JPWO2010095334A1 - 同軸線配線体、その製造方法、および電子機器 - Google Patents

同軸線配線体、その製造方法、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 筐体の挿入口における防水性を確保し、ヒンジおよびその周辺の構造を小型化・簡単化しながら、部品点数を抑えた、同軸線配線体およびそれを用いた電子機器を提供する。【解決手段】 複数の同軸線11(1)と、複数の同軸線11と一体化するように形成されたシール部3とを備え、シール部3は、複数の同軸線の間隙を充填する間隙充填部3jと、複数の同軸線を取り囲む周縁部3sとを有することを特徴とする。【選択図】 図5

Description

本発明は、同軸線配線体、その製造方法、および電子機器に関し、たとえば、ヒンジで結ばれた2つの筐体間を同軸線で導電接続する機構を持つ電子機器において、ヒンジが水に濡れても、同軸線を伝って2つの筐体への水が侵入するのを防止することができる、同軸線配線体、その製造方法、およびその同軸配線体を用いた電子機器に関するものである。
携帯電話等の電子機器では、2つの筐体がヒンジによって連結され、表示部が設けられた第1の筐体内の回路と、キー操作部が設けられた第2の筐体内の回路とは、配線体で導電接続される。近年、これら電子機器では防水性が求められる趨勢にあり、とくに携帯電話は、プールやバスルーム等での使用機会が増えるに伴い、筐体に設けられた配線体挿入口の部分に、防水性を備えることが要求される。配線体には、一軸ヒンジ構造の場合にはフレキシブルプリント配線基板、フラットケーブル等が用いられるが、二軸ヒンジ構造の場合には等方的柔軟性が必要なために、同軸線が用いられることが多い。二軸ヒンジ構造で連結された2つの筐体を持つ携帯電話に対して、防水性を付与するために、筐体間を気密に結ぶチューブと、そのチューブの端に取り付けられて筐体の配線体挿入口に嵌め込まれる筒状シール部材と、その筒状シール部材に巻かれたOリングとを備える構造が提案された(特許文献1)。Oリングは、筒状シール部材に巻装された状態で、筐体の配線体挿入口に嵌入される。同軸線は、ヒンジ構造内を通り抜けるチューブ内を通って、2つの筐体間に配線される。2つの筐体間において同軸線がチューブ外に出ることはないので、ヒンジ構造が水に濡れても、水が同軸線を伝って筐体内に侵入することは防止される。
特開2008−263285号公報
上記の配線体の防水構造は、チューブ、筒状シール部材、Oリング等の部品を必須とする。このため、配線体に、空間的に重複する部分を生じ、(同軸線+チューブ)の断面積は増大して大きなものとなる。(同軸線+チューブ)は、ジグザグに屈曲しながらヒンジ構造内を通り抜けて、2つの配線体挿入口間に配置される。この結果、配線体の本数によっては、ヒンジ構造およびその周辺の構造が複雑化し、かつ大型化する場合を生じる。また部品点数が多くなるため、部品調達コストおよび製造工程が複雑になり、経済性が低いものとなる。
本発明は、筐体の挿入口における防水性を確保し、ヒンジおよびその周辺の構造を小型化・簡単化しながら、部品点数を抑えた、同軸線配線体、その製造方法、および同軸配線体を用いた電子機器を提供することを目的とする。
本発明の同軸線配線体は、複数の同軸線と、複数の同軸線と一体化するように形成されたシール部とを備える。そして、シール部は、複数の同軸線の間隙を充填する間隙充填部と、複数の同軸線を取り囲む周縁部とを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、たとえば筐体の配線挿入口に、上記のシール部を嵌め込むことで、水が同軸線を伝って筐体内に侵入するのを防止しながら、その筐体の内部の電気回路に同軸線を配設することができる。なお、上記のシール部のみでシール装置を構成してもよいし、Oリング等の他の部品を用いてシール装置を構成してもよい。上記の間隙充填部は、水が複数の同軸線の間隙を伝ってシール部を通り抜けるのを防止できる程度の充填度であればよく、シール部の全通過部分の間隙部を完全に充填している必要はない。本発明では、広くは、シール部と複数の同軸線との接触面は、融けて融着していてもよいし融着していなくてもよい。
上記の構成では、複数の同軸線は、シール部において間隙充填部および周縁部に重複されるだけで、この部分は電子機器内では筐体の挿入口に嵌め込まれて固定される部分であるので、断面積は増大しない。また、シール部以外の部分では同軸線は裸(捻回された複数同軸線の状態を固定するための粘着テープ等は巻かれる)であるが、外被のジャケットは絶縁樹脂製であり、防水性・撥水性があるので、全体の防水性は確保される。したがって、同軸線をシース(被覆)するためのチューブなどを用いる必要がなく、部品点数を減らすことができる。この結果、ヒンジ構造およびその周辺部の構造を簡単化かつ小型化することができる。
なお、通常、防水のためのシール部は防塵も兼ねることができる。以後、防塵については触れないが、防水に付随して、当然、防塵作用を得ることができる。また、上記の同軸線配線体では、シール装置を構成するためのシール部は、1つでもよいし、2つ以上であってもよい。
上記の同軸線のシール部が形成された部分において、該同軸線の外周を削除した凹状部または外周を覆うように突き出る凸状部が設けられており、一体化された複数の同軸線間において各同軸線の凹状部または凸状部による、外部と開通する横方向開通スペースが生じ、シール部が、該横方向開通スペースを通るように形成されている構成をとることができる。これによって、局所的に環状に設けられた凹状部または凸状部は、複数の同軸線が結束されたとき、シール部が形成される部分に横方向開通スペースを作る。凹状部または凸状部がなければ、シール部を形成するために樹脂を射出するとき、たとえ内部に樹脂間の隙間があっても同軸線自体により封じられており、樹脂の結束中心部への侵入は、結束された同軸線によって阻まれる。このため、結束された同軸線の内部には、間隙充填部を形成するための樹脂が届かない。とくに結束中心部には届かない。この結果、樹脂で充填されない同軸線間隙部を生じ、水分がその間隙部を伝って同軸線に沿って移動する経路となる。しかし、局所的に上記凹状部または凸状部があると、結束された同軸線であっても、横方向開通スペースが生じ、その横方向開通スペースを通して外部から結束中心部まで樹脂を届かせることができる。凹状部の場合は、削除された部分が横方向開通スペースとなる。一方、凸状部の場合は、凸状部が相互に当たることで、凸状部に隣接する部分に横方向開通スペースとなる空隙ができる。この結果、同軸線の結束中心部まで、確実に、間隙充填部を分厚く形成することができる。凹状部の深さ、または凸状部の高さが高いほど、同軸線間のスペースの厚みは厚くなり、したがって、間隙充填部の厚みも厚く形成することができる。言い換えれば、余裕をもって樹脂を通すことができる。
