JPWO2010116602A1 - 浚渫窪地の埋め戻し方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2009年3月30日に、日本に出願された特願2009−083560号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
[H+][S2−]/[HS−]=10−13 ・・・(4)
全硫化物=懸濁態硫化物(FeS、MnS等)+溶存態硫化物 ・・・(5)
(5)式中、溶存態硫化物は硫化水素[H2S(g)]と硫化物イオンとの和である。即ち、以下の式が成り立つ。
溶存態硫化物=[H2S(g)]+[HS−]+[S2 −]
≒[H2S(g)]+[HS−](通常の海水域のpH)・・・(6)
このため、現在、「浚渫窪地」の埋め戻しが各地で進められるようになってきている。この場合、埋め戻し材としては、海域での航路の維持や港湾工事等で大量に発生する「浚渫土砂」が用いられていることが多い。「浚渫土砂」は、「廃棄物」には相当しないため、海域で容易に有効利用され得る。しかし、「浚渫土砂」単独では、「浚渫窪地」の埋め戻しには不足する場合もある。このため、「浚渫土砂」以外の埋め戻し材として、「ダムの堆積砂」や「鉄鋼スラグ」等を用いる事例が報告されている(特許文献1、非特許文献1)。
また、特許文献2は、製鐵所などで発生する製鋼スラグを安定処理する方法について開示している。
(1)本発明の第1態様は、海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、浚渫土砂と、第1の製鋼スラグとを混合して混合浚渫土砂を得る混合工程と;前記混合浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入し、混合浚渫土砂層を形成する混合浚渫土砂層形成工程と;を備える。
(2)上記(1)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記混合工程において、前記第1の製鋼スラグの混合率が10質量%以上50質量%以下となるように前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合してもよい。
(3)上記(1)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記混合工程では、海水をpH8以上9.5未満に変性させるような混合率で前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合してもよい。
(4)上記(1)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法で、前記第1の製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程を更に備えてもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法で、前記混合浚渫土砂層の上部に第2の製鋼スラグを敷いて、製鋼スラグ層を形成する製鋼スラグ層形成工程を更に備えてもよい。
(6)上記(5)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記第2の製鋼スラグは、粒径が10mm未満の製鋼スラグを50質量%以上含んでもよい。
(7)上記(5)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記混合浚渫土砂層と前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けてもよい。
(8)上記(5)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記第2の製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程を更に備えてもよい。
(9)上記(5)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆してもよい。
(10)本発明の第2態様は、海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入して、浚渫土砂層を形成する浚渫土砂層形成工程と;前記浚渫土砂層の上部に、混合浚渫土砂又は製鋼スラグを敷いて、混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層を形成する混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層形成工程と;を備える。
(11)上記(10)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記浚渫土砂層と前記混合浚渫土砂層又は前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けてもよい。
(12)上記(10)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程を更に備えてもよい。
(13)上記(10)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆してもよい。
(14)上記(10)〜(13)のいずれかに記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記浚渫窪地を複数の層で埋め戻す場合、最上部の層に用いる製鋼スラグとしては固化しにくい炭酸化製鋼スラグを用い、その他の層は固化しやすい製鋼スラグを用いてもよい。
上記(2)に記載の本発明の方法によれば、浚渫土砂の軟弱な性状を改善する効果が得られる。また、海水のpHが一時的に9.5を超えて上昇することを抑制することができる。
上記(3)に記載の本発明の方法によれば、海水のpHが8以上9.5未満となるため、遊離態の硫化水素[H2S(g)]の存在割合を低下できるとともに、海水中のMg2+がMg(OH)2として析出することを抑制することができる。
上記(4)に記載の本発明の方法によれば、海水のpH上昇を抑えることができる。
