JP2005213664A - メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法 - Google Patents

メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】品質に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を長時間安定して生産できる製造方法を提供すること。
【解決手段】メタ型全芳香族ポリアミドのアミド系溶媒溶液を湿式紡糸してメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造するに際し、湿式凝固液として、該凝固液に不溶の低分子量メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの含有量が250ppm以下であるアミド系溶媒水溶液または無機塩を含むアミド系溶媒水溶液を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、湿式紡糸によって、品質に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を長時間安定して生産できる製造方法に関するものである。
芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジクロリドとから製造される全芳香族ポリアミドが耐熱性に優れかつ難燃性に優れることは従来周知であり、また、これらの全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に可溶であって、これらの重合体溶液から乾式紡糸、湿式紡糸、半乾半湿式紡糸等の方法によって繊維となし得ることも良く知られている。
かかる全芳香族ポリアミドのうち、ポリメタフェニレンイソフタルアミドで代表されるメタ型全芳香族ポリアミド(以下「メタアラミド」と略称することがある)の繊維は、耐熱・難燃性繊維として特に有用なものである。
かかるメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法としては、メタ型全芳香族ポリアミドをアミド系溶媒に溶解した紡糸原液を、アミド系溶媒の水溶液からなる凝固液(無機塩を含有していても含有していなくてもよい)中に押し出し、凝固させた糸条を引き出した後に水洗、延伸、熱処理する方法が知られている。この際、紡糸原液中には、該ポリアミドの溶解助剤として無機塩(例えば塩化カルシウム)を含有させてもよいが、この無機塩の含有量は、該ポリアミド重量に対して45重量%程度が一般的である。
実質的に無機塩を含有しない紡糸原液を湿式紡糸する例としては、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドとを、生成するポリアミドの良溶媒ではない有機溶剤中(例えばテトラヒドロフラン中)で反応させ、得られた溶液もしくは分散液を無機の酸受容剤の水溶液と接触させることによって反応を完結させ、ポリメタフェニレンイソフタルアミド重合体の粉末を単離し、この重合体粉末をアミド系溶媒に再溶解した後、無機塩含有水性凝固浴中に湿式紡糸する方法(特許文献1参照)が提案されている。
また、無機塩の含有量が低い紡糸原液を湿式紡糸する例としては、アミド系溶剤中で80〜98%の反応率になるまで原料物質を初期重合させ、生成したハロゲン化水素をアンモニアで中和した後に不溶性のハロゲン化アンモニウムを分離し、次いで原料物質の残量を添加することにより後重合させ、新たに発生したハロゲン化水素を水酸化カルシウム等で中和し、こうして得られた溶液をそのまま湿式紡糸する方法(特許文献2参照)が提案されている。
一方、無機塩の含有量がメタ型全芳香族ポリアミドに対して約45重量%以上といった、無機塩を高濃度に含有する紡糸原液を湿式紡糸する場合には、凝固過程で繊維中にボイドが発生しやすいため、従来各種の改善方法が提案されている。
例えば、塩の含有量が3重量%以上(溶液濃度)と高濃度に含有するメタ型全芳香族ポリアミド溶液を紡糸原液とし、溶剤濃度および塩濃度が特定範囲にある水系凝固浴を用いて特定範囲の温度で凝固し、次いで溶剤濃度および塩濃度が特定範囲にある状態調整液で特定範囲内温度で処理した後、溶剤濃度および塩濃度が特定範囲にある水性延伸浴中で特定範囲内温度で延伸する方法(特許文献3、4参照)が提案されている。
また、別の方法として、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ジクロライドとをアミド系溶剤中で反応させて得た、副生塩酸を含有したメタ型全芳香族ポリアミド溶液を水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機アルカリで中和してなる高濃度に無機塩を含有する溶液に、特定量のアミド系溶剤および水を添加してポリマー濃度および水濃度を特定範囲にしたものを紡糸原液として湿式紡糸する方法(特許文献5、6参照)が提案されている。
無機塩類を含まないアミド系溶媒と水とからなる凝固液を用いた湿式紡糸法としては、メタフェニレンイソフタルアミドを主たる繰返し単位とするメタ型全芳香族ポリアミドをアミド系溶媒に溶解してなる塩類を含まない重合体溶液を、アミド系溶媒と水とからなり、かつ塩類を含まない凝固浴中に吐出して多孔質の線状体として凝固せしめ、続いて、これをアミド系溶媒の水性溶液からなる可塑延伸浴中にて延伸し、水洗後、熱処理して塩類(無機イオン性物質)が実質的に含まれていない緻密なメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法(特許文献7参照)、該多孔質の線状体の多孔内に凝固液を含んだままかもしくは可塑液を含ませて、該線状体を空気中において加熱延伸し、次いで該多孔内に凝固液もしくは可塑液を含んだまま加熱して熱処理する方法(特許文献8参照)が提案されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも、凝固液中に塩を含む、含まないに関わらず、長時間紡糸を継続すると、凝固時に単繊維断糸数が急激に増加したり、次いで施される延伸処理時に可能な延伸倍率が急激に低下したりするという問題があり、長時間連続的に安定に紡糸することが困難である。
