JP3330186B2 - オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法 - Google Patents
オレフィン類重合用固体触媒成分および重合方法Info
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Description
微粉重合体が極めて少なく、かつ立体規則性に優れるポ
リオレフィンを収率よく得ることができるオレフィン類
重合用固体触媒成分および該固体触媒成分を含む触媒を
用いたオレフィン類の重合方法に関する。
ム化合物および電子供与性化合物を必須成分とするオレ
フィン類重合用の固体触媒成分や、該固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物、ケイ素化合物等からなるオレフ
ィン類重合用触媒の存在下にオレフィンを重合もしくは
共重合させる方法については数多くの提案がなされてい
る。
3010号公報においては、ジアルコキシマグネシウ
ム、芳香族ジカルボン酸のジエステル、芳香族炭化水素
およびチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を
粉末状態で加熱処理することにより調製した固体触媒成
分と、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物
からなるオレフィン類重合用触媒が提案され、該触媒の
存在下でのオレフィン重合方法が例示されている。
モノハロゲン化物をヨウ素の存在下に反応させて得られ
たマグネシウム化合物と、テトラアルコキシチタン、脂
肪族炭化水素および脂肪族アルコールとの混合溶液中
に、四塩化チタンを加えて固体物質を析出させ、フタル
酸のジエステルを添加して得た固体生成物に芳香族炭化
水素の存在下で四塩化チタンを接触させることにより調
製した固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物および
ケイ素化合物とからなる触媒(特開昭63−154705号公
報) 、あるいはジエトキシマグネシウムとアルキルベン
ゼンとで形成した懸濁液に四塩化チタンを接触させ、次
いでケイ素化合物およびフタル酸ジクロライドを加えて
反応させることにより得られた固体生成物をアルキルベ
ンゼンで洗浄し、更にアルキルベンゼンの存在下で四塩
化チタンと接触反応させて調製した固体触媒成分と、有
機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物からなる
触媒(特開平1−221405号公報) などが提案され、各触
媒の存在下におけるオレフィンの重合方法が開示されて
いる。
する塩素やチタン等の触媒残渣を除去するための所謂、
脱灰工程を省略し得る程の高活性をもつ触媒成分の開発
に端を発し、併せて立体規則性重合体の収率向上や重合
時における触媒活性の持続性を高めることに注力したも
のであり、この目的に対してはそれぞれ優れた効果が発
揮される。
機アルミニウム化合物およびケイ素化合物に代表される
電子供与性化合物とからなる組成の重合用触媒を用いて
オレフィン類の重合をおこなうと、生成重合体中に微粉
が多く含まれ、粒度分布もブロード化する傾向があっ
た。この微粉重合体の生成量が多くなると均一な反応の
継続を妨げたり、重合体移送時における配管の閉塞をも
たらす等のプロセス障害原因となり、また粒度分布が広
くなると結果的に重合体の成型加工にまで好ましくない
影響を及ぼす。このため、当業界において特に影響度の
大きい粒径200μm 以下の微粉が可及的に少なく、か
つ均一粒径で粒度分布の狭い重合体を希求する要因とな
っていた。
ン重合に用いる固体触媒成分の組成や調製方法を改良す
ることにより、微粉重合体が少なく、粒度特性に優れる
オレフィン類重合体を得る試みが提案されている。例え
ば、特開昭58−83006号公報には、塩化マグネシ
ウムを2−エチルヘキシルアルコールに溶解させたのち
四塩化チタンで固体触媒成分を析出させ、この触媒成分
と有機アルミニウムおよび電子供与体の存在下にオレフ
ィン重合をおこなうと微粉が殆どなく、粒度分布の狭い
重合体が得られることが開示されている。また、特開平
3−72503号公報には、出発物質としてジアルコキ
シマグネシウム、テトラアルコキシチタネートおよび有
機ケイ素化合物を加熱反応させ、得られた反応生成物を
ハロゲン化チタンおよびオルトフタル酸金属塩のような
カルボン酸誘導体で処理することにより得られる固体触
媒成分と、有機金属化合物およびピペリジン誘導体のよ
うな電子供与性化合物からなる触媒の存在下にオレフィ
ン重合させる方法が開示されており、その実施例に粒子
特性に優れた高立体規則性重合体が高収率で得られたこ
とが示されている。
た特開昭58−83006号公報の方法では、触媒成分
調製段階で多量の溶解剤や析出剤を用いる関係で廃液処
