JP3937050B2 - メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法及びそれによって得られる繊維 - Google Patents
メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法及びそれによって得られる繊維 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式紡糸によって、力学特性、耐熱性等の良好なメタフェニレンジアミンイソフタルアミド骨格を主たる成分とするメタ型全芳香族ポリアミド繊維を高い生産性で製造する方法及びその方法によって得られる実質的に塩類を含まない全芳香族ポリアミド繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジクロリドとから製造される全芳香族ポリアミドが耐熱性に優れかつ難燃性に優れることは従来周知であり、また、これらの全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に可溶であって、これらの重合体溶液から乾式紡糸、湿式紡糸、半乾半湿式紡糸等の方法によって繊維となし得ることも良く知られている。
【0003】
かかる全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミド(以下「メタアラミド」と略称することがある)の繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものであり、かかるメタアラミド繊維は、現在、主に次の(a)(b)の2つの方法によって工業的な生産が行われていると言われており、さらに、これ以外にもメタアラミド繊維の製造法として、次の(c)〜(f)のような方法が提案されている。
【0004】
(a)メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとをN,N−ジメチルアセトアミド中で低温溶液重合させることによってポリメタフェニレンイソフタルアミド溶液を調製し、しかる後、該溶液中に副生した塩酸を水酸化カルシウムで中和して得た塩化カルシウムを含む重合体溶液を、乾式紡糸することによりポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維を製造する方法(特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号明細書参照)。
【0005】
(b)メタフェニレンジアミン塩とイソフタル酸クロライドとを含む生成ポリアミドの良溶媒ではない有機溶剤系(例えばテトラヒドロフラン)と無機の酸受容剤ならびに可溶性中性塩を含む水溶液系とを接触させることによってポリメタフェニレンイソフタラルアミド重合体の粉末を単離し(特公昭47−10863号公報参照)、この重合体粉末をアミド系溶媒に再溶解した後、無機塩含有水性凝固浴中に湿式紡糸する方法(特公昭48−17551号公報参照)。
【0006】
(c)溶液重合法で合成したメタアラミドをアミド系溶媒に溶解した、無機塩を含まないか又は僅かな量(2〜3%)の塩化リチウムを含むメタアラミド溶液から、湿式成形法によって繊維等の成形物を製造する方法(特開昭50−52167号公報参照)。
【0007】
(d)アミド系溶媒中で溶液重合し、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等で中和して生成した塩化カルシウムと水とを含むメタアラミド重合体溶液を、オリフィスから気体中に押し出して、気体中を通過せしめた後、水性凝固浴に導入し、次いで、塩化カルシウム等の無機塩水溶液中を通過せしめて糸条物に成形する方法(特開昭56−31009号公報参照)。
【0008】
(e)アミド系溶媒中で溶液重合し、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等で中和して生成した塩化カルシウムと水とを含むメタアラミド重合体溶液を、オリフィスから、塩化カルシウムを高濃度に含む水性凝固浴中に紡出せしめて糸条物に成形する方法(特開平8−074121号公報、特開平10−88421号公報等参照)。
【0009】
(f)メタアラミドの無機塩を含有するアミド系溶媒溶液を高温の紡糸筒に吐出し、紡糸筒から出た直後に低温の水性溶液で冷却して膨潤させ、これを可塑化塩を含有する水性延伸浴中で延伸することにより、非常に微細な気孔を多数有する密度1.3未満の易染性多孔質繊維を製造する方法(特公昭52−43930号公報参照)。
【0010】
