JP2004313818A - 底質被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄鋼スラグを底質被覆材として使用した場合の、周辺水域のpH上昇、水の白濁現象、固結による生物生息域破壊、底泥への沈下といった利用上の諸問題を解決し、鉄鋼スラグを底質被覆材として有効活用することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方の表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメントを含有物で覆われていることを特徴とする底質被覆材。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼スラグ、高炉スラグ(これらを総称して鉄鋼スラグと記載する)を主体とした水質および底質水域(河川、湖沼、海域等)の水底の岩や表層土や堆積物の浄化材料に関し、詳しくは、従来の鉄鋼スラグを用いて富栄養化した底質を被覆材で覆い、底質から溶出する赤潮や青潮の原因となる硫化水素や栄養塩類を封じ込める技術において問題となっていた周辺水域のpH上昇、水の白濁現象、固結による生物生息域破壊、底泥への沈下といった利用上の諸問題を解決し、鉄鋼スラグを底質被覆材として有効活用することを可能とする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水質や底質の浄化に関する従来方法としては、底質に覆砂する方法(底質を粉粒状材料で覆い、底質から溶出する赤潮や青潮の原因となる硫化水素や栄養塩類を封じ込めるもの)が知られており、この覆砂に用いる材料には、天然砂(海砂や山砂)のように底質を覆うことのみを目的とした材料の他に、石灰のように底質を覆うことに加えて底質の富栄養化成分を化学的に吸着する機能を持つものが用いられてきた。しかし、それぞれの材料については、天然砂のような化学反応性を有しない材料では覆砂効果が十分に得られないことが懸念され、石灰のように化学反応性を有する材料では費用が高価となること、pHの制御が困難で水質が高アルカリになる場合がある、といった問題があった。
【0003】
そこで、上記の問題を解決する方法として、覆砂材料に鉄鋼スラグを用いることで水質や底質の浄化を行なう技術が開示されている。
【0004】
(特許文献1)では、製鋼スラグの粒状体(粒径が1mm程度)を覆砂の主成分として水質や底質を浄化する方法が、(特許文献2)では、底質を砂で覆い、さらに高炉水砕スラグで覆うことでリン成分を含む富栄養化成分を吸着させる覆砂法が、そして(特許文献3)では、高炉水砕スラグを沈設することで赤潮防止対策を行なう方法が開示されている。
【0005】
しかし、上記(特許文献1)〜(特許文献3)では、スラグ固結による底生生物の棲息環境破壊という問題点がある。これを解決する方法として、(特許文献4)では、底質上に突出するように形成され、かつ製鋼スラグを含有する下部層と、その上に高炉水砕スラグを含有する上部層を有することで、高炉水砕スラグを底質の富栄養化層(底泥)と遮断して固結を軽減することにより、長期的な底質・水質浄化の効果と硫化水素の発生抑制、そして砂質域の生物の生息環境に適する水底構造および底泥が堆積した底質の底質・水質の浄化方法を提供する技術が、(特許文献5)では、内部摩擦角が高い粉粒物からなる下部層と、その上に製鋼スラグを含有する上部層とを有する水底構造とすることにより、長期的な底質・水質浄化の効果と硫化水素の発生抑制、そして砂質域の生物の生息環境に適する水底構造および底泥が堆積した底質の底質・水質の浄化方法を提供する技術が、そして(特許文献6)では、粒径20mm以上の製鋼スラグを90wt%以上含む、あるいは粒径10mm以上の製鋼スラグを85wt%以上含むことにより、長期的な底質・水浄化の効果を有し、かつ生物相の回復の早い製鋼スラグを用いた底質・水質浄化材およびそれを用いた浄化方法を提供する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−4988号公報
【特許文献2】
特開平4−215900号公報
【特許文献3】
特開2002−238401号公報
【特許文献4】
特開2001−252693号公報
【特許文献5】
特開2001−252694号公報
【特許文献6】
特開2000−78938号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記(特許文献1)〜(特許文献6)は全て、粉粒状あるいは粒状の製鋼スラグあるいは高炉水砕スラグを直接水中に投入し、底質を被覆するものである。
