JPWO2010122912A1 - コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、プラスチックレンズは、傷が付きやすい欠点があるためにシリコーン系のハードコート膜を表面に設けることで、かかる欠点を改善している。
さらに、ハードコート膜は、耐温水性が低く、温水と接触するとプラスチック製基材から一部剥れるものと考えられるが、外観不良を生じる場合があり、改善の余地があった。
また、フォトクロミック化合物がプラスチック製の基材内部に分散されたもの、または、基材表面にフォトクロミック化合物が分散されたフォトクロミックコート層が形成されたもののハードコート膜として、有効に使用できるコーティング組成物を提供することにある。
前記無機酸化物微粒子と加水分解性有機ケイ素化合物との合計量100質量部当り、0.10質量部乃至30.00質量部の量で環状ケトンを含有していることを特徴とするコーティング組成物が提供される。
(1)前記環状ケトンが、環を構成する元素として酸素原子または窒素原子を含む化合物(例えばN−メチルピロリドン)、或いはシクロヘキサノンであること、
(2)前記加水分解性有機ケイ素化合物を、前記無機酸化物微粒子と加水分解性有機ケイ素化合物との合計量100質量部当たり、40乃至90質量部の量で含有していること、
が好適である。
このコーティング組成物によれば、従来から汎用的に使用されているアルカリ溶液による化学処理のみでも、基材に対する密着性の良好なハードコート膜を形成することができる。さらに、耐温水性も向上しており、温水と接触させても、密着性の低下が少なく、工業的有用性が極めて高い。
即ち、環状ケトンは、高沸点であり、蒸気圧が低いばかりか、プラスチックレンズ等のプラスチック製光学基材を形成しているポリマー、例えば、ポリ(メタ)アクリレート((メタ)アクリレート系樹脂)やポリ(チオ)ウレタン((チオ)ウレタン系樹脂)などに対して親和性が高く、これらポリマーを溶解もしくは膨潤し得る化合物である。従って、このコーティング組成物を基材に塗布し、加熱して硬化を行う際に、環状ケトンは全てが蒸発して揮散するのではなく、その一部が基材の表面部分に浸透し、基材表面部分が膨潤した状態でハードコート膜が形成され、且つハードコート膜内部にも環状ケトンが残存することとなる。従って、形成されるハードコート膜はプラスチック製光学基材に対して優れた密着性、耐温水性を示すものと考えられる。さらに、形成されるハードコート膜は、その内部に環状ケトンが残存しているため、このハードコート膜には適度な柔軟性が付与され、基材表面に対して高い追随性を示し、この結果、熱履歴(熱膨張差)に対して高い耐性を示すものと考えられる。
無機酸化物微粒子としては、従来の低屈折率あるいは高屈折率コーティング剤に使用されている公知の無機酸化物微粒子が何ら制限無く使用できる。低屈折率コーティング剤においては、シリカ微粒子を主成分とする無機酸化物微粒子を使用するのが好適である。また、高屈折率コーティング剤においては、Si、Al、Ti、Fe、In、Zr、Au、Sn、Sb、W及びCeから選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物または複合無機酸化物からなる微粒子、特にSi、Al、Ti、Fe、Zr、Sn、Sb及びWからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物又は複合無機酸化物微粒子を使用するのが好適である。
さらに、このような無機酸化物微粒子の一部として酸化セリウム微粒子が含まれている場合には、形成されるハードコート層の耐久性や外観を向上させることができる。
なお、ゾルの形態で無機酸化物微粒子を使用する場合、操作性をさらに改善するためには、ゾルに含まれる無機酸化物微粒子の濃度(固形分濃度)が10乃至50質量%のものを使用することが好ましい。
また、高屈折率コーティング剤には、無機酸化物微粒子として、その入手のし易さの観点から、五酸化アンチモンの微粒子を使用することもできる。五酸化アンチモン微粒子を使用する場合も、水溶性の有機溶媒或いは水に分散させたゾルの形態でコーティング組成物に使用することが好ましい。また、固形分濃度が10乃至50質量%の五酸化アンチモンゾルを使用することが好ましい。このような五酸化アンチモン微粒子は、シリカゾルと同じように水溶性有機溶媒を分散媒としたゾルの状態で市販されており、例えば、日産化学工業(株)製サンコロイドAMT−330S、及びAMT−332S・NVなどが挙げられる。
前記配合割合において、複数種類の無機酸化物微粒子を使用する場合には、それらの合計質量が無機酸化物微粒子の配合量に該当する。また、複数種類の加水分解性有機ケイ素化合物を使用する場合には、それらの合計質量が加水分解性有機ケイ素化合物の配合量に該当する。
また、本発明においては、ハードコート層の耐久性及び外観をさらに向上させるために、酸化セリウム微粒子を使用する場合には、その使用量は無機酸化物微粒子の1〜20質量%とするのがよい。
