JP2006233424A - 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物 - Google Patents

脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006233424A
JP2006233424A JP2005045200A JP2005045200A JP2006233424A JP 2006233424 A JP2006233424 A JP 2006233424A JP 2005045200 A JP2005045200 A JP 2005045200A JP 2005045200 A JP2005045200 A JP 2005045200A JP 2006233424 A JP2006233424 A JP 2006233424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
csg
dehydrated cake
impervious structure
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005045200A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Hayashi
寛 林
Noboru Sakata
昇 坂田
Yukiyoshi Kitamoto
幸義 北本
Katsutoshi Fujisaki
勝利 藤崎
Kenzo Watanabe
賢三 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2005045200A priority Critical patent/JP2006233424A/ja
Publication of JP2006233424A publication Critical patent/JP2006233424A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

【課題】 脱水ケーキの運搬コスト増大やリサイクルルートの開拓といった手間を生じさせること無く、脱水ケーキを従来より更に多く再利用して産業廃棄物を減少させて廃棄コストを抑えるとともに、セメントの添加量を増大させるなどのコストアップを招くことなく、若しくはセメント添加量を減少させながら、ダムなどの遮水性構造物の遮水性を高めることができる、脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】 遮水性構造物の建設現場から発生する現地発生土24と水とセメント26とを含むCSG中に、骨材の濁水処理プラント20より発生する脱水ケーキ23を混入し、この脱水ケーキを添加したCSG材料32により、遮水性のCSG構造物33を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、骨材の濁水処理プラント等から発生する脱水ケーキを使用して、土質構造物などを含む遮水性構造物を構築する方法、及び、該方法による遮水性構造物に関するものである。
従来より、例えばダムなどの遮水性構造物の建設現場においては、建設現場近くの原石山にて採取した原石を骨材プラントにて粉砕、分級、洗浄し、ダムコンクリート用の骨材(粗骨材、細骨材)を製造している。ここで、粒径の小さい細骨材が多いと、コンクリートの単位水量が過大となったり、自己収縮が過大となる可能性があること、また強度が大幅に低下することから、細骨材のうち、0.15mmのふるいを通る細骨材は2〜10%以下に調整する必要がある。そこで、現状技術としては、骨材プラントに骨材分級工程及び洗浄工程を設け、骨材中に存在する微粒分を除去している。
現状の洗浄工程では、洗浄工程にて骨材から除去された微粒分と洗浄水とが混合した濁水を濁水処理施設にて処理している。この処理工程は図8に示すように、建設現場近くの原石山の採石場10の骨材プラントより発生する微粒分と、この微粒分を洗浄するための洗浄水を含む各種洗浄水13と、雨水12やその他14(各種排水など)を含む濁水15を、濁水処理プラント20において処理する。
濁水処理プラント20での濁水処理は主として、炭酸ガス16を添加しての中和処理17や、凝集材18を添加しての沈降処理19等を行った後、上澄水については近くの河川等に放流する。一方、水分を多量に含む泥状の微粒分が沈殿物として残るので、これをフィルタープレス等の装置により脱水処理22を行う。このようにして、水を多量に含む泥状の微粒分から水分を取り除くことにより、脱水ケーキ23が副産される。
そしてこの脱水ケーキ23は、産業廃棄物として廃棄されていたが、廃棄のために多大なコストがかかっていた。そこで、資源の有効利用、及び産業廃棄物減少の目的から、脱水ケーキを利用する各種技術が提案されてきた。これらの技術に関して、例えば以下の特許文献が存在する。
