JP5169783B2 - 細径同軸ケーブルハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、細径の同軸ケーブルを複数束ねて成端処理した細径同軸ケーブルハーネスに関する。
近年、携帯端末や小型ビデオカメラなどの電子機器の機器本体と液晶表示部との接続や機器内の配線などに、極めて細い同軸ケーブルが用いられている。それらは配線の容易性から、複数本の同軸ケーブルを集合一体化させた同軸ケーブルハーネスとして用いられている。
同軸ケーブルハーネスは、通常、端末部分では電気コネクタなどが接続されて成端処理が施され、ハーネスの中間部では、複数本の同軸ケーブルを束ねた部分が形成される。複数本の同軸ケーブルを束ねるには、接着テープ等の束ね部材を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−235690号公報
携帯端末や小型ビデオカメラ等の電子機器において、回転や摺動など相対移動される筐体間を電気的に接続する同軸ケーブルハーネスは、筐体が相対移動することにより変形される。同軸ケーブルハーネスの中間部が接着テープで束ねられていると、中間部における同軸ケーブル同士の移動が拘束されるため、束ねた部分で同軸ケーブルハーネスの変形に対してかかる負荷が大きくなりやすい。そのため、回転や摺動などの変形が繰り返し行われると、束ねた部分で同軸ケーブルの中心導体が破断してしまうことがある。特に、使用する同軸ケーブルが細径になる程(例えば、AWG44,46)、中心導体の破断が生じ易い。
また、筐体を移動させて同軸ケーブルハーネスが変形するときには、筐体やヒンジに同軸ケーブルハーネスが摩擦するため、束ね部材が摩耗して切れてしまうと、ハーネス形状を維持できなくなってしまう。そのため、用いる束ね部材は同軸ケーブルの変形を妨げずに、耐摩耗性の高いものが望まれる。
本発明の目的は、繰り返し変形しても、中心導体が破断することがなく、なおかつ曲げ性が良好であり、さらに束ね加工が容易である細径同軸ケーブルハーネスを提供することにある。
前記課題を解決することのできる本発明に係る細径同軸ケーブルハーネスは、複数の細径同軸ケーブルが束ねられ、その端末が成端処理されていて、機器内の湾曲、回動または摺動する箇所に使用される細径同軸ケーブルハーネスであって、
前記複数の細径同軸ケーブルは、合成繊維を編組した筒状の編組スリーブに通されて束ねられ、
前記編組スリーブは、前記合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、前記合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、編組角度が63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であることを特徴とする。
なお、ここでいう成端処理とは、細径同軸ケーブルの端末がコネクタ付けまたはFPC(フレキシブルプリント基板)付けされていて、基板に対して間接的に接続可能な状態であること、または、細径同軸ケーブルの端部から中心導体や外部導体を段階的に露出させて端末処理されていて、基板に対して直接的に接続可能な状態であること、を指す。
本発明の細径同軸ケーブルハーネスによれば、編組スリーブ内で複数の同軸ケーブル同士が移動可能であるため、同軸ケーブルに加わる曲げの負荷を逃がしやすくすることができ、同軸ケーブルに過度の負荷がかかりにくい。したがって、当該ハーネスが繰り返し変形しても中心導体の破断は極めて生じにくい。
さらに、編組スリーブは合成繊維を編組したものであるため、耐摩耗性、強度、および弾性率が優れており、ハーネスの曲げ性が良好で、なおかつ筐体との摺動による繰り返し摩擦によって編組が破れることもない。したがって、複数の細径同軸ケーブルを束ねた状態を長期に亘って維持することができる。
また、編組スリーブは、合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、編組の厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、特に、その編組角度が63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であるので、編組スリーブを周方向へ十分に拡径して細径同軸ケーブルに取り付けたコネクタなどを通すことができ、しかも、スリーブの編組の状態を良好に保持することができ、ハーネス捻回時にも編組スリーブ内に通した細径同軸ケーブルが編組スリーブの目から外部に飛び出すような不具合も生じない。
