JPWO2010079701A1 - オレフィン類重合用固体触媒成分、製造方法および触媒並びにオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分、製造方法および触媒並びにオレフィン類重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分を含むオレフィン類重合用固体触媒成分であって、該固体触媒成分は、ヘプタン洗浄により、該固体触媒成分中のチタン含有量で0.2重量%以上2.5重量%以下のチタン化合物が洗い流されるものである。この固体触媒成分を含む触媒を用いて、オレフィン類の重合を行えば、高立体規則性を有し粒度分布が狭く、さらに微粉の少ない顆粒状または球状重合体を高収率で得ることができる。

Description

本発明は、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持することができ、微粉の少ない重合体を得ることのできるオレフィン類重合用固体触媒成分、その製造方法及び触媒、並びにオレフィン類重合体の製造方法に関する。
従来、オレフィン類の重合においては、チタンなどの遷移金属触媒成分とアルミニウムなどの典型金属触媒成分とからなる固体触媒が広く知られている。
そして、オレフィン類重合用触媒は、マグネシウム化合物を担体として用いた担持型触媒の登場により、重合活性が飛躍的に増大し、さらにエステル化合物などの電子供与体を添加することで、炭素原子数3以上のα−オレフィンから立体規則性の高い重合体の製造も可能となった。
上記の担持型触媒は、その目的が生成重合体中に残留する塩素やチタン等の触媒残渣を除去する所謂、脱灰工程を省略し得る程の高活性を有するとともに、併せて立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の触媒活性の持続性を高めることに注力したものであり、それぞれ優れた成果を上げているが、この種の高活性型触媒成分と有機アルミニウム化合物およびケイ素化合物に代表される電子供与性化合物とからなる組成の重合用触媒を用いてオレフィン類の重合を行なうと、固体触媒成分自体の微粉および重合した際の反応熱による粒子破壊のため、生成重合体中に微粉が多く含まれ、粒度分布もブロード化する傾向があった。微粉重合体が多くなると、均一な反応の継続を妨げ、重合体移送時における配管の閉塞をもたらす等のプロセス障害の原因となり、また粒度分布が広くなると結果的に重合体の成形加工にまで好ましくない影響を及ぼすため、微粉重合体が可及的に少なく、かつ均一粒径で粒度分布の狭い重合体を希求する要因となっていた。
この生成重合体の流動性や粒度分布の問題や調製プロセスを簡略化しつつかつ粒度分布等の問題を解決する手段として、特許文献1(特開平6−157659号公報)においては、芳香族炭化水素と四塩化チタンの混合溶液に、球状のジアルコキシマグネシウム、芳香族炭化水素及びフタル酸ジエステルの懸濁液を添加し、反応させさらに四塩化チタンと反応させ、その後洗浄して得られる固体触媒成分からなるオレフィン類重合用触媒が提案されている。
また、特許文献2(特開平6−287225号公報)においては、球状のジアルコキシマグネシウム、芳香族炭化水素及びフタル酸ジエステルとの懸濁液を、芳香族炭化水素と四塩化チタンとの混合溶液に加えて反応させ、得られた反応生成物を芳香族炭化水素で洗浄し、再度四塩化チタンと反応させ、その後洗浄して得られた固体成分を乾燥させ、微粉除去処理工程を経て得られることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分が提案されている。
上記技術は固体触媒成分そのものに含まれる微粉を除去し、結果として生成した重合体の微粉量を低減させるという効果は見られた。しかしながら、先に述べた重合時における反応熱による粒子破壊による微粉の発生までは制御するまでには至っておらず、まだなお生成重合体に微粉が存在するという問題があった。
特開平6−157659号公報 特開平6−287225号公報
従って、本発明の目的は、オレフィンの重合に供した際、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持でき、しかも微粉が少なくシャープな粒度分布を有する重合体を得ることができるオレフィン類重合用固体触媒成分、その製造方法及び触媒並びにオレフィン類重合体の製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、固体触媒成分の調製に際し、後工程として、固体成分と成分(d)を含む溶液を特定条件下で接触させる工程を行なえば、固体触媒成分の表面及び内部に成分(d)が残留すること、この成分(d)を残存させて調製された触媒の存在下でオレフィン類を重合させれば、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持でき、しかも微粉が少なくシャープな粒度分布を有する重合体が得られることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分を含むオレフィン類重合用固体触媒成分であって、該固体触媒成分は、該固体触媒成分1g当たり10mlのヘプタンで、40℃で5分間洗浄し、これを7回繰り返し、都合8回の洗浄をした際、該固体触媒成分中のチタン含有量で0.2重量%以上2.5重量%以下のチタン化合物が洗い流されるものであることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分を提供するものである。
また、本発明は、マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分(A1)と、その固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒とを、該固体成分(A1)の表面又は該固体成分中に、(d)成分が残留するように接触させ、その後乾燥して粉末状にすることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、(A)前記オレフィン重合用固体触媒成分、
(B)下記一般式(1);R AlQ3−p(1)
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数である。)で表される有機アルミニウム化合物および
(C)外部電子供与性化合物から形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒を提供するものである。
また、本発明は、前記オレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法を提供するものである。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分を用いて形成された触媒を用いれば、ポリマーの立体規則性および収率を高度に維持しながら、極めて微粉が少なくシャープな粒度分布を有する重合体を得ることができる。従って、汎用ポリオレフィンを、低コストで提供し得る。
第1図は、本発明の触媒成分及び重合触媒を調製する工程を示すフローチャート図である。
本発明のオレフィン類重合用触媒のうち固体触媒成分(A)(以下、「成分(A)」ということがある。)の調製に用いられるマグネシウム化合物(a)(以下単に「成分(a)」ということがある。)としては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、ハロゲン化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪酸マグネシウム等が挙げられる。これらのマグネシウム化合物の中、ジハロゲン化マグネシウム、ジハロゲン化マグネシウムとジアルコキシマグネシウムの混合物、ジアルコキシマグネシウムが好ましく、特にジアルコキシマグネシウムが好ましく、具体的にはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシエトキシマグネシウム等が挙げられ、ジエトキシマグネシウムが特に好ましい。
