JP5529051B2 - 質量分析技術を用いた免疫分析方法および免疫分析システム - Google Patents

質量分析技術を用いた免疫分析方法および免疫分析システム Download PDF

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Description

本発明は、臨床検査に用いられる免疫分析方法及び免疫分析システムに関する。
臨床検査における普及した検査手法の一つに免疫法がある。免疫法は、測定対象成分を特異的に認識する抗体を応用し、例えば検体中の測定対象成分を抗体(一次抗体)で捕捉した後に、その一次抗体をさらに選択的に捕捉する二次抗体を利用して検出する。このときの検出は、高感度化を図るために二次抗体に標識を付加している。標識は、例えば蛍光物質の場合や、酵素化学発光に必要な物質等の場合がある。免疫法は、簡便に高感度検出可能な測定技術であることから、検体中の微量成分の定量測定に適している。
一方、免疫法には交差反応性の問題がある。交差反応性は、一次抗体が本来認識すべき測定対象成分だけでなく、例えば測定対象成分の代謝物のように類似した構造を有する分子をも捕捉してしまう現象である。このことは、定量結果が真値よりも高くなり、測定対象成分を正確に定量できないことを意味している。
特に、低分子化合物等の場合は交差反応性が顕著になる傾向があり、抗体作製の際に測定対象成分へのキャリアタンパク質の付加により高分子化する必要があるため、その付加位置以外の部位のみエピトープとなり得ることから、位置によっては代謝物との構造差異の識別が不可能となることが原因の一つである。この交差反応性を抑制するためには、各種類似構造分子の差異を識別できる一次抗体の作製が求められるが、作製は困難であるとともにコストと労力がかかるため、非効率的である。
免疫法に対して質量分析法は、測定対象成分の質量に基づいて測定するため、例えば代謝物等の類似構造分子との識別が可能な測定技術である。特に、MS/MS解析やMSn解析の手法は、測定対象成分をフラグメントイオン化することにより、類似構造成分どうしの高精度識別を可能にする技術である。また、質量分析法は、抗体のような特殊な試薬作製を必要としないため、コストと労力の削減が可能である。
質量分析によるサンプル解析の前に、別の解析手法や処理を組み合わせた公知例がある。例えば、ウェスタンブロッティング法(特許文献1参照)、磁性ビーズによる標的細菌の回収(特許文献2参照)、プルダウンアッセイ法(特許文献3参照)、有機薄膜上への標的物質の回収(特許文献4参照)、ゲル電気泳動法(特許文献5参照)を質量分析前に実施している。
特開2006−126013号公報 特表2005−524394号公報 特開2005−098830号公報 特開2005−291823号公報 WO 2004−031759号公報
質量分析法は成分の識別検出に優れている反面、その成分の定量を行う場合には内部標準物質等の準備が必要となる。
また、質量分析法の場合、成分をイオン化する必要があり、そのイオン化効率が定量精度を左右することから、内部標準物質の選定には細心の注意が必要となる。
最も望ましいのは安定同位体標識した測定対象成分そのものであるが、その合成にはコストがかかるだけでなく、合成できない成分については安定同位体標識物を作製できない問題がある。
このため、前述した免疫法の交差反応性を解消するとともに、質量分析法の成分定量の問題を解決できる装置及び方法が提供できると、今までにない高精度な臨床検査技術を実現することができる。
本発明の目的は、免疫法の交差反応性を解消し、質量分析法の成分定量の問題を解決できる免疫分析方法及び免疫分析システムを実現することである。
本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
免疫分析方法及び免疫分析システムにおいて、免疫分析法による前処理により、試料溶液中の測定対象物を抗体を用いて捕捉し、捕捉した測定対象物から測定対象成分を回収し、回収した測定対象成分を質量分析法により、質量分析を行い、測定対象物の成分の分析を行う。
好ましくは、免疫分析方法及び免疫分析システムにおいて、免疫分析法による前処理により、試料溶液中の測定対象物を抗体を用いて捕捉し、捕捉した測定対象物の定量を行い、測定対象物の定量を行った廃液から上記測定対象物を回収し、回収した測定対象物を質量分析法により、質量分析を行い、上記免疫法により行った測定対象物の成分を測定する。
免疫法の交差反応性を解消し、質量分析法の成分定量の問題を解決できる免疫分析方法及び免疫分析システムを実現することができる。
本発明の実施例1における試料免役分析システム全体の概略構成図であり、測定の流れを示すための図である。 免役法の説明図である。 免役法の廃液処理の説明図である。 タクロリムスの交差反応性および薬効を示す図である。 患者検体における測定対象に関するデータを示す図である。 図1に示した試料免役分析システムの装置構成例を示す図である。 図1に示した試料免役分析システムの他の装置構成例を示す図である。 図1に示した試料免役分析システムのさらに他の装置構成例を示す図である。 図1に示した試料免役分析システムのさらに他の装置構成例を示す図である。 本発明の実施例2における試料免役分析システム全体の概略構成図であり、測定の流れを示すための図である。 免疫法向け前処理における応用の説明図である。 免疫法向け前処理産物からの測定対象成分回収の説明図である。 図10に示した試料免役分析システムの装置構成例を示す図である。 図10に示した試料免役分析システムの他の装置構成例を示す図である。 免疫反応処理および固相抽出処理フローである。 固相抽出処理に関わるシステム構成(上面図)である。 固相抽出処理に関わるシステム構成(側面図)である。 免疫反応処理および固相抽出処理のシーケンスである。