以下、本発明に係る細径同軸ケーブルハーネスの実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態では、上下に重ねて配置され前後(図1,図2の左右方向)に水平移動する二つの基板11,12間が、複数本(20〜60本)の細径同軸ケーブル24を含む細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。基板11,12は、例えば、携帯電話等の機器の相対的にスライドする筐体内にそれぞれ組み込まれている。細径同軸ケーブルハーネス20の両方の端末は、コネクタ25を取り付けて成端処理することで、基板11,12との接続を容易としている。そして、細径同軸ケーブルハーネス20は、両端部21a,21bを除いて編組スリーブ23により複数の細径同軸ケーブル24が束ねられており、全体としてU字状(またはJ字状)になるように両基板に接続されている。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20を基板11,12の平面視方向におけるU字状形状として両基板11,12間に配線することができる。なお、図1は細径同軸ケーブルハーネス20の両端部21a,21bが最も離れた状態であり、図2は両端部21a,21bが最も近接した状態である。基板11,12の水平移動距離は、例えば30mmから60mm程度である。
細径同軸ケーブル24は、中心軸に直交する径方向の断面において、中心から外側に向かって、中心導体、内部絶縁体、外部導体、外被を有する構成であり、それぞれの端部21a,21bでは端末処理が施されて、外部導体、内部絶縁体、中心導体が段階的に所定長さずつ露出している。また、細径同軸ケーブルハーネス20には、複数本の細径同軸ケーブルの他に、外部導体のない細径絶縁ケーブルが含まれていても良い。なお、図面では細径同軸ケーブル24の本数を少なく示して簡略化している。
細径同軸ケーブルハーネス20は、平面図でみて基板の幅方向(図1(A)の両矢印Wの方向)に湾曲されている。基板11,12の幅が数cmあるので、この方向の曲げ径を十分確保することができる。例えば、図1(A)に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の一方の端部21aがスライド方向に対して上基板11の右側(図1(A)において上側)に接続されていれば、他方の端部21bをスライド方向に対して下基板12の左側(図1(A)において下側)に接続する。細径同軸ケーブルハーネス20はU字状に曲げられているが、細径同軸ケーブルハーネス20を収容するスペースを小さくするためには、U字の幅(直線部分の間隔)が狭いほどよい。
従来のFPC(フレキシブルプリント基板)を用いた場合は、FPCは両基板11,12の間で、基板の平面方向と直交する方向で曲げられるので、その曲げ径を確保するために両基板11,12の隙間を大きくする必要がある。本発明では、両基板11,12の隙間は、細径同軸ケーブルハーネス20の厚さ程度で十分であり、FPCを使用する場合のように大きくとる必要がなく、機器の薄型化を図ることができる。
細径同軸ケーブル24としては、例えばAWG(American Wire Gauge)の規格によるAWG44よりも細い極細同軸ケーブルまたは外径が0.30mmよりも細い同軸ケーブルを用いるのが望ましい。これにより、細径同軸ケーブルハーネス20は曲がり易く、両基板11,12がスライドするときの抵抗を小さくすることができる。また、複数本の細径同軸ケーブル24を束ねて細径同軸ケーブルハーネス20を形成したときに、細径同軸ケーブルハーネス20の厚さH1(図3(C)参照)を薄く形成することができ、機器の薄型化を図ることができる。細径同軸ケーブルハーネス20を基板11,12で挟んで押しつぶして扁平化することもできるので、基板11,12間の隙間は細径同軸ケーブルハーネス20の厚さよりも少し(0.2mm程度)小さくてもよい。前述のように、細径同軸ケーブルハーネス20には、外部導体のない細径絶縁ケーブルが含まれていてもよいが、その細径絶縁ケーブルは外径が0.30mmより細いケーブルを用いるのが好ましい。
細径同軸ケーブルハーネス20は、40本から50本程度の細径同軸ケーブル24を含むものである。断面の直径が2.5mm以下であり、編組の厚さが0.1mm以下である編組スリーブによれば、これだけの本数のケーブルを束ねることができる。細径同軸ケーブル24がAWG46の細さまたは外径が0.27mm以下の細さである場合には、断面が円に近い形状の束として細径同軸ケーブルハーネス20(細径絶縁ケーブルが含まれていてもよい)を形成すると、編組スリーブ23の厚さを含めた外径(厚さ)は1.5mm以下であり、1.5mmの高さ(厚さ)の収容スペースに配線することが可能である。この細径同軸ケーブルハーネス20をU字状に配置するとそのU字の幅は10mmから16mm以内に収めることができる。心数(細径同軸ケーブル24の本数)の増加によりU字の幅も広がるが、AWG44の細径同軸ケーブル24を60本束ねたとしてもそのU字の幅は18mm以内にできる。
