JPWO2010131426A1 - イヤホン装置およびイヤホン装置本体 - Google Patents

イヤホン装置およびイヤホン装置本体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010131426A1
JPWO2010131426A1 JP2011513231A JP2011513231A JPWO2010131426A1 JP WO2010131426 A1 JPWO2010131426 A1 JP WO2010131426A1 JP 2011513231 A JP2011513231 A JP 2011513231A JP 2011513231 A JP2011513231 A JP 2011513231A JP WO2010131426 A1 JPWO2010131426 A1 JP WO2010131426A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound conduit
protrusion
ring portion
earphone device
ear tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011513231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5382821B2 (ja
Inventor
淳一 橋本
淳一 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2011513231A priority Critical patent/JP5382821B2/ja
Publication of JPWO2010131426A1 publication Critical patent/JPWO2010131426A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5382821B2 publication Critical patent/JP5382821B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/1016Earpieces of the intra-aural type

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Headphones And Earphones (AREA)

Abstract

イヤーチップが確実に取り付けられるイヤホン装置を提供する。イヤホン装置(100)は、ケース本体(10)と、音導管(3)と、イヤーチップ(5)と、を備えている。音導管(3)は、ケース本体(10)から突出し、概ね筒状に形成されるとともに、ケース本体(10)とは反対側の端部から径方向に沿って突出するフランジ(32)を有する。イヤーチップ(5)は、伸縮性を有する材料で形成され音導管(3)に嵌め込み可能に設けられた環部(53)を有し、フランジ(32)により中心線方向への移動が規制された第1状態をとり得る。また、音導管(3)は、フランジ(32)とケース本体(10)との間に中心線方向に概ね垂直な第1断面(64)を有する。そして、第1断面(64)の第1外周(64a)の長さは、環部(53)の内周の長さよりも長い。

Description

本発明は、イヤホン装置、特にユーザーの外耳道に挿入された状態で使用されるイヤホン装置、およびイヤホン装置に使用されるイヤホン装置本体に関する。
近年、ユーザーの外耳道に一部が挿入された状態で使用される挿入方式のイヤホン装置が広く用いられている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。この種のイヤホン装置は、電気信号の入力を受けて音を発生する発音体と、発音体を収容するケース本体と、ケース本体から突出する音導管と、イヤーチップと、を有している。イヤーチップは、伸縮性を有する材質(例えば、軟質ゴム)で形成され、音導管に取り付け可能である。ユーザーがイヤホン装置を使用する場合には、音導管にイヤーチップが取り付けられ、音導管がイヤーチップに覆われた状態でユーザーの外耳道に挿入される。発音体で発生した音は、音導管に形成された貫通孔を伝わり、イヤーチップの先端からイヤホン装置の外部へ伝わる。
引用文献1および引用文献2に示されたイヤホン装置では、イヤーチップは、音導管に嵌め込まれることにより、音導管に対して固定される。
上記のような挿入方式のイヤホン装置は、イヤーチップがユーザーの外耳道を塞ぐように配置された状態で使用される。このように、外部の騒音の影響を低減することにより、音質の向上が図られている。また、イヤーチップは、クッション材としても機能しており、音導管がユーザーの外耳道に接触することを防止している。
一方で、ユーザーの外耳道の形状や大きさの多様性を考慮したイヤホン装置も知られている。例えば、ユーザーがユーザー自身の嗜好や外耳道の大きさに応じてイヤーチップを取り替えることができるように、寸法やデザインの異なる複数のイヤーチップがイヤホン装置の付属品として提供される場合がある。
特開2005−191663号公報 特開2007−189468号公報
しかしながら、イヤーチップが音導管に嵌め込まれているだけでは、イヤーチップが音導管から容易に脱落してしまう可能性がある。つまり、従来のイヤホン装置では、イヤーチップの音導管からの脱落を防止できる程度には、イヤーチップを音導管に確実に固定することができない。
ここに開示されるイヤホン装置は、ケース本体と、音導管と、イヤーチップと、を備えている。音導管は、ケース本体から突出し、概ね筒状に形成されるとともに、ケース本体とは反対側の端部から径方向に沿って突出するフランジを有する。イヤーチップは、伸縮性を有する材質で形成され音導管に嵌め込み可能に設けられた環部を有し、フランジにより第1方向への移動が規制された第1状態をとり得る。また、音導管は、フランジとケース本体との間に第1方向に概ね垂直な第1断面を有する。そして、第1断面の第1外周の長さは、環部の内周の長さよりも長い。
ここで、筒状とは、貫通孔が形成された部材の形状を表している。筒状の部材が貫通孔の延びる方向(以下、貫通方向という)に沿って切断された場合に、切断面は貫通方向に長く延びている。したがって、筒状とは、円筒以外の形状を含む概念であり、例えば、貫通方向に垂直な断面が楕円である場合を含む概念である。
このイヤホン装置では、音導管の第1外周の長さが環部の内周の長さよりも長いので、環部を音導管に緩みなく嵌め込むことができる。その結果、イヤーチップと音導管との結合が強まり、イヤーチップを音導管に確実に取り付けることができる。
このように、イヤーチップを音導管に確実に固定することができる。
イヤーチップ5が取り付けられていない状態でのイヤホン装置100の斜視図 第1状態でのイヤホン装置100の縦断面図 図2のIII―III断面図 第2状態でのイヤホン装置100の縦断面図 イヤーチップ5が取り付けられていない状態でのイヤホン装置200の斜視図 第1状態でのイヤホン装置200の縦断面図
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係るイヤホン装置100について、図面を参照しながら説明する。
<1.1:構成>
図1は、第1実施形態に係るイヤホン装置100の斜視図である。図2は、イヤーチップ5が音導管3の先端側で固定された場合(つまり、後述する第1状態の場合)のイヤホン装置100の断面図である。ただし、図2では、背部カバー15およびコード4は省略されている。図3は、図2の切断線III−IIIにおける断面図である。ただし、ケース本体10の上面図が併記されている。ここで、図1〜図6に三次元直交座標系Oを導入する。三次元直交座標系Oでは、Z軸方向は中心線CL(後述)の方向に一致しており、X軸方向は1対の第1突起134(後述)が対向する方向と一致しており、Y軸方向は1対の第2突起133(後述)が対向する方向と一致している。
図1および図2に示すように、イヤホン装置100は、イヤホン装置本体1と、イヤホン装置本体1に取り付け可能なイヤーチップ5と、を有している。イヤホン装置本体1は、ケース本体10と、ケース本体10の内部に固定された発音体2と、コード4と、ケース本体10から延びる音導管3と、を有している。
<1.1.1:ケース本体>
ケース本体10は、合成樹脂などの容易に変形しない材質を用いてカップ状に成形された背部カバー15と、背部カバー15に固定された前部カバー11と、を有している。
背部カバー15は、ユーザーがイヤホン装置100を耳に装着した状態で、外から見える位置に配置される。背部カバー15は、コード4を支持するためのコード支持部16を有している。コード支持部16は、背部カバー15から突出しており、コード4を通すための孔部を有している。
前部カバー11は、背部カバー15と共に発音体2を収容するための空間を形成している。前部カバー11は、筒状の側面部と、側面部の背部カバー15と反対側に設けられた前面11aと、第4係止面11bと、を有している。前面11aは、ユーザーがイヤホン装置100を使用している場合に、ユーザー側を向くように配置される。前面11aは、その概ね中央に形成された開口を有しており、この開口を介して音導管3と連結されている。第4係止面11bは、音導管3と前面11aの開口との連結部分に形成された環状の面であり、音導管本体35の外周面35a(後述)に連結されている。
発音体2は、入力される音声信号に応じて振動を生じさせるドライバユニットであり、コード4を介して入力された音声信号に基づいて音を発生させる。発音体2は、前部カバー11および背部カバー15により形成された空間の内部に収容されている。
コード4は、発音体2に接続されている。また、コード4は、音声信号を発生させるオーディオ機器などの電子機器にも接続されており、これらの電子機器から出力される音声信号を発音体2に伝達する。コード4は、コード支持部16に形成された孔部を通じて、ケース本体10の内側に導かれる。
<1.1.2:音導管>
音導管3は、概ね筒状に形成され、前部カバー11の前面11aから突出しており、発音体2で発生した音を伝える。音導管3は、音導管本体35と、フランジ32と、第1突起134と、第2突起133と、を有している。
《音導管本体》
音導管本体35は、中心線CLを有する円筒であり、前面11aから中心線CLに沿った方向(以下、中心線方向という)に延びている。音導管本体35は、イヤーチップ5の環部53を嵌め込み可能な外周面35aを有している。また、音導管本体35には、ケース本体10の内部と外部とを連通し発音体2で発生した音を伝える、貫通孔としての音通孔31が形成されている。前述のように、ケース本体10の前面11aには中心部分に開口が設けられており、この開口を囲むように細長い音導管本体35が形成されている。そして、音導管本体35の径は、前部カバー11の径よりも小さく設定されている。音導管本体35を含む音導管3は、例えばケース本体10(より詳細には、前部カバー11)と一体的に形成されている。なお、中心線CLは音導管3の中心線でもある。
《フランジ》
フランジ32は、音導管3のケース本体10とは反対側の端部に設けられており、音導管本体35から音導管3の径方向に突出している。ここで、径方向とは、中心線CLから、中心線方向(第1方向の一例)に垂直な平面に沿って放射状に広がる方向である。図1に示すように、フランジ32は、音導管本体35の外周面35aの周方向に沿って一周するように、環状に設けられている。
図2に示すように、フランジ32は、第1係止面32aを有している。第1係止面32aは、フランジ32のケース本体10側に設けられた環状の面であり、中心線方向と概ね垂直に形成されている。フランジ32は、イヤーチップ5が第1状態(後述)にある場合に、第1係止面32aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向へのイヤーチップ5の移動を規制する。
フランジ32のケース本体10の反対側には、端面38が設けられている。端面38はフランジ32および音導管本体35によって形成された環状の面であり、中心線方向と概ね垂直に設けられている。端面38は、音導管3のケース本体10とは反対側の先端である。
《第1突起》
第1突起134(第1突出部の一例)は、音導管本体35の外周面35aから音導管3の径方向へ突出する1対の突起であり、第2係止面134aと、第1段差面134bと、を有している。図2に示すように、第1突起134は、フランジ32とケース本体10(より詳細には、前面11a)との間に配置されている。第1突起134は、音導管本体35の周方向に沿って形成されており、周方向に沿って延びている。
1対の第1突起134は、中心線CLを挟んでX軸方向(第2方向の一例)に対向している。また、第1突起134が形成されている位置で音導管3を中心線方向に垂直に切断すると、第1断面64が得られる。第1断面64は、第1外周64aを有している(図3)。第1外周64aの長さがイヤーチップ5の環部53の内周の長さよりも長くなるように、第1突起134が形成されている。
第2係止面134aは、第1突起134のケース本体10側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。第1突起134は、イヤーチップ5が第2状態(後述)にある場合に、第2係止面134aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸正方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。第1段差面134bは、第1突起134のフランジ32側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。
ここで、音導管3の肉厚を調節することにより、第1突起134を形成することができる。図3に示すように、肉厚T1は、第1断面64において第1突起134が形成されている場所で測定された音導管3の肉厚である。肉厚T1は、第1突起134の突出する方向(つまり、径方向)に測定されている。そして、肉厚T1は、図3に示す肉厚T2よりも大きい。肉厚T2は、第1突起134が形成されていない位置において測定された音導管3の肉厚である。なお、肉厚T2の測定位置は一例であり、第1突起134が形成されていない位置であれば、他の位置において測定された肉厚を肉厚T2としてもよい。第1断面64での音導管3の肉厚は、第1突起134の形成されている場所で最大となっている。
《第2突起》
第2突起133(第2突出部の一例)は、音導管本体35の外周面35aから音導管3の径方向へ突出する1対の突起であり、第3係止面133aと、第2段差面133bと、を有している。図2に示すように、第2突起133は、中心線方向において、第1突起134とケース本体10(より詳細には、前面11a)との間に配置されている。図3において点線で示すように、第2突起133は、音導管本体35の周方向に沿って形成されており、周方向に延びている。
1対の第2突起133は、中心線CLを挟んでY軸方向(第3方向の一例)に対向している。つまり、1対の第2突起133が対向する方向は、一対の第1突起134が対向する方向と直交している。
また、第2突起133が形成されている位置で、音導管3を中心線CLに垂直な方向に切断すると、第2断面63が得られる。例えば、仮想線VL(図4)の位置で切断することにより、第2断面63が得られる。第2断面63は、第2外周63aを有している。第2断面63の第2外周63aの長さがイヤーチップ5の環部53の内周の長さよりも長くなるように、第2突起133が設けられている。前述の通り、第2突起133は、第1突起134よりもケース本体10側に配置されているので、第2断面63は第1断面64よりもケース本体10側に存在している。