また、これらのジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを、ハロゲン含有有機金属等の存在下にアルコールと反応させて得たものでもよい。上記のジアルコキシマグネシウムは、単独あるいは2種以上併用することもできる。更に、好適に用いられるジアルコキシマグネシウムは、顆粒状または粉末状であり、その形状は不定形あるいは球状のものを使用し得る。例えば球状のジアルコキシマグネシウムを使用した場合、より良好な粒子形状と狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ、重合操作時の生成重合体粉末の取り扱い操作性が向上し、生成重合体粉末に含まれる微粉に起因する重合体の分離装置におけるフィルターの閉塞等の問題が解決される。
上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的にその粒子の形状は、長軸径Lと短軸径Wとの比(L/W)が3以下であり、好ましくは1〜2であり、より好ましくは1〜1.5である。
また、上記ジアルコキシマグネシウムの平均粒径は1〜200μmのものが使用し得る。好ましくは5〜150μmである。球状のジアルコキシマグネシウムの場合、平均粒径は1〜100μm、好ましくは5〜80μmであり、さらに好ましくは10〜60μmである。また、その粒度については、微粉及び粗粉が少なく、かつ粒度分布の狭いものを使用することが好ましい。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下であり、好ましくは10%以下である。一方、100μm以上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下である。更にその粒度分布をD90/D10(ここで、D90は積算粒度で90%における粒径、D10は積算粒度で10%における粒度である。)で表すと3以下であり、好ましくは2以下である。
上記の如き球状のジアルコキシマグネシウムの製造方法は、例えば特開昭58−4132号公報、特開昭62−51633号公報、特開平3−74341号公報、特開平4−368391号公報、特開平8−73388号公報などに例示されている。
成分(A)の調製に用いられるチタンハロゲン化合物(b)(以下単に「成分(b)」ということがある。)は、一般式Ti(OR4−n(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは0≦n≦4の整数である。)で表される四価のチタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の1種或いは2種以上である。
具体的には、チタンハライドとしてチタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライドが例示され、アルコキシチタンハライドとしてメトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等が例示される。これらのうち、チタンテトラハライドが好ましく、特に好ましくはチタンテトラクロライドである。これらチタン化合物は単独あるいは2種以上併用することもできる。
成分(A)の調製に用いられる電子供与性化合物(c)(以下単に「成分(c)」ということがある。)は、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物であり、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒト類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、Si−O−C結合またはSi−N−C結合を含む有機ケイ素化合物などが挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、アミールエーテル、ジフェニールエーテル、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−iso−プロピル−2−iso−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン等のエーテル類、4−エチル−ヘプタン−3,5−ジオールジベンゾエート、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、3−ベンゾイルオキシ酪酸エチル、3−ベンゾイルオキシ酪酸イソブチル、3−ベンゾイルオキシ−4,4−ジメチル吉草酸エチル、2−メチル−3−ベンゾイルオキシ吉草酸エチル、4−メチル−3−ベンゾイルオキシ吉草酸イソブチル、5−イソブチル−4−ベンゾイルオキシカプリン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル安息香酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のモノカルボン酸エステル類、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジ−iso−ブチル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジネオペンチル、iso−プロピルブロモマロン酸ジエチル、ブチルブロモマロン酸ジエチル、iso−ブチルブロモマロン酸ジエチル、ジ−iso−プロピルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、ジ−iso−ブチルマロン酸ジエチル、ジ−iso−ペンチルマロン酸ジエチル、iso−プロピルブチルマロン酸ジエチル、iso−プロピル−iso−ペンチルマロン酸ジメチル、ビス(3−クロロ−n−プロピル)マロン酸ジエチル、ビス(3−ブロモ−n−プロピル)マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジエステル類や、2,3−ジエチルコハク酸ジエチル、2,3−ジプロピルコハク酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジエチル、2,3−ジブチルコハク酸ジエチル、2,3−ジイソブチルコハク酸ジエチル、2,3−ジ−t−ブチルコハク酸ジエチル、2,3−ジエチルコハク酸ジブチル、2,3−ジプロピルコハク酸ジブチル、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジブチル、2,3−ジブチルコハク酸ジブチル、2,3−ジイソブチルコハク酸ジブチル、2,3−ジ−t−ブチルコハク酸ジブチル等のコハク酸ジエステル類、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−iso−デシル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジエステル、フタル酸ジエステル誘導体等のジカルボン酸ジエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、フタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等の酸クロライド類、アセトアルデヒド、プロピオンアルドヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミン類、オレフィン酸アミド、ステリアリン酸アミド等のアミド類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル類、イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル等のイソシアネート類、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルキルアルコキシシラン等のSi−O−C結合を含む有機珪素化合物、ビス(アルキルアミノ)ジアルコキシシラン、ビス(シクロアルキルアミノ)ジアルコキシシラン、アルキル(アルキルアミノ)ジアルコキシシラン、ジアルキルアミノトリアルコキシシラン、シクロアルキルアミノトリアルコキシシラン等のSi−N−C結合を含む有機珪素化合物を挙げることができる。
