JP2005098830A - 質量分析法によるタンパク質相互作用物質のスクリーニング方法 - Google Patents

質量分析法によるタンパク質相互作用物質のスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
タンパク質の機能解析を始める最初の段階として、アフィニティービーズを用いたプルダウンアッセイ法と質量分析法を組み合わせて、タンパク質と相互作用する物質を効率的にスクリーニングする手法を提供すること。
【解決手段】
(a)2種以上の候補化合物の質量分析を行い、各候補化合物のイオン化効率を測定する工程、(b)前記2種以上の候補化合物を含む混合物と目的タンパク質とを接触させる工程、(c)前記目的タンパク質と結合しない(非結合)候補化合物を除去する工程、(d)前記目的タンパク質と候補化合物との複合体を回収する工程、(e)前記複合体の質量分析を行い、前記複合体に含まれる目的タンパク質、及び各候補化合物のイオン化量を測定する工程、そして(f)工程(a)及び(e)の結果に基づいて前記複合体に含まれる各候補化合物量又はそれらの比率を計算する工程、を含み、前記目的タンパク質と結合するリガンド化合物を同定する。
【選択図】
図4

Description

本発明は、タンパク質相互作用物質のスクリーニング方法に関し、より詳細には、アフィニティービーズを用いたプルダウンアッセイ法と質量分析法とを組み合わせて、タンパク質と相互作用する物質をスクリーニングする方法に関する。
現在、種々の生物のゲノム解析から得られた遺伝子情報に基づき、新規遺伝子から機能未知タンパク質の調製が可能になっている。このような機能未知タンパク質の機能を解析する1つの手段として、タンパク質と相互作用する化合物を同定する方法がある。
タンパク質は、タンパク質やDNA、低分子化合物など様々な化合物と複合体形成等の分子間相互作用を行い、その機能を発現している。よって、機能未知タンパク質の機能を知る手がかりとして、タンパク質と相互作用する化合物を特定する事が重要である。タンパク質の相互作用する相手を効率よく見つけ、さらに相互作用する相手の分子がタンパク質のどの部分に結合するのかがわかれば、そのタンパク質の生物学的意義が理解できるはずである。タンパク質相互作用を解析する手法には、ツーハイブリッド(two-hybrid)法(例えば、非特許文献1参照)やファージディスプレイ法(例えば、非特許文献2参照)、免疫沈降法(例えば、非特許文献3参照)などが挙げられる。それぞれ得意分野があり、各々の目的にあった方法を選択する事が大切である。また、表面プラズモン共鳴法や核磁気共鳴(NMR)法などの分析・分光化学的手法で、相互作用の有無を調べたり、結合定数を求めたり、さらに相互作用部位特定が行われている。
このようなタンパク質相互作用解析システムの構築にあたっては、タンパク質と相互作用する可能性のある物質を、非常に数多くの候補物質の中からスクリーニングしなければならないため、解析スピードの高速化が必要となる。また、微量のタンパク質試料を用いて解析することができれば試料調製の手間及びコストが軽減されることから高感度な検出手段が要求される。
質量分析法は、2002年のノーベル化学賞で認められたタンパク質のイオン化方法の発見と開発により、プロテオミクス研究の様々な分野で利用されているが、タンパク質複合体の分析手段としても極めて有力な方法の1つである。タンパク質と相互作用する物質を探索するためには、まず、タンパク質自身を、結合する候補化合物を選択するためのアフィニティー試薬として使用する。次いで、タンパク質複合体を精製し(プルダウンアッセイ法)、タンパク質に結合した化合物を質量分析する(例えば、特許文献1参照)。ツーハイブリッド法やチップ法に比べて、この方法はタンパク質を比較的自由に修飾することができ、また相互作用の解析を生体内に近い条件で行うことができる。そして1回の操作で多成分の複合体を解析することができるなどのメリットがある。しかしながら、多くの生物学的相互作用は弱い結合であったり、共存する種々の因子によって結合が影響されたりするため、真の結合化合物を見出すのが難しいという問題点がある。特に、質量分析で検出される物質が複数存在し、それらの物質間でイオン化効率に大きな違いがある場合には、検出されたピークの大きさから目的タンパク質との相互作用の強さを正確に解析することが著しく困難である。
米国特許出願公開第2003/0166007号明細書 フィールズ・エス(Fields, S.)、ソング・オー(Song, O)、「ネイチャー(Nature)」、1989年、第340巻、p.245 スミス・ジー・ピー(Smith, G.P.)、「サイエンス(Science)」、1985年、6月14日、第228巻、p.1315−1317 フィジキー・イー・エム(Phizicky, E.M.)、フィールズ・エス(Fields, S.)、「マイクロバイオロジカル・レビュー(Microbiol. Rev.)」、1995年3月、第59巻、p.94−123