このような使用方法では、周辺水域のpHを上昇させてしまうことや、それに起因する水の白濁現象(水中へ溶出したスラグ中のカルシウムイオンが水酸化カルシウムとなり、これより生じた水酸基が水中のマグネシウムイオンと結びついて水酸化マグネシウムとして発生する現象)が生じるという問題が生じる。(特許文献5)では、製鋼スラグが粒径10mm以上を85wt%以上含むことにより、製鋼スラグ中の成分の溶出によるpH上昇が緩和されると述べられているものの、確実にpH上昇を防止することは困難である。また、たとえ粒径を調整したとしても、pH特性はスラグの鉱物組成や成分構成(カルシウム分の溶出のし易さ)によって左右されるため、pH上昇を緩和できない可能が高く、粒径調整によって使用不可能となるスラグが残るという問題がある。
【0008】
また、底質が軟弱な場合に粒状の鉄鋼スラグを投入すると、鉄鋼スラグが底質内に沈下してしまい、結果として鉄鋼スラグ投入前の状態(底質が水に晒されてしまう状態)に戻ってしまうという問題もある。この問題については、(特許文献5)にて、内部摩擦角が高い粉粒物をまず軟弱な底質上に支持層として築き、その上に製鋼スラグを被覆することで沈下を防止する技術が示されているが、広い水域における作業において支持層の築造厚さを正確に管理するのは非常に困難であり、支持層の一部に薄い部分が生じると、その部分で沈下が生じるという問題が発生する。このような問題を解決するためには、安全代をとって支持層を厚めに施工しなければならず、経済性を損なったり、航路水深が確保できない等の問題が生じる。
【0009】
さらに、鉄鋼スラグ同士が直接接触する場合には、確実に固結を防止することは不可能である。(特許文献4)では、下部層の製鋼スラグ厚さを調整することによって上部層の高炉水砕スラグの固結が軽減することが示されており、また(特許文献5)では、上部層に使用する製鋼スラグ粒径が10mm以上のものを85wt%以上含んでいることで固結が緩和されることが示されているが、鉄鋼スラグを直接使用する以上、固結を確実に防止することは困難である。
【0010】
本発明はこのような課題に対して、スラグの表面の一部あるいは全てをセメントまたはセメントを含有する付着層で覆うことで、▲1▼スラグ種類、粒径に関わらず、確実に周辺水域のpH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能、▲2▼施工品質に関わらず、底質へのスラグ沈下を防止可能、▲3▼スラグの確実な固結を防止可能、とする技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は下記のように構成される。
(1) 製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方の表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメント含有物で覆われていることを特徴とする底質被覆材。
(2) セメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
(3) セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包し、かつセメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
(4) セメントまたはセメント含有物に、フライアッシュ、高炉水砕スラグのいずれか一方、または双方が含有されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の底質被覆材。
(5) セメントまたはセメント含有物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上が含有されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の底質覆砂材。
(6) 底質覆砂材が塊状であることを特徴とする請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の底質被覆材。
(7) 底質覆砂材が空隙に富むことを特徴とする請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の底質被覆材。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、表面の一部あるいは全てにセメントを含有する付着層を設けた製鋼スラグや高炉スラグを底質被覆材として用いることにより、鉄鋼スラグの種類、粒径に係わらず、スラグからの急激なカルシウム分の溶出を防止して確実に周辺水域のpH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能となること、そして付着層が鉄鋼スラグ同士の直接の接触を抑制することで固結を防止できること、さらには付着層に混合させる材料の密度および量を付着対象の鉄鋼スラグ質量に対して調整することにより底質強度に応じて沈下防止が図れることを、本願発明の技術として新規に知見した。
