JP3130171B2 - オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法

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JP3130171B2 JP05098972A JP9897293A JP3130171B2 JP 3130171 B2 JP3130171 B2 JP 3130171B2 JP 05098972 A JP05098972 A JP 05098972A JP 9897293 A JP9897293 A JP 9897293A JP 3130171 B2 JP3130171 B2 JP 3130171B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒径200μm 以下の
微粉重合体が極めて少なく、かつ立体規則性に優れるポ
リオレフィンを収率よく得ることができるオレフィン類
重合用固体触媒成分および該固体触媒成分を含む触媒を
用いたオレフィン類の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チタンハロゲン化物、マグネシウ
ム化合物および電子供与性化合物を必須成分とするオレ
フィン類重合用の固体触媒成分や、該固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物、ケイ素化合物等からなるオレフ
ィン類重合用触媒の存在下にオレフィンを重合もしくは
共重合させる方法については数多くの提案がなされてい
る。
【0003】例えば本出願人の先願となる特開昭63−
3010号公報においては、ジアルコキシマグネシウ
ム、芳香族ジカルボン酸のジエステル、芳香族炭化水素
およびチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を
粉末状態で加熱処理することにより調製した固体触媒成
分と、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物
からなるオレフィン類重合用触媒が提案され、該触媒の
存在下でのオレフィン重合方法が例示されている。
【0004】同様に、金属マグネシウム粉末とアルキル
モノハロゲン化物をヨウ素の存在下に反応させて得られ
たマグネシウム化合物と、テトラアルコキシチタン、脂
肪族炭化水素および脂肪族アルコールとの混合溶液中
に、四塩化チタンを加えて固体物質を析出させ、フタル
酸のジエステルを添加して得た固体生成物に芳香族炭化
水素の存在下で四塩化チタンを接触させることにより調
製した固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物および
ケイ素化合物とからなる触媒(特開昭63−154705号公
報) 、あるいはジエトキシマグネシウムとアルキルベン
ゼンとで形成した懸濁液に四塩化チタンを接触させ、次
いでケイ素化合物およびフタル酸ジクロライドを加えて
反応させることにより得られた固体生成物をアルキルベ
ンゼンで洗浄し、更にアルキルベンゼンの存在下で四塩
化チタンと接触反応させて調製した固体触媒成分と、有
機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなる
触媒(特開平1−221405号公報) などが提案され、各触
媒の存在下におけるオレフィンの重合方法が開示されて
いる。
【0005】これらの先行技術は、生成重合体中に残留
する塩素やチタン等の触媒残渣を除去するための所謂、
脱灰工程を省略し得る程の高活性をもつ触媒成分の開発
に端を発し、併せて立体規則性重合体の収率向上や重合
時における触媒活性の持続性を高めることに注力したも
のであり、この目的に対してはそれぞれ優れた効果が発
揮される。
【0006】ところが、この種の高活性型触媒成分と有
機アルミニウム化合物およびケイ素化合物に代表される
電子供与性化合物とからなる組成の重合用触媒を用いて
オレフィン類の重合をおこなうと、生成重合体中に微粉
が多く含まれ、粒度分布もブロード化する傾向があっ
た。この微粉重合体の生成量が多くなると均一な反応の
継続を妨げたり、重合体移送時における配管の閉塞をも
たらす等のプロセス障害原因となり、また粒度分布が広
くなると結果的に重合体の成型加工にまで好ましくない
影響を及ぼす。このため、当業界において特に影響度の
大きい粒径200μm 以下の微粉が可及的に少なく、か
つ均一粒径で粒度分布の狭い重合体を希求する要因とな
っていた。
【0007】この問題を解決する手段として、オレフィ
ン重合に用いる固体触媒成分の組成や調製方法を改良す
ることにより、微粉重合体が少なく、粒度特性に優れる
オレフィン類重合体を得る試みが提案されている。例え