上記(a)の方法は、重合体を単離せずに紡糸用の重合体溶液(紡糸原液)を調製できる利点はあるが、沸点の高いアミド系溶媒を用いる乾式紡糸のため、製造上のエネルギーコストが高く、しかも紡糸口金当たりの孔数を増大すると紡糸安定性が急速に低下する。また、この重合体溶液を水性凝固浴中に湿式紡糸しようとしても失透の多い弱い繊維しか得られないことが多いため、未だに溶液重合によるメタアラミド重合体溶液を水性凝固浴を用いて湿式紡糸する方法は、多くの困難があると考えられおり、いまだに工業的に実施されていない。一方、(b)(c)の方法は、上述した乾式紡糸の問題は回避されるが、重合系と紡糸系とで溶媒が異なること、一度単離された重合体を再溶解するための工程を要すること、再溶解して安定な溶液を得るには特別の配慮と細心の工程管理が要求されることが問題となる(特公昭48−4661号公報参照)。また、(d)の方法では、紡糸口金から空気中に紡糸する場合、口金当たりの孔数を増大すると紡糸安定性が著しく低下するため、生産性が低く効率的でない。さらに、(e)の方法は、良好な物性の繊維を与えるものの、紡糸速度を上げることが困難であるため、生産性に問題がある。(f)の方法は密度が1.3よりかなり小さい多孔質繊維を製造する方法であるが、これは乾式紡糸法の応用的な技術であり、乾式紡糸法と同様の問題点を有する。
【0011】
また、メタアラミド繊維はその耐熱性、絶縁性から電子材料として用いられているが、電子材料として用いるためにはイオン性物質等のコンタミネーションを極力減らすことが求められており、できれば無機イオン性物質を全く含まないことが好ましい。しかし、これまでに知られている製造法では、紡糸過程において、紡糸原液や凝固浴中に塩化カルシウム、塩化リチウム等ポリマードープに対しても非常に親和性が高く、溶解しやすい塩類をかなり高い濃度で含むことが必須であり、そのために製造した繊維中に多量の塩類を含むことは避けられない。そして繊維中に残存する塩類を取り除くには大規模な水洗工程を設ける必要があり、それでも繊維の塩類を完全に取り除くことは不可能であった。
【0012】
したがって、繊維物性を満足し、しかも塩類を全く含まないメタアラミド繊維を高い生産性で製造し得る方法が求められている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、力学特性、熱的性質の良好な塩類を含まないメタアラミド繊維を良好な生産性にて工業的に有利に生産し得る新規な方法を提供することにある。本発明の他の目的は、実質的に塩類を含有しない緻密なメタアラミド繊維を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の本発明の目的は、次の新規な製造方法及び新規なメタ型全芳香族ポリアミド繊維によって達成される。
【0015】
1.メタフェニレンジアミンイソフタルアミド骨格を主成分とするメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解しているメタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液を湿式紡糸することによりメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、(1)紡糸原液として塩類を実質的に含まない重合体溶液を用い、これを紡糸口金からアミド系溶媒と水の組成が重量比で40/60〜70/30であり、かつ塩類を実質的に含まない凝固浴中に吐出して、多孔質の線状体として凝固せしめ、(2)続いて、アミド系溶媒の水性溶液からなる可塑延伸浴中にて延伸し、(3)これを水洗後、熱処理して緻密な繊維を得ることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
【0017】
2.上記工程(2)において、アミド系溶媒と水の組成が重量比で20/80〜70/30であり温度が20〜90℃である可塑延伸浴中で1.5倍〜10倍の延伸倍率で延伸するメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
【0018】
3.上記工程(3)において、250〜400℃の温度範囲で0.7〜4倍の延伸下に熱処理するメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
【0019】
4.上記1〜3の方法において、重合体溶液、凝固浴及び可塑延伸浴に含まれるアミド系溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種で構成されるメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
【0020】