加水分解性有機ケイ素化合物は、上記の無機酸化物微粒子のバインダーとしての機能を有し、ハードコート膜中でマトリックスとなる透明な硬化体を形成するものであり、加水分解可能なアルコキシ基がケイ素原子に結合した有機ケイ素化合物が使用される。この有機ケイ素化合物は、加水分解可能なアルコキシ基が2個以上、ケイ素原子に結合している化合物が好ましく、公知の有機ケイ素化合物を何ら制限無く使用できる。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
テトラエトキシシラン
テトラメトキシシランの4量体
テトラエトキシシランの5量体
ビニルトリメトキシシシラン
ビニルトリエトキシシラン
ビニルトリアセトキシシラン
メチルトリメトキシシラン
メチルトリエトキシシラン
メチルトリフェノキシシラン
ジメチルジメトキシシラン
トリメチルメトキシシラン
フェニルトリメトキシシラン
ジフェニルジメトキシシラン
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン
1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン
1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン
n−プロピルトリメトキシシラン
n−ブチルトリメトキシシラン
イソブチルトリメトキシシラン
イソブチルトリエトキシシラン
n−ヘキシルトリメトキシシラン
n−ヘキシルトリエトキシシラン
n−オクチルトリエトキシシラン
n−デシルトリメトキシシラン
1,6−ビストリメトキシシラン
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン
ビス[3−(ジエトキシメチルシリル)プロピル]カーボネート
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン
γ-クロロプロピルトリメトキシシラン
ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン
アリルトリメトキシシラン
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
γ−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン
γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
p−スチリルトリメトキシシラン
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
上記の有機ケイ素化合物中の加水分解性基の一部或いは全部が加水分解
したもの又は一部縮合したもの。
また、形成されるハードコート膜を緻密にし、プラスチック製光学基材の耐擦傷性をより向上させる有機ケイ素化合物として、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等の加水分解が可能なアルコキシ基が4つ存在するもの、テトラエトキシシラン、またはテトラメトキシシランの2〜4量体(4量体の場合は、1分子にアルコキシ基が10個存在する)、メチルトリエトキシシラン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンなどが好適に使用される。
本発明のコーティング剤組成物では、前記加水分解性有機ケイ素化合物(アルコキシシラン化合物)が加水分解し、この加水分解物が無機酸化物微粒子を取り込んだ形で重合硬化(重縮合)してマトリックスとなる硬化体を形成し、無機酸化物微粒子が緻密にマトリックス中に分散したハードコート膜を形成するわけであるが、この硬化体形成のための加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解を促進させるために、水の配合が必要となる。
硬化触媒は、上述した加水分解性有機ケイ素化合物(B)の加水分解物の重合硬化を促進させるために使用されるものであり、それ自体公知のもの、例えば、アセチルアセトナート錯体、過塩素酸塩、有機金属塩、各種ルイス酸が使用され、これらは1種単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
アルミニウムアセチルアセトナート、
リチウムアセチルアセトナート、
インジウムアセチルアセトナート、
クロムアセチルアセトナート、
ニッケルアセチルアセトナート、
チタニウムアセチルアセトナート、
鉄アセチルアセトナート、
亜鉛アセチルアセトナート、
コバルトアセチルアセトナート、
銅アセチルアセトナート、
ジルコニウムアセチルアセトナート、
等を挙げることができる。これらの中では、アルミニウムアセチルアセトナート、チタニウムアセチルアセトナートが好適である。