ば、特開昭58−83006号公報には、塩化マグネシ
ウムを2−エチルヘキシルアルコールに溶解させたのち
四塩化チタンで固体触媒成分を析出させ、この触媒成分
と有機アルミニウムおよび電子供与体の存在下にオレフ
ィン重合をおこなうと微粉が殆どなく、粒度分布の狭い
重合体が得られることが開示されている。また、特開平
3−72503号公報には、出発物質としてジアルコキ
シマグネシウム、テトラアルコキシチタネートおよび有
機ケイ素化合物を加熱反応させ、得られた反応生成物を
ハロゲン化チタンおよびオルトフタル酸金属塩のような
カルボン酸誘導体で処理することにより得られる固体触
媒成分と、有機金属化合物およびピペリジン誘導体のよ
うな電子供与性化合物からなる触媒の存在下にオレフィ
ン重合させる方法が開示されており、その実施例に粒子
特性に優れた高立体規則性重合体が高収率で得られたこ
とが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開昭58−83006号公報の方法では、触媒成分
調製段階で多量の溶解剤や析出剤を用いる関係で廃液処
理の後工程ならびに相応の装置が必要となり、このため
プロセスが煩雑化するばかりでなく、粒度分布のコント
ロール、とりわけ微粉重合体の減少という課題に対する
効果が十分に達成されない問題点がある。一方、特開平
3−72503号公報の方法においては、実施例の記載
から明らかなように触媒成分の調製時に活性成分である
チタン化合物を2種類、電子供与体を実質的に3種類用
いるほか、オルトフタル酸金属塩等のカルボン酸誘導体
のような安定的合成に極めて周密な処理操作を必要とす
る成分を用いるなど、調製手段が煩雑であって工業的規
模での生産には工程的、コスト的に改善すべき課題が多
く残されている。
【0009】このほか、予め固体触媒成分中の微粉を除
去するために篩別や気流分級などによる整粒処理を施し
たり、重合プロセス内にフィルターなどの微粉重合体除
去装置を設置する等の方法もあるが、このような物理的
処理のみによって微粉を除去するには限界があり、20
0μm 以下の微粉重合体を効果的に減少させることはで
きないとされていた。
【0010】本発明者らは、オレフィン類の重合に当た
り、上記課題を解決し得る固体触媒成分および重合方法
について研究を重ねた結果、より簡略な操作により生成
した固体成分中に残留する溶媒を特定値以下になるまで
乾燥したのち、得られた粉末状固体成分中に混在する微
粉の占める割合を特定値以下とする微粉除去処理を施す
ことにより固体触媒成分を得、該固体触媒成分(A)、
有機アルミニウム化合物(B)および特定の有機ケイ素
化合物(C)から形成される触媒の存在下にオレフィン
重合を試みたところ、微粉重合体の生成を抑制するため
に有効に機能し、しかも立体規則性重合体の収率も高水
準に維持されることを確認した。
【0011】本発明は、上記の知見に基づいて開発され
たもので、その目的は、粒径200μm 以下の微粉を殆
ど含まない球状に近い粒子形状を有し、かつ立体規則性
に優れるポリオレフィンを収率よく得ることができるオ
レフィン類重合用固体触媒成分と該固体触媒成分を含む
触媒を用いたオレフィン類の重合方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分は、
球状のジアルコキシマグネシウム(a)、常温で液体の
芳香族炭化水素(b)およびフタル酸ジエステル(c)
とで形成した懸濁液を、常温で液体の芳香族炭化水素
(b)と該芳香族炭化水素の総量に対する容量比で1/
2以下の四塩化チタン(d)との混合溶液に加えたのち
昇温し、80〜125℃の温度域で反応させて反応生成
物を得る第1接触反応工程と、反応生成物を芳香族炭化
水素で洗浄し、更に常温で液体の芳香族炭化水素(b)
の存在下に該芳香族炭化水素の総量に対する容量比で1
/2以下の四塩化チタン(d)を加えて80〜125℃
の温度域で反応させることにより固体成分を生成させ、
しかるのち不活性有機溶媒で洗浄する第2接触反応工程
と、ついで固体成分中に残留する溶媒を該固体成分に対
する重量比で1/3以下になるまで乾燥し、得られた粉
末状固体成分に混在する粒径11μm 以下の微粉を、該
粉末状固体成分に対する重量比で1/100以下になる
まで除去する微粉除去処理工程とを経て得られるもので
あることを構成上の特徴とする。
【0013】本発明の固体触媒成分を調製するための成
分のうち、球状のジアルコキシマグネシウム〔以下、単
に「(a)物質」ということがある〕としては、ジエト
キシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジフエノ
キシマグネシウム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、