第3係止面133aは、第2突起133のフランジ32側に設けられ、中心線方向と概ね垂直に形成されている。第2突起133は、イヤーチップ5が第1状態にある場合に、第3係止面133aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸負方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。第2段差面133bは、第2突起133のケース本体10側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。
なお、第1突起134と同様に、第2断面63では、第2突起133が設けられている場所において、音導管3の肉厚が最大となっている。
以上のように、音導管本体35の端部にはフランジ32が形成され、音導管3の先端側(つまり、フランジ32側)の位置にイヤーチップ5を固定するための第1突起134が形成されている。さらに、音導管3の根本側(つまり、ケース本体10側)の位置にイヤーチップ5を固定するための第2突起133が形成されている。
ここで、音導管本体35の外周面35aと、第1突起134と、第2突起133と、は音導管3の外周部を形成している。音導管3の外周部には、イヤーチップ5の環部53を嵌め込むことができる。
前述のように、第4係止面11bは、第2突起133よりもケース本体10側に設けられた環状の面であり、フランジ32側を向くように形成されている。第4係止面11bは、イヤーチップ5が第2状態にある場合に、イヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸負方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。
《第1突起および第2突起の位置関係》
ここで、第1突起134と第2突起133との位置関係について説明する。
図2および図4に示すように、距離G1はフランジ32の第1係止面32aと第3係止面133aとの中心線方向の距離であり、距離G2は第1突起134の第2係止面134aと第4係止面11bとの中心線方向の距離である。第1突起134および第2突起133は、距離G1と距離G2とが概ね等しくなるように設けられている。
さらに、距離G1は、第1係止面32aと第2係止面134aとの中心線方向の距離W1(第1距離の一例)よりも大きくなるように設定されている。その結果、距離G1が測定される領域と距離G2が測定される領域とは、中心線方向に重複している。
また、寸法P1は第1突起134の中心線方向の寸法であり、寸法P2は第2突起133の中心線方向の寸法である。第1突起134は、寸法P1が距離G1よりも小さくなるように形成されている。同様に、第2突起133は、寸法P2が距離G2よりも小さくなるように形成されている。
前述のように、第1突起134の対向する方向と第2突起133の対向する方向とは異なっている。したがって、中心線方向から見た場合に、第1突起134の配置される位置は、第2突起133の配置される位置からずれている。さらに、図3に示すように、中心線方向から見た場合に第1突起134と第2突起133とは重なり合っていない。
このように、第1突起134および第2突起133は、音導管本体35の外周を一周する環状の突起としてではなく、音導管本体35の外周の一部にのみ配置された突起として形成されている。そして、第1突起134と第2突起133とは音導管3の中心線方向にずれた位置に配置され、音導管本体35の周方向においては、交互に配列されている。
<1.1.3:イヤーチップ>
イヤーチップ5は、音導管3に嵌め込み可能なクッション材であり、筒部51と、笠状部52と、環部53と、を有する。
イヤーチップ5は、クッション材として機能するように、柔軟な材質で形成されている。具体的には、イヤーチップ5は、軟質ゴムやシリコンゴムなどの弾性材料で形成されている。また、環部53は、音導管3への嵌め込みを可能にするために、伸縮性のある材質で形成されている。通常の場合、弾性材料は伸縮性を有するので、イヤーチップ5の成形方法としては、弾性材料を用いた一体成形が考えられる。
筒部51は、筒状に形成され、第1端51aと第2端51bとを有している。第1端51aには環部53が形成され、第2端51bには笠状部52が連結されている。イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態において、筒部51の軸方向、つまり、第1端51aから第2端51bへ向かう方向、は中心線方向と一致しており、第1端51aがケース本体10側に配置される。
笠状部52は、筒部51を覆うように形成されており、ユーザーがイヤホン装置100を装着した場合に、ユーザーの外耳道と接触する。笠状部52は、筒部51の第2端51bに連結されており、第2端51bから第1端51aへ向かって折り返すように延びている。したがって、図2および図4に示すように、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態では、笠状部52は、音導管3を覆うように配置されている。
環部53は、筒部51の第1端51a側に環状に形成されており、音導管3の外周部に嵌め込み可能である。図2に示すように、環部53はイヤーチップ5の内側に突出しており、フランジ32に形成された第1係止面32aもしくは第1突起134に形成された第2係止面134aに当接することができる。より詳細には、環部53は、第2端51b側に形成されイヤーチップ5の軸方向(つまり、筒部51の軸方向)に概ね垂直な第1係合面53aを有している。第1係合面53aは、第1係止面32aもしくは第2係止面134aに当接することができる。
また、環部53は内周面53bを有している。図2から図4に示すように、内周面53bは、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態において、音導管3の外周部に接している。
図4に示すように、寸法L1(第1寸法の一例)は、イヤーチップ5の軸方向における環部53の寸法である。寸法L1は、第1係止面32aと第3係止面133aとの中心線方向の距離G1と概ね等しく、あるいは、距離G1よりも若干小さくなるように設定されている。このように寸法L1が設定されているので、環部53は、フランジ32と第2突起133との間に嵌り込むことができる。同様に、寸法L1は、第2係止面134aと第4係止面11bとの中心線方向の距離G2と概ね等しく、あるいは、距離G2よりも若干小さくなるように設定されている。したがって、環部53は、第1突起134と第4係止面11bとの間に嵌り込むことができる。
環部53の内周の長さは、第1断面64の第1外周64aおよび第2断面63の第2外周63aよりも小さくなるように設定されている。したがって、環部53は、音導管3に取り付けられる場合には、音導管3の外周部により押し広げられた状態で音導管3の外周部に嵌め込まれる。
<1.2:イヤーチップの取り付け>
<1.2.1:イヤーチップの取り付け状態>
イヤホン装置100において、音導管3にイヤーチップ5が取り付けられた状態について、図を用いて説明する。本実施形態に係るイヤホン装置100では、音導管3に取り付けられたイヤーチップ5は、取り付け態様に応じて第1状態と第2状態とをとり得る。
つまり、イヤーチップ5の環部53を音導管3の先端側(つまり、フランジ32側)に固定するための第2突起133と、根本側(つまり、ケース本体10側)に固定するための第1突起134と、が形成されているので、イヤーチップ5を音導管3の先端側および根本側のいずれか一方に選択的に取り付けることができる。
《第1状態》
イヤーチップ5の第1端51a側をフランジ32に押し当て、環部53をフランジ32よりもケース本体10側に押し込むことにより、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられる。音導管3に押し込まれたイヤーチップ5は、環部53がフランジ32と第2突起133との間に嵌り込むことにより、第1状態となる。
図2は、イヤーチップ5の第1状態(つまり、環部53が音導管3の先端側にある状態)が選択された場合を示している。図2では、音導管3の中心線CLを含むようにZY平面で第1突起134を切断した場合の断面が示されている。また、図3もまた、第1状態が選択された場合のイヤホン装置100を示している。
図2に示すように、第1状態では、環部53の第1係合面53aは、フランジ32の第1係止面32aと対向している。また、第1端51aは、第2突起133の第3係止面133aと概ね接する位置にある。このように、環部53は、第1係止面32aおよび第3係止面133aとの間に隙間が実質的に生じない状態で配置されている。そして、イヤーチップ5に中心線方向の力が作用しても、環部53が第1係止面32aもしくは第3係止面133aに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向の移動が規制される。
また、第1状態では、環部53の中心線方向の位置は、第1断面64の位置と重なっている。したがって、図3に示すように、第1状態では、第1外周64aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接している。つまり、内周面53bは、第1外周64aのX軸方向の両端およびY軸方向の両端に接している。第1外周64aのX軸方向の両端は、第1突起134の一部分である。また、第1外周64aのY軸方向の両端は、音導管本体35の外周面35aの一部分である。
このように、第1状態において、イヤーチップ5の環部53は、フランジ32と第2突起133とにより挟まれた状態で音導管3に嵌合するとともに、破線で示した第1突起134に乗り上がるようにして配置されている(図2)。
第1状態では、環部53は音導管3の外周部により押し広げられるので、環部53が縮まる方向に張力が発生している。前述のように、環部53は伸縮性を有する材質で形成されている。また、第1外周64aの長さは、環部53を押し広げることができるように、環部53の内周の長さよりも長く設定されている。したがって、第1状態においては、音導管3に取り付けられていない状態に比べて環部53の内周の長さは伸びており、環部53には内周の長さを元に戻そうとする張力が発生している。
第1状態では、環部53に発生した張力は、音導管3の外周部を締め付ける方向に作用している。その結果、環部53の内周面53bは、第1突起134および音導管本体35の外周面35aに押し付けられる。したがって、環部53を音導管3の外周部から引き剥がす方向に、環部53に生じている張力と釣り合う程度の力が作用しない限り、イヤーチップ5が音導管3に嵌め込まれた状態が維持される。
さらに、第1状態では環部53に張力が働いているので、フランジ32の第1係止面32aを介して環部53に中心線方向の力が働いた場合に、環部53の変形が起こりにくい。ここで、イヤーチップ5を音導管3から取り外すためには、イヤーチップ5にZ軸正方向の力を作用させ、環部53を変形させながら、環部53をZ軸正方向に移動させる必要がある。つまり、フランジ32を乗り越えられる程度に環部53を変形させる必要がある。しかしながら、イヤホン装置100では、環部53の変形が起こりにくいので、環部53に発生している張力に見合う程度の力が環部53に作用しない限り、環部53はフランジ32を乗り越えることができない。言い換えれば、環部53がフランジ32に強固に噛み合っているため、イヤーチップ5が音導管3から外れにくくなっている。
以上のように、音導管3の外周部を形成する第1突起134が、音導管本体35の左右(図3)に配置され、第2突起133が上下(図3)に配置される構成にすれば、イヤーチップ5の環部53が第1突起134に乗り上げることにより環部53の張力が増す。その結果、音導管3に対する環部53の噛み合いの強度を向上させることが可能である。
《第2状態》
イヤーチップ5を第1状態よりもケース本体10側に移動させ、音導管3に対して固定することができる。第1状態からさらに音導管3に押し込まれたイヤーチップ5は、環部53が第1突起134と第4係止面11bとの間に嵌り込むと、第2状態となる。
図4は、イヤーチップ5の第2状態(つまり、イヤーチップ5を音導管3の根本側に移した状態)を示している。図4では、音導管3の中心線CLを含むようにZX平面で第1突起134を切断した場合の断面が示されている。
図4に示すように、第2状態では、環部53の第1係合面53aは、第1突起134の第2係止面134aと対向している。また、第1端51aは、第4係止面11bと概ね接する位置にある。このように、環部53は、第2係止面134aおよび第4係止面11bとの間に隙間が実質的に生じない状態で配置されている。そして、イヤーチップ5に中心線方向の力が作用しても、環部53が第2係止面134aもしくは第4係止面11bに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向の移動が規制される。
また、第2状態では、環部53の中心線方向の位置は、第2断面63の中心線方向の位置と重なっている。したがって、第2状態では、第2外周63aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接している。つまり、内周面53bは、第2外周63aのX軸方向の両端およびY軸方向の両端に接している。第2外周63aのX軸方向の両端は、音導管本体35の外周面35aの一部分である。また、第2外周63aのY軸方向の両端は、第2突起133の一部分である。第2断面63は、例えば、図4の仮想線VLの位置で音導管3を切断することによって得られる。
このように、第2状態において、イヤーチップ5の環部53は、第1突起134と第4係止面11bとにより挟まれた状態で音導管3に嵌合するとともに、第2突起133に乗り上がるようにして配置されている。
第2状態では、環部53は音導管3の外周部により押し広げられるので、環部53が縮まる方向に張力が発生している。第2外周63aの長さは、環部53を押し広げることができるように、環部53の内周の長さよりも長く設定されている。したがって、第2状態においては、音導管3に取り付けられていない状態に比べて環部53の内周の長さは伸びており、環部53には内周の長さを元に戻そうとする張力が発生している。
第2状態では、環部53に発生した張力は、音導管3の外周部を締め付ける方向に作用している。その結果、環部53の内周面53bは、第2突起133および音導管本体35の外周面35aに押し付けられる。したがって、環部53を音導管3の外周部から引き剥がす方向に、環部53に生じている張力に釣り合う程度の力が作用しない限り、イヤーチップ5が音導管3に嵌め込まれた状態が維持される。
さらに、第2状態では環部53に張力が働いているので、第1突起134の第2係止面134aを介して環部53に中心線方向の力が働いた場合に、環部53の変形が起こりにくい。ここで、イヤーチップ5を音導管3から取り外す(あるいは、第1状態へ移動させる)ためには、イヤーチップ5にZ軸正方向の力を作用させ、環部53を変形させながら、環部53をZ軸正方向に移動させる必要がある。つまり、第1突起134を乗り越えられる程度に環部53を変形させる必要がある。しかしながら、イヤホン装置100では、環部53の変形が起こりにくいので、環部53に発生した張力に見合う程度の力が環部53に作用しない限り、環部53は第1突起134を乗り越えることができない。言い換えれば、環部53が第1突起134に強固に噛み合っているため、イヤーチップ5が中心線方向にずれにくくなっている。
なお、第2状態では、中心線方向から見た場合に、第1突起134が配置されている位置では、環部53は音導管本体35の外周面35aに接している(図3を参照)。これは、第1突起134および第2突起133の周方向の長さが適度な長さに設定されており、1対の第1突起134の対向する方向が1対の第2突起133の対向する方向とずれているためである。このように、第2状態では、環部53が第1突起134と第4係止面11bの間に完全に入り込んでいるため、環部53は第2係止面134aと確実に噛み合っている。
