JP4109376B2 - 石灰処理土を用いたソイルモルタルの製造方法及びそれを用いた盛土工法 - Google Patents

石灰処理土を用いたソイルモルタルの製造方法及びそれを用いた盛土工法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、土木建設工事における埋戻し、裏込め、充填及び盛土等の施工において用いられる流動化処理された土、及びそれを用いた施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木建設工事における土砂の埋戻し、裏込め、充填及び盛土の施工方法には、施工用土砂として、施工現場の発生土、例えば掘削残土を用いる施工法や、当該発生残土が不良の場合には、これに替えて良質の土砂を用いるか又は当該発生残土に固化材等の土質改良材を配合した改良土を用いる施工法が知られている。
【0003】
この施工法は、締め固めや突き固めを要するが、例えば、下水道管、ガス管及び通信ケーブル等の管路式地中線路等の埋設管の敷設及び補修に伴なう埋戻しにおいては、転圧機等の圧を埋設管の破損の恐れのない程度に制御する必要がある。このような理由により、埋設管回りは十分な締固めや突固めが困難となったり、充填性が不十分で空洞が残存しがちとなり、これが地盤沈下や陥没等のトラブルの原因となる等の問題がある。また、この場合、埋設管等に過大な応力が発生し易く、破損に連なることにもなる。同様なことは、擁壁や橋台等の裏込め工法においても生じる。
【0004】
一方、このような問題を解決するために、いわゆる流動化処理工法が種々提案されている。この流動化処理工法とは、土木建設工事等の現場で発生した土に対して、流動性を付与し、充填性を高めるための処理を施した流動化処理土を用いて、土木建設工事を行なう工法である。ここで用いる流動化処理土として、従来、例えば特開昭63−233115号公報には、往復回転式撹拌により土砂に水と固化材とを混合し撹拌して得られた流動化処理土(以下、先行文献1という)が開示され、特開平1−312118号公報には、掘削土に水硬性固化材と水とを配合し流動化させた流動化処理土(以下、先行文献2という)が開示され、特開平6−344328号公報には、土砂と水とを混合して得られた泥水と、固化材との混合物とからなる速効性流動化処理土が開示されており(以下、先行文献3という)、また特開平7−82984号公報には、被処理土に粘土、シルト、ベントナイト程度の細粒土を含む泥水を混合して所要の調整泥水を調製し、これに固化材を添加した流動化処理土(先行文献4という)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行文献1〜4の流動化処理土を用いた流動化処理工法によれば、それぞれの発明が解決しようとする問題点の解決には効果がある。しかしながら、上述した先行文献においては、当該流動化処理土が、発生残土、これに固化材を配合したもの、あるいは土砂(以下、残土等という)よりも、少なくとも水や泥水の混合により増量されているので、その増量分だけ残土等の利用率が低下するし、また、流動化処理土を調製するのに大型の装置を要する。特に、施工現場が狭いときには、作業が困難となったり、装置の設置用スペースが確保できず、別のより広いスペースの適当な場所に設けた装置で流動化処理土を調製し、これを施工現場まで搬送する作業等が発生して工程が繁雑となる。そしてこれに伴いコストも上昇する。
【0006】
一方、土木建設工事において、特に盛土構造物を施工する場合、例えば鉛直盛土、急勾配盛土、トンネル坑口等の抑え盛土、あるいは締固めのできない水中での盛土等の盛土構造物を施工する場合には、これに用いる流動化処理土としては、従来の流動化処理工法で用いられるものの物理的諸特性のそれぞれがバランスよく優れていることが要求される。
【0007】
しかしながら、従来の埋戻し、裏込め及び充填施工のみならず、盛土構造物を施工するために上述した要求を満たすような流動化処理土は見当たらない。
【0008】
そこで、この発明の目的は、盛土構造物を施工するのに好適であるように、下記条件を満たすような流動化処理土及びこれを用いた流動化処理工法を提供することを目的とした。
1.充填性が良好であって空洞が残存せず、流動性、耐材料分離性、強度等の物性が総合的にバランスよく優れていること。