以下、本発明の実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施例1について、免疫法による測光測定後の廃液を質量分析法による成分検出を行なう例について説明する。
図1は、実施例1における免役分析システム102全体の概略構成図であり、測定の流れを示すための図である。
患者血清等の試料101は、免疫法用前処理装置103により、前処理が施された後、免疫法用測光検出系104により測光される。続いて、質量分析法用前処理装置105により前処理が行われ、質量分析検出系106により、質量分析が行われる。これら試料免役分析システム102、免疫法用前処理装置103、免疫法用測光検出系104、質量分析法用前処理装置105、質量分析検出系106は、システム制御及びデータ処理用パーソナルコンピュータ107により動作制御され、分析結果108は、パーソナルコンピュータ107のディスプレイにより表示される。
生体由来の試料(例えば、全血、血漿、血清、尿等)中の測定対象成分は、まず免疫自動分析法に従って免疫法用前処理装置103にて前処理され、免疫法用測光検出系104により、測定対象成分を特異的に認識する抗体により選択的に捕捉される。予め抗体は磁性粒子に対して、例えばアビジン−ビオチン結合等により結合した状態にしておく。図2に示すように、磁性体210の磁力により測定対象成分205について抗体202、203、204、206を介して捕捉した磁性粒子201を集め、周囲の夾雑物等を洗い流した後、標識した抗免疫グロブリン抗体によりサンドイッチアッセイを行うことで検出器211により測定対象成分の検出および定量を行う。
この定量値には、測定対象成分だけでなく、例えばその成分に由来する代謝物をはじめとする構造類似物質等による交差反応性を含んだ値であるため、本来求めたい測定対象成分の定量真値よりも高い値を示す傾向がある。
そこで、免疫法で捕捉した試料あるいは免疫法による測定後の廃液を再利用して、そのなかに含まれている交差反応性を示す物質等の成分内訳(相対比率)を質量分析法で求めることにより、免疫法で求めた定量値から捕捉された成分の定量値を真値に近い値で個別に算出する。
質量分析法用前処理装置105において、免疫法で用いた試料(廃液)から、測定対象成分を回収する。例えば、免疫測定後の廃液を酸処理、アルカリ処理、イオン強度処理等により、抗原抗体反応を乖離させ、抗体から抗原(測定対象成分)を遊離させる。そして、図3に示すように、再び磁性粒子301の磁力で磁性ビーズを集め、上清を回収し、溶媒置換した後に質量分析検出系106に供給する。
測定対象成分の性状により、必要に応じてサイズ分画等のクロマトグラフィー手法で上清中に含まれている成分を分離したり、酵素消化等により断片化しても構わない。
そして質量分析検出系106において、上清中に含まれている成分を質量分析する。得られたクロマトグラムから成分ごとのシグナル強度やピーク面積を求め、その相対比率に基づいて免疫法で測定した定量値の内訳を成分ごとに算出する。そして、免疫法で算出した定量値に対して上記成分比率を掛け合わせて、成分毎の定量値を補正する。
これにより、免疫法では交差反応性等の影響を受けていた測定対象成分の定量値について、真値に近い定量値が求められるとともに、交差反応性の要因となる構造類似物質の内訳も定量的に求めることができる。
特に、構造類似物質の代表例に測定対象成分の代謝物が挙げられる。例えば、測定対象成分が治療薬の場合、測定対象薬剤とともにその代謝物の比率(プロファイル)や定量値を把握することは、投薬管理上重要であり、従来の免疫法では求められなかった代謝物の濃度を本発明により算出することが可能となる。
例えば、免疫抑制剤の1種であるタクロリムスの場合、図4に示すように、代謝物としてM−I(13−o−demethyl型)、M−II(31−o−demethyl型)、M−III(15−o−demethyl型)、M−IV(12−o−hydroxyl型)、M−V(15,31−o−didemethyl型)、M−VI(13,31−o−didemethyl型)、M−VII、M−VIIIが知られている(K. Iwasaki, Drug Metab. Pharmacokinet., 22(5), 328-335, 2007)。これら代謝物について、評価に用いたモノクローナル抗体によるエンザイムイムノアッセイ法における交差反応性は各々0%、109%、90.5%、8.8%、92.2%、0%、0%、0%であることから、例えば、この抗体を用いて臓器移植後の患者に投与したタクロリムスについて、血液中のタクロリムス濃度を免疫法により測定した場合、定量値にはタクロリムスだけでなくM−II、M−III、M−IV、M−Vの各代謝物も含んで測定している可能性がある。