上記の電子供与性化合物のうち、エステル類、とりわけ芳香族ジカルボン酸ジエステルが好ましく用いられ、特にフタル酸ジエステルおよびフタル酸ジエステル誘導体が好適である。これらのフタル酸ジエステルの具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−iso−プロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−iso−ブチル、フタル酸エチルメチル、フタル酸メチル−iso−プロピル、フタル酸エチル(n−プロピル)、フタル酸エチル(n−ブチル)、フタル酸エチル−iso−ブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジ−iso−ペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−iso−デシルなどが例示され、これらのフタル酸ジエステルは1種あるいは2種以上が使用される。
またフタル酸ジエステル誘導体としては、上記のフタル酸ジエステルの2つのエステル基が結合するベンゼン環の1または2個の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基、または塩素原子、臭素原子およびフッ素原子などのハロゲン原子に置換されたものが挙げられる。該フタル酸ジエステル誘導体を電子供与性化合物として用いて調製した固体触媒成分により、より水素レスポンスを向上させることができ、重合時に添加する水素が同量あるいは少量でもポリマーのメルトフローレートを向上することができる。
なお、上記のエステル類は、2種以上組み合わせて用いることも好ましく、その際用いるエステルのアルキル基の炭素数合計が他のエステルのそれと比べ、その差が4以上になると該エステル類を組み合わせることが望ましい。
本発明においては、上記成分(a)、(b)及び(c)を、不活性有機溶媒の存在下で接触させることによって固体成分を調製する方法が好ましい態様であるが、この不活性有機溶媒としては、上記のハロゲン化チタン化合物を溶解しかつジアルコキシマグネシウムは溶解しないものであり、具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物、塩化メチレン、1,2−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素化合物、ジエチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。これらの中でもトルエン、キシレンなどの室温で液体の沸点が50〜150℃の芳香族炭化水素化合物およびヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの室温で液体の沸点が50〜150℃の飽和炭化水素化合物が好ましく用いられる。また、これらは単独で用いても、2種以上混合して使用してもよい。
本発明における成分(A)の調製における固体成分の特に好ましい調製方法としては、成分(a)と成分(c)と沸点50〜150℃の芳香族炭化水素化合物とから懸濁液を形成し、成分(b)と芳香族炭化水素化合物とから形成した混合溶液を該懸濁液に接触させ、その後反応させることによる調製方法を挙げることができる。
固体成分の調製においては、上記成分の他、更に、ポリシロキサンを使用することが好ましく、ポリシロキサンを用いることにより生成ポリマーの立体規則性あるいは結晶性を向上させることができ、さらには生成ポリマーの微粉を低減することが可能となる。ポリシロキサンは、主鎖にシロキサン結合(−Si−O結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイルとも総称され、25℃における粘度が0.02〜100cm2/s(2〜1000センチストークス)を有する、常温で液状あるいは粘ちょう状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンである。
鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが、部分水素化ポリシロキサンとしては、水素化率10〜80%のメチルハイドロジェンポリシロキサンが、環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルキクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが、また変性ポリシロキサンとしては、高級脂肪酸基置換ジメチルシロキサン、エポキシ基置換ジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン基置換ジメチルシロキサンが例示される。これらの中で、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
本発明では上記成分(a)、(b)及び(c)、また必要に応じて芳香族炭化水素化合物またはポリシロキサンを接触させ固体成分を形成させるが、以下に、本発明の固体成分の調製方法について述べる。具体的には、マグネシウム化合物(a)を、チタンハロゲン化合物(b)または芳香族炭化水素化合物に懸濁させ、フタル酸ジエステルなどの電子供与性化合物(c)、更に必要に応じて4価のチタンハロゲン化合物(b)を接触して固体成分を得る方法が挙げられる。該方法において、球状のマグネシウム化合物を用いることにより、球状でかつ粒度分布のシャープな固体成分が得られ結果として同様の成分(A)を得ることができ、また球状のマグネシウム化合物を用いなくとも、例えば噴霧装置を用いて溶液あるいは懸濁液を噴霧・乾燥させる、いわゆるスプレードライ法により粒子を形成させることにより、同様に球状でかつ粒度分布のシャープな固体成分を得ることができる。
各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水分等を除去した状況下で、攪拌機を具備した容器中で、攪拌しながら行われる。接触温度は、各成分の接触時は、各成分の接触時の温度であり、反応させる温度と同じ温度でも異なる温度でもよい。接触温度は、単に接触させて攪拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理する場合には、室温付近の比較的低温域であっても差し支えないが、接触後に反応させて生成物を得る場合には、40〜130℃の温度域が好ましい。反応時の温度が40℃未満の場合は十分に反応が進行せず、結果として調製された固体触媒成分の性能が不十分となり、130℃を超えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応の制御が困難になる。反応時間は1分以上、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。