《たわみ部分》
以上のように、イヤホン装置100は、イヤーチップ5の取り付け状態に応じて第1状態または第2状態を取りうる。第2状態では、イヤーチップ5は、第1状態にあるときよりもケース本体10の前面11aに近い位置に配置されている。このように、イヤホン装置100では、中心線方向でのイヤーチップ5の位置を調節することができる。
ここで、中心線方向でのイヤーチップ5の位置を調節できることの利点について説明する。前述のように、挿入方式のイヤホン装置は、イヤーチップが外耳道に挿入された場合、外耳道に対するイヤーチップの摩擦力によりユーザーの耳に保持される。このとき、ケース本体に対するイヤーチップの距離が可変でない場合には、外耳道内でのイヤーチップの位置の微調整をすることが容易ではない。つまり、イヤーチップが耳から抜けにくいように強く挿入するとか、逆に圧迫感が発生しないようにゆるく挿入するといった使用の多様性に対応することが困難である。したがって、イヤーチップの音導管に対する位置を調節できることが望ましい。
そこで、例えば音導管を延長し、上下2段の溝を設ければ、イヤーチップをそれぞれの溝に嵌め込むことにより、イヤーチップの位置を調節することができる。このようなイヤホン装置では、ケース本体に対するイヤーチップの距離を段階的に調節することにより、ユーザーの嗜好や外耳道の大きさなどの多様性に対応することが可能である。しかしながら、音導管に2段の溝を設けるためには、音導管を長くする必要がある。
音導管が長い場合は、音導管にイヤーチップが深く挿入されると、イヤーチップ先端がたわみにくくなり、イヤーチップがクッション材として十分に機能しなくなるおそれがある。イヤーチップによるクッションが十分でない場合には、ユーザーが心地よくイヤホン装置を使用することができない。特に、小型のイヤーチップを音導管に取り付けた場合にクッション機能の低下が顕著になるので、ユーザーが耳の大きさに合わせて小型のイヤーチップを選択した場合には、ユーザーの快適性を確保できないおそれがある。
一方で、本実施形態に係るイヤホン装置100では、音導管3の長さを抑制しつつ、イヤーチップ5の中心線方向の位置を調節することができる。具体的には、イヤーチップ5の環部53の根本側の固定位置を先端側の固定位置とオーバーラップさせることにより、音導管3の長さを抑制している。つまり、フランジ32の第1係止面32aと第1突起134の第2係止面134aとの中心線方向の距離W1は、イヤーチップ5の軸方向での環部53の寸法L1よりも小さく設定されている。その結果、図2および図4に示すように、第1状態における環部53の中心線方向の位置と、第2状態における環部53の中心線方向の位置とは、一部が重複している。
このように、イヤホン装置100では、音導管3の長さを抑制することができるので、第2状態において、音導管3の端面38から第2端51bまでの中心線方向の距離W2を大きくすることができる。つまり、たわみ部分5bを大きくすることができ、イヤーチップ5のクッション性を高めることが可能となる。ここで、たわみ部分5bとは、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態(つまり、第1状態または第2状態)において、イヤーチップ5のうち音導管3の端面38よりもZ軸正側に配置された部分をいう。
以上のように、音導管3のケース本体10からの突出量を抑制することができるので、2段階でのイヤーチップ5の位置の調節を可能としながら、イヤーチップのたわみ部分5bを大きくでき、ユーザーの外耳道への装着性および音質を向上させることが可能である。
<1.2.2:装着>
ユーザーの耳へのイヤホン装置100の装着について説明する。
イヤホン装置100が使用される時は、ケース本体10が耳珠と耳甲介と対耳珠とにより囲まれた領域に配置されるとともに、イヤーチップ5が外耳道に密接するよう挿入される。
軟質ゴムなどにより形成されたイヤーチップ5が外耳道に嵌め込まれるので、音導管3を外耳道に挿入しても痛みが伴うことはなく、装着感の低下が抑制されている。特にイヤホン装置100では、たわみ部分5bが大きく確保されているので、ユーザーの快適性が高まっている。
また、挿入型のイヤホン装置は、イヤーチップ5が外耳道を塞いでいるので、低音の再生能力に優れている。つまり、挿入型のイヤホン装置は、低音域の音を比較的忠実に再現できる。特に、本実施形態に係るイヤホン装置100では、たわみ部分5bが大きく確保されているので、たわみ部分5bが変形することにより、イヤーチップ5が外耳道に容易に密接できる。つまり、イヤーチップ5は外耳道をより確実に塞ぐことができ、音の漏れが低減される。その結果、イヤホン装置100では、低音域の音の再現性がさらに向上している。このように、イヤホン装置100は、小型である一方で、音漏れが少なく、遮音性が高いので、音質が良好である。
<1.3:効果>
ここで、第1実施形態に係るイヤホン装置200の効果についてまとめる。
(1)
このイヤホン装置100では、音導管3の第1外周64aの長さが環部53の内周の長さよりも長いので、環部53を音導管3に緩みなく嵌め込むことができる。その結果、イヤーチップ5と音導管3との結合が強まり、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(2)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5が第1状態にある場合には、第1外周64aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接しているので、環部53は音導管3により押し広げられ、環部53には音導管3を締め付ける方向に張力が発生する。発生した張力により環部53は音導管3に押し付けられ、環部53が音導管3に緩み無く嵌め込まれるので、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(3)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5は、環部53が第1断面64よりもケース本体10側に配置され音導管3に対する移動が規制された第2状態を取り得る。つまり、イヤーチップ5を音導管3に取り付ける場合に、第1状態での位置とは異なる位置に取り付けることができる。このように、音導管3に対するイヤーチップ5の位置を調節できるので、ユーザーの利便性が向上する。
(4)
このイヤホン装置100では、第1断面64とは異なる位置に配置され中心線方向に概ね垂直な第2断面63を有しており、第2断面63の第2外周63aの長さは環部53の内周の長さよりも長いので、第1断面64以外の位置であってもイヤーチップ5を確実に音導管3に固定することができる。このように、音導管3へのイヤーチップ5の取り付け態様を選択できるとともに、いずれの態様においてもイヤーチップ5を確実に音導管3に嵌め込むことができる。
(5)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5が第2状態にある場合には、第2外周63aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接しているので、環部53は確実に音導管3により押し広げられ、環部53には音導管3を締め付ける方向に張力が発生する。発生した張力により環部53は音導管3に押し付けられ、環部53が音導管3に緩み無く嵌め込まれるので、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(6)
このイヤホン装置100では、第1断面64に対応する位置に、音導管本体35から径方向に沿って突出する第1突起134が設けられているので、環部53は第1突起134により確実に押し広げられ、音導管3に緩み無く嵌め込まれる。
(7)
このイヤホン装置100では、第2断面63に対応する位置に、音導管本体35から径方向に沿って突出する第2突起133が設けられているので、環部53は第2突出部により確実に押し広げられ、音導管3に緩み無く嵌め込まれる。
(8)
このイヤホン装置100では、中心線方向から見た場合に第1突起134と第2突起133とが互いにずれて配置されているので、第2突起133により環部53が押し広げられた状態であっても、環部53は確実に第1突起134と噛み合うことができる。したがって、第2状態では、第1突起134により環部53の中心線方向への移動が規制されるとともに、環部53に発生した張力により環部53が音導管3に押し付けられる。その結果、第2状態においても、イヤーチップ5を音導管3に確実に嵌め込むことができる。
(9)
このイヤホン装置100では、第1突起134は第2係止面134aを有するので、第2状態において環部53が第2係止面134aに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向への移動が確実に規制される。このように、イヤーチップ5を第2状態で確実に音導管3に取り付けることができる。
(10)
このイヤホン装置100では、第1係止面32aから第2係止面134aまでの中心線方向の距離W1がイヤーチップ5の軸方向での環部53の寸法L1よりも小さいので、第1状態における環部53の位置は、第2状態における環部53の位置と中心線方向に部分的に重複している。このように、音導管3の中心線方向の長さを抑制しつつ、音導管3に対するイヤーチップ5の中心線方向での位置を段階的に調節することができる。その結果、イヤーチップ5のたわみ部分5bを大きくすることができ、イヤーチップ5のクッション材としての機能が高まる。
つまり、イヤホン装置100では、ケース本体10からイヤーチップ5の距離を段階的に変化させることにより、ユーザーの嗜好や外耳道の大きさなどの多様性に対応している。また、イヤーチップ5を音導管3に確実に固定できると同時に、音導管3のケース本体10からの突出が抑制されているので、装着性および音質を向上させることが可能である。
(11)
このイヤホン装置100では、第2突起133が第3係止面133aを有するので、第1状態において環部53を第3係止面133aに当接させることにより、イヤーチップ5の中心線方向への移動を規制することができる。つまり、音導管3に対するイヤーチップ5の位置を安定させることができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、第1突起134には、中心線方向と概ね垂直な第1段差面134bが設けられていたが、第1段差面134bの代わりに、中心線方向に対して傾きを有する面が設けられてもよい。同様に、第2段差面133bの代わりに、中心線方向に対して傾きを有する面が第2突起133に設けられてもよい。
以下では、図5および図6を用いて、第2実施形態に係るイヤホン装置200について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同様の構成については、同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。
イヤホン装置200は、イヤホン装置100において、第1突起134を第1突起234(第1突出部の一例)に置き換え、第2突起133を第2突起233(第2突出部の一例)に置き換えることによって得られる。
第1突起234は、第2係止面134aと、第1傾斜面234bと、を有している。イヤホン装置100において、中心線CLから径方向に離れるにしたがって第2係止面134aに近付くように第1段差面134bを傾けることにより、第1傾斜面234bが得られる。
図6では、イヤーチップ5が第1状態にある場合のイヤホン装置200が示されている。つまり、図6では、環部53は、フランジ32と第2突起233の間に嵌め込まれており、第1突起234に乗り上げている。図6に示すように、第1傾斜面234bは、ケース本体10側にいくにしたがって中心線CLから離れるように傾いている。言い換えれば、第1傾斜面234bは、フランジ32側を向くようにして傾いている。
一方で、環部53が第1突起234を締め付ける方向に張力を発生させると、環部53には、第1傾斜面234bから抗力が作用する。第1傾斜面234bは、フランジ32側を向くようにして傾いているので、第1傾斜面234bから環部53に作用する抗力は、中心線方向に沿ってフランジ32側へ向かう向き(つまり、Z軸正方向)の成分を含んでいる。その結果、環部53には中心線方向に沿ってフランジ32側への力が働き、環部53はフランジ32の第1係止面32aに押し付けられる。このように、環部53が音導管3の外周部を押す力が、第1傾斜面234bにより、中心線方向にフランジ32側へ環部53を押し出す力に変換される。
環部53が第1係止面32aに押し付けられると、環部53の第1係合面53aと第1係止面32aとが対向した状態が保たれる。このように、第1係合面53aと第1係止面32aが密接しているので、イヤーチップ5の中心線方向の移動が確実に防止され、イヤーチップ5の位置が安定する。また、イヤーチップ5の音導管3からの脱落が防止される。
また、第1傾斜面234bは中心線CLから離れるにしたがって第2係止面134aに近付くよう傾斜しているので、フランジ32の第1係止面32aと第1傾斜面234bとの間に形成される隙間237の中心線方向の幅は、中心線CLから離れるにしたがって大きくなっている。このように、隙間237の径方向外側が開いているので、環部53が隙間237に入り込みやすくなる。環部53が隙間237に入り込むことにより、第1状態において、環部53の第1係合面53aとフランジ32の第1係止面32aとを確実に向かい合わせることができる。つまり、環部53が第1突起234に乗り上げている状態であっても、第1係止面32aと第1係合面53aとの径方向でのずれを抑制することができる。このように、イヤホン装置200では、環部53はフランジ32に確実に噛み合あうので、イヤーチップ5は音導管3から脱落しにくくなる。
以上のように、第2実施形態に係るイヤホン装置200は、第1突起234の断面形状が三角形となるように構成されている(図6)。したがって、イヤーチップ5の環部53が三角形に形成された第1突起234の先端に乗り上がることにより環部53に発生する張力が増す。さらに、環部53は三角形の斜面に沿ってフランジ32側および外周面35a側へ付勢されながら固定されるので、フランジ32に確実に引っ掛かる。その結果、イヤホン装置200では、イヤーチップ5と音導管3との嵌合強度を向上させることが可能である。
第2突起233は、第3係止面133aと、第2傾斜面233bと、を有している。イヤホン装置100において、中心線CLから径方向に離れるにしたがって第3係止面133aに近付くように第2段差面133bを傾けることにより、第2傾斜面233bが得られる。このように、第2突起233は、中心線CLから離れるにしたがって中心線方向の幅が狭くなるテーパー形状を有している。したがって、環部53が第2突起233に乗り上げた第2状態では、環部53の内周面53bに第2突起233が食い込むので、イヤーチップ5が音導管3に確実に固定される。
〔他の実施形態〕
ここに開示されたイヤホン装置の具体的な構成は、前述の実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
前述の実施形態では、音導管本体35は円筒であるとしたが、音導管本体35は円筒以外であってもよい。つまり、音導管本体35が筒状あればよいので、例えば、音導管本体35の断面は楕円であってもよいし、多角形であっても構わない。
(B)
前述の実施形態では、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)は対で形成されていたが、突起の構成要素の個数は必ずしも2つでなくてよい。音導管本体35に突起を設けることにより、環部53の内周の長さよりも長い外周を有する断面が得られればよい。したがって、第1突起134(または第1突起234)に含まれる突起の数は1つ、あるいは、3つ以上であっても構わない。同様に、第2突起133(または、第2突起233)に含まれる突起の数は1つ、あるいは、3つ以上であっても構わない。
