JP7415231B2 - 地面被覆用材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地面を被覆するために用いる土木材料であって、特に、道路路肩、駐車場、太陽光発電設備の敷地等の舗装材料として好適な地面被覆用材料に関する。
道路路肩、駐車場、太陽光発電設備の敷地等のように、主として経済的な理由から地表面をアスファルトやコンクリート等の表層材料で仕上げることができない場所が多く存在する。従来、このような場所は、岩石や玉石を破砕機(クラッシャー)で砕いて粒度を調整したクラッシャーラン等による路盤材仕上げとしているが、このような路盤材仕上げでは時間の経過とともに雑草が繁茂するため、定期的な除草作業が必要になる。これを回避するために、さらに防草シートを敷設するなどの対策がとられることも多いが、シート材料が紫外線等の外的作用により劣化し、一定期間で交換が必要になる、という問題があった。
一方、最近では、通常の砕石系材料より強度や耐久性が高い簡易舗装材料として、製鉄副産物である鉄鋼スラグを利材化したバラス舗装材料が一部地域で販売されている。このバラス舗装材料は、地面に施工して使用する間に固化することにより防草効果(雑草が生えにくいこと)が期待でき、除草費用の軽減が可能になるとされている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
特許第5765125号公報
柏原司、外9名、「環境調和型"簡易舗装材‘カタマSP(スペシャル)’ "の開発」、新日鉄住金技報、第399号、2014年、p.26-35
このような鉄鋼スラグを利材化したバラス舗装材料は、主材料が鉄鋼スラグ(製鋼スラグと高炉水砕スラグ)であるため製鉄所が製造拠点となるが、製造された製品は潜在水硬性を有するため長時間置いておくことができないこと、さらには、製造拠点からの運搬費が高額となるという経済的な理由により、遠隔地への運搬には不向きであり、入手できる地域が限られるという問題がある。また、このバラス舗装材料は現場で適量の散水を行うことが要件とされており、適正な施工を行うためには一定のスキルが必要となるという問題もある。さらに、このバラス舗装材料には、施工が完了してから表面が固化するまでの間に降雨があると、鉄鋼スラグと雨水が接触することにより高アルカリの表面水が流出しやすいという難点もある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、道路路肩や太陽光発電設備の敷地等をはじめとする種々の場所に施工可能な材料であって、防草効果があること、高アルカリ水の流出リスクが低いこと、安価であること、施工が容易であること、広い地域で容易に入手できること、などの要求を満たすことができる地面被覆用材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、舗装材料等の地面被覆用材料として利用でき、安価であり、しかもどの地域でも容易に入手可能な材料(原料)として、従来、有効な使い道がないために残土処分場で処理されていた「砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジ」(砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する微粉分のスラッジを脱水処理したもの)に着目した。しかし、この脱水スラッジは、単体ではトラフィカビリティが低く、舗装材料等の地面被覆用材料としては使用できない。そこで、この脱水スラッジを地面被覆用材料として利用すべく検討を重ねた結果、脱水スラッジに非膨張性製鋼スラグと水硬性結合剤を適量配合することにより、舗装材料等の地面被覆材料に必要なトラフィカビリティを確保できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジ(a)に対して、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き53mmの篩を通過する粒度を有し、JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比が1.0%以下である製鋼スラグ(b)が、質量比で0.7~1.5の割合で配合され、水硬性結合剤(c)を3~10質量%含むことを特徴とする地面被覆用材料。
[2]上記[1]の地面被覆用材料において、水硬性結合剤(c)が、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高炉スラグ微粉末の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする地面被覆用材料。
[3]上記[1]又は[2]の地面被覆用材料において、脱水スラッジ(a)が河川浚渫土から砂又は/及び砂利を製造するプロセスで発生する脱水スラッジであることを特徴とする地面被覆用材料。
