JPWO2010134166A1 - ガスレーザ発振器 - Google Patents

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Abstract

発振器筐体と、発振器筐体の両側に設置され、光軸方向に延在する複数の支持棒によって互いに平行接続された、光共振器を構成する光学部品をそれぞれ支持する一対の光学基台と、一対の光学基台と発振器筐体との間を接続する一対のベローズおよび弾性部材とを備え、発振器筐体は、光軸方向に間隔をおいて配置される一対の側板と、側板の上端間および下端間をそれぞれ接続する光軸方向に延在する上板12および下板13と、を有する枠状の金属材料で構成される本体部と、光軸に垂直な断面が円弧形状を有し、光軸方向に延在する外壁31と、外壁31の光軸方向の両端部に接続される側壁と、を有し、本体部のそれぞれの開口を塞ぐ金属材料で構成される蓋部と、を備え、蓋部を固定部材で本体部に固定したときに、蓋部の本体部との接続部で発振器筐体の外側に向かう高さ方向の力が発生するように円弧形状の外壁31が形成される。

Description

この発明は、密閉構造の発振器筐体内にレーザ媒介ガスを封入してレーザ発振を行うガスレーザ発振器に関するものである。
従来の直交励起型ガスレーザ発振器においては、CO2ガス等のレーザ媒介ガスを封入した密閉構造の発振器筐体を有しており、発振器筐体内にレーザ媒介ガス放電励起用の放電電極、レーザ媒介ガスを冷却する熱交換器、およびレーザ媒介ガスを循環させる送風器が備えられている。また、発振器筐体の両端にはガスレーザ共振器を構成するミラー光学系が配置されている。CO2ガスレーザなどのガスレーザにおける連続発振では、レーザ光を放出するガス分子を誘導放出に必要なエネルギ準位に励起(ポンピング)するために、放電時の電子衝突により励起する放電励起を用いることが一般的である。この場合、安定した放電を得るために、発振器筐体内部を30〜60Torrの真空状態とする必要があるので、ガスレーザ発振器の発振器筐体は、真空状態を保持可能な気密性能を有する必要がある。
また、発振器筐体の内部に配置された放電電極、熱交換器、送風器、およびミラー光学系などを定期的にメンテナンスする必要があるので、発振器筐体の外部からメンテナンス作業者が容易にアクセスできることが望ましい。このため、発振器筐体には、広い開口部が設けられ、この開口部を塞ぐための取り外しが可能な蓋部材が取り付けられるのが一般的である。
以上のことから、ガスレーザ発振器の蓋部材は、発振器筐体の内部を真空状態としたときの負荷に耐え、真空状態を保持可能な気密性能を保持し、かつ、発振器筐体の内部機器を容易にメンテナンスできるように開口部面積を広くすることが望ましい。また、レーザ発振器は、レーザ加工に主に用いられているが、加工能力の向上のため、高出力化が進んでいる。そのため、長い放電電極と大型熱交換器および大型ガスダクトが導入され、これによって筐体は特に光軸方向に長く、高さ幅ともに大型化している。そして、大型化による表面積の増大によって、筐体および蓋部材には大きな大気圧力が作用するため、高い強度と剛性が求められている。
そこで、従来では、放電電極およびミラーなどのガスレーザ発振器の構成機器を搭載する直方体状の筐体と、筐体の変形を抑制するために筐体に設けられるリブおよび開口部支持部材と、筐体の開口部を塞ぐように配置される蓋部材と、を備えるレーザ発振器において、筐体の内側部または外側部に膨出した曲面部を蓋部材に形成した構造のものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2007−294807号公報
しかしながら、特許文献1に記載のレーザ発振器では、筐体の構造が直方体状を有しているので、レーザ発振器の大型化に伴って、筐体の上下の面には大気圧力による曲げ応力が作用し、筐体の上下の面の中央部付近が窪み、大きな曲げ応力が発生する。そのため、筐体の上下の面を構成する板部材を厚くする必要があり、さらに上記したように補強用のリブが必要となる。その結果、レーザ発振器の製造コストが高くなってしまうという問題点があった。