特公昭48−17551号公報 特開昭49−128096号公報 特開平10−88421号公報 特開平10−53920号公報 特開平8−74121号公報 特開平8−74122号公報 特開2000−303365号公報 特開2001−348726号公報
本発明は、上記の背景技術に鑑みなされたもので、その目的は、品質に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を長時間安定して生産できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、凝固浴中の無機塩および溶剤の濃度を制御するのみでは、長時間連続的に紡糸を継続すると、凝固時に単繊維断糸数が増加したり、延伸時に可能な延伸倍率が低下するようになることを知見し、さらに検討を重ねた結果本発明を完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、「メタ型全芳香族ポリアミドのアミド系溶媒溶液を湿式紡糸してメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、湿式凝固液として、該凝固液に不溶の低分子量メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの含有量が250ppm以下であるアミド系溶媒水溶液または無機塩を含むアミド系溶媒水溶液を用いることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。」が提供される。
本発明の製造方法によれば、品質に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維が、工業生産レベルにて有利に且つ長時間安定して生産することができる。
本発明で用いられるメタ型全芳香族ポリアミドは、メタ型芳香族ジアミンとメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとを原料として、例えば溶液重合や界面重合させることにより製造することができる。この際、本発明の目的を阻害しない範囲内でパラ型等の他の共重合成分を共重合してもよい。
上記メタ型芳香族ジアミンとしては、メタフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフエニルスルホン等、およびこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基等の置換基を有する誘導体、例えば2,4−トルイレンジアミン、2,6−トルイレンジアミン、2,4−ジアミノクロルベンゼン、2,6−ジアミノクロルベンゼン等を使用することができる。なかでも、メタフェニレンジアミンまたはメタフェニレンジアミンを80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上含有する上記の混合ジアミンが好ましい。
またメタ型芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、イソフタル酸クロライド、イソフタル酸ブロマイド等のイソフタル酸ハライド、およびこれらの芳香環にハロゲン、炭素数1〜3のアルコキシ基等の置換基を有する誘導体、例えば3−クロルイソフタル酸クロライド、3−メトキシイソフタル酸クロライドを使用することができる。なかでも、イソフタル酸クロライドまたはイソフタル酸クロライドを80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上含有する上記の混合カルボン酸ハライドが好ましい。
上記ジアミンとカルボン酸ハライド以外で使用し得る共重合成分としては、芳香族ジアミンとしてパラフェニレンジアミン、2,5−ジアミノクロルベンゼン、2,5−ジアミノブロムベンゼン、アミノアニシジン等のベンゼン誘導体、1,5−ナフチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’ージアミノジフェニルメタン等が挙げられ、一方、芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライド等が挙げられる。これらの共重合成分の共重合量は、あまりに多くなりすぎるとメタ型全芳香族ポリアミドの特性が低下しやすいので、好ましくはポリアミドの全酸成分を基準として20モル%以下、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下が適当である。
特に好ましく使用されるメタ型全芳香族ポリアミドは、全繰返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%がメタフェニレンイソフタルアミド単位からなるポリアミドである。
かかるメタ型全芳香族ポリアミドの重合度は、30℃の濃硫酸を溶媒として測定した固有粘度(IV)が1.3〜3.0、特に1.7〜2.2の範囲が適当である。
また、使用されるアミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルフオルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられ、なかでもNMPまたはDMAc、特にNMPが重合体溶液の安定性の観点から好ましい。