一方、M−I〜VIIIで示される8種類の代謝物の免疫抑制効果は、M−I、M−II、M−IV、M−VI、M−VIIIでも認められる。前述の交差反応性を加味すると、M−IIおよびM−IVは交差反応性および免疫抑制効果の両性質を有することが認められる。このことは、Iwasakiが実験に使用したモノクローナル抗体を用いてタクロリムスの免疫法による測定を行う場合、M―IIおよびM−IVの血中濃度を測定対象薬剤であるタクロリムスとともに把握することが投薬管理の上で必須となる。
上記文献を引用し、タクロリムス、M−II、M−IVの各定量値を求めるモデルを示す(図5)。なお、このモデルにおける、免疫法による測定値(10ng/ml)およびMS測定したときの各成分のピーク面積相対比率(タクロリムス100%、M−II20%、M−IV10%)は、原理説明のために仮設定したものとする。
図5は、MS測定による捕捉成分の補正定量値算出までのプロセスを示す。患者検体中のタクロリムスを免疫法で定量したときの測定値が10ng/mlと仮定し、そのときのクロマトグラムからタクロリムスに相当するピーク面積を100%としたときのM−IIおよびM−IVに相当するピーク面積相対値が各々20%および10%と仮定したときの、タクロリムス、M−II、M−IVの濃度内訳の算出法について示す。この場合、免疫法で捕捉した3成分(タクロリムス、M−II、M−IV)の内訳は、タクロリムスが76.9%、M−IIが15.4%、M−IVが7.7%となる。したがって、免疫法による定量値10ng/mlは、内訳比率で換算すると、タクロリムスが7.7ng/ml、M−IIが1.5ng/ml、M−IVが0.8ng/mlとなり、検体内のタクロリムス濃度は免疫法の測定値10ng/mlではなく、より正確には交差反応成分の推定値を除いた7.7ng/mlになることが示唆されることになる。
このように、免疫法による測定値に基づいて、MS測定による捕捉成分の存在比率から捕捉成分ごとの定量値を算出することは、免疫法で問題となる交差反応性による複数成分の総和でしか測定できないことを解消できるだけでなく、MS法による定量測定で必要となる内部標準物質なしに、免疫法で捕捉された各成分の存在比率をMS測定で求めることによって、免疫法測定値の内訳を換算し、各成分ごとの定量値を求めることが可能となる。
また、免疫法により捕捉された各成分の定量値を求めるだけでなく、各成分のプロファイル(存在比率のパターン)に基づいて、例えば患者の様態を基準となるプロファイル(例えば、平均的なその疾患特有のプロファイルやその患者の過去のプロファイル等)との乖離から、正常あるいは異常等の判断指標として応用することも可能である。
このことは、測定対象物質だけでなく薬としての効果を有するような代謝物等を含めた血中濃度を識別して把握することは、より安全かつ効果的な投与設計を行う技術となる。
例えば、本手法を自動処理するシステムにおいては、薬剤名、薬剤群あるいは疾患等を選択することで、必要な測定を行い、その情報を統合的に自動計算するソフトウェアの搭載が考えられる。
図6は、図1に示した試料免役分析システム102の装置構成例を示す図である。
図6に示した免疫法用前処理装置103において、検体ラック1033に収容された試料1032は、分注機構1031により、反応テーブル1035に配置された反応バイアル1034に分注される。また、免疫法用試薬カートリッジ1036に収容された試薬も、反応バイアル1034に分注される。反応バイアル1034は、反応バイアルラック1038から反応テーブル1035にバイアル移動機構1037により移動される。
また、免疫法用測光検出系104において、免疫法用前処理装置103から供給されたサンプルは、マグネット1041を備えるセル1042を通過し、光源1043からの光が照射され、測光器1044により測光されて定量データが検出される。
そして、免疫法用測光検出系104からの廃液が質量分析法用前処理装置105に供給される。
質量分析法用前処理装置105において、免疫法用測光検出系104からの廃液は、分注機構1046により、分注された抗原遊離試薬と混合され、マグネット1045の作用により、遊離抗原溶液が得られ、バッファー置換試薬により、置換されたサンプルが、質量分析検出系106に供給される。
質量分析系106は、イオン源1061と、質量分析部1062と真空ポンプ1063とを備える。そして、この質量分析検出系106により、質量分析され、スペクトルデータ108が得られる。
図7は、図1に示した、免疫分析システム102の他の装置構成例を示す図である。
図7に示した例は、図6に示した例と、免疫法用前処理装置103、質量分析法用前処理装置105及び質量分析検出系106の構成は同等であるが、免疫法用測光検出系104の構成が異なっている。
図7に示した免疫法用測光検出系104は、反応テーブル1035に配置されたセル付き反応バイアル1047に近接してマグネット1048が配置され、光源1043からの光が、セル付き反応バイアル1047内の試薬及び試料に照射され、測光器1044で定量データが測定される。
そして、免疫法用測光検出系104の廃液が質量分析法用前処理装置105に供給される。
図8は、図1に示した、免疫分析システム102の、さらに他の装置構成例を示す図である。
図8に示した例は、図6に示した例と、免疫法用前処理装置103及び質量分析検出系106の構成は同等であるが、免疫法用測光検出系104及び質量分析法用前処理装置105の構成が異なっている。
