JPWO2010087109A1 - 生体サンプルの前処理装置、及びそれを備えた質量分析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
当該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記圧力負荷部において前記カートリッジに加えられた圧力を保持する圧力保持機構と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
当該カートリッジおよび当該受皿容器の液面を検知するための液面センサーと、
圧力負荷部の圧力を検知する圧力センサーと、
圧力を開放作動する圧力開放弁と、
各センサーの出力値に基づいて、前記圧力負荷部においての加圧の度合いに事前に設定した液面位置まで、液面センサーで検知した液面位置が達すると圧力開放弁が開放されるように、フィードバック可能なアルゴリズムを搭載した制御装置と、
を備えた前処理装置と、
当該前処理装置に加えて、試料イオン化部と質量分析とを備えた前処理装置。
標準試薬添加工程
まず、サンプル搬送部113で搬送されたサンプルに標準試薬が添加される。添加は、試薬槽110内の試薬容器111中の標準試薬を回転アーム108で吸引し、サンプル搬送部113内への試薬の添加が行われる。標準試薬は通常、サンプル中に含まれる検査・分析の目的となる薬剤の水素(H)や炭素(C)を2Hや13Cで置換した安定同位体もしくは、目的となる薬剤の類似化合物が用いられる。回転アーム108,回転アーム109,回転アーム114の先端には試薬の吸引・吐出ができるピペットまたはシリンジが備わっており、試薬の吸引・吐出後先端を自動に洗浄できる機構が備わっている。
固相抽出カートリッジ102の脱着
カートリッジ保管部112はターンテーブル101内に中心から同角度へ平均に配置されており、固相抽出カートリッジ102は取替え可能であり、回転式アーム109により順じ搬送されカートリッジ保持容器103内に設置される。固相抽出カートリッジ102はベルトコンベアのような輸送手段でカートリッジ保持容器103内へ設置される場合もある。
固相抽出カートリッジ102の洗浄工程
次に固相抽出カートリッジ102の洗浄が行われる。洗浄工程は、ターンテーブル101が回転アーム108の動作範囲内まで回転し、試薬槽110内の試薬容器111中の洗浄試薬を回転アーム108が吸引し、洗浄試薬が固相抽出カートリッジ102へ注入される。そして、ターンテーブル101は、圧力負荷部104の動作範囲まで回転し、圧力が負荷され洗浄試薬が固相抽出カートリッジ102の上部から下部へ移動することで洗浄工程が行われる。通常、洗浄溶液は、メタノールまたはアセトニトリル等の有機溶媒が用いられるが、本実施例では100%メタノール溶液を採用した。また、ターンテーブル101の垂直下部に同形状のターンテーブル105が配置され、抽出成分を捕捉する必要がある場合は、ターンテーブル101およびターンテーブル105の回転角度によって、カートリッジ保持容器103の垂直下部には、受皿容器106が配置され抽出成分の捕捉が行われる。抽出成分の捕捉を行う必要のない場合は、溶出成分は廃液として処理される。なお、ターンテーブル101およびターンテーブル105の回転方向は時計周りおよび半時計周りどちらも回転可能な機構を持ち、次の操作位置に短時間で移動できる方向に回転することができる。
固相抽出カートリッジ102への平衡化工程
一旦有機溶媒で洗浄された固相抽出カートリッジ102は、サンプル中の薬剤成分が固相抽出カートリッジ102に吸着できる状態になるように平衡化が行われる。平衡化工程は、試薬槽110が回転アーム108の動作範囲まで回転し、試薬容器111中の平衡化試薬を回転アーム108が吸引・吐出し固相抽出カートリッジ102に注入する。そして、ターンテーブル101は、圧力負荷部104の動作範囲内まで回転し、圧力が負荷され平衡化試薬が固相抽出カートリッジ102の上部から下部へ移動することで平衡化工程が行われる。通常、平衡化試薬は水系の溶液が用いられるが、本実施例では100%水の溶液を採用した。
固相抽出カートリッジ102への吸着工程
平衡化が行われた固相抽出カートリッジ102へ標準試薬の添加が行われたサンプルを注入し、サンプル中の薬剤成分の吸着を行う。吸着工程はサンプル搬送部113が回転アーム114の動作範囲まで回転し、サンプル搬送部113のサンプルを回転アーム114が吸引・吐出し固相抽出カートリッジ102に注入する。そして、ターンテーブル101は、圧力負荷部104の動作範囲内まで回転し、圧力が負荷され平衡化試薬が固相抽出カートリッジ102の上部から下部へ移動することで吸着工程が行われる。
洗浄工程
吸着工程で固相抽出カートリッジ102に吸着した成分のうち、洗浄工程を行うことで、非特異的に吸着した成分が固相抽出カートリッジ102から脱離し、目的の薬剤成分の濃縮が行われる。洗浄工程は試薬槽110が回転アーム108の動作範囲まで回転し、試薬容器111中の洗浄試薬を回転アーム108が吸引・吐出し固相抽出カートリッジ102に注入する。そして、ターンテーブル101は、圧力負荷部104の動作範囲内まで回転し、圧力が負荷され洗浄試薬が固相抽出カートリッジ102の上部から下部へ移動することで洗浄工程が行われる。通常、洗浄試薬はメタノールまたはアセトニトリル等の有機溶媒を含む溶液が用いられるが、本実施例では5%メタノール溶液を採用した。
溶出工程
固相抽出カートリッジ102に吸着している薬剤の溶出を行う。溶出工程は、洗浄工程と同様に溶出試薬が固相抽出カートリッジ102へ注入され、圧力が負荷され、溶出試薬が固相抽出カートリッジ102の上部から下部へ移動することで溶出工程が行われる。通常、溶出試薬はメタノールまたはアセトニトリル等の有機溶媒を含む溶液が用いられるが、本実施例では100%メタノール溶液を採用した。
検出部への導入
溶出溶液が検出部1Bへ導入され、検査・分析が行われる。検出部1Bへの導入はターンテーブル105が回転アーム108の動作範囲内まで回転し、受皿容器106から溶出溶液の吸引・吐出が行われサンプル導入部116へ導入される。イオン化部117は本実施例では、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)または大気圧化学イオン化法(APCI)を用いた。イオン化部にはMALDIプレートとレーザー光線でイオン化を行うマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI法)も考えられる。
102 固相抽出カートリッジ
103 カートリッジ保持容器
104 圧力負荷部
106 受皿容器
107 液面センサー
108,109 回転式アーム
110 ターンテーブル式の試薬槽
111 試薬容器
112 カートリッジ保管部
115 ポンプ
116 サンプル導入部
117 イオン化部
118 質量分析部
119 制御部
Claims (25)
- 固相抽出用充填剤を保持できるカートリッジと、
該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
前記圧力負荷部とは異なる位置に設けられ、該カートリッジまたは該受皿容器の少なくともいずれかの液面を検知するための少なくとも一つの液面センサーと、
前記液面センサーの出力に基づいて前記圧力制御機構を制御する制御機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項1記載の生体サンプルの前処理装置において、
前記液面センサーは、液面を検知する液体に超音波を送信するものであることを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項1記載の生体サンプルの前処理装置において、
前記液面センサーは、液面を検知する液体に光を照射するものであることを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 固相抽出用充填剤を保持できるカートリッジと、
該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
前記圧力負荷部とは異なる位置に設けられ、該カートリッジまたは該受皿容器の少なくともいずれかの液面の画像を取得する少なくとも一つの画像センサーと、
前記圧力負荷部の圧力を制御する圧力制御機構と、
を備え、前記画像センサーの出力に基づいて前記圧力制御機構を制御する制御機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項4記載の生体サンプルの前処理装置において、
前記画像処理センサーにより液面の色を検出し、色の変化に基づき、前記圧力制御機構を制御することを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項1記載の生体サンプルの前処理装置において、
検査・分析するサンプルを本自動分析装置に導入し、制御装置に検査項目のインプットを行うと検査項目ごとのあらかじめ設定されたプログラムに従って固相抽出カートリッジの種類,溶出溶媒種類,負荷圧力,負荷時間,内部標準物質の種類の最適なパラメーターを決定し、自動で前処理,検査・分析,検査結果の出力までを行うことが可能な機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の生体サンプルの前処理装置を備えたことを特徴とする質量分析装置。
- 固相抽出用充填剤を保持できるカートリッジと、
当該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記圧力負荷部において前記カートリッジに加えられた圧力を保持する圧力保持機構と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
前記圧力負荷部とは異なる位置に設けられ、当該カートリッジまたは当該受皿容器の少なくともいずれかの液面を検知するための少なくとも一つの液面センサーと、
圧力負荷部の圧力を検知する圧力センサーと、
圧力を開放作動する圧力開放弁と、
カートリッジまたは前記受皿機構またはその両方の液面位置を検知できる液面センサー、
を備えた生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
液面の通過に伴う光学特性の変化を検知するセンサーで検出した受信信号は制御装置で演算処理することにより、その変化量を演算し、制御装置からの情報をコントロール回路を通してあらかじめ設定した値に達した時点で、あらかじめ設定した液面位置に達した時点で圧力負荷部の負荷を停止する、もしくは固相抽出カートリッジ内の圧力の開放を行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
CCDカメラセンサーで検出した受信信号は制御装置で演算処理することにより、その変化量を演算し、制御装置からの情報をコントロール回路を通してあらかじめ設定した値に達した時点で、あらかじめ設定した液面位置に達した時点で圧力負荷部の負荷を停止する、もしくは固相抽出カートリッジ内の圧力の開放を行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
