JPWO2010137721A1 - オルガノシロキサン樹脂組成物およびその積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、基材の耐候性、耐熱水性、環境変化および高温環境に対する耐久性を著しく改善し、優れた耐摩耗性を付与する光学的に透明性の高いオルガノシロキサン樹脂組成物および積層体を提供することにある。本発明は、(A)コロイダルシリカ(A成分)、(B)アルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)、(C)疎水性の高いアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)、並びに(D)金属酸化物(D成分)を含有するオルガノシロキサン樹脂組成物である。

Description

本発明はオルガノシロキサン樹脂組成物およびオルガノシロキサン樹脂で表面を保護された積層体に関する。さらに詳しくは耐候性および耐摩耗性に優れたオルガノシロキサン樹脂組成物および該オルガノシロキサン樹脂で表面を保護された積層体に関する。
プラスチック材料は、耐衝撃性、軽量性、加工性等の特長を生かして、多方面の用途で使用されている。特に、透明プラスチックであるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂等はガラスの代替として幅広く利用されている。しかし、これらの樹脂は耐候性が十分ではなく、長期の屋外の使用において分解・劣化するため物性、外観が損なわれることが知られている。またこれらの樹脂は耐摩耗性も乏しく表面が傷つきやすく、また溶剤に侵されやすいという欠点を有している。
近年、その軽量性、安全性を活かして窓ガラス、特に自動車の窓ガラスに透明プラスチックを基材とする有機ガラスを適用しようとする動きがある。この有機ガラスには、ガラス並の高度な耐候性が要求される。また、前面ガラスではワイパー作動時のすり傷発生を防止する必要があり、サイドウィンドーではウィンドー昇降時のすり傷発生を防止する必要があり、優れた耐摩耗性が要求される。また、屋外での使用が前提となるため、有機ガラスには、環境の変化および高温環境下においてより強い耐久性も要求されている。
これらの欠点を改良する目的で、従来から基材表面にアクリル樹脂層を設け、さらにその上にオルガノシロキサン樹脂層を積層することにより、耐候性、耐久性、耐摩耗性を改良する数多くの提案がなされてきている(特許文献1〜4)。それらの中でも特に高度な耐候性を得るために、アクリル樹脂層に紫外線吸収能を付与するだけでなく、オルガノシロキサン樹脂層にも紫外線吸収能あるいは紫外線反射能を付与することが知られている。
例えば、特許文献5や特許文献6には、オルガノシロキサン樹脂層に特定構造の紫外線吸収剤を添加することで積層体の耐候性が改良されることが開示されている。しかしながら、この場合、有機系の紫外線吸収剤そのものが紫外線によって経時的に分解していくため、屋外での長期の使用に耐えうるには十分満足できるものではなかった。また、オルガノシロキサン樹脂層に有機物を配合するため、耐候性と耐摩耗性を両立させることは容易ではなかった。
この点を改善する目的で、特許文献7〜12には紫外線吸収能を有する金属酸化物をオルガノシロキサン樹脂層に分散させることで、高度な耐候性を維持しつつ、高い耐摩耗性を付与することが開示されている。紫外線吸収能を有する金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムが記載されている。これらの金属酸化物は一般的に光触媒活性も有するため、そのままではオルガノシロキサン樹脂層のみならずアクリル樹脂層や基材層の分解を促進し、逆に耐候性を低下させるという欠点がある。このメカニズムは次の通りである。
(1)光触媒にバンドギャップ幅以上の大きさのエネルギーを持つ光をあてると、その表面から電子が飛び出し、正の電荷をもつ正孔が生じる。
(2)その正孔が水の水酸化イオンや酸素などと反応して、水酸化ラジカルやスーパーオキサイドアニオンなどの活性種を生成する。
(3)これらの活性種は非常に反応性が高く、特に水酸化ラジカルは非常に大きなエネルギーを持っているため、有機化合物を構成する分子中の結合を容易に切断し、有機化合物を分解する。
特開昭62−169832号公報 特開昭59−109528号公報 特開2002−206042号公報 特開2004−131549号公報 特開2004−018811号公報 特許第3648280号公報 特開2003−306605号公報 特開2004−238418号公報 特開2006−70078号公報 特開2006−104476号公報 特開2008−94956号公報 特開2008−231304号公報
本発明の目的は、基材の耐候性、耐熱水性、環境変化および高温環境に対する耐久性(特に密着性)を改善し、優れた耐摩耗性を付与する光学的に透明性の高いオルガノシロキサン樹脂組成物、その塗料および該樹脂組成物で表面を保護された積層体を提供することにある。
本発明者らはコーティング用熱硬化型オルガノシロキサン樹脂組成物について鋭意研究を重ねた。その結果、金属酸化物(D成分)を紫外線吸収剤として用いるオルガノシロキサン樹脂組成物に、アルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)に加えて、疎水性の高いアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)を配合すると、該樹脂組成物を用いた積層体への水の浸透が抑制され、水の存在下で金属酸化物(D成分)により生成する水酸化ラジカルが減少し、耐摩耗性および耐候性に優れた積層体が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1. (A)コロイダルシリカ(A成分)、
(B)下記式(B)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)、
Si(OR4−m−n (B)
(式中R、Rは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基であり、これらはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。m、nは各々独立に、0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。)
(C)下記式(C)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)、
Si(OR4−j−k (C)
(式中Rは、置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族基、置換されていてもよい炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、またはフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基であり、これらはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。jは1、2、3のいずれかの整数であり、kは0、1、2のいずれかの整数であり、j+kは1、2、3のいずれかの整数である。)
並びに
(D)金属酸化物(D成分)、
を含有し、
A成分〜C成分の合計量を100重量%として、A成分の含有量がSiOに換算して10〜59.9重量%、B成分の含有量がR SiO(4−m−n)/2に換算して40〜89.9重量%、C成分の含有量がR SiO(4−j−k)/2に換算して0.1〜18重量%であり、A成分〜C成分の合計量100重量部に対してD成分の含有量が0.1〜15重量部であるオルガノシロキサン樹脂組成物、
2. B成分は、下記式(B)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物であり、C成分は、下記式(C)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物である前項1記載の樹脂組成物、
Si(OR4−m−n (B)
(式中R、R、Rは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基である。m、nは各々独立に、0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。)
Si(OR4−j−k (C)
(式中Rは、炭素数6〜12のアリール基またはフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基であり、R、Rは各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基である。jは1、2、3のいずれかの整数であり、kは0、1、2のいずれかの整数であり、j+kは1、2、3のいずれかの整数である。)
3. A成分の含有量がSiOに換算して10〜39.5重量%、B成分の含有量がR SiO(4−m−n)/2に換算して60〜89.5重量%、C成分の含有量がR SiO(4−j−k)/2に換算して0.5〜13重量%であり、D成分の含有量がA成分〜C成分の合計量100重量部に対して0.1〜15重量部である前項1記載の樹脂組成物、
4. 金属酸化物(D成分)は、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化チタンである前項1記載の樹脂組成物、
5. 金属酸化物(D成分)は、アルミナ層、ジルコニア層、ケイ素化合物層、あるいはこれらの積層体によって表面被覆された、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化チタンである前項1記載の樹脂組成物、
6. 金属酸化物(D成分)の平均粒径が、5〜200nmである前項1記載の樹脂組成物、
7. 金属酸化物(D成分)は、金属酸化物を水または有機溶剤中に分散させたスラリーを平均粒径100μm以下の媒体を充填した媒体ミルによりさらに分散処理したものである前項1記載の樹脂組成物、
8. 前項1記載の樹脂組成物および炭素数1〜6のアルコールを含有し、固形分濃度が5〜70重量%であるオルガノシロキサン樹脂塗料、
9. さらに、硬化触媒(E成分)を、A成分〜C成分の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部を含有する前項8記載の樹脂塗料、
10. 基材、アクリル樹脂組成物を熱硬化させた第1層および前項1記載の樹脂組成物を熱硬化させた第2層を含有し、基材、第1層、第2層の順序に積層された積層体、
11. 第2層表面の水接触角が85度以上である前項10記載の積層体、
12. さらに着色層を有し、基材、着色層、第1層、第2層の順序に積層された前項10記載の積層体、
13. さらに着色層を有し、基材、第1層、第2層、着色層の順序に積層された前項10記載の積層体、である。
図1は、本発明の着色層を有するポリカーボネート樹脂積層体の平面簡略図である。
1 着色層、第1層、第2層を積層したポリカーボネート樹脂積層体
2 第1層、第2層を積層したポリカーボネート樹脂積層体
以下、本発明について更に詳しく説明する。
〈オルガノシロキサン樹脂組成物〉
(コロイダルシリカ:A成分)
コロイダルシリカ(A成分)は、好ましくは直径5〜200nm、より好ましくは直径10〜80nmのシリカ微粒子が、水または有機溶媒中にコロイド状に分散されたものが好ましい。
コロイダルシリカ(A成分)は、水分散型および有機溶媒分散型のどちらでも使用できるが、水分散型のものを用いるのが好ましい。水分散型のコロイダルシリカの場合、シリカ微粒子の表面に多数の水酸基が存在し、これがアルコキシシラン加水分解物またはその縮合物と強固に結合するため、より耐摩耗性に優れた積層体が得られるものと考えられる。
また、水分散型コロイダルシリカは、さらに酸性水溶液分散型と塩基性水溶液分散型がある。該水分散型コロイダルシリカとしては、酸性水溶液分散型と塩基性水溶液分散型のどちらでも使用できるが、硬化触媒選択の多様性、トリアルコキシシランの適切な加水分解、縮合状態の実現の観点から酸性水溶液分散型コロイダルシリカが好ましく使用される。
かかるコロイダルシリカ(A成分)として、具体的には、酸性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業(株)のスノーテックスO、触媒化成工業(株)のカタロイドSN30、塩基性水溶液中で分散させた商品として日産化学工業(株)のスノ−テックス30、スノ−テックス40、触媒化成工業(株)のカタロイドS30、カタロイドS40、有機溶剤に分散させた商品として日産化学工業(株)のMA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、NPC−ST、DMAC−ST等が挙げられる。
