JP4743679B2 - 水締め用土質改良固化材及び水締め用改良土の製造方法並びに水締め工法 - Google Patents

水締め用土質改良固化材及び水締め用改良土の製造方法並びに水締め工法 Download PDF

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本発明は、掘削箇所に埋戻し、水締め工法で流動化させた場合も泥土化することなく所定の強度を有し、購入砂の代替えとして埋戻しに用いることを可能とする水締め用改良土を製造できる水締め用土質改良固化材及びこれを用いる水締め用改良土の製造方法並びにこれを用いる水締め工法に関する。
電力ケーブルや電話線、ガス、上下水道などの埋設管を布設する土木建設工事における掘削箇所への土砂の埋戻しは、埋設管の破損を防ぐために転圧を制限されることがある。
また、特に多条管の狭隘部で転圧ができない場所は充填性の高い埋戻しを行わないと、埋設管の下部等に空洞を生じ、埋設管の破損、地盤沈下、陥没の虞がある。更に、この種の土木建設工事は、通常、自動車等が通行する一般公道において行われるため、その埋戻しについては行政の土質管理基準を満足しなければならず、十分な強度を確保することが必要である。よって、このような道路工事では、転がり性や滑り性に優れる砂(購入砂)を埋設管周りを含む掘削箇所に埋戻した後、水を加えて流動化させ、締め固めを行うという水締め工法が施工されている。したがって、掘削土はすべて残土処分されており、処分場の不足や遠方まで廃棄に行かなければならないという問題、また、砂資源の枯渇問題や運搬車両による道路環境の悪化等の環境問題が内在していた。
一方、環境負荷を低減するという観点から、土木建設工事で発生する掘削土を有効利用していくことは重要であり、土木建設産業においては、これら不要の掘削土に生石灰やセメントを土質改良固化材として添加・混合して良質な改良土として有効利用(埋戻し)することが行われている。また、生石灰やセメント以外に様々に工夫された土質改良固化材も提案されており、例えば、セメント100重量部、高炉スラグ粉末50〜100重量部、無水石膏10〜120重量部及び硫酸アルミニウム3〜20重量部を含む土質改良用固化材(特許文献1参照)、あるいは3CaO・Al・6HOを200℃以上300℃未満の温度で焼成して得られる非晶質生成物と生石灰の混合物からなる土質安定処理用組成物(特許文献2参照)が提案されている。
特開2000−96051号公報 特開平10−81878号公報
しかし、従来のいずれの土質改良固化材を用いて得られる改良土も水締め工法に用いると泥土化してしまい、所定の強度が得られないため、砂の代替えとして水締め工法に用いることができなかった。また、セメント系の固化材は、強度発現や流動化した場合の充填性の観点からは有効であるが、強固に固化し過ぎるため一般公道の工事においてメンテナンス上の再掘削が難しいことや養生期間が長くなることから道路開放に時間を要した。更に、六価クロムや重金属の溶出問題等もあり、環境に対する配慮が必要であった。
本発明は、上記事情に基づきなされたものであり、改良土に水を加えても泥土化することなく所定の強度を有し、早期に粒度分布が粗粒土状の土質に改良できる水締め用土質改良固化材及びこれを用いる水締め用改良土の製造方法並びにこれを用いる水締め工法を提案することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ね、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、土粒子を造粒・固化して水を加えても泥土化しない粗粒土状の均質な土質に改良する水締め用土質改良固化材であって、製紙スラッジ焼却灰又はフライアッシュ30〜40重量%、スラグ10〜20重量%、無水石膏10〜20重量%及び生石灰35〜45重量%を含むことを特徴とする水締め用土質改良固化材を要旨とする。ここで、粗粒土状の均質な土質とは、改良土の土質分類が礫質土、砂質土の粒径範囲内に含まれる良質な状態になることを意味する。