5.上記1〜4のいずれかの方法で製造されたメタ型全芳香ポリアミド繊維であって、繊維の密度が1.2g/cm3より大であり、かつ繊維中の塩類の含有量が全無機イオン性物質の含有量に対して500ppm以下であることを特徴とするメタ型全芳香ポリアミド繊維。
【0021】
6.繊維中のカルシウム濃度が100ppm以下である上記5のメタ型全芳香ポリアミド繊維。
【0022】
7.繊維中の塩化物の濃度が150ppm以下である上記5〜6のメタ型全芳香ポリアミド繊維。
【0023】
8.繊維の密度が1.3g/cm3以上であり、かつ繊維中の全無機イオン性物質の含有量が500ppm以下であって、カルシウム濃度が100ppm以下、繊維中の塩化物濃度が150ppm以下である上記5のメタ型全芳香族ポリアミド繊維。
【0024】
すなわち、本発明によれば、メタフェニレンジアミンイソフタルアミド骨格を主成分とするメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解している重合体溶液を湿式紡糸することによりメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、(1)紡糸工程では塩類を実質的に含まない重合体溶液を用い、これをアミド系溶媒と水からなり塩類を実質的に含まない凝固浴中に湿式紡糸して、多孔質の線状体として凝固せしめ、(2)続いて、これを延伸工程で、アミド系溶媒の水性溶液からなる可塑延伸浴中にて延伸し、(3)その後、これを水洗後、熱処理することによって、実質的に塩類を含まない緻密な繊維が製造される。
【0025】
この際、上記紡糸工程(1)において、凝固浴をアミド系溶媒と水との組成が重量比にして40/60〜70/30でありかつ温度20〜90℃の水性凝固浴となし、上記可塑延伸工程(2)において、アミド系溶媒と水の組成が重量比で20/80〜70/30であり温度が20〜90℃である延伸浴を用い、該浴中で1.5倍〜10倍の範囲で延伸し、次いで、上記の水洗・熱処理工程(3)において、さらに250℃〜400℃の温度条件で0.7倍〜4倍の延伸倍率において熱処理することによって、特に良好な物性を有し塩類を実質的に含まない緻密なメタ系アラミド繊維を良好な生産性で製造することができる。
【0026】
そして、上記の方法によって、繊維の密度が1.2g/cm3より大(好ましくは1.3g/cm3以上)であり、かつ繊維中の全無機イオン性物質の含有量が500ppm以下であって、カルシウム濃度が100ppm以下、繊維中の塩化物濃度が150ppm以下であるメタ型全芳香族ポリアミド繊維を容易に製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、メタフェニレンジアミンイソフタルアミド骨格を主成分とするメタ型全芳香族ポリアミドを含むアミド系溶媒からなる重合体溶液を湿式紡糸することにより実質的に塩類を含まない緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法であって、以下に詳述する特定の工程(1)、(2)及び(3)を順次行うことによって、実質的に塩類を含まない緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維が製造される。
【0028】
<紡糸用重合体溶液(紡糸原液)の調製>
本発明において使用されるメタ型全芳香族ポリアミドは、メタフェニレンジアミンイソフタルアミドを主に骨格とするものであり、その製造方法は特に限定されず、例えば、メタ型芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸クロライドとを原料とした溶液重合や界面重合等により製造することができる。
【0029】
かかる原料の一つであるメタ型芳香族ジアミンとしては、主として下記式で示されるジアミンが使用される。
【0030】
【化1】
【0031】
かかるメタ型芳香族ジアミンの具体例としては、メタフェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼン等が挙げられる。その他のメタ型芳香族ジアミンとしては、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0032】
本発明では、なかでも、メタフェニレンジアミン又はこれを主体とする混合ジアミンが好ましい。メタフェニレンジアミンと併用する他の芳香族ジアミンとしては、上記のメタ型芳香族ジアミンのほかにパラフェニレンジアミン、2,5−ジアミノクロルベンゼン、2,5−ジアミノブロムベンゼン、アミノアニシジン等のようなベンゼン誘導体、1,5−パラナフチレンジアミン、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4−ジアミノジフェニケトン、ビス(アミノフェニル)フェニルアミン、ビス(パラアミノフェニル)メタン等が用いられる。