図1から図3に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20は複数本の細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23内に通すことで束ねて形成されており、例えば図3(C)に示すように、扁平した楕円形断面のような厚さ寸法H1をできるだけ小さな形状とするのが望ましい。編組スリーブ23によって複数本の細径同軸ケーブル24を覆うことにより、基板11,12等の壁面と摺動した際の摩擦に対する細径同軸ケーブルハーネス20の耐久性が向上する。また、細径同軸ケーブルハーネス20は、編組スリーブ23の断面積(内側の空間も含む)を細径同軸ケーブルの断面積の和よりも大きくして、緩く細径同軸ケーブル束ねているため、細径同軸ケーブル24が編組スリーブ23の中で並び変わるなど動きやすい。
細径同軸ケーブルハーネス20の両端がそれぞれ接続された基板11,12が水平移動し、それに伴い細径同軸ケーブルハーネス20の束ねられた部分が繰り返し変形しても、編組スリーブ23内で複数の細径同軸ケーブル24が移動可能であるため、細径同軸ケーブル24に加わる曲げの負荷が全体的に逃げやすく、細径同軸ケーブル24に過度の負荷がかからない。したがって、細径同軸ケーブルハーネス20が繰り返し変形しても細径同軸ケーブル24の中心導体の破断を防ぐことができる。
本実施形態の編組スリーブ23は、合成繊維を編組して筒状に形成したものである。合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルからなる繊維や、溶融液晶性ポリマーからなる芯成分と屈曲性ポリマーを含む鞘成分により構成されたモノフィラメントハイブリッド繊維を用いることが好ましい。
このような合成繊維が、図4に示すように編組されて編組スリーブ23が形成されている。例えば、編組の形態は、合成繊維を並列にした束23a(図4中、丸印で囲った箇所)を16単位用意して、16のキャリアを用いて筒状に編み込む。一つの束23aを6本から13本として16のキャリアで編組すると、編組スリーブ23はおよそ100本から200本の合成繊維により構成される。例えば、一つの束23aを9本とした場合、合成繊維の数は9×16=144本である。
ここで、1本の合成繊維は、その引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、その繊維径が30μm以上60μm以下であり、細く強いものである。例えば、ウールの引っ張り強度は1.5cN/dtex未満であり、レーヨンの引っ張り強度は2.5cN/dtex未満であり、本発明で用いられる合成繊維はこれらより引っ張り強度が大きいものである。
そして、編組スリーブ23は、その編組の厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、薄く小径のものである。
なお、繊維を編み込むときに、断面が楕円のダミーコアを使用したり、断面が円のダミーコアを複数本並べて使用して、その周囲に繊維を編み込むと、断面が楕円の編組スリーブが製造される。
このような構成の編組スリーブ23は、耐摩耗性および強度が優れており、これを用いた細径同軸ケーブルハーネス20は、曲げ性が良好で、なおかつ基板11,12等や電子機器の筐体との繰り返し摩擦によって編組スリーブ23が破れることもない。したがって、細径同軸ケーブル24が繰り返し曲げられても中心導体が破断することを防止できるとともに、複数の細径同軸ケーブル24を束ねた状態を長期に亘って維持することができる。
例えば、AWG46の太さの細径同軸ケーブル24を40本接着テープ(テフロン(登録商標)テープ)で束ねて高さ2.4mmの隙間に入れて摺動させた場合では、8万回の曲げ及び摺動の繰り返しにより、中心導体の破断が生じるが、本実施形態の編組スリーブ23で束ねた場合では、10万回の曲げ及び摺動の繰り返し後も中心導体が破断することがない。
細径同軸ケーブル24を接着テープ等で拘束して束ねると、その部分の断面形状が比較的崩れにくい(扁平しにくい)が、編組スリーブ23を用いて細径同軸ケーブル24を束ねることにより、編組スリーブ23とともに複数の細径同軸ケーブル24が断面内方向で移動することができ、束ねた部分が収容スペースに合わせて適宜扁平する。例えば、編組スリーブ23を円筒状としたときの直径が2.5mmであっても、スペースに合わせて扁平させることで1.5mm以下の厚さ(扁平した楕円の短径)とすることができる。そのような断面が扁平した形状の編組スリーブを使用してもよい。AWG46の太さの細径同軸ケーブル24を40本用意し、直径2.5mmの本実施形態の編組スリーブ23で束ねて高さ1.5mmの隙間に入れてU字状に曲げて摺動させた場合、20万回の曲げ及び摺動の繰り返し後も中心導体が破断することがない。一方、接着テープで束ねる場合、径が1.8mmとなるので1.5mmの隙間に入れることができない。