[4]上記[1]~[3]のいずれかの地面被覆用材料において、さらに、製鋼スラグ(b)以外の粒状材料(d)が、脱水スラッジ(a)と同量(質量%)以下の割合で配合されることを特徴とする地面被覆用材料。
[5]砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジ(a)に対して、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き53mmの篩を通過する粒度を有し、JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比が1.0%以下である製鋼スラグ(b)が、質量比で0.7~1.5の割合で配合された原料に、水硬性結合剤(c)を3~10質量%の含有量となるように添加し、ミキサーで混合することを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
[6]上記[5]の製造方法において、水硬性結合剤(c)が、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高炉スラグ微粉末の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
[7]上記[5]又は[6]の製造方法において、脱水スラッジ(a)が河川浚渫土から砂又は/及び砂利を製造するプロセスで発生する脱水スラッジであることを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
[8]上記[5]~[7]のいずれかの製造方法において、さらに、製鋼スラグ(b)以外の粒状材料(d)が、脱水スラッジ(a)と同量(質量%)以下の割合で配合された原料に、水硬性結合剤(c)を添加し、ミキサーで混合することを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
[9]上記[5]~[8]のいずれかの製造方法において、砂又は/及び砂利の製造プラントの近隣に設けられた製造拠点で、地面被覆用材料を製造することを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
[10]上記[1]~[4]のいずれかの地面被覆用材料で構成されることを特徴とする舗装。
[11]上記[1]~[4]のいずれかの地面被覆用材料を地面に敷均して転圧することにより舗装を形成することを特徴とする舗装の構築方法。
本発明の地面被覆用材料は、道路路肩、駐車場、太陽光発電設備の敷地等をはじめとする種々の場所において、舗装材料等として地面を被覆するために使用される土木材料であり、次のような効果が得られる。
(i)従来、砂又は/及び砂利の製造プラントで発生する脱水スラッジ(砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する微粉分のスラッジを脱水処理したもの)は有効な使い道がなく、残土処分場で処分されていたが、これを有効活用することができる。特に、単体ではトラフィカビリティが低く、地面被覆用材料(舗装材料等)としての性能を満たさない脱水スラッジaに、骨格材として特定の製鋼スラグbを配合し、さらに水硬性結合剤cで補強することにより、十分なトラフィカビリティを確保することができ、地面被覆用材料(舗装材料等)として有効活用することができる。
(ii)製鋼スラグb(骨格材)が高比重の粒状物であり、しかも、製鋼スラグbの固結性と水硬性結合剤cの作用によって施工後に適度に固化するため、十分な防草効果(雑草が生えにくいこと)が得られる。
(iii)適度の水分(脱水スラッジ由来の水分)と粒度分布をもつため、地面に敷均し、転圧するだけで施工可能であり、散水を行う必要もなく、特段の技術を要することなく施工することができる。
(iv)脱水スラッジaに対して製鋼スラグbと水硬性結合剤cを配合するだけであり、かつ使用する製鋼スラグbは水浸膨張比が1.0%以下であるため、鉄鋼スラグを利材化した従来のバラス舗装材料に比べて高アルカリ水の流出リスクが低い。
(v)鉄鋼スラグを利材化した従来のバラス舗装材料は、潜在水硬性があることから時間をかけて製造場所から遠隔地へ運ぶことが難しいが、本発明の地面被覆用材料は、従来のバラス舗装材料に較べて製鋼スラグの割合が少なく、しかも水浸膨張比が低い製鋼スラグを用いているため、潜在水硬性が殆どないか、あるとしても程度が低く、このため時間をかけて製造場所から遠隔地へ運ぶことも可能である。また、本発明の地面被覆用材料は、従来のバラス舗装材料に較べて製鋼スラグの割合が少なく、一方、脱水スラッジが発生する砂や砂利の製造プラントは全国各地にあるため、各地域内の砂や砂利の製造プラントの近隣に製造拠点を設け、製鋼スラグのみを製造拠点まで運搬すれば、全体としての運搬費を低く抑えることができる。以上のことから、広い地域で容易に入手できる利点もある。