(アルコキシシランの加水分解縮合物:B成分)
アルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)は、下記式(B)のアルコキシシランを加水分解縮合反応させたものである。
Si(OR4−m−n (B)
式中R、Rは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基である。これらはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。R、Rは各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
は炭素数1〜4のアルキル基である。Rは炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特にメチル基またはエチル基が好ましい。
m、nは各々独立に、0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。m、nはそれぞれ0または1が好ましい。また、m+nは1が好ましい。
アルコキシシランとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。なかでもアルキルトリアルコキシシランが好ましく、特にメチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランが好ましい。これらは単独もしくは混合して使用できる。さらに用途に応じて硬化膜に可撓性を付与するために、ジメチルジメトキシシランなどの二官能性アルコキシシランを混合して使用することも好ましく行われる。
また、特に耐摩耗性に優れた第2層を形成するオルガノシロキサン樹脂組成物として、式(B)のアルコキシシラン中の70〜100重量%がメチルトリアルコキシシランであることが好ましい。
(疎水性の高いアルコキシシランの加水分解縮合物:C成分)
疎水性の高いアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)は、下記式(C)のアルコキシシランを加水分解縮合反応させたものである。
Si(OR4−j−k (C)
式中Rは、置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族基、置換されていてもよい炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、またはフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基である。
炭素数6〜12の芳香族基として、アリール基若しくはアラルキル基等が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。炭素数6〜12のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。これらはメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基として、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基等が挙げられる。炭素数3〜12のシクロアルキル基として、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数3〜12のシクロアルケニル基として、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘセニル基等が挙げられる。これらはメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
フッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、オクタデシル基等の炭素原子に結合する水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
は、炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基である。炭素数1〜4のアルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基は、メタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。
は炭素数1〜4のアルキル基である。Rは炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特にメチル基またはエチル基が好ましい。
jは1、2、3のいずれかの整数であり、kは0、1、2のいずれかの整数であり、j+kは1、2、3のいずれかの整数である。jは1、2のいずれかの整数が好ましく、1がより好ましい。kは0、1のいずれかの整数が好ましく、0がより好ましい。
疎水性の高い式(C)のアルコキシシランとしては、具体的には、ベンジルトリメトキシシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリメトキシシラン、ビス(トリメチルシリルメチル)ジメトキシシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルメチルメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p−トリルトリメトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。なかでもアルキルトリアルコキシシランが好ましく、特にフェニルトリメトキシシランおよび(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランが好ましい。これらは単独で使用するだけでなく、混合して使用することもできる。
A成分とB成分ならびにC成分の含有量は、樹脂組成物の長期保存安定性(シェルフライフ)、得られるオルガノシロキサン樹脂層の透明性、耐摩耗性、密着性、クラック発生の有無、そしてC成分による樹脂層への水の浸透を抑制する効果等の点から決められる。
A成分〜C成分の合計量を100重量%として、A成分の含有量がSiOに換算して10〜59.9重量%、B成分の含有量がR SiO(4−m−n)/2に換算して40〜89.9重量%、C成分の含有量がR SiO(4−j−k)/2に換算して0.1〜18重量%である。好ましくはA成分が10〜39.5重量%、B成分が60〜89.5重量%、C成分が0.5〜13重量%である。
A成分が59.9重量%よりも多くなると、得られる樹脂層の透明性が損なわれたり、耐摩耗性が低下したりする可能性がある。反対にB成分が89.9重量%よりも多くなると、樹脂組成物を熱硬化するときのクラックの発生を抑制することが困難になる場合がある。また、C成分が18重量%よりも多くなると、耐摩耗性が低下するほか、下地となるアクリル樹脂組成物を熱硬化させた第1層との間の密着性が低下し、優れた耐久性が発現しなくなる可能性が出てくる。一方、C成分が0.1重量%未満になると、本特許の目的であるところのオルガノシロキサン樹脂層への水の浸透を抑制することが難しくなる。
水のオルガノシロキサン樹脂層への浸透しやすさを見積もる指標として、樹脂層に対する水の接触角を用いることができる。水の浸透を抑制して、金属酸化物(D成分)の光触媒活性によるオルガノシロキサン樹脂層の分解を抑えるためには、樹脂層表面に対する水の接触角が85度以上を示すことが好ましく、より好ましくは86度以上である。
(金属酸化物:D成分)
金属酸化物(D成分)として、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等が挙げられる。紫外線の遮蔽性に優れる点では特に酸化チタンが好ましく、オルガノシロキサン樹脂層の透明性に優れる点では特に酸化セリウムが好ましい。これらは積層体の用途に応じて使い分けることができる。例えば、特に高度な耐候性が要求される用途では酸化チタンを用いたり、特に意匠性が重要視される用途では酸化セリウムを用いたりすることができる。また、これらは単独もしくは混合して使用できる。
金属酸化物(D成分)は、その微粒子が水または有機溶媒中にスラリー状に分散されたものが好ましく用いられる。このスラリーは、水分散型および有機溶媒分散型のどちらでも使用できる。水分散型スラリーの配合でオルガノシロキサン樹脂組成物中の水分量が増加し熱硬化膜が白化しやすくなることを考慮すると、有機溶媒分散型のものがより好適に使用することが出来る。
有機溶媒分散型スラリーとして、CIKナノテック(株)製ナノテックスラリーシリーズ(CEANB、RTTPBC、RTSDNB、RTTDNB等)、テイカ(株)製微粒子酸化チタンスラリー(710T、760T、780T等)、日揮触媒化成(株)製UVカット材NEOSUNVEILシリーズ(PW−1010、PW−6030等)、多木化学(株)製酸化セリウムゾルニードラールシリーズ(P−10、U−15、B−10等)等が挙げられる。これらの金属酸化物は単独もしくは2種以上を併用してもよい。
金属酸化物(D成分)は、分散剤との親和性、耐候性等を向上させるために、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、亜鉛、スズ等の酸化物または水酸化物で表面を被覆してもよい。さらに、塗料分野で使用される種々の有機系処理剤、例えばカルボン酸類、ポリオール類、アミン類、シロキサン化合物、シランカップリング剤などの有機物の少なくとも1種で被覆されてもよい。好ましくはアルミナ層、ジルコニア層、ケイ素化合物層、あるいはこれらの積層体によって表面被覆された酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化チタンである。その場合、塗料への分散性や塗膜の耐久性を一層向上させることができる。
金属酸化物(D成分)は、粒子のブラウン運動によって生じる散乱光の揺らぎ(経時変化)から粒径を求める動的光散乱法で得られた平均粒径が5〜200nmのものが好ましい。動的光散乱法による平均粒径は、例えば、大塚電子(株)製濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000を用いて測定することができる。平均粒径が200nmよりも大きい金属酸化物が樹脂組成物中に存在すると、熱硬化膜が形成される過程でその一部が凝集し、散乱光が発生する原因となって熱硬化膜の透明性を著しく下げることになる。好ましくは平均粒径が100nm以下である。平均粒径の下限は金属酸化物が凝集していない一次粒子の粒径であればよく、5nm以上であればよい。金属酸化物(D成分)は、上記のように市販の金属酸化物スラリーを用いてもよい。
また、金属酸化物(D成分)は、1次粒径が5〜200nmの金属酸化物を水または有機溶剤中に分散させたスラリーを、平均粒径100μm以下の媒体を充填した媒体ミルによりさらに分散処理したものが好ましい。媒体ミルの例としてはボールミル、振動ミル、アトライター、ビーズミル等があげられるが、平均粒径100μm以下の媒体を充填することに適したビーズミルが好ましい。また、媒体ミルによる分散処理方法はバッチ式、連続式、循環式、複数回通過方式等のいずれの方式であってもよい。媒体としては、ボール、ビーズ等のほぼ球形のもの、ロッド等の円柱状のものなど任意の形状のものを使用することができるが、金属酸化物微粒子のチッピングを抑えるためにはほぼ球形のものが望ましい。媒体の材質は鋼、特殊鋼(ステンレス鋼、耐磨耗鋼等)、超硬合金、セラミックス(アルミナ、ジルコニア等)等が使用可能であるが、金属系不純物のコンタミネーションが少ない点と高密度で粉砕効率が高い点でジルコニアが好ましい。
市販の金属酸化物スラリーは、平均1次粒径が100nmよりも小さな金属酸化物微粒子でも、2次凝集などによって見かけの粒子径が大きくなっている場合がある。また、粉体として市販されている金属酸化物の場合は、水または有機溶媒中にそのまま分散させただけでは2次凝集するだけでなく沈降することも多い。したがって、平均粒径が5〜200nmの規定を満たすためには、媒体ミルを用いてこれらの金属酸化物微粒子の凝集体を分散処理し、2次凝集物を解膠しておくことが必要である。媒体の平均粒径が大きくなりすぎると金属酸化物微粒子に対する媒体の機械的衝撃力も強くなりすぎるため、2次凝集の解膠だけではなく1次粒子のチッピングも発生する。この結果、1次粒子の表面に不安定な新生面が形成されることによって表面エネルギーが高い状態となり、1次粒子間の再凝集が促進されることになる。つまり、金属酸化物の見かけの粒子径が大きくなるため、熱硬化膜中で散乱光を生じることで熱硬化膜の透明性が損なわれることになる。このため、平均粒径50μm以下の媒体を使うことがより好ましい。