本発明は、タンパク質の機能解析を始める最初の段階として、アフィニティービーズを用いたプルダウンアッセイ法と質量分析法を組み合わせて、タンパク質と相互作用する物質を効率的にスクリーニングする手法を提供することを目的とする。
本発明の方法によれば、プルダウンアッセイでタンパク質と候補化合物との複合体を得た後、質量分析装置で相互作用を検出する。質量分析装置での検出時には、通常、複合体は解離してしまっているが、得られたマススペクトルを解析することによって、両者が相互作用している事を検出する事が可能である。その際、あらかじめ測定しておいた候補化合物のイオン化効率を用いて質量分析により得られた各化合物のイオン化量を補正することにより、タンパク質と相互作用する物質を効率的にスクリーニングできることが分かった。
すなわち、本発明の第1の視点において、目的タンパク質と結合するリガンド化合物を同定するための、化合物のスクリーニング方法であって、
(a)2種以上の候補化合物の質量分析を行い、各候補化合物のイオン化効率を測定する工程、
(b)前記2種以上の候補化合物を含む混合物と目的タンパク質とを接触させる工程、
(c)前記目的タンパク質と結合しない(非結合)候補化合物を除去する工程、
(d)前記目的タンパク質と候補化合物との複合体を回収する工程、
(e)前記複合体の質量分析を行い、前記複合体に含まれる目的タンパク質、及び各候補化合物のイオン化量を測定する工程、そして
(f)工程(a)及び(e)の結果に基づいて前記複合体に含まれる各候補化合物量又はそれらの比率を計算する工程、を含み、前記目的タンパク質と結合するリガンド化合物を同定することを特徴とするスクリーニング方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態において、前記混合物中の候補化合物の濃度を変えて前記工程(b)〜(f)を繰り返すことを特徴とする。また、前記混合物は、質量分析における内部標準物質を含み、そのイオン化量に基づいて、工程(e)における前記各候補化合物のイオン化量を補正することを特徴とする。
本発明のさらに好ましい実施形態において、前記目的タンパク質は、抗体、抗体のフラグメント、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド様物質、多糖、脂質、核酸、及びレクチンからなる群より選択される何れかとの融合タンパク質として調製されることを特徴とする。特に好ましくは、前記目的タンパク質はヒスチジンタグ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(TrxA)、セルロース結合ドメイン(CBD)、又はストレプトアビジン結合ペプチド(Streptag(商標)等)との融合タンパク質として調製され、中でも好ましくはヒスチジンタグとの融合タンパク質として調製される。
本発明のさらになお好ましい実施形態において、前記工程(d)で回収された複合体を、さらに逆相クロマトグラフィーで分離し、溶出された複数のフラクションについて質量分析することを特徴とする。本実施形態においては、工程(e)で測定された目的タンパク質のイオン化量に基づいて、各候補化合物のイオン化量を補正することが好ましい。
本発明の1つの実施形態において、前記質量分析がエレクトロスプレーイオン化法により行われることを特徴とする。
本発明の方法は、より緻密な機能解析を進める前段階としての、スクリーニングとして有効であり、タグ付きリコンビナントタンパク質さえ調製できれば、数μgのタンパク質を用いての多検体スクリーニングが可能である。例えば、数百pmolのタンパク質試料と、その3倍モルのスクリーニング対象化合物を用いて、プルダウンアッセイから質量分析までのすべての工程をわずか1〜2時間で行うことができる。
(定義)
本明細書において、用語「リガンド」、「リガンド化合物」、「化合物」、「候補化合物」とは相互に転用可能であって、ペプチド、核酸、多糖、低分子有機化合物、天然物、その他の分子を意味するがこれらに限定されない。
「質量分析を行う」又は「質量分析による解析」とは、タンパク質又は候補化合物を同定するために用いる情報を生成するために質量分析装置による測定を行うことをいう。これらの情報には、例えば、タンパク質又は候補化合物の分子量又は質量、イオン化量、純度等を含む。
本明細書において、用語「イオン化量」とは、質量分析装置のイオン源でイオン化された試料が検出部で検出される値(ピーク強度又はピーク面積)をいう。「イオン化効率」とは、前記イオン化量を化合物の単位量、例えば、モル数で割ったものであり、一定量の化合物当たりのイオン化量のことをいう。
用語「接触」とは、分子同士が相互作用することであり、例えば、水溶液中で目的タンパク質と候補化合物とを混合することによりそれらの分子間で衝突が起こることによって相互作用が生ずる。