上記(5)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果により、混合浚渫土砂層での硫化物やりんの生成を抑制できる。また、硫化物やりんが生成したとしても、その硫化物が海水中に溶出することを抑制することができる。
上記(6)に記載の本発明の方法によれば、カルシウムイオンやシリカの溶解速度の低下を抑制できる。
上記(7)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果を更に効果的に得ることができる。
上記(8)に記載の本発明の方法によれば、海水のpH上昇を抑えることができる。
上記(9)に記載の本発明の方法によれば、多毛類、貝類等の生物居住空間を提供することができる。
上記(10)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果により、浚渫土砂層での硫化物やりんの生成を抑制できる。また、硫化物やりんが生成したとしても、その硫化物が海水中に溶出することを抑制することができる。
上記(11)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果を更に効果的に得ることができる。
上記(12)に記載の本発明の方法によれば、海水のpH上昇を抑えることができる。
上記(13)に記載の本発明の方法によれば、多毛類、貝類等の生物居住空間を提供することができる。
上記(14)に記載の本発明の方法によれば、固化しやすい製鋼スラグによる硫化物やりんの溶出防止効果を発揮させながら、最上部において生物が生息しやすい環境を作ることができる。
以上のように、本発明によれば、従来の方法よりも効果的に浚渫窪地における硫化物及びりんの生成と水中への溶出をより効果的に抑制することが可能となり、海域での貧酸素化を防止することができる。
高炉スラグは,高炉で銑鉄を製造する際に発生するスラグの総称である。高炉で溶融された鉄鉱石の鉄以外の成分や副原料の石灰石やコークスの灰分が高炉スラグとなる。高炉スラグは、銑鉄1tあたり290〜300kg程度生成する(スラグ比kg/t−銑鉄)。高炉から取り出されたばかりのスラグは,約1500℃の溶融状態にあるが,製造方法(冷却方法)によって、さらに、高炉水砕スラグと高炉徐冷スラグの2種類のスラグに分類される。
製鋼スラグは、製鋼炉(転炉、電気炉)において、銑鉄やスクラップから鋼を製造する際に発生するスラグの総称である。以下、銑鉄を主として用いる転炉系製鋼スラグを中心に説明する。近年、鋼品質の高度化に対応するため、転炉による精錬のみでは不純物の除去が不十分となり、転炉前後の工程(溶銑予備処理、2次精錬)を付加する精練方法が一般的となった。このような高級鋼製造工程から発生する溶銑予備処理スラグや2次精錬スラグも、転炉スラグと同様に転炉系製鋼スラグに含まれる。転炉系製鋼スラグは、粗鋼1tあたり約110〜130kg生成する。製鋼スラグは、高炉徐冷スラグと同様、ヤードやピットに高温のスラグを流し込み、自然放冷と適度の散水によってゆっくりと冷却し製造する。製鋼スラグは、f−CaO(可溶性石灰)の含有量が高く、水と接触すると膨張し易い特性があるため、屋外エージング処理や蒸気等を用いた促進エージング処理により、膨張防止対策を施した後、道路用路盤材等に用いられている。また、セメントクリンカー原料(FeO供給材)、地盤改良材、土木工事用資材として用いられている。
なお、海底1の浚渫窪地2の底部に、既に、浚渫土砂が部分的に投入されている場合が実際には存在する。浚渫窪地の容積が大きく、浚渫土砂の入手量が小さい場合などは窪地が満杯になるまでかなりの年月を要してしまう。このようなケースでは夏場の嫌気化は避けられず、硫化物やりんの発生の抑制は期待できない。このような場合でも、投入された浚渫土砂の上部に混合浚渫土砂を敷いて混合土砂層、または、製鋼スラグを敷いて製鋼スラグ層を設けることにより硫化物やりんの溶出を抑制することができる。
また、海底の浚渫窪地を複数の層で埋め戻す場合、最上部の層に用いる製鋼スラグとしては固化しにくい炭酸化製鋼スラグを用い、その他の層は固化しやすい製鋼スラグを用いてもかまわない。硫化物やりんの溶出防止の観点からは固化層を設けることが望ましいが、最上部に関しては、生物生息性の観点から固化しにくい炭酸化製鋼スラグを用いてもかまわない。
一般に嫌気性条件下で海域底質からりん酸イオン(PO4-P)が溶出する場合、Fe(III)に吸着していた、りん酸イオン(PO4-P)が溶出すると考えられている。この場合、Fe(III)の還元反応が生ずることが必要であり、溶存酸素のあるような状況ではりん酸イオン(PO4-P)の溶出は生じ難い。即ち、有機物が過剰に存在するような嫌気性条件下で、初めてFe(III)の還元反応が進行しFe(II)イオンとりん酸イオン(PO4-P)が溶出する。このような反応を進める細菌が鉄還元菌である。鉄還元菌とは、酸化剤として三価鉄を用い有機物を酸化する細菌群の総称である。
(e) 鉄還元菌の活性を低下させ、りん酸イオン(PO4−P)の生成を抑制する。
(f) 有機物量及び鉄還元菌数を減らし、りん酸イオン(PO4−P)の生成を抑制する。
(g) りん酸イオン(PO4−P)が生成したとしても水中への溶出を防止する。
まず、(f)の有機物量及び鉄還元菌数を減らし、りん酸イオン(PO4−P)の生成を抑制する方策を説明する。具体的には「浚渫土砂」に製鋼スラグの一定量を混合して埋め戻し材とする。これによって、「浚渫土砂」を単独で浚渫窪地の埋め戻し材とするよりも、埋め戻し材に含まれる有機物量を削減することができる。製鋼スラグは、Ca、Si、Al、Fe等の化合物からなり、1500℃の高温で処理されているため、有機物は含まれていない。また、鉄還元菌は一般の土壌に生息しており、「浚渫土砂」中にも生息しているが、製鋼スラグは、1500℃の高温で処理されており、また、水分も殆ど無いため、鉄還元菌の生息は難しいと思われる。即ち、製鋼スラグを活用することにより、浚渫土砂中の有機物割合及び鉄還元菌数を減らせ、硫化物の生成を抑制することが可能となる。これに対して、「ダムの堆積砂」等の他の自然界の埋め戻し材は、必ずしも無機物ばかりでなく、自然界由来の有機物が含まれており、また、鉄還元菌もかなり生息しているため、製鋼スラグほどのりん酸イオン(PO4−P)生成抑制効果は得られないと思われる。発明者らは、種々の検討の結果、浚渫土砂に製鋼スラグを混合すると、製鋼スラグ混合の程度に比例して有機物含有比が低下すると共に、鉄還元菌数が減少し、りん酸イオン(PO4−P)の発生量が低下することを知見した。