(C)
前述の実施形態では、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)は、中心線方向から見た場合に、音導管本体35の一部にのみ形成されていた。例えば、第1突起134を構成する2つの突起の周方向の寸法は、それぞれ、音導管本体35の周の長さの1/8〜1/6程度に設定されていた(図3を参照)。
しかしながら、これらの突起の周方向の寸法は、前述の実施形態で示した寸法に限定されない。つまり、環部53と確実に噛み合うことができる範囲であれば、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)の周方向の寸法として、前述の実施形態以外の寸法が設定されてもよい。
(D)
前述の実施形態では、フランジ32は音導管本体35の周方向に沿って一周するように環状に設けられていたが、周方向に沿って音導管本体35の一部にのみ形成されていてもよい。つまり、フランジ32は、環部53と当接することによりイヤーチップ5の中心線方向への移動を規制できる程度の大きさで設けられていればよい。
(E)
また、音導管本体35の外周面35aから測ったフランジ32の径方向の幅(以下、突出幅という)は、音導管本体35の周方向に沿って一様でなくてもよい。例えば、第2突起133の突出する方向(つまり、Y軸方向)での突出幅D1(図2)を、第1突起134の突出する方向(つまり、X軸方向)での突出幅D2(図4)よりも大きく設定してもよい。このようにフランジ32を設けることにより、図3に示すように、環部53が音導管本体35の外周面35aに接する位置においてフランジ32の突出幅が大きくなる。その結果、第1状態では環部53がフランジ32とより確実に噛み合うことになるので、イヤーチップ5の音導管3からの脱落をより効果的に抑制することができる。
(F)
前述の実施形態では、中心線方向に沿って2つの突起(つまり、第1突起134および第2突起133)が設けられていたが、3つ以上の突起が設けられていてもよい。
具体的には、イヤーチップ5(より詳細には、環部53)の固定される位置が中心線方向にオーバーラップするように、第1突起134および第2突起133と中心線方向にずれた位置に、さらに突起を設けることが可能である。このように3つ以上の突起を中心線方向に配列することにより、音導管に対するイヤーチップの取り付け位置を、さらに細かく、段階的に調節することが可能となる。
上記に示されたイヤホン装置は、例えば携帯式のオーディオ機器に使用することができるので、有用である。
100 イヤホン装置(第1実施形態)
1 イヤホン装置本体
2 発音体
10 ケース本体
11 前部カバー
11a 前面
11b 第4係止面
15 背部カバー
16 コード支持部
3 音導管
31 音通孔
32 フランジ
32a 第1係止面
35 音導管本体
35a 外周面
38 端面
133 第2突起(第2突出部の一例)
133a 第3係止面
133b 第2段差面
134 第1突起(第1突出部の一例)
134a 第2係止面
134b 第1段差面
4 コード
5 イヤーチップ
5b たわみ部分
51 筒部
51a 第1端
51b 第2端
52 笠状部
53 環部
53a 第1係合面
53b 内周面
63 第2断面
63a 第2外周
64 第1断面
64a 第1外周
200 イヤホン装置(第2実施形態)
233 第2突起(第2突出部の一例)
233b 第2傾斜面
234 第1突起(第1突出部の一例)
234b 第1傾斜面
237 隙間
本発明は、イヤホン装置、特にユーザーの外耳道に挿入された状態で使用されるイヤホン装置、およびイヤホン装置に使用されるイヤホン装置本体に関する。
近年、ユーザーの外耳道に一部が挿入された状態で使用される挿入方式のイヤホン装置が広く用いられている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照)。この種のイヤホン装置は、電気信号の入力を受けて音を発生する発音体と、発音体を収容するケース本体と、ケース本体から突出する音導管と、イヤーチップと、を有している。イヤーチップは、伸縮性を有する材質(例えば、軟質ゴム)で形成され、音導管に取り付け可能である。ユーザーがイヤホン装置を使用する場合には、音導管にイヤーチップが取り付けられ、音導管がイヤーチップに覆われた状態でユーザーの外耳道に挿入される。発音体で発生した音は、音導管に形成された貫通孔を伝わり、イヤーチップの先端からイヤホン装置の外部へ伝わる。
特許文献1および特許文献2に示されたイヤホン装置では、イヤーチップは、音導管に嵌め込まれることにより、音導管に対して固定される。
上記のような挿入方式のイヤホン装置は、イヤーチップがユーザーの外耳道を塞ぐように配置された状態で使用される。このように、外部の騒音の影響を低減することにより、音質の向上が図られている。また、イヤーチップは、クッション材としても機能しており、音導管がユーザーの外耳道に接触することを防止している。
一方で、ユーザーの外耳道の形状や大きさの多様性を考慮したイヤホン装置も知られている。例えば、ユーザーがユーザー自身の嗜好や外耳道の大きさに応じてイヤーチップを取り替えることができるように、寸法やデザインの異なる複数のイヤーチップがイヤホン装置の付属品として提供される場合がある。
特開2005−191663号公報 特開2007−189468号公報
しかしながら、イヤーチップが音導管に嵌め込まれているだけでは、イヤーチップが音導管から容易に脱落してしまう可能性がある。つまり、従来のイヤホン装置では、イヤーチップの音導管からの脱落を防止できる程度には、イヤーチップを音導管に確実に固定することができない。
ここに開示されるイヤホン装置は、ケース本体と、前記ケース本体から概ね筒状に突出されて形成された音導管と、伸縮性を有する材料で形成され、前記音導管に嵌め込み可能に設けられた環部を有するイヤーチップと、を備えている。音導管は、ケース本体とは反対側の端部に配置されたフランジと、フランジとケース本体との間に配置された第1の規制部と、を有する。イヤーチップは、音導管からの取り外し方向への移動がフランジにより規制された第1状態と、音導管からの取り外し方向への移動が第1の規制部により規制された第2状態と、をとり得る。
ここで、筒状とは、貫通孔が形成された部材の形状を表している。筒状の部材が貫通孔の延びる方向(以下、貫通方向という)に沿って切断された場合に、切断面は貫通方向に長く延びている。したがって、筒状とは、円筒以外の形状を含む概念であり、例えば、貫通方向に垂直な断面が楕円である場合を含む概念である。
イヤーチップ5が取り付けられていない状態でのイヤホン装置100の斜視図 第1状態でのイヤホン装置100の縦断面図 図2のIII―III断面図 第2状態でのイヤホン装置100の縦断面図 イヤーチップ5が取り付けられていない状態でのイヤホン装置200の斜視図 第1状態でのイヤホン装置200の縦断面図
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係るイヤホン装置100について、図面を参照しながら説明する。
<1.1:構成>
図1は、第1実施形態に係るイヤホン装置100の斜視図である。図2は、イヤーチップ5が音導管3の先端側で固定された場合(つまり、後述する第1状態の場合)のイヤホン装置100の断面図である。ただし、図2では、背部カバー15およびコード4は省略されている。図3は、図2の切断線III−IIIにおける断面図である。ただし、ケース本体10の上面図が併記されている。ここで、図1〜図6に三次元直交座標系Oを導入する。三次元直交座標系Oでは、Z軸方向は中心線CL(後述)の方向に一致しており、X軸方向は1対の第1突起134(後述)が対向する方向と一致しており、Y軸方向は1対の第2突起133(後述)が対向する方向と一致している。
図1および図2に示すように、イヤホン装置100は、イヤホン装置本体1と、イヤホン装置本体1に取り付け可能なイヤーチップ5と、を有している。イヤホン装置本体1は、ケース本体10と、ケース本体10の内部に固定された発音体2と、コード4と、ケース本体10から延びる音導管3と、を有している。
<1.1.1:ケース本体>
ケース本体10は、合成樹脂などの容易に変形しない材質を用いてカップ状に成形された背部カバー15と、背部カバー15に固定された前部カバー11と、を有している。
背部カバー15は、ユーザーがイヤホン装置100を耳に装着した状態で、外から見える位置に配置される。背部カバー15は、コード4を支持するためのコード支持部16を有している。コード支持部16は、背部カバー15から突出しており、コード4を通すための孔部を有している。
前部カバー11は、背部カバー15と共に発音体2を収容するための空間を形成している。前部カバー11は、筒状の側面部と、側面部の背部カバー15と反対側に設けられた前面11aと、第4係止面11bと、を有している。前面11aは、ユーザーがイヤホン装置100を使用している場合に、ユーザー側を向くように配置される。前面11aは、その概ね中央に形成された開口を有しており、この開口を介して音導管3と連結されている。第4係止面11bは、音導管3と前面11aの開口との連結部分に形成された環状の面であり、音導管本体35の外周面35a(後述)に連結されている。
発音体2は、入力される音声信号に応じて振動を生じさせるドライバユニットであり、コード4を介して入力された音声信号に基づいて音を発生させる。発音体2は、前部カバー11および背部カバー15により形成された空間の内部に収容されている。
コード4は、発音体2に接続されている。また、コード4は、音声信号を発生させるオーディオ機器などの電子機器にも接続されており、これらの電子機器から出力される音声信号を発音体2に伝達する。コード4は、コード支持部16に形成された孔部を通じて、ケース本体10の内側に導かれる。
<1.1.2:音導管>
音導管3は、概ね筒状に形成され、前部カバー11の前面11aから突出しており、発音体2で発生した音を伝える。音導管3は、音導管本体35と、フランジ32と、第1突起134と、第2突起133と、を有している。
《音導管本体》
音導管本体35は、中心線CLを有する円筒であり、前面11aから中心線CLに沿った方向(以下、中心線方向という)に延びている。音導管本体35は、イヤーチップ5の環部53を嵌め込み可能な外周面35aを有している。また、音導管本体35には、ケース本体10の内部と外部とを連通し発音体2で発生した音を伝える、貫通孔としての音通孔31が形成されている。前述のように、ケース本体10の前面11aには中心部分に開口が設けられており、この開口を囲むように細長い音導管本体35が形成されている。そして、音導管本体35の径は、前部カバー11の径よりも小さく設定されている。音導管本体35を含む音導管3は、例えばケース本体10(より詳細には、前部カバー11)と一体的に形成されている。なお、中心線CLは音導管3の中心線でもある。
《フランジ》
フランジ32は、音導管3のケース本体10とは反対側の端部に設けられており、音導管本体35から音導管3の径方向に突出している。ここで、径方向とは、中心線CLから、中心線方向(第1方向の一例)に垂直な平面に沿って放射状に広がる方向である。図1に示すように、フランジ32は、音導管本体35の外周面35aの周方向に沿って一周するように、環状に設けられている。
図2に示すように、フランジ32は、第1係止面32aを有している。第1係止面32aは、フランジ32のケース本体10側に設けられた環状の面であり、中心線方向と概ね垂直に形成されている。フランジ32は、イヤーチップ5が第1状態(後述)にある場合に、第1係止面32aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向へのイヤーチップ5の移動を規制する。
フランジ32のケース本体10の反対側には、端面38が設けられている。端面38はフランジ32および音導管本体35によって形成された環状の面であり、中心線方向と概ね垂直に設けられている。端面38は、音導管3のケース本体10とは反対側の先端である。
《第1突起》
第1突起134(第1の規制部の一例、第1突出部の一例)は、音導管本体35の外周面35aから音導管3の径方向へ突出する1対の突起であり、第2係止面134aと、第1段差面134bと、を有している。図2に示すように、第1突起134は、フランジ32とケース本体10(より詳細には、前面11a)との間に配置されている。第1突起134は、音導管本体35の周方向に沿って形成されており、周方向に沿って延びている。
1対の第1突起134は、中心線CLを挟んでX軸方向(第2方向の一例)に対向している。また、第1突起134が形成されている位置で音導管3を中心線方向に垂直に切断すると、第1断面64が得られる。第1断面64は、第1外周64aを有している(図3)。第1外周64aの長さがイヤーチップ5の環部53の内周の長さよりも長くなるように、第1突起134が形成されている。
第2係止面134aは、第1突起134のケース本体10側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。第1突起134は、イヤーチップ5が第2状態(後述)にある場合に、第2係止面134aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸正方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。第1段差面134bは、第1突起134のフランジ32側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。
ここで、音導管3の肉厚を調節することにより、第1突起134を形成することができる。図3に示すように、肉厚T1は、第1断面64において第1突起134が形成されている場所で測定された音導管3の肉厚である。肉厚T1は、第1突起134の突出する方向(つまり、径方向)に測定されている。そして、肉厚T1は、図3に示す肉厚T2よりも大きい。肉厚T2は、第1突起134が形成されていない位置において測定された音導管3の肉厚である。なお、肉厚T2の測定位置は一例であり、第1突起134が形成されていない位置であれば、他の位置において測定された肉厚を肉厚T2としてもよい。第1断面64での音導管3の肉厚は、第1突起134の形成されている場所で最大となっている。
《第2突起》
第2突起133(第2の規制部の一例、第2突出部の一例)は、音導管本体35の外周面35aから音導管3の径方向へ突出する1対の突起であり、第3係止面133aと、第2段差面133bと、を有している。図2に示すように、第2突起133は、中心線方向において、第1突起134とケース本体10(より詳細には、前面11a)との間に配置されている。図3において点線で示すように、第2突起133は、音導管本体35の周方向に沿って形成されており、周方向に延びている。
1対の第2突起133は、中心線CLを挟んでY軸方向(第3方向の一例)に対向している。つまり、1対の第2突起133が対向する方向は、一対の第1突起134が対向する方向と直交している。
また、第2突起133が形成されている位置で、音導管3を中心線CLに垂直な方向に切断すると、第2断面63が得られる。例えば、仮想線VL(図4)の位置で切断することにより、第2断面63が得られる。第2断面63は、第2外周63aを有している。第2断面63の第2外周63aの長さがイヤーチップ5の環部53の内周の長さよりも長くなるように、第2突起133が設けられている。前述の通り、第2突起133は、第1突起134よりもケース本体10側に配置されているので、第2断面63は第1断面64よりもケース本体10側に存在している。