本発明の固体触媒成分(A)は、上記固体成分をその固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍、好ましくは0.3〜5倍、特に好ましくは0.5〜1.5倍のチタン化合物(d)(以下単に「成分(d)」ということがある。)を含有する不活性有機溶媒で固体成分の表面又は固体成分中に(d)成分を残留させるように接触し、その後乾燥することにより得られる。なお、本明細書中、固体成分と成分(d)の接触工程を単に「成分(d)の後接触工程」とも言う。成分(d)のチタン化合物は、上記成分(b)と同じチタンハロゲン化合物及びアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の1種或いは2種以上を用いることができ、得られる固体触媒成分(A)の重合活性を向上させる点から、4価のチタンハロゲン化合物が好ましく、チタンテトラクロライドが特に好ましい。
不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2‐ジエチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、デカリン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、オルトジクロルベンゼン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素化合物等が挙げられるが、このうち、沸点が50〜150℃程度の、常温で液状の飽和または芳香族炭化水素化合物、具体的にはヘプタン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましく用いられる。また、これらは単独で用いても、2種以上混合して使用してもよい。
上記固体成分と成分(d)を含有する不活性有機溶媒との好適な接触方法としては、上記固体成分(A1)と、不活性有機溶媒に懸濁させた液(X)と固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)を、40〜110℃、好ましくは85〜105℃、特に好ましくは85〜100℃で2〜10分間混合攪拌し、静置後上澄み液を除去して固体成分(A2)を得る第一工程(以下、「成分(d)の後接触工程」とも言う。)を実施する方法が挙げられる。
また、更に、前記固体成分(A2)と、固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)を40〜110℃で2〜10分間混合攪拌し、静置後上澄み液を除去して固体成分(A3)を得る第二工程を有する方法が好ましい。また、前記固体成分と成分(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)との混合攪拌接触は、都合2〜8回、好ましくは3〜6回行なうことが、固体成分の表面又は固体成分中に(d)成分を特定量で残留させることができる点で好ましい。
第一工程又は第二工程において、上澄み液を除去した後は乾燥して粉末状にして固体触媒成分(A)を得ればよい。上記固体成分と成分(d)を含有する不活性有機溶媒との接触処理後は、溶媒中及び固体成分表面あるいは固体成分中に成分(d)が存在するが、本発明では成分(d)が存在したまま乾燥する。乾燥方法としては、使用した不活性有機溶媒を除去し、粉末状になるように乾燥すればよく、真空乾燥、加熱乾燥、加熱真空乾燥などの方法が挙げられる。
このように乾燥することによって、得られた固体触媒成分中に触媒活性成分とは別の、ある程度遊離成分に近い成分(d)が特定量で取り込まれ、このような固体触媒成分をオレフィン類の重合に供することにより微粉の少ない重合体を得ることができる。
本発明の固体触媒成分(A)は、該固体触媒成分1g当たり10mlのヘプタンで、40℃で5分間洗浄し、これを7回繰り返し、都合8回の洗浄をした際、該固体触媒成分中のチタン含有量で0.2重量%以上、2.5重量%以下のチタン化合物が洗い流されるものである。すなわち、この洗い流されるチタン化合物が成分(d)である。洗い流されるチタン量は、洗浄前の固体触媒成分(A)のチタン含有量から、洗浄後の固体触媒成分(A)のチタン含有量を差し引いた値である。最初の洗浄及び7回の繰り返し洗浄の都合8回の洗浄を行なうことにより、成分(d)をほぼ完全に洗い流すことができる。
固体触媒成分(A)中に残留する成分(d)を測定するための上記の洗浄方法は、具体的には、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された容量500mlの丸底フラスコに、固体触媒成分(A)10gを装入し、その後40℃のヘプタン100mlを投入し、40℃で5分間攪拌する。攪拌機は丸底フラスコの中心部に設けられた攪拌軸に攪拌翼が付設されたものであり、攪拌翼は幅60mm、高さ19mm、厚み4mmの半月状であり、攪拌条件は毎分200回転である。すなわち、撹拌翼は、下に凸の半月状であって、半月状の中心に撹拌軸の先端が固定され撹拌軸を中心として左右対称形のものである。
以上を踏まえ、本発明における成分(A)の特に好ましい調製方法としては、マグネシウム化合物(a)を沸点50〜150℃の芳香族炭化水素化合物に懸濁させ、次いでこの懸濁液にチタンハロゲン化合物(b)を接触させた後、反応処理を行う。この際、該懸濁液にチタンハロゲン化合物(b)を接触させる前又は接触した後に、フタル酸ジエステルなどの電子供与性化合物(c)の1種あるいは2種以上を、−20〜130℃で接触させ、必要に応じてポリシロキサンを接触させて、反応処理を行い、固体成分を得る。この際、電子供与性化合物の1種あるいは2種以上を接触させる前又は後に、低温で熟成反応を行うことが望ましい。この固体成分を炭化水素化合物で洗浄(中間洗浄)し、固体成分を得る。次いで、上記の「成分(d)の後接触工程」を行ない、成分(A)を得る。
固体成分を調製する際の各成分の使用量比は、調製法により異なるため一概には既定できないが、例えばマグネシウム化合物(a)1モルあたり、4価のチタンハロゲン化合物(b)が0.5〜100モル、好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは1〜5モルであり、電子供与性化合物(c)が0.01〜10モル、好ましくは0.01〜1モル、より好ましくは0.02〜0.6モルであり、芳香族炭化水素化合物が0.001〜500モル、好ましくは0.001〜70モル、より好ましくは0.005〜50モルであり、ポリシロキサンが0.01〜100g、好ましくは0.05〜80g、より好ましくは1〜50gである。
また本発明における成分(A)中のチタン、マグネシウム、ハロゲン原子、電子供与性化合物の含有量は特に既定されないが、好ましくは、チタンが1.0〜10重量%、好ましくは2.0〜10重量%、より好ましくは3.0〜10重量%、マグネシウムが10〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%、さらに好ましくは15〜25重量%、ハロゲン原子が20〜90重量%、より好ましくは30〜85重量%、特に好ましくは40〜80重量%、さらに好ましくは45〜80重量%、また電子供与性化合物が合計0.5〜30重量%、より好ましくは合計1〜25重量%、特に好ましくは合計2〜20重量%である。
本発明のオレフィン重合用触媒を形成する際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)(以下、「成分(B)」ということがある。)としては、上記一般式(1)で表される化合物であれば、特に制限されないが、R1としては、エチル基、イソブチル基が好ましく、Yとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、nは、2又は3が好ましく、3が特に好ましい。このような有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムハイドライドが挙げられ、1種あるいは2種以上が使用できる。好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