複数の同軸線が、複数の同軸線を交互に縫って編んだ編み糸を有する平編み同軸線であり、その平編み同軸線が、平編み帯状、または、環状若しくはらせん状に丸められており、シール部が、編み糸によって形成された同軸線の間隙を通るように形成されている構成をとることができる。これによって、編み糸によって確実な間隙が形成され、シール部を形成するために樹脂を射出したとき、複数の同軸線の中心部まで樹脂が通りやすくなる。この結果、シール部の樹脂の充填を向上させることができ、たとえばシール部の中央部にポア(孔)ができないようにできる。
シール部が形成された部分の複数の同軸線が、相互に離れるように湾曲して膨出することで膨出離間部分を形成しており、シール部が、該膨出離間部分の同軸線の間を通るように形成されている構成をとることができる。ここで膨出離間部分は、たるませられて湾曲している部分と言い換えることができる。これによって、シール部の樹脂を射出成形するとき、同軸線の膨出離間部分を通って樹脂を中まで充填することが容易となる。なお、複数の同軸線が相互に湾曲して膨出する形態、すなわち膨出離間部分は、結束された同軸線の中心軸線に対称である必要はなく、同軸線全体が所定方向に曲がって膨出していてもよい。結束された同軸線のいずれかの外側部分に離間する部分が形成されればよい。
上記のシール部の周縁部の外周面に、Oリングを装入するための溝を設けることができる。これによって、配線体挿入口の筐体面との気密性をOリングによって確保することができる。この場合、シール部の樹脂は、弾性体であっても、また弾性体でなくてもよい。
上記のシール部の周縁部の外周面をシール面とすることができる。これによって、Oリング等を用いることなく部品点数を、さらに減らすことができる。この場合、シール部の樹脂は、弾性体であることが望ましい。
シール部を形成する樹脂を、温度190℃および公称荷重2.16kgにおけるMFR(メルトフローレイト(JIS K7210))が50g/10min以上の樹脂とすることができる。同軸線の間隙に空隙または孔ができると、完全な防水性を保持できないおそれが生じる。防水性を確保するために間隙充填部における空隙を無くすことを重視する場合、射出成形時の樹脂の流動性を重視する。上記のようにMFRを上記の値より大きくすることで、射出成型時に樹脂を同軸線の間隙に流動させて空隙を無くすことができる。
シール部を形成する樹脂を、同軸線のジャケットの樹脂よりも融点が低い樹脂とすることができる。これによって、シール部を同軸線のジャケットと融着させることを目指さず(融着してもよい)、その代わり高い流動性を得て、同軸線の間隙に流動して空隙を無くすことができる。
同軸線とシール部とは接触面において融着していない状態をとることができる。これによって、接触面の融着よりもシール部形成時の同軸線の間隙へのシール部形成樹脂の流れ込みを重視して、同軸線の間隙に空隙がないシール部を形成することができる。同軸線とシール部との接触面が、融着していなくても、射出成形時の圧縮力など機械的な力により、十分な防水性を確保できる気密性を得ることができる。
シール部を形成する樹脂に、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA樹脂)を用いることができる。EMAA樹脂は、融点以上で高いMFRを持ち、同軸線の間隙に流動してゆき空隙を形成しない。また、EMAA樹脂を用いると、シール部形成のために射出成形した後に、融着していなくても上記の接触面は防水性を確保できる気密性を得ることができる。
シール部を形成する樹脂を、同軸線の信号線とグランド線とを絶縁する絶縁層と同じ樹脂か、または絶縁層の樹脂よりも融点が低い樹脂とすることができる。これによって、射出成形のとき、絶縁層の軟化による変形など劣化を防止することができる。同軸線は、通常、(芯部の信号線/絶縁層/グランド線/外被であるジャケット)で構成され、ジャケットは、絶縁層と同じ樹脂か、または絶縁層の樹脂より融点が低い樹脂が用いられる。
上記の場合、シール部を形成する樹脂を、同軸線のジャケットの樹脂と同じか、またはジャケットの樹脂よりも融点が高い樹脂とするのがよい。これによって、ジャケットとシール部との一体化接続を確実にすることができ、かつ接続強度を高めることができる。
上記のシール部を形成する樹脂を、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)とすることができる。同軸線は高周波信号の漏洩等を防止するため、芯部の信号線と、周囲のグランド線との間の絶縁層には高周波誘電率の低い樹脂を用いる。ジャケットについても、高周波誘電率の低い絶縁樹脂とするが、絶縁層を形成する樹脂と同じでもよいし、異なってもよい。絶縁層に、通例、用いられる樹脂は、PFAである。PFAは高周波誘電率がきわめて低い。ジャケットに通例用いられる樹脂は、PFAまたはETFEである。ETFEは高周波誘電率が低く、かつPFAよりも融点が低い。PFAは融点310℃であり、ETFEは融点260℃である。
シール部にPFAを用いる場合、ジャケットはPFA、またはETFEの同軸線を用いるのがよい。この組み合わせによれば、ジャケットに連続して、ジャケットと同じ材質か、またはジャケットよりも融点の高い材質で射出成形により一体化してシール部を形成することができる。このため、間隙充填部および周縁部とジャケットとの接続を確実に行うことができる。すなわちジャケットと、シール部との接続強度を向上させることができる。
シール部にETFEを用いる場合、ジャケットにはETFEを用いた同軸線を用いるのがよい。これにより、同じ材料で、ジャケットおよびシール部を形成することになり、同材接続による利点を得ることができる。
両方の場合ともに、シール部を形成する樹脂は、高周波誘電率が低いので、高周波信号の劣化防止に資することができる。
上記のシール部において、複数の同軸線を、面状にフラット配置、または、断面円状もしくは楕円状に束ねたバンドル配置、とすることができる。これによって、電子機器の型式に応じて、適切な断面形状のシール部を形成することができる。バンドル配置の場合、表面積を小さくしてまとまりのよいシール部形状とすることができる。フラット配置の場合は、同軸線の間隙部が外側に露出しているので、樹脂の射出成形加工によって気密性の高い間隙充填部を、確実かつ容易に形成することができる。また、たとえば断面楕円状の場合は、携帯電話の筐体等をより一層薄くするのに役立つ。
シール部を、1箇所または2箇所に設けることができる。これによって、1つの筐体に対する防水性配線、または2つの筐体について2筐体間を導電接続する防水性配線を行うことができる。2筐体間の導電接続の一例として、表示部を設けた第1筐体と、キー操作部を設けた第2筐体とをヒンジ構造で連結した電子機器において、防水性を確保しながら、かつ筐体外の配線体の断面積を小さくしながら、両方の筐体の電気回路を導電接続することができる。
上記のいずれかの同軸線配線体を用いた電子機器は、簡単化、また小型化しながら防水性を確保して、導電接続をすることができる。また、同軸線は、二軸ヒンジ構造を用いた電子機器に用いられた場合、二つの直交する軸線周りにスムースに筐体を回動させることができる。フレキシブルプリント配線やフラットケーブルにない利点である。勿論、一軸ヒンジ構造に用いることもできる。