本発明で用いられる、上述のメタ型全芳香族ポリアミドと溶媒とからなる重合体溶液の濃度は、用いるポリマーの種類およびその固有粘度によって異なるが、25重量%以下、特に15〜22重量%の範囲が適当である。25重量%を超える場合には、ポリマーの溶解度を上回って正常な紡糸をすることが困難になる。なお、紡糸溶液の温度は、ポリマー溶解度の点から50〜90℃の範囲が好ましい。
本発明においては、上記メタ型全芳香族ポリアミド溶液に、本発明の目的を阻害しない範囲で水や塩化カルシウム等の無機塩を含んでいてもよい。このような水や無機塩は必要に応じて添加することもあるが、溶液調製プロセスで必然的に生成するものであってもかまわない。ここで水の含有量は、ポリマー重量を基準として高々70重量%であり、好ましくは50重量%以下、特に15重量%以下である。また、無機塩の含有量は、ポリマー重量を基準として通常は45重量%程度(溶液重合で通常副生される塩化カルシウムの量)以下である。
なお、上記重合体溶液は、溶液重合等で得られたメタ型全芳香族ポリアミドを含むアミド系溶媒溶液をそのまま用いてもよいし、溶液重合、界面重合等で得られたメタ型全芳香族ポリアミドを含む溶液から該メタ型全芳香族ポリアミドを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものであってもよい。
上記重合体溶液を凝固浴中に吐出する場合、紡糸口金としては多ホールのものを用いることができる。ホール数としては約50000個以下であり、好ましくは3000〜30000個の範囲が適当である。
本発明における凝固液は、アミド系溶媒と水(HO)との2成分、または、アミド系溶媒と水(HO)と無機塩との3成分から実質的になる水溶液で構成される。この凝固液組成において、アミド系溶媒としては、メタ型全芳香族ポリアミドを溶解し、水と良好に混和するものであれば任意のものを使用することができるが、特にN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等を好適に用いることができる。なかでも、溶媒の回収等を考慮すると、紡糸原液(上記重合体溶液)中のアミド系溶媒と同じものが好ましい。
これらの適当な混合比は、重合体溶液の条件や凝固液の種類によって異なるが、実質的にアミド系溶媒と水とから構成される凝固液においては、アミド系溶媒の割合が30〜70重量%の範囲が適当である。一方、実質的にアミド系溶媒と無機塩と水とから構成される凝固液では、アミド系溶媒+無機塩の割合は30〜70重量%の範囲が適当である。
本発明においては、上記凝固液に不溶の低分子量メタ型全芳香族ポリアミド(以下、低分子量ポリマーと称することがある)の、該凝固液中に含有する割合(濃度)を、250ppm以下、好ましくは200ppm以下とする必要がある。該低分子量ポリマーの濃度が250ppmを越える場合には、凝固時に単繊維断糸数が急激に増加したり、次いで施される延伸処理時に可能な延伸倍率が急激に低下したりするので好ましくない。
凝固液中の不溶性低分子量ポリマーの濃度を250ppm以下に制御するためには、凝固浴から凝固液の一部を抜出し、新しい凝固液を補充する必要があるが、抜き出した凝固液をすべて廃液処理の方にまわすと新しい凝固液が多量に必要となるので、少なくとも一部の排出凝固液から、低分子量ポリマーの少なくとも一部を分離除去して再利用することが好ましい。その際、新しい凝固液を併用すれば、凝固浴中の溶媒濃度および無機塩濃度を制御しやすいので好ましい。
該低分子量ポリマーの除去方法としては、例えば排出凝固液をフィルターでろ過する方法、塩化メチレン等の抽出液でアミド系溶媒と共に抽出する方法が例示される。これらの方法で得られた濾過液や抽出残液は、必要に応じて溶媒濃度や無機塩濃度を調整した後に凝固浴に戻せばよい。
ここでいう、凝固液に不溶の低分子量ポリマーとは、実施例の欄に記載の方法により採取される凝固液に不溶のポリマー成分であり、3〜12量体の直鎖状構造の、カルボン酸末端またはアミン末端を有するメタ型全芳香族ポリアミドオリゴマーを主とした成分であるが、12量体以上の鎖状構造ポリマーが含まれてもよい。
凝固浴の温度は、凝固液組成と密接な関係があるが、20〜135℃の範囲が適当である。好ましくは、凝固液中のアミド系溶媒の割合が15重量%以下の範囲の場合は30〜90℃の範囲、アミド系溶媒の割合が15〜25重量%の場合は40〜125℃、アミド系溶媒の割合が30〜70重量%の場合は20〜70℃が適当である。
凝固した繊維を凝固浴から引き出す速度は5〜25m/分の範囲が可能であるが、生産性を向上させる観点からは10〜25m/分の範囲とするのが好ましい。凝固液中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。凝固浴中の浸漬時間が短すぎると糸条物の形成が不十分となり断糸が発生するおそれがある。
凝固液から引き出された繊維は、従来公知の洗浄工程、湿式延伸工程、熱処理工程へ送られる。必要に応じて、湿式延伸工程の前に可塑化工程を取り入れてもよい。この際、可塑化浴はアミド系溶媒と水もしくはアミド系溶媒と無機塩と水から構成される。
洗浄工程は湿式延伸工程の後に変更してもよいが、前記順序で処理される場合を例として説明する。洗浄工程は20〜95℃の温度で多段で行なうのが好ましい。該水洗浴に補充される水洗水量および該水洗水中の溶媒濃度、並びに水洗浴中への繊維の浸漬時間は、好ましくは水洗工程を出る繊維中の残留溶媒量がポリマー対比5〜40重量%の範囲に制御することが好ましい。この値が5重量%未満の場合には、延伸時の単糸切れが発生しやすくなり、一方、40重量%を越える場合には、水洗工程を出る繊維中の残留溶媒量を下げることが困難となる。
水洗工程で残留溶媒量並びに無機塩の量が調整された繊維を、湿式延伸工程で2.0〜3.5倍に延伸しながら、残留する溶媒および塩を洗浄除去する。また、湿式延伸としてアミド系溶媒と水もしくはアミド系溶媒と無機塩と水から構成される可塑延伸を行ってもよく、この際は通常1.5〜10倍、好ましくは2〜10倍の倍率で延伸するが、特に2.1〜6.0倍の倍率で延伸することがより好ましい。