理の後工程ならびに相応の装置が必要となり、このため
プロセスが煩雑化するばかりでなく、粒度分布のコント
ロール、とりわけ微粉重合体の減少という課題に対する
効果が十分に達成されない問題点がある。一方、特開平
3−72503号公報の方法においては、実施例の記載
から明らかなように触媒成分の調製時に活性成分である
チタン化合物を2種類、電子供与体を実質的に3種類用
いるほか、オルトフタル酸金属塩等のカルボン酸誘導体
のような安定的合成に極めて周密な処理操作を必要とす
る成分を用いるなど、調製手段が煩雑であって工業的規
模での生産には工程的、コスト的に改善すべき課題が多
く残されている。
に篩別や気流分級などによる整粒処理を施したり、重合
プロセス内にフィルターなどの重合体除去装置を設置す
る等の方法もあるが、このような物理的処理のみによっ
て微粉を除去するには限界があり、200μm 以下の微
粉重合体を効果的に減少させることはできないと言われ
ている。
り、上記課題を解決し得る固体触媒成分および重合方法
について研究を重ねた結果、より簡略な操作により生成
した固体成分を乾燥後、微粉除去処理を施し、これに粉
末状の非イオン性界面活性剤を添加混合することにより
固体触媒成分を得、該固体触媒成分(A)、有機アルミ
ニウム化合物(B)および特定の有機ケイ素化合物
(C)から形成される触媒の存在下にオレフィン重合を
試みたところ、微粉重合体の生成を抑制するために有効
に機能し、しかも立体規則性重合体の収率も高水準に維
持されることを確認した。
たもので、その目的は、粒径200μm 以下の微粉を殆
ど含まない球状に近い粒子形状を有し、かつ立体規則性
に優れるポリオレフィンを収率よく得ることができるオ
レフィン類重合用固体触媒成分と該固体触媒成分を含む
触媒を用いたオレフィン類の重合方法を提供することに
ある。
めの本発明によるオレフィン類重合用固体触媒成分は、
球状のジアルコキシマグネシウム(a)、常温で液体の
芳香族炭化水素(b)およびフタル酸ジエステル(c)
とで形成した懸濁液を、常温で液体の芳香族炭化水素
(b)と該芳香族炭化水素の総量に対する容量比で1/
2以下の四塩化チタン(d)との混合溶液に加えたのち
昇温し、80〜125℃の温度域で反応させて反応生成
物を得る第1接触反応工程と、反応生成物を芳香族炭化
水素で洗浄し、更に常温で液体の芳香族炭化水素(b)
の存在下に該芳香族炭化水素の総量に対する容量比で1
/2以下の四塩化チタン(d)を加えて80〜125℃
の温度域で反応させることにより固体成分を生成する第
2接触反応工程と、ついで生成した固体成分を乾燥して
微粉除去処理を施したのち、粉末状の非イオン性界面活
性剤(e)を添加する処理工程とを経て得られるもので
あることを構成上の特徴とする。
分のうち、球状のジアルコキシマグネシウム〔以下、単
に「(a)物質」ということがある〕としては、ジエト
キシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジフエノ
キシマグネシウム、ジ−n−プロポキシマグネシウム、
ジイソプロポキシマグネシウム、ジ−sec−ブトキシ
マグネシウム、ジ−tert−ブトキシマグネシウム等
が例示されるが、本発明の目的にはジエトキシマグネシ
ウムが好適に用いられる。
「(b)物質」ということがある〕としては、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ト
リメチルベンゼン等が使用される。
物質」ということがある〕としては例えばジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジ−n−プロピルフタレ
ート、ジイソプロピルフタレート、ジ−n−ブチルフタ
レート、ジイソブチルフタレート、ジ−n−アミルフタ
レート、ジイソアミルフタレート、エチル−n−ブチル
フタレート、エチルイソブチルフタレート、エチル−n
−プロピルフタレート等が挙げられる。
に「(e)物質」ということがある〕には、1,5−ソ
ルビタンエステルや1,4−ソルビタンエステルがあ
り、具体的にはソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンモノオレエート等を挙げ
ることができるが、中でも1,5−ソルビタンモノラウ
レートを用いることが好ましい。なお、この(e)物質
は使用時に粉末である必要があるため、塊状の場合には
予め機械的粉砕手段によって粉末化してから用いるよう
にする。
は、第1接触反応工程、第2接触反応工程および処理工
程からなるプロセスを経て調製される。第1接触反応工
程は、(a)物質、(b)物質および(c)物質により
懸濁液を形成し、該懸濁液を(b)物質と四塩化チタン
〔以下、単に「(d)物質」ということがある〕の混合
溶液に加えて接触反応させる工程である。(a)物質と
(b)物質とは懸濁液を形成し得る範囲で任意の割合で
配合され、(c)物質は(a)物質1.0gに対し0.