有機溶媒は、加水分解性有機ケイ素化合物(B)の溶剤となり且つ無機酸化物微粒子(A)の分散媒となるものであるが、このような機能を有していると同時に、揮発性を有するものであれば公知の有機溶媒が使用できる。このような有機溶媒の具体例としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブ
チルアルコール、2−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール
類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等の低級カルボン酸の低級アル
コールエステル類;
セロソルブ、ジオキサン、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ルなどのエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルア
セトンなどのケトン類;
メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
が挙げられる。これら有機溶媒は単独もしくは2種以上混合して使用することができる。これら有機溶媒の中でも、任意的に添加される水との相溶性を有し、しかもコーティング組成物を塗布して硬化させる際に、容易に蒸発し、平滑なハードコート膜が形成されるという観点から、特にメタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、アセチルアセトンを使用するのが好ましい。また、このような有機溶媒の一部は、先に述べたように、無機酸化物微粒子の分散媒として、予め該無機酸化物微粒子と混合しておくこともできる。
本発明においては、上記(A)〜(E)成分に加えて、環状ケトンが使用される。即ち、先にも述べたように、環状ケトンは、高沸点であり、蒸気圧が小さい。従って、推定ではあるが、硬化の際の加熱によって揮散せず、ハードコート膜中に一部が残存し、この結果として該膜のプラスチック基材に対する追随性が高められ、熱履歴(ハードコート膜と基材との熱膨張係数差)に起因するハードコート膜のクラックの発生が防止されると考えられる。また、ハードコート膜が施される基材を形成するプラスチックに対する親和性が高いという性質も有しているため、硬化時にプラスチック製光学基材の表面部分を膨潤させるという機能を示し、この結果として、得られるハードコート膜とプラスチック製光学基材に対する密着性を著しく高めることが可能になると考えられる。そして、ハードコート膜の密着性を高めることができるため、耐温水性も向上し、温水と接触しても、その密着性があまり低下しないものと考えられる。
また、前記炭素環状ケトンとしては、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられ、上記効果をより発揮するにはシクロヘキサノンが好適である。
次に、これらの使用量について説明する。
ヘテロ原子含有環状ケトンは、上記配合割合の中でも、少量で本発明の効果を発揮する。そのため、好ましい使用量としては、無機酸化物微粒子(A)と加水分解性有機ケイ素化合物(B)との合計量100質量部当り、0.10乃至15.00質量部であり、より好ましくは0.10乃至10.00質量部であり、さらに好ましくは0.10乃至8.00質量部である。使用量が15.00質量部を超える場合には、耐擦傷性が低下する傾向にある。一方、使用量が0.10質量部未満の場合には、ハードコート膜とプラスチック製光学基材との密着性が低下する傾向にある。
なお、フォトクロミック化合物、及び重合性単量体を含む重合硬化性組成物をそのまま硬化させて得られるプラスチック製光学基材(練り込み法による得られるフォトクロミック光学基材)は、通常、重合性単量体100質量部に対して、フォトクロミック化合物が0.005質量部以上1.00質量部以下、該耐候剤が0.01質量部以上2.00質量部以下配合されて製造される。一方、プラスチック製光学基材上に、フォトクロミック化合物、及び重合性単量体を含む重合硬化性組成物を塗布し、塗膜を硬化させて得られるフォトクロミックコート層を有する光学基材(コート法により得られるフォトクロミック光学基材)は、通常、重合性単量体100質量部に対して、フォトクロミック化合物が1.00質量部を超え10.00質量部以下、該耐候剤が2.00質量部を超え15.00質量部以下配合されて製造される。
炭素環状ケトンは、上記の環状ケトンの配合割合の中でも、その割合が多くても、形成されるハードコート膜の耐擦傷性を高く維持することができる。そのため、特に好ましい使用量としては、無機酸化物微粒子(A)と加水分解性有機ケイ素化合物(B)との合計量100質量部当り、0.50乃至30.00質量部である。ただし、使用量に対する効果を勘案すると、使用量は、より好ましくは、0.50乃至15.00質量部である。