第3係止面133aは、第2突起133のフランジ32側に設けられ、中心線方向と概ね垂直に形成されている。第2突起133は、イヤーチップ5が第1状態にある場合に、第3係止面133aにイヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸負方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。第2段差面133bは、第2突起133のケース本体10側に設けられ、中心線方向に概ね垂直に形成されている。
なお、第1突起134と同様に、第2断面63では、第2突起133が設けられている場所において、音導管3の肉厚が最大となっている。
以上のように、音導管本体35の端部にはフランジ32が形成され、音導管3の先端側(つまり、フランジ32側)の位置にイヤーチップ5を固定するための第1突起134が形成されている。さらに、音導管3の根本側(つまり、ケース本体10側)の位置にイヤーチップ5を固定するための第2突起133が形成されている。
ここで、音導管本体35の外周面35aと、第1突起134と、第2突起133と、は音導管3の外周部を形成している。音導管3の外周部には、イヤーチップ5の環部53を嵌め込むことができる。
前述のように、第4係止面11bは、第2突起133よりもケース本体10側に設けられた環状の面であり、フランジ32側を向くように形成されている。第4係止面11bは、イヤーチップ5が第2状態にある場合に、イヤーチップ5の環部53を当接させることにより、中心線方向(より詳細には、Z軸負方向)へのイヤーチップ5の移動を規制する。
《第1突起および第2突起の位置関係》
ここで、第1突起134と第2突起133との位置関係について説明する。
図2および図4に示すように、距離G1はフランジ32の第1係止面32aと第3係止面133aとの中心線方向の距離であり、距離G2は第1突起134の第2係止面134aと第4係止面11bとの中心線方向の距離である。第1突起134および第2突起133は、距離G1と距離G2とが概ね等しくなるように設けられている。
さらに、距離G1は、第1係止面32aと第2係止面134aとの中心線方向の距離W1(第1距離の一例)よりも大きくなるように設定されている。その結果、距離G1が測定される領域と距離G2が測定される領域とは、中心線方向に重複している。
また、寸法P1は第1突起134の中心線方向の寸法であり、寸法P2は第2突起133の中心線方向の寸法である。第1突起134は、寸法P1が距離G1よりも小さくなるように形成されている。同様に、第2突起133は、寸法P2が距離G2よりも小さくなるように形成されている。
前述のように、第1突起134の対向する方向と第2突起133の対向する方向とは異なっている。したがって、中心線方向から見た場合に、第1突起134の配置される位置は、第2突起133の配置される位置からずれている。さらに、図3に示すように、中心線方向から見た場合に第1突起134と第2突起133とは重なり合っていない。
このように、第1突起134および第2突起133は、音導管本体35の外周を一周する環状の突起としてではなく、音導管本体35の外周の一部にのみ配置された突起として形成されている。そして、第1突起134と第2突起133とは音導管3の中心線方向にずれた位置に配置され、音導管本体35の周方向においては、交互に配列されている。
<1.1.3:イヤーチップ>
イヤーチップ5は、音導管3に嵌め込み可能なクッション材であり、筒部51と、笠状部52と、環部53と、を有する。
イヤーチップ5は、クッション材として機能するように、柔軟な材質で形成されている。具体的には、イヤーチップ5は、軟質ゴムやシリコンゴムなどの弾性材料で形成されている。また、環部53は、音導管3への嵌め込みを可能にするために、伸縮性のある材質で形成されている。通常の場合、弾性材料は伸縮性を有するので、イヤーチップ5の成形方法としては、弾性材料を用いた一体成形が考えられる。
筒部51は、筒状に形成され、第1端51aと第2端51bとを有している。第1端51aには環部53が形成され、第2端51bには笠状部52が連結されている。イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態において、筒部51の軸方向、つまり、第1端51aから第2端51bへ向かう方向、は中心線方向と一致しており、第1端51aがケース本体10側に配置される。
笠状部52は、筒部51を覆うように形成されており、ユーザーがイヤホン装置100を装着した場合に、ユーザーの外耳道と接触する。笠状部52は、筒部51の第2端51bに連結されており、第2端51bから第1端51aへ向かって折り返すように延びている。したがって、図2および図4に示すように、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態では、笠状部52は、音導管3を覆うように配置されている。
環部53は、筒部51の第1端51a側に環状に形成されており、音導管3の外周部に嵌め込み可能である。図2に示すように、環部53はイヤーチップ5の内側に突出しており、フランジ32に形成された第1係止面32aもしくは第1突起134に形成された第2係止面134aに当接することができる。より詳細には、環部53は、第2端51b側に形成されイヤーチップ5の軸方向(つまり、筒部51の軸方向)に概ね垂直な第1係合面53aを有している。第1係合面53aは、第1係止面32aもしくは第2係止面134aに当接することができる。
また、環部53は内周面53bを有している。図2から図4に示すように、内周面53bは、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態において、音導管3の外周部に接している。
図4に示すように、寸法L1(第1寸法の一例)は、イヤーチップ5の軸方向における環部53の寸法である。寸法L1は、第1係止面32aと第3係止面133aとの中心線方向の距離G1と概ね等しく、あるいは、距離G1よりも若干小さくなるように設定されている。このように寸法L1が設定されているので、環部53は、フランジ32と第2突起133との間に嵌り込むことができる。同様に、寸法L1は、第2係止面134aと第4係止面11bとの中心線方向の距離G2と概ね等しく、あるいは、距離G2よりも若干小さくなるように設定されている。したがって、環部53は、第1突起134と第4係止面11bとの間に嵌り込むことができる。
環部53の内周の長さは、第1断面64の第1外周64aおよび第2断面63の第2外周63aよりも小さくなるように設定されている。したがって、環部53は、音導管3に取り付けられる場合には、音導管3の外周部により押し広げられた状態で音導管3の外周部に嵌め込まれる。
<1.2:イヤーチップの取り付け>
<1.2.1:イヤーチップの取り付け状態>
イヤホン装置100において、音導管3にイヤーチップ5が取り付けられた状態について、図を用いて説明する。本実施形態に係るイヤホン装置100では、音導管3に取り付けられたイヤーチップ5は、取り付け態様に応じて第1状態と第2状態とをとり得る。
つまり、イヤーチップ5の環部53を音導管3の先端側(つまり、フランジ32側)に固定するための第2突起133と、根本側(つまり、ケース本体10側)に固定するための第1突起134と、が形成されているので、イヤーチップ5を音導管3の先端側および根本側のいずれか一方に選択的に取り付けることができる。
《第1状態》
イヤーチップ5の第1端51a側をフランジ32に押し当て、環部53をフランジ32よりもケース本体10側に押し込むことにより、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられる。音導管3に押し込まれたイヤーチップ5は、環部53がフランジ32と第2突起133との間に嵌り込むことにより、第1状態となる。
図2は、イヤーチップ5の第1状態(つまり、環部53が音導管3の先端側にある状態)が選択された場合を示している。図2では、音導管3の中心線CLを含むようにZY平面で第1突起134を切断した場合の断面が示されている。また、図3もまた、第1状態が選択された場合のイヤホン装置100を示している。
図2に示すように、第1状態では、環部53の第1係合面53aは、フランジ32の第1係止面32aと対向している。また、第1端51aは、第2突起133の第3係止面133aと概ね接する位置にある。このように、環部53は、第1係止面32aおよび第3係止面133aとの間に隙間が実質的に生じない状態で配置されている。そして、イヤーチップ5に中心線方向の力が作用しても、環部53が第1係止面32aもしくは第3係止面133aに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向の移動が規制される。
また、第1状態では、環部53の中心線方向の位置は、第1断面64の位置と重なっている。したがって、図3に示すように、第1状態では、第1外周64aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接している。つまり、内周面53bは、第1外周64aのX軸方向の両端およびY軸方向の両端に接している。第1外周64aのX軸方向の両端は、第1突起134の一部分である。また、第1外周64aのY軸方向の両端は、音導管本体35の外周面35aの一部分である。
このように、第1状態において、イヤーチップ5の環部53は、フランジ32と第2突起133とにより挟まれた状態で音導管3に嵌合するとともに、破線で示した第1突起134に乗り上がるようにして配置されている(図2)。
第1状態では、環部53は音導管3の外周部により押し広げられるので、環部53が縮まる方向に張力が発生している。前述のように、環部53は伸縮性を有する材質で形成されている。また、第1外周64aの長さは、環部53を押し広げることができるように、環部53の内周の長さよりも長く設定されている。したがって、第1状態においては、音導管3に取り付けられていない状態に比べて環部53の内周の長さは伸びており、環部53には内周の長さを元に戻そうとする張力が発生している。
第1状態では、環部53に発生した張力は、音導管3の外周部を締め付ける方向に作用している。その結果、環部53の内周面53bは、第1突起134および音導管本体35の外周面35aに押し付けられる。したがって、環部53を音導管3の外周部から引き剥がす方向に、環部53に生じている張力と釣り合う程度の力が作用しない限り、イヤーチップ5が音導管3に嵌め込まれた状態が維持される。
さらに、第1状態では環部53に張力が働いているので、フランジ32の第1係止面32aを介して環部53に中心線方向の力が働いた場合に、環部53の変形が起こりにくい。ここで、イヤーチップ5を音導管3から取り外すためには、イヤーチップ5にZ軸正方向の力を作用させ、環部53を変形させながら、環部53をZ軸正方向(音導管からの取り外し方向の一例)に移動させる必要がある。つまり、フランジ32を乗り越えられる程度に環部53を変形させる必要がある。しかしながら、イヤホン装置100では、環部53の変形が起こりにくいので、環部53に発生している張力に見合う程度の力が環部53に作用しない限り、環部53はフランジ32を乗り越えることができない。言い換えれば、環部53がフランジ32に強固に噛み合っているため、イヤーチップ5が音導管3から外れにくくなっている。
以上のように、音導管3の外周部を形成する第1突起134が、音導管本体35の左右(図3)に配置され、第2突起133が上下(図3)に配置される構成にすれば、イヤーチップ5の環部53が第1突起134に乗り上げることにより環部53の張力が増す。その結果、音導管3に対する環部53の噛み合いの強度を向上させることが可能である。
《第2状態》
イヤーチップ5を第1状態よりもケース本体10側に移動させ、音導管3に対して固定することができる。第1状態からさらに音導管3に押し込まれたイヤーチップ5は、環部53が第1突起134と第4係止面11bとの間に嵌り込むと、第2状態となる。
図4は、イヤーチップ5の第2状態(つまり、イヤーチップ5を音導管3の根本側に移した状態)を示している。図4では、音導管3の中心線CLを含むようにZX平面で第1突起134を切断した場合の断面が示されている。
図4に示すように、第2状態では、環部53の第1係合面53aは、第1突起134の第2係止面134aと対向している。また、第1端51aは、第4係止面11bと概ね接する位置にある。このように、環部53は、第2係止面134aおよび第4係止面11bとの間に隙間が実質的に生じない状態で配置されている。そして、イヤーチップ5に中心線方向の力が作用しても、環部53が第2係止面134aもしくは第4係止面11bに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向の移動が規制される。
また、第2状態では、環部53の中心線方向の位置は、第2断面63の中心線方向の位置と重なっている。したがって、第2状態では、第2外周63aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接している。つまり、内周面53bは、第2外周63aのX軸方向の両端およびY軸方向の両端に接している。第2外周63aのX軸方向の両端は、音導管本体35の外周面35aの一部分である。また、第2外周63aのY軸方向の両端は、第2突起133の一部分である。第2断面63は、例えば、図4の仮想線VLの位置で音導管3を切断することによって得られる。
このように、第2状態において、イヤーチップ5の環部53は、第1突起134と第4係止面11bとにより挟まれた状態で音導管3に嵌合するとともに、第2突起133に乗り上がるようにして配置されている。
第2状態では、環部53は音導管3の外周部により押し広げられるので、環部53が縮まる方向に張力が発生している。第2外周63aの長さは、環部53を押し広げることができるように、環部53の内周の長さよりも長く設定されている。したがって、第2状態においては、音導管3に取り付けられていない状態に比べて環部53の内周の長さは伸びており、環部53には内周の長さを元に戻そうとする張力が発生している。
第2状態では、環部53に発生した張力は、音導管3の外周部を締め付ける方向に作用している。その結果、環部53の内周面53bは、第2突起133および音導管本体35の外周面35aに押し付けられる。したがって、環部53を音導管3の外周部から引き剥がす方向に、環部53に生じている張力に釣り合う程度の力が作用しない限り、イヤーチップ5が音導管3に嵌め込まれた状態が維持される。
さらに、第2状態では環部53に張力が働いているので、第1突起134の第2係止面134aを介して環部53に中心線方向の力が働いた場合に、環部53の変形が起こりにくい。ここで、イヤーチップ5を音導管3から取り外す(あるいは、第1状態へ移動させる)ためには、イヤーチップ5にZ軸正方向の力を作用させ、環部53を変形させながら、環部53をZ軸正方向に移動させる必要がある。つまり、第1突起134を乗り越えられる程度に環部53を変形させる必要がある。しかしながら、イヤホン装置100では、環部53の変形が起こりにくいので、環部53に発生した張力に見合う程度の力が環部53に作用しない限り、環部53は第1突起134を乗り越えることができない。言い換えれば、環部53が第1突起134に強固に噛み合っているため、イヤーチップ5が中心線方向にずれにくくなっている。
なお、第2状態では、中心線方向から見た場合に、第1突起134が配置されている位置では、環部53は音導管本体35の外周面35aに接している(図3を参照)。これは、第1突起134および第2突起133の周方向の長さが適度な長さに設定されており、1対の第1突起134の対向する方向が1対の第2突起133の対向する方向とずれているためである。このように、第2状態では、環部53が第1突起134と第4係止面11bの間に完全に入り込んでいるため、環部53は第2係止面134aと確実に噛み合っている。
