JP5265868B2 - 極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造万法 - Google Patents

極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維及びその製造万法 Download PDF

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Description

本発明は、極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維及び該繊維の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、厚み及び機械的強度に優れたアラミド薄葉材を製造するために有用な極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維ならびに該繊維を工業的に製造する方法に関するものである。
従来、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジハライドとから製造される全芳香族ポリアミド(本発明では「アラミド」ということがある)は、耐熱性及び難燃性に優れている素材として周知であり、また、これらの全芳香族ポリアミドはアミド系極性溶媒に可溶で、該重合体溶液から乾式紡糸、湿式紡糸、半乾半湿式紡糸等の方法により繊維となし得ることもよく知られている。
かかる全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミドの繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものである。これらの特性を発揮して、例えば防護衣等の防災安全衣料用途やフィルター、電子部品等の産業用途に用いられている。
特に、携帯通信機器や高速情報処理機器等の最近の進歩に象徴されるように、エレクトロニクス機器の小型軽量化、高性能化に伴い、小型、軽量、高容量で長期保存にも耐える高性能な電池、キャパシター(コンデンサー)への期待は大きく、幅広く応用が図られ、部品開発が急速に進展している。これに応えるため、部材、例えば、電気・電子部品における電極間の隔壁材料であるセパレータに用いる薄いシート状物又は紙状物である薄葉材に関しても、さらなる薄葉化と機械的強度の向上が期待されている。
これに従い、その材料となるメタ型全芳香族ポリアミド繊維に対する市場要求として、必要な機械強度を備えた状態で、より細い単糸繊度の極細繊維が求められるようになってきている。
ポリパラフェニレンテレフタルアミドやポリ・パラフェニレン・3.4’ジフェニールエーテル・テレフタルアミド等に代表されるパラ型の全芳香族ポリアミド繊維においては、既に単糸極細化に関する検討が行われており、幾つかの技術が提案されている(下記特許文献1〜6参照)。しかし、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(PMIA)に代表されるメタ型の全芳香族ポリアミド繊維に関しては、高ドラフト紡糸を安定的に行うことが困難であり、また高倍率延伸が困難であることから、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の単糸極細化については未だ知られていない。
特開昭63−53286号公報 特開平5−311510号公報 特開平6−2216号公報 特開2005−273126号公報 特開2005−299014号公報 特開2006−269305号公報
本発明の第1の目的は、薄さ及び機械的強度に優れたアラミド薄葉材を製造するために用いる極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、かかる極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維を工業的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らの研究によれば、上記の第1の目的は、単糸繊度が0.1〜0.5dtex、強度が3.0cN/dtex以上であることを特徴とする極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維によって達成される。
また、上記の第2の目的は、メタ型全芳香族ポリアミドのアミド系極性溶媒溶液を湿式紡糸し延伸・熱処理することにより全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、
(1)ポリマー濃度が15〜22重量%であるメタ型全芳香族ポリアミドのアミド系極性溶媒溶液を、無機塩を含む水性凝固浴中に紡出して凝固せしめ、
(2)得られた凝固糸をドラフト率2〜7で引き取り、
(3)水洗洗浄浴中にて水洗した後、
(4)湿式延伸浴中で延伸し、
(5)さらに温水浴中にて繊維中の無機塩を取り除き、
(6)続いて乾燥熱処理する、
ことにより、単糸繊度が0.1〜0.5dtex、繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上である繊維を得ることを特徴とする極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法によって達成される。