ジイソプロポキシマグネシウム、ジ−sec−ブトキシ
マグネシウム、ジ−tert−ブトキシマグネシウム等
が例示されるが、本発明の目的にはジエトキシマグネシ
ウムが好適に用いられる。
【0014】常温で液体の芳香族炭化水素〔以下、単に
「(b)物質」ということがある〕としては、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ト
リメチルベンゼン等が使用される。
【0015】フタル酸ジエステル〔以下、単に「(c)
物質」ということがある〕としては例えばジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジ−n−プロピルフタレ
ート、ジイソプロピルフタレート、ジ−n−ブチルフタ
レート、ジイソブチルフタレート、ジ−n−アミルフタ
レート、ジイソアミルフタレート、エチル−n−ブチル
フタレート、エチルイソブチルフタレート、エチル−n
−プロピルフタレート等が挙げられる。
【0016】本発明の固体成分を洗浄する際に用いられ
る不活性有機溶媒としては、ヘプタン、ヘキサン、オク
タン等が挙げられるが、これらは可能な限り水分を除去
して用いることが好ましい。
【0017】本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
は、第1接触反応工程、第2接触反応工程および微粉除
去処理工程からなるプロセスを経て調製される。第1接
触反応工程は、(a)物質、(b)物質および(c)物
質により懸濁液を形成し、該懸濁液を(b)物質と四塩
化チタン〔以下、単に「(d)物質」ということがあ
る〕の混合溶液に加えて接触反応させる工程である。
(a)物質と(b)物質とは懸濁液を形成し得る範囲で
任意の割合で配合され、(c)物質は(a)物質1.0
gに対し0.1〜1.0gの範囲で用いられる。(d)
物質は、(b)物質の総量に対する容量比で1/2以下
で、(a)物質1.0gに対し1.0g以上の量比に設
定する。
【0018】懸濁液の形成は、通常、室温ないし(b)
物質の沸点以下の温度で100時間以下、好ましくは1
0時間以下の時間内で撹拌しながらおこなわれる。該懸
濁液と(b)物質および(d)物質の混合溶液との接触
は、室温付近、好ましくは5〜30℃の温度範囲でおこ
なわれるが、この際、両者の急激な反応を避けるように
配慮することが好ましい。ついで混合液を昇温し、80
〜125℃の温度域において10分〜10時間撹拌しな
がら反応させて反応生成物を得る。
【0019】第2接触反応工程は、前記の反応生成物を
芳香族炭化水素で洗浄し、更に(b)物質の存在下に
(d)物質を加えて接触反応させる工程である。洗浄に
用いる芳香族炭化水素は(b)物質と同一であっても、
異なっていても差し支えない。洗浄した反応生成物は、
(b)物質の存在下に(b)物質の総量に対する容量比
で1/2以下の(d)物質と接触反応させる。接触反応
は、80〜125℃の温度域で10分から10時間の時
間内で撹拌しながらおこない、固体成分を生成させる。
生成した固体成分は、必要に応じn−ヘプタンのような
不活性有機溶媒により洗浄する。
【0020】ついで、第2接触反応工程で得られた固体
成分に残留する溶媒を、該固体成分に対する重量比で1
/3以下、好ましくは1/20〜1/6になるまで乾燥
して粉末状固体成分とし、気流分級等の手段により該粉
末状固体成分に混在する粒径11μm 以下の微粉を、該
粉末状固体成分に対する重量比で1/100以下になる
まで除去する微粉除去処理を施す。乾燥処理は減圧下あ
るいは不活性ガス気流下など、適宜な条件を選択するこ
とができる。
【0021】上記した各工程における一連の操作は、例
えばアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中でおこな
う必要がある。なお、上記各物質の接触手段には特に制
約はなく、通常、撹拌機を装備した容器を用いておこな
われる。
【0022】本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
は上記の工程を経て得られるが、各工程には特別煩雑な
処理操作は必要としないから、極めて簡略なプロセスで
円滑に調製することができる。このうち、第1、第2接
触反応工程は生成重合体の粒子形状に、また微粉除去処
理工程は生成重合体の粒度分布にそれぞれ微妙な影響を
与える本発明の重要な要件で、接触反応時の温度や時間
のコントロールを怠ったり、乾燥前の液状状態で微粉除
去処理を施したり、あるいは粒径11μm 以下の微粉の
除去が十分でないような場合には、200μm 以下の微
粉重合体を効果的に抑制しながら優れた粒子形状とシャ
ープな粒度分布を有するポリマーを得ることができなく
なる。