2.水及び水硬性硬化材と混合するだけで調製することができ、且つ小型の装置で容易に調製可能であること。
3.建設発生土の利用率を高くすることができること。
4.安定した施工ができ、しかも施工作業性に優れていること。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した観点から盛土構造物の施工に適した流動化処理土及びこれを用いた流動化処理工法の開発研究を重ねた。その結果、下記知見を得た。
【0010】
従来技術におけるように泥水等の調整材を用いず、予め建設発生土等の土塊に生石灰(CaO)又は主体が生石灰である土質改良材を適量添加し、混合する。これにより上記土塊が解砕され易くなり、解砕工程で細粒化が促進される。その結果、篩分け処理が容易になり、粒径分布も安定化する。こうして調製された石灰改良土に、セメントスラリーのような水と水硬性固化材とを添加し混練すると、石灰の団粒化作用により、土粒子の溶出が抑制される。その結果、流動性に優れた処理土が得られる。更に好都合なことに、処理土の流動性向上により、上記混練水量を減らすことが可能となり、建設発生土の利用率を増やすことが可能となる。
【0011】
こうして得られたソイルモルタルを盛土構造物の施工に用いる場合、これをシュート打設すれば、必要な流動性は小さくてよくなり、混練水量を一層減らすことができる。こうして、建設発生残土の利用率を更に大きくすることが可能となる。このようにして、盛土構造物の施工に好適なソイルモルタルが得られるとの知見を得た。この発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は次の通りである。
【0012】
請求項1記載のソイルモルタルの製造方法は、土木建設工事において盛土構造物に用いられるソイルモルタルの製造方法であって、土塊と、当該土塊1m3に対して10〜300kgの割合の生石灰又は主体が生石灰である、土質改良材とを配合し、この配合物を混合し、そして上記土塊及び土質改良材を解砕して細かくし、こうして得られた石灰による改良土、即ち石灰改良土に水と水硬性固化材とを添加し混合することに特徴を有するものである。
【0013】
請求項2記載のソイルモルタルの製造方法は、請求項1記載の発明において、前記ソイルモルタルは、石灰処理土を50vol.%以上含ませたものであることに特徴を有するものである。
【0014】
請求項3記載のソイルモルタルの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、石灰処理土に水と水硬性硬化材とを添加し混合して得られた処理土に対して、更に篩分け等による分級処理を施ことに特徴を有するものである。
【0015】
請求項4記載のソイルモルタル盛土工法は、土木建設工事において盛土構造物を、流動化処理された土を用いて施工する土木建設工法であって、請求項1、2又は3記載の方法によりソイルモルタルを製造し、当該流動化処理された土として前記ソイルモルタルを用い、且つ、当該ソイルモルタルの輸送手段としてポンプを含む輸送装置を用いて上記盛土構造物の建設現場へ輸送することに特徴を有するものである。
【0016】
請求項5記載のソイルモルタル盛土工法は、土木建設工事において盛土構造物を、流動化処理された土を用いて施工する土木建設工法であって、請求項1、2又は3記載の方法によりソイルモルタルを製造し、流動化処理された土として前記ソイルモルタルを用い、且つ、当該ソイルモルタルをシュート打設することに特徴を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図を参照しながら説明する。
【0018】
(1)図1は、この発明のソイルモルタルの調製工程及びそのソイルモルタルを用いて盛土構造物を施工するソイルモルタル盛土工法を説明する概略フロー図である。同図において、1は土塊、2は土質改良材、3は秤量配合装置、4は混合解砕機、そして5は石灰改良土である。土塊1と生石灰を含む土質改良材2とを秤量配合装置を通して、所定割合の配合物を混合解砕機4へ装入する。ここで混合・解砕されて土質が改良された石灰改良土5を得る。得られた石灰改良土5に所定量の水6と水硬性固化材7とを混練機8に入れて混練処理をして、所要のソイルモルタル9を調製する。こうして調製されたソイルモルタル9を混合機から排出して、輸送装置10に導く。輸送装置10にはポンプが備えられており、これによりソイルモルタル9を盛土構造物12の工事現場へ輸送する。輸送装置10としては、盛土構造物12の種類やその工事現場の状況に応じて、例えばポンプ車、あるいはポンプと輸送用配管との組み合わせ装置が好適である。工事現場へ輸送されたソイルモルタル9は、打設装置11を用いて所定の盛土構造物12を施工する。