この方法において、上記メタ型全芳香族ポリアミドの固有粘度(IV)は1.5〜2.0であることが好ましく、また、製造工程では、上記湿式延伸浴中で2〜10倍に延伸すること、そして、このように延伸した繊維を100〜500℃の温度で熱処理することが好ましい。
本発明の極細全芳香族ポリアミド繊維は、これを用いて薄さ及び機械的強度の双方に優れたアラミド薄薬材を製造することができ、このアラミド薄薬材は、例えばキャパシタ用セパレータ基材用素材として極めて有用である。
また、本発明の製造方法によれば、従来製造が困難であった単糸繊度が0.1〜0.5dtex、繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上である極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維を工業的に製造することが可能となる。
本発明におけるメタ型全芳香族ポリアミドは、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとを原料として、例えば溶液重合や界面重合させることにより製造されるポリアミドであるが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、例えばパラ型等の他の共重合成分を共重合したものであってもよい。
上記メタ型芳香族ジアミンとしては、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフエニルスルホン等、ならびに、これらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼン等を使用することができる。これらは単独で使用してもよく、混合ジアミンとして2種以上併用してもよいが、なかでも、メタフェニレンジアミン又はメタフェニレンジアミンを70モル%以上含有する上記の混合ジアミンが好ましい。
また、メタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、イソフタル酸クロライド、イソフタル酸ブロマイド等のイソフタル酸ハライド、ならびに、これらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライドを使用することができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。なかでも、イソフタル酸クロライド又はイソフタル酸クロライドを70モル%以上含有する上記の混合カルボン酸ハライドが好ましい。
上記メタ型の芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸ハライドに加え、他の芳香族ジアミン及び/又は芳香族ジカルボン酸ハライドを共重合成分として少量併用することも出来る。かかる他の芳香族ジアミンとしては、パラフェニレンジアミン、2,5−ジアミノクロルベンゼン、2,5−ジアミノブロムベンゼン、アミノアニシジン等のベンゼン誘導体、1,5−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられ、一方、他の芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライド等が挙げられる。これらの共重合成分の共重合割合は、あまりに多くなりすぎるとメタ型全芳香族ポリアミド繊維の諸特性が低下しやすいので、ポリアミドの全酸成分を基準として20モル%以下が適当である。
本発明で好ましく使用されるメタ型全芳香族ポリアミドは、全繰返し単位の80モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるポリアミドであり、特にポリメタフェニレンイソフタルアミドのホモポリマーが好ましい。
かかるメタ型全芳香族ポリアミドの重合度は、30℃の濃硫酸を溶媒として測定した固有粘度(IV)が1.5〜2.0の範囲が適当であり、1.7〜1.9の範囲がさらに好ましい。IVが2.0より高い場合、高ドラフト紡糸が困難となり、所望の繊度を達成できない。一方、IVが1.5未満の場合、高ドラフト紡糸は可能であるが、所望の強度を有する繊維が得られない。
上述した本発明の極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、以下の方法により好適に製造することができる。すなわち、
(1)ポリマー濃度が15〜22重量%、好ましくは15〜20重量%、であるメタ型全芳香族ポリアミド溶液のアミド系極性溶媒溶液(以下、紡糸用ドープと称することがある)を、アミド系極性溶媒と無機塩と水からなる凝固浴中に吐出して凝固せしめ、
(2)得られた凝固糸をドラフト率2.0〜7.0、好ましくは3.0〜6.0、で引き取り、
(3)該凝固糸を、水、アミド系極性溶媒と水、又は、アミド系極性溶媒と無機塩と水からなる湿式延伸浴中で2.0〜10倍に延伸し、
(4)さらに、延伸の前及び/又は後に、温水浴中にて繊維中の無機塩を取り除き、
(5)しかる後、温度100〜500℃、好ましくは200〜400℃、で熱処理すること、
により製造することができる。