細径同軸ケーブルハーネス20を製造するには、図5(A)に示すように、長さの異なる複数本の細径同軸ケーブル24のうち、比較的短い細径同軸ケーブル24aを中央に配置し、端に向かって順次長い細径同軸ケーブル24bを配置して、端部21a,21bが等ピッチとなるように整列する。そして、その配列状態をフィルムや治具等で保持しながら、細径同軸ケーブル24の端部から中心導体や外部導体を段階的に露出させて端末処理し、さらにコネクタ25を接続して成端処理する。
本実施形態の編組スリーブ23は、幅方向に対する合成繊維の角度である編組角度θが63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下である。これにより、編組スリーブ23の両端を容易に広げることができ、そこからコネクタ25および細径同軸ケーブル24を通すことができる。ここで、編組密度は編組スリーブ23の内面の面積に対して編組スリーブ23を構成する素線が覆っている部分の面積の割合いをいう。素線の間に隙間があるほど編組密度が低くなる。隙間なく編組された場合は編組密度100%となる。編組密度は、編組角度と素線の持ち数および打ち数とで決まる。
図6に示すように、編組スリーブ23を長手方向に縮めつつ一端の径を周方向に広げ、その中にコネクタ25を通していく。編組スリーブ23は、約2.5倍程度に拡径可能であり、例えば2mmの直径のものを直径5mmまで拡径することができる。したがって、コネクタ付けした複数本の細径同軸ケーブル24を拡径した編組スリーブ23内へ容易に通すことが可能である。
これにより、図5(B)に示すように、中間部分が編組スリーブ23により束ねられた細径同軸ケーブルハーネス20を形成することができる。また、比較的短い細径同軸ケーブル24aを中央に配置し、比較的長い細径同軸ケーブル24bを端に配置しているため、細径同軸ケーブルハーネス20を曲げたときに、曲げた時や捻った時の張力がかかりにくく、中心導体の破断を防ぐことができる。コネクタ25および細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に通した後は、編組スリーブ23の両端を接着テープ等で固定し、編組スリーブ23が解けないようにするのが好ましい。編組スリーブ23の端部を接着テープ等で細径同軸ケーブル24に貼り付けて固定するのでもよい。
また、編組角度θが小さすぎたり編組密度が大きすぎると、編組スリーブ23を周方向へ十分に拡径することができず、細径同軸ケーブル24に取り付けたコネクタ25を通すことが困難となり、また、編組角度θが大きすぎたり編組密度が小さすぎると、編組が疎な状態となってスリーブの状態の保持が困難となり、捻回時に通した細径同軸ケーブル24が編組した合成繊維の間から外部に飛び出してしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態の細径同軸ケーブルハーネス20の編組スリーブ23は、合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、編組の厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であるという薄く小径のものでありながら、合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、曲げや摺動、捻回に対して強い。さらに、編組スリーブ23は、編組角度θが63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であるので、編組スリーブ23を周方向へ十分に拡径して細径同軸ケーブル24に取り付けたコネクタ25を通すことができ、しかも、編組のスリーブの状態を良好に保持することができ、編組スリーブ23内に通した細径同軸ケーブル24が捻回時に編組の目から外部に飛び出すような不具合も生じない。