【0019】
(2)上記工程において、石灰改良土5の調製に用いる土塊1の原料土の種類については特別な制限は不要であり、例えばシルト質土、粘性土、砂質粘性土、砂礫質粘性土、ローム、火山灰質粘性土、砂質土、及び砂礫等の内のいずれを用いてもよく、また、建設発生残土あるいは良質な土砂のいずれでも用いることができる。上記土塊の各種原料土の構成比率についても、特別な制限をする必要はない。そして、建設現場で発生する残土はできるだけ多く元に埋め戻すこと(再利用すること)が望ましい。即ち、建設発生土の利用比率をできるだけ高めることが、施工工事のコスト上有利であり、また環境保全上も望ましい。この観点から、この発明のソイルモルタルを用いたソイルモルタル盛土工法を有利に行なうためには、ソイルモルタル中の石灰改良土の配合割合を、50vol.%以上とすることが望ましい。また、石灰改良土のソイルモルタル中の割合を50vol.%以上にしても全く問題はなく、ソイルモルタルの物性は安定しており、その水準及びその間のバランスにも優れており、またソイルモルタル盛土工法を安定して施工することができる。
【0020】
土質改良材2としては、生石灰を所定量含有するものを用いる。生石灰単味でもよく、また生石灰を主体とし、これに副資材としてセメント、石膏あるいはスラグ等を配合したものでもよい。但し、副資材の配合率は、50wt.%未満とし、望ましくは40wt.%以下とする。副資材の配合率が多すぎると土質改良効果が十分発揮されなくなるからである。土質改良材2として、このように生石灰系の土質改良材を用いるのは、これにより土塊がスムーズに解砕されるからである。これは、生石灰(CaO)が土塊1に配合されると、CaOが土塊中の水分を吸収し、消化反応を起こし、その生成物が土中においてイオン交換等の作用を生じることによるものと推定される。
【0021】
上記生石灰系の土質改良材2の、土塊1に対する配合率は、土塊の種類や施工対象とする盛土構造物の種類に応じて適正な値に決めるべきである。本発明者等の実験によれば、土塊及び盛土構造物の種類が変化しても、上記土質改良材2の上記配合率は、土塊1m3に対して10〜300kgの範囲内とすべきである。そして望ましくは、20〜200kgの範囲内とすべきである。生石灰系の土質改良材の配合率が、上記下限値より少ないと、当該土質改良材の上記作用・効果が十分には発揮されず、一方、上記上限値よりも多くても、その量に応じた効果の向上は認められず、コスト的に不利となる。
【0022】
(3)上述したように、生石灰系の土質改良材は上記作用・効果を有するので、土塊とともに混合処理をすると、土塊の解砕が促進される。従って、上記混合処理に際しては、土塊と土質改良材との混合及び解砕を同じケーシング内部で行なうことができるような、混合解砕機を用いるのが望ましい。例えば、ドラムミキサー、一軸又は二軸のパドルミキサー、リボンミキサー、ダブルロールクラシャー、インパクトクラッシャー、あるいはこれらを適宜組み合わせて用いればよい。但し、土塊に不良残土を用いる場合には、例えば下記条件を満たす混合解砕機を用いると特に効果的である。
【0023】
上部に生石灰系の土質改良材が添加された土塊の供給口、下部に混合解砕された石灰改良土5の排出口を有する。そして、上端から下端に向けて末広がりのテーパをもつ台形状箱型ケーシング内に、遠心力によって振り出される揺動自在の羽根が軸外周部と軸方向とに分割して配列された第一及び第二の駆動ロータが、それぞれ左右に並列に配置され、更にこれらと同じ形状の第三の駆動ロータが、前記2個の駆動ロータの中間位置下側に配置されたものが好適である。
【0024】
この混合解砕機のケーシングは上記形状を有するので、揺動自在の羽根による打撃効果によって分散される土塊が、当該ケーシング側壁へ付着堆積するのが防止される。