【0033】
溶解性の良い重合体が望まれる場合には、このような他の芳香族ジアミンは全体の20モル%程度まで使用可能であるが、高結晶性の重合体が望まれる場合には、メタフェニレンジアミンが90モル%以上、特に95モル%以上、含まれることが好ましい。
【0034】
一方、本発明で使用する芳香族ジカルボン酸クロライドは、イソフタル酸クロライド又はこれを主体とする芳香族ジカルボン酸クロライドである。イソフタル酸クロライドと併用し得る他の芳香族ジカルボン酸クロライドとしては、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4−ビフェニルジカルボン酸クロライド、3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテル等が挙げられる。
【0035】
本発明の実施に当たって、溶解性の良好な重合体が望まれる場合は、これらの他の芳香族ジカルボン酸の高率(20モル%程度まで)混合も可能であるが、高結晶性の重合体が望まれる場合は、イソフタル酸クロライドが90モル%以上、特に95モル%以上含まれることが好ましい。
【0036】
上記のメタ型全芳香族ポリアミドの中でも、全ポリマー繰返し単位の90〜100モル%がメタフェニレンジアミンイソフタルアミド単位である重合体であって、塩類を実質的に含まないものが好適に使用される。
【0037】
本発明においては、上記メタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解しており、かつ塩類(無機イオン性物質)を実質的に含まない重合体溶液を、後述する工程に供給する。かかる重合体溶液は、上記溶液重合等で得られたメタ型全芳香族ポリアミドを含むアミド系溶媒溶液から塩類を除去したものを用いてもよいし、上記溶液重合、界面重合等で得られたメタ型全芳香族ポリアミドを含む溶液から該メタ型全芳香族ポリアミドを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。ここで「塩類を実質的に含まない」とは、重合体溶液中の塩類の合計量が0.1重量%未満であることを意味し、ごく少量の塩類が含有することは許容されるが、その量は少なければ少ない方がよく0〜0.01重量%であることが好ましい。
【0038】
かかるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等を用いることが出来るが、特に、溶液重合から湿式紡糸工程に至るまでの重合体溶液の安定性等から、N−メチル−2−ピロリドンを用いることがより好ましい。
【0039】
本発明において紡糸原液に用いる重合体溶液は、水を含んでいてもよい。このような水は必要に応じて添加することもあるが、溶液調製プロセスで必然的に生成するものであってもかまわない。その濃度としては、溶液が安定に存在する範囲であるならばいかなる濃度でもかまわないが、例えばポリマー重量に対して0〜60重量%の範囲で添加、含有されるのが通常好ましく、特に15重量%以下であることが好ましい。これを超える濃度では、ポリマー溶液の安定性が損なわれ、ポリマーの析出、ゲル化によって紡糸性が著しく損なわれることがある。
【0040】
<工程(1):湿式紡糸>
本発明では、湿式紡糸において、多孔凝固と後緻密化というメタアラミドでは従来不可能と考えられてきた新規な紡糸・製糸プロセスをとることにより、優れた力学特性、耐熱性を有し実質的に塩類を含まないメタアラミド繊維を効率的に良好な生産性で製造することができる。
【0041】
本発明では、塩類を実質的に含まない重合体溶液からなる紡糸原液を、好ましくは紡糸孔数300〜30000個を有する多ホールの紡糸口金を通じて、塩類を実質的に含まない凝固浴中に直接紡出する湿式紡糸法によって、力学特性、耐熱性等に優れたメタアラミド繊維を製造することを、可能にするものである。
【0042】
特開昭51−564号公報には、塩を含まない凝固浴を用いて湿式紡糸する方法が記載されており、ここでは、凝固浴として高温のポリアルキレングリコール浴を用いることにより塩類を含まない凝固浴でメタアラミド繊維を製造できると記載されているが、この方法では蒸留の不可能な高分子化合物を凝固浴液として用いるため、回収が困難になり、コストが高くなるために工業的生産に適した方法ではなく、回収系まで含めて工業的に可能な無塩凝固浴を用いた紡糸法は開発されていない。
【0043】