この発明は上記に鑑みてなされたもので、大型で重厚な圧力容器を要する高出力のガスレーザ発振器において、従来に比して大幅な軽量化を実現でき、かつ製造コストを低下させることができるガスレーザ発振器を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかるガスレーザ発振器は、金属材料からなる発振器筐体と、前記発振器筐体の両側に設置され、光軸方向に延在する少なくとも3本の支持棒によって互いに平行接続された、光共振器を構成する光学部品をそれぞれ支持する一対の光学基台と、前記一対の光学基台と前記発振器筐体との間を接続する一対のベローズおよび弾性部材と、を備えるガスレーザ発振器において、前記光共振器の光軸方向をX軸とし、前記光軸方向に垂直な高さ方向をZ軸とし、前記X軸およびZ軸に垂直な方向をY軸とした場合に、前記発振器筐体は、X軸方向に間隔をおいて配置される一対の側板と、前記側板のZ軸方向の上端間および下端間をそれぞれ接続するX軸方向に延在する上板および下板と、を有する枠状の金属材料で構成される本体部と、X軸に垂直な断面が円弧形状を有し、X軸方向に延在する外壁と、前記外壁のX軸方向の両端部に接続される側壁と、を有し、前記本体部のそれぞれの開口を塞ぐ金属材料で構成される蓋部と、を備え、前記蓋部を固定部材で前記本体部に固定したときに、前記蓋部の前記本体部との接続部でZ軸方向の前記発振器筐体の外側に向かう力が発生するように円弧形状の前記外壁が形成されることを特徴とする。
この発明によれば、蓋部を固定部材で本体部に固定したときに、蓋部の本体部との接続部で発振器筐体の外側に向かうZ軸方向の力が発生するように円弧形状の外壁が形成されるようにしたので、発振器筐体に大気圧力が作用したときに、上板と下板を高圧側に押し返す力が蓋部から上板と下板に作用する。その結果、上板と下板に発生する曲げ応力が低減し、発振器筐体を構成する上板と下板の厚みを薄くでき、軽量化、低コスト化を実現することができるという効果を有する。
図1は、この発明の実施の形態1によるガスレーザ発振器の構成の一例を示す一方の蓋部を外した状態の斜視図である。 図2は、図1の蓋を外した状態のガスレーザ発振器の側面図である。 図3は、図2のA−A矢視断面図である。 図4は、ガスレーザ発振器の発振器筐体にかかる力の様子を模式的に示す図である。 図5−1は、ZX面内での発振器筐体の様子を示す図である。 図5−2は、図5−1のB−B断面図である。 図6−1は、ZX面内での発振器筐体の様子を示す図である。 図6−2は、図6−1のC−C断面図である。 図7は、この発明の実施の形態2によるガスレーザ発振器の構成の一例を示す一方の蓋部を外した状態の斜視図である。 図8は、図7の蓋を外した状態のガスレーザ発振器の側面図である。 図9は、図8のD−D矢視断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるガスレーザ発振器の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるガスレーザ発振器の構成の一例を示す一方の蓋部を外した状態の斜視図であり、図2は、図1の蓋を外した状態のガスレーザ発振器の側面図であり、図3は、図2のA−A矢視断面図である。また、図4は、ガスレーザ発振器の発振器筐体にかかる力の様子を模式的に示す図である。さらに、図5−1〜図5−2は、蓋の断面が円弧形状の場合の発振器筐体に作用する圧力による変形の様子を模式的に示す図であり、図5−1は、ZX面内での発振器筐体の様子を示す図であり、図5−2は、図5−1のB−B断面図であり、YZ面内での発振器筐体の様子を示す図である。また、図6−1〜図6−2は、直方体状の発振器筐体の場合の発振器筐体に作用する圧力による変形の様子を模式的に示す図であり、図6−1は、ZX面内での発振器筐体の様子を示す図であり、図6−2は、図6−1のC−C断面図であり、YZ面内での発振器筐体の様子を示す図である。なお、以下の説明では、レーザ光の光軸方向をX軸とし、この光軸に垂直な高さ方向をZ軸とし、これらX軸およびZ軸の両方に垂直な方向をY軸とする。
発振器筐体は、枠状構造を有する本体部10と、枠状構造の両端の開口を塞ぐ蓋部30と、がボルトとナットなどの固定部材によって機密構造を有するように固定される。