【0023】本発明に係る重合方法は、上記の工程で得
られたオレフィン類重合用固体触媒成分(A)と、有機
アルミニウム化合物(B)および一般式SiRm ( O
R’)4 -m(但し、式中Rは水素、アルキル基またはアリ
ール基、R’はアルキル基またはアリール基を示し、m
は0≦m≦4である。)で表される有機ケイ素化合物
(C)とからなる触媒の存在下にオレフィンを重合もし
くは共重合させることを構成要件とするものである。
【0024】有機アルミニウム化合物(B)としては、
トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハ
ライド、アルキルアルミニウムジハライドまたはこれら
の混合物が適用される。前記(C)の有機ケイ素化合物
には、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシ
シラン等が該当する。このうちフェニルアルコキシシラ
ンの具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニル−n−プロポキシ
シラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなど
が挙げられ、アルキルアルコキシシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、エ
チルトリイソプロポキシシラン等を挙げることができ
る。
【0025】重合用触媒形成時における各成分の使用量
比は、有機アルミニウム化合物(B)は固体触媒成分
(A)中のTi原子のモル当たりモル比で5〜1000
の範囲とし、有機ケイ素化合物(C)は有機アルミニウ
ム化合物のモル当たりモル比で0.002〜0.5の範
囲とする。
【0026】本発明によるオレフィン類の単独重合もし
くは共重合は、上記組成の重合触媒の存在下でおこなわ
れる。重合されるオレフィン類は、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が対象と
なり、重合は有機溶媒の有無に拘らずおこなわれ、また
オレフィン単量体は気体、液体のいずれの状態でも用い
ることができる。重合条件は、通常、重合温度200℃
以下、好ましくは100℃以下、重合圧力は100kg/c
m2・G 以下、好ましくは50kg/cm2・G 以下に設定され
る。
【0027】
【作用】本発明の重合方法により製造されるポリオレフ
ィンは、各粒子が球状に近い形状を呈しており、粒径2
00μm 以下の微粉重合体が殆ど存在しないシャープな
粒度分布を有している。また、立体規則性重合体の収率
が高く、触媒活性も高く、かつその持続性も優れてい
る。このような効果の発現は、接触反応工程を介して生
成した固体成分を乾燥し、粒径11μm 以下の微粉を除
去する微粉除去処理工程を経て調製された本発明の固体
触媒成分と、該固体触媒成分を用いる重合方法による特
有の作用に基づいてもたらされるものと推測される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0029】実施例1 固体触媒成分の調製;撹拌機を装備した容量500mlの
丸底フラスコの内部を窒素ガスで十分に置換したのち、
トルエン30mlと四塩化チタン20mlを入れて撹拌処理
し、混合溶液を形成した。ついで、この混合溶液を20
〜25℃に保持した状態で、球状のジエトキシマグネシ
ウム10g、トルエン50mlおよびジ−n−ブチルフタ
レート3.6mlにより調製された懸濁液を4時間を費や
して滴下する方法で添加した。添加終了後、90℃に昇
温して撹拌しながら1時間かけて接触反応させた(第1
接触反応工程)。反応終了後、反応生成物を沸点下のト
ルエン100mlで2回洗浄し、更に四塩化チタン20ml
およびトルエン80mlを加え、110℃で2時間撹拌し
ながら接触反応させた(第2接触反応工程)。生成した
固体成分を40℃のn−ヘプタン200mlで10回洗浄
処理したのち、ヘプタン残存率が20重量%以下になる
まで乾燥して粉末状固体成分とした。得られた粉末状固
体成分を気流分級機〔日清エンジニアリング(株)製、
TC−15型〕を用い、ローター回転数2500r.p.m
、N2 気流の風量0.7m3/min、該固体成分供給量
3.5kg/hで粒径11μm 以下の微粉が全粉末状固体成
分量の1重量%以下になるまで除去し、固体触媒成分を
得た(微粉除去処理工程)。調製された固体触媒成分中
のチタン含有率は、2.78重量%であった。
【0030】重合用触媒の形成とプロピレン重合;窒素
ガスで完全に置換した内容積2.0lの撹拌装置付オー
トクレーブに、上記の固体触媒成分をTi原子として
0.0066mmol相当量と、トリエチルアルミニウム
1.32m mol およびフェニルトリエトキシシラン0.