(vi)主たる原料が砂や砂利の製造プラントと製鉄所で発生する副産物であるため、製造原価を低く抑えることができ、安価である。
従来の鉄鋼スラグを利材化したバラス舗装材料は、高炉水砕スラグが製鋼スラグのアルカリ刺激を受け、シリカ及びアルミナが水分に溶け出すことで、製鋼スラグから溶け出したカルシウムとポゾラン反応を起こし、石灰-シリカ-アルミナ系水和物を生成し、この水和物が粒子間を繋ぐとともに、粒子間の空隙に充填されることで固結する、というメカニズムにより強固な舗装が構成される。この従来のバラス舗装材料は、主原料が製鉄所から発生する副産物(鉄鋼スラグ)であるため、原料調達が容易で、安定して製造できるという利点があるものの、上述したように潜在水硬性があることから、時間をかけて製造場所から遠隔地へ運ぶことが難しいという問題があった。
そこで、本発明では、非潜在水硬性の舗装材料が得られる原料として、安価でかつ広い地域で入手できる原料について検討し、砂や砂利(主にコンクリートやアスファルトの骨材などに使用される)の製造プロセスで発生する脱水スラッジに着目した。砂や砂利の製造プラントは全国の至るところで稼働しており、その製品である砂や砂利は各地の土木工事等で利用されている。この砂や砂利の製造プロセスでは、製品にならない微粉分(微砂、泥など)が脱水スラッジ(脱水ケーキ)として回収されるが、この脱水スラッジは、現状では有効な使い道がなく、残土処分場で処分されている。なかでも河川浚渫土から砂や砂利を製造するプロセスでは、大量の脱水スラッジ(例えば、一般的な規模の製造プラントで30~40t/日程度)が発生し、この脱水スラッジは細粒分含有率80質量%以上、含水比26~48%程度の粘土および/またはシルト質土に相当する材料であり、その処分が大きな負担となっている。したがって、脱水スラッジを舗装材料等のような地面被覆材料として利材化できれば、経済的なメリットも大きい。
しかし、脱水スラッジは、単体ではトラフィカビリティ(地面が建設車両の走行に耐えうるかどうかの度合い)が低く、舗装材料としての性能を満たさない。そこで、脱水スラッジを舗装材料の原料として利用すべく検討を重ねた結果、脱水スラッジに対して、骨格材(地面の耐久性を確保するための骨格となる材料)として非膨張性製鋼スラグを適量配合し、さらに適量の水硬性結合剤を配合することにより、舗装材料に必要なトラフィカビリティを確保できることを見出した。
すなわち、本発明の地面被覆用材料は、砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジaに対して、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き(JIS Z8801-1に規定する公称目開き。以下においても同様。)53mmの篩を通過する粒度を有し、JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比が1.0%以下である製鋼スラグbが、質量比で0.7~1.5の割合で配合され、水硬性結合剤cを3~10質量%含む地面被覆用材料である。
本発明で使用する「砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジa」とは、以下のようなものである。主にコンクリートやアスファルトの骨材等に使用される砂や砂利は、川床や地山から採取した天然のもの(河川浚渫土から得られる砂や砂利もこれに含まれる)と、岩石を破砕して得られる人工のものとがあるが、それらの製造プロセス(プラント)では、採取したり破砕した(或いは破砕後に磨鉱した)砂や砂利を処理する過程で製品にならない微粉分(微砂、泥など)が発生する。この微砂分には、例えば、(i)微粉分を分離除去するための分級工程から排出されるもの、(ii)砂や砂利の粒子表面に付着した微粉分を洗い流すための水洗浄工程から排出されるもの、等が含まれる。これらの微粉分は、水に懸濁した状態で排出されるので、シックナーなどで沈降分離することにより回収された後、フィルタープレスなどで脱水処理される。この脱水処理されたもの(いわゆる脱水ケーキ)が、本発明で地面被覆用材料の原料として用いる脱水スラッジaである。
一般に、脱水スラッジaは、細粒分含有率(脱水スラッジを構成する粒子のうちで目開き0.072mmの篩を通過する粒子の割合)が80質量%以上、含水比(脱水スラッジに含まれる粒子の乾燥質量に対する水分の質量%)が20~40%程度である。
脱水スラッジのなかでも河川浚渫土から砂又は/及び砂利を製造するプロセスで発生する脱水スラッジは発生量が特に多く、本発明により地面被覆用材料の原料とするメリットは特に大きい。