本発明の同軸配線体の製造方法は、複数の同軸線と、複数の同軸線と一体化するように形成されたシール部とを備える同軸線配線体を製造する。この製造方法は、成形金型を準備する工程と、成形金型に複数の同軸線をセットしながら、該成形金型をシール部の樹脂の融点以上の温度に加熱する工程と、シール部を形成する、溶融状態の樹脂を、成形金型に射出する工程と、シール部の樹脂を射出成形したまま、金型を樹脂の融点以下の所定温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする。
上記の方法によって、複数の同軸線の間隙にシール部形成用の樹脂を流動させて空隙を無くしながら、同軸線とシール部との接触面での気密性を確保することができる。同軸線のジャケットの樹脂とシール部の樹脂とは、相互に溶融して融着していてもよいし、または、射出成型時にシール部の樹脂温度がジャケットの樹脂の融点より低く融着していなくてもよい。樹脂の多数の同軸線の間隙への流動を重視する場合は、MFRの大きい樹脂を用い、このような樹脂は融点が低いため、ジャケットの樹脂の融点より低い温度に加熱されて射出成形されるため、ジャケットとは融着しない。しかし、多数の同軸線の間隙を充填しながら、ジャケットとシール部との間の気密性は確保でき、耐久性に優れた高いレベルの防水性を得ることができる。なお、上記の金型の冷却は、空気中に放冷する冷却よりも大きな冷却速度を得るような強制冷却を意味し、水冷、噴霧冷却、強制空冷などが該当する。このような冷却を金型に施すことが一要因となり、樹脂が収縮して気密性が向上している可能性がある(確認中)。
複数の同軸線のおのおのの、シール部を形成する部分に、該同軸線の外皮を削除した凹状部または外皮を覆うように突き出る凸状部を設ける工程を備えることができる。これによって、結束された同軸線のシール部を形成する部分に、局所的に、外部から結束中心部まで通る横方向開通スペースを形成することができる。この結果、上記の樹脂の射出工程において、結束中心部まで樹脂を通して間隙充填部を形成することができる。
複数の同軸線を複数の同軸線を交互に縫って編んだ編み糸を有する平編み同軸線として、その平編み同軸線を、平編み帯状のまま、又は、環状若しくはらせん状に丸めて、成形金型にセットしてもよい。これによって、シール部を形成するために樹脂を射出するとき、樹脂を同軸線の間隙を通して充填することができる。この結果、シール部の樹脂の充填性を向上させ、ポア等を防止することができる。
成形金型において、シール部を形成するための樹脂を射出する型部分に隣り合う両側又は一方側に、複数の同軸線をつかんで射出する型部分に対する距離を変えられる可動部を設け、成形金型に複数の同軸線をセットしたとき可動部を、複数の同軸線をつかんで射出する型部分から離しておき、樹脂を射出する前に可動部を射出する型部分に近づけて複数の同軸線を相互に離れるように湾曲して膨出させて膨出離間部分を形成しておくことができる。これによって、シール部の樹脂を射出成形するとき、同軸線の膨出離間部分を通って樹脂を中まで充填することが容易となる。この結果、シール部にポア等が生成するのを防止して、樹脂の充填度を高めて水密性を向上させることができる。
本発明によれば、筐体の挿入口における防水性を確保しながら、ヒンジおよびその周辺の構造を小型化・簡単化しながら、部品点数を抑えた、同軸線配線体およびそれを用いた電子機器を得ることができる。
本発明の実施の形態1における同軸線配線体を用いた携帯電話機を示し、(a)は閉じた状態、(b)は開いた状態、(c)は表示部を表にして閉じた状態、を示す図である。 図1の携帯電話機内における同軸線配線体の配設構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における同軸線配線体を示す斜視図である。 本実施の形態における同軸線配線体の配設構造を示す模式図である。 図3の同軸線配線体のシール部を示し、(a)はシール部の斜視図、(b)は断面図である。 図5(b)の部分拡大図である。 実施の形態1における変形例(本発明例)の同軸線配線体を示す斜視図である。 図7に示す同軸線配線体のシール部の断面図である。 図8の部分拡大図である。 図7に示す同軸線配線体の製造方法を示し、(a)は極細同軸線をフラット配置した状態を示す平面図、(b)は捻回後にシール部を射出成形により一体化した状態を示す斜視図、である。 本発明の実施の形態2における同軸線配線体を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態3における同軸線配線体を示す斜視図である。 図12に示す同軸線配線体の配設構造の配設構造を示す模式図である。 本発明の実施の形態4における同軸線配線体を示す斜視図である。 図14に示す同軸配線体のシール部の横断面図である。 本発明の実施の形態5の同軸線配線体における同軸線集合体を示す図である。 図16の同軸線集合体の断面図であり、(a)は3本の同軸線で囲まれた間隙部、(b)は4本の同軸線で囲まれた間隙部、を示す図である。 本発明の実施の形態6の同軸線配線体における同軸線集合体を示す図である。 本発明の実施の形態7における同軸線配線体を示し、(a)は平編み線、(b)は平編み線を用いた同軸線配線体、を示す図である。 本発明の実施の形態8の同軸線配線体の製造方法を示し、(a)は、複数の同軸線をシール部を形成するための成形金型にセットした状態、(b)は、可動部を射出される型部分に接近させ、複数の同軸線を、外側に湾曲させて膨出させた状態、を示す図である。 シール部の樹脂の射出前において、湾曲して膨出した複数の同軸線を示す図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における同軸線配線体が用いられる電子機器である携帯電話機50を示す図である。図1において、携帯電話機50は、ヒンジ構造40で連結された、キー操作部筐体20と、表示部筐体30とを備える。図1(a)において、表示部筐体30は裏面をおもてにしてキー操作部筐体20の上に閉じている。表示部筐体30は、ヒンジ構造40のX軸周りおよびY軸周りに回動可能である。図1(b)は、表示部31を含む表示部筐体30をヒンジ構造40のX軸周りに回動させて、開いた状態を示す図である。キー21がキー操作部筐体20に配列されている。キー21の操作による電気信号は、キー操作部筐体20内の配線回路(図示せず)から、表示部筐体30内の配線回路(図示せず)へと伝達される。この電気信号の伝達に、これから説明する同軸線配線体が用いられる。図1(b)において、ヒンジ構造は、Y軸回転軸機構のカバー41を中央にして、左側のA部は、X軸回転軸機構を含む部分であり、右側のB部は、表示部筐体30とキー操作部筐体20とを導電接続する、上記の同軸線配線体が収納される部分、である。A部およびB部は、中央部のカバー41を中心にしてY軸周りに回動する。図1(c)は、表示部筐体30をY軸周りに180°回動させ、B部を左側に、A部を右側にして、また、図1(a)の状態からX軸周りにも回動させて、表示部31をおもて側にして表示部筐体30をキー操作部筐体20に重ねて閉じた状態を示す。