【0013】
本発明の第1の形態は、製鋼スラグあるいは高炉スラグの表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメント含有物で覆われている底質被覆材である。
製鋼スラグあるいは高炉スラグ(鉄鋼スラグと記載する)の表面の付着物が、鉄鋼スラグの水との接触面積を減じることにより、鉄鋼スラグからのカルシウム分溶出によって引起される周辺水域の急激なpH上昇、および白濁現象を防止できる他、付着物は鉄鋼スラグ同士の接触も妨げるため、固結も防止可能である。さらに、底質の強度に応じて、付着物の密度、量を調整することで底質被覆材質量を底質に沈下しないものにすることも可能となる。
【0014】
鉄鋼スラグの表面がセメント含有物で付着層として覆われていても良く、その底質被覆材としては、図1に示す形態が例示できる。すなわち、1の鉄鋼スラグの表面に2のセメントを含有する付着層が付着しているものである。
底質とは、水域(河川、湖沼、海域等)の水底の岩や表層土や堆積物のことをいう。
【0015】
製鋼スラグとは、高炉で製造された硬くて脆い銑鉄から、不要な成分を除去し、靭性・加工性のある鋼にする製鋼過程で生じる石灰分を主体とした粉粒状の副産物であり、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグおよび電気炉スラグ等を用いることができる。
【0016】
高炉スラグは、高炉徐冷スラグと高炉水砕スラグに分けられ、高炉徐冷スラグとは、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収した高炉スラグを、ヤードで徐々に冷却したものであり、また高炉水砕スラグとは、高炉スラグを、高圧水で急冷して急激な冷却によってガラス質(非結晶)の粒状スラグとしたものである。高炉水砕スラグはさらに、高炉において冷却される炉前水砕スラグと高炉から離れた場所に移動した後に冷却する炉外水砕スラグに分けられる。
【0017】
底質被覆材の粒径は、使用する製鋼スラグや高炉スラグの粒度と、付着層の量によって調整することができ、使用する水域等の状況に応じて底質被覆材が流されない大きさであれば良く、特に規定するものではない。
【0018】
また、付着層の量(付着厚さ)については、周辺水域のpH上昇防止、白濁防止、そして固結防止等を考慮して適宜決定すれば良い。さらに、鉄鋼スラグの成分、鉱物組成についても特に規定するものではない。
【0019】
付着層は、セメントのみ、あるいはセメントと他材料の混合物に水を混ぜることで硬化させたものであり、その硬化の程度は、海中への投入時における被覆材同士の接触や、潮流や波浪の影響で付着物が容易に剥離しない程度に適宜決定するものであり、特に規定するものではないが、圧縮強度で0.1N/mm以上、30N/mm以下が好ましい。0.1N/mm以上を好ましいとした理由は、これ以上であれば、潮流や波浪によって底質被覆面上部が揺り動かされた場合においても、容易に付着物が剥離しないためであり、30N/mm以下を好ましいとした理由は、これより強度が高くても剥離抵抗性の増加が少ないためである。また、鉄鋼スラグ表面への付着量は、使用する全鉄鋼スラグ表面に対して平均30%以上が付着層で覆われることが好ましいが、被覆厚については特に規定するものではない。これは、付着物がない場合と比べ、全鉄鋼スラグ表面に対して平均30%程度以上が付着層に覆われている場合では、周辺水域のpHの急上昇が起こりにくく、かつ鉄鋼スラグ同士の固結も生じにくい。さらに、この効果は付着層を薄く施した場合にも同様であった。
【0020】
なお、付着層に使用するセメントには、普通ポルトランドセメントの他、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント、白色セメント、カラーセメント、アルミナセメント、超速硬セメント(レギュレーテッドセットセメント)、膨張セメント、エコセメント等が使用でき、その使用量は、付着層の量、付着層の必要強度、水の添加量、セメントの種類等から、適宜決定するものである。
【0021】