図8に示した免疫法用測光検出系104において、免疫法用前処理装置103からの反応後の試料は、分注機構1046により、抗原遊離試薬と共にマグネット1041が配置されたセル1042に供給される。
試料は、セル1042において、光源1043からの光が照射され、測光器1044により測光されて定量データが検出される。
そして、免疫法用測光検出系104からの廃液が質量分析法用前処理装置105において、バッファー置換試薬により置換され、質量分析検出系106に供給される。
図9は、図1に示した、免疫分析システム102の、さらに他の装置構成例を示す図である。
図9に示した例は、図6に示した例と、質量分析検出系106の構成は同等であるが、免疫法用前処理装置103、免疫法用測光検出系104及び質量分析法用前処理装置105の構成が異なっている。
図9に示した免疫法用前処理装置103、免疫法用測光検出系104及び質量分析法用前処理装置105において、検体ラック1033に保持された試料が分注機構1031により、反応テーブル1035に配置されたセル付き反応バイアル1047に分注される。反応バイアル1047には、免疫法用試薬カートリッジ1036の試薬も分注されている。反応バイアル1047は、反応バイアルラック1038からバイアル移動機構1037により反応テーブル1035に移動される。
セル付き反応バイアル1047の近傍にはマグネット1048が配置され、光源1043からの光が反応バイアル1047内の試料に照射され、測光器1044により、定量データが得られる。
反応テーブル1035には、置換用バイアルラック1049からバイアル移動機構1037により移動された置換用バイアル1039が配置されている。セル付き反応バイアル1047の試料には、抗原遊離試薬が供給され、遊離抗原溶液が反応バイアル1047から置換用バイアル1039に供給され、バッファー置換試薬により置換された溶液が、質量分析検出系106に供給される。
図6〜図9に示した試料免役分析システム102のいずれにおいても、上述した本発明の効果を得ることができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。
本発明の実施例2は、免疫法による測光測定のための試料を質量分析法による成分検出に応用する事例である。免疫法による二次抗体を用いたサンドイッチアッセイではなく、一次抗体で捕捉した測定対象物質および交差反応性を示す代謝物等の類似構造物質を質量分析法で定量するものである。
図10は、本発明の実施例2における試料免役分析システム502全体の概略構成図であり、測定の流れを示すための図である。試料分析システム502全体の動作は、システム制御およびデータ処理用パーソナルコンピュータ506により制御される。
図10、図11において、生体由来の試料501(例えば、全血、血漿、血清、尿等)中の測定対象成分は、まず免疫法前処理装置503により免疫自動分析法に従って前処理され、測定対象成分605を特異的に認識する抗体604により選択的に捕捉される。予め抗体604は磁性粒子に対して、例えば、アビジン−ビオチン結合(602−603)等により結合した状態にしておく。磁性体606の磁力により測定対象成分について抗体604を介して捕捉した磁性粒子601を集め、周囲の夾雑物等を洗い流す。
捕捉した成分には、測定対象成分だけでなく、例えばその成分に由来する代謝物をはじめとする構造類似物質等による交差反応性を含んでいるため、抗体が本来認識すべき単一成分のみとは限らない。そこで、捕捉成分中の成分内訳(相対比率)を質量分析法で求める。
図12に示すように、質量分析法用前処理装置504にて、抗原抗体反応により捕捉した成分305を回収する。例えば、抗原抗体反応産物を酸処理、アルカリ処理、イオン強度処理等により、抗原抗体反応を乖離させ、抗体304から抗原(測定対象成分305)を遊離させる。再び磁力で磁性ビーズ301を集め、上清を回収し、溶媒置換した後に質量分析検出系505に供給する。
測定対象成分の性状により、必要に応じてサイズ分画等のクロマトグラフィー手法で上清中に含まれている成分を分離したり、酵素消化等により断片化しても構わない。
質量分析検出系505にて、上清中に含まれている成分を質量分析する。得られたクロマトグラムから成分ごとのシグナル強度やピーク面積を求め、その相対比率を求める。別途、内部標準物質を用い、成分ごとの定量値を算出しても構わない。
このことは、測定対象物質だけでなく薬としての効果を有するような代謝物等を含めた血中濃度を識別して把握することは、より安全かつ効果的な投与設計を行う技術となる。
例えば、本手法を自動処理するシステムにおいては、薬剤名、薬剤群あるいは疾患等を選択することで、必要な測定を行い、その情報を統合的に自動計算するソフトウェアの搭載が考えられる。
図13は、図10に示した試料分析システム502の装置構成例を示す図である。
図13に示した免疫法用前処理装置503において、検体ラック5033に収容された試料5032は、分注機構5031により、反応テーブル5035に配置された反応バイアル5034に分注される。また、免疫法用試薬カートリッジ5036に収容された試薬も、反応バイアル5034に分注される。反応バイアル5034は、反応バイアルラック5038から反応テーブル5035にバイアル移動機構5037により移動される。
