JP2004150300A - ウォータポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁コイルのわずかな電力で、すべての領域でウォータポンプの回転数を可変化し、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができると共に、小型化及びコスト低減できるウォータポンプを提供すること。
【解決手段】駆動力を伝達されるプーリ80と、流体を循環させるインペラ24と、プーリ80からインペラ24へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構50を有するウォータポンプ1において、駆動力伝達機構50は、パウダークラッチ50Aから構成したこと。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動力を伝達されるプーリ80と、流体を循環させるインペラ24と、プーリ80からインペラ24へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構50を有するウォータポンプ1において、駆動力伝達機構50は、パウダークラッチ50Aから構成したこと。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォータポンプの構造に関するものであり、特に、ウォータポンプの駆動力伝達機構に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両燃費向上のために、冷却水量の可変化が試みられている。この可変化の要求に対して、電動モータを採用したウォータポンプによる連続可変化、クラッチ機構を採用したウォータポンプによる2段可変化等の対応がある。
【0003】
通常の冷却配管では、ウォータポンプの駆動力は、流量の3乗に比例するため、電動ウォータポンプを使用した場合、最大流量時に合わせて設計する必要があり、ウォータポンプの大型化が避けられなかった。これを回避する手法としては、ベルト駆動させる機械式ウォータポンプと電動ウォータポンプを併用する方法もあるが、コストの増大を招くため、採用が難しい状況にあった。
【0004】
一方、クラッチ機構を採用したウォータポンプでは、圧力源から供給される流体の圧力を受けて回転動力の伝達作用と遮断作用をするクラッチ機構をインペラと駆動手段との間に設けられているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、回転軸に固着される形状記憶合金製のディスク部材に対して、羽根部材が常温において所定のクリアランスを有して保持されて、水温の上昇に応じてクリアランスが無くなり羽根部材がディスク部材と一体的に回転するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−214878号公報
【0007】
【特許文献2】
実用新案公開平5−6194号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のウォータポンプは、大流量を制御できるものの、基本的に2段可変であり、クラッチの摩耗、中間領域での頻繁なクラッチのON−OFF作動によるクラッチ音の発生が問題となる。また、特許文献2のウォータポンプは、温度のみに依存した流量可変しか行うことができず、燃費向上のための流量制御という面では理想的な制御ができなかった。
【0009】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電磁コイルのわずかな電力で、すべての領域でウォータポンプの回転数を可変化し、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができると共に、小型化及びコスト低減できるウォータポンプを提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、駆動力が伝達されるプーリと、流体を循環させるインペラと、前記プーリから前記インペラへ駆動力を伝達する駆動力伝達機構を有するウォータポンプにおいて、前記駆動力伝達機構は、パウダークラッチから構成したことである。
【0011】
上記した手段によれば、パウダークラッチによりプーリからインペラへ駆動力を制御するため、わずかな電力でウォータポンプの回転数を連続的に可変化でき、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができる。また、駆動力伝達機構をパウダークラッチから構成したことによりコスト低減をはかることができる。
【0012】
上記の課題を解決するために講じた第2の技術的手段は、前記駆動力伝達機構を前記プーリの凹部内に同軸上に配設したことである。
【0013】
上記した手段によれば、プーリと駆動力伝達機構を径方向に重合することができるため、ウォータポンプを小型化することができる。
【0014】
上記の課題を解決するために講じた第3の技術的手段は、前記プーリを回転可能に支持する第1ベアリングを、前記インペラを回転可能に支持する第2ベアリングの径方向外側に重合させ配設したことである。
【0015】
上記した手段によれば、インペラを小型化できるため、水室を形成する部材を小型化できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態を示している。ウォータポンプ1は、例えば、車両のエンジン内部で発生した発熱を冷却水(流体)の循環により吸熱し、吸熱して温められた冷却水をラジエータにより冷やす様にした冷却水循環経路の一部に設けられている。ウォータポンプ1は、駆動力が伝達されるプーリ80と冷却水(流体)を循環させるインペラ24との間に、プーリ80からインペラ24へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構50を有している。