脱水スラッジaの固形分は微粉であり、しかも水分を多く含むため、上述したように単体ではトラフィカビリティが低く、舗装材料としての性能を満たさないが、上述した特定の製鋼スラグbを適量配合し、さらに適量の水硬性結合剤cを配合することにより、舗装材料に必要なトラフィカビリティを確保することができる。すなわち、製鋼スラグbは高比重の粒状物であるため材料全体の骨格材として機能し、水硬性結合剤cは主原料(脱水スラッジa+製鋼スラグb)を結合する役割を担うことで、必要なトラフィカビリティを確保できる。
一方、砂又は/及び砂利の製造プラントは全国各地で稼働しており、したがって、各地域の砂又は/及び砂利の製造プラントの近隣に地面被覆用材料の製造拠点(製造プラントなど)を設けることにより、広い範囲(地域)で地面被覆用材料を供給することができる。
脱水スラッジaに配合する製鋼スラグbは、製鉄所(製鋼工程)において生成した後、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き53mmの篩を通過する粒度(好ましくは、さらなる条件として目開き37.5mmの篩を通過する質量分率が90~100%の粒度)であればよい。また、製鋼スラグbの細粒・微粉分が多すぎると、骨格材としての機能が低下するおそれがあるので、目開き2.36mmの篩を通過する質量分率が60%以下、望ましくは50%以下であることが好ましい。以上のような製鋼スラグの粒度は、道路路盤材(JIS A5015「道路用鉄鋼スラグ」参照)や港湾・海岸等の各種土木工事用の材料(一般財団法人 沿岸技術研究センター「港湾・空港・海岸等における製鋼スラグ利用技術マニュアル」参照)等の用途で製鉄所から出荷される製鋼スラグ製品の一般的な粒度である。
製鋼スラグは、鉄鋼製造プロセスの製鋼工程で発生するスラグであり、例えば、脱炭スラグ(転炉脱炭スラグ)、溶銑予備処理スラグ(脱珪スラグ、脱燐スラグなど)、造塊スラグ、溶融還元スラグ、電気炉スラグ等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
また、製鋼スラグbは、膨張による崩壊を防止するために、水浸膨張比(JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比)が1.0%以下のものを用いる。
脱水スラッジaに対する製鋼スラグbの配合量が質量比で0.7未満では、製鋼スラグbを配合することによるトラフィカビリティの向上が十分でなく、舗装に使用した場合に長期間経過すると轍などの発生するおそれがあり、また、防草効果も得られにくくなる。一方、脱水スラッジaに対する製鋼スラグaの配合量が質量比で1.5を超えると、非膨張性製鋼スラグであっても、雨水が接触することにより高アルカリの表面水が流出しやすい状態となるので好ましくない。
水硬性結合剤cとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高炉スラグ微粉末の中から選ばれる1種以上の粉体を用いることができる。
地面被覆用材料中での水硬性結合剤cの割合(含有量)が3質量%未満では、トラフィカビリティの向上が十分でなく、舗装に使用した場合に長期間経過すると轍などの発生するおそれがあり、また、防草効果も得られにくくなる。一方、水硬性結合剤cの割合(含有量)が10質量%を超えてもそれ以上の効果は期待できず、材料コストが増加するため却って経済性を損なう。
本発明の地面被覆用材料は、少量であれば、さらに製鋼スラグb以外の粒状材料dを含むことができる。粒状材料dとしては、例えば、建設廃土、建設廃材、浚渫土砂、鉱物ダストなどが挙げられる。ただし、粒状材料dの配合量が多すぎると、脱水スラッジaを有効利用することの意義が薄れ、また、製鋼スラグbを配合することにより効果も相対的に低下するので、粒状材料dを配合する場合でも、その配合量は、脱水スラッジaと同量(質量%)以下の割合とすることが好ましい。
舗装材料を施工した地面(道路等)は、十分なトラフィカビリティを有することが必要である。ここで、トラフィカビリティとは、地面が建設車両(ダンプトラック等)の走行に耐えうるかどうかの度合いであり、一般的には当該地面をコーンペネトロメーターで直接計測したコーン指数qcで評価されるが、ポータブルコーン貫入試験(JGS 1431)によるコーン指数値でも評価できる。コーン指数値が高いほど重量の大きい車両の走行に適している。また、室内試験で評価する場合には、JIS A1210(突固めによる土の締固め試験方法)で作成された供試体に対してJIS A1228(締め固めた土のコーン指数試験)により測定されるコーン指数(貫入抵抗の大きさ)により評価できる。
上述したように本発明の地面被覆用材料は、舗装材料等として十分なトラフィカビリティが得られる。すなわち、本発明では、単体ではトラフィカビリティを確保できない脱水スラッジaを、特定の製鋼スラグbと水硬性結合剤cを混合して改質することにより、舗装材料等の地面被覆用材料として有効活用可能としたものである。さらに、本発明の地面被覆用材料には、以下のような利点がある。