「結合」とは、「接触」よりも安定な2つの分子間の相互作用のことをいう。これは、生理的条件下における静電的、疎水的、イオン的、共有結合、及び/又は水素結合による相互作用によって形成される。
「複合体」とは、互いに親和性を持った少なくとも2つの分子間で形成される相互作用であり、例えば、抗原と抗体、アビジンとビオチン、受容体とリガンド、及び酵素と基質などの結合物をいう。
(目的タンパク質)
本明細書において「目的タンパク質」とは、当該タンパク質の機能を探索するために、それと相互作用する物質を同定するためのタンパク質又はそのドメインである。タンパク質分子間又はタンパク質とペプチドや他の低分子との間の相互作用は、タンパク質が分子機能、生物機能を果たす第一歩であり、例えば生体内における物質代謝やシグナル伝達において重要な役割を果たしている。具体的には、ホルモンとその受容体、細胞増殖因子とその受容体、遺伝子の発現調節因子間の相互作用等が挙げられるがこれらに限定されない。ハイスループットなスクリーニングが可能になると、上記のような機能が明らかでないタンパク質の機能解明や、相互作用するタンパク質が不明の生理活性化合物のスクリーニング等の研究が促進される(廣田洋、伊藤隆司、実験医学、第19巻(8)、958-962、2001年参照)。
本発明において、シグナル伝達とは、細胞が外界からいろいろなシグナル(ホルモン、増殖因子、サイトカイン等)をそれぞれに特異的な受容体を介して受け取り、細胞内の多数の複雑な反応を経由して核へ伝えて、増殖、分化、移動、細胞死(アポトーシス)などを開始することをいう。細胞内でシグナルが受け渡される経路をシグナル伝達経路といい、シグナルの種類、細胞の型や状態等によって異なる。シグナル伝達経路の入口となる受容体は大別して3型ある。イオンチャネル型は主として神経細胞のシナプス部分にあって、神経伝達物質が結合するとイオンチャネルが短時間開閉して興奮を伝える。Gタンパク質共役型はホルモンの受容体に多く、受容体からのシグナルが三量体型Gタンパク質を経由してcAMPやIP等のセカンドメッセンジャーの増加を引き起こす。酵素結合型には受容体自体がプロテインキナーゼであるもの(受容体型チロシンキナーゼ)とシグナル分子が結合するとチロシンキナーゼを活性化するもの(JAK−STAT系)とがあり、前者は主に増殖因子の、後者は(狭義の)サイトカインの受容体である。タンパク質のリン酸化という情報は、SH2ドメインをもついろいろなプロテインキナーゼ等によって認識され、シグナルが先へ伝えられる。最後に活性化されたプロテインキナーゼが核内に移行して転写因子をリン酸化(あるいは細胞質内でリン酸化された転写因子が核内に移行)して特定の遺伝子の転写を促進する。
SHドメインとは、Src相同領域のことである。プロトオンコジーンの一つSrc遺伝子産物(Src)は、チロシンキナーゼ活性をもち、Src自体のチロシンもリン酸化される。他のチロシンキナーゼ活性をもつがん遺伝子産物やシグナル伝達経路にかかわる因子の研究過程で、Srcタンパク質と構造が類似していて、タンパク質分子間の相互作用に重要な働きをする領域(ドメイン)が発見され、Src相同領域(SH1〜3)と呼ばれるようになった。そのうちSH1ドメインはチロシンキナーゼ領域である。SH2ドメインは近隣のタンパク質のリン酸化されたチロシンを認識して結合する。また、SH3ドメインはプロリンに富むペプチドを認識して相互作用することが知られている。
本発明の方法を用いることによって、このようなタンパク質と相互作用する物質を極めて効率的に解析することができる。特定のタンパク質又はそのドメインと結合する新規な化合物を見出し、又は既知の化合物の新規な相互作用を同定することによって、これらのシグナル伝達機構を調節する薬剤の開発や病気の治療方法につながる。
(プルダウンアッセイ)
目的タンパク質と相互作用する物質をスクリーニングする方法としてプルダウンアッセイがある。この方法は、免疫沈降法に類似する方法であって、例えば、GST−プルダウンアッセイではGST融合タンパク質を試料(例えば細胞破砕液)と共にGST結合成分(例えば、グルタチオンビーズ)とインキュベートする工程を含み、GST融合タンパク質に結合するタンパク質を引っ張り出す(pull down)方法として知られている。
本発明において、この方法は3つの基本的な工程からなる。第1に、2種以上の候補化合物を含む混合物と目的タンパク質とを接触させる工程である。スクリーニングの対象となる候補化合物は、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド様物質、多糖、脂質、又はその他の有機化合物若しくは無機化合物でありうる。これらは化学合成された化合物ライブラリー又は細菌、カビ、放線菌などの培養物中の化合物からなる生物学的混合物であっても良い。混合物中に含まれる候補化合物の種類は特に限定されないが、それぞれの質量分析によるピークが同定できることが必要である。これらの候補化合物を目的タンパク質と接触させる。通常は生体内に近い条件、例えば、20〜40℃で5分〜数時間、好ましくは10分〜1時間程度インキュベートする。