本発明によれば、この問題を解決するために、アミド系溶媒の水溶液という非常に簡単な組成の凝固浴を用い、これにより均質な多孔質の線状体としてポリマー溶液を凝固する。すなわち、本発明では、先に述べた重合体溶液を、好ましくは20〜90℃の範囲内で凝固浴温度に対応する温度に調整した後、上記紡糸口金から後述する組成、温度の凝固浴中に紡出(出糸)し、糸条物を多孔質体として形成せしめた後、この糸条物を凝固浴から引き出し、引き続き、工程(2)すなわちアミド系溶媒水溶液中で2〜10倍の延伸倍率で延伸する工程、さらに工程(3)すなわち、水洗・乾燥後に250〜400℃の範囲の温度で熱処理する工程、を経て緻密で物性の優れたメタアラミド繊維とする。
【0044】
すでに述べたように、特公昭52−43930号公報には、乾式紡糸に準ずる方法で最終的に密度が1.3g/cm3よりかなり小さい多孔性メタアラミド繊維を製造する方法が開示されている。しかし、ここでは乾式紡糸法という本発明の湿式凝固法とは全く技術的に異なる方法を用いている。この方法では乾式紡糸の後、低温の溶剤含有水溶液中で再度、膨潤させるという工程をとるために、紡糸口金のホール数を多くして高い生産性で繊維を製造することが困難である。これに対し、本発明では特定の温度範囲の凝固条件において湿式紡糸することにより均質な多孔質を形成する凝固法を採用し、これによって多ホールの紡糸口金が使用可能な湿式紡糸において良好な生産性と均質な多孔構造の糸条物の形成とを同時に達成し得る方法を確立したものである。
【0045】
また、この特公昭52−43930号公報記載の方法で得られる多孔性メタアラミド繊維は、密度が1.18g/cm3より小さいことが好ましいとされており、本発明で最終的に得られるメタアラミド繊維に比べて多孔度の高い繊維である。
【0046】
本発明において、後工程で十分に物性を発現し得る程度の緻密化を実現するためには、凝固段階で形成される糸条物の多孔構造を出来る限り均質なものとすることが極めて重要である。多孔構造と凝固浴の条件とは緊密な関係にあり、凝固浴の組成と温度条件の選定は極めて重要である。
【0047】
本発明における凝固浴は、塩類を実質的に含まず、アミド系溶媒と水(H2O)との2成分から実質的になる水溶液で構成される。この凝固浴組成において、アミド系溶媒としてはメタアラミドを溶解し、水と良好に混和するものであれば好適に用いることが出来るが、特に、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等を好適に用いることが出来る。溶媒の回収等を考慮すれば、紡糸原液中のアミド系溶媒と同じ種類のものを使用するのが好ましい。
【0048】
アミド系溶媒と水との最適な混合比は、重合体溶液の条件によっても若干変化するが、凝固浴液中のアミド系溶媒の濃度が40〜70重量%の範囲である必要がある。アミド系溶媒の濃度がこの範囲を下回る条件では糸中に非常に大きなボイドが生じやすくなり、その後の糸切れの原因となりやすく、この範囲を上回る条件では、凝固が進まず、糸条物同士の融着が起こりやすくなる。
【0049】
凝固浴の温度は凝固液組成と密接な関係があるが、一般的には高温である方が、生成糸条物中にフィンガーとよばれる粗大な気泡上の空孔が出来難くなるので好ましい。しかし凝固液濃度が高い場合にはあまり高温にすると糸条物同士の融着が激しくなるので、凝固浴の好適な温度は20〜90℃であり、より好ましくは30〜80℃の範囲である。
【0050】
凝固液は、実質的にアミド系溶媒と水だけで構成されることが好ましいが、これ以外に塩類が少量含まれていても差し支えない。特に、塩化カルシウム、水酸化カルシウム等の塩類はポリマー溶液中から抽出されてくることがあるが、これは多孔凝固に対して何らこれを阻害することはなく、例えば凝固液に対し10重量%以下の低濃度であれば塩類が含まれていても問題はない。したがって、塩類の好適濃度は凝固液に対し0〜10重量%の範囲である。凝固浴中での糸条物の浸漬時間は0.1〜30秒が好ましい。浸漬時間が短かすぎると糸条物の形成が不十分となり断糸が発生するおそれがある。
【0051】
このように糸条物として得られる多孔質の線状体は、でき得る限り密度の高い方が後の緻密化をスムーズに行うために好ましいが、好ましくは0.3g/cm3以上、より好ましくは0.5〜1.0g/cm3の密度である。0.3g/cm3を下回る密度では多孔度が高すぎ線状体を後の工程で緻密化することが困難になる傾向がある。なお、ここでいう密度は、ASTM D2130にしたがって測定した糸太さ及び繊度をもとに算出した値である。
【0052】
この多孔構造は非常に均質な微細孔で形成されており、数μm以上の大きさのボイドあるいはフィンガーといわれる大きな空孔が無く、その孔サイズは走査型顕微鏡で測定すると0.1〜1μm程度のサブミクロンオーダーの大きさを持つ。このような均質で微細な多孔構造は、たとえば凝固に伴うスピノーダル分解によって形成されることが知られている。凝固(湿式紡糸)においてこのような非常に緊密な微細孔構造を持たせることによって、延伸時の断糸を防止し、最終熱セット時の緻密化と糸物性の発現が可能になる。