【0025】
上記混合解砕機を用いると、コンクリートガラ、アスファルトガラ及び礫等種々の夾雑物を含む建設残土、砕石洗浄ケーキ、シールド泥土、並びに、ダム等の堆積土等の不良残土を用いた場合に効果的である。
【0026】
(4)上記混合解砕機について更に詳細に説明する。
【0027】
図2は、混合解砕機の一例の内部構造を示す断面図である。同図において13は箱型の本体(ケーシング)であって、その上端部に原料の生石灰系の土質改良材が混入された土塊の供給口14が設けられ、下端部(底部)はケーシングの全面を開放した広い解砕土の排出口15が設けられている。ケーシング13の形状は、上端部から下端部の排出口に向けて末広がりの台形状をなし、本体ケーシング内面への土の付着を防止することができる形状になっている。更に、ケーシング上端内面には、供給口14の下端付近から外方に、断面V字状の遮蔽板16が周設され、これにより供給原料の外方への散逸を抑止するとともに、駆動ロータの回転により生じる上昇気流に随伴されて舞い上がる発塵を遮り、混合解砕機外へ出さない形状としている。
【0028】
(5)このようにして、石灰改良土5は、土塊1が細かく解砕されたものとなり、その粒径も揃った均質な混合状態のものとなる。この石灰改良土は、篩分け等の分級処理を行なうことにより粒径分布を更に揃えることができる。
【0029】
(6)次に、石灰改良土5に、水6及び水硬性固化材7を添加し、混練処理して流動化させた混練物であるソイルモルタル9を調製する。ここで、水硬性固化材7としては、例えばポルトランドセメント、高炉セメント及びフライアッシュセメント等のセメント、セメント系固化材、並びに、高炉スラグ微粉末等を用いる。
【0030】
盛土構造物の施工に用いるためのソイルモルタル9を調製するための材料配合率は、当該処理土9を施工現場へ輸送するためのポンプ車、あるいはポンプと輸送用配管との組合せ装置により、当該処理土9を安定した状態で当該施工現場まで輸送することができることが要求される。そのための流動性を備えていることが必要である。工事現場に当該処理土を輸送する必要がない条件下にあって、当該処理土9をシュート打設により盛土構造物を施工する場合には、当該処理土9の流動性はより小さくてもよくなる。上記材料配合率は、以上の条件を満たし、更に、盛土構造物12に要求される強度、及び施工条件下での処理土9の流動性等に応じて決められる。
【0031】
本発明者等は、上記観点から、ソイルモルタル9の材料配合率を検討した結果、下記結論を得た。即ち、この流動化処理土においては、水及び水硬性固化材が要求される強度や施工条件下での流動性等に応じて適量用いられ、好ましくは、100〜500kg/m3及び30〜500kg/m3の範囲の割合でそれぞれ配合される。また、このソイルモルタル9には、埋戻し、裏込め及び充填施工に用いられる通常の流動化処理土に添加される添加剤である、起泡剤、分散剤あるいは流動化剤を配合してもよい。
【0032】
(7)こうして調製されたソイルモルタル9を、ポンプが備えられた輸送装置10によって土木工事現場へ輸送する。土木工事現場へ輸送されたソイルモルタル9をシュート打設して盛土構造物を施工する。ここで、盛土構造物としては、例えば、道路の拡幅工事や造成地における鉛直盛土や急勾配盛土、トンネル坑口等の抑え盛土、あるいは締固めのできない水中での各種盛土等を対象とするものである。ソイルモルタル9を混練調製し、これを配管輸送をせずに直接盛土構造物のシュート打設に供する場合には、その流動性は小さくてよいから、その材料配合率中の混練水の割合は、上記10〜500kg/m3-石灰改良土の範囲内の少量部分でよい。即ち、この場合には打設されるソイルモルタル9中の石灰改良土5の比率が増えるので、土塊1の使用比率が上昇し、これに伴って建設発生残土の利用率も増やすことが可能となる。
【0033】
【実施例】
この発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0034】
(1)比較例1〜5、実施例1〜5
比較用土N0.1〜5:横浜市内の礫混じり粘性土からなる建設発生土を同じ箇所で5回採取し、各採取土NO.1〜5を比較用土NO.1〜5とし、そのまま流動化処理土の調製に用いた。
【0035】