13mmolを入れて撹拌処理し、重合用触媒を形成した。
その後、水素ガス1.8l、液化プロピレン1.4lを
装入し、70℃で30分間重合反応をおこなった。
【0031】特性評価;得られた重合体につき、その全
重量、沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際の不溶解の
重合体量、固体触媒成分当りの重合活性、全結晶性重合
体の収率、生成重合体のMI、生成重合体の平均粒径、
生成重合体の微粉量等を測定評価し、それらの結果を表
1に示した。なお、固体触媒成分当りの重合活性および
全結晶性重合体の収率は、それぞれ下記 (1)〜(2) 式に
よる値として示した。
【0032】
【0033】
【0034】実施例2 固体触媒成分調製時におけるトルエンと四塩化チタンと
の混合溶液の保持温度を25〜30℃に設定して、球状
のジエトキシマグネシウム、トルエンおよびジ−n−ブ
チルフタレートの懸濁液を添加し、それ以外は全て実施
例1と同一の条件により重合用触媒を形成して重合試験
をおこなった。この際の固体触媒成分中のチタン含有率
は2.55重量%であった。得られた重合体の特性評価
結果を表1に併載した。
【0035】実施例3 固体触媒成分調製時におけるトルエンと四塩化チタンと
の混合溶液に球状のジエトキシマグネシウム、トルエン
およびジ−n−ブチルフタレートの懸濁液を添加する際
の所要時間を8時間とし、その他は全て実施例1と同一
条件により重合触媒を形成し、重合試験をおこなった。
この際の固体触媒成分中のチタン含有率は2.90重量
%であった。得られた重合体の特性評価結果を表1に併
載した。
【0036】比較例1 固体触媒成分調製時に、気流分級による微粉除去処理を
施さないほかは全て実施例1と同一の条件で重合触媒を
形成し、重合試験をおこなった。なお、この際の固体触
媒成分中のチタン含有率は、2.54重量%、粒径11
μm 以下の微粉の含有率は12重量%であった。得られ
た重合体の特性評価結果を表1に併せて示した。
【0037】比較例2 固体触媒成分の調製;窒素ガスで充分に置換され、攪拌
機を装備した容量500mlの丸底フラスコに球状のジエ
トキシマグネシウム10gおよびトルエン80mlを装入
して懸濁状態とし、ついでこの懸濁液にTiCl4 20
mlを加え90℃に昇温してジブチルフタレート2.7ml
を加え、さらに115℃に昇温して2時間攪拌しながら
反応させた。反応終了後90℃のトルエン100mlで2
回洗浄し、新たにTiCl4 20mlおよびトルエン80
mlを加え115℃に昇温して2時間攪拌しながら反応さ
せた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン100mlで1
0回洗浄して固体触媒成分とした。調製された固体触媒
成分中のチタン含有率は2.61重量%、粒径11μm
以下の微粉の含有率は40重量%であった。
【0038】重合用触媒の形成とプロピレン重合;上記
の固体触媒成分を用い、それ以外は全て実施例1と同一
の条件により重合用触媒を形成し、重合試験をおこなっ
た。得られた重合体の特性評価を表1に併載した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から、本発明のオレフィン類重
合用固体触媒成分を含む重合用触媒を用い、本発明の重
合方法により得られた重合体は、比較例のものと比べて
粒径200μm 以下の微粉重合体が明らかに減少してお
り、ほぼ1%程度の量であった。また、生成重合体の粒
形はほぼ球形に近く、その粒径分布も狭い範囲に整って
いることが確認された。そのうえ、固体触媒成分当りの
重合活性や立体規則性重合体の収率も高水準に維持され
ていることが認められた。
【0041】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば特定の簡
略方法による接触反応工程と微粉除去処理工程を経て得