また本発明の触媒では上記固体触媒成分(A)及び成分(B)の他に外部電子供与性化合物(C)(以下、「成分(C)」ということがある。)を用いる。
本発明のオレフィン類重合用触媒を形成する際に用いられる外部電子供与性化合物(C)(以下、「成分(C)」ということがある。)としては前記した固体触媒成分の調製に用いることのできる電子供与性化合物(c)と同じものが用いられるが、その中でもエーテル類、エステル類又は有機ケイ素化合物が好ましい。エーテル類の中、1,3ジエーテルが好ましく、特に9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレン、2−iso−プロピル−2−iso−ペンチル−1,3−ジメトキシプロパンが好ましい。また、エステル類の中、安息香酸メチル、安息香酸エチルが好ましい。
上記の有機ケイ素化合物としては、下記一般式(3)
Si(NR(OR4−(q+r) (3)
(式中、qは0、1〜4の整数、rは0、1〜4の整数、但し、q+rは0〜4の整数、R、R又はRは水素原子、炭素数1〜12の直鎖または分岐状アルキル基、置換又は未置換のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基のいずれかで、ヘテロ原子を含有してもよく、同一または異なっていてもよい。Rは炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、ヘテロ原子を含有してもよく、同一または異なってもよく、RとRは結合して環状を形成してもよい。)で表される化合物が挙げられる。
一般式(3)中、Rは炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。また、R又はRは炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜8の直鎖又は分岐状のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。また、RとRが結合して環状を形成する(NR)はパーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基が好ましい。また、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4の直鎖又は分岐状のアルキル基が好ましい。
一般式(3)中、rが0の有機ケイ素化合物としては、フェニルトリメトキシシラン等のフェニルアルコキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン等のフェニルアルキルアルコキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン等のシクロアルキルアルコキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン等のシクロアルキルアルキルアルコキシシランを挙げることができ、一般式(3)中、rが1〜4の有機ケイ素化合物としては、イソプロピルアミノトリメトキシシラン、t−ブチルアミノトリメトキシシラン、シクロペンチルアミノトリメトキシシラン、シクロヘキシルアミノトリメトキシシラン、ジイソプロピルアミノジメトキシシラン、ジt−ブチルアミノジメトキシシラン、ジシクロペンチルアミノジメトキシシラン、ジシクロヘキシルアミノジメトキシシラン、ジt−ブチルアミノエチルアミノメトキシシラン、ジシクロペンチルアミノエチルアミノメトキシシラン等の(アルキルアミノ)アルコキシシラン、イソプロピルイソプロピルアミノジメトキシシラン、t−ブチルt−ブチルアミノジメトキシシラン、シクロペンチルシクロペンチルアミノジメトシシラン、シクロヘキシルシクロヘキシルアミノジメトキシシラン、イソプロピルイソプロピルアミノエチルアミノメトキシシラン、t−ブチルt−ブチルアミノエチルアミノメトキシシラン、シクロペンチルシクロペンチルアミノエチルアミノメトシシラン、シクロヘキシルシクロヘキシルアミノエチルアミノメトキシシラン、ジイソプロピルアミノエチルアミノメトキシシラン、ジt−ブチルエチルアミノメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルアミノメトキシシラン、シクロヘキシルメチルエチルアミノメトキシシラン等のアルキル(アルキルアミノ)アルコキシシラン、トリエチルエチルアミノシラン、トリイソプロピルエチルアミノシラン、ジイソプロピルジエチルアミノシラン、ジt−ブチルジエチルアミノシラン、t−ブチルメチルジエチルアミノシラン、t−ブチルエチルジエチルアミノシラン、ジシクロペンチルジエチルアミノシラン、シクロヘキシルメチルジエチルアミノシラン、t−ブチルエチルアミノジエチルアミノシラン、シクロペンチルエチルアミノジエチルアミノシラン、シクロヘキシルエチルアミノジエチルアミノシラン等のアルキル(アルキルアミノ)シラン、テトラキス(イソプロピルアミノ)シラン、テトラキス(t−ブチルアミノ)シラン、テトラキス(シクロペンチルアミノ)シラン、テトラキス(シクロヘキシルアミノ)シラン等のアルキルアミノシラン等を挙げることができる。
該有機ケイ素化合物(C)は1種あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの外部電子供与性化合物は、1種あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン類の単独重合、ランダム共重合もしくはブロック共重合を実施する。オレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、エチレン、プロピレン、1−ブテンが好適に用いられ、特に好ましくはプロピレンである。プロピレンの場合、他のオレフィン類との共重合を行うことができる。共重合されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は1種あるいは2種以上併用することができる。とりわけ、エチレン、1−ブテンが好適に用いられる。プロピレンと他のオレフィン類との共重合としては、プロピレンと少量のエチレンをコモノマーとして1段で重合するランダム共重合と、第一段階(第一重合槽)でプロピレンの単独重合を行い、第二段階(第二重合槽)あるいはそれ以上の多段階(多段重合槽)でプロピレンとエチレンの共重合を行う、所謂プロピレン−エチレンブロック共重合が代表的である。このようなランダム共重合やブロック共重合においても、上記の成分(A)および成分(B)及び成分(C)からなる本発明の触媒は有効であり、触媒活性、立体規則性及び/または水素レスポンスが良好であるばかりでなく、共重合特性や得られた共重合体の特性も良好である。また、特にプロピレンの単独重合からブロック共重合に移行する際に、最終製品中のジェル生成を防止するために、アルコール類を重合系に添加することができる。アルコール類の具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、使用量は成分(B)1モルに対し0.01〜10モル好ましくは0.1〜2モルである。
各成分の使用量比は、本発明の効果に影響を及ぼすことのない限り任意であり、特に限定されるものではないが、通常成分(B)は成分(A)中のチタン原子1モル当たり、1〜2000モル、好ましくは50〜1000モルの範囲で使用される。成分(C)は成分(B)1モル当たり、0.002〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、特に好ましくは0.1〜0.5モルの範囲で用いられる。
各成分の接触順序は任意であるが、重合系内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次いで、成分(C)を装入し、その後固体触媒成分(A)を接触させることが望ましい。