第2に、前記目的タンパク質と結合しない候補化合物を除去する。通常は、目的タンパク質を固相の担体に吸着させ、適当な洗浄液で洗浄することにより非結合の候補化合物と分離する。担体としては、固体または不溶性材料(例えば、ろ過、沈殿、磁性分離などによりタンパク質混合物から分離することができる材料)であって、タンパク質の非特異的な吸着が少ない物が好ましく、例としては、ビーズ(例えば、アガロース、セファロース、セファデックス、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、セルロース、テフロン(登録商標)、孔調節ガラス)、薄膜(例えば、セルロース、ニトロセルロースポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、ガラス繊維、及びテフロン(登録商標)製)のような平坦担体、ガラスプレート、金属プレート、シリコンウエハ、マイクロタイタープレート等を含む。
タンパク質を固相担体に吸着させるためには種々の方法がある。例えば、目的タンパク質に対する抗体を固定化したビーズなどを用いても良い。好ましくは、目的タンパク質は、抗体、抗体のフラグメント、比較的低分子量のペプチド(オリゴペプチド)、立体構造を有する高分子量ポリペプチド(タンパク質)、ペプチド様物質、多糖、アプタマー、脂質、核酸、レクチン、又はこれらの組合せを含む融合タンパク質として調製される。これらのタンパク質は、目的タンパク質を固相担体に吸着させて単離操作を容易にするために役立ち、特に好ましくは、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(TrxA)、セルロース結合ドメイン(CBD)、ストレプトアビジン結合ペプチド(例えば、Streptag(商標))、及びヒスチジンタグ等が挙げられる。
グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)は、可溶性の酵素タンパク質であって、この遺伝子配列の下流にフレームを合わせて目的遺伝子を組み込むとGSTとの融合タンパク質として発現させることができる。このための組換えベクターpGEX Vectorsはアマシャムファルマシアバイオテック社から市販されている。GSTのタンパク質部分を特異的に認識する抗体や、グルタチオンと結合する性質を利用してアフィニティー精製や酵素免疫染色に利用されている。マルトース結合タンパク質(MBP)は、大腸菌のマルトース結合タンパク質であり、MBPとの融合タンパク質はアミロースやアガロースゲルに吸着させた後、過剰のマルトースで遊離して精製できる。また、抗MBP抗体を使用することもできる。チオレドキシン(TrxA)は、酸化還元反応を触媒する大腸菌のタンパク質であり、機能性の一対のチオール基によって金属キレートアフィニティークロマトグラフィーで精製できる。このための担体として、例えばThioBond(商標)Resin( Invitorogen社製)等が市販されている。セルロース結合ドメイン(CBD)は、Clostridium cellulovoransCellulomonas fimi由来のセルロース結合ドメイン配列で、セルロースに特異的に結合する性質を有し、セルロースやキチンなどの不活性な担体に化学的な修飾を行うことなく固定させることができる。ストレプトアビジン結合ペプチドとして、例えばStrep-tagIIと呼ばれる8個のアミノ酸からなるペプチドが知られており、StrepTactin(商標)やStreptavidine(商標)に選択的に結合させて精製することができる。ヒスチジンタグは、連続した又は近傍に配された少なくとも6個のヒスチジンを含むペプチドをいう。このヒスチジンタグは、二価の金属原子、特にニッケル原子と親和性が高い。そのためヒスチジンタグを有するタンパク質はニッケルアフィニティーマトリックスにしっかりと結合し、容易に精製することができる。
これらのタンパク質は遺伝子組み換え技術を用いて組換え細胞内で発現させ、当業者に公知の方法に従って精製される。あるいは、無細胞タンパク質合成系により、鋳型DNAから所望の融合タンパク質を合成することもできる。無細胞タンパク質合成系は、細胞抽出液を用いて試験管内でタンパク質を合成する系であり、上記細胞抽出液としては、リボゾーム、t−RNA等のタンパク質合成に必要な成分を含む、従来より公知の真核細胞又は原核細胞の抽出液が使用可能である。好ましくは小麦胚芽や大腸菌由来のもの(例えば大腸菌S30細胞抽出液)又は高度好熱菌(Thermus thermophilus)由来のものが高い合成量を得る点において好ましい。