(1)製鋼スラグb(骨格材)が高比重の粒状物であり、しかも、製鋼スラグbの固結性と水硬性結合剤cの作用によって施工後に適度に固化するため、十分な防草効果(雑草が生えにくいこと)が得られる。
(2)適度の水分(脱水スラッジ由来の水分)と粒度分布をもつため、地面に敷均し、転圧するだけで施工可能であり、散水を行う必要もなく、特段の技術を要することなく施工することができる。
(3)脱水スラッジaに対して製鋼スラグbと水硬性結合剤cを配合するだけであり、かつ使用する製鋼スラグbは水浸膨張比が1.0%以下であるため、鉄鋼スラグを利材化した従来のバラス舗装材料に比べて高アルカリ水の流出リスクが低い。
(4)従来のバラス舗装材料に較べて製鋼スラグの割合が少なく、しかも水浸膨張比が低い製鋼スラグを用いているため、潜在水硬性が殆どないか、あるとしても程度が低く、このため時間をかけて製造場所から遠隔地へ運ぶことも可能である。また、従来のバラス舗装材料に較べて製鋼スラグの割合が少なく、一方、脱水スラッジaが発生する砂又は/及び砂利の製造プラントは全国各地にあるため、各地域の砂又は/及び砂利の製造プラントの近隣に製造拠点を設け、製鋼スラグのみを製造拠点まで運搬すれば、全体としての運搬費を低く抑えることができる。また、以上のことから、広い地域で容易に入手できる利点もある。
(5)使用する原料はすべてばらつきの小さい工場生成物であるので品質変動を小さく抑えることが可能である。
(6)地面被覆用材料に期待する機能、例えば、「防草のみ(車両走行なし)」、「車両走行あり」等に応じて、脱水スラッジaに対する製鋼スラグbと水硬性結合剤cの配合割合を調整することが可能である。
(7)主たる原料が砂又は/及び砂利の製造プラントと製鉄所で発生する副産物であるため、製造原価を低く抑えることができ、安価である。
本発明の地面被覆用材料は、上述した脱水スラッジaに対して、製鋼スラグbが質量比で0.7~1.5の割合で配合された原料に、水硬性結合剤cを3~10質量%の含有量となるように添加し、ミキサーで混合することにより製造することができる。より具体的な製法として、例えば、以下のような実施形態とすることができる。山積みされた脱水スラッジaには塊状に凝集して固まったものも含まれるので、脱水スラッジaを製鋼スラグbとともに振動篩に投入して、脱水スラッジaの分級と製鋼スラグbとの混合を同時に行う。そして、この脱水スラッジaと製鋼スラグbの混合物を、水硬性結合剤cとともにミキサーに投入して混合する。これにより本発明の地面被覆用材料が得られる。また、原料に製鋼スラグb以外の粒状材料dを配合する場合には、この粒状材料dも脱水スラッジa、製鋼スラグbとともに前記振動篩に投入すればよい。
地面被覆用材料の製造は、全国各地で稼動する砂又は/及び砂利の製造プラントの近隣に設けられた製造拠点(製造プラントなど)で行うようにすることが好ましく、これにより、広い範囲(地域)において地面被覆用材料を供給することができ、運搬コストも低減できる。また、製造拠点から施工場所まで運搬する間に、水硬性結合剤の作用による疑似粒子化の進行も期待でき、地面被覆用材料として好適に用いることができる。
本発明の地面被覆用材料は、例えば、道路、道路路肩、歩道、宅地などの通路、駐車場、太陽光発電設備の敷地などのような地面の舗装材料として使用できるほかに、河川護岸面、盛土や切土による法面などのような地面を被覆する材料としても広く用いることができる。
本発明の地面被覆用材料を施工して舗装を構築するには、地面被覆用材料を地面に敷均し、振動ローラーやバックホー等の転圧手段で転圧するだけでよく、地面被覆用材料には脱水スラッジ由来の水分が含まれているため、散水を行う必要もない。
砂製造プロセスで発生した脱水スラッジに、製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)と水硬性結合剤である高炉セメントを配合し、ミキサーで混合して地面被覆用材料を製造した。配合材料の内訳、物性値などは以下の通りである。
(1)脱水スラッジ
以下に示すような含水比、単位体積重量が異なる3種類の脱水スラッジA~Cを用いた。
*脱水スラッジA
・含水比:29%
・単位体積重量:1.940g/cm(水分込みの重量)
*脱水スラッジB
・含水比:25.8%
・単位体積重量:1.982g/cm(水分込みの重量)
*脱水スラッジC
・含水比:48%
・単位体積重量:1.715g/cm(水分込みの重量)
(2)製鋼スラグ
・粒度:製鋼工程で発生した後、破砕と分級を経て得られた製鋼スラグであって、分級において全量が目開き53mmの篩を通過し、目開き2.36mmの篩を通過する割合が50質量%である粒度の製鋼スラグ
・見掛け密度:3.0g/cm(乾燥重量)
(3)高炉セメント
・見掛け密度:3.05g/cm(乾燥重量)
