JP5169783B2 - 細径同軸ケーブルハーネス - Google Patents
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Description
前記複数の細径同軸ケーブルは、合成繊維を編組した筒状の編組スリーブに通されて束ねられ、
前記編組スリーブは、前記合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、前記合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、編組角度が63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であることを特徴とする。
なお、ここでいう成端処理とは、細径同軸ケーブルの端末がコネクタ付けまたはFPC(フレキシブルプリント基板)付けされていて、基板に対して間接的に接続可能な状態であること、または、細径同軸ケーブルの端部から中心導体や外部導体を段階的に露出させて端末処理されていて、基板に対して直接的に接続可能な状態であること、を指す。
図1および図2に示すように、本実施形態では、上下に重ねて配置され前後(図1,図2の左右方向)に水平移動する二つの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブル24を含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。基板11,12は、例えば、携帯電話等の機器の相対的にスライドする筐体内にそれぞれ組み込まれている。細径同軸ケーブルハーネス20の両方の端末は、コネクタ25を取り付けて成端処理することで、基板11,12との接続を容易としている。そして、細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bを除いて編組スリーブ23により複数の細径同軸ケーブル24が束ねられており、全体としてU字状(またはJ字状)になるように両基板に接続されている。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20を基板11,12の平面視方向におけるU字状形状として両基板11,12間に配線することができる。なお、図1は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図2は両端部21a,21bが最も近接した状態である。基板11,12の水平移動距離は、例えば30mmから60mm程度である。
なお、繊維を編み込むときに、断面が楕円のダミーコアを使用したり、断面が円のダミーコアを複数本並べて使用して、その周囲に繊維を編み込むと、断面が楕円の編組スリーブが製造される。
溶融液晶性ポリマーと屈曲性ポリマーとからなるモノフィラメントハイブリッド繊維(引っ張り強度が16cN/dtex)編組密度を80%として外径2.5mmの編組スリーブを作成し、それに細径同軸ケーブルを通して上記と同様の細径同軸ケーブルハーネスとした。このハーネスは、高さ2.4mmの隙間に入れて摺動させた場合に曲げ及び摺動を10万回繰り返しても中心導体の破断が生じず、強度の点で十分であった。
これらの場合も、編組スリーブ23の端の口径を広げて細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に容易に通すことができる。
また、本発明の細径同軸ケーブルハーネスには、外部導体を有さない絶縁電線を適宜混在させることができる。絶縁電線をグランドとして使用することや、絶縁電線を給電線として使用することができる。
図9の例では、非移動側の筐体32に直線溝32aと曲線溝32bが形成され、これらの溝32a,32bに移動側の筐体31に設けられたピン31a,31bが嵌挿されている。筐体31の移動時には、図9(A)に示した状態から、筐体31がピン31aの移動に伴い上方に変位するとともにピン31bの移動に伴い反時計回りに回動され、図9(B)の状態を経て、筐体31がピン31aの移動に伴い下方に変位するとともにピン31bの移動に伴いさらに反時計回りに回動されて、図9(C)の状態となる。これにより、筐体31が筐体32に対して90度回転される。このとき、筐体31の基板と筐体32の基板に接続された細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体32に接続された端部21b付近は動かず、筐体31に接続された端部21aが上下に変位するとともに90度回動する。図9(A)から(C)の動きと、その逆の動きの繰り返しにより、細径同軸ケーブルハーネス20には端部21a近傍部分が繰り返し曲げられ、筐体31,32内で摺動されるが、細径同軸ケーブル24は編組スリーブ23内で負荷を逃がすように移動し、中心導体が破断することが防がれる。また、編組スリーブ23が摩擦により損傷することも防がれる。
図10に示す形態では、第1筐体41及び第2筐体42を備えた携帯電話端末40のそれぞれの第1筐体41及び第2筐体42が、細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。
携帯電話端末40は、第1筐体41及び第2筐体42の端部同士が、ヒンジ44によって回動可能に連結され、開閉されることにより位置関係が変化する。第1筐体41及び第2筐体42は、その連結側の端面に、ケーブル挿通孔45,46がそれぞれ形成されており、これらのケーブル挿通孔45,46から、細径同軸ケーブルハーネス20の両端がそれぞれ導入されている。また、ヒンジ44には、連通孔44aが形成されており、この連通孔44a内に細径同軸ケーブルハーネス20が挿通されている。
第1筐体41と第2筐体42とがヒンジ44により相対的な回動を繰り返しても、細径同軸ケーブルハーネス20の編組スリーブ23は摩擦により損傷することがなく、細径同軸ケーブル24は編組スリーブ23内で負荷を逃がすように移動し、中心導体の破断も生じない。
Claims (1)
- 複数の細径同軸ケーブルが束ねられ、その端末が成端処理されていて、機器内の湾曲、回動または摺動する箇所に使用される細径同軸ケーブルハーネスであって、
前記複数の細径同軸ケーブルは、合成繊維を編組した筒状の編組スリーブに通されて束ねられ、
前記編組スリーブは、前記合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、前記合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、編組角度が63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であることを特徴とする細径同軸ケーブルハーネス。
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