られたオレフィン類重合用固体触媒成分とこれを含む重
合用触媒を用いた重合方法により、粒子形状がほぼ球状
を呈し、粒径200μm 以下の微粉重合体がほぼ1%程
度で粒度分布の狭いポリオレフィン粉末を得ることがで
きる。したがって、流動性に優れ、配管輸送の際に運転
停止の原因となる配管閉塞等のトラブル発生がなくな
る。また、微粉重合体の存在は嵩比重を低下させて重合
反応効率を減退させるが、かかる問題も同時に解消され
るうえ、生成重合体の後処理工程も容易となるから、操
業効率の向上、エネルギーの省力化等に基づくコスト低
減に大きく寄与する。
【0042】更に、立体規則性重合体の収率や高い重合
活性および持続性においても優れた性能を維持するた
め、生成重合体中に残留する触媒残渣を無視し得る程度
に低減させ、かつブロック共重合体のような長時間の重
合反応に対しても十分に適応し得るという効果も発揮さ
れる。したがって、用途範囲の広いポリオレフィンの工
業的生産に供する重合用固体触媒成分ならびに重合方法
として優れた実用性が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を例示した模式的フローチャート
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−6006(JP,A) 特開 昭62−223207(JP,A) 特開 昭59−145079(JP,A) 特開 平1−297403(JP,A) 特開 平6−166716(JP,A) 特開 平5−301918(JP,A) 特開 平6−263817(JP,A) 特開 平6−287217(JP,A) 特開 平6−184230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 B07B 1/00 - 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】球状のジアルコキシマグネシウム(a)、
    トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
    ン、トリメチルベンゼンから選ばれる芳香族炭化水素
    (b)およびフタル酸ジエステル(c)とで形成した懸
    濁液を、前記芳香族炭化水素(b)と該芳香族炭化水素
    の総量に対する容量比で1/2以下の四塩化チタン
    (d)との混合溶液に加えたのち昇温し、80〜125
    ℃の温度域で反応させて反応生成物を得る第1接触反応
    工程と、反応生成物を芳香族炭化水素で洗浄し、更に
    芳香族炭化水素(b)の存在下に該芳香族炭化水素の
    総量に対する容量比で1/2以下の四塩化チタン(d)
    を加えて80〜125℃の温度域で反応させることによ
    り固体成分を生成させ、しかるのち不活性有機溶媒で洗
    浄する第2接触反応工程と、ついで固体成分中に残留す
    る溶媒を該固体成分に対する重量比で1/3以下になる
    まで乾燥し、得られた粉末状固体成分に混在する粒径1
    1μm以下の微粉を、該粉末状固体成分に対する重量比
    で1/100以下になるまで除去する微粉除去処理工程
    とを経て得られることを特徴とするオレフィン類重合用
    固体触媒成分。
  2. 【請求項2】 請求項1のオレフィン類重合用固体触媒
    成分(A)と、有機アルミニウム化合物(B)および一
    般式SiRm ( OR')4-m (但し、式中Rは水素、アル
    キル基またはアリール基、R’はアルキル基またはアリ
    ール基を示し、mは0≦m≦4である。)で表される有
    機ケイ素化合物(C)とからなる触媒の存在下にオレフ
    ィンを重合もしくは共重合させることを特徴とするオレ
    フィン類の重合方法。
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