ここで紡糸用ドープとなるメタ型全芳香族ポリアミド溶液の調製に使用されるアミド系極性溶媒としては、該メタ型全芳香族ポリアミドを溶解することができれば任意のものを使用することができる。適当なアミド系極性溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系極性溶媒を挙げることができ、なかでもNMP又はDMAcが該溶液の安定性の観点から好ましい。
また、紡糸用ドープ中のメタ型全芳香族ポリアミドの濃度(以下、ポリマー濃度と称することがある)は、15〜22重量%、特に15〜20重量%、の範囲が適当である。該ポリマー濃度が22重量%を超える場合には、極細化に必要な高ドラフト化での紡糸安定性が著しく損なわれ、目的とする極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることが出来ない。一方15重量%未満の場合には、湿式紡糸時の凝固性が低下して安定に紡糸することが困難になる。
なお、上記の紡糸用ドープには、本発明の目的を阻害しない範囲で水、塩化カルシウム等の無機塩を含んでいてもよい。このような水や無機塩は必要に応じて添加することもあるが、溶液調製プロセス(例えば重合体製造プロセス)で必然的に生成するものであってもかまわない。ここで水の含有量は、メタ型全芳香族ポリアミド重量を基準として高々70重量%であり、好ましくは50重量%以下、特に15重量%以下である。また、無機塩の含有量は該メタ型全芳香族ポリアミド重量を基準として45重量%程度(溶液重合で通常副生される塩化カルシウムの量)以下である。
上記の如く調製された紡糸用ドープを湿式紡糸法により凝固浴中に吐出する場合、紡糸口金としては多ホールのものを用いることができる。ホール数としては約50000個以下、好ましくは500〜30000個の範囲が適当である。
本発明における凝固浴は、(a)水のみ、(b)アミド系極性溶媒と水(H0)との2成分、又は、(c)アミド系極性溶媒と水(H0)と無機塩との3成分から実質的なる凝固液で構成される。この凝固液に含まれるアミド系極性溶媒としては、メタ型全芳香族ポリアミドを溶解し、水と良好に混和するものであれば任意のものを使用することができるが、特にN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを好適に用いることができる。なかでも、溶媒の回収等を考慮すると、紡糸用ドープ中のアミド系極性溶媒と同種のものが好ましい。
凝固液中における上記各成分の好適な混合比は、紡糸用ドープの条件及び凝固液の種類によって異なるが、実質的にアミド系極性溶媒と水とから構成される凝固液においては、アミド系極性溶媒の割合が水溶液重量に対して30〜70重量%の範囲にあるのが適当である。一方、実質的にアミド系極性溶媒と無機塩と水とから構成される凝固液では、アミド系極性溶媒+無機塩(両成分の合計)の割合は30〜70重量%の範囲が適当である。
凝固浴の適当な温度範囲は、凝固液組成と密接な関係があるが、20〜135℃の範囲が適当である。特に、凝固液中のアミド系極性溶媒の割合が15重量%以下の場合には30〜90℃の範囲、アミド系極性溶媒の割合が15〜25重量%の場合には40〜125℃、アミド系極性溶媒の割合が30〜70重量%の場合には20〜70℃の範囲が好適である。
凝固浴中で形成された凝固糸を該凝固浴から引出す速度は5〜25m/分の範囲が適当であるが、生産性を向上させる観点からは10〜25m/分の範囲とするのが好ましい。凝固液中への凝固糸の浸漬時間は0.1〜30秒の範囲が適当であり、浸漬時間が短くなりすぎると糸条の形成が不十分となり断糸が発生するおそれがある。
本発明により極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維を得るためには、湿式紡糸工程での高ドラフト化が必須であり、上述の紡糸ドープ濃度では、紡糸ドラフトが2.0〜7.0の範囲で紡糸することが重要である。なかでも3.0〜6.0の範囲が安定して紡糸する上で好ましい。なお、ここでいう「紡糸ドラフト」とは、紡糸孔からのドープの吐出線速度と凝固浴から凝固糸を引き出すローラーの周速度との比である。紡糸ドラフトが2.0未満では本発明の目的とする極細繊維を得ることは困難である。ただし、紡糸ドラフトが7.0を超えると紡糸調子が悪化する。
凝固液から引き出された凝固糸は、必要に応じて、洗浄工程、可塑化工程を経た後に、湿式延伸浴で延伸され、さらに必要に応じて洗浄工程、熱処理工程を経た後に弛緩熱処理が施される。この際、延伸浴として可塑化浴を用いるのが好ましく、該可塑化浴としては、アミド系極性溶媒と水、又は、アミド系極性溶媒と無機塩と水から構成される延伸浴が使用される。
洗浄(水洗)工程は、延伸工程の前又は後あるいはその両方で実施しても構わないが、ここでは延伸前に洗浄する場合を例に説明する。延伸前の洗浄工程は、水温20〜95℃にて多段で行うのが好ましい。該洗浄浴に補充される水量及び該水洗水中の溶媒濃度ならびに洗浄浴中への繊維の浸漬時間は、該洗浄工程を出る繊維中の残留溶媒量がポリマー対比5〜40重量%の範囲となるように制御することが好ましい。この値が5重量%未満の場合には、延伸時の単糸切れが発生しやすくなり、一方、40重量%を越える場合には、洗浄工程を出る繊維中の残留溶媒量が高くなり過ぎるので好ましくない。