《たわみ部分》
以上のように、イヤホン装置100は、イヤーチップ5の取り付け状態に応じて第1状態または第2状態を取りうる。第2状態では、イヤーチップ5は、第1状態にあるときよりもケース本体10の前面11aに近い位置に配置されている。このように、イヤホン装置100では、中心線方向でのイヤーチップ5の位置を調節することができる。
ここで、中心線方向でのイヤーチップ5の位置を調節できることの利点について説明する。前述のように、挿入方式のイヤホン装置は、イヤーチップが外耳道に挿入された場合、外耳道に対するイヤーチップの摩擦力によりユーザーの耳に保持される。このとき、ケース本体に対するイヤーチップの距離が可変でない場合には、外耳道内でのイヤーチップの位置の微調整をすることが容易ではない。つまり、イヤーチップが耳から抜けにくいように強く挿入するとか、逆に圧迫感が発生しないようにゆるく挿入するといった使用の多様性に対応することが困難である。したがって、イヤーチップの音導管に対する位置を調節できることが望ましい。
そこで、例えば音導管を延長し、上下2段の溝を設ければ、イヤーチップをそれぞれの溝に嵌め込むことにより、イヤーチップの位置を調節することができる。このようなイヤホン装置では、ケース本体に対するイヤーチップの距離を段階的に調節することにより、ユーザーの嗜好や外耳道の大きさなどの多様性に対応することが可能である。しかしながら、音導管に2段の溝を設けるためには、音導管を長くする必要がある。
音導管が長い場合は、音導管にイヤーチップが深く挿入されると、イヤーチップ先端がたわみにくくなり、イヤーチップがクッション材として十分に機能しなくなるおそれがある。イヤーチップによるクッションが十分でない場合には、ユーザーが心地よくイヤホン装置を使用することができない。特に、小型のイヤーチップを音導管に取り付けた場合にクッション機能の低下が顕著になるので、ユーザーが耳の大きさに合わせて小型のイヤーチップを選択した場合には、ユーザーの快適性を確保できないおそれがある。
一方で、本実施形態に係るイヤホン装置100では、音導管3の長さを抑制しつつ、イヤーチップ5の中心線方向の位置を調節することができる。具体的には、イヤーチップ5の環部53の根本側の固定位置を先端側の固定位置とオーバーラップさせることにより、音導管3の長さを抑制している。つまり、フランジ32の第1係止面32aと第1突起134の第2係止面134aとの中心線方向の距離W1は、イヤーチップ5の軸方向での環部53の寸法L1よりも小さく設定されている。その結果、図2および図4に示すように、第1状態における環部53の中心線方向の位置と、第2状態における環部53の中心線方向の位置とは、一部が重複している。
このように、イヤホン装置100では、音導管3の長さを抑制することができるので、第2状態において、音導管3の端面38から第2端51bまでの中心線方向の距離W2を大きくすることができる。つまり、たわみ部分5bを大きくすることができ、イヤーチップ5のクッション性を高めることが可能となる。ここで、たわみ部分5bとは、イヤーチップ5が音導管3に取り付けられた状態(つまり、第1状態または第2状態)において、イヤーチップ5のうち音導管3の端面38よりもZ軸正側に配置された部分をいう。
以上のように、音導管3のケース本体10からの突出量を抑制することができるので、2段階でのイヤーチップ5の位置の調節を可能としながら、イヤーチップのたわみ部分5bを大きくでき、ユーザーの外耳道への装着性および音質を向上させることが可能である。
<1.2.2:装着>
ユーザーの耳へのイヤホン装置100の装着について説明する。
イヤホン装置100が使用される時は、ケース本体10が耳珠と耳甲介と対耳珠とにより囲まれた領域に配置されるとともに、イヤーチップ5が外耳道に密接するよう挿入される。
軟質ゴムなどにより形成されたイヤーチップ5が外耳道に嵌め込まれるので、音導管3を外耳道に挿入しても痛みが伴うことはなく、装着感の低下が抑制されている。特にイヤホン装置100では、たわみ部分5bが大きく確保されているので、ユーザーの快適性が高まっている。
また、挿入型のイヤホン装置は、イヤーチップ5が外耳道を塞いでいるので、低音の再生能力に優れている。つまり、挿入型のイヤホン装置は、低音域の音を比較的忠実に再現できる。特に、本実施形態に係るイヤホン装置100では、たわみ部分5bが大きく確保されているので、たわみ部分5bが変形することにより、イヤーチップ5が外耳道に容易に密接できる。つまり、イヤーチップ5は外耳道をより確実に塞ぐことができ、音の漏れが低減される。その結果、イヤホン装置100では、低音域の音の再現性がさらに向上している。このように、イヤホン装置100は、小型である一方で、音漏れが少なく、遮音性が高いので、音質が良好である。
<1.3:効果>
ここで、第1実施形態に係るイヤホン装置100の効果についてまとめる。
(1)
このイヤホン装置100では、音導管3の第1外周64aの長さが環部53の内周の長さよりも長いので、環部53を音導管3に緩みなく嵌め込むことができる。その結果、イヤーチップ5と音導管3との結合が強まり、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(2)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5が第1状態にある場合には、第1外周64aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接しているので、環部53は音導管3により押し広げられ、環部53には音導管3を締め付ける方向に張力が発生する。発生した張力により環部53は音導管3に押し付けられ、環部53が音導管3に緩み無く嵌め込まれるので、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(3)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5は、環部53が第1断面64よりもケース本体10側に配置され音導管3に対する移動が規制された第2状態を取り得る。つまり、イヤーチップ5を音導管3に取り付ける場合に、第1状態での位置とは異なる位置に取り付けることができる。このように、音導管3に対するイヤーチップ5の位置を調節できるので、ユーザーの利便性が向上する。
(4)
このイヤホン装置100では、第1断面64とは異なる位置に配置され中心線方向に概ね垂直な第2断面63を有しており、第2断面63の第2外周63aの長さは環部53の内周の長さよりも長いので、第1断面64以外の位置であってもイヤーチップ5を確実に音導管3に固定することができる。このように、音導管3へのイヤーチップ5の取り付け態様を選択できるとともに、いずれの態様においてもイヤーチップ5を確実に音導管3に嵌め込むことができる。
(5)
このイヤホン装置100では、イヤーチップ5が第2状態にある場合には、第2外周63aの少なくとも一部が環部53の内周面53bと接しているので、環部53は確実に音導管3により押し広げられ、環部53には音導管3を締め付ける方向に張力が発生する。発生した張力により環部53は音導管3に押し付けられ、環部53が音導管3に緩み無く嵌め込まれるので、イヤーチップ5を音導管3に確実に取り付けることができる。
(6)
このイヤホン装置100では、第1断面64に対応する位置に、音導管本体35から径方向に沿って突出する第1突起134が設けられているので、環部53は第1突起134により確実に押し広げられ、音導管3に緩み無く嵌め込まれる。
(7)
このイヤホン装置100では、第2断面63に対応する位置に、音導管本体35から径方向に沿って突出する第2突起133が設けられているので、環部53は第2突出部により確実に押し広げられ、音導管3に緩み無く嵌め込まれる。
(8)
このイヤホン装置100では、中心線方向から見た場合に第1突起134と第2突起133とが互いにずれて配置されているので、第2突起133により環部53が押し広げられた状態であっても、環部53は確実に第1突起134と噛み合うことができる。したがって、第2状態では、第1突起134により環部53の中心線方向への移動が規制されるとともに、環部53に発生した張力により環部53が音導管3に押し付けられる。その結果、第2状態においても、イヤーチップ5を音導管3に確実に嵌め込むことができる。
(9)
このイヤホン装置100では、第1突起134は第2係止面134aを有するので、第2状態において環部53が第2係止面134aに当接することにより、イヤーチップ5の中心線方向への移動が確実に規制される。このように、イヤーチップ5を第2状態で確実に音導管3に取り付けることができる。
(10)
このイヤホン装置100では、第1係止面32aから第2係止面134aまでの中心線方向の距離W1がイヤーチップ5の軸方向での環部53の寸法L1よりも小さいので、第1状態における環部53の位置は、第2状態における環部53の位置と中心線方向に部分的に重複している。このように、音導管3の中心線方向の長さを抑制しつつ、音導管3に対するイヤーチップ5の中心線方向での位置を段階的に調節することができる。その結果、イヤーチップ5のたわみ部分5bを大きくすることができ、イヤーチップ5のクッション材としての機能が高まる。
つまり、イヤホン装置100では、ケース本体10からイヤーチップ5の距離を段階的に変化させることにより、ユーザーの嗜好や外耳道の大きさなどの多様性に対応している。また、イヤーチップ5を音導管3に確実に固定できると同時に、音導管3のケース本体10からの突出が抑制されているので、装着性および音質を向上させることが可能である。
(11)
このイヤホン装置100では、第2突起133が第3係止面133aを有するので、第1状態において環部53を第3係止面133aに当接させることにより、イヤーチップ5の中心線方向への移動を規制することができる。つまり、音導管3に対するイヤーチップ5の位置を安定させることができる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、第1突起134には、中心線方向と概ね垂直な第1段差面134bが設けられていたが、第1段差面134bの代わりに、中心線方向に対して傾きを有する面が設けられてもよい。同様に、第2段差面133bの代わりに、中心線方向に対して傾きを有する面が第2突起133に設けられてもよい。
以下では、図5および図6を用いて、第2実施形態に係るイヤホン装置200について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同様の構成については、同じ符号を付すものとし、その詳細な説明を省略する。
イヤホン装置200は、イヤホン装置100において、第1突起134を第1突起234(第1の規制部の一例、第1突出部の一例)に置き換え、第2突起133を第2突起233(第2の規制部の一例、第2突出部の一例)に置き換えることによって得られる。
第1突起234は、第2係止面134aと、第1傾斜面234bと、を有している。イヤホン装置100において、中心線CLから径方向に離れるにしたがって第2係止面134aに近付くように第1段差面134bを傾けることにより、第1傾斜面234bが得られる。
図6では、イヤーチップ5が第1状態にある場合のイヤホン装置200が示されている。つまり、図6では、環部53は、フランジ32と第2突起233の間に嵌め込まれており、第1突起234に乗り上げている。図6に示すように、第1傾斜面234bは、ケース本体10側にいくにしたがって中心線CLから離れるように傾いている。言い換えれば、第1傾斜面234bは、フランジ32側を向くようにして傾いている。
一方で、環部53が第1突起234を締め付ける方向に張力を発生させると、環部53には、第1傾斜面234bから抗力が作用する。第1傾斜面234bは、フランジ32側を向くようにして傾いているので、第1傾斜面234bから環部53に作用する抗力は、中心線方向に沿ってフランジ32側へ向かう向き(つまり、Z軸正方向)の成分を含んでいる。その結果、環部53には中心線方向に沿ってフランジ32側への力が働き、環部53はフランジ32の第1係止面32aに押し付けられる。このように、環部53が音導管3の外周部を押す力が、第1傾斜面234bにより、中心線方向にフランジ32側へ環部53を押し出す力に変換される。
環部53が第1係止面32aに押し付けられると、環部53の第1係合面53aと第1係止面32aとが対向した状態が保たれる。このように、第1係合面53aと第1係止面32aが密接しているので、イヤーチップ5の中心線方向の移動が確実に防止され、イヤーチップ5の位置が安定する。また、イヤーチップ5の音導管3からの脱落が防止される。
また、第1傾斜面234bは中心線CLから離れるにしたがって第2係止面134aに近付くよう傾斜しているので、フランジ32の第1係止面32aと第1傾斜面234bとの間に形成される隙間237の中心線方向の幅は、中心線CLから離れるにしたがって大きくなっている。このように、隙間237の径方向外側が開いているので、環部53が隙間237に入り込みやすくなる。環部53が隙間237に入り込むことにより、第1状態において、環部53の第1係合面53aとフランジ32の第1係止面32aとを確実に向かい合わせることができる。つまり、環部53が第1突起234に乗り上げている状態であっても、第1係止面32aと第1係合面53aとの径方向でのずれを抑制することができる。このように、イヤホン装置200では、環部53はフランジ32に確実に噛み合あうので、イヤーチップ5は音導管3から脱落しにくくなる。
以上のように、第2実施形態に係るイヤホン装置200は、第1突起234の断面形状が三角形となるように構成されている(図6)。したがって、イヤーチップ5の環部53が三角形に形成された第1突起234の先端に乗り上がることにより環部53に発生する張力が増す。さらに、環部53は三角形の斜面に沿ってフランジ32側および外周面35a側へ付勢されながら固定されるので、フランジ32に確実に引っ掛かる。その結果、イヤホン装置200では、イヤーチップ5と音導管3との嵌合強度を向上させることが可能である。
第2突起233は、第3係止面133aと、第2傾斜面233bと、を有している。イヤホン装置100において、中心線CLから径方向に離れるにしたがって第3係止面133aに近付くように第2段差面133bを傾けることにより、第2傾斜面233bが得られる。このように、第2突起233は、中心線CLから離れるにしたがって中心線方向の幅が狭くなるテーパー形状を有している。したがって、環部53が第2突起233に乗り上げた第2状態では、環部53の内周面53bに第2突起233が食い込むので、イヤーチップ5が音導管3に確実に固定される。
〔他の実施形態〕
ここに開示されたイヤホン装置の具体的な構成は、前述の実施形態に限定されず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(A)
前述の実施形態では、音導管本体35は円筒であるとしたが、音導管本体35は円筒以外であってもよい。つまり、音導管本体35が筒状あればよいので、例えば、音導管本体35の断面は楕円であってもよいし、多角形であっても構わない。
(B)
前述の実施形態では、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)は対で形成されていたが、突起の構成要素の個数は必ずしも2つでなくてよい。音導管本体35に突起を設けることにより、環部53の内周の長さよりも長い外周を有する断面が得られればよい。したがって、第1突起134(または第1突起234)に含まれる突起の数は1つ、あるいは、3つ以上であっても構わない。同様に、第2突起133(または、第2突起233)に含まれる突起の数は1つ、あるいは、3つ以上であっても構わない。
(C)