本体部10は、Z軸方向に延在する幅Wの一対の側板11、これらの側板11の上部の端部間および下部の端部間をそれぞれ接続するX軸方向に延在した幅Wの上板12および下板13が枠状に形成された枠状部材と、この枠状部材のY軸方向の両端部に設けられるフランジ板14と、を備える。フランジ板14には、Oリング溝15と、Oリング溝15の外側に設けられる本体部10と蓋部30とをボルトで固定するためのボルト締結用の貫通孔16が設けられている。このような本体部10は、鉄鋼、ステンレス、アルミニウムなどの金属材料からなる上板12、下板13、側板11およびフランジ板14を、気密溶接して形成される。
本体部10内には、レーザ光発生用の放電電極21A,21B、レーザ媒体ガスを冷却する熱交換器22A,22B、レーザ媒体ガスを循環させる送風器23A、レーザ媒体ガスを循環させるように放電電極21A,21Bと送風器23Aとの間で通路を形成するガスダクト24A,24Bなどが設けられている。ここでは、放電電極21A,21Bの端部は電極取付台211によって上板12に固定されており、送風器23AのY軸方向の端部はブロア取付板231によって下板13に固定されている。また、熱交換器22Aとガスダクト24Aは、放電電極21Aと送風器23Aとの間で固定されている。
また、この例では、放電電極21A,21B、熱交換器22A,22B、送風器23Aおよびガスダクト24A,24Bがそれぞれ2組設けられている。具体的には、本体部10のX軸方向の長さのほぼ半分の長さを有する放電電極21A,21Bが、X軸方向に配置され、これらの放電電極21A,21Bのそれぞれに熱交換器、送風器およびガスダクトが設けられている。なお、ここでは、それぞれの送風器の送風方向が対向するように配置されている。
本体部10の光軸90方向の両側には、全反射鏡を保持した後部光学基台51と、全反射鏡と同一光軸上に部分反射鏡を保持した前部光学基台52と、が本体部10の外側の下部に一本、上部に2本の合計3本の支持棒53A〜53Cによって互いに平行に配置されている。そして、全反射鏡を保持する後部光学基台51と部分反射鏡を保持する前部光学基台52とは、光共振器を構成している。
光学基台51,52と本体部10の側板11との間は、ベローズ61によって接続されており、これらのベローズ61中をレーザ光が貫通する。また、光学基台51,52は、本体部10の側板11に板バネなどの弾性部材62を介して固定されている。
蓋部30は、X軸に垂直な方向の断面が円弧形状を有し、X軸方向に延在する外壁31と、この外壁31のZ軸方向の両端部に接続される側壁32と、Oリングを介して本体部10と接続するフランジ板33と、を備える。フランジ板33には、Oリング溝の外側に設けられる本体部10と蓋部30とをボルトなどの固定部材で固定するためのボルト締結用の貫通孔(図示せず)が設けられている。このボルト締結用の貫通孔は、本体部10のフランジ板14に設けられたボルト締結用の貫通孔16と同じピッチで設けられている。このような蓋部30は、アルミニウムやステンレス、鉄鋼などの金属鋼材を曲げ加工した外壁31と、アルミニウムやステンレス、鉄鋼などの金属鋼材からなるフランジ板33および側壁32と、を気密溶接して形成される。なお、外壁31の円弧形状部分には、原理的に大気圧力で曲げ応力が発生しないため、平板の蓋に比べて蓋部材の大幅な薄肉化が可能となる。
上記のような構成を有する本体部10のフランジ板14のOリング溝15にOリングを配置し、本体部10のフランジ板14と蓋部30のフランジ板33とをボルト締結用の貫通孔の位置が一致するように位置合わせした後に、ボルト締結用の貫通孔にボルトを嵌挿し、ナットで固定することによって、気密性が確保された本体部10と蓋部30とからなる発振器筐体が得られる。このような発振器筐体は耐圧容器を形成している。また、この発振器筐体には、光学基台51,52が取り付けられており、ガスレーザ発振器が得られる。
蓋部30を取り付けた発振器筐体のX軸方向に垂直な断面は、図3に示されるように、本体部10の上板12と下板13を構成する直線部に、蓋部30の外壁を構成する円弧部が接続される構成を有している。なお、メンテナンス時には、ボルトとナットなどの固定部材を取り外すことで、本体部10と蓋部30とが開閉可能となる。
つぎに、図4を参照しながら、蓋部30の曲率半径RとZ軸方向の高さHとの関係について説明する。ここで、本体部10の幅(Y軸方向の長さ)をWとし、大気圧力をPとし、外壁31(蓋部30)における弦の長さ(外壁31のZ軸方向の高さ)をHとし、上板12を圧縮する方向の力をF1とし、上板12を上に押し上げる方向(円弧の弦の方向)の力をF2とし、外壁31が圧縮される力(円弧端部の接線方向の力)をF3とし、円弧端部の接線と円弧の弦とのなす角度をθとし、外壁31の円弧の曲率半径をRとする。