また、質量分析法用前処理装置504において、免疫法用前処理装置503から供給された免疫反応後の溶液は、分注機構5046により、分注された抗原遊離試薬と混合され、マグネット5045の作用により、遊離抗原溶液が得られ、バッファー置換試薬により、置換されたサンプルが、質量分析検出系505に供給される。
質量分析系505は、イオン源5061と、質量分析部5062と真空ポンプ5063とを備える。そして、この質量分析検出系505により、質量分析され、スペクトルデータ507が得られる。
図14は、図10に示した、分析システム502の、さらに他の装置構成例を示す図である。
図14に示した免疫法用前処理装置503及び質量分析法用前処理装置504において、検体ラック5033に保持された試料が分注機構5031により、反応テーブル5035に配置された反応バイアル5034に分注される。反応バイアル5034には、免疫法用試薬カートリッジ5036の試薬も分注されている。反応バイアル5034は、反応バイアルラック5038からバイアル移動機構5037により反応テーブル5035に移動される。
反応バイアル5034の近傍にはマグネット5048が配置される。反応テーブル5035には、置換用バイアルラック5049からバイアル移動機構5037により移動された置換用バイアル5039が配置されている。反応バイアル5034の試料には、抗原遊離試薬が供給され、遊離抗原溶液が反応バイアル5034から置換用バイアル5039に供給され、バッファー置換試薬により置換された溶液が、質量分析検出系505に供給される。
例えば、免疫法で捕捉した成分を免疫法用試薬に用いられている捕捉器材(例えば磁気ビーズ)から遊離させた後、磁気ビーズをマグネットで捕捉したときの上清(反応溶液)を固相抽出処理することにより、測定対象成分のみを抽出しても構わない。
固相抽出剤は、測定対象成分の物性に応じて選択する。例えば、測定対象成分と発光検出試薬の分子サイズ、疎水性、イオン性が異なる場合、各々サイズ分画、逆相分離、イオン交換分離等の抽出モードを応用することで、両者を分離回収することが可能となる。このような固相抽出処理を実施するために、必要に応じて上清(反応溶液)の組成、濃度、pH等の条件を変更しても構わない。
免疫反応および固相抽出処理工程は、図15に示した順序にしたがって行われる。
この工程を自動処理するためには、例えばターンテーブル上の区画ごとに免疫反応および固相抽出を実施するための機構を配置することで可能となる(図16)。以下に、免疫反応および固相抽出を同一ターンテーブル上で自動処理する場合の流れを説明する。
図15に免疫反応および固相抽出処理のフローを示す。免疫反応は、免疫試薬を用いた抗原抗体反応による検体中の測定対象成分の捕捉工程、夾雑成分の洗浄除去工程、免疫試薬からの測定対象成分の遊離工程で構成される。一方、固相抽出処理は、有機溶媒とH2Oを用いた固相抽出充填剤のコンディショニング工程、固相抽出充填剤への試料供試工程、固相抽出充填剤に非特異吸着した夾雑物の洗浄除去工程、固相抽出充填剤に特異的に吸着させたターゲット成分の溶出回収工程で構成される。得られた抽出物は、例えば質量分析装置等に供試することにより、それに含まれている成分の同定あるいは定量を行うことで臨床検査に用いることができる。
同一ターンテーブル上で上記免疫反応および固相抽出処理を行う場合、免疫反応処理中に固相抽出剤のコンディショニング工程を並行して実施し、免疫反応を応用して得られた測定対象成分を粗精製した溶液(抗原抽出溶液)を得るタイミングと固相抽出剤のコンディショニング完了のタイミングを合わせる必要がある。例えば、図18に示したように、最初のステップとして試料1の免疫反応処理の区画Sから始まった場合、免疫反応処理の区画Uに到達したと同時に固相抽出処理の区画Aが開始し、免疫反応処理の区画Zに到達したときに得られる抗原抽出溶液を固相抽出処理の区画Fに添加することで、試料1の免疫反応は完了し、残りの固相抽出処理のみ引き続き実行される。
試料2以降も同様に処理され、それらの開始のタイミングは、前の試料が区画Tに移行することで区画Sが空いている場合に実行される。
したがって、区画Zから区画Fに抗原抽出液を移す場合には、同一の分注機構を兼用することが望ましい。
固相抽出処理においては、試薬あるいは試料等を固相抽出剤に対して通液させるため、圧力印加を行う(固相抽出カートリッジ上流側の加圧処理あるいは下流側の陰圧処理で実施)。固相抽出剤を通過して排出される溶液は、最終工程の溶出回収工程で得られるもののみを回収して分析に供試するが、それ以外の各工程から排出される溶液はいずれも廃液として処置する。
図16に固相抽出カラムと回収デバイスが分離している個別型の固相抽出カートリッジを用いた場合の固相抽出処理を自動化するためのシステム構成の上面図の事例を示す。臨床検査等で求められる検体あるいは検査項目ごとに対応したランダム性を実現するため、例えば、免疫反応処理容器をターンテーブルの同心円周上に8区画配列し(区画S〜Zに位置するカートリッジ保持部971〜978に配置)、固相抽出カートリッジをターンテーブルの同心円周上に14区画配列し(区画A〜Nに位置するカートリッジ保持部901〜914に配置)、図15記載のフローおよび図18記載のシーケンスにしたがって、免疫反応および固相抽出処理を構成する各工程を同円周上で並行して順次実施する仕組みになっている。以下に血中薬物濃度測定を事例にして具体的な操作手順を説明する。なお、システムには処理工程の状況を監視するためのモニタリング機構(938)を備え、システム全体の制御およびデータ解析等の演算はPC(937)で実施する。