セメントに添加する水は、付着層の硬化を妨げる量の油、酸、有機物を含まないものであれば使用可能であり、水道水、河川水、地下水が好ましい。また、付着層の凝結時間の短縮をはかる場合には、各種塩類のうち1種または2種以上を塩類濃度10,000ppm程度以上含有した水を使用することが好ましい。各種塩類としては、ケイ沸化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、フミン酸ナトリウム等がある。塩類濃度10,000ppm程度以上が好ましい理由は、濃度が10,000ppm程度以上になると、塩類による凝結促進硬化が表れやすくなるためである。なお、水の使用量は、セメント使用量、付着層の必要強度、付着物に必要となるフレッシュ状態(未固結の状態)の流動性等から適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【0022】
セメントを含有する付着層におけるセメント以外の他材料としては、セメントの硬化を妨げない材料から自由に選択できる。さらに、付着層のフレッシュな状態の流動性を高め、鉄鋼スラグ表面に容易に付着させるため、流動化剤や減水剤、AE剤等の各種混和剤を添加しても良い。また、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止する場合には、極力密度の小さい材料を多量に鉄鋼スラグへ付着させることが好ましい。
【0023】
さらに、底質に覆砂する際に底質の浚渫を伴う場合においては、この浚渫された底質を付着層材料に使用することにより、資源の有効利用をはかることができる。この場合、底質が有害物質(重金属やダイオキシン類)に汚染されている場合には、汚染底質を固化物質である付着層に封じ込めることとなるため、汚染物質の拡散や飛散を防止することにもなる。これは、重金属は不溶性の水酸化物内に固定化されることで移動と溶出が防止され、またダイオキシン類は、水にはほとんど溶解せず、かつ底質に対して非常に強く吸着していることから、底質の移動を阻止すれば汚染の拡散や飛散が防止可能となる。
【0024】
なお、重金属にはカドミウム、鉛、六価クロム、銅、亜鉛、水銀がある。また、ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)の総称である。さらに、重金属のうち、鉛、亜鉛、カドミウムに対しては、鉄鋼スラグが固定化能力を有していることも知られていることから、鉄鋼スラグとセメントを用いる本底質被覆材では、通常のセメント固化処理よりも少ないセメント量で同程度の無害化ができることが期待できる。
【0025】
なお、以上の付着層におけるセメント以外の他材料の種類、混合量は、付着対象となる製鋼スラグの質量と底質の強度、そして経済性から、適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【0026】
鉄鋼スラグ表面の付着層の形成方法としては、フレッシュな状態の付着物を鉄鋼スラグ表面に塗布あるいは吹き付ける方法の他、経済的な方法として、鉄鋼スラグとフレッシュな状態の付着物を混練後、ヤード上、あるいは容器内で硬化させた後に粉粒状に破砕する方法、振動あるいは振動と加圧によって即時脱型成形したものを硬化させた後に破砕する方法、フレッシュな状態の付着物に鉄鋼スラグを投入し、硬化させた後に粉粒状に破砕する方法、さらには、容器内に充填あるいはヤードに盛り上げた鉄鋼スラグ上からフレッシュな状態の付着物を注ぎ、硬化した後に分粒状に破砕する方法等がある。このような破砕を伴う方法は、鉄鋼スラグと付着物の使用量を調整することにより、製造される底質被覆材の平均密度を任意に調整できる。なお、鉄鋼スラグの粒径が比較的小さい場合や、粉分の含有割合が大きい場合は、フレッシュな状態の付着物に鉄鋼スラグを投入する方法、あるいは鉄鋼スラグ上からフレッシュな状態の付着物を注ぐ方法では、鉄鋼スラグと付着物が混ざり合わず、鉄鋼スラグ周囲に付着層を形成困難となることがあるため、鉄鋼スラグとフレッシュな状態の付着物を混練する方法を取ることが好ましい。
【0027】
粉粒状に破砕する方法としては、クラッシャー(ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、インパクトクラッシャー等)やロッドミル、ブレーカー、重機(アイヨン等)で破砕する方法の他に、製鋼スラグを使用する場合には、製鋼スラグ中に含まれる未滓化石灰の膨張(未滓化石灰が水と反応して体積膨張する)を利用する方法をとることもできる。膨張性の大きな製鋼スラグを使用すれば、付着層の硬化後に内部の製鋼スラグが膨張崩壊し、自然に粉粒状とすることができる。製鋼スラグの膨張崩壊は、自然の雨水によって長期間をかけて発生させる方法(自然エージング)と、高温の蒸気を供給することで単時間のうちに発生させる方法(蒸気エージング)があり、どちらを用いてもよい。なお、このような方法を取る場合には、製鋼スラグの水浸膨張比が10.0%以上であることが好ましく、上限は特に規定しない。水浸膨張比とは、JIS A 5015:1992附属書2に規定された鉄鋼スラグの水浸膨張試験方法に準拠して測定するものである。水浸膨張比10.0%以上が好ましい理由は、10.0%未満であると粉粒化に至りにくいためである。また、上限を定めない理由は、製鋼スラグ中の未滓化石灰量が多い場合には未滓化石灰がスラグ中に塊状で存在する場合が多く、未滓化石灰量が増加しても破砕断面が増加せず、粉粒化の程度にあまり変化がみられないためである。