【0018】
ウォータポンプ1は、冷却水を循環させるインペラ24と駆動力が伝達される有底円筒の出力リング26が固着されるシャフト22とからなる回転体20と、プーリ80が固定されると共に出力リング26に対して一体回転又は相対回転する回転伝達体30と、回転伝達体30を回転可能に支持するケース40等から構成される。
【0019】
回転伝達体30は、ケース32の内周にカバー34が嵌入され、出力リング26の周りに空隙部を設けた伝達室36を形成すると共に、凹部80aを有するプーリ80が周方向に複数箇所でボルト90によりカバー34に一体的に固定されている。また、回転伝達体30は、軸方向に出力リング26を間に挟んで2個の第1ベアリング28により回転体20を回転可能に支持している。伝達室36は、回転伝達体30と、2個の第1ベアリング28と出力リング26との間に配設される2個のパウダーシール29と、パウダーシール29の内周に摺接するシャフト22とにより密閉され、内部には磁性を有するパウダーCが収容されている。
【0020】
ケース40は、プーリ80の凹部80a内に配設されると共に、ケース40の内部には、径方向に出力リング26に対向して、内側が開口した断面コ字状のコア62内にコイル64を巻回した電磁コイル体60が配設されている。また、ケース40は、軸方向に電磁コイル体60を間に挟んで2個の第2ベアリング38により回転伝達体30を回転可能に支持している。第2ベアリング38は第1ベアリング28の径方向外側に重合され配設されている。これにより、回転体20を小型化できると共に、インペラ24を小型化できるため、水室97を形成するハウジング45を小型化できる。また、駆動力伝達機構50はプーリ80の凹部80a内に同軸上に配設されている。これにより、プーリ80と駆動力伝達機構50を径方向に重合することができるため、ウォータポンプ1を小型化することができる。ケース40は、インペラ24側にハウジング45が接合されている。シャフト22と水室97を形成するハウジング45との間には、冷却水を液密的にシールするメカニカルシール48が設けられている。ケース40及びハウジング45は、周方向に複数箇所でボルト91によりボデー98に固定されている。尚、電磁コイル体60は、コイル64への通電を制御する通電制御手段66を備えている。
【0021】
駆動力伝達機構50は、電磁コイル体60と、出力リング26と、出力リング26の周りに空隙部を設けて出力リング26を収容する伝達室36を有する回転伝達体30と、伝達室36に収容され電磁コイル体60による磁化により回転伝達30体の回転を出力リング26に伝達するパウダーCから構成されるパウダークラッチ50Aからなる。
【0022】
パウダークラッチ50Aは、コイル64が非通電時、電磁コイル体60が無励磁状態で回転伝達体30が回転していれば、パウダーCは遠心力により伝達室36の内周面に押し付けられ、回転伝達体30と出力リング26の連結、つまり、回転伝達体30と回転体20の連結は断たれている。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、磁束に沿ってパウダーCが鎖状に連結し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力により駆動力(駆動トルク)の伝達が行われる。尚、コイル64への通電量の増減により、電磁コイル体60の磁力が増減し、ひいては、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減する。これにより、コイル64への通電量を制御することにより、プーリ80からインペラ24へ伝達する駆動力を連続的に制御することができる。つまり、インペラ24の回転数を制御し、ウォータポンプ1による冷却水の循環量を小流量から大流量まで制御することができる。これにより、クラッチの摩耗、中間領域での頻繁なクラッチのON−OFF作動によるクラッチ音の発生の問題が解消でき、騒音の低減、耐久性の向上をはかることができる。
【0023】
次に、ウォータポンプ1の動作について説明する。コイル64が非通電時、回転伝達体30と回転体20の連結は断たれ、プーリ80からの駆動力は伝達されないため、インペラ24は回転されず冷却水は循環されない。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、回転伝達体30と回転体20の連結され、プーリ80からの駆動力は伝達されるため、インペラ24は回転され冷却水は循環される。ここで、コイル64が通電量を制御する通電制御手段66を介して、外部からの信号により通電量を制御されると、電磁コイル体60の磁力が増減し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減し、インペラ24の回転数が制御される。これにより、冷却水量を連続的に変化させることができる。
【0024】
以下、本発明の第2実施形態を図2に基づき説明する。
【0025】
尚、第2実施形態は、ウォータポンプ201において、シャフト222からインペラ224への駆動力の伝達手段が第1実施形態と異なるだけであるので、第1実施形態と同一の構成については同一の番号符号を付し、説明を省略する。
【0026】