図2は、図1(b)の状態でのヒンジ構造周辺部の断面図である。キー操作部筐体20の中のスペース25に図示しない配線回路があり、また表示部筐体30の中のスペース35に図示しない配線回路がある。携帯電話機50では、ヒンジが水に侵入されても、スペース25およびスペース35の両方ともに、水の侵入が生じないようにする必要がある。本実施の形態の同軸線配線体10は、キー操作部筐体20に挿入される部分と、表示部筐体30に挿入される部分との両方に、シール装置Sを備えている。本実施の形態では、シール装置Sは、複数の同軸線11に射出成形で一体化するように形成されたシール部3と、そのシール部3に巻き付けられたOリング13とで構成される。
ヒンジ構造では、中央カバー41の下のY軸回転軸機構の軸部は円筒状であり、キー操作部筐体20に固定されている。表示部筐体30は、Y軸周りに回動するとき、円筒状部分の周りに回動するが、ヒンジ構造に含まれるX軸回転軸機構Aおよび同軸線配線体の収納部Bも、表示部筐体30とともにY軸の周りに回動する。この円筒状の部分(内筒)が同軸線配線体10の挿入口になっている。
同軸線配線体10は、その両端にコネクタ19が取り付けられている。同軸線配線体10は、表示部筐体30に設けた挿入口に、防水性のシール装置Sを嵌め込み、同軸線配線体の収納部Bを経由して、ヒンジ構造のY軸回転軸機構に含まれる円筒部(キー操作部筐体20に開口)の挿入口に、もう一方のシール装置Sを嵌め込んでいる。上記のように、X軸およびY軸の周りに回動できる二軸ヒンジ構造40によって連結された2つの筐体20,30間を防水性を確保した上で導電接続するのに、本実施の形態における同軸線配線体10は非常に適している。すなわち、同軸線配線体の収納部Bには、複数の同軸線がそのまま(捻回および粘着テープによる捻回状態の固定はある)の状態で配置され、チューブ等のシース部品は用いなくてよい。このため、収納部Bを小型化し、かつ配線体挿入口の構造についても簡単化することができる。なお、同軸線には、極細同軸線を用いるのがよい。
図3は、本実施の形態の同軸線配線体10を示す斜視図である。この同軸線配線体10では、シール装置Sは、上述のように、複数の同軸線11に射出成形により一体化された樹脂成形体であるシール部3と、そのシール部3に巻き付けられたOリング13とで構成される。
図4は、上記の同軸線配線体10を、キー操作部筐体20または表示部筐体30の挿入口に嵌め込んだ状態を示す模式図である。筐体20または30の挿入口に嵌め込まれたシール装置Sは、ヒンジ構造40が水に濡れても、筐体内25または35へは、水を侵入させない。複数の同軸線11は、外被であるジャケットは絶縁性の樹脂で形成されるので、撥水性があり、水に濡れても、ジャケット自体が侵入経路となることはない。
図5は、射出成形によって同軸線11に一体化されたシール部3を説明するための図であり、(a)はシール部の斜視図、(b)はOリングをシール部に巻装した状態での横断面図である。樹脂成形体であるシール部は、複数の同軸線11に一体化されている。しかし、それだけでは防止性の機能を果たすためには十分ではない。たとえば個々の同軸線の間に間隙があり、その間隙が、同軸線に沿って連通していては、防水性の機能を得ることはできない。このため、図5(a),(b)に示すように、シール部3は、同軸線1どうしの間隙を充填する間隙充填部3jと、複数の同軸線11を取り囲む周縁部3sとを備える。間隙充填部3jは、少しの間隙も残さず完全に充填することが望ましいが、少しの間隙(ポア)があっても間隙が連通してシール部3を縦断するような連続間隙を形成しなければよい。本実施の形態では、シール部と複数の同軸線との接触面は、相互に融けて融着していてもよいし、融着していなくてもよい。
本実施の形態では、シール部3にはOリング用の溝が設けられ、表面3aに対して溝底面3bを持つ。溝にはOリング13が巻き付けられる。Oリング13を用いることで、シール装置Sを直接構成する部分の寸法精度などの緩和をはかりながら、確実な防水性を得ることができる。
なお、図5(b)では、複数の同軸線11として7本の同軸線を示しているが、通常は数十本、たとえば40本程度の同軸線を用いる。この場合、極細同軸線は、同軸線配線体10を小型化する上でとくに望ましい。
図6は、射出成形によって複数の同軸線に一体化された樹脂成形体であるシール部3の構造を説明するための断面図である。1本の同軸線(極細同軸線)1は、芯部に位置する信号線1aと、その周囲のグランド線1gと、信号線1aとグランド線1gとを絶縁する層である絶縁層1dと、グランド線1gを被覆する外被であるジャケット1sとで構成される。樹脂成形体であるシール部3は、ジャケット1sとなじんで連続する樹脂として形成され、シール部3とジャケット1sとの接合強度は高いことが望ましい。その上で、シール部3は、同軸線1どうしの間の間隙を充填する間隙充填部3jを有する必要がある。複数の同軸線11に、間隙ができるのは避けられないが、この間隙を、最低限、連通して通り抜け可能な連続間隙としない程度に、間隙充填部3jは充填する必要がある。シール部3を構成する樹脂は、ジャケット1sと同じ樹脂であれば、同材接続となり、材料的に連続性を得て、接合強度を高める上で、有益である。しかし、シール部3の樹脂は、必ずしもジャケット1sと同じ樹脂でなくてもよい。
シール部3の周縁部3sは、複数の同軸線11を取り囲んで、信頼性の高いシール装置Sを形成する上で、必須である。
(実施の形態1の変形例)
図7は、実施の形態1に対する変形例(本発明例である)の同軸線配線体10を示す斜視図である。図8は、図7のシール装置SのOリングを含む横断面図である。また、図9は、Oリングを除いた、図8の部分拡大図である。この変形例(本発明例である)の同軸線配線体10では、同軸線(極細同軸線)1は、フラット配置されている。このような、フラット配置では、同軸線1の間の間隙が内奥に位置せず、外から見える箇所に位置する。このため、図9に示すように、射出成形の際に、間隙充填部3jを確実かつ容易に形成することができる。このため、平板表面状になる周縁部3sの性状に多くの注意を払いながら、縦方向(同軸線の延在方向)に気密性の高いシール部3を容易に製造することができる。
要約すれば、図7〜図9に示す、変形例の同軸線配線体10は、完全な充填という点で困難性を伴う間隙充填部3jを、高い信頼性のもとに、容易に形成することができる点に特徴を有する。