特開平11−290897号公報 特開2002−327428号公報
例えば、特許文献1においては、脱水ケーキに水溶性高分子と固化剤等を加えて混合し、さらに、分級工程を経た生成物を堆積、養生することにより、路盤材料や盛土材料、築堤材料、埋め戻し材料などとして再利用できるよう改良する方法が提案されている。
また、特許文献2においては、有害物質の埋立地を囲む遮水土を得るため、脱水ケーキを土に混合し、予め要求される透水係数となる粒度分布となるよう、脱水ケーキによる細粒分の混合比率を増加する粒度調整を行って遮水土を製造する方法が提案されている。
しかし、これらの方法による脱水ケーキの消費量は、ダムなどの大規模な遮水性構造物の建設現場から発生する脱水ケーキの発生量に比べてごくわずかであり、充分なリサイクルとはなっていない。また、脱水ケーキが発生する場所は、一般にダムなどの建設現場近くの濁水処理施設であり、遮水性構造物の建設と関係の無いところで脱水ケーキを再利用する場合には、遠方まで脱水ケーキを運搬しなければならない可能性がある上、脱水ケーキのリサイクルルートを別途開拓しなければならないという問題がある。
このような問題に対して、ダム内部のコンクリートに脱水ケーキを配合して使用することで、リサイクルルートの心配が無く、従来よりも大量に脱水ケーキを消費できる技術が以下の特許文献に提示されている。
特開2001−20257号公報
これは図9に示すような、岩盤1の上にほぼ直角三角形状のコンクリート構造材として施工されるコンクリートダムにおいて脱水ケーキを使用するものである。このコンクリートダムは、岩盤1の上に位置する着岩配合部としての基部2と、この基部2の上流側端部から上方向に立ち上がる水受部3と、前記水受部3の上端から後部方向に傾斜して立ち下がる背部4と、これら基部2,水受部3,背部4で囲まれる三角形状の部分に設けられる内部配合コンクリート部5と、通路6を囲む鉄筋配合部7とから構成される。前記基部2からは、岩盤1方向に向かって設けられたコンソリデーショングラウチング部8及びカーテングラウチング部9が突出する。
前記基部2は、岩盤1に対ししっかりと定着しなければならないために、比較的セメント量を多く配合したコンクリートが用いられ、また、前記水受部3については水の浸食等に十分耐えなければならないために、この場合もセメント量が多く配合されたコンクリートが用いられ、また、前記背部4についても炎天下等厳しい外部環境にさらされることから、セメント量を多く配合したコンクリートが用いられる。
一方、前記内部配合コンクリート部5については、コンクリートダム自体に重量を持たせることが重要であるためにセメント量は比較的少なくて良く、特に石,砂などの配合割合が前記基部2,水受部3等の部分よりも大きく設定可能であり、この前記内部配合コンクリート部5に、山地より採石した骨材の濁水処理プラントより発生するスラッジ又は脱水ケーキを混入するというものである。
しかし、このような通常のコンクリートダムの内部配合コンクリート部のみに脱水ケーキを混入する程度では、脱水ケーキの消費量は発生量に比べてまだ少なく、充分にリサイクルすることができない。また、コンクリートに脱水ケーキを配合した場合、脱水ケーキ内に存在する凝集材がコンクリートのフレッシュ性状に影響を与え、スランプ保持時間の減少や、初期強度の低下などが懸念され、更に、脱水ケーキの多くは0.15mm以下の微粒分であるため、凝集材と同様にスランプ保持時間の減少や疑凝結、初期強度の低下、および空気量の減少に伴うAE助剤の過添加などが起こる可能性が高いが、このような通常の直角三角形状のコンクリートダムは、構造物の底面積が小さいために、構造物そのものにかなりの強度を要求されるため、内部配合コンクリート部のみであっても、コンクリートの強度の低下に繋がる脱水ケーキの混入は危険である。
ところで近年、CSGによる遮水性構造物の構築が注目されている。CSGとは、Cemented Sand and Gravelの頭文字で、ダムなどの遮水性構造物の建設現場近傍で容易に得られる河床砂礫や掘削ズリなどの現地発生材から大玉だけを取り除き、分級せずにあるいは必要最小限の分級をしてセメント・水を添加混合した材料である。現地発生材の使用割合を高めれば、土質の遮水性構造物を造ることができる。
CSGの構成は、現地発生土の性質や要求される一軸強度によって異なるものの、CSG1m中約60〜80kgのセメントが使用されることが一般的である。通常のダムコンクリート内部において使用されるセメント量は140〜160kg/m、ダムコンクリート外部においては200kg/m程度であるから、セメント量が半分以下で済むこととなる。また、使用される現地発生土は最大粒径150mm程度で、透水係数は10−2〜10−4cm/s、圧縮強度は15kgf/m(7日)、38kgf/m(28日)程度の物性を示す材料である。