この大腸菌S30細胞抽出液は、大腸菌A19(rna, met), BL21, BL21 star, BL21 codon plus株等から公知の方法(Pratt, J.M. et al., Transcription and translation - a practical approach, (1984), pp.179-209, Henes, B.D.とHiggins, S.J.編、IRL Press, Oxford参照)に従って調製でき、又はPromega社、Novagen社又はRoche社から市販されるものを使用してもよい。無細胞タンパク質合成系には、バッチ法、フロー法の他、従来公知の技術がいずれも適用可能であり、例えば限外濾過膜法や透析膜法、樹脂に翻訳鋳型を固定化したカラムクロマト法等(Spirin, A.ら、Meth. In Enzymol. 217巻、123〜142頁、1993年参照)を挙げることができる。
第3に、前記目的タンパク質と候補化合物との複合体を回収する。固相担体から前記複合体を脱着させる場合は、複合体を形成するタンパク質とリガンドとの結合を壊さないような緩和な条件で行うことが必要である。例えば、ヒスチジンタグを用いた場合にはイミダゾールバッファーを、GST融合タンパク質の場合はグルタチオンを用いて前記複合体を溶出することができる。
(質量分析法)
質量分析法(MS)は、イオン化された分析物を気相で測定する方法であり、イオン源、イオン化された分析物の質量対電荷比(m/z)を測定する質量分析部、及びそれぞれのm/z値におけるイオンの数を記録するイオン検出部からなる。タンパク質やペプチド等の試料をイオン化するために最も一般的に用いられる技術として、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)及びマトリクス支援レーザー脱着/イオン化法(MALDI)がある。ESIは溶液状の試料から分析物をイオン化させる方法であり、クロマトグラフィーや電気泳動などの分離手段と組み合わせて分析することができる。MALDIは、乾燥した結晶性のマトリクスからなる試料をレーザーパルスによって昇華及びイオン化する。
質量分析部は、この分析法の中心となる技術であって、選択された質量対電荷比(m/z)内においてイオンを分離する。分析データの感度や分解能、質量の正確さやマススペクトルデータから得られる情報の豊富さに重要な役割を果たしている。イオンの分離方法としては、現在、6種類の基本的なタイプに分類することができ、それらは、磁場型、電場型、イオントラップ型、飛行時間(TOF)型、四重極型、及びフーリエ変換サイクロトロン型である。これらはそれぞれ長所と短所があり、単独で又は互いに連結して用いることができる。
ESI及びMALDIは通常、それぞれ四重極及びTOF質量分析部が用いられる。質量分析の途中で試料を断片化し、断片化されたイオンを分析するタンデムマス(MS/MS)分析法も用いられている。本発明の方法を実施するためには上記いずれの質量分析法を用いてもよく、当業者であればこれらと実質的に同一か又は類似の方法により本発明の方法を実施することができるであろう。
(データ解析)
マススペクトルデータ処理の際、次の点に考慮してデータ処理を行う。
1)スペクトル間の補正
質量分析測定を行う際のサンプル導入、イオン化装置、検出器等の測定間誤差を補正するためサンプル中に一定量の内部標準物質を入れる。内部標準物質としてはマススペクトル上で検出できるものであればどのようなものでもよいが、例えば、iPD1、レセルピン、ロイシンエンケファリンなどがあげられる。
2)プルダウンアッセイ時の操作誤差
溶出してきたタンパク質の分子量関連イオンを基準にして、サンプル毎にピーク面積値の補正を行う。
3)各ペプチドにおけるイオン化効率の違い
通常、物質のイオン化効率は、その性質に大きく由来し、それぞれにおいて異なるため、同じ濃度の複数の候補化合物を混合しても、それぞれ同じイオン量は得られない。また、候補化合物を混合することで、イオン化の抑制が起こることもある。これらにより、実際はタンパク質と相互作用していない候補化合物においても、それ自身のイオン化効率が良い場合、マススペクトル上でイオンが強く観測されてしまう。その為、その候補化合物とタンパク質との相互作用があると判断するおそれがある。そこで、各候補化合物のイオン化効率をあらかじめ測定しておき、この値に基づいて、プルダウンアッセイ後に検出される各候補化合物のイオン化量を補正する。各候補化合物のイオン化効率は、それぞれ単独で、又は2種以上の候補化合物の混合物を質量分析することにより測定することができる。イオン化効率は、候補化合物間の相対的な比率で表すこともできる。
上記1)〜3)の補正は、それぞれ単独で、あるいは任意に組み合わせて行うこともできるが、好ましくは上記1)〜3)の補正をすべて組み合わせて行う。例えば、図5を参照して説明すると、図5(A)は、ヒスチジンタグSH2ドメインと3種類のペプチドを用いて行ったスクリーニングの結果を補正なしで示した結果である。低濃度のペプチド混合物を用いた場合にはSH3Lペプチドがより多く結合し、ペプチド混合物の濃度が大きくなるに従ってpTyrペプチドの見かけの結合量が増えてくることがわかる。ところが、内部標準物質とイオン化効率で補正した場合(C)及びさらにタンパク質量の補正を行った場合(D)にはpTyrペプチドの結合量のみが用量依存的に増加しており、SH2ドメインに対する真のリガンド化合物であることが強く推測される。