シャフト222の一端に環状の永久磁石226が固着され、シャフト222上には駆動力が伝達される出力リング26が固着され、回転体220を構成している。ハウジング245は軸方向略中央には隔壁242が形成され、一方に環状の永久磁石226を収容する凹部244が形成され、他方にインペラ224を収容し水室97を構成する凹部246が形成されている。インペラ224は中央にシャフト224aが嵌入され、背面には環状の永久磁石が固着されている。インペラ224は、シャフト224aの一端が隔壁242に形成された円筒部242aの内周に嵌入され、他端がボデー298に配設されたガイド298aに形成された穴298bの内周に嵌入され、回転可能に支持されている。
【0027】
次に、ウォータポンプ201の動作について説明する。
【0028】
コイル64が非通電時、回転伝達体30と回転体220の連結は断たれ、プーリ80からの駆動力は伝達されないため、永久磁石226は回転されないと共に、インペラ224も回転されず、冷却水は循環されない。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、回転伝達体30と回転体220は連結され回転され、プーリ80からの駆動力は伝達されるため、永久磁石226は回転されると共に、インペラ224は回転され冷却水は循環される。ここで、コイル64が通電量を制御する通電制御手段66を介して、外部からの信号により通電量を制御されると、電磁コイル体60の磁力が増減し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減し、インペラ224の回転数が制御される。これにより、冷却水量を連続的に変化させることができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の発明にて講じた技術的手段によれば、パウダークラッチによりプーリからインペラへ駆動力を制御するため、わずかな電力でウォータポンプの回転数を連続的に可変化でき、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができる。また、駆動力伝達機構をパウダークラッチから構成したことによりコスト低減をはかることができる。
【0030】
請求項2の発明にて講じた技術的手段によれば、プーリと駆動力伝達機構を径方向に重合することができるため、ウォータポンプを小型化することができる。
【0031】
請求項3の発明にて講じた技術的手段によれば、インペラを小型化できるため、水室を形成する部材を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における、ウォータポンプの断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態における、ウォータポンプの断面図である。
【符号の説明】
1、201・・・ウォータポンプ
24、224・・・インペラ
28・・・第1ベアリング
38・・・第2ベアリング
50・・・駆動力伝達機構
80・・・プーリ
80a・・・凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォータポンプの構造に関するものであり、特に、ウォータポンプの駆動力伝達機構に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両燃費向上のために、冷却水量の可変化が試みられている。この可変化の要求に対して、電動モータを採用したウォータポンプによる連続可変化、クラッチ機構を採用したウォータポンプによる2段可変化等の対応がある。
【0003】
通常の冷却配管では、ウォータポンプの駆動力は、流量の3乗に比例するため、電動ウォータポンプを使用した場合、最大流量時に合わせて設計する必要があり、ウォータポンプの大型化が避けられなかった。これを回避する手法としては、ベルト駆動させる機械式ウォータポンプと電動ウォータポンプを併用する方法もあるが、コストの増大を招くため、採用が難しい状況にあった。
【0004】
一方、クラッチ機構を採用したウォータポンプでは、圧力源から供給される流体の圧力を受けて回転動力の伝達作用と遮断作用をするクラッチ機構をインペラと駆動手段との間に設けられているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、回転軸に固着される形状記憶合金製のディスク部材に対して、羽根部材が常温において所定のクリアランスを有して保持されて、水温の上昇に応じてクリアランスが無くなり羽根部材がディスク部材と一体的に回転するものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−214878号公報
【0007】
【特許文献2】
実用新案公開平5−6194号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のウォータポンプは、大流量を制御できるものの、基本的に2段可変であり、クラッチの摩耗、中間領域での頻繁なクラッチのON−OFF作動によるクラッチ音の発生が問題となる。また、特許文献2のウォータポンプは、温度のみに依存した流量可変しか行うことができず、燃費向上のための流量制御という面では理想的な制御ができなかった。
【0009】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電磁コイルのわずかな電力で、すべての領域でウォータポンプの回転数を可変化し、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができると共に、小型化及びコスト低減できるウォータポンプを提供することを技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、駆動力が伝達されるプーリと、流体を循環させるインペラと、前記プーリから前記インペラへ駆動力を伝達する駆動力伝達機構を有するウォータポンプにおいて、前記駆動力伝達機構は、パウダークラッチから構成したことである。