本発明における重合方法は、有機溶媒の存在下でも不存在下でも行うことができ、また、プロピレン等のオレフィン単量体は、気体および液体のいずれの状態でも重合に用いることができる。重合温度は200℃以下、好ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以下、好ましくは6MPa以下である。また、連続重合法、バッチ式重合法のいずれも可能である。更に、重合反応を1段で行っても良いし、2段以上の多段で行ってもよい。
更に、本発明において成分(A)および成分(B)、または成分(C)から形成される触媒を用いてオレフィンを重合するにあたり(「本重合」ともいう。)、触媒活性、立体規則性及び生成する粒子性状度等を一層改善させるために、本重合に先立ち予備重合を行うことが望ましい。予備重合の際には、本重合と同様のオレフィン類あるいはスチレン等のモノマーを用いることができる。具体的には、オレフィン類の存在下に成分(A)および成分(B)、または成分(C)を接触させ、成分(A)1g当たり0.1〜100gのポリオレフィンを予備的に重合させ、更に成分(B)及び/又は成分(C)を接触させ触媒を形成する。
予備重合を行うに際して、各成分及びモノマーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガス雰囲気あるいはプロピレンなどの重合を行うガス雰囲気に設定した予備重合系内にまず成分(B)を装入し、次いで成分(A)を接触させた後、プロピレン等のオレフィン及び/又は1種あるいは2種以上の他のオレフィン類を接触させる。予備重合温度は任意であり、特に制限はないが、好ましくは−10℃〜70℃の範囲、更に好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
〈固体成分の調製〉
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム20g及びトルエン100mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装填されたトルエン40ml及びチタンテトラクロライド60mlの溶液中に添加して懸濁液を得、次いで、該懸濁液を6℃で1時間反応させた。その後、フタル酸ジ−n−ブチル6mlを添加し、さらに105℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理を行なった。反応終了後、生成物を100℃のトルエン200mlで4回洗浄し、固体成分(A1)を得た。この固体成分中のチタン含有量を測定したところ、3.3重量%であった。なお、固体成分中のチタン含有量の測定は、下記の方法にて行なった。
〈固体成分中のチタン含有量の測定〉
窒素雰囲気下、容量100mlのなす型フラスコに固体試料3gを採取し、60℃、0.02torr以下で3時間の減圧処理を行ない、該固体試料中に残留している有機溶媒成分を完全に除去したものを測定サンプル(Y)とし、JIS M 8311−1997に準じた酸化還元滴定法を用いてチタン量(X)を測定後、固体試料中のチタン含有量を下記式にて求めた。
固体試料中のチタン含有量(重量%)={X(g)/Y(g)}×100
〈固体触媒成分(A)の調製〉
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、上記で得た固体成分(A1)20g及びヘプタン80mlを装入し、攪拌することによって懸濁液を得た。次いで、該懸濁液に室温のチタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液120mlを投入後、昇温し、100℃で5分攪拌後、静置して、その後上澄みを除去した。以上までの固体成分とチタンテトラクロライドの接触を1回とした。次いで、丸底フラスコ内の固体成分に対してさらに室温のチタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液120mlを投入、100℃で5分攪拌し、攪拌後静置して、その後上澄みを除去した(都合2回の接触)。その後、2回目の接触と同様の操作を繰り返し、固体成分とチタンテトラクロライドの接触を都合5回行なった。その後、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分(A)を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、3.9重量%であった。すなわち、「成分(d)の後接触工程」において、固体触媒成分(A)にはチタン量として、0.6重量%(3.9重量%−3.3重量%)のチタン化合物(チタンテトラクロライド)が増加したことになる。そして、増加したチタン化合物(チタンテトラクロライド)の定量方法として、下記の洗浄方法が妥当であることの確認試験を行なった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
〈洗い流されるチタン化合物の定量〉
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された容量500mlの丸底フラスコに、上記固体触媒成分(A)10gを装入し、その後40℃のヘプタン100mlを投入し、40℃で5分間、200rpmで攪拌した。攪拌停止後、濾過して、洗浄された固体触媒成分(A)を得た、これを1回として、都合8回のバッチ洗浄を繰り返した。攪拌機は丸底フラスコの中心部に設けられた攪拌軸に攪拌翼が付設されたものであった。なお、攪拌翼は、幅60mm、高さ19mm、厚み4mmの半月形状であり、フッ素樹脂製の攪拌羽根「F−4022−3」(フロン工業株式会社製)を使用した。その結果、8回洗浄後の固体触媒成分(A)中のチタン量は3.3重量%であり、洗い流されたチタン化合物(チタンテトラクロライド)はチタン量として0.6重量%となり、当該洗浄方法が妥当なものであることが確認された。
〈重合触媒の形成および重合〉
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32mmol、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13mmolおよび前記固体成分をチタン原子として0.0026mmol装入し、重合用触媒を形成した。その後、水素ガス1.5リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行った。このときの固体触媒成分1g当たりの重合活性、生成重合体中の沸騰n−ヘプタン不溶分の割合(HI)、生成重合体のメルトフローレートの値(MFR)、生成固体重合体の44μm以下又は75μm以下の微粉の量、生成固体重合体の平均粒径および粒度分布を第1表に示した。
なお、ここで使用した固体触媒成分当たりの重合活性は下式により算出した。
重合活性=生成重合体(g)/固体触媒成分(g)
また、生成重合体中の沸騰n−ヘプタン不溶分の割合(HI)は、この生成重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽出したときのn−ヘプタンに不溶解の重合体の割合(重量%)とした。さらに、生成重合体のメルトフローレートの値(MFR)は、ASTM D 1238に準じて測定した。また、生成固体重合体の44μm以下の微粉または75μm以下の微粉の量は330メッシュまたは200メッシュの篩上に置いた生成ポリマーにエタノールを流し、篩を通過した微粒子を含むエタノール懸濁液を遠心分離することにより固体分(微粒子)を回収し、さらに減圧乾燥して重量を測る方法により測定した。次に、生成固体重合体の1700μm以上の粗粉の量は10メッシュの篩上の生成ポリマーを回収し測定した。生成固体重合体の平均粒径及び粒度分布は、JIS K0069に従い粒度分布を測定した後、積算重量10%、50%、90%に相当する粒子径を求める方法により測定した。