以下の実施例では、ドメインタンパク質SH2、SH3と、それに対するスクリーニング対象化合物(候補化合物)として相互作用既知のペプチド混合物とを用いたモデルシステムにより本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
[実施例1]試料調製
プルダウンアッセイに用いるタンパク質は、ヒスチジンタグ付きタンパク質として調製した。SH3ドメインとしては、ヒトホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)のp85αサブユニット(N末端の1〜85アミノ酸残基、分子量9.6kDa)を、SH2ドメインとしてはヒトGrb2タンパク質のSH2ドメイン(N末端から55〜160アミノ酸残基、分子量11.8kDa)をそれぞれコードする塩基配列をポリメラーゼ連鎖反応で増幅し、発現ベクターpET19b(Novagen社)に組み込んだ。ヒスチジンタグ付きSH2及びSH3のアミノ酸配列は以下のとおりである。
ヒスタグ付きSH3 PI3K 1-85(配列番号1)
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMLEMSAEGYQYRALYDYKKEREEDIDLHLGDILTVNKGSLVALGFSDGQEARPEEIGWLNGYNETTGERGDFPGTYVEYIGRKKISPP
ヒスタグ付きSH2 Grb2 55-160(配列番号2)
MGHHHHHHHHHHSSGHIDDDDKHMLEMKPHPWFFGKIPRAKAEEMLSKQRHDGAFLIRESESAPGDFSLSVKFGNDVQHFKVLRDGAGKYFLWVVKFNSLNELVDYHRSTSVSRNQQIFLRDIEQVPQQPTY
このようにして構築した発現プラスミドを大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、終濃度50μg/mlのアンピシリンを含む150mlのLB培地中、37℃で培養を行った。培養液の光学密度(OD600)が0.6〜0.7付近に達した時に、IPTGを終濃度0.5mMになるように添加し、ヒスチジンタグタンパク質の発現を誘導した。誘導開始6時間後の培地から約0.8グラムの菌体を回収した。この菌体を2mlの緩衝液(20mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM DTT及び1mMのPMSF(pH7.5)に懸濁し、さらに7mlのCelLytic B BACTERIAL CELL LYSIS EXTRACTION REAGENT (SIGMA)と7μlの5mg/mlのDNaseIを加え、室温で20分間振とうすることで菌体を可溶化した。可溶化液を4℃で20分間15000rpmで遠心分離し、可溶性画分を回収した。
遠心分離で得られた可溶性画分を0.22μmフィルターでろ過し、HisTrapTM Chelating column 1ml(Amersham Pharmacia Biotech)に吸着させた。洗浄緩衝液(50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)、150mM NaCl、及び10mMイミダゾール)でカラムを洗浄し、その後、溶出緩衝液(50mMリン酸ナトリウム(pH8.0)、150mM NaCl、及び500mMイミダゾール)で目的のヒスチジンタグタンパク質をカラムから溶出させた。溶出したヒスチジンタグタンパク質は緩衝液(50mMトリス塩酸(pH8.0)、50mM NaCl)に透析した後、Resource Q1 column (Amersham Pharmacia Biotech) と緩衝液(50mMトリス塩酸(pH8.0)、0〜700mMのNaClグラジエント)で精製を行った。
候補化合物としては、以下の3種類のペプチドをペプチド自動合成装置、PSSM−8(島津製作所製)を用いてPyBOP/HOBt法で合成した。SH3ドメインと相互作用するものとして、プロリンを含む9残基ペプチド(SH3Lと略)を、SH2ドメインに対しては、リン酸化チロシンを含む13残基ペプチド(pTyrと略)を用いた。さらにネガティブコントロールとしてpTyrが脱リン酸化されたペプチド(Tyrと略)を用いた。
SH3L;RKLPPRPAF(配列番号3;9アミノ酸残基, 1080.656 Da)
pTyr;PVPEpYINQSVPKR(配列番号4:13アミノ酸残基、1064-1076 of EGFR, 1605.792 Da)