前述の実施形態では、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)は、中心線方向から見た場合に、音導管本体35の一部にのみ形成されていた。例えば、第1突起134を構成する2つの突起の周方向の寸法は、それぞれ、音導管本体35の周の長さの1/8〜1/6程度に設定されていた(図3を参照)。
しかしながら、これらの突起の周方向の寸法は、前述の実施形態で示した寸法に限定されない。つまり、環部53と確実に噛み合うことができる範囲であれば、第1突起134(または、第1突起234)および第2突起133(または、第2突起233)の周方向の寸法として、前述の実施形態以外の寸法が設定されてもよい。
(D)
前述の実施形態では、フランジ32は音導管本体35の周方向に沿って一周するように環状に設けられていたが、周方向に沿って音導管本体35の一部にのみ形成されていてもよい。つまり、フランジ32は、環部53と当接することによりイヤーチップ5の中心線方向への移動を規制できる程度の大きさで設けられていればよい。
(E)
また、音導管本体35の外周面35aから測ったフランジ32の径方向の幅(以下、突出幅という)は、音導管本体35の周方向に沿って一様でなくてもよい。例えば、第2突起133の突出する方向(つまり、Y軸方向)での突出幅D1(図2)を、第1突起134の突出する方向(つまり、X軸方向)での突出幅D2(図4)よりも大きく設定してもよい。このようにフランジ32を設けることにより、図3に示すように、環部53が音導管本体35の外周面35aに接する位置においてフランジ32の突出幅が大きくなる。その結果、第1状態では環部53がフランジ32とより確実に噛み合うことになるので、イヤーチップ5の音導管3からの脱落をより効果的に抑制することができる。
(F)
前述の実施形態では、中心線方向に沿って2つの突起(つまり、第1突起134および第2突起133)が設けられていたが、3つ以上の突起が設けられていてもよい。
具体的には、イヤーチップ5(より詳細には、環部53)の固定される位置が中心線方向にオーバーラップするように、第1突起134および第2突起133と中心線方向にずれた位置に、さらに突起を設けることが可能である。このように3つ以上の突起を中心線方向に配列することにより、音導管に対するイヤーチップの取り付け位置を、さらに細かく、段階的に調節することが可能となる。
上記に示されたイヤホン装置は、例えば携帯式のオーディオ機器に使用することができるので、有用である。
100 イヤホン装置(第1実施形態)
1 イヤホン装置本体
2 発音体
10 ケース本体
11 前部カバー
11a 前面
11b 第4係止面
15 背部カバー
16 コード支持部
3 音導管
31 音通孔
32 フランジ
32a 第1係止面
35 音導管本体
35a 外周面
38 端面
133 第2突起(第2突出部の一例)
133a 第3係止面
133b 第2段差面
134 第1突起(第1突出部の一例)
134a 第2係止面
134b 第1段差面
4 コード
5 イヤーチップ
5b たわみ部分
51 筒部
51a 第1端
51b 第2端
52 笠状部
53 環部
53a 第1係合面
53b 内周面
63 第2断面
63a 第2外周
64 第1断面
64a 第1外周
200 イヤホン装置(第2実施形態)
233 第2突起(第2突出部の一例)
233b 第2傾斜面
234 第1突起(第1突出部の一例)
234b 第1傾斜面
237 隙間

Claims (17)

  1. ケース本体と、
    前記ケース本体から突出し、概ね筒状に形成されるとともに、前記ケース本体とは反対側の端部から径方向に沿って突出するフランジを有する音導管と、
    伸縮性を有する材料で形成され前記音導管に嵌め込み可能に設けられた環部を有し、前記フランジにより第1方向への移動が規制された第1状態をとり得るイヤーチップと、を備え、
    前記音導管は、前記フランジと前記ケース本体との間に前記第1方向に概ね垂直な第1断面を有し、
    前記第1断面の第1外周の長さは、前記環部の内周の長さよりも長い、
    イヤホン装置。
  2. 前記第1状態において、前記第1外周の少なくとも一部は、前記環部の内周面に接している、
    請求項1に記載のイヤホン装置。
  3. 前記イヤーチップは、前記環部が前記第1断面よりも前記ケース本体側に配置され前記音導管に対する移動が規制された第2状態をとり得る、
    請求項2に記載のイヤホン装置。
  4. 前記音導管は、前記第1断面とは異なる位置に配置され前記第1方向に概ね垂直な第2断面を有し、前記第2断面の第2外周の長さは、前記環部の内周の長さよりも長い、
    請求項1から3のいずれかに記載のイヤホン装置。
  5. 前記第2状態において、前記第2外周の少なくとも一部は、前記環部の内周面と接している、
    請求項4に記載のイヤホン装置。
  6. 前記音導管は、中心線を有する筒状の音導管本体と、前記第1断面に対応する位置に配置され前記音導管本体から前記径方向に沿って突出する第1突出部と、を有している、
    請求項1から5のいずれかに記載のイヤホン装置。
  7. 前記音導管は、前記第2断面に対応する位置に配置され前記音導管本体から前記径方向に沿って突出する第2突出部を有している、
    請求項6に記載のイヤホン装置。
  8. 前記第1方向から見た場合に、前記第1突出部と前記第2突出部とは、互いにずれて配置されている、
    請求項7に記載のイヤホン装置。
  9. 前記第1突出部は、前記中心線を挟んで前記第1方向に垂直な第2方向に対向する1対の第1突起を有し、
    前記第2突出部は、前記中心線を挟んで前記第1方向に垂直な第3方向に対向する1対の第2突起を有し、
    前記第2方向は前記第3方向とずれている、
    請求項7または8のいずれかに記載のイヤホン装置。
  10. 前記第1突出部は、前記ケース側にいくにしたがって前記中心線から離れるように傾いている第1傾斜面を有する、
    請求項6から9のいずれかに記載のイヤホン装置。
  11. 前記第1突出部は、前記ケース本体側に前記第1方向に概ね垂直に設けられた第2係止面を有する、
    請求項6から10のいずれかに記載のイヤホン装置。
  12. 前記フランジは、前記ケース本体側に前記第1方向に概ね垂直に設けられた第1係止面を有しており、
    前記第1係止面から前記第2係止面までの前記第1方向の第1距離は、前記イヤーチップの軸方向での前記環部の第1寸法よりも小さい、
    請求項11に記載のイヤホン装置。
  13. 前記第2突出部は、前記フランジ側に設けられ、前記第1方向に概ね垂直な第3係止面を有する、
    請求項7から12のいずれかに記載のイヤホン装置。
  14. 前記音導管の肉厚は、前記第1断面上で測った場合に前記第1突出部の形成された位置において最大となる、
    請求項6から13のいずれかに記載のイヤホン装置。
  15. 前記音導管の肉厚は、前記第2断面上で測った場合に前記第2突出部の形成された位置において最大となる、
    請求項7から14のいずれかに記載のイヤホン装置。
  16. ケース本体と、
    前記ケース本体から突出する筒状の音導管本体と、
    前記音導管の前記ケース本体とは反対側の端部に設けられ、前記音導管本体から径方向に沿って突出するフランジと、
    前記ケース本体と前記フランジとの間に設けられ、前記音導管本体から前記径方向に沿って突出する第1突出部と、
    を備えるイヤホン装置本体。
  17. 前記第1突出部よりも前記ケース本体側に設けられ、前記音導管本体から前記径方向に沿って突出する第2突出部をさらに備える、
    請求項16に記載のイヤホン装置本体。
JP2011513231A 2009-05-13 2010-04-22 イヤホン装置およびイヤホン装置本体 Expired - Fee Related JP5382821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011513231A JP5382821B2 (ja) 2009-05-13 2010-04-22 イヤホン装置およびイヤホン装置本体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009116123 2009-05-13
JP2009116123 2009-05-13
JP2011513231A JP5382821B2 (ja) 2009-05-13 2010-04-22 イヤホン装置およびイヤホン装置本体
PCT/JP2010/002907 WO2010131426A1 (ja) 2009-05-13 2010-04-22 イヤホン装置およびイヤホン装置本体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010131426A1 true JPWO2010131426A1 (ja) 2012-11-01
JP5382821B2 JP5382821B2 (ja) 2014-01-08

Family

ID=43084813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011513231A Expired - Fee Related JP5382821B2 (ja) 2009-05-13 2010-04-22 イヤホン装置およびイヤホン装置本体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8391536B2 (ja)
JP (1) JP5382821B2 (ja)
CN (1) CN102119535A (ja)
WO (1) WO2010131426A1 (ja)

Families Citing this family (99)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8249287B2 (en) 2010-08-16 2012-08-21 Bose Corporation Earpiece positioning and retaining
US10291980B2 (en) 2006-06-30 2019-05-14 Bose Corporation Earpiece positioning and retaining
US8280093B2 (en) * 2008-09-05 2012-10-02 Apple Inc. Deformable ear tip for earphone and method therefor
DK2443842T3 (en) * 2009-06-16 2018-04-09 Sivantos Pte Ltd Hearing aid with a replaceable insert cap
US8737669B2 (en) * 2011-07-28 2014-05-27 Bose Corporation Earpiece passive noise attenuating
DE102011088356A1 (de) * 2011-12-13 2013-06-13 Sennheiser Electronic Gmbh & Co. Kg In-Ear Hörer oder Ohrkanalhörer
NO2690883T3 (ja) 2012-07-27 2018-03-10
USD707652S1 (en) * 2013-01-03 2014-06-24 Beats Electronics, Llc Audio listening system
USD712382S1 (en) 2013-01-03 2014-09-02 Beats Electronics, Llc Audio listening system
TW201440542A (zh) * 2013-04-03 2014-10-16 Cotron Corp 耳機
USD738864S1 (en) * 2014-02-21 2015-09-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Earphone
USD732508S1 (en) * 2014-03-03 2015-06-23 Pioneer Corporation Earphone
USD728533S1 (en) 2014-03-31 2015-05-05 Skullcandy, Inc. Headphone
KR101539662B1 (ko) * 2014-05-12 2015-07-29 최수민 이어핀을 이어폰에 고정시키기 위한 링
USD734744S1 (en) * 2014-05-15 2015-07-21 Apple Inc. Audio listening system
USD752542S1 (en) 2014-05-30 2016-03-29 Roam, Inc. Earbud system
JP1529559S (ja) * 2014-08-27 2015-07-27
USD752020S1 (en) * 2014-09-03 2016-03-22 Zound Industries International Ab Earphone
USD760189S1 (en) * 2014-09-03 2016-06-28 Sennheiser Electronic Gmbh & Co. Kg Earphones
US9473842B2 (en) * 2014-09-05 2016-10-18 Haebora Co., Ltd. Earset
USD755759S1 (en) * 2014-11-14 2016-05-10 Hejin Cai In-ear headphone
USD746792S1 (en) * 2014-11-21 2016-01-05 Spigen Korea Co., Ltd. Earphone
JP1527145S (ja) * 2014-12-25 2015-06-22
USD760202S1 (en) * 2015-03-20 2016-06-28 Imore Inc. Earphone
USD775108S1 (en) * 2015-03-27 2016-12-27 1More Inc. Earphone
USD780157S1 (en) * 2015-04-21 2017-02-28 Zound Industries International Ab In ear headphone
USD782998S1 (en) * 2015-06-08 2017-04-04 Lg Electronics Inc. Earphone
USD782997S1 (en) * 2015-06-08 2017-04-04 Lg Electronics Inc. Earphone
USD799316S1 (en) 2015-06-09 2017-10-10 Apple Inc. Package with earphones
JP1544500S (ja) * 2015-06-17 2016-02-29
USD772844S1 (en) * 2015-08-05 2016-11-29 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD773435S1 (en) * 2015-08-05 2016-12-06 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD778268S1 (en) * 2015-09-18 2017-02-07 1More Inc. Earphone
JP1556458S (ja) * 2015-12-04 2016-08-15
AU2016380257A1 (en) 2015-12-28 2018-06-28 Hearing Components, Inc. Earphone tip with universal sound port attachment core
USD825523S1 (en) * 2016-01-06 2018-08-14 I.Am.Plus, Llc Set of earbuds