5Ca2++3PO4 3−+OH−→Ca5(OH)(PO4)3 ・・・(7)
浚渫土砂は3000rpm、20分間遠心分離し,実験に使用した。製鋼スラグは,炭酸化処置を施していない転炉系製鋼スラグを使用した。浚渫土砂、製鋼スラグとも水産用水基準を満たしていた(表3)。
浚渫土砂は3000rpm、20分間遠心分離し、実験に使用した。製鋼スラグは、炭酸化処置を施した製鋼スラグ(以下、炭酸化製鋼スラグと述べる)を使用した。浚渫土砂、炭酸化製鋼スラグとも水産用水基準を満たしていた(表6)。
浚渫土砂に炭酸化製鋼スラグを混合することによって、浚渫土砂単独時と比較して、硫化物の生成ポテンシャルを低減できるものの、炭酸化製鋼スラグを100%浚渫土砂に替えて用いない限り、硫化物の生成を0とすることはできない(実施例2)。
浚渫土砂に炭酸化製鋼スラグを50質量%混合することによって、浚渫土砂単独時と比較して、硫化物の生成ポテンシャルを低減できるものの、炭酸化製鋼スラグを100%浚渫土砂に替えて用いない限り、硫化物の生成を0とすることはできなかった(実施例2)。これは、炭酸化製鋼スラグの場合、カルシウムイオンの供給量が小さくなり、浚渫土砂と混合しても固化し難いことが1つの要因であることが推定された。
この結果、浚渫土砂系では、3日後には海水中には溶存態硫化物(D−S)が検出され、10日目以降30日目までは1mg/L程度で推移した。また、りん酸イオン(PO4−P)も3日後には検出され、10日目以降30日目までは0.9〜1.2mg/L程度で推移した。
海底の浚渫窪地の底部に、既に、浚渫土砂が部分的に投入されている場合が実際には存在する。このような場合でも、投入された浚渫土砂の上部に混合浚渫土砂または製鋼スラグを敷いて混合土砂層を設けることにより硫化物やりんの溶出を抑制することができると考えられる。
浚渫土砂(wet)と浚渫土砂(wet)に製鋼スラグ(50%粒径:9mm)を混合したスラグ混合土を、表10に示す条件でガラスびん(容量:1L)に添加した。その後、窒素で曝気し、溶存酸素(DO)を除去した人工海水を各ガラスびんに添加し、ガラスびんを海水で満杯にした後、密閉状態で室温(20℃)で30日間放置した。各実験系列を4本ずつ作製した。
2 浚渫窪地
3 浚渫土砂又は製鋼スラグを混合した浚渫土砂
4 製鋼スラグ
5 天然砂
(1)本発明の第1態様は、海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、浚渫土砂と、炭酸化処置をしていない第1の製鋼スラグとを混合する際、前記第1の製鋼スラグの混合率が10質量%以上50質量%以下となるように前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合して混合浚渫土砂を得る混合工程と;前記混合浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入し、混合浚渫土砂層を形成する混合浚渫土砂層形成工程と;を備える。
(2)上記(1)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記混合工程では、海水をpH8以上9.5未満に変性させるような混合率で前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合してもよい。
(3)上記(1)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法で、前記第1の製鋼スラグは、粒径が10mm未満の製鋼スラグを50質量%以上含んでもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法で、前記混合浚渫土砂層の上部に第2の製鋼スラグを敷いて、製鋼スラグ層を形成する製鋼スラグ層形成工程を更に備えてもよい。
(5)上記(4)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記第2の製鋼スラグは、粒径が10mm未満の製鋼スラグを50質量%以上含んでもよい。
(6)上記(4)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記混合浚渫土砂層と前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けてもよい。
(7)上記(4)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記第2の製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程を更に備えてもよい。
(8)上記(4)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆してもよい。
(9)本発明の第2態様は、海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入して、浚渫土砂層を形成する浚渫土砂層形成工程と;前記浚渫土砂層の上部に、浚渫土砂と炭酸化処置をしていない製鋼スラグの混合率が10質量%以上50質量%以下となるように前記製鋼スラグと浚渫土砂とを混合した混合浚渫土砂又は製鋼スラグを敷いて、固化させた混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層を形成する混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層形成工程と;を備える。
(10)上記(9)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記浚渫土砂層と前記混合浚渫土砂層又は前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けてもよい。
(11)上記(9)に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆してもよい。
(12)上記(9)〜(11)のいずれかに記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法では、前記浚渫窪地を複数の層で埋め戻す場合、最上部の層に用いる製鋼スラグとしては固化しにくい炭酸化製鋼スラグを用い、その他の層は固化しやすい製鋼スラグを用いてもよい。