CSGにより構造物を構築するまでの工程は図10に示すように、ダムなどの建設現場内で発生した現地発生土24(砂,砂利,砂礫を含む)から、必要に応じて最大粒径を超過するものを除去し、最大粒径を150mm程度に調整した現地発生土を母材25として、そこに少量のセメントと水26を添加し、攪拌・混合する。母材25、及びセメントと水26の混合には、バックホウ(スケルトンバケット装着等)やミキサーが使用される。混合した後の材料をCSG材料27と称し、これをダンプトラック等で施工場所まで運搬する。施工場所で、ブルドーザや振動ローラ等の一般土工機械を用いて、締固めることでCSG構造物28が完成する。
CSGは従来のダムにおいて使用されるコンクリートと比べると、その強度は小さく、またバラツキが大きくなるが、大規模な原石山の掘削が必要ないことや、強度特性を考慮した品質管理を前提とすれば、従来のダムにおいて使用していたコンクリートより簡易な製造設備ですみ、急速施工が可能であるというメリットがある。
このようなCSGを使用した遮水性構造物としては、たとえば、堤体材料としてCSGを使い、堤体横断面形状を台形とした台形CSGダムが知られている。台形とした理由は、CSGを堤体材料として使う場合、CSGは従来のダムにおいて使用されてきたコンクリートほどの強度が期待できないことから、従来のコンクリートダムより断面を広くすることでダムにかかる様々な荷重を分散させ、発生応力を小さく抑えるためである。これにより、コンクリートで問題となるような底面着岩部での引張応力が抑えられるなど、結果的にダムとしての十分な安定性を確保できる構造となっている。
しかし、それでも前記特許文献3のように、脱水ケーキをダムの内部配合コンクリート部のみに使用するのでは、やはり脱水ケーキの使用量が限られ、脱水ケーキの発生量に対してリサイクルによる消費量が充分ではない。また、ダムの内部配合コンクリート部のみに脱水ケーキを混入するという脱水ケーキの使用方法は、粒度が小さいという脱水ケーキの特徴を有効利用しているとは言えない。
一方、これまで実績のあるCSGは、コストダウンを目的としており、かつ要求される強度が小さいため、セメント量が少ない配合となっている。そのため、骨材が多く、間隙が多いため、結果として透水係数が大きくなっていた。このCSGのワーカビリティ(流動性)を確保して、かつ空隙のない固化体にするためには、セメント等の粉体量を増やすことが最も有効であるが、コストアップにつながることから、出来ないのが実状である。
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、脱水ケーキの運搬コスト増大やリサイクルルートの開拓といった手間を生じさせること無く、脱水ケーキを従来より更に多く再利用して産業廃棄物を減少させて廃棄コストを抑えるとともに、セメントの添加量を増大させるなどのコストアップを招くことなく、若しくはセメント添加量を減少させながら、ダムなどの遮水性構造物の遮水性を高めることができる、脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法、及び、該方法による遮水性構造物を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、遮水性構造物の建設現場から発生する現地発生土と水とセメントを含むCSG中に、濁水処理プラントより発生する脱水ケーキを混入し、この脱水ケーキ混入CSGにより、遮水性構造物を形成することを要旨とするものである。
請求項1記載の本発明によれば、CSGに脱水ケーキを混入することにより、CSG中の粉体の割合が多くなり、CSGの遮水性を向上させることができる。すなわち、通常のCSGはコンクリートと比較するとモルタルが極めて少ないため、空隙が多く、その分遮水性が低くなるが、脱水ケーキを添加することにより、この脱水ケーキがコンクリートのペースト(粉体と水)に相当する効果を発揮し、空隙が生じにくい流動性と転圧効果を付与することができるとともに、脱水ケーキ中に存在する微粒分がセメントが水和によって形成する骨格に充填されて、セメントの添加量を増大させずとも、CSGを微視的にも密実にして遮水性を高めることが出来るのである。
更に、脱水ケーキの混入量に応じてセメントの添加量を抑えるようにすれば、セメント添加量を減少させながら、CSGの遮水性を高めることが出来る。
また、ダムを構成するCSG全体に脱水ケーキを混入することが出来るから、従来に比べて大量の脱水ケーキをリサイクルできる。また、ダムなどの遮水性構造物の建設に伴い、建設材料を得るための採石場が選定されるとともに濁水処理プラントが設けられるため、これらの建設現場と濁水処理プラントとは一般的に距離が近く、運搬コストの増大を招かない。また、濁水処理プラントで発生した脱水ケーキを建設現場内で消費するようにすれば、リサイクルルートを別途開拓する必要も無い。
請求項2記載の発明は、遮水性構造物の形状を、台形若しくは水平に構築することを要旨とするものである。
請求項2記載の本発明によれば、脱水ケーキ混入CSGは従来使用されてきたコンクリートほどの強度は期待できないが、遮水性構造物の形状を台形若しくは水平としたから、従来の直角三角形状のダム等の遮水性構造物に比べて水平断面が広くなり、これにより、遮水性構造物にかかる様々な荷重を分散させ、発生応力を小さく抑えることができる。