そのため、上記のフォトクロミック光学基材のハードコート膜を形成する場合に好適に使用できる。すなわち、上記の通り、フォトクロミック光学基材は、ハードコート膜の形成に影響を与える耐候剤が表面に移動し易いが、炭素環状ケトンを含むコーティング組成物は、この耐候剤の影響を受けることが少なく、耐擦傷性に優れたハードコート膜を形成できる。そのため、フォトクロミック光学基材のハードコート膜を形成する場合においても、炭素環状ケトンの使用量は、無機酸化物微粒子(A)と加水分解性有機ケイ素化合物(B)との合計量100質量部当り、0.50乃至30.00質量部が好ましく、より好ましくは1.50乃至30.00質量部、さらに好ましくは5.00乃至30.00質量部である。ただし、使用量に対する効果を勘案すると、該使用量は、より好ましくは1.50乃至15.00質量部であり、さらに好ましくは5.00乃至15.00質量部である。
本発明のコーティング組成物は、上記の各種成分に加え、任意的に公知の添加剤を配合することが可能である。
ソルビタン脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、
デカグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンフィトステロール・フィトスタノール、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、
ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、
ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、
単一鎖ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
等を挙げることができる。
界面活性剤の使用に当たっては、2種以上を混合して使用しても良い。界面活性剤の添加量は、前述した必須成分の合計量(無機酸化物微粒子(A)と加水分解性有機ケイ素化合物(B)との合計量)100質量部当たり、0.001〜1質量部の範囲が好ましい。
本発明のコーティング組成物は、所定量の各成分を秤取り混合することにより調製することができる。
各成分の添加順序は特に限定されず、全ての成分を同時に添加してもよいし、加水分解性有機ケイ素化合物(B)を予め酸水溶液と混合して少なくとも一部が加水分解された形、あるいは加水分解物が一部縮合した部分縮合物の状態で、他の成分と混合することもできる。この場合において、加水分解は、ハードコート膜の物性に悪影響を与えず且つ保存安定性を低下させないようにするために10〜40℃の温度で行うことが好ましい。
上記のようにして調製される本発明のコーティング組成物は、必要に応じて異物を取り除くための濾過を行った後、プラスチックレンズ等のプラスチック製光学基材の表面に塗布され、乾燥後、硬化することによりハードコート膜を形成する。
塗布後の乾燥は、最初に60〜80℃で5〜30分程度の予備硬化を行い、その後、基材によって異なるが、90℃〜120℃の温度で1〜3時間程度の硬化を行うのがよい。
特に、本発明のコーティング組成物は、優れた密着性を発揮するため、予備硬化後の温度を比較的低温にすることもできる。具体的には、予備硬化後の温度を95〜115℃、さらに100〜110℃とすることも可能である。このように比較的低温で硬化させることができるため、プラスチックレンズを黄変させるおそれがなくなる。
本発明のコーティング組成物は、眼鏡レンズ、カメラレンズ、液晶ディスプレー、家屋や自動車の窓等のプラスチック製光学基材の表面へのハードコート膜の形成に適用されるが、中でも眼鏡レンズの用途に好適に使用される。
トリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、
テトラメチロールメタントリアクリレート、
が挙げられる。
また、繰り返し単位が2〜15のアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレートとしては、
平均分子量536のポリエチレングリコールジメタクリレート、
平均分子量736のポリテトラメチレングリコールジメタアクリレート
、
平均分子量536のポリプロピレングリコールジメタクリレート、
平均分子量258のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量308のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量522のポリエチレングリコールジアクリレート、
平均分子量272のポリエチレングリコールメタクリレートアクリレー
ト、
平均分子量536のポリエチレングリコールメタクリレートアクリレー
ト、
2,2−ビス[4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン
、
2,2−ビス[4−アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、
が挙げられる。