実施例2
フタル酸ジ−n−ブチルの代りに、フタル酸ジイソブチルを同モル用いた以外は、実施例1と同じ条件で固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第1表に示す。なお、固体成分中のチタン量は3.3重量%であり、固体触媒成分(A)中のチタン含有量は3.9重量%であり、増加したチタンテトラクロライドはチタン量として0.6重量%であった。また、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル倍率は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
実施例3
〈固体成分の調製〉
無水塩化マグネシウム20g、デカン100mlおよび2−エチルヘキシルアルコール80gを135℃で4時間加熱して均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸4.5gを添加し、さらに、135℃にて1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を溶解させた。このようにして得られた均一溶液を室温に冷却した後、この均一溶液のうち30mlを、−20℃に保持したチタンテトラクロライド80ml中に45分間にわたって滴下装入した。滴下終了後、液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでフタル酸ジイソブチル14mlを添加した。さらに2時間上記の温度で攪拌した。2時間の反応終了後、濾過した。固体部をデカンで洗浄し、固体成分を得た。この固体成分中のチタン含有量を測定したところ、3.0重量%であった。
〈固体触媒成分(A)の調製〉
上記で得られた固体成分を用いた以外は、実施例1と同じ条件で、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を表1に示す。この固体触媒成分(A)中のチタン含有量を測定したところ、3.4重量%であった。すなわち、「成分(d)の後接触工程」において、固体触媒成分(A)にはチタン量として、0.4重量%(3.4重量%−3.0重量%)が増加したことになる。そして、増加したチタン化合物の定量方法として、上記洗浄方法が妥当であることの確認試験を実施例1と同様にして行なった。その結果、洗い流されたチタン化合物の量は0.4重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.5倍であった。
実施例4
固体触媒成分(A)の調製において、チタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液の代りに、チタンテトラクロライド20mlを含有するヘプタン溶液を用いて固体成分の調製を行なった以外は、実施例1と同じ条件で、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第1表に示す。なお、固体成分中のチタン含有量は3.3重量%であった。固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、5.5重量%であり、増加したチタンテトラクロライドはチタン量として2.2重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で13.2倍であった。
実施例5
固体触媒成分(A)の調製において、チタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液の代りに、チタンテトラクロライド0.2mlを含有するヘプタン溶液を用いて固体成分の調製を行なった以外は、実施例1と同じ条件で、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第1表に示す。なお、固体成分中のチタン含有量は3.3重量%であった。固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、3.7重量%であり、増加したチタンテトラクロライドはチタン量として0.4重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1倍であった。
比較例1
〈固体触媒成分の調製〉
攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに、ジエトキシマグネシウム20g及びトルエン100mlを装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁液を、攪拌機を具備し、窒素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラスコに予め装填されたトルエン40ml及びチタンテトラクロライド60mlの溶液中に添加して懸濁液を得、次いで、該懸濁液を6℃で1時間反応させた。その後、フタル酸ジ−n−ブチル6mlを添加し、さらに105℃まで昇温した後、撹拌しながら2時間反応処理を行なった。反応終了後、生成物を100℃のトルエン200mlで4回洗浄し、新たにトルエン80ml及びチタンテトラクロライド20mlを加えて、撹拌しながら100℃で0.5時間の反応処理を行った。次いで、生成物を40℃のヘプタン150mlで4回洗浄し、濾過、乾燥して、粉末状の固体触媒成分を得た。この固体触媒成分中のチタン含有量を測定したところ、2.9重量%であった。
〈チタンテトラクロライドの定量〉
固体触媒成分(A)に代えて、比較例1で得た固体触媒成分を使用した以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果、8回洗浄後の固体触媒成分中のチタン量は2.9重量%であり、増加したチタンテトラクロライドはチタン量として0重量%であった。
〈重合触媒の形成および重合〉
上記で得られた固体触媒成分を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。得られた結果を第2表に示した。
比較例2
固体触媒成分(A)の調製において、チタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液の代りに、チタンテトラクロライド0.1mlを含有するヘプタン溶液を用いて固体成分の調製を行なった以外は、実施例1と同じ条件で、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第2表に示す。なお、固体成分中のチタン含有量は3.3重量%であった。固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、3.4重量%であり、増加したチタンテトラクロライドはチタン量として0.1重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.05倍であった。
比較例3
固体触媒成分(A)の調製において、チタンテトラクロライド2mlを含有するヘプタン溶液に代えて、チタンテトラクロライド26mlを含有するヘプタン溶液を用いて固体成分の調製を行なった以外は、実施例1と同じ条件で、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第2表に示す。なお、固体成分中のチタン含有量は3.3重量%であった。固体触媒中のチタン含有量は、6.0重量%で、増加したチタンテトラクロライドの量は2.7重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で17倍であった。
Figure 2010079701
Figure 2010079701
実施例6