また、上記の水締め用土質改良固化材を掘削土に添加し、撹拌・混合して、造粒・固化させることを特徴とする水締め用改良土の製造方法を要旨とする。また、粘土、シルト、砂質土に至る多種多様な土質の掘削土に添加し、撹拌・混合して造粒・固化させ、更に粒径を20mm以下の均一な粒度に調整することを特徴とする水締め用改良土の製造方法を要旨とする。
また、上記の水締め用改良土の製造方法で水締め用改良土を製造し、更に該水締め用改良土を掘削箇所に埋戻した後、水を加えて流動化することにより締め固めを行うことを特徴とする水締め工法を要旨とする
本発明の水締め用土質改良固化材によれば、水を加えても泥土化することなく所定の強度を有する改良土が製造でき、粒度分布を粗粒土状で均質に改良できるので、砂の代替えとして水締め工法の埋戻しに用いることができる。したがって、良質の川砂等を使用することが不要となり、砂資源の保全に資することができると共に、残土の処理に伴う掘削土の処分費用の削減、処分場の確保の困難さ、運搬車両の環境問題などの従来の様々な問題の解決を図ることができる。また、本発明の水締め用土質改良固化材を用いて製造される水締め用改良土は、埋戻しの土質管理基準として用いられる「水締めCBR値2%以上」を満足する強度を有することができ、水締め工法における埋戻しに好適である。
本発明の水締め用土質改良固化材を用いる水締め用改良土の製造方法によれば、水締め工法の埋戻しに用いることができる改良土を簡便に製造できる。したがって、小規模移動式プラントにより、設置スペースも小規模で、各現場単位で移動させて改良土を製造することができる。また、作業スペースが限定される一般公道で施工される電力ケーブルや電話線、ガス、上下水道などの埋設管の工事現場で水締め工法に用いる改良土を簡単に製造することができる。
本発明の水締め用土質改良固化材を用いる水締め工法によれば、掘削土を有効利用しながら、早期に充填性の高い工事を完工でき、埋設管の破損、地盤沈下や陥没を回避できる。また、工事後の再掘削が可能なため、工事箇所のメンテナンスなどが容易となる。
使用する生石灰は、市販されるものを含め特に限定なく用いることができるが、微粉末状のものが好ましく、100メッシュ以下の微粒子がより好ましい。
アルミニウム、珪素、カルシウムを含みかつ焼成処理されて各成分の反応活性が高められた無機材料とは、焼成処理されることによりアルミニウム、珪素、カルシウムの各成分が土や石灰成分などとポゾラン反応を行いやすく、カルシウムアルミネートやカルシウムアルミネートシリケートなどを生成しやすいものをいい、アルミニウム、珪素、カルシウムの各反応活性が高いものであれば特に限定されない。このような無機材料として、例えば、長石やサバなどの粘土あるいは石灰とアルミナとシリカの混合物を焼成処理したものが挙げられる。焼成処理は、600〜1000℃で焼成することが好ましい。また、前記無機材料は、すでに焼成処理されているフライアッシュ、製紙スラッジ焼却灰等でも良い。また、前記の焼成された粘土、石灰とアルミナとシリカの混合物を焼成処理したもの、フライアッシュ、製紙スラッジ焼却灰の中の2種以上の混合物を焼成することにより更に各成分の反応活性を高めたものでも良い。焼成は、600〜1000℃で行うことが好ましい。600℃より低いと反応活性が十分に高められず、また1000℃を超えると比表面積が低下して反応活性が低下するからである。また、前記の各種無機材料の1種以上を併用しても良い。
上記の各無機材料におけるアルミニウム、珪素、カルシウムの各成分の重量比は、焼成処理後の酸化物換算でそれぞれ10〜50重量%、10〜65%重量%、2〜40重量%である。各成分それぞれの下限値より少ないと土や石灰成分との反応性が悪くなるからであり、また、各成分の上限値を超えて含有すると生成物組成の範囲外となり固化される土粒子の強度が低下するから好ましくない。