次に、図7〜図9に示す同軸線配線体10の製造方法について説明する。まず、コネクタ19を両端に持つ、複数の同軸線1(11)を準備する。複数の同軸線1(11)は平面状に配列される。シール部3の射出成形では、上記の同軸線11を、金型の所定位置を通り抜けるようにして、当該同軸線の所定部分を金型内に配置する。その後、樹脂導入口であるゲートを経由させて金型内へ、溶融状態の樹脂をノズルから所定の圧力で射出する。冷却した後、金型から取り出すと図7〜図9に示す同軸線配線体10を得ることができる。図3に示すバンドル配置の同軸線配線体10についても、複数の同軸線の配置をバンドル配置(粘着テープ等で固定)とした上で、上記と同じ手順で、金型内に配置して樹脂を射出成形することで製造することができる。
上述の製造方法は、とくに同軸線11を湾曲させるものではなく、ストレートタイプの同軸線配線体10の製造方法である。次に、図7〜図9に示す同軸配線体10と同じフラット配置であるが、同軸線11が湾曲したタイプの同軸線配線体10の製造方法について説明する。図10(a)は、出来上がりの同軸線配線体10を湾曲したものにすることを目的にして配置した、コネクタ19を両端に持つ、複数の同軸線11を示す図である。平面状に配列した同軸線は、一方側へと順に長いものが配置されて、外側に順に大きく湾曲している。このような複数の同軸線11を捻回すると、一方側に凸状に湾曲する捻り線11が得られる。これを、粘着テープ等を巻いて、湾曲した捻り状態を固定する。すなわち、金型内に配置する時点で、既に湾曲状態が形成されていて、この湾曲した捻り状態は粘着テープ等によって固定される。シール部3の射出成形では、上記の捻回した同軸線11を、金型の所定位置を通り抜けるようにして、当該同軸線の所定部分を、湾曲の向き等を考慮に入れて金型内に配置する。その後、樹脂導入口であるゲートを経由させて金型内へ、溶融状態の樹脂をノズルから所定の圧力で射出する。冷却した後、金型から取り出した同軸線配線体10を、図10(b)に示す。上述したように、金型内に配置する際の向き、姿勢等によって、湾曲の向き決めることができる。
本実施の形態の同軸線配線体によれば、複数の同軸線は、シール部において間隙充填部および周縁部に重複されるだけである。この部分は電子機器内では筐体の挿入口に嵌め込まれて固定される部分であり、断面積は増大しない。また、シール部以外の部分では同軸線は裸であるが、ジャケットは絶縁樹脂製であり、防水性・撥水性があるので、全体の防水性は確保される。したがって、同軸線をシースするチューブなどを用いる必要がなく、ヒンジ構造を簡単化かつ小型化することができる。また、部品点数の削減もできる。
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2における同軸線配線体10を示す断面図である。同軸線1は、フラット配置である。本実施の形態2の同軸線配線体10では、同軸線1の絶縁層1dの樹脂をPFA、ジャケット1sの樹脂をETFEとして、シール部3の樹脂をETFEとした点に特徴を有する。このような材料構成により、次の利点を得ることができる。
(1)絶縁層1dを形成するPFAの融点は310℃であり、シール部3の樹脂のETFEの融点260℃より50℃程度高い。このため、ETFEの射出成形のとき、絶縁層1dの変形等の劣化を防止することができる。
(2)ジャケット1sのETFEと、シール部3のETFEは同じ樹脂であり、射出成形によって一体化は同材接続となる。このため、接続一体化をスムースに行うことができ、かつ接続強度を高くすることができる。
(実施の形態2の変形例)
図示はしないが、図11に示す同軸配線体10の変形例(本発明例である)として次のものがある。
−変形例1(本発明例):( 絶縁層1dがPFA/ジャケット1sがETFE/シール部3がPFA)―
上記の構成によれば、ジャケット1sよりも高温の溶融状態の樹脂の射出成形が行われる。このため、ジャケット1sとのなじみを良くして、またジャケット1sを溶融させながら、一体化が行われるので、ジャケット1sとシール部3との接続強度を向上させることができる。また、ジャケット1sが介在した状態で、絶縁層1dと同じ樹脂のPFAが、溶融状態で射出されるので、絶縁層1dは、ジャケット1sを介在させて過渡的に高温状態に一時的にさらされるだけである。このため、シール部3を形成する溶融状態の樹脂の温度制御等を精密に行うことで、絶縁層の変形を避けることが可能である。
−変形例2(本発明例):( 絶縁層1dがPFA/ジャケット1sがPFA/シール部3がPFA)―
上記の構成によれば、ジャケット1sと同じ樹脂の射出成形が行われる。このため、射出成形によって一体化は同材接続となる。このため、接続一体化をスムースに行うことができ、かつ接続強度を高くすることができる。また、ジャケット1sが介在した状態で、絶縁層1dと同じ樹脂のPFAが、溶融状態で射出されるので、絶縁層1dは、ジャケット1sを介在させて過渡的に高温状態に一時的にさらされるだけである。このため、シール部3を形成する溶融状態の樹脂の温度制御等を精密に行うことで、絶縁層の変形を避けることが可能である。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3における同軸線配線体10を示す斜視図である。また、図13は、上記の同軸線配線体10を、キー操作部筐体20または表示部筐体30の挿入口に嵌め込んだ状態を示す模式図である。本実施の形態では、シール装置Sは樹脂成形体であるシール部3のみによって構成される。すなわち、シール部3の表面3aがシール装置Sのシール面となる。このようなシール部3は、弾性体であることが望ましい。PFAまたはETFE程度の弾性があれば、シール部3のみでシール装置Sを構成することができる。
上記のシール装置Sによれば、Oリングを省略するため部品点数を削減することができる。このため、実施の形態1におけるヒンジおよびその周辺部の構造の簡単化および小型化の利点を得ながら、経済性に優れた同軸線配線体10を得ることができる。
(実施の形態4)
図14は、本発明の実施の形態4における同軸線配線体10の部分拡大図である。この同軸線配線体10では、シール装置Sは、図3に示す構成と同じであり、複数の同軸線11に射出成形により一体化された樹脂成形体であるシール部3と、そのシール部3に巻き付けられたOリング13とで構成される。シール部3以外の、複数の同軸配線体11の外周には、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)からなる住友電気工業(株)製のポアフロン(登録商標)テープ11sが斜めに、またはらせん状に巻かれて、被覆層を構成している。複数の同軸線11は、最大40本程度になる場合がある。外皮のテープは巻かなくてもよいが、ポアフロンテープ11sを巻くことで、摺動性が高くなり、多数本の同軸線のばらけを防止することができる。ポアフロンテープ11sを巻いて摺動性を向上させるのは、成形金型で型締めする際に同軸線が巻き込まれにくくなるからである。
本実施の形態のポイントは、シール部を形成する樹脂に、温度190℃および公称荷重2.16kgにおけるMFRが50g/10min以上の樹脂を用いている点に特徴を有する。このようにMFRが大きい樹脂は、通常、融点が低い樹脂であり、たとえばEMAA樹脂(融点100℃)を用いることができる。