AWG44の細径同軸ケーブル24を40本一列に並べて奥行き2mmのコネクタ25に付けた場合、コネクタ25ごと細径同軸ケーブル24を2.5mmの内径の編組スリーブ23に通すには、編組スリーブ23の端の口径を5mmまで広げる必要がある。太さが30μmのポリエステル糸(引っ張り強度3.8cN)を編組した編組スリーブ23の編組角度を60°とした場合、編組スリーブ23の端部の口径が十分に広がらず、コネクタ25付きの細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に通すことができなかった。編組角度を63°とした場合には、コネクタ25付きの細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に通すことができた。編組角度を77°とした場合でもコネクタ25付きの細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に通すことができた。編組角度を80°とした場合には、角度が付きすぎて編組が疎になり捻回時にスリーブの形状が保持されない。捻回時に編組の目が開いて中の細径同軸ケーブル24がスリーブの目から飛び出すことがあった。ポリエステル糸の太さを60μmとした場合も同様であった。ポリエステル糸の太さが60μmより太いと編組スリーブ23の厚さを0.1mmとすることができず、ハーネスの細径化の点で好ましくない。
編組密度が96%を超えると編組スリーブ端部の口径を広げる作業が難しくなり、作業性(所要時間および不良率)が著しく悪化する。
溶融液晶性ポリマーと屈曲性ポリマーとからなるモノフィラメントハイブリッド繊維(引っ張り強度が16cN/dtex)編組密度を80%として外径2.5mmの編組スリーブを作成し、それに細径同軸ケーブルを通して上記と同様の細径同軸ケーブルハーネスとした。このハーネスは、高さ2.4mmの隙間に入れて摺動させた場合に曲げ及び摺動を10万回繰り返しても中心導体の破断が生じず、強度の点で十分であった。
引っ張り強度が2.5cN/dtexのレーヨンで編組密度を90%として外径2.5mmの編組スリーブを作成し、それに細径同軸ケーブルを通して上記と同様の細径同軸ケーブルハーネスとした。このハーネスは、高さ2.4mmの隙間に入れて摺動させた場合に10万回の曲げ及び摺動の繰り返しにより、中心導体の破断が生じ、強度の点で不十分であった。
溶融液晶性ポリマーと屈曲性ポリマーとからなるモノフィラメントハイブリッド繊維(引っ張り強度が16cN/dtex)で編組密度を80%として外径2.5mmの編組スリーブ23を作成し、それに細径同軸ケーブル24を通して上記と同様の細径同軸ケーブルハーネス20とした。このハーネス20は、高さ2.4mmの隙間に入れて摺動させた場合に10万回の曲げ及び摺動を繰り返しても中心導体の破断が生じず、強度の点で十分であった。
なお、細径同軸ケーブルハーネス20の曲げ方向が決まっている場合には、等ピッチに整列した細径同軸ケーブル24のうち、整列方向の一方側に比較的短い細径同軸ケーブル24aを配置し、他方側に比較的長い細径同軸ケーブル24bを配置してハーネスを形成し、曲げの内側に短い細径同軸ケーブル24aを配置させれば、全体的に曲げによる負荷を効果的に低減することができる。
また、前述した実施形態においては、細径同軸ケーブルハーネス20の端部21a,21bにコネクタ25を取り付けて成端処理した場合について説明したが、図7及び図8に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20の細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けして成端処理することも可能である。細径同軸ケーブル24を基板11,12に直付けする場合には、並列させた細径同軸ケーブル24の端末を基板11,12に対してフィルムなどで仮止めし、細径同軸ケーブル24の端末の中心導体を基板11,12の接続端子に半田付けで接続すればよい。また、外部導体にグランドバー26を接続し、その反対側から別のグランドバー27または押さえ部材27を配置して、各細径同軸ケーブル24を挟むことでも、ピッチを固定できる。基板11,12の片面に直付けすることもでき(図8(A)参照)、基板11,12の端部に直付けする場合は両面に直付けすることもできる(図8(B)参照)。上の基板11に接続するときは、その下面に、下の基板12に接続するときはその上面に付ける。直付けに限らずコネクタ等で基板11,12に接続するときも基板11,12の両面に接続することができる。
また、細径同軸ケーブルハーネス20の端を、前記で説明したコネクタ25の替わりにFPC(Flexible Printed Circuits)に接続し、FPCを基板11,12に取り付けることもできる。
これらの場合も、編組スリーブ23の端の口径を広げて細径同軸ケーブル24を編組スリーブ23に容易に通すことができる。
また、本発明の細径同軸ケーブルハーネスには、外部導体を有さない絶縁電線を適宜混在させることができる。絶縁電線をグランドとして使用することや、絶縁電線を給電線として使用することができる。
また、細径同軸ケーブルハーネス20は、スライドする筐体以外の機器内配線にも使用できる。例えば、図9に示すように、筐体同士が相対的に回動する携帯電話等の機器に組み込んで使用することもできる。