石灰改良土NO.1〜5:上記比較例で用いたものと同じ建設発生土を同じ箇所で5回採取し、各採取土NO.6〜10に生石灰を50kg/m3-採取土の割合で配合したものを、図2に示したような混合解砕機により細かくした後、20mmの篩で分級して各改良土を調製し、石灰改良土NO.1〜5とし、ソイルモルタルの調製に用いた。
【0036】
比較例1〜5及び実施例1〜5:比較用土NO.1〜5及び石灰改良土NO.1〜5のそれぞれに、セメント、水及び起泡剤を、表1に示す配合量で配合し、混練して流動化処理土を調製し、それぞれから、本発明の範囲外の流動化処理土である比較例1〜5、及び、本発明の範囲内の流動化処理土(ソイルモルタル)である実施例1〜5を得た。次いで、その物性試験を行なった。物性試験により、各流動化処理土のフロー値、単位体積重量、ブリージング率及び一軸圧縮強さを求めた。その結果を、表2に示す。なお、フロー値は、調製直後の流動化処理土について、JIS R 5201に基づくフロー試験により、ブリージング率は、調製直後の流動化処理土について、JSCE−1986に基づくブリージング試験により測定した。また、一軸圧縮強さは、流動化処理土で直径50mm、高さ100mmの円柱状の供試体を作成し、20℃、湿度80%の恒温室で28日間、湿空養生した後、JIS A 1216に基づく一軸圧縮試験により測定した。
【0037】
【表1】
Figure 0004109376
【0038】
【表2】
Figure 0004109376
上記試験結果より明らかなように、比較例1〜5の流動化処理土については、原料土が同じ箇所のものであるにもかかわらず、流動化処理土の物性値に大きなバラツキがあって物性が安定していない。しかも、フロー値の高いものはブリージング率が劣化し、一軸圧縮強さが低く、一方、ブリージング率がの良好なものは、フロー値や一軸圧縮強さが低い。また、一軸圧縮強さが高いものは、フロー値が低く、ブリージング率が劣化している。
【0039】
これに対して、本発明の範囲内の流動化処理土(ソイルモルタル)である実施例1〜5については、これら相互間における物性値のバラツキは極めて小さく、安定した物性を示し、しかも、各物性の水準及び各物性値間のバランスに優れていることがわかる。
【0040】
次いで、実施例1〜5のソイルモルタルを用いて、道路の拡幅工事に伴う鉛直盛土構造物の施工試験を行った。試験はポンプを用いてソイルモルタルを送出し、配管を通して工事現場に輸送し、シュート打設により鉛直な壁を有する盛土の施工を行なった。施工作業は実施例1〜5のいずれのソイルモルタルを用いた場合でも安定して良好に行なわれた。
【0041】
(2)比較例6、実施例6〜8
比較用土NO.6:横浜市内の礫混じり粘性土からなる建設発生土を採取し、この採取土NO.6を比較用土NO.6とし、これに生石灰等の土質改良剤を添加することなく、そのまま流動化処理土の調製に用いた。
【0042】
石灰改良土NO.6〜8:上記比較例6で用いたものと同じ建設発生土を同じ箇所で3回採取し、各採取土NO.7、8、9に、採取土1m3に対して、生石灰をそれぞれ52kg、105kg、157kgの割合で配合したものを、図2に示したような混合解砕機により細かくした後、20mmの篩で分級して各改良土を調製し、石灰改良土NO.6〜8とし、ソイルモルタルの調製に用いた。
なお、表3に、比較用土NO.6及び石灰改良土NO.6〜8の、採取土1m3に対して配合した生石灰量の配合をまとめて示す。
【0043】
比較例6及び実施例6〜8:比較用土NO.6及び石灰改良土NO.6〜8のそれぞれに、高炉セメント、混練水を、表4に示す配合量で配合し、混練して流動化処理土を調製し、それぞれから、本発明の範囲外の流動化処理土である比較例6、及び、本発明の範囲内の流動化処理土(ソイルモルタル)である実施例6〜8を得た。次いで、その物性試験を行ない、各流動化処理土のフロー値、及び一軸圧縮強さを求めた。その結果を、表4に併記して示す。なお、フロー値及び一軸圧縮強さの試験方法は、前記した方法と同じである。
【0044】
【表3】
Figure 0004109376
【0045】
【表4】
Figure 0004109376
上記試験結果より明らかなように、比較例6の流動化処理土は、土質改良材としての生石灰が添加されていないものであり、フロー値は良好であるが、一軸圧縮強さが低く、両物性値のバランスにも劣る。
