤滑油圧の低油圧側への調整との重複実行を許可する基準となるエンジン回転数をN1からN2へ、燃料噴射量をQ1からQ2へと縮小し、暖機性向上制御の実行を許可するための出力領域を再設定する(図8参照)。ECU11は、ステップS33の処理を終えると、次のステップS34へ進む。
ステップS34で、ECU11は、エンジン100の出力がステップS33で再設定した出力領域内にあるか否かを判断する(図8参照)。エンジン100が再設定した出力領域内にある場合(ステップS34/YES)、ECU11は、暖機性向上制御を実行するための出力条件が成立していると判断し、制御の処理を終了する。エンジン100が再設定した出力領域内にない場合(ステップS34/NO)は、ECU11は次のステップS35へ進む。
ステップS35で、ECU11は、暖機性向上制御を実行するための出力条件が成立していないと判断し、冷却水の循環停止および潤滑油圧の低油圧調整の実行を停止させる。これにより、エンジン100の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができることから、摺動部の焼き付きが発生することを抑制することができる。ECU11は、ステップS35の処理を終えると、制御の処理を終了する。
次に、冷却水循環停止システムの故障時に潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を禁止させるフローを説明する。図16はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、冷却水の循環停止の実行停止条件が成立すると開始する。まず、ECU11はステップS36で、実行停止条件の成立に基づいて冷却水の循環停止の実行が正常に停止されたか否かを判断する。冷却水の循環停止の実行が正常に停止された場合(ステップS36/YES)、ECU11は、制御の処理を終了する。冷却水の循環停止の実行が正常に停止されていない場合(ステップS36/NO)は、ECU11は次のステップS37へ進む。
ステップS37で、ECU11は、潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を禁止する。このように、冷却水の循環停止の実行を停止できない場合は、潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を禁止することでエンジン100の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、エンジン100の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ECU11は、ステップS37の処理を終えると、制御の処理を終了する。
つづいて、潤滑油圧切替システムの故障時に冷却水の循環停止の実行を禁止させるフローを説明する。図17はECU11の処理の一例を示すフローチャートである。ECU11の制御は、潤滑油圧の低油圧側への調整の実行停止条件が成立すると開始する。まず、ECU11はステップS38で、実行停止条件の成立に基づいて潤滑油圧の低油圧側への調整の実行が正常に停止されたか否かを判断する。潤滑油圧の低油圧側への調整の実行が正常に停止された場合(ステップS38/YES)、ECU11は、制御の処理を終了する。潤滑油圧の低油圧側への調整の実行が正常に停止されていない場合(ステップS38/NO)は、ECU11は次のステップS39へ進む。
ステップS39で、ECU11は、冷却水の循環停止の実行を禁止する。このように、潤滑油圧の低油圧側への調整の実行を停止できない場合は、冷却水の循環停止の実行を禁止することでエンジン100の冷却能力を確保し、各部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。これにより、エンジン100の摺動部に焼き付きが生じることを抑制し、暖機性を向上させるための制御をより安全に実行することができる。
ECU11は、ステップS39の処理を終えると、制御の処理を終了する。
以上のように、本実施例の車両制御システム10は、冷媒循環停止手段と、低油圧調整手段と、温度検出手段と、制御手段とを備えて、制御手段が冷媒循環停止手段の実行の停止が所定時間継続した時の温度検出手段の検出結果に基づいて低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断することで、内燃機関の冷間時に冷媒の循環を停止させる制御と潤滑油圧を低油圧側に調整する制御とを組み合わせて高効率で制御することができる。よって、冷媒循環停止手段と低油圧調整手段とを備える内燃機関の暖機性を大幅に向上させることができる。
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 車両制御システム
11 ECU
23 ウォータポンプ
24 オイルポンプ
25 オイルリリーフ装置
26 OCV
31 水温センサ
32 潤滑油温センサ
100 エンジン

Claims (6)

  1. 内燃機関の冷媒流路内の冷媒の循環を停止させる冷媒循環停止手段と、
    前記内燃機関の潤滑油流路内の潤滑油圧を通常油圧よりも低油圧側へ調整する低油圧調整手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記冷媒循環停止手段と前記低油圧調整手段との実行を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記冷媒循環停止手段の実行の停止が所定時間継続した時の前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記低油圧調整手段の実行を停止するか否かを判断することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記内燃機関の出力が所定の領域内にある場合にのみ前記冷媒循環停止手段の実行および前記低油圧調整手段の実行を許可し、
    更に、前記制御手段は、前記冷媒循環停止手段と前記低油圧調整手段とを重複して実行させる間、前記冷媒循環停止手段の実行および前記低油圧調整手段の実行を許可する出力の領域を縮小することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記低油圧調整手段の実行が停止できない場合は前記冷媒循環停止手段の実行を禁止することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記冷媒循環停止手段の実行が停止できない場合は前記低油圧調整手段の実行を禁止することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記温度検出手段の検出結果が第1しきい値以上の場合に、前記低油圧調整手段の実行を停止することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記温度検出手段は、前記内燃機関の回転数と、負荷と、冷媒温度と、潤滑油温度との少なくとも一つに基づいて、前記内燃機関の温度を検出することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の内燃機関の制御装置。

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