図9の例では、非移動側の筐体32に直線溝32aと曲線溝32bが形成され、これらの溝32a,32bに移動側の筐体31に設けられたピン31a,31bが嵌挿されている。筐体31の移動時には、図9(A)に示した状態から、筐体31がピン31aの移動に伴い上方に変位するとともにピン31bの移動に伴い反時計回りに回動され、図9(B)の状態を経て、筐体31がピン31aの移動に伴い下方に変位するとともにピン31bの移動に伴いさらに反時計回りに回動されて、図9(C)の状態となる。これにより、筐体31が筐体32に対して90度回転される。このとき、筐体31の基板と筐体32の基板に接続された細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体32に接続された端部21b付近は動かず、筐体31に接続された端部21aが上下に変位するとともに90度回動する。図9(A)から(C)の動きと、その逆の動きの繰り返しにより、細径同軸ケーブルハーネス20には端部21a近傍部分が繰り返し曲げられ、筐体31,32内で摺動されるが、細径同軸ケーブル24は編組スリーブ23内で負荷を逃がすように移動し、中心導体が破断することが防がれる。また、編組スリーブ23が摩擦により損傷することも防がれる。
さらに他の例として、図10に示すように、細径同軸ケーブルハーネス20は、筐体の端部同士がヒンジによって回動可能に連結された携帯電話等の機器に組み込んで使用することもできる。
図10に示す形態では、第1筐体41及び第2筐体42を備えた携帯電話端末40のそれぞれの第1筐体41及び第2筐体42が、細径同軸ケーブルハーネス20によって接続されている。
携帯電話端末40は、第1筐体41及び第2筐体42の端部同士が、ヒンジ44によって回動可能に連結され、開閉されることにより位置関係が変化する。第1筐体41及び第2筐体42は、その連結側の端面に、ケーブル挿通孔45,46がそれぞれ形成されており、これらのケーブル挿通孔45,46から、細径同軸ケーブルハーネス20の両端がそれぞれ導入されている。また、ヒンジ44には、連通孔44aが形成されており、この連通孔44a内に細径同軸ケーブルハーネス20が挿通されている。
第1筐体41と第2筐体42とがヒンジ44により相対的な回動を繰り返しても、細径同軸ケーブルハーネス20の編組スリーブ23は摩擦により損傷することがなく、細径同軸ケーブル24は編組スリーブ23内で負荷を逃がすように移動し、中心導体の破断も生じない。
(A)は本発明の細径同軸ケーブルハーネスに係る実施形態の例を示す平面図、(B)はその側面図である。 (A)は上下の基板を重ねた状態を示す平面図、(B)はその側面図である。 (A)は細径同軸ケーブルハーネスの端部にコネクタを装着した状態を示す平面図、(B)はその側面図、(C)はその断面図である。 編組スリーブの一部を示す平面図である。 (A)は細径同軸ケーブルハーネスの細径同軸ケーブルを束ねる前の状態を示す平面図、(B)は編組スリーブにより細径同軸ケーブルを束ねた後の状態を示す平面図である。 編組スリーブへ束ねた細径同軸ケーブルの束を通す際の編組スリーブの端部の状態を示す平面図である。 細径同軸ケーブルハーネスを基板に直付けした状態の例を示す平面図である。 (A)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の片面に直付けした状態の例を示す側面図、(B)は細径同軸ケーブルハーネスを基板の両面に直付けした状態の例を示す側面図である。 細径同軸ケーブルハーネスを、筐体が回動する携帯電話内に配線した例を示す平面図である。 細径同軸ケーブルハーネスを、筐体がヒンジにより回動する携帯電話内に配線した例を示す斜視図である。
符号の説明
20…細径同軸ケーブルハーネス、23…編組スリーブ、24…細径同軸ケーブル、25…コネクタ、θ…編組角度

Claims (1)

  1. 複数の細径同軸ケーブルが束ねられ、その端末が成端処理されていて、機器内の湾曲、回動または摺動する箇所に使用される細径同軸ケーブルハーネスであって、
    前記複数の細径同軸ケーブルは、合成繊維を編組した筒状の編組スリーブに通されて束ねられ、
    前記編組スリーブは、前記合成繊維の引っ張り強度が3.0cN/dtex以上であり、前記合成繊維の繊維径が30μm以上60μm以下であり、厚さが0.1mm以下であり、円筒状とした状態の断面の直径が2.5mm以下であり、編組角度が63°以上77°以下であり、編組密度が80%以上96%以下であることを特徴とする細径同軸ケーブルハーネス。
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