検査・分析するサンプルを本自動分析装置に導入し、制御装置に検査項目のインプットを行うと検査項目ごとのあらかじめ設定されたプログラムに従って固相抽出カートリッジの種類,溶出溶媒種類,負荷圧力,負荷時間,内部標準物質の種類の最適なパラメーターを決定し、自動で前処理,検査・分析,検査結果の出力までを行うことが可能な機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
液面センサーまた圧力センサーもしくはその両方で、固相抽出処理の正常又は吐出異常を判別し、回復手段として自動的に、ターンテーブル101が圧力負荷部の動作範囲内まで回転し、再度圧力が負荷される機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
液面センサーまた圧力センサーもしくはその両方で、固相抽出処理の正常又は吐出異常を判別し、回復手段として自動的に固相抽出カラムの交換を行い、再度固相抽出処理を行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
液面センサーまた圧力センサーもしくはその両方で、固相抽出処理の正常又は吐出異常を判別し、回復手段として自動的に電源オン時や設定変更等に伴う初期化を実行できる機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出処理の圧力負荷時に、あらかじめ設定したパラメーターに達した時点で、圧力負荷部の負荷を停止する、もしくは固相抽出カートリッジ内の圧力の開放を行う機構を備えたことを特徴とする前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出カートリッジの種類,溶出溶媒種類,負荷圧力,負荷時間,内部標準物質の種類の最適なパラメーターを決定時に、有機溶媒濃度を一定にし一定時間溶出を行うステップワイズグラジエント法と、有機溶媒濃度を時間毎に変化させるリニアグラジエント法が検査・分析ごとに要求される分離度により適宜選択されることを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出処理の圧力負荷時に、液面センサーで検知した固相抽出カートリッジまたは受皿容器の液面位置に基づいて、ターンテーブル101またはターンテーブル105もしくは両ターンテーブルを回転させて、あらかじめ設定した分画数で抽出溶液の分画を行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出処理の圧力負荷時に、ミストの発生を抑制するために、溶液全量排出前に溶液の流動を停止させるため、あらかじめ設定したパラメーターに達した時点で、圧力負荷部の負荷を停止する、もしくは固相抽出カートリッジ内の圧力の開放を行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
検査・分析ごとに要求される分離度によりステップワイズグラジエントまたはリニアグラジエントを適時選択し、液面センサーで検知した固相抽出カートリッジまたは受皿容器の液面位置に基づいて、固相抽出カートリッジが保持されたターンテーブルまたは受皿容器が保持されたターンテーブルもしくは両ターンテーブルをあらかじめ設定した分画数になるように分画行う機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出カートリッジの圧力を保持する圧力保持部に逆止弁または一方弁を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項8記載の生体サンプルの前処理装置において、
固相抽出カートリッジの圧力を開放する圧力開放弁に電気信号により弁の開閉ができる電磁弁または固相抽出カートリッジの垂直上部方向からを突き刺すことで物理的に圧力の開放を行うことができる針のような先端が鋭利な部材備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 固相抽出用充填剤を保持できるカートリッジと、
該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
該カートリッジまたは該受皿容器の少なくともいずれかの液面を検知するための液面センサーと、
前記圧力負荷部の圧力を制御する圧力制御機構と、
を備え、前記液面センサーの出力に基づいて前記圧力制御機構を制御する制御機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項21記載の生体サンプルの前処理装置において、
前記液面センサーは、液面を検知する液体に超音波を送信するものであることを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 請求項21記載の生体サンプルの前処理装置において、
前記液面センサーは、液面を検知する液体に光を照射するものであることを特徴とする生体サンプルの前処理装置。 - 固相抽出用充填剤を保持できるカートリッジと、
該カートリッジを複数個保持可能な固相抽出カートリッジ保持部と、
前記固相抽出カートリッジ保持部上に載置されたカートリッジに圧力を負荷する、少なくとも一つの圧力負荷部と、
前記カートリッジから抽出されたサンプルを受ける受皿機構と、
該カートリッジまたは該受皿容器の少なくともいずれかの液面の画像を取得する画像センサーと、
前記圧力負荷部の圧力を制御する圧力制御機構と、
を備え、前記画像センサーの出力に基づいて前記圧力制御機構を制御する制御機構を備えたことを特徴とする生体サンプルの前処理装置。
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