USD813849S1 (en) * 2016-01-13 2018-03-27 Urbanista AB Headphone
USD796475S1 (en) * 2016-03-09 2017-09-05 Plantronics, Inc. Communications headset
USD789911S1 (en) * 2016-03-14 2017-06-20 Chris J. Katopis Earbud
JP1575302S (ja) * 2016-05-06 2017-05-01
USD816636S1 (en) * 2016-05-06 2018-05-01 Gn Audio A/S Headphones
USD809487S1 (en) * 2016-06-30 2018-02-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Earphone
USD817301S1 (en) * 2016-08-26 2018-05-08 Apple Inc. Headphones
USD824359S1 (en) * 2016-08-31 2018-07-31 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD806685S1 (en) * 2016-08-31 2018-01-02 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD806059S1 (en) * 2016-08-31 2017-12-26 Harman International Industries, Incorporated Headphone
JP1580450S (ja) * 2016-08-31 2017-07-03
USD822009S1 (en) * 2016-09-20 2018-07-03 Audio-Technica Corporation Earphone
JP1578195S (ja) * 2016-09-20 2017-06-05
USD816637S1 (en) * 2016-11-08 2018-05-01 Muzik Inc. Convertible wired or wireless earbud
KR101827386B1 (ko) * 2016-12-30 2018-02-09 크레신 주식회사 이어폰용 가변 이어팁
USD815069S1 (en) * 2017-01-02 2018-04-10 Jayfi Inc Earphone
USD825534S1 (en) * 2017-01-04 2018-08-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Earphone
USD847782S1 (en) * 2017-02-08 2019-05-07 Sennheiser Communications A/S Snap on-off headset
USD847783S1 (en) * 2017-02-09 2019-05-07 Sennheiser Communications A/S Headset including an earhook
USD837768S1 (en) * 2017-02-16 2019-01-08 Tong De Limited Pair of in-ear headphones
USD847784S1 (en) * 2017-02-20 2019-05-07 Sennheiser Communications A/S Headset including a neckband
TWM549497U (zh) * 2017-05-17 2017-09-21 尤世璋 耳塞結構及耳機裝置
JP6482600B2 (ja) * 2017-06-09 2019-03-13 エレコム株式会社 インイヤー型イヤホン用のカバー
USD843971S1 (en) * 2017-06-27 2019-03-26 1More Inc. Earphone
JP1598689S (ja) * 2017-08-10 2018-03-05
USD862412S1 (en) 2017-11-29 2019-10-08 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD846533S1 (en) * 2017-12-12 2019-04-23 Yong Guo Earphones
USD862422S1 (en) 2017-12-29 2019-10-08 Harman International Industries, Incorporated Headphone
USD855581S1 (en) * 2018-01-17 2019-08-06 Lindero Electronics Co., Ltd. Wireless earphone
EP3758795B1 (en) * 2018-02-27 2022-08-24 Advanced Bionics AG Sound delivery apparatuses for audiometric measurements
USD882545S1 (en) * 2018-06-06 2020-04-28 Lindero Electronics Co., Ltd. Wireless earphone
USD872065S1 (en) * 2018-08-16 2020-01-07 Guangzhou Lanshidun Electronic Limited Company Earphone
USD918180S1 (en) * 2018-09-07 2021-05-04 Plantronics, Inc. Ear loop earbud
US10652644B2 (en) * 2018-09-20 2020-05-12 Apple Inc. Ear tip designed to enable in-ear detect with pressure change in acoustic volume
USD876399S1 (en) * 2018-09-27 2020-02-25 Logitech Europe S.A. Single piece headphone
CA187877S (en) * 2018-12-10 2020-10-02 Huawei Tech Co Ltd Earphone
USD918177S1 (en) * 2018-12-17 2021-05-04 Sony Corporation Earphone
USD904901S1 (en) 2019-03-25 2020-12-15 Apple Inc. Case with earphones
USD897320S1 (en) 2019-03-25 2020-09-29 Apple Inc. Pair of earphones
USD905002S1 (en) 2019-05-09 2020-12-15 Apple Inc. Case with earphones
USD896200S1 (en) 2019-03-25 2020-09-15 Apple Inc. Earphones
WO2020238619A1 (en) * 2019-05-28 2020-12-03 Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp., Ltd. Earphone
USD906297S1 (en) * 2019-09-13 2020-12-29 Apple Inc. Pair of earphones
USD909347S1 (en) 2019-09-20 2021-02-02 Apple Inc. Earphone
USD887396S1 (en) * 2019-10-23 2020-06-16 Shenzhen Earfun Technology Co., Ltd. Wireless headset
USD1009842S1 (en) * 2019-10-29 2024-01-02 Sony Corporation Pair of earphones
USD882553S1 (en) * 2019-12-06 2020-04-28 Shenzhen Xinzhengyu Technology Co., Ltd Earphones
USD938399S1 (en) * 2020-04-01 2021-12-14 Target Brands, Inc. Earphone
USD945405S1 (en) * 2020-04-01 2022-03-08 Target Brands, Inc. Earphone
USD963611S1 (en) * 2020-05-04 2022-09-13 Jawb Acquisition, Llc Earphone
USD953301S1 (en) * 2020-05-11 2022-05-31 Shenzhen Vantide Technology Co. LTD Wireless headset
USD903639S1 (en) * 2020-06-24 2020-12-01 Shenzhen Ginto E-commerce Co., Limited Earphone
USD980185S1 (en) 2020-07-02 2023-03-07 Apple Inc. Earphones
USD905667S1 (en) * 2020-08-13 2020-12-22 Shenzhen Taifeitong Technology Co., Ltd. Earphones
KR102292926B1 (ko) * 2020-08-27 2021-08-25 주식회사 알머스 이어폰용 가변 이어팁
USD956720S1 (en) * 2020-09-30 2022-07-05 Shenzhen Zio Communication Technology Co., Ltd. Earphone
USD951916S1 (en) * 2020-11-19 2022-05-17 Shenzhen Ginto E-commerce Co., Limited Earphone
USD935434S1 (en) * 2021-03-02 2021-11-09 Ruibo Cai Earphone
USD935435S1 (en) * 2021-03-10 2021-11-09 Ruibo Cai Earphone
USD963607S1 (en) * 2021-04-07 2022-09-13 Logitech Europe S.A. Audio earpiece
KR102417567B1 (ko) * 2021-04-12 2022-07-06 부전전자 주식회사 타원형 노즐을 구비한 마이크로스피커의 이어팁 구조
USD947159S1 (en) * 2021-04-30 2022-03-29 Xiaochun Liang Earphones
USD1021864S1 (en) * 2021-07-19 2024-04-09 Zound Industries International Ab Earbud

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0244899A (ja) * 1988-08-04 1990-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd インナーイヤー型ヘッドホン
JP3882211B2 (ja) 1995-08-23 2007-02-14 ソニー株式会社 イヤホン装置
JP3798402B2 (ja) 2003-12-24 2006-07-19 フォスター電機株式会社 インサート型ヘッドホン
JP2005278015A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Star Micronics Co Ltd イヤホン
US7512243B2 (en) * 2004-08-25 2009-03-31 Phonak Ag Hearing protection earplug with a movable attenuation button, method for manufacturing the same and use of the same
JP4709017B2 (ja) 2006-01-12 2011-06-22 ソニー株式会社 イヤホン装置
CN1929692B (zh) * 2006-09-11 2010-12-01 任炎胜 入耳式小耳机
CN201150118Y (zh) * 2007-01-19 2008-11-12 深圳市冠旭电子有限公司 入耳式耳机
US8101103B2 (en) 2007-02-06 2012-01-24 Honeywell International Inc. Earbud and method of manufacture
JP2008277909A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Audio Technica Corp 挿入型イヤホン
CN201114716Y (zh) * 2007-07-10 2008-09-10 三匠科技股份有限公司 具有陶瓷内壳罩的耳机及其发话器
JP2009055248A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Sony Corp イヤホン

Also Published As

Publication number Publication date
US20110176700A1 (en) 2011-07-21
WO2010131426A1 (ja) 2010-11-18
CN102119535A (zh) 2011-07-06
US8391536B2 (en) 2013-03-05
JP5382821B2 (ja) 2014-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382821B2 (ja) イヤホン装置およびイヤホン装置本体
EP3082347B1 (en) In-ear headphones with retention members
KR20110065518A (ko) 보청기의 이어폰을 위한 유지 모듈
JP2013150288A (ja) イヤーチップ及びそれを具備するイヤホン
CN103957489A (zh) 耳机
US11381897B2 (en) Variable eartip for earphone
WO2011007448A1 (ja) イヤホン及び電子機器
WO2016151952A1 (ja) ウェアラブル装置
KR102310442B1 (ko) 이어폰
JP3161011U (ja) イヤーピース及びそれを用いたヘッドホン
JP5062150B2 (ja) イヤホン
JP5288556B2 (ja) イヤホン装置
JP5550289B2 (ja) カナル型イヤホン
JP2009055248A (ja) イヤホン
US20140166388A1 (en) Ear tip
JP6025244B2 (ja) イヤパッドおよびこのイヤパッドを用いたイヤホン
JP2021064867A (ja) 聴取装置、及びイヤホン
JP2015126509A (ja) マイクロホンを備えたイヤホン装置
JP5665792B2 (ja) イヤーチップ
JP6115187B2 (ja) ヘッドホン
JPS6342999B2 (ja)
KR102545214B1 (ko) 이어폰용 이어팁 및 이를 구비하는 이어폰
TWI831019B (zh) 入耳式耳機
JP5704617B2 (ja) イヤホン
JP2010130034A (ja) イヤホン装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees