JPH11201953A - 固相抽出装置用カートリッジ - Google Patents

固相抽出装置用カートリッジ

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JPH11201953A
JPH11201953A JP573498A JP573498A JPH11201953A JP H11201953 A JPH11201953 A JP H11201953A JP 573498 A JP573498 A JP 573498A JP 573498 A JP573498 A JP 573498A JP H11201953 A JPH11201953 A JP H11201953A
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JP
Japan
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liquid
cartridge
extraction
chamber
negative pressure
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JP573498A
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Tadao Ogawa
忠男 小川
Masayuki Matsui
正行 松井
Katsuji Okuda
勝治 奥田
Masae Inoue
雅枝 井上
Masao Tsuji
正男 辻
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Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のカートリッジを並列に配置して正圧又は
負圧を印加した場合に、それぞれのカートリッジにおい
て液体の流下中に正圧又は負圧が常時作用するようにす
る。 【解決手段】試料が配置される抽出室1と、抽出室の上
部に配置され下端に抽出部と連通する液供給孔20をもつ
筒状の貯液室2と、貯液室内に配置され下端部に液供給
孔20を塞ぐ弁部30をもち注入される液体より見かけ比重
の小さい弁体3と、よりなる。弁部30が液供給孔20を塞
ぐことにより、抽出室1と大気との連通が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固相抽出法に用い
られ試料及び抽出溶媒などが入れられるカートリッジに
関する。
【0002】
【従来の技術】環境分析、臨床分析などの分野におい
て、低濃度で含まれる物質を定性・定量する場合、試料
に含まれる多量の夾雑物を除去し、かつ対象となる物質
を単離又は単離に近い状態で分離する必要がある。そこ
で従来より、極性の差又はイオン性の差などを利用して
分離するクロマト法の一種としての固相抽出法が広く利
用されている。すなわちこの固相抽出法では、カートリ
ッジと称される筒体にクロマト用充填剤を充填し、それ
に試料を負荷する。その後、極性が異なる液体を適切な
順序でカートリッジに流すことにより、試料中の夾雑物
と目的物質との充填剤への親和性の違い又はイオン交換
反応を利用して、目的物質を迅速に単離して回収するこ
とができる。
【0003】この固相抽出法においては、カートリッジ
に注入された液体を自然落下させるのが基本である。し
かしその場合、液体の流出速度は液体の粘度などによっ
て大きく変化し、また液体の流下とともに低下する。そ
こで液体の流出速度を高めるために、カートリッジの入
り口側から正圧を印加する方法、あるいはカートリッジ
の出口側に負圧を印加して吸引する方法などが採用され
ている。また多数の試料を同時に処理しようとする場合
などには、複数のカートリッジを並列に配置し、全体に
正圧又は負圧を印加することも行われている。
【0004】例えば米国特許第 4,810,471号には、図4
に示すような固相抽出装置が開示されている。この装置
は、負圧室100 と、負圧室100 のカバー101 に保持され
負圧室100 内外を連通する複数のバルブ装置200 と、バ
ルブ装置200 の上部にそれぞれ装着されたカートリッジ
300 とより構成されている。なおカートリッジ300 の上