免疫反応処理は以下の手順で行われる。
最初にターンテーブル上の区画Sに位置するカートリッジ保持部(971)に免疫反応容器を器材移動機構により搬送する。
次に、ターンテーブル上の区画Tに位置するカートリッジ保持部(972)に移動し、免疫反応容器に検体が添加される。
次に、ターンテーブル上の区画Uに位置するカートリッジ保持部(973)に移動し、免疫試薬が添加される。
次に、ターンテーブル上の区画Vに位置するカートリッジ保持部(974)に移動し、容器内の検体と試薬が撹拌される。
次に、ターンテーブル上の区画Wに位置するカートリッジ保持部(975)に移動し、検体中の抗原を捕捉した磁性ビーズをマグネットで集め、反応溶液を除去し、洗浄液により磁性ビーズ洗浄後、洗浄液を除去する。
次に、ターンテーブル上の区画Xに位置するカートリッジ保持部(976)に移動し、抗原遊離液が添加される。
次に、ターンテーブル上の区画Yに位置するカートリッジ保持部(977)に移動し、容器内の溶液が撹拌される。
次に、ターンテーブル上の区画Zに位置するカートリッジ保持部(978)に移動し、磁性ビーズをマグネットで集め、遊離した抗原を有する溶液を回収し、区画Fに位置するコンディショニング済みの固相抽出剤に供試する。その際、必要に応じて抗原抽出溶液の組成(条件)を適宜調整しても構わない。また、使用済みの免疫反応容器を廃棄する。
固相抽出処理は、免疫反応処理に並行して以下の手順で行われる。
最初に、免疫反応処理が区画Uに到達したのと同期して、固相抽出カートリッジ移動機構(941)が固相抽出カートリッジストック機構(931)から1本の固相抽出カートリッジをターンテーブル(921)上の区画Aに位置するカートリッジ保持部(901)に搬送する。この固相抽出カートリッジを便宜的にC1と仮称して以下を説明する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計回りに1区画分回転し、C1は区画Bに位置するカートリッジ保持部(902)に移動する。C1に対してコンディショニング用有機溶媒分注機構(942)が一定量の有機溶媒(例えば100%メタノール)を分注する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Cに位置するカートリッジ保持部(903)に移動する。C1に対して圧力付加機構(943)で加圧することにより、有機溶媒を固相抽出剤に通液させる。廃液はドレインあるいは廃液回収容器等で回収した後、廃棄する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Dに位置するカートリッジ保持部(904)に移動する。C1に対してコンディショニング用HO分注機構(942)が一定量のHOを分注する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Eに位置するカートリッジ保持部(905)に移動する。C1に対して圧力付加機構(943)で加圧することにより、有機溶媒を固相抽出剤に通液させる。廃液はドレインあるいは廃液回収容器等で回収した後、廃棄する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Fに位置するカートリッジ保持部(906)に移動する。C1に対して、区画Zで回収した抗原抽出溶液を供試する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Gに位置するカートリッジ保持部(907)に移動する。C1に対して、内部標準物質分注機構(942)が内部標準物質配置機構(933)の内部標準物質分注位置に配置した内部標準物質容器から一定量の内部標準物質を採取して分注する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Hに位置するカートリッジ保持部(908)に移動する。C1に対して撹拌機構(944)で検体と内部標準物質を撹拌する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Iに位置するカートリッジ保持部(909)に移動する。C1に対して圧力付加機構(943)で加圧することにより、検体と内部標準物質の混合溶液を固相抽出剤に通液させる。廃液はドレインあるいは廃液回収容器等で回収した後、廃棄する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Jに位置するカートリッジ保持部(910)に移動する。C1に対して洗浄液分注機構(942)が一定量の洗浄液を分注する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Kに位置するカートリッジ保持部(911)に移動する。C1に対して圧力付加機構(943)で加圧することにより、洗浄液を固相抽出剤に通液させる。