【0053】
重合体溶液を凝固浴中に吐出する場合、紡糸口金としては多ホールのものを用いることができる。実用上ホール数の上限は約50000個であり、好ましくはホール数300〜30000個の紡糸口金が使用される。
【0054】
<工程(2):可塑延伸>
凝固により得られた多孔線状体は、引き続いてアミド系溶媒の水溶液からなる可塑延伸浴中に導入され、この浴中で2〜10倍の延伸倍率で延伸される。
【0055】
本発明における可塑延伸浴としてはアミド系溶媒の水性溶液が用いられる。このアミド系溶媒としてはメタ型全芳香族ポリアミドを膨潤させ、水と良好に混和するものであれば好適に用いることが出来るが、特にN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等は好適に用いることが出来る。また更に好適には凝固浴に用いたものと同じ溶媒を用いることが好ましい。凝固浴と同種の溶媒を用いれば、回収工程が簡略化され、経済的に有益である。
【0056】
すなわち、重合体溶液、凝固浴及び可塑延伸浴中のアミド系溶媒はすべて同種のものを使用するのが好ましく、かかる溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを単独で使用するか又は2種以上を併用することが好都合である。
【0057】
可塑延伸浴の組成と温度とはそれぞれ密接な関係にあるが、該水溶液中のアミド系溶媒の濃度20〜70重量%、温度20〜90℃の範囲が好適に用られる。この範囲より低い領域では可塑化が十分に進まず、十分な延伸倍率をとることが困難であり、これを上回る範囲では糸の表面が溶解して融着しやすく良好な紡糸が困難になることが多い。
【0058】
本発明の可塑延伸においては、通常1.5〜10倍、好ましくは2〜10倍の倍率で延伸するが、特に2.1〜6.0倍の倍率で延伸することがより好ましい。このように高倍率に延伸をかけることによりメタアラミド繊維の強度、弾性率が向上し良好な物性を示すようになると同時に、多孔構造の孔が引きつぶされ、可塑延伸後に行われる熱処理による緻密化が良好に進行するようになる。但し、極端に高倍率に延伸した場合には、工程の調子が悪化して良好な製糸が困難になる。
【0059】
<工程(3):水洗・熱処理>
上記可塑可延伸浴の工程を経た浴上がりの糸条物は、次に、例えば30℃以下の冷水で洗浄後、さらに50〜90℃の温水で洗浄した後、加熱ローラー、熱風等によって通常100℃以上の温度で乾燥し水分を除去する。その後、熱板、熱ローラ等を用いて270〜400℃の温度で乾熱延伸等の乾熱処理が施される。
【0060】
この乾熱処理(乾熱延伸)工程は、多孔質の線状体を緻密化せしめて繊維として十分な強度、伸度を発現させるために重要な工程である。特に乾熱処理(乾熱延伸)の温度は密度と密接な関係にあり、270〜400℃の温度範囲で処理するのが好ましく、さらに好ましくは300〜370℃の温度で処理する。400℃を超える高温の処理では糸が激しく劣化し、着色し、場合によっては断糸する場合がある。また270℃を下回る温度では十分に緻密化することが出来ず、所望の繊維物性を発現することが困難となりがちである。なお、ここでいう乾熱処理温度は熱板、加熱ローラ等の加熱手段の設定温度をいう。
【0061】
このときの延伸倍率は、弾性率、強度の発現に密接な関係を有し、必要に応じて任意の倍率をとることが出来るが、通常、0.7〜3倍、特に1.0〜2.7倍の範囲に設定することで、良好な熱延伸性と、強度、弾性率の発現が得られる。なお、ここで延伸倍率0.7倍とは糸条が熱処理によって処理前の原長の30%収縮することを意味し、本発明の熱処理は処理時に一定範囲内の制限収縮熱処理であっても差し支えないことを意味する。熱処理の延伸倍率は上述した可塑延伸の倍率を考慮して選定するのが好ましく、糸条物の緻密化と物性の発現、安定した製糸性の実現の観点から、可塑浴延伸及び乾熱延伸を含めた全延伸倍率が3.0〜12倍となるようにすること、さらには2.5〜6倍となるように設定すること、がより好ましい。本発明によるメタアラミド繊維は、延伸性がよく、可塑浴延伸や乾熱延伸時に断糸や毛羽の発生をともなうことなく円滑に高倍率まで延伸することができる。
【0062】
本発明では湿式紡糸−可塑浴延伸−洗浄−乾燥熱処理(熱をすべて連続した一貫工程で実施することができ、これが本発明の利点の一つでもあるが、場合よっては、幾つかの工程に分割し、その順序を入れ替えて実施してもよい。
【0063】
さらに、このようにして製造された繊維は、必要に応じて捲縮加工が施され、適当な繊維長に切断され、紡績その他の次工程に提供される。
【0064】
<本発明により得られる繊維>