部には、さらに別のカートリッジ400 を連結可能となっ
ている。
【0005】この固相抽出装置では、カートリッジ300,
400 内にそれぞれクロマト用充填剤が充填され、それぞ
れ試料が負荷される。そしてカートリッジ300,400 内に
は目的に応じた種々の液体が注入され、吸引バルブ102
に接続された図示しないアスピレータにより負圧室100
内に負圧が印加される。するとそれぞれのカートリッジ
300,400 内に負圧が作用し、液体はカートリッジ300,40
0 を通過した後、バルブ装置200 を通じて負圧室100 内
に配置された試験管500 に収納される。
【0006】しかしながら、いずれか一つのカートリッ
ジ300 内の液体が全てバルブ装置200 から流下すると、
その一つのカートリッジ300 から大気が負圧室100 内に
導入されてしまうため、他のカートリッジ300 内の液体
に負圧が作用しなくなる。このようになると、全てのカ
ートリッジから液体が流出するまでの時間が長大とな
る。また流出速度の違いにより抽出率が変化するため、
抽出精度にばらつきが生じ再現性が低くなるという問題
もある。
【0007】そこで上記装置では、バルブ装置200 によ
って液体の流出量を調整可能に構成されている。したが
ってバルブ装置200 の調整により、各カートリッジ300
間における液体の流出速度をある程度揃えることがで
き、上記不具合が防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが液体がカート
リッジ300 を流下する速度は、液体の粘度、量、充填剤
の充填状態などによって異なる。しかし上記バルブ装置
200 は手動で調節しようとするものであるため、全ての
カートリッジ300 内に負圧を常時印加しようとすること
は至難の技であり、試行錯誤による工数も多大となる。
また再現性も低いものとなっている。
【0009】そこで図5又は図6に示すように、カート
リッジ300 の入り口に、袋、風船あるいは蛇腹物などの
保空体400 を装着する方法が考えられる。このようにし
てカートリッジ300 の出口側に負圧を印加すれば、ある
程度の量の液体が充填剤を通過した後、保空体400 内の
気体が充填剤を通過することで残りの液体が充填剤を通
過し、その後保空体400 がカートリッジ300 の入り口を
覆う。したがって負圧がカートリッジ300 を通じて逃げ
ることがないので、他のカートリッジ300 に充分な負圧
が印加される。
【0010】しかしながら上記保空体400 を用いる場合
においても、保空体400 内の気体が充填剤を通過する時
に一時的に減圧度が低下するという欠点がある。またこ
の方法では正圧を利用する場合に適用することが困難で
あり、別の種類の液体で追加抽出をする場合に保空体40
0 を一時的に除去しなければならないという不具合もあ
る。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、複数のカートリッジを並列に配置して正圧
又は負圧を印加した場合に、それぞれのカートリッジに
おいて液体の流下中に正圧又は負圧が常時作用するよう
にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の固相抽出装置用カートリッジの特徴は、試料が配置
される抽出室と、抽出室の上部に配置され下端に抽出部
と連通する液供給孔をもつ筒状の貯液室と、貯液室内に
移動自在に配置され下端部に液供給孔を塞ぐ弁部をもち
貯液室内に注入される液体より見かけ比重の小さい弁体
と、よりなることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の固相抽出装置用カートリ
ッジでは、抽出室内に試料が配置され、貯液室内に抽出
溶媒などの液体が注入される。すると弁体が液体中に浮
遊するため、液供給孔が開き液体が抽出室内に供給され
る。そして貯液室内の液体の液面の低下に伴って弁体が
下降し、弁体が貯液室の下端に到達すると、貯液室の上
部側に印加されていた正圧あるいは抽出室の下端側に印
加されていた負圧により、弁部が液供給孔に圧接されて
液供給孔を塞ぐ。これにより抽出室と大気との連通が遮
断され、正圧あるいは負圧が液供給孔を介して逃げるの