上記(2)に記載の本発明の方法によれば、海水のpHが8以上9.5未満となるため、遊離態の硫化水素[H2S(g)]の存在割合を低下できるとともに、海水中のMg2+がMg(OH)2として析出することを抑制することができる。
上記(3)に記載の本発明の方法によれば、カルシウムイオンやシリカの溶解速度の低下を抑制できる。
上記(4)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果により、混合浚渫土砂層での硫化物やりんの生成を抑制できる。また、硫化物やりんが生成したとしても、その硫化物が海水中に溶出することを抑制することができる。
上記(5)に記載の本発明の方法によれば、カルシウムイオンやシリカの溶解速度の低下を抑制できる。
上記(6)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果を更に効果的に得ることができる。
上記(7)に記載の本発明の方法によれば、海水のpH上昇を抑えることができる。
上記(8)に記載の本発明の方法によれば、多毛類、貝類等の生物居住空間を提供することができる。
上記(9)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果により、浚渫土砂層での硫化物やりんの生成を抑制できる。また、硫化物やりんが生成したとしても、その硫化物が海水中に溶出することを抑制することができる。
上記(10)に記載の本発明の方法によれば、製鋼スラグ層による遮蔽効果を更に効果的に得ることができる。
上記(11)に記載の本発明の方法によれば、多毛類、貝類等の生物居住空間を提供することができる。
上記(12)に記載の本発明の方法によれば、固化しやすい製鋼スラグによる硫化物やりんの溶出防止効果を発揮させながら、最上部において生物が生息しやすい環境を作ることができる。
以上のように、本発明によれば、従来の方法よりも効果的に浚渫窪地における硫化物及びりんの生成と水中への溶出をより効果的に抑制することが可能となり、海域での貧酸素化を防止することができる。
Claims (14)
- 海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、
浚渫土砂と、第1の製鋼スラグとを混合して混合浚渫土砂を得る混合工程と;
前記混合浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入して、混合浚渫土砂層を形成する混合浚渫土砂層形成工程と;
を備えることを特徴とする海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。 - 前記混合工程では、前記第1の製鋼スラグの混合率が10質量%以上50質量%以下となるように前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合することを特徴とする請求項1に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記混合工程では、海水をpH8以上9.5未満に変性させるような混合率で前記浚渫土砂と前記第1の製鋼スラグとを混合することを特徴とする請求項1に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記第1の製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。 - 前記混合浚渫土砂層の上部に第2の製鋼スラグを敷いて、製鋼スラグ層を形成する製鋼スラグ層形成工程
を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。 - 前記第2の製鋼スラグは、粒径が10mm未満の製鋼スラグを50質量%以上含むことを特徴とする請求項5に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記混合浚渫土砂層と前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けることを特徴とする請求項5に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記第2の製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程
を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。 - 前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆することを特徴とする請求項5に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 海底の浚渫窪地の埋め戻し方法であって、
浚渫土砂を前記浚渫窪地に投入して、浚渫土砂層を形成する浚渫土砂層形成工程と;
前記浚渫土砂層の上部に、混合浚渫土砂又は製鋼スラグを敷いて、混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層を形成する混合浚渫土砂層又は製鋼スラグ層形成工程と;
を備えることを特徴とする海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。 - 前記浚渫土砂層と前記混合浚渫土砂層又は前記製鋼スラグ層とを繰り返し複数層設けることを特徴とする請求項10に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記製鋼スラグを予め炭酸化処理する工程を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記製鋼スラグ層の上部をさらに天然砂で被覆することを特徴とする請求項10に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
- 前記浚渫窪地を複数の層で埋め戻す場合、最上部の層に用いる製鋼スラグとしては固化しにくい炭酸化製鋼スラグを用い、その他の層は固化しやすい製鋼スラグを用いることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の海底の浚渫窪地の埋め戻し方法。
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