Tyr ;PVPEYINQSVPKR(配列番号5;13アミノ酸残基、1064-1076 of EGFR, 1526.756 Da)
[実施例2]スクリーニング
(1)プルダウンアッセイ
150pmolのタグ付きタンパク質に対し、添加するペプチド混合物の量を75、150、及び300pmolと変化させて、プルダウンアッセイを行った。
ヒスチジンタグタンパク質を用いた系
30%Ni−NTAアガロースゲルのスラリー10μlを8連PCRチューブに分注した。これに150pmol量のHis-tagタンパク質と75、150、及び300pmolの各濃度のペプチド混合物を加え、室温で30分〜60分インキュベートした。その後、ゲルを遠心して沈殿させ、上澄みを除去した。続いて、100μlの洗浄バッファー(20mMトリス塩酸、pH8.0、150mM NaCl、10mMイミダゾール)を加え、ゲルを洗浄して過剰のペプチドを除去した。この操作を2回行った。最後に、10μlの溶出バッファー(500mMイミダゾールを含む洗浄バッファー)を加え、タンパク質‐ペプチド複合体をゲルから溶出した。
(2)LC−ESI−MS測定
プルダウンアッセイで得られた溶出液をZipTip c18で脱塩し、20μlの50%アセトニトリル、0.1%酢酸溶液で溶出した。この溶出液に等量の2μMのiPD1(内部標準物質)を加え、2μlをマニュアルインジェクターを用いてLC−ESI−質量分析装置;QSTAR(ESI-q-TOF、Applied Biosystems社)にインジェクトし、ESI−MSで測定を行った。HPLC条件は流速;15μl/min、アイソクラティック、使用溶媒は50%アセトニトリル、0.1%酢酸、サンプルインジェクト量は2μl、MS測定条件は質量範囲; m/z 200〜2000、ポジティブモードで行った。
なお、あらかじめ等モル濃度になるよう調製したペプチド混合物のマススペクトルを測定し、各々のイオン化効率を求めた。すなわち、SH3L、Tyr、pTyrはそれぞれ2μM、内部標準は1μMになるように、50%アセトニトリル、0.1%酢酸溶液を作製し、上記と同様の方法によりLC−ESI−MS測定を行った。その結果図1に示したようなペプチド混合物のマススペクトルが得られた。各ペプチドのマススペクトルからピーク面積値の平均を求め(n=4)、イオン化効率を計算すると、SH3L:Tyr:pTyr=11:1.5:1となることがわかった(図2)。
(3)データ解析
得られたマススペクトルのデータ処理は次の手順で行った。図3(A)は、ヒスチジンタグSH2ドメインとペプチド混合物を用いてプルダウンアッセイを行い、溶出した試料のLC−ESI−MS測定結果をTIC(total ion chromatogram)で表したものである。各ピークは左からそれぞれ75、150、及び300pmolのペプチド混合物を用いた場合の結果である。このTICの各ピークから、各々のイオンピークのクロマトグラムを抽出した。そのいくつかの例を図3(B)に示した(a)はSH3L(M+3H)3+のピーク面積(XIC of m/z 361.2)、(b)はTyr(M+2H)2+のピーク面積(XIC of m/z 509.6)、(c)はpTyr(M+2H)2+のピーク面積(XIC of m/z 803.9)である。XIC(extracted ion chromatogram)の抽出条件は、幅0.5amuである。
得られたイオンピーククロマトグラムより、Tyr、SH3Lの場合は2価と3価のイオン量の和を求め、pTyrの場合は、2価イオンのみの量を求めた(pTyrは2価イオンしか検出されなかったため)。続いて、以下のように補正を行い、その相対値を図4に示した。
補正値=各々のイオン量/(内部標準量×タンパク質イオン量×イオン化効率)
図4(A)は、目的タンパク質としてヒスチジンタグSH2を用いた場合の、図4(B)は、ヒスチジンタグSH3についての補正後のスクリーニング結果をそれぞれ示した。図4(A)よりSH2ドメインに結合するペプチドは、3種類の中でpTyrが最も多く、ペプチド混合物の量に従って増加することがわかる。一方、図4(B)より、SH3ドメインに結合するペプチドはSH3Lが最も多いことがわかる。参考のため、ヒスチジンタグSH2ドメインを用いて行った実験結果について、マススペクトルデータの補正をしない場合と、種々の補正を行った場合とを比較した結果を図5に示した。
[参考例]表面プラズモン共鳴法(SPR)を用いた相互作用の確認
スクリーニングで相互作用が示されたペプチドとタンパク質において、実際に有意な相互作用があるかどうかを確認するため、SPRを用いて相互作用の確認を行った。表面プラズモン共鳴センサーとしてBIACORE-3000 (Biacore社)を用い、ヒスチジンタグタンパク質(SH2およびSH3)と各ペプチドとの相互作用を確認した。