なお、周辺水域のpH上昇をさらに防止する方法として、底質覆砂材の周面を炭酸処理し、被覆層のpHを低減させる方法がある。
【0028】
本発明の第2の形態は、セメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とするものである。セメントまたはセメント含有物に鉄鋼スラグが付着することで、底質被覆材表面に鉄鋼スラグが突出するため、鉄鋼スラグと水の接触面積を大きく取ることができ、鉄鋼スラグが有する化学的な富栄養化成分吸着効果をより発揮することができる。
【0029】
この一例として図2に示す形態が挙げられる。これは、2のセメントを含有物に、1の鉄鋼スラグが表面の一部を突出するように付着しているものである。
この様な形態の場合、突出面積を大きく取れるため、水浄化効果が大きく取れ、しかも底質被覆材表面に凹凸が形成されるため、生物の棲息環境としても好適となる。なお、周辺水域のpH上昇については、鉄鋼スラグ粒のある程度はセメントまたはセメント含有物と接触しているため、セメントまたはセメント含有物が無い場合のように急激なpH上昇を引起すことはない。
底質被覆材表面への鉄鋼スラグの突出の程度は、底質浄化効果、周辺pHの上昇等を考慮して適宜決定するものであり、特に規定するものではない。
【0030】
粉粒状の鉄鋼スラグを使用し、鉄鋼スラグが表面に突出した底質被覆材を製作する方法としては、底面に鉄鋼スラグを敷き詰めた型枠内に付着物を流し込んだ後に硬化させる方法と、型枠内に流し込んだ付着物の上面に鉄鋼スラグを載せて押しつけた後に硬化させる方法、および両者の組み合せによる方法の他、鉄鋼スラグのヤード上、あるいはヤードに設けた窪みに付着物を流し込んだ後に硬化させ、それを引き上げることによって製作する方法や、その上面にも鉄鋼スラグを押しつけることを組み合せる方法がある。なお、硬化後に、所定の寸法に破砕してもよい。
【0031】
本発明の第3の形態は、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包し、かつセメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とするものである。
これは、第2の発明に加えて、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包しているものである。
【0032】
この一例として図3に示す形態が挙げられる。これは、1の鉄鋼スラグが2のセメント含有物に内包され、かつ、1の鉄鋼スラグがセメント含有物表面に突出するように付着しているものである。
この形態の作用、効果は第2の発明の場合に加えて、セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包していることから、鉄鋼スラグが有する化学的な富栄養化成分吸着効果をさらに発揮することができる。
【0033】
粉粒状の鉄鋼スラグを使用し、鉄鋼スラグが表面に突出した底質被覆材を製作する方法としては、底面に鉄鋼スラグを敷き詰めた型枠内に付着物と鉄鋼スラグの混合物を流し込んだ後に硬化させる方法と、型枠内に流し込んだ付着物と鉄鋼スラグの混合物の上面に鉄鋼スラグを載せて押しつけた後に硬化させる方法、および両者の組み合せによる方法の他、鉄鋼スラグのヤード上、あるいはヤードに設けた窪みに付着物と鉄鋼スラグの混合物を流し込んだ後に硬化させ、それを引き上げることによって製作する方法や、その上面にも鉄鋼スラグを押しつけることを組み合せる方法がある。なお、硬化後に、所定の寸法に破砕してもよい。
【0034】
本発明の第4の形態は、第1から第3のいずれかの発明において、セメントまたはセメント含有物に、フライアッシュ、高炉水砕スラグのいずれか一方、または双方が含有されたものである。
【0035】
付着物は鉄鋼スラグからの急激なカルシウム分の溶出と固結を防止することができるが、付着物に使用するセメントもアルカリ性の高い材料であるため、閉鎖水域では長期的に周辺水域のpHを上昇させることも懸念される。従って、セメントよりもpHが低く、かつ水硬性を有してセメントの代替となり得る材料を使用し、セメント使用量を極力少量化することが好ましい。
【0036】