フタル酸ジ−n−ブチルの代りに、ジ−iso−ブチルマロン酸ジエチルを同モル用いた以外は、実施例1と同じ条件で、固体成分の調製、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第3表に示す。なお、固体成分中及び固体触媒成分(A)中のチタン含有量、増加したチタンテトラクロライドはそれぞれ、4.2重量%、5.0重量%、0.8重量%であった。また、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル倍率は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
実施例7
フタル酸ジ−n−ブチルの代りに、2−iso−プロピル−2−iso−ペンチル−1、3−ジメトキシプロパンを同モル用いた以外は、実施例1と同じ条件で、固体成分の調製、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第3表に示す。なお、固体成分中及び固体触媒成分(A)中のチタン含有量、増加したチタンテトラクロライド量はそれぞれ、3.9重量%、4.6重量%、0.7重量%であった。また、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル倍率は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
実施例8
フタル酸ジ−n−ブチルの代りに、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジエチルを同モル用いた以外は、実施例1と同じ条件で、固体成分の調製、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第3表に示す。なお、固体成分中及び固体触媒成分(A)中のチタン含有量、増加したチタンテトラクロライド量はそれぞれ、3.7重量%、4.3重量%、0.6重量%であった。また、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル倍率は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
実施例9
固体触媒成分(A)の調製において、固体成分(A1)とヘプタン溶液の混濁液を昇温し、攪拌する温度をいずれも100℃から50℃に変更した以外は、実施例1と同じ条件で、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第3表に示す。なお、固体成分(A1)中のチタン含有量は3.3重量%であり、固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、3.7重量%であり、増加したチタンテトラクロライドは固体触媒成分中のチタン量として0.4重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
比較例4
固体触媒成分(A)の調製において、固体成分(A1)とヘプタン溶液の混濁液を昇温し、攪拌する温度をいずれも100℃から室温(23℃)に変更した以外は、実施例1と同じ条件で、固体触媒成分(A)の調製、重合触媒の形成及び重合を行なった。得られた結果を第3表に示す。なお、固体成分(A1)中のチタン含有量は3.3重量%であり、固体触媒成分(A)中のチタン含有量は、3.4重量%であり、増加したチタンテトラクロライドは固体触媒成分中のチタン量として0.1重量%であった。なお、ヘプタン中のチタンテトラクロライドの使用モル量は、固体成分中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で1.3倍であった。
Figure 2010079701
第1表〜第3表の結果から、本発明の方法により得られた固体触媒成分を用いてプロピレンの重合を行うことにより、高立体規則性を有し、生成固体重合体微粉が少なく、粒度分布が狭い重合体を高収率で得られることがわかる。
本発明のオレフィン類重合触媒の存在下で、オレフィン類の重合を行った場合、従来の触媒を使用した場合に比べ、高立体規則性を有し、微粉が少なく粒度分布が狭い重合体を高収率で得ることができる。

Claims (9)

  1. マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分を含むオレフィン類重合用固体触媒成分であって、該固体触媒成分は、該固体触媒成分1g当たり10mlのヘプタンで、40℃で5分間洗浄し、これを7回繰り返し、都合8回の洗浄をした際、該固体触媒成分中のチタン含有量で0.2重量%以上2.5重量%以下のチタン化合物が洗い流されるものであることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
  2. マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分(A1)と、その固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒とを、該固体成分(A1)の表面又は該固体成分中に、(d)成分が残留するように接触させ、その後乾燥して粉末状にすることを特徴とする、オレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  3. マグネシウム化合物(a)、チタンハロゲン化合物(b)及び電子供与性化合物(c)を接触させて得られる固体成分(A1)を不活性有機溶媒に懸濁させた液(X)と、固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)を、40〜110℃で2〜10分間混合攪拌し、静置後上澄み液を除去して固体成分(A2)を得る第一工程を有することを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  4. 前記固体成分(A2)と、固体成分(A1)中に含まれるチタン化合物のチタン原子換算のモル比で0.1〜15倍のチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)を40〜110℃で2〜10分間混合攪拌し、静置後上澄み液を除去して固体成分(A3)を得る第二工程を更に有することを特徴とする請求項3記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  5. 前記固体成分とチタン化合物(d)を含有する不活性有機溶媒(Y)との混合攪拌接触は、2〜8回行なうことを特徴とする請求項4記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  6. 前記のチタン化合物(d)がチタンテトラクロライドであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  7. 前記不活性有機溶媒が脂肪族炭化水素溶媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  8. (A)請求項1記載のオレフィン重合用固体触媒成分、
    (B)下記一般式(1);R1pAlQ3−p(1)
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の整数である。)で表される有機アルミニウム化合物および(C)外部電子供与性化合物から形成されることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。
  9. 請求項8に記載のオレフィン類重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
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