請求項3記載の発明は、水に接する表層部を脱水ケーキ混入CSGで形成し、表層部に隣接する内部を脱水ケーキで形成することを要旨とするものである。
請求項3記載の本発明によれば、脱水ケーキそのもので遮水性構造物の内部を形成するようにしたから、より多くの脱水ケーキを消費することが出来、リサイクルの効率が更に高まる。また、水に接する表層部は脱水ケーキ混入CSGで形成するようにしたから、脱水ケーキ混入CSGにより形成した層によって内部の脱水ケーキの微粒分が水中に分散、流出するのを防ぐことができる。
また、通常のCSGは間隙が多いために、CSGで形成する層と脱水ケーキ単体で形成する層とを隣接させた場合、脱水ケーキの微粒分がCSGの間隙に進入して、結果的にCSGの層に吸収される形で脱水ケーキの層が減少して、遮水性構造物の耐久性に影響を与えるという問題があるが、本発明においては、脱水ケーキ単体で構成する内部に隣接する表層部は、脱水ケーキの微粒分により予め空隙を埋めた脱水ケーキ混入CSGであるから、脱水ケーキの微粒分がCSGの間隙に進入して脱水ケーキ単体で構成する部分が減少してしまうことがなく、遮水性構造物において高い耐久性を得ることが出来る。
請求項4記載の発明は、脱水ケーキ混入CSG1mにおける脱水ケーキの量を40kg以上80kg以下とすることを要旨とするものである。
請求項4記載の本発明によれば、通常のCSGはコンクリートと比較するとモルタルが極めて少ないため、空隙が多く、透水係数は10−2〜10−4cm/s程度であるが、脱水ケーキ混入CSG1m当り脱水ケーキを40kg以上80kg以下添加することにより、この空隙を脱水ケーキの微粒分で埋めて透水係数を10−4〜10−6cm/s程度まで引き下げることが出来、遮水性材料として充分な遮水性を得ることが出来る。
請求項5記載の発明は、遮水性構造物の少なくとも水に接する表層部を、水と、セメントと、遮水性構造物の建設現場から発生する現地発生土と、骨材の濁水処理プラントより発生する脱水ケーキとの、混合による脱水ケーキ混入CSGにより構成することを要旨とするものである。
請求項5記載の本発明によれば、遮水性構造物の少なくとも水に接する表層部を脱水ケーキ混入CSGにより構成するようにしたから、水に接する表層部を構成するCSG中の粉体の割合が脱水ケーキの微粒分によって多くなり、セメントの添加量を増大させずとも、遮水性構造物表面の遮水性を向上させることができる。
更に、脱水ケーキの混入量に応じてセメントの添加量を抑えるようにすれば、セメント添加量を減少させながら、遮水性構造物の遮水性を高めることが出来る。
また、ダム等の遮水性構造物の内部配合コンクリート部のみならず、遮水性構造物の表層部を含む全体を脱水ケーキ混入CSGで構成することが出来るから、従来に比べて大量の脱水ケーキをリサイクルできる。また、一般にダム等の建設に伴い、建設材料を得るための採石場が選定されるとともに濁水処理プラントが設けられるため、これらの建設現場と濁水処理プラントとは一般的に距離が近く、本発明の遮水性構造物を得るために運搬コストの増大を招くことがなく、リサイクルルートを別途開拓する必要も無い。
本発明の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法、及び、該方法による遮水性構造物は、脱水ケーキの運搬コスト増大やリサイクルルートの開拓といった手間を生じさせること無く、脱水ケーキを従来より更に多く再利用して産業廃棄物を減少させて廃棄コストを抑えるとともに、セメントの添加量を増大させるなどのコストアップを招くことなく、若しくはセメント添加量を減少させながら、ダムなどの遮水性構造物の遮水性を高めることができる。
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法の流れを示すブロック図である。
図1に示すように、濁水処理プラント20において濁水処理29の工程(中和、沈殿、脱水等の各工程を含む)を経ることにより、濁水15より脱水ケーキ23を得る。一方、CSG製造プラント又はCSG製造ヤード(以下、CSG製造プラント・ヤード)30までこの脱水ケーキ23を運搬し、粒径等を調整した現地発生土(砂,砂利,砂礫)を母材として、脱水ケーキ23と、及びセメントと水26とを添加する。
なお、このときの各要素の配合割合は、最終的に出来る脱水ケーキを添加したCSG材料(以下、脱水ケーキ混入CSG)32の1m当たり、セメント量を80kg以下、脱水ケーキを40kg以上80kg以下とし、水の添加量は、脱水ケーキ23が含む水分量に応じて変化させ、水セメント比(含水比)を概ね50%以下とする。