洗浄工程で残留溶媒量及び無機塩の量が調整された繊維は、次の湿式延伸浴を用いる延伸工程で、アミド系極性溶媒と水、あるいは、アミド系極性溶媒と無機塩と水から構成される可塑化浴中で2.0〜10.0倍、特に2.0〜6.0倍に延伸しながら、繊維中に残留する溶媒及び無機塩が洗浄除去される。なお、湿式延伸浴として上記の如き可塑化浴を使用しないで延伸する場合には、通常2.0〜5.0倍の範囲で延伸することが好ましい。
以上のようにして延伸された繊維は、必要に応じて、再度洗浄工程にて延伸繊維中残留する溶媒及び塩がさらに洗浄除去される。この際の洗浄工程は20〜95℃の温度にて行うのが好ましい。次いで、必要に応じて一旦100℃以上の温度で乾燥し水分を除去する。
乾燥された繊維は、引続いて熱処理工程にて100〜500℃の温度で熱処理される。この際の熱処理は、熱板上、乾熱雰囲気下もしくは蒸気雰囲気下のいずれの条件で行ってもよい。蒸気雰囲気を使用する場合、該蒸気中には水以外にアミド系極性溶媒が含まれてもよい。ここで熱処理温度が500℃を超える場合には、得られる繊維は激しく劣化し、着色し、場合によっては断糸する場合があり、一方、100℃未満の場合には、繊維が十分に弛緩されず、本発明の目的とする繊維の強度は達成できない。なお、熱板にて熱処理する場合には、200〜400℃、特に250〜350℃が好ましい。また、乾熱雰囲気下の熱処理の場合には250〜500℃、蒸気雰囲気下の熱処理の場合には100〜400℃が好ましい。なお、これらの熱処理は、弛緩熱処理、定長熱処理、伸張熱処理のいずれでもよい。
以上の如き本発明の方法で得られる極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、必要に応じて、トウとして収缶したり、巻き取ったり、直接後工程に送られる。必要な場合は捲縮を付与した後にカットして短繊維にした状態で、後工程に供給される。
かかる本発明による極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、単糸繊度が0.1〜0.5dtex、好ましくは0.2〜0.4dtexであり、強度が3.0cN/dtex以上、好ましくは3.0〜4.5cN/dtexという物性を有する。
繊維の単糸繊度が上記範囲外では薄葉材として使用できない場合があるという問題があり、強度が3.0cN/dtex未満では必要な機械強度が達成できない場合があるという問題がある。なお、本発明の極細繊維を構成するメタ型全芳香族ポリアミドの固有粘度(IV)は、1.5〜2.0の範囲にあるのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各物性値は下記の方法で測定した。
<固有粘度(IV)>
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
<繊度>
JIS−L−1015に準じ、測定した。
<強度、伸度>
JIS−L−1015に準じ、試料長20mm、初荷重0.44mN/dtex、伸張速度20mm/分で測定した。
<薄葉材評価>
特公昭52−151624号公報に記載のステーターとローターの組み合わせで構成される湿式沈殿機を用いる方法で、ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドを製造した。これを離解機、叩解機で処理し、重量平均繊維長を0.9mmに調節した。
一方、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を長さ3mmに切断し抄紙用原料とした。上記のアラミドファイブリッドとカットされた繊維とを、それぞれ水中に分散させてスラリーを作成した。
これらのスラリーを、ファイブリッド/カットされた繊維が10/90(重量比)の配合比率になるよう混合し、タッピー式手抄き機にて紙状のシートを作成した。次いで、これを金属製カレンダーロールにより温度300℃、線圧300kg/cmで熱圧加工し、薄紙状のアラミド薄葉材を得た。なお、この際の作成シートは目付け10g/mとした。得られたそれぞれのアラミド薄葉材(紙状物)について以下の方法で厚み及び引張強度を測定し、評価した。
(a)アラミド薄葉材の厚さ
JIS−C−2111に準じ、測定した。
(b)アラミド薄葉材の引張強度
JIS−P−8113に準じ、測定した。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=19のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉未17.6重量部を、−10℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)72.4重量部中に懸濁させ、スラリー状にした後、60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。
このポリマー溶液を85℃に加温して紡糸原液とし、孔径0.05mm、孔数3000の紡糸口金から紡糸ドラフト5.0にて85℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。この凝固俗の組成は、塩化カルシウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水が55重量%であり、浸漬長(有効凝固浴長)30cmにて糸速10.0m/分で通過させた後、一旦空気中に引き出した。この凝固糸条を第1〜第3水性洗浄浴にて水洗し、この際の総浸漬時間は50秒とした。なお、水性洗浄浴としては温度30℃の30重量%NMP水溶液を用いた。次に、この洗浄糸条を40℃の30重量%NMP水溶液からなる延伸浴中にて3.4倍に延伸し、引続き70℃の温水中に48秒浸漬した。次いで、表面温度130℃のローラーに巻き回して乾躁処理した後、表面温度340℃の熱板にて1.00倍に熱処理して、単糸繊度0.19dtex、強度3.21cN/dtex、伸度29.3%のポリメタフェニレンイソフタルアミド極細繊維を得た。