媒体ミルの分散条件は、装置の種類や媒体の大きさ、金属酸化物や分散溶剤の種類によっても異なるが、媒体ミルの出力が強すぎたり分散時間が長すぎたりすると上記チッピングによる分散不良が発生し、逆に媒体ミルの出力が弱すぎたり分散時間が短すぎたりすると分散が不十分となる場合もある。
媒体ミルで分散処理する金属酸化物スラリーは、水や、メタノール、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノール等のアルコール類、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび1,2,3−プロパントリオール等の多価アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒(媒液)で希釈することが好ましい。金属酸化物(D成分)の濃度は、好ましくは0.1〜75重量%、より好ましくは0.2〜50重量%、さらに好ましくは0.3〜40重量%の範囲に調整する。
金属酸化物(D成分)のスラリーを媒体ミルで分散処理する際に、必要に応じて分散剤を用いてもよい。分散剤は、媒液に可溶で、塗料に適合するものであるのが望ましい。媒液が水であれば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等のリン酸化合物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸化合物、ポリカルボン酸化合物、アミノ酸化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アミノアルコール等が分散剤として用いられる。媒液が有機溶剤であれば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリエーテル変成シリコーン油、シリコーン樹脂、ポリエステル系樹脂等が分散剤として用いられる。これらの分散剤は、1種のものに限定する必要はなく、2種以上のものを組み合わせて使用してもよい。また、必要に応じて消泡剤、例えばシリコーン化合物や界面活性剤などを添加することができる。
金属酸化物(D成分)の含有量は、表面処理剤、分散剤、分散溶剤を除く金属酸化物(D成分)だけの含有量として、A成分、B成分ならびにC成分の合計100重量部に対して0.1〜15重量部であり、好ましくは0.3〜13重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。金属酸化物(D成分)の含有量が0.1重量部未満の場合、金属酸化物の紫外線吸収能はほとんど期待できない。一方、金属酸化物(D成分)の含有量が15重量部よりも多くなると、下地となる基板の端部などで局所的にオルガノシロキサン樹脂層が白化してしまう傾向が強くなり外観不良の原因となる。
(その他の成分)
また、本発明の目的を損なわない範囲で、樹脂組成物に赤外線遮蔽剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料、フィラーなどを添加してもよい。さらに、本発明の樹脂組成物には可撓性・密着性を上げる目的で、単一の種類または複数の種類のビニル系モノマー、二官能性モノマー、環状モノマーなどを重合して得られるオリゴマー、ポリマーまたはコポリマーを添加してもよい。特にアクリル系ポリマーを添加することが好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物には耐候性を上げる目的で、UV吸収性基含有アルコキシシランを配合してもよい。ここでUV吸収性基とは、紫外線吸収剤としての機能を有する誘導体基を意味し、トリまたはジアルコキシシロキサンのケイ素原子と結合した紫外線吸収剤の基を意味する。UV吸収性基含有アルコキシシランとしては、例えば、特開昭57−021476号公報に示されている芳香族系紫外線吸収剤のシラノール基反応性アルコキシシリルまたはアルカノイルオキシシリルアルキルエーテル付加物、米国特許4,316,033号明細書や米国特許4,349,602号明細書に示されているアルコキシシリルベンゾトリアゾール類が好ましく使用される。なかでもアルコキシシリルベンゾフェノン系化合物が使用される。
アルコキシシリルベンゾフェノン系化合物として、具体的には、2−ヒドロキシ−4−(3−トリアルコキシシリルアルコキシ)ジフェニルケトン(アルコキシは炭素数1〜4のアルキルオキシ基)や2−トリアルコキシシロキシ−4−アリロキシジフェニルケトン(アルコキシは炭素数1〜4のアルキルオキシ基)等が挙げられ、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)ジフェニルケトン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリメトキシシリルプロポキシ)ジフェニルケトン、2−トリメトキシシロキシ−4−アリロキシジフェニルケトンが好ましく、特に2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシシリルプロポキシ)ジフェニルケトンが好ましく使用される。かかるUV吸収性基含有アルコキシシランの含有量は、樹脂組成物100部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
(オルガノシロキサン樹脂組成物の調製)
本発明の樹脂組成物の好ましい調製プロセスを以下に説明する。
まず、コロイダルシリカ(A成分)分散液に、式(B)のアルコキシシランと式(C)のアルコキシシランの加水分解反応に必要な量の水を含有せしめ、さらに必要に応じて酸、pH調節剤を添加して剤のpHをアルコキシシランの加水分解に適切なpH0.5〜4に調節する。より好ましくはpH1.0〜3.5に調節する。コロイダルシリカ分散液のpHは、酸性水溶液分散型の場合はpH2.5〜4の間に収まっている商品が多い。この場合はpHの調節のために酸やpH調節剤を加えることは必ずしも必要ではないが、加水分解反応の進行を早めるため、より酸性側で反応を行う場合には酸が添加される。
塩基性水溶液分散型のコロイダルシリカを用いる場合はpHの調節のために酸を用いる必要がある。かかる酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸、マロン酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。pH調節の容易さの観点から塩酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸等が好ましく、塩酸、酢酸が特に好ましい。
酸として無機酸を使用する場合は、通常、0.0001〜20規定、好ましくは0.001〜16規定の濃度で使用する。有機酸を使用する場合は、アルコキシシラン100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で使用される。
さらにpHの調節のため微量の塩または塩基を加え、系をpHの緩衝溶液とすることも好ましく行われる。かかる塩または塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、コリン、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド類、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、エチレンジアミン、ブチルアミン等のアミン類、アンモニア、およびこれら塩基の有機カルボン酸塩が挙げられる。
次いで上述のようにpH調節されたコロイダルシリカに式(B)のアルコキシシランと式(C)のアルコキシシランを加え、加水分解縮合反応させる。
ここで、アルコキシシランの加水分解反応に必要な水は、水分散型のコロイダルシリカ分散液を使用した場合はこの分散液から供給され、必要であればさらに水を加えてもよい。水の使用量としては、アルコキシシラン1当量に対して通常1〜10当量、好ましくは1.5〜7当量、さらに好ましくは3〜5当量の水が用いられる。
コロイダルシリカに式(B)のアルコキシシランと式(C)のアルコキシシランを加えていくことによって、初期の反応は水が過剰にある適切なpHの状態での反応となり、これらのアルコキシシランはまず加水分解反応を起こし、その後徐々に縮合反応を起こすことになる。また、縮合反応はアルコキシシラン加水分解物同士ではなく、アルコキシシラン加水分解物の水酸基とコロイダルシリカ表面の水酸基の縮合反応が起こりやすい環境になる。このようにしてコート剤はコロイダルシリカを核とした均質なコート剤になる。
アルコキシシランの加水分解、縮合反応の条件は、使用するアルコキシシランの種類、系中に共存するコロイダルシリカの種類、量によって変化するので一概には云えない。アルコキシシランの加水分解反応は発熱反応であり、反応系の温度は最高でも60℃を超えないことが望ましく、反応系の温度は20〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、20〜40℃が特に好ましい。反応時間は、通常、2時間〜数日間である。このような条件で充分に加水分解反応を進行させた上で、コート剤の安定化のため40〜80℃で2時間〜数日間縮合反応を進行させることも好ましく行われる。
この反応で式(B)のアルコキシシランは加水分解されてR Si(OH)4−m−nで表わされる加水分解物となる。また、式(C)の疎水性のアルコキシシランは、加水分解されてR Si(OH)4−j−kで表わされる加水分解物となる。
式(B)のアルコキシシランや式(C)の疎水性のアルコキシシランから生成したSi−OHはコロイダルシリカ中のSi−OHや、これらの分子とは別のアルコキシシラン加水分解物分子のSi−OHと縮合反応を起こしてSi−O−Si結合を形成し、生成した縮合物もまた別のSi−OHと縮合反応を起こしてSi−O−Si結合を形成する。この加水分解反応および縮合反応は完全ではなく部分的に進行する。
樹脂組成物には適切な加水分解、縮合割合が存在し、加水分解反応の進行が不十分だと熱硬化時に原料のアルコキシシランの蒸散、急激な硬化反応の進行等の原因でヘアークラックが発生する。また、縮合反応が進行しすぎると塗料(ゾル)中のシリカ微粒子の粒子径が大きくなりすぎ、熱硬化時に適切な架橋反応が困難になるため耐摩耗性が低下する。このようなオルガノシロキサン樹脂組成物の適切な加水分解、縮合割合については、例えば、特開2004−26979号公報に詳しく記載されている。
式(C)の疎水性のアルコキシシランの添加時期は、式(B)のアルコキシシランの加水分解反応を始める前にあらかじめ両者を混合していても、式(B)のアルコキシシランの加水分解・縮合反応が終了し、後述する硬化触媒や溶媒を添加した後の樹脂塗料に添加しても構わない。樹脂組成物中に反応性の官能基が残存することによるシェルフライフ(塗料寿命)の悪化や、樹脂塗料を塗装固化した際のクラックなどの外観不良を抑制するためには加水分解反応を始める前にあらかじめ、式(B)のアルコキシシランと式(C)の疎水性のアルコキシシランとを混合しておくことが有利である。
金属酸化物(D成分)もしくはそのスラリーの添加時期は、アルコキシシランの加水分解反応を始める前のA成分であるコロイダルシリカ分散液にあらかじめ添加混合していても、アルコキシシランの加水分解・縮合反応が終了し、後述する硬化触媒や溶媒を添加した後のオルガノシロキサン樹脂組成物に添加しても構わない。後者の添加方法がアルコキシシランの加水分解縮合反応を安定して行うためには有利であると考えられる。本発明においては、金属酸化物(D成分)のスラリーの添加方法について特に限定するものではないが、金属酸化物スラリーをコロイダルシリカ分散液やオルガノシロキサン樹脂組成物、あるいは他の溶媒に対して急速に添加すると溶剤ショックにより金属酸化物が2次凝集することから、コロイダルシリカ分散液やオルガノシロキサン樹脂組成物、あるいは他の溶媒を金属酸化物スラリーに対して滴下することが好ましい。
得られたオルガノシロキサン樹脂組成物中には、溶媒に均一分散しているコロイダルシリカ(A成分)、アルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)、および疎水性の高いアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)からなる樹脂成分と溶媒に分散している金属酸化物成分(D成分)とが少なくとも存在する。