原料である脱水スラッジと、製造された地面被覆用材料について、トラフィカビリティを評価するため、締め固めた土のコーン指数試験(JIS A1228)に準拠した試験方法でコーン指数値を測定した。その結果を、地面被覆用材料の原料配合条件とともに表1に示す。
ダンプトラックの走行に必要なトラフィカビリティは、コーン指数で1200kN/m以上である。表1によれば、脱水スラッジA~Cのコーン指数は330~432kN/mであり、ダンプトラックの走行に必要なトラフィカビリティが確保できない。また、製鋼スラグの配合量が本発明条件に満たない比較例(No.7、No.8)の地面被覆用材料もコーン指数が低く、必要なトラフィカビリティが確保できない。これに対して本発明例(No.1~No.5)の地面被覆用材料は、コーン指数3945~11815kN/mであり、十分なトラフィカビリティを確保できることが判る。また、No.6の本発明例は、No.4をベースとし、粒状材料dとして浚渫土を脱水スラッジaとほぼ同量使用して製造された地面被覆用材料であり、この地面被覆用材料もコーン指数2780kN/mであり、十分なトラフィカビリティを確保できている。
本発明例(No.1~No.6)の地面被覆用材料を60mの駐車場にそれぞれ5m×2mの範囲に施工して、1年間使用したところ、年間を通じて雑草の生育は見られず、除草作業を行う必要がなかった。
Figure 0007415231000001

Claims (11)

  1. 砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジ(a)に対して、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き53mmの篩を通過する粒度を有し、JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比が1.0%以下である製鋼スラグ(b)が、質量比で0.7~1.5の割合で配合され、水硬性結合剤(c)を3~10質量%含むことを特徴とする地面被覆用材料。
  2. 水硬性結合剤(c)が、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高炉スラグ微粉末の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1に記載の地面被覆用材料。
  3. 脱水スラッジ(a)が河川浚渫土から砂又は/及び砂利を製造するプロセスで発生する脱水スラッジであることを特徴とする請求項1又は2に記載の地面被覆用材料。
  4. さらに、製鋼スラグ(b)以外の粒状材料(d)が、脱水スラッジ(a)と同量(質量%)以下の割合で配合されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の地面被覆用材料。
  5. 砂又は/及び砂利の製造プロセスで発生する脱水スラッジ(a)に対して、破砕と分級を経て得られる製鋼スラグであって、分級において目開き53mmの篩を通過する粒度を有し、JIS A5015の附属書Bで規定される水浸膨張試験による水浸膨張比が1.0%以下である製鋼スラグ(b)が、質量比で0.7~1.5の割合で配合された原料に、水硬性結合剤(c)を3~10質量%の含有量となるように添加し、ミキサーで混合することを特徴とする地面被覆用材料の製造方法。
  6. 水硬性結合剤(c)が、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、高炉スラグ微粉末の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項5に記載の地面被覆用材料の製造方法。
  7. 脱水スラッジ(a)が河川浚渫土から砂又は/及び砂利を製造するプロセスで発生する脱水スラッジであることを特徴とする請求項5又は6に記載の地面被覆用材料の製造方法。
  8. さらに、製鋼スラグ(b)以外の粒状材料(d)が、脱水スラッジ(a)と同量(質量%)以下の割合で配合された原料に、水硬性結合剤(c)を添加し、ミキサーで混合することを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の地面被覆用材料の製造方法。
  9. 砂又は/及び砂利の製造プラントの近隣に設けられた製造拠点で、地面被覆用材料を製造することを特徴とする請求項5~8のいずれかに記載の地面被覆用材料の製造方法。
  10. 請求項1~4のいずれかに記載の地面被覆用材料で構成されることを特徴とする舗装。
  11. 請求項1~4のいずれかに記載の地面被覆用材料を地面に敷均して転圧することにより舗装を形成することを特徴とする舗装の構築方法。
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