フライアッシュ、高炉水砕スラグは、セメントと共に使用することによって水硬性を発揮する副産物であるため、セメントの代替としてセメント含有物に使用することが可能であり、資源の再利用という点からも、このような副産物を使用することが好ましい。この他にも火山灰、ケイ酸白土、ケイ藻土などの天然ポゾラン、仮焼粘土などの人工ポゾランも使用することが可能である。なお、これらの材料と比べると高価になるが、高炉水砕スラグをセメント用混和材として加工した高炉スラグ微粉末も使用可能である。
【0037】
さらに、フライアッシュ、高炉水砕スラグは密度の小さい材料であるため、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止する効果も併せて発揮される。その他の密度の軽い材料としては、発泡スチロール、プラスチック片および粉等を用いても良い。
【0038】
フライアッシュは、石炭灰の一種であり、微粉炭燃焼ボイラーの燃焼ガスから集塵機で採取された石炭灰のことで、国内外を問わず、各産地の各種のものを用いることができる。また、原粉、JIS A 6201に適合するJISフライアッシュ、および粗粉のいずれも利用可能である。
【0039】
また、フライアッシュとシンダーアッシュ(節炭器・空気予熱器から回収したもの)の混合物である「原粉」、原粉を分級選別した細粉でJIS A 6201に適合する「JISフライアッシュ」、および原粉を分級し粒度調整した粗いものである「粗粉」に分類される。
【0040】
高炉水砕スラグは、銑鉄を製造する高炉で溶融された鉄鉱石のうち、鉄以外の成分を副原料の石灰石やコークス中の灰分と一緒に分離回収したものを高圧水で急冷したものであり、急激な冷却によって弱い水硬性を有するガラス質(非結晶)の粒状スラグとなるのを特徴とするものである。
【0041】
フライアッシュ、高炉水砕スラグの一方、または双方の使用量は、セメントの使用量、セメントの種類、被覆層の必要強度、所定の強度に達するまでの必要養生時間等から適宜決定するものである。
【0042】
本発明の第5の形態は、第1から第4のいずれかの発明において、セメントまたはセメント含有物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上が含有されているものである。
【0043】
付着物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上が含有される場合は、鉄分による硫化物イオン吸着能力を有することが可能となる。
【0044】
さらに、鉄鋼スラグの中でも製鋼スラグを用いた場合は、金属鉄や酸化鉄を含有しているため、硫化物イオンを硫化鉄として固定化する能力を併せ持つ。従って、高炉スラグを使用した底質被覆材でも製鋼スラグを併用する、または底質被覆材の付着層に製鋼スラグを含有させることで、硫化物イオンの固定能力をさらに高めることが可能となる。
【0045】
金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上の使用量は、必要とする硫化水素固定効果が得られる使用量とし、特に規定するものではない。
ここで、金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材としては、鉄粉、製鋼ダスト、砂状や粉状の製鋼スラグ等を用いることができる。
【0046】
本発明の第6の形態は、第1から第5のいずれかの発明において、底質被覆材が塊状であることを特徴とするものである。
粉粒状の覆砂材料では、潮流や波浪の影響を受ける底質に使用した場合には洗掘されることが懸念されるため、これを塊状の材料とすることによって個々の底質被覆材の質量が大きくなり、洗掘を防止することが可能となるため好ましい。
【0047】
また、底質被覆を複数層に分けて施工し、下部の層には上層よりも粒径が小さな材料を、そして上部の層には塊状の材料を使用すれば、塊状材料のみを用いた場合と比較して、物理的な底質の被覆効果と水浄化効果(リンおよび硫化水素の吸着効果)の減少を防ぎ、かつ洗掘に強い底質被覆を行なうことが可能である。さらに、底質被覆材の形状を、個々の底質被覆材の底質と接する面積が大きい形状(例えば扁平形状等)や、底質被覆材同士が機械的に噛み合い易く底質被覆材が集合体として底質被覆材に乗るような形状(例えば凹凸が多い形状等)に工夫することにより、軟弱な底質に沈下しにくくすることが可能である。
他方、底質被覆材表面に凹凸が少ない形状に工夫することにより、底質被覆材間の間隙を低減し、被覆効果を高めることができる。
また、これとは逆に底質被覆材表面に凹凸が多い形状に工夫することにより、底質被覆材間に底質生物の生育に好適な間隙を設けること等も可能である。
なお、形状は施工条件や使用条件に応じて適宜決定するものであり、特に規定はしない。
【0048】