ヒスチジンタグSH2及びSH3をNi−NTAセンサーチップに固定化し、各ペプチドとの結合の有無を調べたところ、SH2ドメインに対してはpTyrが、SH3ドメインに対してはSH3Lが、相互作用していることが確認された。また、他のペプチドとの結合は見られず、ヒスチジンタグタンパク質の固定されていないブランクフローセルでも相互作用は見られなかった。
図6は、ヒスチジンタグSH2とpTyrペプチドとの相互作用の解析例を示す。流したペプチドの(pTyr)の濃度は下から0.5、1、5、10、及び20μMで、それぞれのセンサーグラムを重ねて表示した。さらに、濃度依存的な実験からKd値を求めたところ、SH2ドメインについては0.9μM、SH3ドメインについては1.3μMであった。
実施例で用いたペプチド混合物のマススペクトルである。 実施例で用いた各種ペプチドのイオン化効率の比を表したグラフである。 (A)実施例2で測定した質量分析(LC-ESI-MS)の結果をTIC(Total ion chromatogram)で表した結果である。3つのピークはペプチド混合物の濃度を変えて行った実験結果を示し、左から75pmol、150pmol、及び300pmolのペプチド混合物を用いた結果である。(B)(A)に示したTICより各ペプチドピーク面積を抽出して示したものである。抽出したペプチドは上から順に、SH3Lの3価イオンピーク、Tyrの2価イオンピーク、pTyrの2価イオンピークに対するXIC(extracted ion chromatogram)、幅0.5 amuである。 (A)は、ヒスタグSH2タンパク質のスクリーニング結果である。(B)は、ヒスタグSH3タンパク質のスクリーニング結果である。いずれも、SH3及びTyrペプチドについては2価と3価のイオン量の和を求め、pTyrについては2価のイオン量のみを求めた。 ヒスタグSH2タンパク質のスクリーニング結果を、種々の方法により補正した結果を表示したものである。 参考例で行ったヒスタグSH2とpTryペプチドの相互作用をBIACORE−3000(Biacore社)で解析した結果である。

Claims (9)

  1. 目的タンパク質と結合するリガンド化合物を同定するための、化合物のスクリーニング方法であって、
    (a)2種以上の候補化合物の質量分析を行い、各候補化合物のイオン化効率を測定する工程、
    (b)前記2種以上の候補化合物を含む混合物と目的タンパク質とを接触させる工程、
    (c)前記目的タンパク質と結合しない候補化合物を除去する工程、
    (d)前記目的タンパク質と候補化合物との複合体を回収する工程、
    (e)前記複合体の質量分析を行い、前記複合体に含まれる目的タンパク質、及び各候補化合物のイオン化量を測定する工程、そして
    (f)工程(a)及び(e)の結果に基づいて前記複合体に含まれる各候補化合物量又はそれらの比率を計算する工程、
    を含み、前記目的タンパク質と結合するリガンド化合物を同定することを特徴とするスクリーニング方法。
  2. 前記混合物中の候補化合物の濃度を変えて前記工程(b)〜(f)を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のスクリーニング方法。
  3. 前記混合物は、質量分析における内部標準物質を含み、そのイオン化量に基づいて、工程(e)における前記各候補化合物のイオン化量を補正することを特徴とする請求項2に記載のスクリーニング方法。
  4. 前記目的タンパク質は、抗体、抗体のフラグメント、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド様物質、多糖、脂質、核酸、及びレクチンからなる群より選択される何れかとの融合タンパク質として調製されることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載のスクリーニング方法。
  5. 前記目的タンパク質は、ヒスチジンタグ、グルタチオンSトランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、又はストレプトアビジン結合ペプチドとの融合タンパク質として調製されることを特徴とする請求項4に記載のスクリーニング方法。
  6. 前記目的タンパク質は、ヒスチジンタグとの融合タンパク質として調製されることを特徴とする請求項4又は5に記載のスクリーニング方法。
  7. 工程(d)で回収された複合体を、さらに逆相クロマトグラフィーで分離し、溶出された1又は2以上のフラクションについて質量分析することを特徴とする請求項1〜6何れか1項に記載のスクリーニング方法。
  8. 工程(e)で測定された目的タンパク質のイオン化量に基づいて、各候補化合物のイオン化量を補正することを特徴とする請求項7に記載のスクリーニング方法。
  9. 前記質量分析がエレクトロスプレーイオン化法により行われることを特徴とする請求項1〜8何れか1項に記載のスクリーニング方法。
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