次に、バックホウ(スケルトンバケット装着等)やミキサー等の従来使用されている機械を用いてこれらについて混合処理31を行い、脱水ケーキ混入CSG32を製造する。バックホウを使用する場合には、バケット内に混合装置を備えた機械も使用することができる。このようにして製造した脱水ケーキ混入CSG32は、ダンプトラック等で施工場所まで運搬し、ブルドーザや振動ローラ等の一般土工機械を用いて締固めることで、脱水ケーキ混入CSG32による遮水性構造物(以下、CSG構造物)33が完成する。
このようにして得られたCSG構造物の透水係数は10−4〜10−6cm/sであり、通常のCSGの透水係数10−2〜10−4cm/sよりも大幅に小さく、遮水性が高い。
ここで、脱水ケーキを添加したCSG材料を得るために行う脱水ケーキ23の運搬について着目して、CSG材料の製造工程について図2〜4を参照して説明する。
図2に示すように、濁水処理プラント20とCSG製造プラント・ヤード30とが離れている場合には、濁水処理プラント20で副産される脱水ケーキ23をベルトコンベアやダンプトラック等でCSG製造プラント・ヤード30に運搬する。ここで、濁水処理プラント20は採石場等に設けられるものであり、採石場はダム等の遮水性構造物の建設に伴って選定されるものであるから、これらの建設現場と濁水処理プラント20とは一般的に距離が近く、または濁水処理プラント20が建設現場と同じ現場内に存在するため、脱水ケーキ23の移動距離は建設現場以外の場所に搬出して使用することに比べて短くなり、運搬コストの増大を招かない。
その後、CSG製造プラント・ヤード30では、所定の配合に従って計量した現地発生土24と、セメントサイロ34より供給するセメント,水タンク35より供給する水、及び脱水ケーキ23を、ミキサーやバックホウにより混合し、脱水ケーキ混入CSG32を得る。
図3は、濁水処理プラント20とCSG製造プラント・ヤード30とを隣接させた場合の製造工程を示すブロック図である。このように、建設現場内でCSG製造プラント・ヤード30及び濁水処理プラント20の両施設を近接して設置できる場合には、脱水ケーキ23の置場を両施設20、30において共有することが可能となり、必要スペースを縮小することができる。このことで、更なるコストダウンが可能となる。
図4は、濁水処理プラント20とCSG製造プラント・ヤード30とを一体の装置とした場合の製造工程を示すブロック図である。図4に示すように、鋼製の架台39等で濁水処理プラント20をCSG製造プラント・ヤード30よりも高い位置に設置することで、濁水処理プラント20から副産される脱水ケーキ23を直接、CSG製造プラント・ヤード30に投入することができる。このように、濁水処理プラント20とCSG製造プラント・ヤード30を一体の装置とすることで、必要スペースを縮小できるとともに、脱水ケーキ23の移動に関わるコストを縮減できる。
次に、前記のようにして得られた脱水ケーキ混入CSG32を使用して遮水性構造物を構築する方法について説明する。このような遮水性構造物としては、例えば図5に示すように、岩盤や地盤(以下、地盤)37上に脱水ケーキ23を最大2m程度盛り立て、その上に脱水ケーキ混入CSG32を盛り立てることで、複合的な遮水層を設けることができる。
なお、脱水ケーキ23を用いたCSGは、透水係数が10−4〜10−6cm/sと小さいため、脱水ケーキ混入CSG32の層の上を流れる水に水位変動等が生じても、脱水ケーキ23の層から脱水ケーキ混入CSG32の層に向かって微粒分の吸出しが起こることを防止することができる。また、比較的粒径の粗い材料を主体とするCSGは波浪等による浸食にも強いため、水36に接する脱水ケーキ混入CSG32の層が脱水ケーキ23を保護することができる。
また、図6に示すように、脱水ケーキ混入CSG32と脱水ケーキ23とにより、複合遮水層を盛土等へ適用することで、遮水性構造物を構築することも可能である。これは、例えば地盤37上に台形に盛り立てた盛土38を支えとして、水36が位置する側の盛土38上に脱水ケーキ23を盛り立て、更にその外側に脱水ケーキ混入CSG32を盛り立てることで、盛土構造物に遮水性を付加するものである。このようにすれば、遮水性構造物の大部分を盛土38と脱水ケーキ23とにより構成することが出来、使用するセメント量を最小限にしてコストを抑えることが出来る。
また、図7に示すように、地盤37上に台形状に脱水ケーキ23を盛り立て、この外周を脱水ケーキ混入CSG32で台形状に覆うことにより、遮水性構造物を構築すれば、従来のCSGでは難しかった、より遮水性の高い遮水性構造物を安価に構築できる。
更に、このようにすれば、遮水性構造物の水36に接する側においては、波浪等による浸食にも強い上、脱水ケーキ23の層から脱水ケーキ混入CSG32の層に向かって微粒分の吸出しが起こらず耐久性に優れ、脱水ケーキ混入CSG32の層により脱水ケーキ23を保護することができる。また、遮水性構造物の反対側においても、内部の脱水ケーキ23は脱水ケーキ混入CSG32の層により保護され、遮水性構造物全体として耐久性に優れたものとなる。