より具体的には、本発明のコーティング組成物は、上記(メタ)アクリレート系モノマーとフォトクロミック化合物とを含む重合硬化性組成物を練り込み法でフォトクロミックレンズとしたもののハードコート膜の形成に好適に使用できる。また、プラスチック製光学基材の表面に、上記(メタ)アクリレート系モノマーとフォトクロミック化合物とを含む重合硬化性組成物を塗布し、次いで、硬化させてフォトクロミックコート層を形成したもののハードコート膜の形成に好適に使用できる。
また、実施例及び比較例で使用した光学基材(レンズ基材)、各成分は以下の通りである。
CR:アリル樹脂プラスチックレンズ、屈折率=1.50。
MRA:チオウレタン系樹脂プラスチックレンズ、屈折率=1.60。
MRB:チオウレタン系樹脂プラスチックレンズ、屈折率=1.67。
TE:チオエポキシ系樹脂プラスチックレンズ、屈折率=1.71。
AC1:メタクリル系樹脂プラスチックレンズ、屈折率=1.50。
AC2:プラスチックレンズ基材表面にメタクリル系樹脂からなるコー
ティング層を有するレンズ。
下記処方により、重合硬化性組成物を調製した。
重合硬化性組成物の処方;
平均分子量328のポリプロピレングリコールジメタクリレート
43質量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート 10質量部
平均分子量394のメトキシポリエチレングリコールメタクリレート
5質量部
平均分子量522のポリエチレングリコールジアクリレート
16質量部
グリシジルメタクリレート 1質量部
α―メチルスチレンダイマー 1質量部
ウレタンアクリレート(ダイセル化学工業製 EBECRY4858)
25質量部
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート
0.1質量部
下記のフォトクロミック化合物(1) 0.03質量部
及び、ラジカル重合開始剤として、
t−ブチルパーオキシネオデカネート 1.0質量部
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
0.1重量部
を添加してよく混合し、フォトクロミック重合硬化性組成物を調製した。
下記の配合処方でラジカル重合性単量体の混合物を調製した。
2,2-ビス(4−アクリロイルオキシポリエチレングリコール
フェニル)プロパン(平均分子量776) 40質量部
ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量532)
15質量部
トリメチロールプロパントリメタクリレート 25質量部
ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート 10質量部
グリシジルメタクリレート 10質量部
重合開始剤として、
CGI1870:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンと
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルー
ペンチルフォスフィンオキサイドの混合物(重量比3:7)
0.35質量部
安定剤として、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)
セバケート 5質量部
トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート 3質量部
シランカップリング剤として、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 7質量部
レベリング剤として、
東レ・ダウコーニング株式会社製シリコーン系界面活性剤
L−7001 0.1質量部
を添加し、十分に混合することによりフォトクロミック重合硬化性組成物を調製した。
〔A成分;無機酸化物微粒子〕
SOL1:水分散シリカ微粒子
(日産化学工業(株)製スノーテックスO−40,
固形分濃度(シリカ微粒子の濃度);40質量%)
SOL2:複合金属酸化物微粒子のメタノール分散ゾル
(酸化ジルコニウム11.7質量%、酸化スズ77.6質量%、
酸化アンチモン7.0質量%、二酸化珪素3.7質量%を含む)
固形分濃度(複合金属酸化物微粒子の濃度)40質量%
SOL3:複合無機酸化物微粒子のメタノール分散ゾル
(酸化スズ12.0質量%、酸化チタニウム61.3質量%、酸
化ジルコニウム14.3質量%、二酸化ケイ素12.3質量%を
含む)
固形分濃度(複合無機酸化物微粒子の濃度)30質量%
SOL4:水分散酸化セリウム微粒子
(多木化学製ニードラールU−15、固形分15質量%、酢酸2
質量%、水83質量%)
SOL5:メタノール分散五酸化アンチモン微粒子
(日産化学工業(株)製サンコロイドAMT−332S・NV、
固形分濃度(五酸化アンチモン微粒子の濃度;30質量%)
GTS:γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
TEOS:テトラエトキシシラン
NSK:ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]
カーボネート