が阻止される。
【0014】すなわち複数のカートリッジを並列に配置
して正圧又は負圧を印加していた場合には、貯液室内の
液体が全て抽出室内に供給されてしまったカートリッジ
では弁体が液供給孔を塞ぐため、他のカートリッジには
正圧又は負圧が最後まで印加されることとなる。したが
って全てのカートリッジから液体が流出する時間を短縮
することができ、かつ流出速度をほぼ一定とすることが
できるので抽出精度が向上する。したがって再現性の高
い抽出を行うことができる。
【0015】抽出室とはクロマト用充填剤などが充填さ
れ、それに試料が負荷される部位であり、従来と同様の
構成とすることができる。貯液室は抽出溶媒、各種極性
をもつ各種溶剤などの液体が注入される筒状の部位であ
り、抽出室の上部に気密・液密に保持されて用いられ
る。抽出室に対して着脱自在に保持された構成とするこ
とが好ましい。また少なくとも注入される液体に対する
耐性をもつ必要があり、テトラフルオロエチレン、高密
度ポリエチレンなど耐溶剤性に優れた材料から形成する
ことが望ましい。
【0016】貯液室の下端には、抽出室と連通する液供
給孔が形成されている。この液供給孔は、貯液室側が小
径で抽出室に向かうにつれて拡径するラッパ形状とする
ことが好ましい。これにより貯液室の液体が抽出室に広
い面積で供給されるため、抽出効率が向上する。弁体
は、貯液室に注入される液体に浮くことが必要であり、
その液体より見かけ比重が小さいものが用いられる。ま
た少なくとも注入される液体に対する耐性をもつ必要が
あり、テトラフルオロエチレン、高密度ポリエチレンな
ど耐溶剤性に優れた材料から、中空形状あるいは上部が
開放された箱形状に形成することが望ましい。
【0017】この弁体の下端部には、液供給孔を塞ぐ弁
部をもつ。この弁部としては、例えば貯液室の底面の液
供給孔の周囲に弾接するO−リング、あるいは液供給孔
内に嵌合する凸部などとすることができる。本発明のカ
ートリッジは、単体で用いてもよいし、複数のカートリ
ッジを並列又は直列に並べて用いることもできる。複数
のカートリッジを並列に並べる場合には、従来と同様に
負圧室などに複数個配置してもよいが、保持部材に円周
上に並べて配置することが好ましい。このようにすれ
ば、保持部材を負圧室上で相対回動させることで、各カ
ートリッジからの抽出液を複数の試験管に取り分けるこ
とが可能となる。
【0018】また本発明のカートリッジをもつ固相抽出
装置は、液体を自然流下させて用いることもできるが、
従来と同様に正圧及び負圧の一方または両方を印加して
流下速度を大きくすることが望ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例及び試験例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)図1に本実施例のカートリッジを示す。こ
のカートリッジは、筒状の抽出室1と、抽出室1に挿通
された筒状の貯液室2と、貯液室2内に移動自在に配置
された弁体3とから構成されている。抽出室1、貯液室
2及び弁体3はそれぞれ耐溶剤性に優れた高密度ポリエ
チレンから形成されている。
【0020】抽出室1は、内径26.5mm、外径30mm、長さ
135 mmの有底円筒状をなし、開口端と反対側の一端に排
液口10が形成されている。貯液室2は、外径26mm、内径
23mm、長さ170 mmの有底円筒状をなし、開口端と反対側
の一端に直径4mmの液供給孔20が形成されている。液供
給孔20は外側へ向かうほど径が小さくなる逆円錐台形状
をなし、貯液室2の底面外側には液供給孔20の周囲に液
供給孔20を中心とした円錐台形状の凹部21が形成されて
いる。
【0021】また弁体3は外径21mm、高さ22mmの円柱形
状で内部が空洞の中空状に形成され、その見かけ比重は
n-ヘキサンの0.659 より小さくなっている。この弁体3
の一端には、外側に向かって突出し液供給孔20に嵌合し
てシール可能な円錐台形状の弁部30が形成されている。
このカートリッジでは、先ず抽出室1内に充填剤として
のシリカゲル4が20g(高さ40mm)入れられ、試料が負
荷された後に貯液室2が挿入される。貯液室2は先端の
凹部21の周縁部が充填剤4に当接した状態で挿入が位置