1〜1.0gの範囲で用いられる。(d)物質は、
(b)物質の総量に対する容量比で1/2以下で、
(a)物質1.0gに対し1.0g以上の量比に設定す
る。
物質の沸点以下の温度で100時間以下、好ましくは1
0時間以下の時間内で撹拌しながらおこなわれる。該懸
濁液と(b)物質および(d)物質の混合溶液との接触
は、室温付近、好ましくは5〜30℃の温度範囲でおこ
なわれるが、この際、両者の急激な反応を避けるように
配慮することが好ましい。ついで混合液を昇温し、80
〜125℃の温度域において10分〜10時間撹拌しな
がら反応させて反応生成物を得る。
芳香族炭化水素で洗浄し、更に(b)物質の存在下に
(d)物質を加えて接触反応させる工程である。洗浄に
用いる芳香族炭化水素は(b)物質と同一であっても、
異なっていても差し支えない。洗浄した反応生成物は、
(b)物質の存在下に(b)物質の総量に対する容量比
で1/2以下の(d)物質と接触反応させる。接触反応
は、80〜125℃の温度域で10分から10時間の時
間内で撹拌しながらおこない、固体成分を生成させる。
生成した固体成分は、必要に応じn−ヘプタンのような
不活性有機溶媒により洗浄する。
成分を乾燥して粉末状とし、気流分級等の手段により微
粉除去処理を施したのち(e)物質を添加する処理工程
に移される。この際、撹拌しつつ添加することにより効
果的に混合処理され、本発明の固体触媒成分となる。
(e)物質の添加量は、調製される固体触媒成分の性能
に悪影響を及ぼすことのない限り任意に設定する。
えばアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気中でおこな
う必要がある。なお、上記各物質の接触手段には特に制
約はなく、通常、撹拌機を装備した容器を用いておこな
われる。
は上記の工程を経て得られるが、各工程には特別煩雑な
処理操作は必要とされないため、極めて簡略なプロセス
で円滑に調製することができる。このうち、第1、第2
の接触反応工程や処理工程は生成重合体の粒形や粒度分
布に微妙な影響を与える本発明の重要な要件で、接触反
応時の温度、時間等のコントロールを怠ったり、乾燥前
の液状状態で微粉除去処理を施したり、あるいは(e)
物質の添加をおこなわないような場合には、200μm
以下の微粉重合体を効果的に抑制しながら優れた粒子形
状とシャープな粒度分布を備えるポリマーを得ることが
できなくなる。
られたオレフィン類重合用固体触媒成分(A)と、有機
アルミニウム化合物(B)および一般式SiRm ( O
R’)4 -m(但し、式中Rは水素、アルキル基またはアリ
ール基、R’はアルキル基またはアリール基を示し、m
は0≦m≦4である。)で表される有機ケイ素化合物
(C)とからなる触媒の存在下にオレフィンを重合もし
くは共重合させることを構成要件とするものである。
トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハ
ライド、アルキルアルミニウムジハライドまたはこれら
の混合物が適用される。前記(C)の有機ケイ素化合物
には、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシ
シラン等が該当する。このうちフェニルアルコキシシラ
ンの具体例としては、フェニルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニル−n−プロポキシ
シラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなど
が挙げられ、アルキルアルコキシシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、エ
チルトリイソプロポキシシラン等を挙げることができ
る。
比は、有機アルミニウム化合物(B)は固体触媒成分
(A)中のTi原子のモル当たりモル比で5〜1000
の範囲とし、有機ケイ素化合物(C)は有機アルミニウ
ム化合物のモル当たりモル比で0.002〜0.5の範
囲とする。
くは共重合は、上記組成の重合触媒の存在下でおこなわ
れる。重合されるオレフィン類は、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が対象と
なり、重合は有機溶媒の有無に拘らずおこなわれ、また
オレフィン単量体は気体、液体のいずれの状態でも用い
ることができる。重合条件は、通常、重合温度200℃
以下、好ましくは100℃以下、重合圧力は100kg/c
m2・G 以下、好ましくは50kg/cm2・G 以下に設定され
る。
ィンは、各粒子が球状に近い形状と併せてその表面が平
滑で特有の光沢を有しており、粒径200μm 以下の微
粉重合体が殆ど存在しないシャープな粒度分布を有して
いる。また、立体規則性重合体の収率が高く、触媒活性
も高く、かつその持続性も優れている。このような効果
の発現は、接触反応工程を介して生成した固体成分を乾
燥し、微粉除去処理したのち非イオン性界面活性剤粉末
を添加する処理工程を経て調製された本発明の固体触媒
成分と、該固体触媒成分を用いる重合方法による特有の
作用に基づいてもたらされるものと推測される。
体的に説明する。
丸底フラスコの内部を窒素ガスで十分に置換したのち、
トルエン30mlと四塩化チタン20mlを入れて撹拌処理
し、混合溶液を形成した。ついで、この混合溶液を20
〜25℃に保持した状態で、球状のジエトキシマグネシ
ウム10g、トルエン50mlおよびジ−n−ブチルフタ
レート3.6mlにより調製された懸濁液を4時間を費や
して滴下する方法で添加した。添加終了後、90℃に昇
温して撹拌しながら1時間かけて接触反応させた(第1
接触反応工程)。反応終了後、反応生成物を沸点下のト
ルエン100mlで2回洗浄し、更に四塩化チタン20ml
およびトルエン80mlを加え、110℃で2時間撹拌し
ながら接触反応させた(第2接触反応工程)。生成した
固体成分を40℃のn−ヘプタン200mlで10回洗浄
処理したのち、ヘプタン残存率が20重量%以下になる
まで乾燥して粉末状固体成分とした。得られた粉末状固
体成分を気流分級機〔日清エンジニアリング(株)製、
TC−15型〕にかけて粒径11μm 以下の微粉を除去
し、この固体成分9.0g中に予め振動ミルで30分間
粉砕して粉末とした1,5−ソルビタンモノラウレート
〔花王(株)製“エマゾールS−20”〕1.0gを添
加混合して固体触媒成分を得た(処理工程)。調製され
た固体触媒成分中のチタン含有率は、2.53重量%で
あった。
ガスで完全に置換した内容積2.0lの撹拌装置付オー
トクレーブに、上記の固体触媒成分をTi原子として
0.0066mmol相当量と、トリエチルアルミニウム
1.32m mol およびフェニルトリエトキシシラン0.