そして、遮水性構造物の形状を、構造物全体として安定した形状である台形若しくは水平にすることにより、脱水ケーキ混入CSG32が従来使用されてきたコンクリートほどの強度が期待できなくとも、従来の直角三角形状のダム等の遮水性構造物に比べて水平断面が広くなり、これにより、遮水性構造物にかかる様々な荷重を分散させ、発生応力を小さく抑えることができる。
本発明の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法の流れを示すブロック図である。 CSG材料の製造工程の第1例を示すブロック図である。 CSG材料の製造工程の第2例を示すブロック図である。 CSG材料の製造工程の第3例を示すブロック図である。 遮水性構造物の第1例を示す縦断側面図である。 遮水性構造物の第2例を示す縦断側面図である。 遮水性構造物の第3例を示す縦断側面図である。 従来の脱水ケーキの処分方法を示すブロック図である。 従来の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の1例を示す縦断側面図である。 従来のCSG構造物の構築方法を示す工程図である。
符号の説明
1 岩盤 2 基部
3 水受部 4 背部
5 内部配合コンクリート部
6 通路 7 鉄筋配合部
8 コンソリデーショングラウチング部
9 カーテングラウチング部 10 採石場
11 骨材プラント 12 雨水
13 各種洗浄水 14 その他
15 濁水 16 炭酸ガス
17 中和処理 18 凝集材
19 沈澱処理 20 濁水処理プラント
21 放流 22 脱水処理
23 脱水ケーキ 24 現地発生土
25 母材 26 セメントと水
27 CSG材料 28 CSG構造物
29 濁水処理 30 CSG製造プラント・ヤード
31 混合処理 32 脱水ケーキを添加したCSG材料
33 CSG構造物 34 セメントサイロ
35 水タンク 36 水
37 地盤 38 盛土
39 架台

Claims (5)

  1. 遮水性構造物の建設現場から発生する現地発生土と水とセメントを含むCSG中に、骨材の濁水処理プラントより発生する脱水ケーキを混入し、この脱水ケーキ混入CSGにより、遮水性構造物を形成することを特徴とする脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法。
  2. 遮水性構造物の形状を、台形若しくは水平に構築する請求項1記載の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法。
  3. 水に接する表層部を脱水ケーキ混入CSGで形成し、表層部に隣接する内部を脱水ケーキで形成する請求項1または請求項2記載の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法。
  4. 脱水ケーキ混入CSG1mにおける脱水ケーキの量を40kg以上80kg以下とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法。
  5. 少なくとも水に接する表層部を、水と、セメントと、遮水性構造物の建設現場から発生する現地発生土と、骨材の濁水処理プラントより発生する脱水ケーキとの、混合による脱水ケーキ混入CSGにより構成することを特徴とする脱水ケーキを使用した遮水性構造物。
JP2005045200A 2005-02-22 2005-02-22 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物 Pending JP2006233424A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045200A JP2006233424A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005045200A JP2006233424A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006233424A true JP2006233424A (ja) 2006-09-07

Family

ID=37041391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005045200A Pending JP2006233424A (ja) 2005-02-22 2005-02-22 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006233424A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105149316A (zh) * 2015-07-03 2015-12-16 浙江理工大学 一种用固化的市政污泥构建储库的填埋场堆高增容方法
CN107700435A (zh) * 2017-09-30 2018-02-16 清华大学 堆石混凝土心墙胶结堆石坝及其施工方法