無機材料と生石灰の割合は、生石灰が20〜80重量%で無機材料が残部であることが好ましく、また、生石灰が35〜45重量%で無機材料が残部であることがより好ましい。土の固化反応はCa・Si・Alの間の反応を主とするため、生石灰が少ないとCa不足になり、生石灰が多いと相対的にAlが少なくなるため十分な固化反応が進行せず、強度が弱くなり泥土化しやすくなるからである。本発明の水締め用土質改良固化材は、無機材料と生石灰でのみ構成しても水で泥土化しない強度を確保できるが、生石灰と無機材料以外に他の添加剤を併用することもできる。添加剤としては、スラグ、無水石膏、消石灰などを挙げることができる。これらの中でも、スラグ及び/又は無水石膏が好ましい。また、生石灰、無機材料、無水石膏、スラグの4成分系からなるものがより好ましい。特に、無水石膏の存在下、エトリンガイトなどの結晶が発達し、土粒子を相互により強く固化するので強度が向上し、水締め工法で加えられる水で泥土化しないのみならず、工事後においても地下水や浸透水により改良土の流失により生じる地下の空洞化や地盤沈下を発生させることもない。4成分系の配合割合は、生石灰35〜45重量%、無機材料30〜40重量%、スラグ10〜20重量%、無水石膏10〜20重量%が好ましい。
本発明の水締め用土質改良固化材は、セメントや有機化合物を含まないため、六価クロムや環境ホルモンの溶出が無く、かつ重金属の溶出試験において汚染土壌の基準であるカドミウム0.01mg/L以下、全シアン不検出、鉛0.01mg/L以下、六価クロム0.05mg/L以下、砒素0.01mg/L以下、総水銀0.0005mg/L以下、アルキル水銀不検出、PCB不検出、の各基準値を超えない水締め用土質改良固化材である。したがって、汚染されていない土を用いて改良土を製造すれば、環境基準に適合した水締め用改良土を製造できる。
水締め用土質改良固化材が添加される土は、処理コストや環境問題の見地から工事現場で発生する掘削土が最も好ましいが、当該工事現場以外から発生した掘削土でも良い。また、改良される土の土質は、特に限定されず、地盤材料の工学的分類における粘性土から砂質土まで、すなわちシルト、粘土などからなる粘性土、砂、礫質砂、細粒分質砂などからなる砂質土に広く適用できる。水締め用土質改良固化材の添加量は、添加される土質により異なることがあるが、一般的には土の湿潤重量100重量部に対して1.0〜10重量部が好ましく、2〜7重量部がより好ましい。1.0重量部より少ないと、土を十分に固化できないからであり、10重量部より多いと造粒が難しくなることもあり、またコスト面においても好ましくない。
以上説明した水締め用土質改良固化材により製造される水締め用改良土は、土中成分や石灰成分などとの反応が短期に進行し、土粒子の表面にカルシウムアルミネート、カルシウムアルミネートシリケートあるいは炭酸カルシウムの被覆が早期に生成して土粒子を固結させるので、水を加えても泥土化することがない。そのため、水締め用改良土は水締め工法において砂の代替えとして用いることができる。また、土中水と生石灰との水和反応で生成する消石灰は、吸水性が高いため乾燥した水締め用改良土となる。水締め用改良土の粒径は、粗粒土状に均質であるため、砂のように転がり性や滑り性が良く、安息角も小さくなり、充填性が高い点からも水締め工法に好適である。
また、水締め用改良土は、水締め用埋戻しの土質管理基準として用いられる「水締めCBR値2%以上」を満足する強度を有する。