まず、大気圧力Pが負荷された時の、フランジ板14,33部分での作用反作用の原理から、次式(1)〜(4)が得られる。
P・H=2・F1 ・・・・(1)
F3・sinθ=F1 ・・・・(2)
F3・cosθ=F2 ・・・・(3)
R・sinθ=H/2 ・・・・(4)
ここで、外壁31(蓋部30)が半円断面形状、すなわちR=H/2である場合について考える。この場合には、θが90°となるため、(3)式より上板12を上に押し上げる方向の力F2は0となる。その結果、図5−1と図5−2に示されるように、上板12および下板13が大気圧力によって内側にたわみ、上板12と下板13のYZ断面に大きな曲げ応力が発生することを防止できない。また、上板12および下板13にかかる圧力によって、発振器筐体はZ軸方向につぶれ、Y軸方向に伸びるように変形してしまう。なお、図5−1と図5−2において、二点鎖線は、発振器筐体内も大気圧の状態にある場合の発振器筐体の輪郭の位置を示している。
そこで、この実施の形態1では、次式(5)を満たすように蓋部30を構成している。
R>H/2 ・・・・(5)
つまり、(4)式と(5)式より、θを90°よりも小さくすることによって、(3)式から上板12と下板13を外側(高圧側)に押し広げる力F2を、上板12と下板13に発生させることができ、上板12と下板13のYZ断面に発生する曲げ応力を低減することができる。その結果、上板12と下板13の強度を小さくすることができるため、上板12と下板13の肉厚を薄くできる。また、板厚が薄くなれば、溶接部の脚長が短くなるため、溶接加工コストが削減され、溶接速度が向上し、さらに溶接信頼性が向上する。
なお、θを90°よりも小さくすることが望ましいが、理想的には、上板12(下板13でも同じ)にかかる大気圧力Pと、蓋部30が上板12を上に押し上げる力F2とが釣り合うことが望ましい。そこで、上板12(下板13)にかかる大気圧力Pと、蓋部30が上板12を上に押し上げる力F2を釣り合わせる条件は、次式(6)となる。
P・W=2・F2 ・・・・(6)
(1)〜(4)式と(6)式とを用いて、F1,F2,F3およびθを消去することによって、次式(7)が得られ、この(7)式を満たすように曲率半径Rを選択することが望ましい。
R=H/(2・sin(arcTan(H/W)) ・・・・(7)
以上のように、(5)式または(7)式を満足するように蓋部30の曲率半径Rを選ぶことによって、上板12と下板13のYZ断面に曲げ応力は発生しない。その結果、上板12と下板13の大幅な薄肉化が可能となる。特に、YZ断面に発生する曲げ応力は本体部10の光軸90方向の長さの2乗に比例するため、光軸90方向に長くなる高出力のガスレーザ発振器の本体部10において有効である。
つぎに、大気圧力によって本体部10の上板12と下板13のXZ断面に作用する曲げ応力について説明する。この応力は、本体部10の幅Wの2乗に比例するため、幅は狭い方がよい。しかし、図6−1〜図6−2のように、発振器筐体100が箱形構造の場合(たとえば、特開昭60−254680号公報参照)は、上板112と下板113の幅を大きくする必要がある。そのため、大きな曲げ応力が上板112と下板113に作用し、発振器筐体100が変形してしまう。これを防ぐためには、特開2007−294807号公報に開示されているように、上板112と下板113にはX方向に所定の間隔で配置される複数の補強リブが必要であった。
これに対して、この実施の形態1のようにX軸方向に垂直な断面形状が円弧形状の蓋部30の場合には、蓋部30は高さ方向の中央部付近で最もY軸方向に張り出しているため、その分、上板12と下板13の幅Wを上記の箱形構造の発振器筐体よりも小さくできる。この構造によって、従来必要であった補強用リブを排除することができ、溶接組立費が低減される。