【0011】
上記した手段によれば、パウダークラッチによりプーリからインペラへ駆動力を制御するため、わずかな電力でウォータポンプの回転数を連続的に可変化でき、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができる。また、駆動力伝達機構をパウダークラッチから構成したことによりコスト低減をはかることができる。
【0012】
上記の課題を解決するために講じた第2の技術的手段は、前記駆動力伝達機構を前記プーリの凹部内に同軸上に配設したことである。
【0013】
上記した手段によれば、プーリと駆動力伝達機構を径方向に重合することができるため、ウォータポンプを小型化することができる。
【0014】
上記の課題を解決するために講じた第3の技術的手段は、前記プーリを回転可能に支持する第1ベアリングを、前記インペラを回転可能に支持する第2ベアリングの径方向外側に重合させ配設したことである。
【0015】
上記した手段によれば、インペラを小型化できるため、水室を形成する部材を小型化できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態を示している。ウォータポンプ1は、例えば、車両のエンジン内部で発生した発熱を冷却水(流体)の循環により吸熱し、吸熱して温められた冷却水をラジエータにより冷やす様にした冷却水循環経路の一部に設けられている。ウォータポンプ1は、駆動力が伝達されるプーリ80と冷却水(流体)を循環させるインペラ24との間に、プーリ80からインペラ24へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構50を有している。
【0018】
ウォータポンプ1は、冷却水を循環させるインペラ24と駆動力が伝達される有底円筒の出力リング26が固着されるシャフト22とからなる回転体20と、プーリ80が固定されると共に出力リング26に対して一体回転又は相対回転する回転伝達体30と、回転伝達体30を回転可能に支持するケース40等から構成される。
【0019】
回転伝達体30は、ケース32の内周にカバー34が嵌入され、出力リング26の周りに空隙部を設けた伝達室36を形成すると共に、凹部80aを有するプーリ80が周方向に複数箇所でボルト90によりカバー34に一体的に固定されている。また、回転伝達体30は、軸方向に出力リング26を間に挟んで2個の第1ベアリング28により回転体20を回転可能に支持している。伝達室36は、回転伝達体30と、2個の第1ベアリング28と出力リング26との間に配設される2個のパウダーシール29と、パウダーシール29の内周に摺接するシャフト22とにより密閉され、内部には磁性を有するパウダーCが収容されている。
【0020】
ケース40は、プーリ80の凹部80a内に配設されると共に、ケース40の内部には、径方向に出力リング26に対向して、内側が開口した断面コ字状のコア62内にコイル64を巻回した電磁コイル体60が配設されている。また、ケース40は、軸方向に電磁コイル体60を間に挟んで2個の第2ベアリング38により回転伝達体30を回転可能に支持している。第2ベアリング38は第1ベアリング28の径方向外側に重合され配設されている。これにより、回転体20を小型化できると共に、インペラ24を小型化できるため、水室97を形成するハウジング45を小型化できる。また、駆動力伝達機構50はプーリ80の凹部80a内に同軸上に配設されている。これにより、プーリ80と駆動力伝達機構50を径方向に重合することができるため、ウォータポンプ1を小型化することができる。ケース40は、インペラ24側にハウジング45が接合されている。シャフト22と水室97を形成するハウジング45との間には、冷却水を液密的にシールするメカニカルシール48が設けられている。ケース40及びハウジング45は、周方向に複数箇所でボルト91によりボデー98に固定されている。尚、電磁コイル体60は、コイル64への通電を制御する通電制御手段66を備えている。
【0021】
駆動力伝達機構50は、電磁コイル体60と、出力リング26と、出力リング26の周りに空隙部を設けて出力リング26を収容する伝達室36を有する回転伝達体30と、伝達室36に収容され電磁コイル体60による磁化により回転伝達30体の回転を出力リング26に伝達するパウダーCから構成されるパウダークラッチ50Aからなる。
【0022】
パウダークラッチ50Aは、コイル64が非通電時、電磁コイル体60が無励磁状態で回転伝達体30が回転していれば、パウダーCは遠心力により伝達室36の内周面に押し付けられ、回転伝達体30と出力リング26の連結、つまり、回転伝達体30と回転体20の連結は断たれている。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、磁束に沿ってパウダーCが鎖状に連結し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力により駆動力(駆動トルク)の伝達が行われる。尚、コイル64への通電量の増減により、電磁コイル体60の磁力が増減し、ひいては、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減する。これにより、コイル64への通電量を制御することにより、プーリ80からインペラ24へ伝達する駆動力を連続的に制御することができる。つまり、インペラ24の回転数を制御し、ウォータポンプ1による冷却水の循環量を小流量から大流量まで制御することができる。これにより、クラッチの摩耗、中間領域での頻繁なクラッチのON−OFF作動によるクラッチ音の発生の問題が解消でき、騒音の低減、耐久性の向上をはかることができる。