【0046】
これに対して、本発明の範囲内のソイルモルタルである実施例6〜8については、フロー値はいずれも良好である。一軸圧縮強さも、所要の水準を確保している。本発明のソイルモルタルの一軸圧縮強さと土質改良材である生石灰配合量との関係をみると、石灰改良土に対する水硬性固化材である高炉セメントの配合割合が、ほぼ200kg/m3-石灰改良土の割合で一定の場合に、生石灰配合量が増加すると、一軸圧縮強さが大きくなっている。
【0047】
次いで、実施例6〜8のソイルモルタルを用いて、道路の拡幅工事に伴う鉛直盛土構造物の施工試験を行った。試験はポンプ車を用い、シュート打設により鉛直な壁を有する盛土の施工を行なった。施工作業は実施例6〜8のいずれのソイルモルタルを用いた場合でも安定して良好に行なわれた。
【0048】
【発明の効果】
この発明によれば、混練水及び水硬性硬化材と混合するだけで、充填性、流動性、耐材料分離性及び強度についての物性が総合的にバランスよく優れた、盛土構造物の施工に好適な流動化処理土、即ち、ソイルモルタルが得られる。そしてこのソイルモルタルは、小型の装置で容易に調製することができる。また、このソイルモルタルを用いることにより、土木工事現場で発生する残土の利用率を高めることが可能となる。更に、このソイルモルタルの輸送を、ポンプを用いて行なうことができ、シュート打設施工も可能であり、施工作業性に優れている。このようなソイルモルタル及びそれを用いたソイルモルタル盛土工法を提供することができ、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のソイルモルタルの調製工程及びそれを用いたソイルモルタル盛土工法を説明する概略フロー図である。
【図2】混合解砕機の一例の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 土塊
2 土質改良材
3 秤量・配合装置
4 混合解砕機
5 石灰改良土
6 水
7 水硬性固化材
8 混練機
9 ソイルモルタル
10 輸送装置
11 シュート打設装置
12 盛土構造物
13 本体(ケーシング)
14 供給口
15 排出口
16 遮蔽板
17 第1ロータ
18 第2ロータ
19 第3ロータ

Claims (5)

  1. 土木建設工事において盛土構造物に用いられるソイルモルタルの製造方法であって、土塊と、当該土塊1m3に対して10〜300kgの割合の生石灰又は主体が生石灰である、土質改良材とを配合し、こうして得られた配合物を混合し、そして前記土塊及び前記土質改良材を解砕し、こうして得られた石灰改良土に水及び水硬性固化材を添加し混合することを特徴とする、ソイルモルタルの製造方法。
  2. 前記ソイルモルタルは、50vol.%以上の石灰改良土を含むものであることを特徴とする、請求項1記載のソイルモルタルの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の前記石灰改良土に水及び水硬性硬化材を添加し混合して得られた処理土に対して、更に分級処理を施ことを特徴とする、ソイルモルタルの製造方法。
  4. 土木建設工事において盛土構造物を、流動化処理された土を用いて施工する土木建設工法であって、請求項1、2又は3記載の方法によりソイルモルタルを製造し、当該流動化処理された土として前記ソイルモルタルを用い、且つ、当該ソイルモルタルの輸送手段としてポンプを含む輸送装置を用いて、前記盛土構造物の建設現場へ輸送することを特徴とする、ソイルモルタル盛土工法。
  5. 土木建設工事において盛土構造物を、流動化処理された土を用いて施工する土木建設工法であって、請求項1、2又は3記載の方法によりソイルモルタルを製造し、流動化処理された土として前記ソイルモルタルを用い、且つ、当該ソイルモルタルをシュート打設することを特徴とする、ソイルモルタル盛土工法。
JP05838299A 1999-03-05 1999-03-05 石灰処理土を用いたソイルモルタルの製造方法及びそれを用いた盛土工法 Expired - Fee Related JP4109376B2 (ja)

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