GDS:γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
BSE:1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン
SK:テトラメトキシシランの4量体
水、または0.001N〜1Nの塩酸水溶液
アルミニウムを中心金属とする錯体
D1:トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)
過塩素酸塩
D2:過塩素酸アンモニウム
D3:過塩素酸マグネシウム
MeOH:メタノール
TBA:t−ブタノール
DAA:ジアセトンアルコール
EGiPrE:エチレングリコールイソプロピルエーテル
AcAc:アセチルアセトン
NMP:N−メチルピロリドン
CHX:シクロヘキサノン
ECL:ε−カプロラクタム
GBL:γ−ブチロラクトン
2PY:2−ピロリドン
VPY:1−ビニル−2−ピロリドン
SiL1:シリコーン系界面活性剤
(東レ・ダウコーニング株式会社製L7001)
(コーティング組成物1の調製)
GTS(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
57.46質量部
TEOS(テトラエトキシシラン) 22.65質量部
SiL1(シリコーン系界面活性剤) 0.28質量部
NMP(N−メチルピロリドン) 0.14質量部
を混合した。
この混合液を十分に撹拌しながら、
水 24.70質量部
SOL1(水分散シリカ微粒子) 49.73質量部
の混合液を添加し、添加終了後から15〜20℃で12−24時間撹拌を継続した。
D1(トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム
(III)) 2.32質量部
EGiPrE(エチレングリコールイソプロピルエーテル)
9.39質量部
TBA(t−ブチルアルコール) 55.25質量部
AcAc(アセチルアセトン) 12.43質量部
MeOH(メタノール) 41.88質量部
の混合液を添加後、20〜25℃で3時間攪拌し、コーティング組成物1を調製した。
なお、GTS、TEOSの加水分解は、ガスクロマトグラフィーにて加水分解が終了したことを確認した。
配合の組成を表1に示した。
表1、表2に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物1と同様にして、コーティング組成物2〜14を調製した。
GTS(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
47.55質量部
BSE(1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン)
7.90質量部
SiL1(シリコーン系界面活性剤) 0.15質量部
DAA(ジアセトンアルコール) 62.29質量部
TBA(t−ブチルアルコール) 18.83質量部
NMP(N−メチルピロリドン) 0.14質量部
を混合した。
この混合液を十分に撹拌しながら、
0.017Nの塩酸水溶液 39.85質量部
を添加し、添加終了後から15〜30℃で20時間撹拌を継続した。
次いで、
D1(トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III))
2.99質量部
を添加後、20〜25℃で1時間攪拌し、
SOL2(メタノール分散複合金属酸化物微粒子)
111.37質量部
(複合無機酸化物微粒子44.55質量部、メタノール66.
82質量部)
を混合し、24時間撹拌後本発明のコーティング組成物14を得た。
なお、GTS、BSEの加水分解は、ガスクロマトグラフィーにて加水分解が終了したことを確認した。
配合の組成を表2に示した。
表2、表3に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物15と同様にして、コーティング組成物16〜22を調製した。
表3に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物1と同様にして、比較組成物1〜6を調製した。
表3に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物15と同様にして、比較組成物7〜9を調製した。
尚、表3に記載した比較組成物において使用されている溶媒は、以下の通りである。
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:ジメチルホルムアミド
DMAC:ジメチルアセトアミド
AC:アセトン
厚さが約2mmの光学基材(レンズ基材)AC2を、60℃の20質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波洗浄器を用いて、10分間アルカリエッチングを行った。
アルカリエッチング後、水道水、及び50℃の蒸留水で順次洗浄し、残余のアルカリ分を取り除いた後、室温になるまで約10分間放置した。このレンズ基材に、コーティング組成物1を、25℃で、引き上げ速度20cm/分の速さで、ディップコートした。