図15は、図14に示す同軸線配線体10のシール部3の横断面図である。シール部3を形成する樹脂には、EMAAを用いている。同軸線1の信号線1aとグランド線1gとの間に介在して両者を絶縁する絶縁層1dには、PFA(融点310℃)を用い、また、ジャケット1sには、ETFE(融点260℃)を用いる。シール部3の射出成形において、複数の同軸線1を成形金型にセットして、その成形金型を加熱するが、その温度は、射出成形の樹脂、すなわちシール部3を形成する樹脂の融点より30℃程度高い温度にする。このため、たとえば成形金型を130℃に加熱して、そこに温度200℃に加熱されて溶融状態のEMAAを射出成形する。ジャケット1sを形成する樹脂ETFEは、この加熱温度200℃およびEMAAの融点100℃より、50℃以上、高い。ジャケット1sを形成する融点260℃程度のETFEは、その射出成形時に溶融することはなく、したがって、シール部3とジャケット1sとは接触面において融着していない。異なる2種の樹脂が接触面で接触し、融着していない状態は、光学顕微鏡、電子顕微鏡等により容易に特定することができる。
図15では、同軸線1は一部のみ示すが、多い場合には40本にもなるので、複数の同軸線集合体11の中心部は、幾重もの同軸線に周囲を取り囲まれている。このためシール部3の樹脂を複数の同軸線のすべての間隙に確実に行き渡らせるとき、同軸線集合体11の中心部には、まわりの多くの同軸線の狭い間隙を通り抜けて中心に到達しなければならず、その間に流れに対する大きな抵抗がある。温度190℃および公称荷重2.16kgにおけるMFRが50g/10min以上の樹脂、たとえばEMAAは、流動性が高く、射出成形のとき、複数の同軸線1の間を通り抜けて中心部の間隙をも確実に充填することができる。上記のMFRが20g/10min程度では、複数の同軸線のすべての間隙を充填することはできず、空隙(孔)が発生する。上記のMFRを50g/10min以上の樹脂を用いることで、多数の同軸線からなる同軸線集合体11の中心部にも樹脂を行き渡らせ、間隙を充填することができる。この結果、耐久性に優れた高いレベルの防水性を得ることができる。
図14,図15に示す同軸線配線体10の製造方法は、実施の形態1および変形例の製造方法と同様であり、射出成形によって製造する。まず、コネクタを両端に持つ、複数の同軸線1(11)を準備する。複数の同軸線1(11)は、通常、立体的に配列される。シール部3の射出成形では、上記の同軸線11を、成形金型の所定位置を通り抜けるようにして、当該同軸線の所定部分を成形金型内に配置する。そのとき、成形金型を、シール部3の樹脂の融点以上、たとえば(融点+30℃)に加熱しておく。その後、樹脂導入口であるゲートを経由させて成形金型内へ、200℃程度に加熱された溶融状態の樹脂をノズルから所定の圧力で射出する。このあと、樹脂の融点以下の所定温度、たとえば40℃程度に冷却した後、成形金型から取り出す。
図3〜図5に示す同軸線配線体10の製造方法は、成形金型の加熱温度、および溶融状態の樹脂の温度が、本実施の形態の同軸線配線体10の場合と異なるだけである。
(実施の形態5)
図16は本発明の実施の形態5の同軸線配線体におけるシール部の同軸線11を示す図である。本実施の形態では、個々の同軸線1の外周が削除されて環状の凹状部1mが形成されている点に特徴を有する。結束された同軸線集合体11において、凹状部1mは、外部と結束中心部とを開通する横方向開通スペース11kを形成する。図17(a)は3本の同軸線1が接する部分の断面図であり、図17(b)は4本の同軸線1が接する部分の断面図である。
実線は、凹状部1mを外れた部分の断面図であり、図17(a)および(b)ともに、同軸線で囲まれた間隙は同軸線に閉ざされており、外部とは横方向(同軸線に直交する方向)には開通していない。このため、外部から樹脂を射出して結束中心まで通そうとしても、同軸線自体に阻まれて、結束された同軸線の内部に通すことは難しい。凹状部1mがない場合、結束された同軸線11は、すべての部分で、実線の断面図と同じ断面となる。このため、凹状部1mがないと、結束された同軸線の内部に通して、間隙充填部を形成することが難しい。結束された同軸線11における閉ざされた間隙は、同軸線方向に沿って連続しており、水分がこの間隙に侵入すると、間隙は水分の経路となる。
これに対して、図17(a)および(b)における破線の断面図は、凹状部1mを通る横断面図である。破線の断面図に見られるように、凹状部1mがあるために、外部から結束された同軸線の内部へと通る、横方向開通スペース11kが形成される。横方向開通スペース11kは、同軸線1の外皮が環状に削除された部分に対応する。この横方向開通スペース11kを通して外部から樹脂を結束中心部まで注入することが容易になる。横方向開通スペース11kにおいて、隣り合う同軸線の間のスペース厚みは、凹状部1mの深さが大きいほど厚くなる。すなわち、横方向開通スペース11kの経路幅が大きくなり、小さな抵抗で余裕をもって樹脂を内部にまで注入して間隙充填部を形成することができる。この結果、水分の経路となる可能性のある間隙をなくすことができる。
凹状部1mは、次のように形成される。まず、個々の同軸線1について、たとえば炭酸ガスレーザーで同軸線の外皮(ジャケット1s等)を除去して、グランド線1gがむき出しとなる部分を形成する。このとき、ジャケット等を完全に取りきれなくてもよく、凹状部1mの段を付けることができればよい。この凹状部1mを含むようにして、上述のように、金型を通るように配置して樹脂を射出することで、シール部3を形成する。射出成形のとき、樹脂は、横方向開通スペース11kを通って結束中心部まで届いて、すべての同軸線の間に間隙充填部を形成することができる。これによって、非常に堅固な防水性の同軸線配線体を得ることができる。
(実施の形態6)
図18は、本発明の実施の形態6の同軸線配線体におけるシール部の同軸線11を示す図である。本実施の形態では、個々の同軸線1の外周に環状に突き出る凸状部1nを設けた点に特徴を有する。結束された同軸線集合体11では、隣り合う同軸線1は、凸状部1n同士接するが、その他の部分では凸状部1nがあるため、空隙が生じる。この空隙は、外部と結束中心部とを横方向に開通する横方向開通スペース11kを形成する。本実施の形態では、凸状部1n以外の部分、とくに凸状部1nに隣接する部分に、横方向開通スペース11kができる。この横方向開通スペース11kの同軸線間の幅は、凸状部1nの高さが高いほど広くなる。このため、凸状部1nの高さが高いほど、射出成形のとき、樹脂は小さい抵抗で、外部から結束中心部にまで通ることができる。その結果、高品質の防水性を備えた同軸線配線体を得ることができる。
凸状部1nを有する同軸線1は、外周または外皮に凸状部1nを形成する樹脂をコーティングすることで形成される。このコーティングは、溶剤に溶かした樹脂を塗布することで行うのがよい。汎用溶剤に溶けないような樹脂はディスパーションしたものを塗布するとよい。あるいは、同軸線を1本ずつ並べて射出成形により同軸線の外周に成形してもよい。上記の方法により、簡単に凸状部が付された同軸線を得ることができ、この同軸線を用いて、結束中心部まで確実に間隙充填部が形成された、同軸線配線体を得ることができる。