〈オルガノシロキサシ樹脂塗料〉
本発明の樹脂組成物を溶媒で希釈することで樹脂塗料が得られる。希釈に用いられる溶媒としては、樹脂組成物が安定に溶解することが必要であり、そのためには50重量%以上のアルコールを含有する溶媒が好ましい。かかるアルコールとしては例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。炭素数1〜6の低沸点アルコールが好ましく、溶解性、安定性および塗工性の点で2−プロパノールならびに1−ブタノールが特に好ましい。またこれらの溶媒は単独溶媒としても混合溶媒としても用いることができる。
樹脂塗料中には、水分散型コロイダルシリカ中の水で該加水分解反応に関与ない水分、アルコキシシランの加水分解に伴って発生する低級アルコール、有機溶媒分散型のコロイダルシリカを使用した場合にはその分散媒の有機溶媒、オルガノシロキサン樹脂塗料のpH調節のために添加される酸も溶媒として含まれる。
pH調節のために使用される酸としては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、乳酸、パラトルエンスルホン酸、マロン酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。pHのコントロールの容易さの観点からギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、クエン酸、安息香酸等の有機カルボン酸が好ましい。
本発明の樹脂塗料のpHは、好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5.0〜6.0である。pHは、酸および後述する硬化触媒の含有量により調節することができる。pHを調節することにより、常温での樹脂塗料のゲル化を防止し、保存安定性を増すことができる。
その他の溶媒としては水/アルコールと混和することが必要であり、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸エトキシエチル等のエステル類が挙げられる。
溶媒は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは50〜2,000重量部、より好ましくは150〜1,400重量部使用される。樹脂塗料は、その固形分の濃度が5〜70重量%が好ましく、7〜40重量%がより好ましい。
よって、本発明の樹脂塗料は、前述の樹脂組成物および炭素数1〜6のアルコールを含有し、固形分濃度が5〜70重量%であることが好ましい。
本発明の樹脂塗料は、プラスチック基材に塗布する際の触媒としてさらに硬化触媒を含有することが好ましい。かかる触媒としては、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、安息香酸等のカルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、コリン塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、クロムアセチルアセトネート、チタニアアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネートが挙げられる。具体的には、酢酸ナトリウム、マロン酸2ナトリウム、酢酸コリン、マロン酸水素コリン、マロン酸2コリンが好ましく使用される。コロイダルシリカとして塩基性水分散型コロイダルシリカを使用し、アルコキシシランの加水分解の際に酸として脂肪族カルボン酸を使用した場合には、該オルガノシロキサン樹脂塗料中に既に硬化触媒が含有されていることになる。
硬化触媒の含有量はオルガノシロキサン樹脂の組成、加水分解、縮合反応の進行度、熱硬化条件により変化するが、A成分、B成分ならびにC成分の合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部である。含有量が0.01重量部より少ないと充分な硬化速度が得られ難く、10重量部より多いとオルガノシロキサン樹脂塗料の保存安定性が低下したり、沈殿物を生じたりすることがある。
よって、本発明の樹脂塗料は、硬化触媒(E成分)を、A成分〜C成分の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部を含有することが好ましい。
さらに、本発明の樹脂塗料には、塗工性並びに得られる塗膜の平滑性を向上する目的で公知のレベリング剤を配合することができる。
かかるレベリング剤としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)のシリコーン化合物SH200−100cs、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST83PA、ST80PA、ST97PA、ST86PA、SH21PA、信越化学工業(株)のシリコーン化合物KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、大日本インキ化学工業(株)のフッ素系界面活性剤F−179、F−812A、F−815等が挙げられる。これらのレベリング剤は単独もしくは2種以上を併用してもよく、樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲が好ましい。
〈積層体〉
本発明の積層体は、基材、第1層および第2層を含有し、基材、第1層、第2層の順序に積層されたものである。また本発明は、さらに着色層を有し、基材、着色層、第1層、第2層の順序に積層された積層体を包含する。また本発明は、さらに着色層を有し、基材、第1層、第2層、着色層の順序に積層された積層体を包含する。
(基材)
基材として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂等に代表される汎用プラスチックスが挙げられる。また、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックスが挙げられる。また、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等に代表される各種熱可塑性ポリイミドが挙げられる。また、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド等のいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックス等が挙げられる。
なかでも、本発明の特徴である樹脂組成物の透明性の点からは、透明プラスチック基材に塗布することが好ましく用いられる。透明プラスチック基材として、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート)等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。優れた耐摩耗性を有する基材としての有用性等によりポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が好ましく、特にポリカーボネート樹脂が好ましい。
ポリカーボネート樹脂として、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融法等で反応させて得られるポリカーボネート樹脂が挙げられる。二価フェノールの代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等を挙げられ、なかでもビスフェノールAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または2種以上を混合して使用できる。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するにあたっては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ホスゲンを使用する界面重縮合法は、酸結合剤および有機溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられ、溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることもできる。反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
また、ジフェニルカーボネートを用いる溶融法は、不活性ガス雰囲気下所定割合の二価フェノール成分とジフェニルカーボネートとを加熱しながら攪拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら完結させる。また、反応を促進するために通常のエステル交換反応用触媒を使用することもできる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で1.0×10〜5.0×10が好ましく、1.5×10〜3.5×10がより好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7、[η]は極限粘度)
かかるポリカーボネート樹脂を製造する際に、必要に応じて亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホスホン酸エステル等の安定剤、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカーボネート、デカブロモジフェノール等の難燃剤、着色剤、滑剤等を添加することができる。
また本発明の樹脂組成物を不透明なプラスチック基材に塗布することによって、意匠性を高めることができる。例えば黒色に着色したプラスチック基材に本発明の樹脂組成物を積層すると、黒漆仕上げされたような印象を付与することができる。この場合、プラスチック基材に透明性は必ずしも必要ではなく、上記樹脂に加えて、積層体の使用目的に応じて上記樹脂を適宜選択し混合して用いることができる。
さらに該プラスチック基材には、慣用の添加剤、例えば熱安定剤、離型剤を配合することができる。またシアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化インジウムをドープした酸化錫、ホウ化ランタン系等の赤外線吸収剤を配合することができる。
また、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリチレート系等の有機系紫外線吸収剤や、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を配合することができる。また、酸化防止剤、光安定剤、発泡剤を配合することができる。
またタルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカー等の補強剤を配合することができる。
また、ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、シリコン系、フッ素系、金属水和物系等の難燃剤を配合することができる。また、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、染料等の着色剤を配合することができる。また、アクリル架橋粒子、シリコン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子等の光拡散剤を配合することができる。また、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等)、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、フォトクロミック剤を配合することができる。
(第1層:プライマー層)
本発明のオルガノシロキサン樹脂塗料は直接基材に塗布することも可能であるが、基材との密着を良くするために、基材上に好ましく第1層(プライマー層)が形成することが好ましい。
例えば、基材としてポリカーボネート樹脂を用いる場合、第1層としては、ポリカーボネート樹脂ならびにオルガノシロキサン樹脂組成物の双方に高い親和性を示す(メタ)アクリル系樹脂およびビニル系樹脂の1種を単独でまたは2種以上を混合したアクリル樹脂組成物を主成分とした薄膜が好ましい。このアクリル樹脂組成物は熱可塑性でも熱硬化性でもよく、例えば有機溶媒中でメチルメタクリレート等の重合性不飽和基を有するモノマーをラジカル重合して得られるポリマーや乳化重合したエマルジョン等を挙げることができる。