延伸された繊維は、100℃以上の温度で乾燥する。必要に応じて、加熱ローラまたは熱板で270〜400℃の温度で熱処理され、さらにこの熱板上で延伸をしてもよい。400℃を超える高温の処理では糸が激しく劣化し、着色し、場合によっては断糸する場合がある。
このようにして得られたメタ型全芳香族ポリアミド繊維は、必要に応じてトウとして収缶したり、巻き取ったり、直接後工程に送り必要な場合は捲縮を付与した後にカットして短繊維としたりして後工程に提供される。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各物性値は下記の方法で測定した。
<固有粘度(IV)>
ポリマーを97%濃硫酸に溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
<凝固液不溶性低分子量ポリマーの濃度>
凝固液を採取し、7μmのフィルターにより析出成分を濾過する。濾過残分を多量の水で水洗後、再度7μmのフィルターによりろ過し、12時間、100℃熱風乾燥機で乾燥して、低分子量ポリマーを得る。
得られた低分子量ポリマーをNMPに溶解後、水を加えて各々60%NMP水溶液の50ppm,100ppm,200ppm,400ppm,1000ppm低分子量ポリマー含有溶液を調整する。各々調整液について50℃で分光光度計にて330nm波長における吸光度を測定し、吸光度(A)と低分子量ポリマー濃度(S)の関係式を得る。
S=(−0.057+(0.0057+2.8×10−5×A)1/2)/(7.0×10−6
次に、凝固液(60重量%NMP水溶液)について、波長330nmにおける吸光度(A1)を50℃にて分光光度計により測定し、低分子量ポリマー濃度を算出する。
[実施例1]
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造したIV=1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末21.5重量部を、−10℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)78.5重量部中に懸濁させ、スラリー状にした後、60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液Aを得た。
上記のポリマー粉末の無機イオン濃度は、Na:730ppm、K:8.8ppm、Ca:5ppm、Fe:2.3ppmであった。また、上記ポリマー溶液のポリマー濃度は21.5%であった。
このポリマー溶液Aを紡糸原液として、孔径0.07mm、孔数3000の紡糸口金より浴温度50℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。この凝固浴は、水/NMP=40/60の組成の水溶液を用い、この時凝固液中の浸漬長(有効凝固浴長)30cmにて糸速7m/分で通過させた後、水/NMP=40/60の組成の浴にて温度0℃で延伸倍率4.1倍にて湿式延伸を行った。その後、20℃の水浴に通し、表面温度120℃ローラーに巻き回して乾熱処理した後、表面温度330℃の熱板にて等倍率にて乾熱処理を施し、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維を得た。なお、湿式紡糸中は凝固液の一部を排出し、新しい凝固液を追加して、凝固液中の不溶性低分子量ポリマー濃度を100ppmに調整した。その結果、凝固時の単繊維断糸数は2ケ/分と極めて少なかった。
[実施例2〜3、比較例1]
実施例1において、凝固液中の不溶性低分子量ポリマー濃度および延伸倍率を表1に記載のとおり変更する以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。なお、比較例1では、凝固浴から引出された繊維を光学顕微鏡で観察すると、繊維中心部に非凝固部分が認められた。
Figure 2005213664
本発明の製造方法によれば、品質に優れたメタ型全芳香族ポリアミド繊維を極めて長時間安定して製造することができるので、工業生産において極めて有用である。

Claims (4)

  1. メタ型全芳香族ポリアミドのアミド系溶媒溶液を湿式紡糸してメタ型全芳香族ポリアミド繊維を製造する方法において、湿式凝固液として、該凝固液に不溶の低分子量メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの含有量が250ppm以下であるアミド系溶媒水溶液または無機塩を含むアミド系溶媒水溶液を用いることを特徴とするメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  2. メタ型全芳香族ポリアミドが、全繰返し単位の80モル%以上がメタフェニレンテレフタルアミド単位で構成されているポリアミドである請求項1記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  3. アミド系溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1または2に記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 凝固浴から排出された凝固液の少なくとも一部を、該低分子量メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの分離除去処理を施した後、凝固浴に戻して繰返し利用する請求項1ないし3のいずれかに記載のメタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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