次に、水締め用改良土の製造方法を図1を参照して説明する。電力ケーブルや電話線、ガス、上下水道などの埋設管を布設するために、工事現場の地盤をバックホウなどで機械掘削する。次いで、発生した掘削土に本発明の水締め用土質改良固化材を添加し、撹拌・混合することにより造粒・固化を行う。撹拌・混合の方法は、特に限定されないが、バッチ式二軸ミキサーで行うことが好ましい。一般のポットミキサーやモルタルミキサーではうまく撹拌・混合できないからである。バッチ式二軸ミキサーで撹拌・混合を行うと、粒径が20mm以下の改良土が比較的歩留まり良く製造できるからである。また、製造した水締め用改良土は粒度調整を行い、粒度調整には振動ふるい機を用いて行うことが好ましい。他に汚泥処理用マッドスクリーンや残土用リサイクル分離装置、トロンメル式分離装置でも可能であるが、コスト面で好ましくない。粒度調整は、20mmの粒径で調整することが好ましい。本発明の水締め用土質改良固化材により製造される水締め用改良土は、大半が20mm篩を通過するが、20mmより大きな粒径では掘削箇所に密に充填できなくなるからである。なお、20mmより大きく造粒された改良土も、バッチ式二軸ミキサーに再投入して再撹拌することにより20mm以下にして用いることができる。
水締め用改良土は、バッチ式二軸ミキサーと振動ふるい機を用いて簡単に製造できるので、図1に示すバッチ式二軸ミキサーで撹拌・混合された土を振動ふるい機に運搬するベルトコンベアーと組み合わせて簡易な小規模移動式プラントを構成することができ、これにより設置スペースも小規模で、各現場単位で移動させて改良土を製造することが可能となる。例えば、0.5mミキサーを採用した小規模移動式プラントは、作業スペースが限定される一般公道で施工される電力ケーブルや電話線、ガス、上下水道などの埋設管の工事における水締め工法に好適である。この小規模移動式プラントにて1回で処理できる土量は、砂質土系で0.5m、粘性土系で0.3m程度である。また、バッチ式二軸ミキサーによる撹拌・混合は、土質により異なるが1〜2分間程度で行うことができる。このようにして製造された水締め用改良土は、土質により製造した日に用いることもできるが、通常1〜3日間養生することが好ましい。また、この水締め用改良土は長期間保存してもその効果は十分維持される。例えば、雨水のあたる野ざらしでも再泥化しないばかりか、水締め用土質改良固化材の流失がないため環境汚染や固化強度の低下がなく、長期間の保存も可能である。
水締め用改良土の製造は、予め掘削土の室内配合土質試験(水締めCBR試験)を行い、水締めCBR値を確認することにより、本発明の水締め用改良固化材の最適な添加率を確認することができる。
本発明の水締め工法は、掘削土に本発明の土質改良固化材が添加されて製造された水締め用改良土を掘削箇所に埋戻した後、水を加えて流動化することにより締め固めが行われる。締め固めは、バイブレータにより行うことが好ましい。また、締め固めと同時に過剰水を除去しても良い。これにより、締め固めをより確実に行うことができる。また、過剰水の除去は、吸引ポンプを用いて行うことが好ましい。
本発明の水締め工法では、水締め用改良土が水を加えても泥土化することがなく所定の強度が得られる上、改良土の粒径が粗粒土状に均質に造粒・固化され、滑り性、転がり性に優れ高い充填性を有するので、水締め工法に伴う埋戻しに掘削土を有効利用できる。
次いで、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔水締め用改良土のCBR試験〕
表1に実施例1〜実施例3として示す本発明の水締め用土質改良固化材を各々含水比20%と30%の各試料土に添加して改良土を製造した。また、表1に比較例1〜比較例4として示す従来の土質改良固化材のセメント系固化材、生石灰、生石灰系固化材、生石灰+高分子凝集剤を各々試料土に添加して改良土を製造した。なお、試料土の含水比は、試料土(「乾燥土+水」とからなる湿潤土)中の乾燥土の重量を100%としたときの水の重量%である。また、表1中、土質改良固化材の添加量は、試料土100重量部に対する重量部である。