(実施の形態7)
図19(a)は、本発明の実施の形態における同軸線配線体に用いる平編み線11hを示す図である。平編み線11hでは、並行する複数の同軸線1に対して交差するように(直交方向に)編み糸15が、交互に縫って配置されている。この結果、同軸線1と編み糸15とが縦糸と横糸のようになって繊維を形成する形態をとる。同軸線1はどのようなものでもよい。一例を挙げれば、信号線には銀めっき銅合金線(7本、径0.025mm、全体外径0.075mm)を、絶縁層にはスミフロン(登録商標)A(厚さ0.05mm、外径0.18mm)を、グランド線には錫めっき銅合金線(素線径0.03mmの横巻き、21±2本、ピッチ4.5±1.5mm)を、またジャケットにはスミフロン(登録商標)A(厚さ0.04mm、外径0.31mm)を、それぞれ用いることができる。また、編み糸15には、絶縁性の線であれば何でもよいが、一例をあげると、ポリエステル線を用い、編みのディメンションは、心数10C、線間ピッチ標準0.33mm、厚さ標準0.44mm、幅標準3.40mm、とするのがよい。
図19(b)は、上記の平編み線11hを丸めて、同軸線集合体11を形成して、樹脂の射出成形によってシール部3を設けた同軸線配線体10を示す図である。シール部3にはOリング13が配置されることでシール装置Sを形成している。シール部3の形成においては、平編み線11hは、編み糸15によって隙間が確実に形成され、その隙間を通ってシール部3を形成する。このため、丸めた平編み線11hの中心にまで容易に樹脂を通すことができる。その結果、シール部3の内部は樹脂不足にならず、樹脂の充填性を向上させて、ポアなどを防止することが可能になる。
(実施の形態8)
図20は、本発明の実施の形態8における同軸線配線体を製造する方法を示す図である。図20(a)は、複数の同軸線11をシール部3を形成するための成形金型にセットした状態を示す。金型部分61は、シール部3が形成されない範囲に対応しており、同軸線11が結束されて露出する部分を形成する。シール部3を形成するための射出される型部分63は、空隙hをあけて、両側から可動部65に挟まれている。可動部65は複数の同軸線11を結束している。図20(b)は、可動部65をシール部の型部分63に接近させ、複数の同軸線11を、外側に湾曲させて膨出させた状態を示す図である。換言すれば、複数の同軸線をたるませた状態を示す。可動部65のシール部の型部分63への接近によって、空隙hは可動部65の外側に振り替わる(移動する)。図20(b)の状態で、樹脂の射出成形を待つ。なお、可動部65は、シール部の型部分63の両側に設ける必要はなく、片側だけであってもよい。
上記の可動部65は複数の同軸線11をつかんでいるので、樹脂の射出前において、シール部3に被覆される複数の同軸線11は、図21に示すように、湾曲して膨出する。換言すればたるみが生じる。つかまれて結束された部分の複数の同軸線11の外径がDoのとき、湾曲して膨出した部分の外径はD1となり、D1>Doが満たされる。この結果、つかまれて結束されている部分に比べて、外径D1の周辺では、同軸線間の隙間を大きくすることができる。この結果、樹脂を射出するとき、その隙間を通して樹脂を中に導入することで、シール部3の樹脂の充填性を向上させることができ、ポア等を防止することができる。
D1をDoからどれだけ大きくするかは、空隙hの長手方向寸法で調節することができる。移動距離すなわち空隙hの長さは、たとえば0.5mm〜1mm程度とするのがよい。図21は、膨出量を少し誇張して、D1をDoに比べて少し過大に描いている。湾曲して膨出した部分において、複数の同軸線11の中心軸線に関して、同軸線11は軸対称である必要はなく、図21に示すように、中心付近の同軸線1は一方側に湾曲するのが普通である。複数の同軸線11全体が、一方の側に湾曲してもよい。湾曲して膨出することで、たとえ一方側に湾曲しても、同軸線間の間隔は大きくなる部分が必ず生じる。この大きくなった間隔を通って、樹脂は中心の同軸線付近に到達しやすくなる。
本発明の実施の形態4におけるシール部3を形成する樹脂のMFRの効果を検証するために、実際に同軸線配線体10を製造して、同軸線の間隙の充填性を評価した。本発明例および比較例の試験体は、次の条件で製造した。
比較例:同軸線0.22mmφ×40本(トータル径1.9mm)、シール部の樹脂ETFE(旭硝子(株)社製商品名フルオン(登録商標)−88AXMP)
本発明例:同軸線0.22mmφ×40本(トータル径1.9mm)、シール部の樹脂EMAA(三井・デュポンケミカル(株)製ニュクレル(登録商標))
EMAAについて2種類用いた。EMAA(1):ニュクレルN1110H、およびEMAA(2):ニュクレルN1050H
上記のEMAA(1)またはニュクレルN1110H、およびEMAA(2)
またはニュクレルN1050Hは、それぞれMFRが表1に示す特性を有する。比較例および2種類の本発明例について、それぞれ、同じ5体の試験体を製造した。
成型金型は、トータル径1.9mmに合う金型を用い、比較例では成型金型を290℃に加熱し、本発明例では成形金型を130℃に加熱して、それぞれ溶融状態にある樹脂を成形金型内に射出した。その後、40℃まで冷却して、成型金型を外した。それぞれの試験体のシール部3の横断面を、1試験体につき、3箇所採取して、光学顕微鏡で観察した。結果を表1に示す。表1に示すMFRは、EMAAについては、温度190℃、公称荷重2.16kgにおけるJIS K7210に拠るMFRであり、ETFEについては、ASTM D−3159に拠るMFRである。
Figure 2010095334
表1によれば、同軸線間隙における空隙発生の大小は、MFRにより整理することができる。MFRが20g/10minのETFEは、同軸線間隙に空隙が多く発生した。頻度は、5試験体ともに、3箇所の断面のいずれかに空隙が認められた。したがって評価は「×」である。また、MFRが100g/10minのEMAA(1)では、5試験体のうち1体について3断面の一つに空隙が認められた。評価は、「○」である。最も良いのは、MFRが500g/10minのEMAA(2)であり、5試験体のいずれにも空隙は認められなかった。評価は、「◎」である。
上記の結果より、上記のMFRを50g/10min以上とする樹脂をシール部に用いることで、多数の同軸線の間隙をすべて樹脂で充填することができ、耐久性に優れた高いレベルの防水性を得ることができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の同軸配線体等によれば、筐体の挿入口における防水性を確保し、ヒンジおよびその周辺の構造を小型化・簡単化しながら、部品点数を抑えることができる。さらにMFRの大きい樹脂をシール部に用いることで、同軸線の本数が非常に多くなっても中心部にまで樹脂を確実に充填することができ、耐久性に優れた高いレベルの防水性を得ることができる。