決めされる。また、抽出室1と貯液室2との間にはO−
リング22が介在し、両者の間の気密が確保されている。
このO−リング22は、テトラフルオロエチレンを被覆し
たバイトンゴムから形成され、耐溶剤性が確保されてい
る。またO−リング22としては、テトラフルオロエチレ
ンを主鎖とし、パーフロロメチルビニルエーテルを枝分
かれとする、完全にフッ素化されたゴムを用いてもよ
い。
【0022】(実施例2)図2に第2の実施例のカート
リッジを示す。このカートリッジでは、液供給孔20の周
囲の貯液室2の底面が弁座23を構成し、弁体3の底面下
面にO−リングよりなる弁部31が保持されている。他の
構成は実施例1とほとんど同様である。このカートリッ
ジでは、貯液室2内の液体が流出すると弁体3がそれと
ともに下降し、正圧又は負圧で弁部31が弁座23に圧接さ
れることでシール可能となっている。
【0023】<試験例1>上記実施例1のカートリッジ
を用い、自然落下法による抽出実験を行った。先ず上記
カートリッジの抽出室1にシリカゲルを充填した。そし
て抽出室1を直立に保持し、添加剤 0.1重量%を含む J
IS2号軽油を10ml負荷してその流出時間を測定した。
【0024】次に、シリカゲルに付着している軽油を洗
浄するため、抽出室1に貯液室2を装着し、貯液室2に
n-ヘキサンを50ml注入してその流出時間を測定した。さ
らに添加剤を回収するため、貯液室2にクロロホルム50
mlを注入し、その流出時間を測定した。また JIS2号軽
油の代わりに JIS特3号軽油を用い、同様の測定を行っ
た。それぞれの結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1より、 JIS2号軽油は JIS特3号軽油に比べて粘度
が高いため約2倍の流出時間を要し、その洗浄及び添加
剤の抽出に要する時間も長くなっていることがわかる。
【0026】<試験例2>本実施例のカートリッジの抽
出室1のみを2個用意し、それぞれシリカゲルを充填し
てアスピレータで吸引される吸引タンクの上面に取り付
けた。それぞれの排液口10は吸引タンク内に位置してい
る。それぞれの抽出室1に JIS2号軽油とJIS特3号軽
油をそれぞれ10ml負荷し、吸引タンクの減圧度を 2.5〜
5mmHg(3.3 〜 6.6hPa)に調節してそれぞれの流出時
間を測定した。結果を表2に示す。
【0027】また1個の抽出室1のみを吸引タンクに取
り付け、シリカゲルを充填後 JIS2号軽油を10ml負荷し
て、同様の減圧度における流出時間を測定した結果も表
2に示す。
【0028】
【表2】 表2より、 JIS特3号軽油の流出時間は自然落下法の1/
16に短縮されていることがわかる。一方、 JIS2号軽油
を単独で吸引した場合には流出時間は自然落下法(表1
参照)の1/11に短縮されるのに対し、 JIS特3号軽油と
並列に吸引した場合、 630秒を要して自然落下法の約1/
2 となっている。これは、47秒経過後にJIS特3号軽油
の入っていた抽出室1が空となり、大気と吸引タンクと
がその抽出室1を介して連通したために、 JIS2号軽油
の入っている抽出室1に吸引による負圧が作用しなくな
ったからである。
【0029】<試験例3>固相抽出法における物質の抽
出率又は回収率は、試料及び溶剤の種類、量及び流出速
度によって異なる。この試験例3では、流出速度と回収
率との関係を調査している。この試験例3では、エチレ
ン酢ビ共重合体( EVA)をn-ヘキサンに 0.1重量%溶解
した溶液を試料とした。一方、抽出室1のみを試験例2
と同様の吸引タンクに取り付け、シリカゲルを充填し
た。そして上記試料を50ml負荷し、減圧度を0〜30mmHg
の間で4水準設定して、それぞれ流出時間を測定した。
結果を表3に示す。なお減圧度ゼロとは大気圧を意味す
る。
【0030】
【表3】 表3より、回収率は減圧度が30mmHgの場合を除いて100%
であり、減圧度を 2.5〜10mmHg(平均流出速度として20
〜30ml/min)とするのが好ましいことがわかる。減圧度
が10mmHgを超えると回収率が低下する原因は、シリカゲ
ルに目詰まりが生じるためである。
【0031】<試験例4>この試験例4では、本実施例
のカートリッジを用いてその効果を検証している。本実