CN111852026A (zh) * 2020-07-31 2020-10-30 华北水利水电大学 胶凝砂砾石坝新型施工工艺
CN114835421A (zh) * 2022-06-02 2022-08-02 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 一种河道预制抗冲生态护垫的构建方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105149316A (zh) * 2015-07-03 2015-12-16 浙江理工大学 一种用固化的市政污泥构建储库的填埋场堆高增容方法
CN105149316B (zh) * 2015-07-03 2016-05-18 浙江理工大学 一种用固化的市政污泥构建储库的填埋场堆高增容方法
CN107700435A (zh) * 2017-09-30 2018-02-16 清华大学 堆石混凝土心墙胶结堆石坝及其施工方法
CN107700435B (zh) * 2017-09-30 2019-11-22 清华大学 堆石混凝土心墙胶结堆石坝及其施工方法
CN111852026A (zh) * 2020-07-31 2020-10-30 华北水利水电大学 胶凝砂砾石坝新型施工工艺
CN111852026B (zh) * 2020-07-31 2021-12-07 华北水利水电大学 胶凝砂砾石坝新型施工工艺
CN114835421A (zh) * 2022-06-02 2022-08-02 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 一种河道预制抗冲生态护垫的构建方法
CN114835421B (zh) * 2022-06-02 2022-10-28 珠江水利委员会珠江水利科学研究院 一种河道预制抗冲生态护垫的构建方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4036975B2 (ja) ベントナイト粒状物とベントナイト混合土質材料と遮水工法
KR100900779B1 (ko) 매립 석탄회와 현장 발생토를 이용한 인공성토재 제조 방법
KR20150016465A (ko) 순환골재를 이용한 투수성 콘크리트 조성물과 이를 이용한 투수콘크리트 도로 포장방법
CN212269895U (zh) 一种盾构渣土全资源化利用系统
JP2006233424A (ja) 脱水ケーキを使用した遮水性構造物の構築方法及び該方法による遮水性構造物
KR100805676B1 (ko) 건설현장 잔토의 재활용이 가능한 고유동성 무다짐 유동화처리토 제조방법
CN110984065B (zh) 红层软岩水工结构体
CN107032660B (zh) 一种铺设透水路面的复合材料的制备方法
CN107513992A (zh) 一种淤泥浅表层固化剂固结连续施工方法
JP4109376B2 (ja) 石灰処理土を用いたソイルモルタルの製造方法及びそれを用いた盛土工法
CN111908853A (zh) 自密实土及其制备方法和回填市政空腔的施工方法
JP3694495B2 (ja) 路盤材若しくは埋め戻し充填材
KR20140114711A (ko) 경량혼합토를 이용한 보도블럭의 기초지반 개량 방법 및 보도블럭의 기초지반 개량 성토층
JP3641458B2 (ja) 天然石粒体と混ぜる粒状建設用資材の製造方法
JP2004218337A (ja) ソイルセメント壁造成材料
JP4743679B2 (ja) 水締め用土質改良固化材及び水締め用改良土の製造方法並びに水締め工法
KR101183187B1 (ko) 일체형 보도 포장 방법
CN206829086U (zh) 一种堤坝消浪防冲护面
KR20090114167A (ko) 석탄회와 준설토를 혼합하여 연약 지반을 개량하기 위한방법
JP2007131805A (ja) 改良地盤材料
JP2764645B2 (ja) 建設残土の有効利用法
JP7415231B2 (ja) 地面被覆用材料及びその製造方法
JP2001336145A (ja) 流動化処理土
JP5274776B2 (ja) 建設副産物からなる人工土質材料の施工方法
KR101210365B1 (ko) 퇴적폐준설토를 활용한 토양시멘트 지반안정화공법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071204

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090410

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090421

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090901

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02