以上のごとき本発明によるメタ型全芳香族ポリアミド(メタアラミド)繊維は、通常のメタアラミド繊維と同様の緻密な構造を有し、繊維の密度が1.2g/cm3より大で、好ましくは1.3g/cm3以上で、良好な繊維物性を備え、かつ繊維中の塩類の含有量が極めて小さく、繊維中の塩類の量が無機イオン性物質の全含有量にして500ppm以下、好ましくは300ppm以下である。そして、好ましい態様では、繊維物性や耐熱性、後加工性への悪影響が懸念される繊維中のカルシウム濃度が0〜100ppmである、また電気絶縁性等の電気特性に悪影響を及ぼす繊維中の塩化物の濃度が0〜150ppmであるという利点を有する。
<繊維の用途>
以上のごとき本発明によるメタ型全芳香族ポリアミド(メタアラミド)繊維は、その耐熱性、耐炎性、力学特性を生かした各種の用途に応用することができ、特にイオン性物質の混入を嫌う用途には好適に用いることが出来る。例えば、単独あるいは他の繊維と組み合わせ、織編物にして消防服、防護服等の耐熱耐炎衣料、耐炎性の寝具、インテリア材料として有用であり、特に不織布としてフィルター等各種工業材料、あるいは合成紙、複合材料の原料として有効に使用することができるほか、イオン性物質の含有量がきわめて少ないため、織編物、不織布、合成紙等として電気絶縁材料、電子機器用部品、プリント配線基板等の分野で特に有効である。
【0065】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例及び比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらの記載によって本発明の範囲が限定されるのものではない。
【0066】
なお、実施例及び比較例中、還元粘度(I.V.)は、重合体溶液から芳香族ポリアミドポリマーを単離して乾燥した後、濃硫酸中、ポリマー濃度100mg/100ml硫酸で30℃において測定した値である。また、「部」及び「%」は特に断らない限りすべて重量に基づくものであり、量比は特に断らない限り重量比を示す。さらに、紡糸に用いる重合体溶液(紡糸原液)における重合体濃度(PN濃度)は、全重量部に対する重合体の重量%、すなわち{重合体/(重合体+溶媒+その他)}×100(%)、である。
【0067】
また、凝固により得られた多孔質の線状体の密度は、ASTM D2130にしたがって測定した繊維径と繊度から算出した。
【0068】
得られた繊維中の金属濃度は、アルカリ金属については原子吸光法を用いて、その他の金属イオン濃度はICPを用いて定量を行なった。また、塩化物の濃度はドーマン微量電量滴定法により定量した。
【0069】
[実施例1]
(a)ポリマー溶液の調製
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造したI.V.=1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末21.5重量部を、0℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン78.5重量部中に懸濁させ、スラリー状にした後、60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。
【0070】
上記のポリマー粉末の無機イオン濃度は、Na:730ppm、K:8.8ppm、Ca:5ppm、Fe:2.3ppmであった。また、上記ポリマー溶液のポリマー濃度は21.5%であった。
(b)湿式紡糸
上記(a)で調製したポリマー溶液を紡糸原液として、孔径0.05mm、孔数50の紡糸口金より浴温度80℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。この凝固浴は、水/NMP=45/55の組成の浴を用い、浸漬長(有効凝固浴長)60cmにて糸速8m/分で通過させた後、いったん空気中に引き出した。途中凝固浴より得られた多孔質の線状体の密度は0.65g/cm3であった。
(c)可塑延伸・乾燥熱延伸
引き続き、可塑延伸浴中にて3倍の延伸倍率で延伸を行った。この時の可塑延伸浴は、水/NMP=70/30の組成の浴を用い、温度80℃であった。延伸に続いて、冷水による水洗を十分に行った後、さらに80℃の温水で洗浄した。引き続き、この温水延伸糸を表面温度120℃の乾燥ローラーに巻回して乾燥し、引き続き340〜360℃の熱板上で1.2倍に乾熱延伸して、巻き取った。本実施例における全延伸倍率は3.6倍で、延伸繊維の最終巻き取り速度は28.8m/分であった。
(d)繊維特性
得られたポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の力学的特性は、繊度1.7de(1.53dtex)、密度1.3g/cm3、引張強度3.52g/de(3.11cN/dtex)、伸度24.5%、ヤング率69.2g/de(61.1cN/dtex)であり、良好な力学特性を示した。
【0071】
得られた繊維のイオン濃度は、以下の表1に示すとおりであり、きわめて低い含量を示した。
【0072】
【表1】
【0073】
[比較例1]
比較のため市販のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人「コーネックス」)の含有イオン濃度を測定したところ、以下の表2に示すとおりであった。
【0074】
【表2】
【0075】
【発明の効果】
本発明方法によれば、力学特性、耐熱性等の良好で実質的に塩類を含まない緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維 (特にポリメタフェニレンイソフタルアミド系繊維)を高い生産性で製造することができる。このような塩類を実質的に含まないすなわち無機イオン性物質の濃度が極限的に低いメタ型全芳香族ポリアミド繊維は、耐熱性、難燃性、電気絶縁性等のメタ型全芳香族ポリアミド繊維が本来もつ性質に加えて、電気特性等に影響する実質的な量の無機イオンを含まないため、電子用材料として用いる際に電気特性を損なわない等の特性を有するので有効に使用することができる。
【0076】
このように、本発明によるメタ型全芳香族ポリアミド繊維は、その耐熱性、耐炎性、力学特性を生かした各種の用途に応用することができ、特に無機イオン性物質の混入を嫌う用途には特に好適に用いることが出来る。
Claims (8)
- メタフェニレンジアミンイソフタルアミド骨格を主成分とするメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解しているメタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液を湿式紡糸することによりメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、(1)紡糸原液として塩類を実質的に含まない重合体溶液を用い、これを紡糸口金からアミド系溶媒と水の組成が重量比で40/60〜70/30であり、かつ塩類を実質的に含まない凝固浴中に吐出して、多孔質の線状体として凝固せしめ、(2)続いて、アミド系溶媒の水性溶液からなる可塑延伸浴中にて延伸し、(3)これを水洗後、熱処理して緻密な繊維を得ることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
- 上記工程(2)において、アミド系溶媒と水の組成が重量比で20/80〜70/30であり温度が20〜90℃である可塑延伸浴中で1.5倍〜10倍の延伸倍率で延伸する請求項1記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
- 上記工程(3)において、250〜400℃の温度範囲で0.7〜4倍の延伸下に熱処理する請求項1又は2に記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
- 重合体溶液、凝固浴及び可塑延伸浴に含まれるアミド系溶媒がN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド及びジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種で構成される請求項1〜請求項3のいずれかに記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造法。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の方法で製造されたメタ型全芳香ポリアミド繊維であって、繊維の密度が1.2g/cm3より大であり、かつ繊維中の塩類の含有量が全無機イオン性物質の含有量に対して500ppm以下であることを特徴とするメタ型全芳香ポリアミド繊維。
- 繊維中のカルシウム濃度が100ppm以下である請求項5記載のメタ型全芳香ポリアミド繊維。
- 繊維中の塩化物の濃度が150ppm以下である請求項5又は請求項6記載のメタ型全芳香ポリアミド繊維。
- 繊維の密度が1.3g/cm3以上であり、かつ繊維中の全無機イオン性物質の含有量が500ppm以下であって、含有カルシウム濃度が100ppm以下、繊維中の塩化物濃度が150ppm以下である請求項5記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維。
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