施例のカートリッジを3組(A,B,C)用意し、試験
例2と同様の吸引タンクに取り付けた。抽出室1にはシ
リカゲルが充填され、 JIS2号軽油10mlをそれぞれ負荷
して貯液室2を装着し、吸引タンク内の減圧度を 2.5〜
5mmHgとした。その結果、3本のカートリッジにおける
平均流出時間は 100〜 107秒であった。
【0032】次にn-ヘキサン50mlをそれぞれの貯液室2
に注入し、減圧度 2.5〜5mmHgにおける流出時間を測定
した。さらに添加剤を回収するため、貯液室2にクロロ
ホルム50mlを注入し、その流出時間を測定した。また流
出した混合溶液を濃縮して JIS2号軽油の回収率を求め
た。それぞれの結果を表4に示す。
【0033】
【表4】 表4より、本実施例のカートリッジを用いることによ
り、流出時間が均一化され、回収率の再現性を高くする
ことができることがわかる。
【0034】<実用例>図3に本発明のカートリッジを
用いた固相抽出装置を示す。この固相抽出装置は、吸引
タンク5と、吸引タンク5の上部開口を気密に閉じる蓋
部材6と、吸引タンク5内に回動自在に配置されるター
ンテーブル7とから構成されている。吸引タンク5には
吸引タンク5内部に連通する二股のバルブ50が設けら
れ、その一方がアスピレータなどの負圧源に接続され、
他方が大気に開放されている。このバルブ50を切り替え
ることにより、吸引タンク5内を負圧と大気圧とに切り
替えることができる。
【0035】また吸引タンク5の底部中心には、ターン
テーブル7を回動自在に保持するための軸51が立設され
ている。そして吸引タンク5の外周表面には、周方向に
移動可能な可動磁石52が設けられている。蓋部材6には
圧力ゲージ60が設けられ、吸引タンク5内の圧力を表示
する。またカートリッジの排液口10が係合することでカ
ートリッジを保持する取り付け孔61が、同一円周上に90
度間隔で4個設けられている。この蓋部材6は、図示し
ないクランプにより吸引タンク5に気密に固定される。
【0036】ターンテーブル7には、試験管などの容器
を収納するための円柱状の収納空間70が同一円周上に30
度間隔で12個列設されている。また外周表面には磁石71
が固定されている。この磁石71は可動磁石52と引き付け
合い、可動磁石52と対向する位置でターンテーブル7が
保持される。したがって可動磁石52を移動させること
で、ターンテーブル7を回動させることができ、取り付
け孔61の下に位置する収納空間70を選択することが可能
となっている。
【0037】この固相抽出装置では、先ず収納空間70に
それぞれ試験管を配置する。次に4個の本実施例のカー
トリッジが用意され、その排液口10がそれぞれ取り付け
孔61に挿入されてテトラフルオロエチレン製のテープで
気密に固定される。それぞれのカートリッジの抽出室1
には20gのシリカゲルが充填されている。そして、それ
ぞれのカートリッジの抽出室に10mlの軽油を負荷し、そ
れぞれ貯液室2を装着する。そしてバルブ50から吸引タ
ンク5内の空気を吸引して減圧度を 2.5〜5mmHgとす
る。するとそれぞれのカートリッジの排液口10から軽油
が下方の試験管内に回収され、それぞれのカートリッジ
において弁体3の弁部30が貯液室2の液供給孔20に嵌合
することで吸引タンク5内の負圧が維持される。
【0038】次に可動磁石52を中心角で30度分移動させ
る。これによりターンテーブル7が中心角で30度回転
し、それぞれの排液口10の下方には次の空の試験管が位
置する。次にそれぞれのカートリッジの貯液室2に50ml
のn-ヘキサンを注入する。すると弁体3が浮上して液供
給孔20が開き、n-ヘキサンは負圧により抽出室1内へ供
給される。そしてn-ヘキサンは充填されたシリカゲルの
間を通過し、付着している軽油を溶解しながら、排液口
10から流出して下方の試験管にそれぞれ収納される。そ
して、それぞれのカートリッジにおいて弁体3の弁部30
が貯液室2の液供給孔20に嵌合することで吸引タンク5
内の負圧が維持される。
【0039】次いで、可動磁石52を中心角で30度分さら
に移動させる。これによりターンテーブル7が中心角で
さらに30度回転し、それぞれの排液口10の下方には残っ
た空の試験管が位置する。そしてそれぞれのカートリッ
ジの貯液室2に50mlのクロロホルムを注入する。すると