廃液はドレインあるいは廃液回収容器等で回収した後、廃棄する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Lに位置するカートリッジ保持部(912)に移動する。C1に対して溶出液分注機構(942)が一定量の溶出液を分注する。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Mに位置するカートリッジ保持部(913)に移動する。C1に対して圧力付加機構(943)で加圧することにより、洗浄液を固相抽出剤に通液させる。図17に区画Mにおけるシステム構成の側面図を示す。固相抽出カートリッジ(1001)C1から排出された溶出液は、回収容器配置機構(934、1006)上のC1排出口直下の位置に待機している回収容器(1002)で回収する。また、質量分析工程に移行するために、溶出液を回収した回収容器(1002)は回収容器設置機構(934、1006)の所定の位置に移動した後、溶出液は質量分析装置(936、1007)にオンラインあるいはオフライン方式により供試され、溶出液中の目的成分を分離しながら定量する。
例えば、オフライン方式によるMSへのサンプル供試事例として、抽出物を分注機構が必要量吸液し、MSのイオン源に直接的あるいは間接的(例えばフローインジェクション方式)に導入することが挙げられる。
続いて、ターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転し、C1は区画Nに位置するカートリッジ保持部(914)に移動する。固相抽出カートリッジ移動機構(941)がターンテーブル(921)からC1を回収してカートリッジ廃棄部(935)に廃棄する。
以上がターンテーブル上で行われる一連の作業であり、次にターンテーブル(921)が時計周りに1区画分回転すると、C1廃棄後の空のカートリッジ保持部は区画A(951)に戻り、固相抽出処理が1処理分完了となる。
固相抽出処理後の回収容器は、廃棄する代わりに回収アームによりターンテーブルから取り外されて、保存することも可能である。抽出物を再測定する場合には、保存している回収容器をターンテーブルの空いた区画に設置し、例えば回収容器がバーコード管理されている場合にはそれを自動認識し、その回収容器をMSにロードする位置に移動し、再測定を行う。
保存中の回収容器は、必要に応じて抽出物の乾燥を避けるために回収容器上端に蓋をしても構わない。乾燥した場合であっても、溶媒で再溶解することで再測定を行うことができる。そのときの溶媒添加量は、例えば固相抽出時の抽出物の液面(あるいは容量)のモニタリング値から、測定に消費した容量を差し引いた値に制御する。
例えば、前述においてC1が区画Bに位置するカートリッジ保持部(902)に移動した後の区画Aに位置することになる空のカートリッジ保持部には、新たな固相抽出カートリッジ(1001)としてC2(仮称)が投入され、C2により2検体目の処理がC1に続いて1区画(作業)遅れで開始される。3検体目以降も同様にC2に引き続いて処理されるため、ターンテーブル(921)上では区画数に相当する合計14検体分の処理が順繰りに並行して行われることになる。再検査の場合も同様に処理される。
図13、図14に示した試料分析システム502のいずれにおいても、上述した本発明の効果を得ることができる。
本発明は、免疫法による測定データの高精度化に有効であり、基礎研究分野、医療、創薬、検査、診断等の各分野に幅広く適用することが可能である。
本発明は、免疫法および質量分析法が抱えている問題点を相互補完することで解決し、より高精度の信頼性の高い臨床検査結果を提供することができる。
すなわち、免疫法による測定対象成分の定量を行った際に、交差反応性によって生じる真値からの乖離を、質量分析法による定量成分内訳の相対比率を求めることにより補正する。このことにより、内訳を構成している成分ごとの定量値に換算することで、免疫法では得られない交差反応成分と測定対象成分の定量値を個別に求めることにある。
また、合わせて各内訳成分の薬効に関する相対値に基づいて、例えば代謝物を含む正確な薬効を求めることもできる。免疫法の簡便かつ高速な測光定量と質量分析法による内訳成分の相対値算出の両方を活かすことにより、両測定手法のデメリット、すなわち免疫法の交差反応性および質量分析法の定量性能を相互補完し、今までにない簡便かつ高精度な臨床検査技術を実現することができる。
101、501、1032・・・試料、 102、502・・・免役分析システム、 103、503・・・免疫法用前処理装置、 104・・・免疫法用測光検出系、 105、504・・・質量分析法用前処理装置、 106、505・・・質量分析検出系、 107、506・・・システム制御およびデータ処理用パーソナルコンピュータ、 1031、1046、5031、5046・・・分注機構、 1033、5033・・・検体ラック、 1034、5034・・・反応バイアル、 1035・・・反応テーブル、 1036、5036・・・免疫法用試薬カートリッジ、 1037、5037・・・バイアル移動機構、 1038、5038・・・反応バイアルラック、 1039、5039・・・置換用バイアル、 1041、1045、1048、5045、5048・・・マグネット、 1042・・・セル、 1043・・・光源、 1044・・・測光器、 1047・・・セル付き反応バイアル、 1049、5049・・・置換用バイアルラック、 1061、5061・・・イオン源、 1062、5062・・・質量分析部、 1063、5063・・・真空ポンプ