13mmolを入れて撹拌処理し、重合用触媒を形成した。
その後、水素ガス1.8l、液化プロピレン1.4lを
装入し、70℃で30分間重合反応をおこなった。
重量、沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際の不溶解の
重合体量、固体触媒成分当りの重合活性、全結晶性重合
体の収率、生成重合体のMI、生成重合体の平均粒径、
生成重合体の微粉量等を測定評価し、それらの結果を表
1に示した。なお、固体触媒成分当りの重合活性および
全結晶性重合体の収率は、それぞれ下記 (1)〜(2) 式に
よる値として示した。
5−ソルビタンモノラウレートを0.5g添加し、それ
以外は全て実施例1と同一の条件で重合用触媒を形成
し、重合試験をおこなった。この際の固体触媒成分中の
チタン含有率は2.76重量%であった。得られた重合
体の特性評価結果を表1に併載した。
5−ソルビタンモノラウレートを1.5g添加したほか
は、全て実施例1と同一の条件により重合触媒を形成
し、重合試験をおこなった。この際の固体触媒成分中の
チタン含有率は2.50重量%であった。得られた重合
体の特性評価結果を表1に併載した。
5−ソルビタンモノラウレートを0.1g添加したほか
は、全て実施例1と同一の条件により重合触媒を形成
し、重合試験をおこなった。この際の固体触媒成分中の
チタン含有率は2.75重量%であった。得られた重合
体の特性評価結果を表1に併載した。
の他の条件は実施例1と同一にして重合触媒を形成し、
重合試験をおこなった。なお、この際の固体触媒成分中
のチタン含有率は、2.78重量%であった。得られた
重合体の特性評価結果を表1に併せて示した。
合用固体触媒成分を含む重合用触媒を用い、本発明の重
合方法により得られた重合体は、比較例のものと比べて
200μm 以下の微粉重合体が明らかに減少しており殆
ど存在しない程度の量であった。また、生成重合体の粒
形はほぼ球形に近く、その粒径分布も狭い範囲に整って
いることが確認された。そのうえ、固体触媒成分当りの
重合活性や立体規則性重合体の収率も高水準に維持され
ていることが認められた。
略方法による接触反応工程と処理工程を経て得られたオ
レフィン類重合用固体触媒成分とこれを含む重合用触媒
を用いた重合方法により、粒子形状がほぼ球状で、かつ
その表面が滑らかな特有の光沢を有し、粒径200μm
以下の微粉重合体が殆ど存在しない粒度分布の狭いポリ
オレフィン粉末を得ることができる。したがって、流動
性に優れ、配管輸送の際に運転停止の原因となる配管閉
塞等のトラブル発生がなくなる。また、微粉重合体の存
在は嵩比重を低下させて重合反応効率を減退させるが、
かかる問題も同時に解消されるうえ、生成重合体の後処
理工程も容易となるから、操業効率の向上、エネルギー
の省力化等に基づくコスト低減に大きく寄与する。
活性およびその持続性においても優れた性能を維持する
ため、生成重合体中に残留する触媒残渣を無視し得る程
度に低減させ、かつブロック共重合体のような長時間の
重合反応に対しても十分に適応し得るという効果も発揮
される。したがって、用途範囲の広いポリオレフィンの
工業的生産に供する重合用固体触媒成分ならびに重合方
法として優れた実用性が期待される。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 球状のジアルコキシマグネシウム
(a)、常温で液体の芳香族炭化水素(b)およびフタ
ル酸ジエステル(c)とで形成した懸濁液を、常温で液
体の芳香族炭化水素(b)と該芳香族炭化水素の総量に
対する容量比で1/2以下の四塩化チタン(d)との混
合溶液に加えたのち昇温し、80〜125℃の温度域で
反応させて反応生成物を得る第1接触反応工程と、反応
生成物を芳香族炭化水素で洗浄し、更に常温で液体の芳
香族炭化水素(b)の存在下に該芳香族炭化水素の総量
に対する容量比で1/2以下の四塩化チタン(d)を加
えて80〜125℃の温度域で反応させることにより固
体成分を生成する第2接触反応工程と、ついで生成した
固体成分を乾燥して微粉除去処理を施したのち、粉末状
の非イオン性界面活性剤(e)を添加する処理工程とを
経て得られることを特徴とするオレフィン類重合用固体
触媒成分。 - 【請求項2】 請求項1のオレフィン類重合用固体触媒
成分(A)と、有機アルミニウム化合物(B)および一
般式SiRm ( OR')4-m (但し、式中Rは水素、アル
キル基またはアリール基、R’はアルキル基またはアリ
ール基を示し、mは0≦m≦4である。)で表される有
機ケイ素化合物(C)とからなる触媒の存在下にオレフ
ィンを重合もしくは共重合させることを特徴とするオレ
フィン類の重合方法。
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- 1993-04-01 JP JP09897193A patent/JP3330186B2/ja not_active Expired - Lifetime
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