製造した各改良土について、水締めCBR試験及び設計CBR試験を行った。水締めCBR試験は、ろ紙を敷いた直径15cmのモールド内に水を混ぜて3日間養生後の改良土を飽和させた試料を全層が15cmになるように入れ、その上にろ紙及び自重5kgの軸付き有孔板を載せ、モールドの四方をプラスチックハンマーで直径方向にそれぞれ100回(50回ずつ2度)叩いて落ち着かせ、大気中に15分間放置してJIS A1211に準拠してCBR値の測定を行った。また、設計CBR試験は、改良土を安定させた後、直径15cmのモールドに3層に分けて入れ、各層67回ずつ突き固めて大気中に6日間養生し、4日間水中に養生後、JIS A1211に準拠してCBR値の測定を行った。
結果は表1に示した。
Figure 0004743679
表1から、含水比20%の試料土の場合、各実施例に係る改良土の水締めCBR値は、いずれも4%以上で水締め工法に適する指標とされる2%以上を十分に満足していた。一方、比較例に係る改良土の水締めCBR値は、すべて2%以下で水締め工法には不向きであった。また、設計CBR値は、各実施例及び各比較例に係るいずれの改良土も道路工事で目安とされる20%以上を満足していたが、実施例に係る改良土の方が概ね良好な成績であった。含水比30%の試料土の場合、各実施例に係る改良土の水締めCBR値は、いずれも2%以上であったが、比較例4は2%以下であった。また、比較例4に係る改良土の設計CBR値は、20%を満たしていなかったが、各実施例に係る改良土の設計CBR値はいずれも20%以上を満たしていた。これにより、本発明の水締め用土質改良固化材を添加して製造された改良土は、水を加えても泥土化することなく所定の強度を有し、水締め工法に砂の代替えとして用い得ることが明らかとなった。
〔水締め用改良土の埋設管モデル充填試験〕
図2に示す埋設管モデル10を作製し、上記の実施例3、比較例1及び比較例2の各土質改良固化材を添加して製造した各改良土、土と土質改良固化材とからなるスラリー(セメント50:土350:水:850(以上、体積比)から構成され、充填工法に用いる)(比較例5)、山砂(比較例6)及び川砂(参考例)につき、それぞれ充填試験(充填性及び排出状況の試験)を行った。埋設管モデル10は、図2に示すとおり直方体の容器1の中に多条管2を挿入し固定したもので詳細は下記の通りである。
各寸法は、管直径:160mm、管と管の間隔:70mm、奥行き:300mm、高さ:1000mm、幅:1180mm、容器容積:0.354m、管占有容積:0.096m、空間容積:0.258mである。
改良土は、自走式土質改良機を用いて粘性土の掘削土に対し、実施例3、比較例1及び比較例2の各種土質改良固化材を40kg/m(掘削土)の割合で添加混合して製造した。得られた改良土を目開き20mmの篩にて篩分けし、20mmを通過した改良土を上記の埋設管モデル10に充填し、充填性と排出状況を調べた。また、20mm篩の通過率を調べた。比較例5、比較例6及び参考例についても同様に埋設管モデル10を用い、充填性、排出状況及び20mm篩いの通過率(比較例5は除く)を調べた。結果は表2に示した。なお、表2の充填性の評価は、◎が埋設管の下部を含め空洞が認められないもの、○が埋設管の下部に空洞が散見されるに過ぎないもの、△が埋設管の下部以外にも空洞が散見されるもの、×が全体に多数の空洞が認められるものである。
Figure 0004743679
表2から明らかなように、実施例3に係る改良土は、参考例の川砂と遜色のない高い充填性を示した。一方、比較例1、比較例2に係る改良土、比較例6の山砂はいずれも充填性が低かった。また、埋設管モデル10に一旦充填された改良土の排出状況は、実施例3に係る改良土が参考例の川砂ほど良好な排出状況でなかったものの突付けば排出可能であった。一方、比較例1に係る改良土及び比較例5、6はいずれも排出が困難であった。これにより、実施例3に係る改良土は、充填性に優れる上、埋戻し後にメンテナンスなどのために掘り返すことができ、川砂の代替えとして用い得ることが判明した。なお、結果は示していないが、実施例1及び実施例2の土質改良固化材を添加して製造した改良土についてもほぼ同様の結果であった。