【0023】
次に、ウォータポンプ1の動作について説明する。コイル64が非通電時、回転伝達体30と回転体20の連結は断たれ、プーリ80からの駆動力は伝達されないため、インペラ24は回転されず冷却水は循環されない。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、回転伝達体30と回転体20の連結され、プーリ80からの駆動力は伝達されるため、インペラ24は回転され冷却水は循環される。ここで、コイル64が通電量を制御する通電制御手段66を介して、外部からの信号により通電量を制御されると、電磁コイル体60の磁力が増減し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減し、インペラ24の回転数が制御される。これにより、冷却水量を連続的に変化させることができる。
【0024】
以下、本発明の第2実施形態を図2に基づき説明する。
【0025】
尚、第2実施形態は、ウォータポンプ201において、シャフト222からインペラ224への駆動力の伝達手段が第1実施形態と異なるだけであるので、第1実施形態と同一の構成については同一の番号符号を付し、説明を省略する。
【0026】
シャフト222の一端に環状の永久磁石226が固着され、シャフト222上には駆動力が伝達される出力リング26が固着され、回転体220を構成している。ハウジング245は軸方向略中央には隔壁242が形成され、一方に環状の永久磁石226を収容する凹部244が形成され、他方にインペラ224を収容し水室97を構成する凹部246が形成されている。インペラ224は中央にシャフト224aが嵌入され、背面には環状の永久磁石が固着されている。インペラ224は、シャフト224aの一端が隔壁242に形成された円筒部242aの内周に嵌入され、他端がボデー298に配設されたガイド298aに形成された穴298bの内周に嵌入され、回転可能に支持されている。
【0027】
次に、ウォータポンプ201の動作について説明する。
【0028】
コイル64が非通電時、回転伝達体30と回転体220の連結は断たれ、プーリ80からの駆動力は伝達されないため、永久磁石226は回転されないと共に、インペラ224も回転されず、冷却水は循環されない。コイル64が通電され電磁コイル体60が励磁状態になると、回転伝達体30と回転体220は連結され回転され、プーリ80からの駆動力は伝達されるため、永久磁石226は回転されると共に、インペラ224は回転され冷却水は循環される。ここで、コイル64が通電量を制御する通電制御手段66を介して、外部からの信号により通電量を制御されると、電磁コイル体60の磁力が増減し、パウダーC間の連結力、パウダーCと回転伝達体30の内周面30a及び出力リング26の外周面26aとの摩擦力が増減し、インペラ224の回転数が制御される。これにより、冷却水量を連続的に変化させることができる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の発明にて講じた技術的手段によれば、パウダークラッチによりプーリからインペラへ駆動力を制御するため、わずかな電力でウォータポンプの回転数を連続的に可変化でき、小流量から大流量まで流量制御が可能であり、騒音の低減、耐久性の向上ができる。また、駆動力伝達機構をパウダークラッチから構成したことによりコスト低減をはかることができる。
【0030】
請求項2の発明にて講じた技術的手段によれば、プーリと駆動力伝達機構を径方向に重合することができるため、ウォータポンプを小型化することができる。
【0031】
請求項3の発明にて講じた技術的手段によれば、インペラを小型化できるため、水室を形成する部材を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における、ウォータポンプの断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態における、ウォータポンプの断面図である。
【符号の説明】
1、201・・・ウォータポンプ
24、224・・・インペラ
28・・・第1ベアリング
38・・・第2ベアリング
50・・・駆動力伝達機構
80・・・プーリ
80a・・・凹部
Claims (3)
- 駆動力が伝達されるプーリと、
流体を循環させるインペラと、
前記プーリから前記インペラへ駆動力を伝達する駆動力伝達機構を有するウォータポンプにおいて、
前記駆動力伝達機構は、パウダークラッチから構成されることを特徴とするウォータポンプ。 - 前記駆動力伝達機構を前記プーリの凹部内に同軸上に配設したことを特徴とするウォータポンプ。
- 前記プーリを回転可能に支持する第1ベアリングを、前記インペラを回転可能に支持する第2ベアリングの径方向外側に重合させ配設したことを特徴とするウォータポンプ。
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---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314374A patent/JP2004150300A/ja active Pending
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