ここで塊状とは、波浪や潮流によって流失しない質量が得られる大きさを有している状態であればよく、特に規定するものではないが、目安としては個々の底質被覆材の最大部材寸法が40mm超程度が好ましく、上限は所望の被覆効果が得られる寸法であればよいため特に規定するものではない。
【0049】
塊状の底質被覆材の製造方法としては、塊状の鉄鋼スラグの周囲に付着層を形成する方法と、粉粒状の複数粒の鉄鋼スラグを付着物で覆い、一体化させる方法がある。塊状の鉄鋼スラグは単位使用質量当たりの表面積(水と接触する面積)が小さいため、周辺水域のpH上昇や固結の可能性は、粉粒状の複数粒のスラグと比べて小さい。よって、被覆層の効果が顕著に得られるという点から、本発明は複数粒の鉄鋼スラグを用いる場合に適用するのが好ましい。
【0050】
なお、粉粒状の鉄鋼スラグの最大粒径は、通常製造されるものをそのまま使用する場合には40mm程度以下が好ましい。40mm程度以下が好ましい理由は、鉄鋼スラグの多くが道路用路盤材の規格(JIS A 5015)に適合するように、製造時に40mm以下に破砕されるためである。
【0051】
塊状底質被覆材の製造は、上記した鉄鋼スラグと付着物の混合物が硬化した後に破砕する方法において、破砕寸法を調整するか、もしくは破砕をしないことによって製造できる。
【0052】
本発明の第7の形態は、第1から第6のいずれかの発明において、底質覆砂材が空隙に富むことを特徴とするものである。
空隙に富むと、底質被覆材外面と接触する水以外にも空隙内に入り込んだ水も底質被覆材と接触するため、同一寸法で空隙に乏しい底質被覆材と比べて水と底質被覆材の接触面積を大きく取ることができ、被覆材寸法に対して高い水質浄化効果(リンおよび硫化水素の吸着効果)を得ることができる他、生物の棲息環境としても好適となる。
【0053】
底質被覆材中の空隙の量は、所定の水浄化硬化が得られる空隙量とし、特に規定するものではない。
但し、空隙に富む状態としては、底質被覆材中の空隙率(空隙率n=Vv/V×100%(ここに、Vは底質被覆材のみかけの容積、Vvは底質被覆材の真の容積)が10%以上であることが好ましく、上限は底質被覆材の水中投入時や投入後の破壊や水流による流失が生じない範囲内で設定するものとし、特に規定しない。
空隙率が10%以上であることが好ましい理由は、空隙率が10%以上である場合に同寸法の底質被覆材と比べて高い水質浄化効果が見られるためである。
【0054】
空隙に富む底質被覆材は、一般的なポーラスコンクリートの製造方法と同様に、使用する鉄鋼スラグ間の間隙容積を下回る容積の付着物を鉄鋼スラグと混合することによって製造できる他、鉄鋼スラグ間の空隙容積を下回らない容積の付着物を使用する場合でも、鉄鋼スラグ自体が空隙に富むものを使用すること、あるいは両者の組み合せで製造することができる。
【0055】
また、付着物の空隙を設けることで、付着物自体の見かけ密度が低くなるため、軟弱な底質への鉄鋼スラグの沈下を防止することが可能となる。これには、付着物の材料としてアルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛の粉末といったものを混合し、付着物が硬化する前にガス泡を発生させることで付着物内部に空隙を設ける方法が有効である。これらガス泡発生用の材料についても、材料の種類、混合量は、付着対象となる製鋼スラグの質量と底質の強度、そして経済性から、適宜決定するものであり、特に規定しない。
【0056】
【実施例】
(実施例1)
3リットルタンクに海域から採取した底泥(干潮時の底質表面から砂を除いて採取)1kgを敷き、さらにその上に鉄鋼スラグ(製鋼スラグ)のみ、あるいは鉄鋼スラグ表面を付着層で覆った底質被覆材(本発明の被覆材)を500gづつ敷設した。そして、同地点で採取した海水を、数日間嫌気状態に保ち、硫化水素を発生させたものを各容器に1リットルづつ注水後、7日間放置して海水のpH、リン酸濃度、硫化物濃度の測定と白濁現象の発生有無を観察した。測定結果を表1に示す。
使用した製鋼スラグは、比較例、実施例共に最大粒径が25mmのものであり、Ca含有量およびFe含有量等の性状の異なる3種類(製鋼スラグ1〜3)を採取した。
底質被覆材は円筒形の型枠(φ100mm×h200mm)で硬化させて脱型後、破砕して作成した。なお、底質被覆材の製鋼スラグ表面における付着層の付着割合は、80%程度が覆われていたが、被覆度の影響を見るため、さらに摩砕し、付着度が30%程度のものと、50%程度のものも作成した。
底質被覆材の材料構成を表2に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004313818
【0058】
【表2】
Figure 2004313818
【0059】