次に、この極細繊維を用い上記の方法で薄葉材を製造した。得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維及び薄葉材の評価結果を後掲の表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、紡糸ドラフトを3.4に変更する以外は実施例1と同様の条作で紡糸、延伸、熱処理した。得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維及び薄葉材の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、紡糸ドラフトを1.5に変更する以外は実施例1と同様の条件で紡糸、延伸、熱処理した。得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維及び薄葉材の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉未21.5重量部を−10℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)78.5重量部中に懸濁させ、スラリー状にした後、60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。
このポリマー溶液を85℃に加温して紡糸原液とし、孔径0.07mm、孔数3000の紡糸口金から紡糸ドラフト1.0にて85℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。この凝固浴の組成は、塩化カルシウムが40重量%、NMPが5重量%、残りの水が55重量%であった。浸漬長(有効凝固浴長)100cmにて糸速7.0m/分で通過させた後、一旦空気中に引き出した。この凝固糸条を第1〜第3水性洗浄浴にて水洗し、この際の総浸漬時間は50秒とした。なお、水性洗浄浴としては温度30℃の水を用いた。次に、この洗浄糸条を95℃の水中にて2.4倍に延伸し、引続き95℃の温水中に48秒浸漬した、次いで、表面温度130℃のローラーに巻き回して乾燥処理した後、表面温度340℃の熱板にて1.75倍に熱処理して、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維を得た。得られた繊維及び薄葉材の評価結果を表1に示す。
Figure 0005265868
本発明による極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維は厚み及び機械的強度に優れた耐熱薄葉材を提供することができ、該耐熱薄葉材は、例えばキャパシタ用セパレータ基材用素材として極めて有用である。

Claims (5)

  1. 単糸繊度が0.1〜0.5dtex、強度が3.0〜4.5cN/dtexであることを特徴とする極細メタ型全芳香族ポリアミド連続繊維(ただし、凹凸のはげしい不均一な繊維断面を有している繊維を除く)
  2. メタ型全芳香族ポリアミドのアミド系極性溶媒溶液を湿式紡糸し延伸・熱処理することにより全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、
    (1)ポリマー濃度が15〜22重量%である該メタ型全芳香族ポリアミド溶液を、無機塩を含む水性凝固浴中に紡出して凝固せしめ、
    (2)得られた凝固糸をドラフト率2〜7で引き取り、
    (3)水洗洗浄浴中にて水洗した後、
    (4)湿式延伸浴中で延伸し、
    (5)さらに温水浴中にて繊維中の無機塩を取り除き、
    (6)引き続き、乾燥熱処理する、
    ことにより、単糸繊度が0.1〜0.5dtex、繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上である繊維を得ることを特徴とする極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  3. 湿式延伸浴中で2〜10倍に延伸することを特徴とする請求項2記載の極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 100〜500℃で乾燥熱処理することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. メタ型全芳香族ポリアミド溶液を構成するポリマーの固有粘度(IV)が1.5〜2.0であることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の極細メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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