第1層として特に好ましく用いられるアクリル樹脂組成物は、
(F)下記式で表される繰り返し単位を少なくとも70モル%含むアクリル共重合体(F成分)、
Figure 2010137721
(式中Xは、水素原子またはメチル基であり、Yは、メチル基、エチル基、シクロアルキル基、炭素原子数2〜5のヒドロキシアルキル基またはトリアジン系紫外線吸収剤残基であり、かつX中、水素原子の割合は30モル%以下であり、Y中、シクロアルキル基の割合は1〜85モル%で、トリアジン系紫外線吸収剤残基の割合は0〜15モル%で、エチル基の割合は1〜98モル%である。)
(G)5.5〜50重量%の換算イソシアネート基率を有し、式(F)のアクリル共重合体中のヒドロキシ基1当量に対して0.8〜1.5当量となる量のブロック化されたポリイソシアネート化合物(G成分)、
(H)F成分およびG成分の合計100重量部に対して0.001〜0.4重量部の硬化触媒(H成分)、並びに
(I)F成分およびG成分の合計100重量部に対して0〜40重量部のトリアジン系紫外線吸収剤(I成分)、
を含有し、F成分中のトリアジン系紫外線吸収剤残基とI成分との合計含有量が1〜40重量%のアクリル樹脂組成物である。
また、該アクリル樹脂組成物には基材の耐候性を改良する目的で光安定剤、熱線(近赤外線)吸収剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤を含有することもできる。
第1層を形成する方法としては、上記アクリル樹脂組成物および光安定剤や紫外線吸収剤等の添加成分を、基材と反応したり該基材を溶解したりしない揮発性の溶媒に溶解して、このアクリル樹脂組成物を基材表面に塗布し、次いで該溶媒を加熱等により除去することにより行われる。
塗布方法は、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法を、塗装される基材の形状に応じて適宜選択することができる。かかる樹脂組成物が塗布された基材は、通常、常温から該基材の熱変形温度以下の温度下で溶媒の乾燥、除去が行われ、さらに必要であれば溶媒の除去後に40〜140℃に加熱して架橋性基を架橋させ、第1層として、上記アクリル樹脂硬化層を積層した基材が得られる。
このようなアクリル樹脂やそれを用いたアクリル樹脂組成物またはアクリル樹脂硬化層の製法および特性については、例えば、特開2008−231304号公報およびWO2007/105741号パンフレット等に詳しく記載されている。
第1層の塗膜樹脂層の厚さは、基材と第2層とを十分に接着し、また、前記添加剤の必要量を保持し得るのに必要な膜厚であればよく、好ましくは0.1〜15μmであり、より好ましくは1〜12μmである。
前記アクリル樹脂を主とする塗膜樹脂からなる第1層を形成することにより、第2層と基材との密着性が良好となり、耐摩耗性および耐候性に優れた積層体を得ることができる。
(第2層)
第2層は、本発明のオルガノシロキサン樹脂塗料を塗布した後、熱硬化させた層である。第2層は、第1層(プライマー層)の上に形成する。第2層表面の水接触角は、好ましくは85度以上、より好ましくは86度以上である。第2層表面の水接触角をこの範囲にすることにより、水の浸透を抑制して、金属酸化物(D成分)の光触媒活性によるオルガノシロキサン樹脂層の分解を抑えることができる。
オルガノシロキサン樹脂塗料のコート方法としては、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法等の方法を、塗装される基材の形状に応じて適宜選択することができる。
オルガノシロキサン樹脂塗料から形成された塗膜層(コート層)の厚みは、通常2〜10μm、好ましくは3〜8μmである。コート層の厚みがかかる範囲であると、熱硬化時に発生する応力のためにコート層にクラックが発生したり、コート層と基材との密着性が低下したりすることがなく、本発明の目的とする十分な耐摩耗性を有するコート層が得られることとなる。
コート層は塗装後、熱硬化して第1層と密着させる。熱硬化は基材の耐熱性に問題がない範囲で高い温度で行う方がより早く硬化を完了することができ好ましい。なお、常温では、熱硬化が進まず、硬化被膜を得ることができない。これは、本発明の樹脂組成物中のオルガノシロキサン成分が部分的に縮合したものであることを意味する。かかる熱硬化の過程で、残留するSi−OHが縮合反応を起こしてSi−O−Si結合を形成し、耐摩耗性に優れたコート層となる。熱硬化は通常50℃〜400℃の範囲で10分間〜4時間、好ましくは80℃〜160℃の範囲で20分間〜2時間、ポリカーボネート基材に塗布する場合もっとも好ましくは110℃〜135℃で15分間〜1時間30分加熱硬化する。
塗膜層は、金属酸化物を含有するにもかかわらず透明性、耐摩耗性、硬度、耐熱水性、耐有機溶剤性、耐酸性、基材との密着性の各点が良好で、紫外線劣化がおこらない無機系紫外線吸収剤による優れた紫外線吸収能のため、著しく優れた耐候性、耐候安定性が得られる。
(着色層)
本発明の積層体は、着色層を有していても良い。この場合、積層体の層構成は、基材/着色層/第1層/第2層であるか、基材/第1層/第2層/着色層であることが好ましい。
本発明で用いられる着色層を形成するための樹脂成分としては、シリコーン系ハードコート層との密着性が得られればよく、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などが適している。シリコーン系ハードコートとの高度な密着性を得るためには、エポキシ系樹脂であることが好ましい。ウレタン系樹脂のインクとして例えば帝国インキ製造(株)製MABシリーズ、POSシリーズ、エポキシ樹脂系のインクとして例えば帝国インキ製造(株)製PSシリーズがある。シリコーン変性アクリル樹脂系インクとして例えば(株)トウペ製シリコーンワイドなどがある。
本発明において着色層を形成する方法については特に制限はなく、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、ローラー印刷、スプレー塗装、刷毛塗りなど各種の方法が適用できる。硬化条件も特に制限はなく、常温乾燥および加熱乾燥のいずれでもよいが、硬化反応の進行を早めるためには80〜120℃で30分間〜1時間加熱乾燥を行うことが好ましい。
着色層の塗装厚みは5〜100μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜80μmの範囲である。このような着色層を基材表面の全部または一部、あるいはオルガノシロキサン樹脂組成物を熱硬化させた第2層表面の全部または一部に形成することにより、耐摩耗性および耐候性に加えて意匠性にも優れた積層体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが本発明はもとよりこれに限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は重量部および重量%を意味する。
(I.アクリル共重合体溶液(α)〜(β)の合成)
参考例I−1
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にEMA 74.2部、CHMA 33.6部、HEMA 13.0部、LA−82(旭電化工業(株)製ヒンダードアミン系光安定性基含有メタクリレート;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート)12.0部、MIBK 132.8部および2−BuOH 66.4部を添加混合した。混合物に窒素ガスを15分間通気して脱酸素した後、窒素ガス気流下にて70℃に昇温し、AIBN0.33部を加え、窒素ガス気流中、70℃で5時間攪拌下に反応させた。さらにAIBN0.08部を加えて80℃に昇温し3時間反応させ、不揮発分濃度が39.7%のアクリル共重合体溶液(α)を得た。アクリル共重合体の重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;クロロホルム)からポリスチレン換算で115,000であった。
参考例I−2
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にEMA 59.4部、CHMA 50.5部、HEMA 13.0部、LA−82 12.0部、MOI−T405(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製チヌビン405;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと昭和電工(株)製カレンズMOI;2−イソシアナートエチルメタクリレートの付加反応生成物)22.2部、MIBK 160.4部および2−BuOH 80.2部、を添加混合した。混合物に窒素ガスを15分間通気して脱酸素した後、窒素ガス気流下にて70℃に昇温し、AIBN0.34部を加え、窒素ガス気流中、70℃で5時間攪拌下に反応させた。さらにAIBN0.08部を加えて80℃に昇温し3時間反応させ、不揮発分濃度が39.5%のアクリル共重合体溶液(β)を得た。アクリル共重合体の重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;クロロホルム)からポリスチレン換算で85,000であった。
(II.アクリル樹脂塗料(i−1)〜(i−2)の調製)
参考例II−1
前記アクリル共重合体溶液(α)100部に、MIBK 39.1部、2−BuOH 19.5部、PMA 79.3部を加えて混合し、チヌビン400(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製トリアジン系紫外線吸収剤)5.3部、アクリル共重合体溶液(α)中のアクリル共重合体のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1.0当量になるようにVESTANAT B1358/100 10.1部を添加し、さらにDMDNT 0.015部、APZ−6633(日本ユニカー(株)製シランカップリング剤加水分解縮合物の溶液;固型分5重量%)9.46部、LA−82(旭電化工業(株)製ヒンダードアミン系光安定剤)2.75部を加えて25℃で1時間攪拌し、アクリル樹脂塗料(i−1)を得た。
参考例II−2
前記アクリル共重合体溶液(β)100部に、MIBK 29.3部、2−BuOH 22.1部、PMA 84.0部を加えて混合し、アクリル樹脂溶液(β)中のアクリル共重合体のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1.0当量になるようにVESTANAT B1358/100 9.5部を添加し、APZ−6633 9.3部、DMDNT 0.025部を加えて25℃で1時間攪拌し、アクリル樹脂組成物(i−2)を得た。
なお、上記で記号表記の各成分は下記の通りである。
EMA;エチルメタクリレート
CHMA;シクロヘキシルメタクリレート
HEMA;2−ヒドロキシエチルメタクリレート
LA−82;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(旭電化工業(株)製アデカスタブLA−82;ヒンダードアミン系光安定性基含有メタクリレート)
MIBK;メチルイソブチルケトン
2−BuOH;2−ブタノール
AIBN;アゾビスイソブチロニトリル
VESTANAT B1358/100;ブロック化されたポリイソシアネート化合物(デグサジャパン(株)製VESTANAT B1358/100、生成するイソシアネート基の含有割合は12.4重量%)
DMDNT;ジメチル錫ジネオデカノエート
チヌビン400;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの混合物約85%と1−メトキシ−2−プロパノール15%の混合物(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製チヌビン400)
チヌビン405;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製チヌビン405)
カレンズMOI;2−イソシアナートエチルメタクリレート
APZ−6633;アミノ基含有シランカップリング剤加水分解縮合物を5重量%含有するエタノール溶液(東レ・ダウコーニング(株)製APZ−6633)
PMA;1−メトキシ−2−プロパノール
(III.オルガノシロキサン樹脂組成物(A)〜(H)の合成)
参考例III−1