この後、70℃のオーブンにて15分間予備硬化した後、110℃で2時間の硬化を行い、光学基材(レンズ基材)CRの両面に、それぞれ3.0μmの厚みでハードコート膜が形成された光学物品(ハードコートレンズ)を得た。
この光学物品(ハードコートレンズ)について、外観、スチールウール耐擦傷性、密着性試験及び、煮沸密着性試験の評価を行ったところ、
外観:○、
スチールウール耐擦傷性:A、
密着性:100/100、
煮沸密着性試験:3時間、
であった。この結果を表4に示した。
(外観)
目視により、ハードコート膜のクラックの有無を観察した。
○:クラックの発生が認められない。
×:クラックの発生が認められ、明らかに外観不良である。
スチールウール(日本スチールウール(株)製ボンスター#0000番)を用い、3kgの荷重を加えながら、10往復、光学物品表面(ハードコート膜表面)を擦り、傷ついた程度を目視で評価した。評価基準は次の通りである。
A:傷か付かない(目視で傷が確認できなかった場合)。
B:ほとんど傷が付かない(目視で1以上5本未満の擦傷がある場合
)。
C:極わずかに傷が付く(目視で5本以上10本未満の擦傷がある場
合)。
D:傷が付く(目視で10本以上の擦傷がある場合)。
E:ハードコート膜の剥離が生じている。
ハードコート膜とレンズの密着性をJISD−0202に準じてクロスカットテープ試験によって評価した。
即ち、カッターナイフを使い、ハードコート膜表面に約1mm間隔に切れ目を入れ、マス目を100個形成させる。その上にセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製セロテープ)を強く貼り付け、次いで、表面から90°方向へ一気に引っ張り剥離した後、ハードコート膜が残っているマス目を測定した。
評価結果は、(残っているマス目数)/100で表した。
ハードコート膜を積層させた光学基材(光学物品)を沸騰させた蒸留水に入れ、1時間ごと、最大試験時間5時間まで上記密着性試験を行った。評価結果は、上記密着性試験において、95/100以上のときの最大煮沸試験時間で表した。そのため、表に5時間と記載したものは、沸騰させた蒸留水に5時間入れた光学物品が、上記密着性試験において、マス目が95/100以上となることを示す。
フォトクロミックコート層を有する光学基材(レンズ AC2)は、フォトクロミック化合物を該コート層上に多く含むため、耐候性が劣る場合があった。しかし、本発明のコーティング組成物よりなるハードコート膜を該フォトクロミックコート層上に形成した場合には、耐候性を改善することもできる。この耐候性の評価を以下の方法により実施した。
スガ試験機(株)製キセノンウェザーメーターX25(2.5kWキセノンアークランプ)を用い、放射強度が40W/m2、レンズ表面温度が50℃の条件下で、試料のフォトクロミックコート層を有するレンズ(AC2を使用したレンズ)に、100時間光照射を行い、促進劣化させた。
次いで、スガ試験機(株)製SMカラーコンピューター(SM−T)を用い、促進劣化前のYI(YI0)及び促進劣化後のYI(YI100)を測定し、下記式より黄変度を求め、黄変性の評価を行った。
黄変度(ΔYI)=YI100−YI0
この黄変度(ΔYI)が小さいほど、劣化後のレンズの黄変度が少なく、耐候性に優れていることとなる。
表1〜3に示すコーティング組成物を使用し、表4及び表5に示す光学基材(レンズ基材)について、前処理条件を変更して実施例1と同様の方法でハードコート膜を有するプラスチックレンズを作製し、その評価を行った。評価結果を表4、表5を併せて示した。
また、光学基材として、フォトクロミックコート層を有するAC2を使用したものについては、前記耐候性も評価した。
GTS(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
44.80質量部、
GDS(γ―グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)
5.00質量部、
BSE(1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン)
10.63質量部、
SiL1(シリコーン系界面活性剤) 0.14質量部、
DAA(ジアセトンアルコール) 57.88質量部、
TBA(t−ブチルアルコール) 18.83質量部
NMP(N−メチルピロリドン) 0.86質量部、
を混合し、この液を十分に撹拌しながら、
0.017Nの塩酸水溶液 42.94質量部
を添加し、添加終了後から15〜30℃で20時間撹拌を継続した。
次いで、
D1 トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III)
3.57質量部
を添加後、20〜25℃で1時間攪拌し、
SOL2(メタノール分散複合金属酸化物微粒子)
98.91質量部
(複合無機酸化物微粒子39.57質量部、メタノール59.34質量