Claims (14)

  1. 免疫分析法による前処理により、試料溶液中の測定対象物(101、501、1032)を、抗体を用いて捕捉し、
    捕捉した測定対象物(101、501、1032)の定量を行い、
    測定対象物の定量を行った廃液から上記測定対象物(101、501、1032)を回収し、
    回収した測定対象物を質量分析法により、質量分析を行い、上記免疫法により行った測定対象物の成分を測定することを特徴とする免疫分析方法。
  2. 請求項1記載の免疫分析方法において、免疫分析法による前処理(103)により、試料溶液中の測定対象物を一次抗体(204)、二次抗体(206)及び磁性粒子(201)を用いて捕捉し、捕捉した測定対象物に光を照射して測定対象物の定量を行うことを特徴とする免疫分析方法。
  3. 請求項2記載の免疫分析方法において、上記定量が行われた測定対象物の回収は、一次抗体(204)、二次抗体(206)及び磁性粒子(201)を用いて回収することを特徴とする免疫分析方法。
  4. 請求項2記載の免疫分析方法において、上記質量分析法により、上記免疫法により行った測定対象物の成分比率を算出し、上記免疫法で算出した定量値に対して上記成分比率を掛け合わせることにより、成分毎の定量値を補正することを特徴とする免疫分析方法。
  5. 請求項1記載の免疫分析方法において、上記測定対象物の定量を行った廃液から抗原抗体反応により抗原を捕捉し、捕捉した抗原を遊離化した後に回収し、回収した測定対象物を質量分析法により、質量分析を行うことを特徴とする免疫分析方法。
  6. 免疫分析システムにおいて、
    免疫分析法による前処理により、試料溶液中の測定対象物を抗体を用いて捕捉する免疫法用前処理手段(103)と、
    捕捉した測定対象物の定量を行う免疫法用検出手段(104)と、
    測定対象物の定量を行った廃液から上記測定対象物を回収する質量分析法用前処理手段(105)と、
    回収した測定対象物を質量分析法により、質量分析を行い、上記免疫法により行った測定対象物の成分を測定する質量分析手段(106)と、
    を備えることを特徴とする免疫分析システム。
  7. 請求項6記載の免疫分析システムにおいて、上記免疫法用前処理手段(103)は、試料溶液中の測定対象物を一次抗体(204)、二次抗体(206)及び磁性粒子(201)を用いて捕捉し、上記免疫法用検出手段(104)は、捕捉した測定対象物に光を照射して測定対象物の定量を行うことを特徴とする免疫分析システム。
  8. 請求項7記載の免疫分析システムにおいて、上記質量分析法用前処理手段(105)は、測定対象物を、一次抗体(204)、二次抗体(206)及び磁性粒子(201)を用いて回収することを特徴とする免疫分析システム。
  9. 請求項7記載の免疫分析システムにおいて、上記質量分析手段(106)は、上記免疫法により行った測定対象物の成分比率を算出し、上記免疫法用検出手段(104)が算出した定量値に対して上記成分比率を掛け合わせることにより、成分毎の定量値を補正することを特徴とする免疫分析システム。
  10. 請求項6記載の免疫分析システムにおいて、上記質量分析法用前処理手段(105)は上記免疫法用検出手段(104)が測定対象物の定量を行った廃液から抗原抗体反応により抗原を捕捉し、捕捉した抗原を遊離化した後に回収することを特徴とする免疫分析システム。
  11. 免疫分析システムにおいて、
    免疫分析法による前処理により、試料溶液中の測定対象物を抗体を用いて捕捉する免疫法用前処理手段(103)と、
    捕捉した測定対象物から上記測定対象物を回収する質量分析法用前処理手段(105)と、
    回収した測定対象物を質量分析法により、質量分析を行い、上記免疫法により行った測定対象物の成分を測定する質量分析手段(106)と、
    を備え
    上記質量分析法用前処理手段(105)は上記測定対象物から抗原抗体反応により抗原を捕捉し、捕捉した抗原を遊離化した後に回収し、
    上記測定対象物から抗原抗体反応により抗原を捕捉し、捕捉した抗原を遊離化した後に回収する工程を固相抽出処理で行い、
    目的が異なる複数の処理工程として、固相抽出処理および免疫反応処理を、同一の無限軌道上で並行して自動処理することを特徴とする免疫分析システム。
  12. 請求項11記載の免疫分析システムにおいて、上記免疫法用前処理手段(103)は、試料溶液中の測定対象物を一次抗体(204)、二次抗体(206)及び磁性粒子(201)を用いて捕捉することを特徴とする免疫分析システム。
  13. 請求項11記載の免疫分析システムにおいて、免疫反応により粗精製した抗原を遊離回収した溶液を得る工程と、その溶液をコンディショニング済みの固相抽出剤に供試することが同期することを特徴とする免疫分析システム。
  14. 請求項11記載の免疫分析システムにおいて、免疫反応により粗精製した抗原を遊離回収した溶液を回収する分注機構と、その溶液をコンディショニング済みの固相抽出剤に供試する分注機構が同一であることを特徴とする免疫分析システム。
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