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に、濃塩酸(12M)0.1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 155部と、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン 6.4部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に60℃まで昇温した。60℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階でこの温度を維持するようにして5時間攪拌し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液 0.7部、pH調整剤として酢酸 4.9部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(A)を得た。
参考例III−2
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に、濃塩酸(12M)0.1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 100部と、フェニルトリメトキシシラン 3.7部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に60℃まで昇温した。60℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階でこの温度を維持するようにして5時間攪拌し、これに、硬化触媒として酢酸ナトリウム 0.2部、pH調整剤として酢酸 3.9部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(B)を得た。
参考例III−3
水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製スノーテックス30、固形分濃度30重量%)100部に、濃塩酸(12M)0.1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 99部と、ジメチルジメトキシシラン 4.6部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に60℃まで昇温した。60℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階でこの温度を維持するようにして5時間攪拌し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液 0.7部、pH調整剤として25%マロン酸メタノール溶液 0.8部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(C)を得た。
参考例III−4
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に酢酸7.9部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 159部と、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製LS−4875)0.7部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に55℃まで昇温した。55℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階で、酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)10.9部を滴下し、この温度を維持するようにして25時間攪拌後、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液 0.9部、pH調整剤として酢酸 0.9部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(D)を得た。
参考例III−5
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に濃塩酸(12M)0.1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 151部と、フェニルトリメトキシシラン 11.6部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に60℃まで昇温した。60℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階でこの温度を維持するようにして5時間攪拌し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液 0.7部、pH調整剤として酢酸 1.2部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(E)を得た。
参考例III−6
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に、濃塩酸(12M)0.1部を加えよく攪拌した。この分散液を10℃まで冷却し、その中にメチルトリメトキシシラン 92部と、フェニルトリメトキシシラン 14.9部の混合物を滴下した。2種類のアルコキシシラン混合物の添加直後から反応熱で反応液の温度は上昇を開始し、添加開始から約5分後に60℃まで昇温した。60℃に到達後、氷水浴で冷却しながら徐々に反応液温度を低下させた。反応液の温度が35℃になった段階でこの温度を維持するようにして5時間攪拌し、これに、硬化触媒として45%コリンメタノール溶液 0.7部、pH調整剤として25%マロン酸メタノール溶液 0.8部を混合し、オルガノシロキサン樹脂組成物(F)を得た。
参考例III−7
メチルトリメトキシシラン 135部および(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン 38.1部の混合物を濃塩酸(12M)0.1部を加えた水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に滴下した以外は参考例III−1と全く同様の調製法にてオルガノシロキサン樹脂組成物(G)を得た。
参考例III−8
メチルトリメトキシシラン 102部およびフェニルトリメトキシシラン 0.07部の混合物を濃塩酸(12M)0.1部を加えた水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)100部に滴下した以外は参考例III−2と全く同様の調製法にてオルガノシロキサン樹脂組成物(H)を得た。
(IV.オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−1)〜(ii−11)の調製)
参考例IV−1
ビーズミル(ウルトラアペックスミルUAM−015(寿工業(株)製))を用いて、酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)の分散処理を行った。分散処理はφ0.05mmのZrOビーズを充填したUAM−015にスラリーを1回通すことで行った。ついで、該スラリー 5.5部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 174部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(A)267部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.6部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−1)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.5だった。また、調製直後に大塚電子(株)製濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000を用いて動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は63nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は72nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−1)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−2
酸化セリウムスラリー(シーアイ化成(株)製、ナノテックスラリーCEANB、固形分濃度15重量%)10.9部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 39.3部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(B)209部を滴下し、続いて1−ブタノール72.8部を滴下した。最後に、SH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.42部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−2)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.6だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は36nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は48nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−2)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−3
酸化亜鉛微粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50W−LP2、シリカ系の無機層とオルガノシロキサン樹脂系の有機層で表面処理、一次粒子径20nm)20部と無溶剤非イオン系界面活性剤ディスパロンDA−550(楠本化成(株)製)4.5部を2−プロパノール 380部に混合し、ビーズミルを用いて分散処理を行った。分散処理はφ0.05mmのZrOビーズを充填したビーズミルにスラリーを8回循環させることで行った。得られた酸化亜鉛スラリーの固形分濃度は5重量%で、動的光散乱法による平均粒径は125nmであった。該スラリー 172.9部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 212.2部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(C)205部と、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン(信越化学工業(株)製、LS−8220)4.3部を順に滴下し、最後に、SH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.48部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−3)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.3だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は131nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は143nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−3)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−4
オルガノシロキサン樹脂組成物(D)279.7部を撹拌しながら、2−プロパノール 163.7部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.55部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−4)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.5だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は69nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は78nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−4)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−5
酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)5.59部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 181.8部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(E)264.4部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.56部を添加することで、オルガノシロキサシ樹脂塗料(ii−5)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは6.1だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は65nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は94nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−5)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−6
酸化セリウムスラリー(シーアイ化成(株)製、ナノテックスラリーCEANB、固形分濃度15重量%)56.6部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 100.0部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(F)205.1部を滴下し、続いて1−ブタノール222.1部を滴下した。最後に、SH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.73部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−6)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.2だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は41nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は67nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−6)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−7
ルチル型酸化チタン粉末(テイカ(株)製、JR−405、アルミナ系の表面処理、一次粒子径210nm)20部と無溶剤非イオン系界面活性剤ディスパロンDA−550(楠本化成(株)製)4.5部を2−プロパノール 380部に混合し、ビーズミルを用いて分散処理を行った。分散処理はφ0.05mmのZrOビーズを充填したビーズミルにスラリーを10回循環させることで行った。得られた酸化チタンスラリーの固形分濃度は5重量%で、動的光散乱法による平均粒径は289nmであった。該スラリー 22.3部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 158部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(A)267部を滴下し、最後に、SH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.56部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−7)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.6だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は288nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は425nmで若干の沈殿物も見られた。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−7)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−8
参考例IV−1と同様にビーズミル処理を行った酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)6.13部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 210.2部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(G)278.7部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.62部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−8)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.4だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は62nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は77nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−8)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−9
酸化セリウムスラリー(シーアイ化成(株)製、ナノテックスラリーCEANB、固形分濃度15重量%)10.7部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 38.1部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(H)208.1部を滴下し、続いて1−ブタノール70.8部を滴下した。最後に、SH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.41部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−9)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.6だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は33nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は45nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−9)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−10
参考例IV−1と同様にビーズミル処理を行った酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)110.6部を撹拌しながら、その中に2−プロパノール 153.4部を滴下し、希釈を行った。該希釈スラリーをさらに撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(A)266.8部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.66部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−10)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.9だった。また、調製直後に動的光散乱法で測定した該塗料の平均粒径は121nmで、該塗料を密封容器に入れ、40℃の温水に密封容器ごと浸漬し、2週間放置した後に測定した平均粒径は139nmであった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−10)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
参考例IV−11
2−プロパノール 46.6部と1−ブタノール69.9部の混合物を撹拌しながら、オルガノシロキサン樹脂組成物(B)209.2部を滴下し、最後にSH 28 PAINT ADDIVE(東レ・ダウコーニング(株)製)0.41部を添加することで、オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−11)を得た。pH7標準液およびpH4標準液を用いて較正を行った堀場製作所(株)製pHメータD−22を用いて測定した該塗料のpHは5.5だった。オルガノシロキサン樹脂塗料(ii−11)の組成を表1に示す。また、該塗料物性を表2に示す。
Figure 2010137721
Figure 2010137721
なお、表1中において、各記号は以下のものを示す。
SN30;水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製カタロイドSN−30、固形分濃度30重量%)
NST;水分散型コロイダルシリカ分散液(日産化学工業(株)製 スノーテックス30、固形分濃度30重量%)
MTMOS:メチルトリメトキシシラン
DMDMOS;ジメチルジメトキシシラン
TFPTMS;(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン
PTMS;フェニルトリメトキシシラン
HFDTMS;(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン
LS−8220;1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン(信越化学工業(株)製、LS−8220)
TiO−1;酸化チタンスラリー(住友大阪セメント(株)製PCTR−2020、固形分濃度20重量%、溶剤2−プロパノール)
TiO−2;ルチル型酸化チタン粉末(テイカ(株)製、JR−405、アルミナ系の表面処理、一次粒子径210nm)
CeO;酸化セリウムスラリー(シーアイ化成(株)製、ナノテックスラリーCEANB、固形分濃度15重量%)
ZnO−1;酸化亜鉛微粒子(堺化学工業(株)製、FINEX−50W−LP2、シリカ系の無機層とオルガノシロキサン樹脂系の有機層で表面処理、一次粒子径20nm)
コリン;45%コリンメタノール溶液
酢酸Na;酢酸ナトリウム
Figure 2010137721
(積層体の作成および評価)
積層体の評価は以下の方法によって行った。
外観評価:
目視にて試験片の両面コート層の外観(異物、白化の有無)、ひび割れ(クラック)の有無を確認した。
ヘーズ:
両面コートした試験片を1辺50mm四方の正方形に切り出し、そのヘーズを日本電色工業(株)製濁度計NDH 2000を用いて評価した(JIS K7136)。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
耐摩耗性:
ASTM D 1044−05に従って、両面コート層の1面で、Calibrase社製CS−10Fの摩耗輪を用い、荷重500gで500回転のテーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のヘーズとテーバー摩耗試験前のヘーズとの差ΔHを測定して評価した。但し、摩耗輪のリフェースは研磨紙ST−11を用いて25回転で行った。
(ヘーズ=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率)
接触角:
協和界面化学(株)製の接触角測定装置を用いて、測定を行った。
密着性:
両面コート層の1面のコート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン製粘着テープ(商品名“セロテープ”(登録商標))を圧着し、垂直に強く引き剥がして基材上に残った碁盤目の数で評価した。