この実施の形態1によれば、(5)式または(7)式を満たすような円弧形状を有する蓋部30を、本体部10の側面に固定するようにしたので、発振器筐体がZ軸方向に受ける大気圧力に対して、フランジを締め付ける力の反作用のZ軸方向の成分が大気圧力を打ち消す方向に作用する。これによって、本体部10を構成する上板12と下板13のYZ断面に曲げ応力が発生せず、上板12と下板13とを薄肉化することが可能になるという効果を有する。また、本体部10の上板12と下板13の幅Wを、従来の箱型構造の発振器筐体の場合よりも小さくすることができるので、大気圧力によってXZ断面に作用する曲げ応力に対する耐性を有し、補強材も不要になるという効果を有する。さらに、蓋部30の円弧形状部分には、原理的に大気圧力で曲げ応力が発生しないため、平板の蓋に比べて蓋部30の大幅な薄肉化が可能となるという効果も有する。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2によるガスレーザ発振器の構成の一例を示す一方の蓋部を外した状態の斜視図であり、図8は、図7の蓋を外した状態のガスレーザ発振器の側面図であり、図9は、図8のD−D矢視断面図である。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
この実施の形態2では、実施の形態1のガスレーザ発振器において、本体部10の外側の下部に配置されていた支持棒53Cを、本体部10の一対の側板11間を貫通するように設けている。そのため、下部の支持棒53Cに近接して、一対の側板11間を連結するように構造部材71が設けられている。この構造部材71としては、C型鋼、H型鋼などの曲げ剛性の高い断面構造が望ましいが、図の例では、断面が矩形状で筒型の構造(中空構造)を有する角型鋼を使用し、中空部分に下部の支持棒が周囲と接触しないように挿入されている。この構造部材71は、側板11の中央部付近に溶接されており、上板12、下板13および蓋部30とは接触しないように配置されている。
また、この実施の形態2では、この構造部材71に、放電電極21A,21Bが電極取付台211Aで位置決め固定されている。さらに、本体部10の中央部付近を通る構造部材71に、送風器23A,23B、熱交換器22A、および放電電極21A,21Bと送風器23Aをつなぐガスダクト24A,24Bを固定し、送風器23A、熱交換器22Aおよびガスダクト24A,24Bは、上板12、下板13および蓋部30には接触しないように配置されている。
なお、本体部10には、たとえば、冷却水配管、送風器23A,23Bの電気配線、乾燥剤などの部品を固定するための図示しないネジ孔を設ける必要があるが、この実施の形態2では、これらの部品を固定するための全てのネジ孔を側板11と側板11同士を連結する構造部材71とに取り付けるようにして、本体部10の上板12、下板13および蓋部30には部品を何も固定せずネジ孔も一切形成しないようにしてもよい。
また、2本の支持棒を本体部10の内部に通し、1本の支持棒を本体部10の外側に配置するようにしてもよいが、この場合には、本体部10の内部に通された2本の支持棒が蓋部30と干渉してしまい、本体部10の幅を狭くすることができない。そのため、上記したように、光学基台51,52を連結する3本の支持棒53A〜53Cの内、2本の支持棒53A,53Bは本体部10の外側を通し、1本の支持棒53Cだけを本体部10の内部の角型鋼(コラム鋼)27の中を通すようにすることで、支持棒53Cと蓋部30との干渉を抑え、本体部10の幅Wを狭くすることができる。
この実施の形態2によれば、本体部10の内部に側板11間を連結する構造部材71を設け、この構造部材71に放電電極21A,21Bを設ける構造としたので、大気圧によって本体部10や蓋が変形しても、放電電極21A,21Bの位置が光軸90に対して変化しないため、上板12と下板13の厚さをさらに薄くすることができる。また、放電電極21A,21Bが本体部10や蓋部の変形によって動く分を考慮して設計していた放電ギャップの余裕を狭めることができる。その結果、励起されたガスがレーザ発振(誘導放出)に使用されずに流れてしまうロスを削減できるので、レーザの発振効率が向上する。
また、送風器、熱交換器およびこれらをつなぐガスダクトなどの重量物や組み立て精度の必要な部品が本体部10の上板12や下板13、蓋に設けないようにしたので、上板12や下板13、蓋を構成する部材の厚さを薄くすることができるとともに、本体部10と蓋の製造時の溶接組立寸法精度を緩め、低コスト化することができるという効果を有する。
さらに、ガスレーザ発振器に取り付ける部品を固定するために必要なネジ孔を側板11と構造部材71にのみ設けるようにしたので、本体部10の上板12と下板13に対する機械加工が一切不要となる。また、ネジ孔がないため、ネジ山の破損強度から規定される最低肉厚の制約が排除され、圧力に耐える限界まで部材の厚さを薄くすることができる。