また、実施例3に係る改良土の20mm篩の通過率は、87%と極めて高く、ほとんどが通過した。一方、比較例1、2に係る各改良土及び比較例6の山砂はいずれも実施例3に係る改良土より通過率が低かった。これにより、実施例3に係る改良土は、粒度分布が粗粒土状で均質であることが明らかとなった。なお、結果は示していないが、実施例1及び実施例2の土質改良固化材を添加して製造した改良土についても20mm篩の通過率はほぼ同様の結果であった。
〔水締め用改良土の粒度分布〕
上記の〔水締め用改良土のCBR試験〕で含水比20%の試料土から製造した実施例3に係る改良土の粒度分布をJIS A1204に準拠して測定した。結果は表3及び図3、図4に示した。
Figure 0004743679
表3及び粒径分布曲線を示す図3、粒径加積曲線を示す図4から明らかなように、実施例3に係る改良土は均一で2mm以下の粒径が61%を占め、粒径区分における砂の領域に含まれるものが最も多かった。また、19mm以下の粒径が100%を占め、粗粒土状に均質に固化されることが判明した。これにより、実施例3に係る改良土は、川砂のように転がり性や滑り性が良く、安息角も小さくなり、充填性が高い点からも水締め工法に好適であることが判明した。なお、結果は示さないが、実施例1、2の水締め用土質改良固化材を添加した製造した改良土についてもほぼ同様の粒度分布を示した。
〔施工例〕
施工地盤の土を掘削し、埋設管を布設した後、図1に示す小規模移動式プラントを用いて改良土を製造した。すなわち、バックホウにより掘削した掘削土をバッチ式二軸ミキサーに投入し、実施例1の水締め用土質改良固化材を掘削土100重量部に対して5重量部添加し、撹拌・混合して造粒・固化させた。次いで、これをベルトコンベアーで20mmメッシュ振動ふるい機に運搬し、粒度調整を行った。この改良土を仮置きして大気中で3日間養生後、水締め用改良土を製造した。製造された水締め用改良土を掘削箇所に埋戻した後、水締めにより締め固めを行った。その後、埋戻し箇所を舗装し、自動車などを走行させたが、路面沈下は一切なく、結果は良好であった。
小規模移動式プラントの模式図である。 埋設管モデルの模式図である。 本発明の水締め用土質改良固化材を添加し製造された改良土の粒径分布曲線のグラフである。 本発明の水締め用土質改良固化材を添加し製造された改良土の粒径加積曲線のグラフである。
符号の説明
1 容器
2 多条管
10 埋設管モデル

Claims (4)

  1. 土粒子を造粒・固化して水を加えても泥土化しない粗粒土状の均質な土質に改良する水締め用土質改良固化材であって、製紙スラッジ焼却灰又はフライアッシュ30〜40重量%、スラグ10〜20重量%、無水石膏10〜20重量%及び生石灰35〜45重量%を含むことを特徴とする水締め用土質改良固化材。
  2. 請求項1に記載の水締め用土質改良固化材を掘削土に添加し、撹拌・混合して、造粒・固化させることを特徴とする水締め用改良土の製造方法。
  3. 請求項1に記載の水締め用土質改良固化材を粘土、シルト、砂質土に至る多種多様な土質の掘削土に添加し、撹拌・混合して造粒・固化させ、更に粒径を20mm以下の均一な粒度に調整することを特徴とする水締め用改良土の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の方法で水締め用改良土を製造し、更に該水締め用改良土を掘削箇所に埋戻した後、水を加えて流動化させることにより締め固めを行うことを特徴とする水締め工法。
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