耐熱水性:
試験片を沸騰水中に3時間または8時間浸漬した後のコート層の外観変化、密着性を評価した。
高温環境耐久性:
試験片を100℃環境下で1,000時間放置し、試験片を取り出して外観、密着性を評価した。
環境サイクルテスト:
試験片を80℃で80%RH環境下に4時間、25℃で50%RH環境下に1時間、−15℃環境下に4時間、25℃で50%RH環境下に1時間放置するサイクルを1サイクルとし、このようなサイクルを30回繰り返した後で試験片を取り出して外観、密着性を評価した。
耐侯性:
試験片を紫外線照射面を変更することなく、スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX−75を用いて、UV照射強度180W/m、ブラックパネル温度63℃、120分中18分降雨条件下で3,000時間暴露試験し、試験片を取出して、表面を中性洗剤を染み込ませたスポンジで軽く擦り洗浄した後、試験後の外観および密着性、試験前後の黄色度変化(ΔYI)およびヘーズ変化(ΔH)を評価した。なお、暴露試験中試験片は500時間毎に取り出し、表面を中性洗剤を染み込ませたスポンジで軽く擦り洗浄した。黄色度(YI)測定は日本電色(株)製分光式色彩計SE−2000を用いて行った。
実施例1
5mm厚のポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂と略称する)製シートに、参考例II−1で得られたアクリル樹脂塗料(i−1)を、熱硬化後の膜厚が8μmになるようにディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分静置後、130℃で1時間熱硬化させた。次いで、該シートの被膜表面上に参考例IV−1で得られたオルガノシロキサン樹脂塗料(ii−1)を熱硬化後の膜厚が4μmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で20分静置後、120℃で1時間熱硬化させPC樹脂積層体を得た。得られたPC樹脂積層体の各評価結果を表3に示した。
実施例2
5mm厚のPC樹脂製シートに、表3に示したアクリル樹脂塗料およびオルガノシロキサン樹脂塗料を用い、実施例1と同様の方法でPC樹脂積層体を作成した。得られたPC樹脂積層体の各評価結果を表3に示した。
実施例3
横100mm×縦300mm×5mm厚のPC樹脂製シートに、参考例II−1で得られたアクリル樹脂塗料(i−1)を、熱硬化後の平均膜厚が8μmになるようにフローコート法によって両面塗布し、25℃で20分静置後、130℃で1時間熱硬化させた。次いで、該シートの被膜表面上に参考例IV−3で得られたオルガノシロキサン樹脂塗料(ii−3)を熱硬化後の平均膜厚が4μmになるようにフローコート法で塗布し、25℃で20分静置後、120℃で1時間熱硬化させPC樹脂積層体を得た。得られたPC樹脂積層体の平均膜厚部における各評価結果を表3に示した。
実施例4〜5
5mm厚のPC樹脂製シートに、表3に示したアクリル樹脂塗料およびオルガノシロキサン樹脂塗料を用い、実施例1と同様の方法でPC樹脂積層体を作成した。得られたPC樹脂積層体の各評価結果を表3に示した。
実施例6
横100mm×縦300mm×5mm厚のPC樹脂製シートに、表3に示したアクリル樹脂塗料およびオルガノシロキサン樹脂塗料を用い、実施例3と同様の方法でPC樹脂積層体を作成した。得られたPC樹脂積層体の平均膜厚部における各評価結果を表3に示した。
実施例7
5mm厚のPC樹脂製シートに、表3に示したアクリル樹脂塗料およびオルガノシロキサン樹脂塗料を用い、実施例1と同様の方法でPC樹脂積層体を作成した。得られた積層体の各評価結果を表3に示した。
実施例8
自動車の後部三角窓形状に、PC樹脂を用いて4mm厚の射出成形品を作成した。該射出成形品の表面上に、250メッシュのスクリーンを用いて図1に示すパターンでスクリーン印刷した後、80℃で30分間乾燥させ、厚み20μmの着色層を有するPC樹脂積層体を得た。印刷用インクは、ウレタン系樹脂を含有するPOS911墨(帝国インキ製造(株)製)100部をP−003溶媒(帝国インキ製造(株)製)15部で希釈し、210硬化剤(帝国インキ製造(株)製)6部を配合したものを使用した。該PC樹脂積層体上に参考例II−1で得られたアクリル樹脂塗料(i−1)を熱硬化後の膜厚が8μmになるようにディップコート法によって塗布し、25℃で20分間静置後、130℃で1時間熱硬化させた。次いで、該PC樹脂積層体のアクリル樹脂熱硬化膜表面上に参考例IV−1で得られたオルガノシロキサン樹脂塗料(ii−1)を熱硬化後の膜厚が4μmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で1時間熱硬化させ積層体を得た。得られた積層体の各評価結果を表3に示した。
実施例9
自動車の後部三角窓形状に、PC樹脂を用いて4mm厚の射出プレス成形品を作成した。該射出プレス成形品上に参考例II−2で得られたアクリル樹脂塗料(i−2)を熱硬化後の膜厚が8μmになるようにディップコート法によって塗布し、25℃で20分間静置後、130℃で1時間熱硬化させた。次いで、該PC樹脂積層体のアクリル樹脂熱硬化膜表面上に参考例IV−2で得られたオルガノシロキサン樹脂塗料(ii−2)を熱硬化後の膜厚が4μmになるようにディップコート法で塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で1時間熱硬化させた。さらに該PC樹脂積層体のオルガノシロキサン樹脂熱硬化膜表面上に、実施例7と同様の方法で着色層を形成した。得られた積層体の各評価結果を表3に示した。
比較例1〜4
5mm厚のPC樹脂製シートに、表3に示したアクリル樹脂塗料およびオルガノシロキサン樹脂塗料を用い、実施例1と同様の方法でPC樹脂積層体を作成した。得られた積層体の各評価結果を表3に示した。
比較例1は、オルガノシロキサン樹脂組成物中のC成分の配合量が多過ぎて、積層体は密着性に劣る。
比較例2は、オルガノシロキサン樹脂組成物中のC成分の配合量が少なすぎて積層体中に水が浸透しやすくなるため、金属酸化物の光触媒作用によって水から生じた水酸化ラジカルの影響でオルガノシロキサン樹脂塗膜(第2層)が分解されて、クラックが発生しやすくなるため、耐候性に劣る。
比較例3は、オルガノシロキサン樹脂組成物中のD成分の配合量が多過ぎて、オルガノシロキサン樹脂塗膜(第2層)がやや白化し、外観上好ましくない。
比較例4は、オルガノシロキサン樹脂組成物中のD成分が配合されず、積層体は耐候性に劣る。
Figure 2010137721
Figure 2010137721
発明の効果
本発明のオルガノシロキサン樹脂組成物から形成されたコート層は、外観、透明性、耐摩耗性、硬度、耐熱水性、密着性、耐有機溶剤性、耐酸性が良好である。また、特に高いレベルで基材表面の摩耗を防ぐことができ、且つ非常に優れた耐候性を示す。
本発明のオルガノシロキサン樹脂組成物から形成されたコート層を積層した成形体は、自動車用窓ガラスやサンルーフとして有用である。

Claims (13)

  1. (A)コロイダルシリカ(A成分)、
    (B)下記式(B)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物(B成分)、
    Si(OR4−m−n (B)
    (式中R、Rは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基であり、これらはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。m、nは各々独立に、0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。)
    (C)下記式(C)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物(C成分)、
    Si(OR4−j−k (C)
    (式中Rは、置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族基、置換されていてもよい炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、またはフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基またはビニル基であり、これらはメタクリロキシ基、アミノ基、グリシドキシ基および3,4−エポキシシクロヘキシル基からなる群より選ばれる1以上の基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基である。jは1、2、3のいずれかの整数であり、kは0、1、2のいずれかの整数であり、j+kは1、2、3のいずれかの整数である。)
    並びに
    (D)金属酸化物(D成分)、
    を含有し、
    A成分〜C成分の合計量を100重量%として、A成分の含有量がSiOに換算して10〜59.9重量%、B成分の含有量がR SiO(4−m−n)/2に換算して40〜89.9重量%、C成分の含有量がR SiO(4−j−k)/2に換算して0.1〜18重量%であり、A成分〜C成分の合計量100重量部に対してD成分の含有量が0.1〜15重量部であるオルガノシロキサン樹脂組成物。
  2. B成分は、下記式(B)で表わされるアルコキシシランの加水分解縮合物であり、C成分は、下記式(C)で表されるアルコキシシランの加水分解縮合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Si(OR4−m−n (B)
    (式中R、R、Rは各々独立に炭素数1〜4のアルキル基である。m、nは各々独立に、0、1、2のいずれかの整数であり、m+nは0、1、2のいずれかの整数である。)
    Si(OR4−j−k (C)
    (式中Rは、炭素数6〜12のアリール基またはフッ素原子で置換された炭素数1〜20のアルキル基であり、R、Rは各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基である。jは1、2、3のいずれかの整数であり、kは0、1、2のいずれかの整数であり、j+kは1、2、3のいずれかの整数である。)
  3. A成分の含有量がSiOに換算して10〜39.5重量%、B成分の含有量がR SiO(4−m−n)/2に換算して60〜89.5重量%、C成分の含有量がR SiO(4−j−k)/2に換算して0.5〜13重量%であり、D成分の含有量がA成分〜C成分の合計量100重量部に対して0.1〜15重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 金属酸化物(D成分)は、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化チタンである請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 金属酸化物(D成分)は、アルミナ層、ジルコニア層、ケイ素化合物層、あるいはこれらの積層体によって表面被覆された、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化チタンである請求項1記載の樹脂組成物。
  6. 金属酸化物(D成分)の平均粒径が、5〜200nmである請求項1記載の樹脂組成物。
  7. 金属酸化物(D成分)は、金属酸化物を水または有機溶剤中に分散させたスラリーを平均粒径100μm以下の媒体を充填した媒体ミルによりさらに分散処理したものである請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1記載の樹脂組成物および炭素数1〜6のアルコールを含有し、固形分濃度が5〜70重量%であるオルガノシロキサン樹脂塗料。
  9. さらに、硬化触媒(E成分)を、A成分〜C成分の合計量100重量部に対して0.01〜10重量部を含有する請求項8記載の樹脂塗料。
  10. 基材、アクリル樹脂組成物を熱硬化させた第1層および請求項1記載の樹脂組成物を熱硬化させた第2層を含有し、基材、第1層、第2層の順序に積層された積層体。
  11. 第2層表面の水接触角が85度以上である請求項10記載の積層体。
  12. さらに着色層を有し、基材、着色層、第1層、第2層の順序に積層された請求項10記載の積層体。
  13. さらに着色層を有し、基材、第1層、第2層、着色層の順序に積層された請求項10記載の積層体。
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