部)
を混合し、24時間撹拌後本発明のコーティング組成物23を得た。
なお、GTS、GDS、BSEの加水分解は、ガスクロマトグラフィーにて加水分解が終了したことを確認した。
配合の組成を表6に示した。
表6に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物23と同様にして、コーティング組成物24、25、26を調製した。なお、コーティング組成物26は、SOL2の代わりにSOL5を表6に示す配合割合で使用した例である。
GTS(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
42.96質量部、
GDS(γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)
4.79質量部、
BSE(1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン)
10.19質量部、
G成分(シリコーン系界面活性剤) 0.14質量部、
DAA(ジアセトンアルコール) 55.50質量部、
TBA(t−ブチルアルコール) 16.87質量部、
NMP(N−メチルピロリドン) 0.82質量部、
を混合し、この液を十分に撹拌しながら、
0.038Nの塩酸 17.83質量部、
水分散酸化セリウム微粒子(SOL4) 27.45質量部、
を添加し、添加終了後から15〜30℃で20時間撹拌を継続した。
次いで、
D1(トリス(2,4−ペンタンジオナト)アルミニウム(III))
3.42質量部
を添加後、20〜25℃で1時間攪拌し、
SOL2(メタノール分散複合金属酸化物微粒子)
94.86質量部
(複合無機酸化物微粒子37.94質量部、メタノール56.92
質量部)
を混合し、24時間撹拌後本発明のコーティング組成物27を得た。
なお、GTS、GDS、BSEの加水分解は、ガスクロマトグラフィーにて加水分解が終了したことを確認した。
配合の組成を表6に示した。
表6に示す配合処方で、A成分(無機酸化物微粒子)、B成分(加水分解性基含有有機ケイ素化合物)、C成分(水)、D成分(硬化触媒)、E成分(有機溶媒)、F成分(環状ケトン化合物)及びG成分(シリコーン系界面活性剤)を用いた以外は、コーティング組成物27と同様にして、コーティング組成物28〜30を調製した。なお、コーティング組成物30は、SOL2の代わりにSOL5を表6に示す配合割合で使用し、0.046Nの塩酸を使用した例である。
表6に示すコーティング組成物を使用し、表7、8に示す光学基材(レンズ基材)について、前処理条件を変更して実施例1と同様の方法でハードコート膜を有するプラスチックレンズを作製し、その評価を行った。評価結果を表7、8に併せて示した。
また、光学基材として、フォトクロミックコート層を有するAC2を使用したものについては、前記耐候性も評価した。
また、環状ケトン化合物を用いた本発明の組成物を用いてハードコート膜が形成されているフォトクロミックハードコートレンズの長期間使用にともなう黄変は、環状ケトン化合物を用いない場合と同等であることが確認された。
よって、環状ケトン化合物を用いた本発明の組成物は、ハードコート本来の優れた物性を損なうことなく、密着性、クラックの抑制を付与することを可能とする。
Claims (8)
- 無機酸化物微粒子、加水分解性有機ケイ素化合物、水、硬化触媒及び有機溶媒を必須成分として含むハードコート膜形成用コーティング組成物において、
前記無機酸化物微粒子と加水分解性有機ケイ素化合物との合計量100質量部当り、0.10質量部乃至30.00質量部の量で環状ケトンを含有していることを特徴とするコーティング組成物。 - 前記環状ケトンが、環を構成する元素として酸素原子または窒素原子を含む化合物である請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記環状ケトンがN−メチルピロリドンである請求項2に記載のコーティング組成物。
- 前記環状ケトンがシクロヘキサノンである請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記加水分解性有機ケイ素化合物を、前記無機酸化物微粒子と加水分解性有機ケイ素化合物との合計量100質量部当たり、40乃至90質量部の量で含有している請求項1に記載のコーティング組成物。
- プラスチック製光学基材上に、請求項1に記載のコーティング組成物を硬化させて得られるハードコート膜を有する光学物品。
- 前記プラスチック製光学基材が、フォトクロミック光学基材である請求項6に記載の光学物品。
- 前記プラスチック製光学基材が、フォトクロミック化合物を含む重合硬化性組成物を硬化させて得られるフォトクロミックコート層を表面に有するものであり、該フォトクロミックコート層上に、前記ハードコート膜が形成されてなる請求項7に記載の光学物品。
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