まず、製綱スラグ1〜3の各々に対し、付着層の被覆度を80%程度とした場合、スラグの性状に係わらず、いずれも周辺水のpH上昇や白濁現象は生じないことが確認された。
【0060】
次に、製綱スラグ3を使用した場合の、付着層の被覆度と周辺水のpH、リン酸濃度、硫化物の濃度、白濁を比較してみると、付着層がない場合(比較例No.4)では、リン酸濃度と硫化物濃度は大幅に低減したものの、周辺水のpH上昇と白濁現象が見られる。これに対し、製綱スラグ表面の30%程度以上を付着層で覆うことにより(実施例No.7.8.9)、周辺水のpH上昇や白濁現象を生じることなく、付着層がない場合と同程度のリン酸濃度および硫化物濃度の低減効果が得られた。
【0061】
(実施例2)
透明な容器(200mm×200mm×h1500mm)に水を満たし、容器の採取した底泥(干潮時の底質表面から砂を除いて採取)を高さ50cmとなるように敷設した後、(実施例1)の試験No.4で用いた製鋼スラグと、No.7で用いた底質被覆材それぞれ4kgを上部より投入し、被覆材の底泥への沈下の程度(沈下深さ)を比較した。沈下深さは、投入した被覆材の最上面の沈下が、時間当たり1mm未満になった場合の被覆材常面と底泥上面との距離と定義して、透明な容器越しに測定した。
【0062】
製鋼スラグ単味の場合の密度は3.0(g/cm)、付着層で覆った底質被覆材の密度は約2.3(g/cm)である。
底泥への沈降深さの計測結果を、表3に示す。
【0063】
【表3】
Figure 2004313818
【0064】
製鋼スラグ単味の場合には、かなりの深さまで底泥内に沈下したのに対し、被覆材によって密度を調整した底質被覆材は、非常に小さな沈下量であった。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、▲1▼スラグ種類、粒径に関わらず、確実に周辺水域のpH上昇、およびそれに起因する水の白濁現象を防止可能、▲2▼施工品質に係わらず、底質へのスラグ沈下を防止可能、▲3▼スラグの確実な固結を防止可能、とする底質の被覆材を提供でき、さらに天然石・砂代替として有効利用が望まれている鉄鋼スラグ(製鋼スラグ、高炉徐冷スラグ、高炉水砕スラグ)を利用することが可能となり、天然資源の省資源化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の鉄鋼スラグを被覆材で覆う場合の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の海底被覆材の表面付近のみに粉粒状の鉄鋼スラグが存在し、かつその表面の一部がセメントを含有した被覆層から突出する場合の実施形態を示す説明図である。
【図3】本発明の表面の一部あるいは全部に製鋼スラグや高炉スラグが突出している海底被覆材において、塊状の海底被覆材の表面付近および内部に粉粒状の鉄鋼スラグが存在し、表面付近に存在する鉄鋼スラグの表面の一部が被覆層から突出する場合の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…鉄鋼スラグ、2…セメント含有物

Claims (7)

  1. 製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方の表面の一部あるいは全てが、セメントまたはセメント含有物で覆われていることを特徴とする底質被覆材。
  2. セメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
  3. セメントまたはセメント含有物が製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方を内包し、かつセメントまたはセメント含有物に製鋼スラグ、高炉スラグのいずれか一方、または双方が付着していることを特徴とする底質被覆材。
  4. セメントまたはセメント含有物に、フライアッシュ、高炉水砕スラグのいずれか一方、または双方が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の底質被覆材。
  5. セメントまたはセメント含有物に金属鉄、含金属鉄材、酸化鉄、含酸化鉄材の中から選ばれる1種以上が含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の底質覆砂材。
  6. 底質覆砂材が塊状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の底質被覆材。
  7. 底質覆砂材が空隙に富むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の底質被覆材。
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