弁体3が浮上して液供給孔20が開き、クロロホルムは負
圧により抽出室1内へ供給される。そしてクロロホルム
は充填されたシリカゲルの間を通過し、残留している添
加剤を溶解しながら、排液口10から流出して下方の試験
管にそれぞれ収納される。そして、それぞれのカートリ
ッジにおいて弁体3の弁部30が貯液室2の液供給孔20に
嵌合することで吸引タンク5内の負圧が維持される。
【0040】最後にバルブ50からの吸引を停止するとと
もに、バルブ50から吸引タンク7内に大気を導入する。
このとき空気が勢いよく吸引タンク5内に流入するが、
それぞれの試験管は収納空間70内に配置されているため
風圧で倒れるような不具合が防止されている。そして蓋
部材6を外して、各カートリッジからそれぞれ分取され
た4×3個の試験管を取り出す。
【0041】
【発明の効果】すなわち本発明の固相抽出装置用カート
リッジによれば、一の液体による抽出が完了後次の液体
で抽出する場合に、弁体が自動的に浮上するため液体を
注入するのみでよい。したがって複数のカートリッジを
直列に連結するような手間をかけることなく、連続的な
抽出を行うことができる。
【0042】また、次の液体を注入すると、液体が液供
給孔の周囲に到達してから弁体が浮上するので、液供給
孔に大気が接触するのが阻止されている。したがって正
圧又は負圧により抽出を促進した場合には、正圧又は負
圧を解除することなく複数種類の液体を用いて連続的に
抽出を行うことができ、抽出時間を短縮することができ
る。
【0043】さらに複数のカートリッジを並列に用いて
同時に正圧又は負圧をかけて抽出する場合には、途中で
大気圧となることなく全てのカートリッジから液体が流
出するまで正圧又は負圧を維持することができる。した
がって抽出精度が向上し再現性の高い抽出を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のカートリッジの断面図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例のカートリッジの断面図
である。
【図3】本発明のカートリッジを用いた固相抽出装置の
構成を示す説明図である。
【図4】従来のカートリッジをもつ固相抽出装置の正面
図である。
【図5】従来のカートリッジに保空体(風船)を装着し
た様子を示す説明図である。
【図6】従来のカートリッジに保空体(蛇腹物)を装着
した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1:抽出室 2:貯液室
3:弁体 4:シリカゲル(充填剤) 10:排液口
20:液供給孔 21:O−リング 30:弁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 勝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 井上 雅枝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 辻 正男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料が配置される抽出室と、該抽出室の
    上部に配置され下端に該抽出部と連通する液供給孔をも
    つ筒状の貯液室と、該貯液室内に移動自在に配置され下
    端部に該液供給孔を塞ぐ弁部をもち該貯液室内に注入さ
    れる液体より見かけ比重の小さい弁体と、よりなること
    を特徴とする固相抽出装置用カートリッジ。
JP573498A 1998-01-14 1998-01-14 固相抽出装置用カートリッジ Pending JPH11201953A (ja)

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JP573498A JPH11201953A (ja) 1998-01-14 1998-01-14 固相抽出装置用カートリッジ

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Cited By (9)

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