なお、上述した説明では、本体部10内に2つの放電電極21A,21Bを有し、1つの放電電極21Aに取り付けられる送風器と熱交換器の向きと、他の1つの放電電極21Bに取り付けられる送風器と熱交換器の向きとが、互いに反対向きとなるように配置され、ガス流が対向する場合を示した。しかし、それぞれの放電電極21A,21Bに取り付けられる送風器と熱交換器の向きを同じ向きとして、ガス流が対向しないように配置した場合にも、同様の効果が得られる。
以上のように、この発明にかかるガスレーザ発振器は、気密構造を有する発振器筺体内でレーザを発振させる場合に有用であり、特に、光軸方向に長い高出力のガスレーザ発振器に適している。
10 本体部
11 側板
12 上板
13 下板
14,33 フランジ板
15 Oリング溝
16 貫通孔
21A,21B 放電電極
22A,22B 熱交換器
23A,23B 送風器
24A,24B ガスダクト
30 蓋部
31 外壁
32 側壁
33 フランジ板
51 後部光学基台
52 前部光学基台
53A,53B,53C 支持棒
61 ベローズ
62 弾性部材
71 構造部材

Claims (7)

  1. 金属材料からなる発振器筐体と、前記発振器筐体の両側に設置され、光軸方向に延在する少なくとも3本の支持棒によって互いに平行接続された、光共振器を構成する光学部品をそれぞれ支持する一対の光学基台と、前記一対の光学基台と前記発振器筐体との間を接続する一対のベローズおよび弾性部材と、を備えるガスレーザ発振器において、
    前記光共振器の光軸方向をX軸とし、前記光軸方向に垂直な高さ方向をZ軸とし、前記X軸およびZ軸に垂直な方向をY軸とした場合に、
    前記発振器筐体は、
    X軸方向に間隔をおいて配置される一対の側板と、前記側板のZ軸方向の上端間および下端間をそれぞれ接続するX軸方向に延在する上板および下板と、を有する枠状の金属材料で構成される本体部と、
    X軸に垂直な断面が円弧形状を有し、X軸方向に延在する外壁と、前記外壁のX軸方向の両端部に接続される側壁と、を有し、前記本体部のそれぞれの開口を塞ぐ金属材料で構成される蓋部と、
    を備え、
    前記蓋部を固定部材で前記本体部に固定したときに、前記蓋部の前記本体部との接続部で前記発振器筐体の外側に向かうZ軸方向の力が発生するように円弧形状の前記外壁が形成されることを特徴とするガスレーザ発振器。
  2. 前記蓋部のX軸に垂直な断面において、円弧形状の前記外壁の曲率半径をRとし、弦の長さをHとした場合に、
    前記外壁は、
    R>H/2
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ発振器。
  3. 前記外壁は、前記本体部の幅をWとした場合に、
    R=H/(2・sin(arcTan(H/W))
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載のガスレーザ発振器。
  4. 前記本体部の前記側板間を連結するとともに、前記上板と前記下板と接触しない構造部材をさらに備え、
    前記発振器筐体内に設けられる放電電極は、前記上板、前記下板および前記蓋部のいずれとも接触しないように、前記構造部材に固定されることを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ発振器。
  5. 前記構造部材は、中空の金属材料からなる角型材であり、
    前記支持棒は、前記発振器筐体の外側の上部に配置される2本の上部支持棒と、前記本体部の中心付近を貫通するように配置される1本の下部支持棒と、からなり、
    前記下部支持棒は、前記角型材の内部を貫通するように配置されることを特徴とする請求項4に記載のガスレーザ発振器。
  6. 前記発振器筺体内に設けられる送風器、熱交換器およびガスダクトは、前記上板、前記下板および前記蓋部のいずれとも接触しないように、前記構造部材に固定されることを特徴とする請求項4に記載のガスレーザ発振器。
  7. 前記発振器筐体に固定される部品は、前記側板および/または前記構造部材に固定されることを特徴とする請求項4に記載のガスレーザ発振器。
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