1 同軸線、1a 信号線、1d 絶縁層、1g グランド線、1m 凹状部、1n 凸状部、1s ジャケット、3 シール部、3a シール部表面、3b Oリング溝底面、3j 間隙充填部、3s 周縁部、10 同軸線配線体、11 同軸線の集合体、11h 平編み線、11k 横方向開通スペース、11s ポアフロンテープ、13 Oリング、15 編み糸、19 コネクタ、20 キー操作側筐体、21 キー操作部、25 キー操作側筐体内の空間、30 表示部側筐体、31 表示部、40 ヒンジ、41 ヒンジ中央カバー、50 携帯電話、61 成形金型、63 シール部の型部分、65 成形金型の可動部、A X軸回転軸機構収納部、B 配線体収納部、h 成形金型の可動部の空隙(可動ストローク)、S シール装置。

Claims (20)

  1. 複数の同軸線と、
    前記複数の同軸線と一体化するように形成されたシール部とを備え、
    前記シール部は、前記複数の同軸線の間隙を充填する間隙充填部と、前記複数の同軸線を取り囲む周縁部とを有することを特徴とする、同軸線配線体。
  2. 前記同軸線の前記シール部が形成された部分において、該同軸線の外周を削除した凹状部または外周を覆うように突き出る凸状部が設けられており、前記一体化された複数の同軸線間において各同軸線の前記凹状部または凸状部による、外部と開通する横方向開通スペースが生じ、前記シール部が、該横方向開通スペースを通るように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の同軸配線体。
  3. 前記複数の同軸線が、複数の同軸線を交互に縫って編んだ編み糸を有する平編み同軸線であり、その平編み同軸線が、平編み帯状、または、環状若しくはらせん状に丸められており、前記シール部が、前記編み糸によって形成された同軸線の間隙を通るように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の同軸配線体。
  4. 前記シール部が形成された部分の前記複数の同軸線が、相互に離れるように湾曲して膨出することで膨出離間部分を形成しており、前記シール部が、該膨出離間部分の同軸線の間を通るように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の同軸配線体。
  5. 前記シール部の周縁部の外周に、Oリングを装入するための溝が設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  6. 前記シール部の周縁部の外周面をシール面とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  7. 前記シール部を形成する樹脂は、温度190℃および公称荷重2.16kgにおけるMFR(メルトフローレイト(JIS K7210))が50g/10min以上であることを特徴とする、請求項1〜6いずれか1項に記載の同軸線配線体。
  8. 前記シール部を形成する樹脂が、前記同軸線のジャケットの樹脂よりも融点が低い樹脂であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  9. 前記同軸線と前記シール部とは接触面において融着していないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  10. 前記シール部を形成する樹脂が、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA樹脂)であることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  11. 前記シール部を形成する樹脂が、前記同軸線の信号線とグランド線とを絶縁する絶縁層と同じ樹脂か、または前記絶縁層の樹脂よりも融点が低い樹脂であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  12. 前記シール部を形成する樹脂が、前記同軸線のジャケットと同じ樹脂か、または前記ジャケットの樹脂よりも融点が高い樹脂であることを特徴とする、請求項10に記載の同軸線配線体。
  13. 前記シール部を形成する樹脂が、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)であることを特徴とする、請求項11または12に記載の同軸線配線体。
  14. 前記シール部において、前記複数の同軸線が、面状にフラット配置、または、断面円状もしくは楕円状に束ねたバンドル配置、されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  15. 前記シール部が、1箇所または2箇所に設けられていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の同軸線配線体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の同軸線配線体を用いたことを特徴とする、電子機器。
  17. 複数の同軸線と、前記複数の同軸線と一体化するように形成されたシール部とを備える同軸線配線体を製造する方法であって、
    成形金型を準備する工程と、
    前記成形金型に前記複数の同軸線をセットしながら、該成形金型を前記シール部の樹脂の融点以上の温度に加熱する工程と、
    前記シール部を形成する、溶融状態の樹脂を、前記成形金型に射出する工程と、
    前記シール部の樹脂を射出成形したまま、前記金型を前記樹脂の融点以下の所定温度に冷却する工程とを備えることを特徴とする、同軸配線体の製造方法。
  18. 前記複数の同軸線のおのおのの、前記シール部を形成する部分に、該同軸線の外周を削除した凹状部または外周を覆うように突き出る凸状部を設ける工程を備えることを特徴とする、請求項17に記載の同軸配線体の製造方法。
  19. 前記複数の同軸線を複数の同軸線を交互に縫って編んだ編み糸を有する平編み同軸線として、その平編み同軸線を、平編み帯状のまま、又は、環状若しくはらせん状に丸めて、前記成形金型にセットすることを特徴とする、請求項17に記載の同軸配線体の製造方法。
  20. 前記成形金型において、前記シール部を形成するための樹脂を射出する型部分に隣り合う両側又は一方側に、前記複数の同軸線をつかんで前記射出する型部分に対する距離を変えられる可動部を設け、成形金型に複数の同軸線をセットしたとき可動部を、複数の同軸線をつかんで前記射出する型部分から離しておき、前記樹脂を射出する前に前記可動部を前記射出する型部分に近づけて前記複数の同軸線を相互に離れるように湾曲して膨出させて膨出離間部分を形成しておくことを特徴とする、請求項17に記載の同軸配線体の製造方法。
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